JP5664126B2 - 含水粉体の造粒物の評価試験方法 - Google Patents
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Description
しかし、この従来技術は、製鉄スラッジを専用の乾燥機で乾燥した上で、乾燥ダストやバインダーなどを加えてブリケットやペレットにする方法であるため、設備コストや運転コストがかかる問題がある。
[1]含水粉体を主体とする原料を造粒して得られた造粒物の評価試験方法であって、造粒直後の複数の造粒物を容器に装入して積み重なった状態に充填し、この充填された造粒物に上部から荷重をかけた状態で養生し、該養生後の造粒物を、容器内での充填形状のまま容器から取り出し、取り出された造粒物の状態について、下記(a)、(b)のうちの少なくとも1つを評価することを特徴とする含水粉体の造粒物の評価試験方法。
(a)造粒物の崩れ・変形状況
(b)造粒物どうしの付着状況
(c)容器から取り出したままの造粒物を落下試験に供した際の造粒物どうしの分離状況
[3]上記[1]又は[2]の評価試験方法において、含水粉体が製鉄ダスト又は/及び製鉄スラッジであることを特徴とする含水粉体の造粒物の評価試験方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの評価試験方法による造粒物の評価結果に基づき、造粒物の造粒条件を決定して、造粒設備で造粒を行うこと特徴とする含水粉体の造粒物の製造方法。
以下、そのような造粒物とその製造方法について、製鉄ダスト又は/及び製鉄スラッジ(以下、説明の便宜「ダスト・スラッジ」という)を主体とする原料の造粒物を例に説明する。
原料となるダスト・スラッジには、セメント、生石灰、消石灰などのような固化剤が配合されるが、さらに必要に応じて、水分調整のための水を添加してもよい。
このような造粒物製造装置では、ドラム6内に造粒用の原料を入れてモータ10とモータ15を駆動させ、ドラム6内で撹拌翼7を公転させ且つ撹拌ロータ8を公転させながら自転させることで、原料を処理する。
(1)解砕工程:ケーキ状のダスト・スラッジを解砕する。
(2)混合工程:少なくとも固化剤を添加し、ダスト・スラッジと混合する。
(3)造粒工程:混合工程で混合された原料を造粒し、主として造粒物の核を生成させる。
(4)整粒工程:造粒工程で生成した造粒物の核を粒成長させるとともに、粒成長した造粒物の表面を平滑化する。
(2)混合工程:撹拌翼7を逆回転で低速回転させながら撹拌ロータ8を正回転で高速回転させる処理を行う。
(3)造粒工程:撹拌ロータ8を正回転で中速回転させながら、撹拌翼7を正回転で中速回転させる処理を行う。
(4)整粒工程:撹拌翼7を正回転で高速回転させながら、撹拌ロータ8を正回転で低速回転させる処理を行う。
以上が、ダスト・スラッジを主体とする原料の造粒物とその製造方法(造粒方法)の一例であるが、ダスト・スラッジを主体とする原料の造粒物とその製造方法も、以上の例に限られるものではない。
(a)造粒物の崩れ・変形状況
(b)造粒物どうしの付着状況
(c)容器から取り出したままの造粒物を落下試験に供した際の造粒物どうしの分離状況
容器1は円筒状で、上部及び下部が開放している。この容器1は、その内部で荷重をかけた複数の造粒物をそのままの状態で取り出すことができるようにするため、縦割り状に複数部分に分解(本実施形態では2つの部分1a,1bに分解)できるように構成されている。なお、この容器1は有底であってもよい。
この容器1の大きさは、装入する造粒物の個数との関係から、直径(内径)及び高さ(容器内部の高さ)ともに装入する造粒物の粒径(調和平均粒径)の5〜20倍程度とすることが好ましい。また、一般には、直径(内径)が100〜300mm、高さ(容器内部の高さ)が100〜300mm程度のものが用いられる。
この造粒物2の状態の評価では、まず、造粒物2の崩れ・変形状況、造粒物2どうしの付着状況を評価する。また、造粒物2どうしが付着していると認められる場合には、造粒物2(付着している造粒物群)を落下試験に供し、その際の造粒物どうしの分離状況を評価する。この落下試験による落下高さは、例えば、ショベルカーで運搬する際の落下高さなどを想定して1〜2m程度とするのがよい。また、落下部はコンクリート、鉄板などが好ましい。この落下試験で造粒物の分離状況を評価し、例えば、1回の落下で造粒物どうしが分離すれば“良好”と評価する。
本発明法の評価試験に供されるのは、実機で造粒された造粒物であっても、また、造粒試験機で造粒された造粒物であってもよく、後者の場合には、造粒試験機で造粒された造粒物を本発明法の評価試験に供し、その結果を実機の造粒条件に反映させるという方法が採られる。
図1に示すような構造の容器(内径120mm、高さ120mm)に造粒物を約1.5kg装入した後、図2に示すような方法で造粒物に上部から荷重をかけた。この荷重は、実操業において造粒物を山積する際の山の高さが2m程度になることを想定し、それに相当する重量とした。荷重をかけた状態で24時間静置し、養生させた後、容器を分解して造粒物を容器から静かに取り出し、この造粒物について、上述した(a)〜(c)の評価を行った。その結果を、造粒条件とともに表1に示す。なお、落下試験での落下高さは1mとした。
そこで、造粒物(2)の配合条件を採用し、大型の汚泥用造粒機(500kg/バッチ)を用いて造粒試験を行った結果、上記造粒物(2)とほほ同じ性状の造粒物を得ることができた。この造粒物90tonをヤードで山積した状態で3〜5日間養生した後、篩作業を行い、50mm以上の造粒物の除去を行った。篩上の比率は3.9mass%と低く、粒どうしが付着しているものも存在していないことが確認でき、採用した造粒条件で得られる造粒物の保形性に問題ないことが確認された。
1a,1b 部分
2 造粒物
3 荷重受け板
4 重り載せ台
5 重り
6 ドラム
7 撹拌翼
8 撹拌ロータ
9 回転軸
10 モータ
11 変速機構
12 アーム
13 保持軸
14 アーム
15 モータ
16 変速機構
17 動力伝達機構
60 ドラム底面
Claims (4)
- 含水粉体を主体とする原料を造粒して得られた造粒物の評価試験方法であって、
造粒直後の複数の造粒物を容器に装入して積み重なった状態に充填し、この充填された造粒物に上部から荷重をかけた状態で養生し、該養生後の造粒物を、容器内での充填形状のまま容器から取り出し、取り出された造粒物の状態について、下記(a)、(b)のうちの少なくとも1つを評価することを特徴とする含水粉体の造粒物の評価試験方法。
(a)造粒物の崩れ・変形状況
(b)造粒物どうしの付着状況 - 造粒物の状態の評価では、さらに下記(c)を評価することを特徴とする請求項1に記載の含水粉体の造粒物の評価試験方法。
(c)容器から取り出したままの造粒物を落下試験に供した際の造粒物どうしの分離状況 - 含水粉体が製鉄ダスト又は/及び製鉄スラッジであることを特徴とする請求項1又は2に記載の含水粉体の造粒物の評価試験方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の評価試験方法による造粒物の評価結果に基づき、造粒物の造粒条件を決定して、造粒設備で造粒を行うこと特徴とする含水粉体の造粒物の製造方法。
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