JP4264190B2 - 回転床炉による還元鉄製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転床炉を用いた還元鉄製造方法に関し、詳しくは、回転床炉の操業に伴い回転炉床上に形成される堆積層の形成を抑制しつつ還元鉄の製造を行う方法に関する。また、本発明は、除去しやすい堆積層を形成させつつ還元鉄の製造を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉鉄鉱石や、製鉄所などで発生する鉄分を含む、ダスト、スケールおよびスラッジなどを処理し、還元鉄を製造する方法として、炉床が水平に回転移動する加熱床炉(以下「回転床炉」という)を用いる方法が注目されている。この方法は一般的には、回転床炉の回転炉床面に、粉状酸化鉄原料と粉状の還元剤などを混合・成形した塊成物を敷き詰め、床炉内で塊成物を移動させなが加熱還元させ、還元鉄を得るというものである。
【0003】
図1は、回転床炉を用いて行う還元鉄の製造プロセスの一例である(なお、図1中、波線部右側の炭材装入を示す部分は従来技術ではない)。この工程図に沿って回転床炉による還元鉄の製造例を説明すると次の通りである。図示するように、粉鉄鉱石、ダスト、スケール、スラッジ、ステンレスを製造する工程で発生するダスト、スケール、スラッジなどの粉体酸化鉄原料および粉石炭などを混合し、混練機でさらに水分などを添加して混合する。この混合原料をペレタイザーまたはダブルロール圧縮機などの造粒機で塊成化する。通常この後塊成物は水分量の調整のために乾燥機により乾燥処理される。乾燥後、塊成物は回転床炉の原料装入部へ移送して炉内へ装入される。塊成物は、ベルトコンベヤーなどにより回転床炉に送られ、そこから回転炉床上に幅広く分散するように装入シュートなどを用いて装入され、レベラーなどによりならされる。回転炉床の移動に伴って1回転させる間に塊成物中の酸化鉄を高温還元して固体状金属鉄とする。得られた金属鉄は排出部から取り出される。
【0004】
回転床炉内は、炉内に燃料ガスと空気を送り込み燃焼させることによっておよそ900〜1400℃の炉内温度が確保される。この回転床炉の炉床上に上記の塊成化物を10〜20mm程度の薄い厚みで敷き、主に炉内壁からのガスバーナーなどにより900℃以上に昇温し、炉床が1回転する間に所定の金属化率に達するように炉床の回転速度を調整しつつ還元焼結させ、排出部からスクリューコンベア(スクリューフィーダともいわれる)などの掻き出し装置により還元された塊成物を排出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回転床炉内に装入される塊成物としては、ペレット、ブリケット、押し出し成形して裁断したものなどが挙げられる。これらの塊成物は、塊成化された後回転床炉へ移送されるまでの間に、また塊成物を回転炉床面に敷設する際に、あるいは加熱される過程などで割れてしまうことがある。塊成物が割れると粉体が生じ、鉄分を含む粉体が回転炉床面に落ちて貯まっていく。また、塊成物の表面に付着している粉体を回転床炉に装入する前に100%取り除くのも実質上困難であり、塊成物の表面に付着していた粉体も回転炉床面に落ちて、粉体が貯まる原因となる。
【0006】
このような回転炉床面に貯まっていく鉄分を含む粉体は、炉内で加熱され、徐々に融着・固化した堆積層を(以下、固化した堆積層を単に「堆積層」という)、あるいは、塊成物の搬出手段であるスクリューコンベアの羽先などで圧延されて徐々に堆積層を形成するに至る。
【0007】
上記のようにして回転炉床面上に堆積層が形成されることにより回転床炉の操業上、例えば次のような問題が生じる。炉床面と原料の装入口との間隙を狭く採っている場合などには、堆積層が厚くなっていくことにより、装入口の損傷を招くことがある。さらに、塊成物の搬出口に備えられるスクリューコンベアまたはスクレーパなどの羽先を摩耗させ、さらには損傷させてしまう場合がある。
【0008】
そこで、堆積層を除去する必要性が生じる。堆積層を除去するには、回転床炉での還元操業を定期的に停止し、堆積層を剥離除去することが考えられる。しかし、堆積層除去だけのために頻繁に還元操業を停止するのは稼働率の点からして好ましくない。
【0009】
また、堆積層を除去する方法として回転床炉に堆積層を破砕するクラッシャーを設ける方法が開示されている(特開2000−109913号公報)。しかし、別途にクラッシャーを設けるのは回転床炉の機構を複雑化させ、設備費を上昇させる点で不都合である。
【0010】
本発明は上記の観点からなされたものであり、回転床炉による還元鉄の製造において堆積層の形成を抑制することを課題とする。また、炉床上に形成された堆積層の除去を容易にすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、堆積層を容易に除去する方法について鋭意研究を進めたところ、堆積層の原因となる粉体が落下して炉床面にまで到達するのを抑制すればよいという着想に至り、塊成物を複数回転に渡り順次積層させ、塊成物の層に粉体を保持させ、粉体が炉床面にまで到達するのを抑制することにより、堆積層の形成を抑制し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の通りである。
(1)回転床炉の回転炉床上に、回転炉床を回転させつつ回転床炉内に酸化鉄原料を含む塊成物を装入して層状に敷設し、回転炉床を回転させながら酸化鉄の還元処理を行い、還元された塊成物を回転床炉外へ搬出する、回転床炉による還元鉄製造方法であって、回転炉床の回転と共に回転炉床上に塊成物を敷設しつつ還元する処理を複数周回行い、塊成物を順次積層させる第1工程と、回転炉床を回転させながら、酸化鉄原料を含む塊成物の回転床炉への装入を継続すると共に、回転床炉内に新たに装入されてくる塊成物の装入量よりも多くかつ段階的に、積層された塊成物を段階的に回転床炉外に搬出する第2工程とを含む、回転床炉を連続運転する、回転床炉による還元鉄の製造方法。
)前記回転床炉に備えられた、還元された塊成物の搬出手段が、スクリューコンベア、スクレーパまたはプッシャーなどの掻き出し装置である、前記()に記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
)酸化鉄原料を含む塊成物と炭材とを混在させて敷設し、回転炉床の運転過程で回転炉床上に形成される堆積層中に該炭材を混入させる、前記(1)から()のいずれかに記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
)前記炭材が、石炭、コークス、チャー、オイルコークス、廃プラスチックおよび廃タイヤチップからなる群より選ばれる1種または2種以上である、前記()に記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
)塊成物と混在して敷設される炭材が、塊成物に対して重量%で20%以下の割合である、前記()または()に記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
1.疑似炉床法を用いた還元鉄の製造方法
回転床炉を用いた還元鉄の製造では、まず回転床炉の回転炉床上に、回転炉床を回転させつつ回転床炉内に酸化鉄原料を含む塊成物を装入して層状に敷設される。なお、本明細書においては、回転炉床が1回転して敷設される層を、1段と数える。1回転して敷設される層の厚さは、塊成物の装入量、炉床の回転を調整することにより調整することができる。塊成物の装入量は、例えば、単位時間当たりの装入重量として表される。加熱還元するためには、還元前の塊成物の表面ができるだけ暴露していることが好ましいので、1段の厚さは、通常、塊成物1〜2粒分の粒径に相当する厚さとなるようにすることが多い(ただし、本発明はこれに限定されない)。装入された塊成物はレベラーなどによって平らにならされ層状に敷き詰められていく。炉内に装入・敷設される塊成物は、前記回転炉床を回転させながら還元処理されていく。通常、回転炉床が1回転する間に、還元が十分に行われるように、加熱温度、還元剤の添加量、回転炉床の回転速度などの条件を整える。還元された塊成物は、搬出手段を用いて回転床炉外へ搬出される。回転床炉の例を図2に示す。
【0013】
塊成物とは、ペレット、ブリケット、押し出し成形して裁断した成形品、粒度調整された塊状物などの粒状物・塊状物のことをいう。これらは回転炉床を用いて酸化鉄を還元する際に一般的に用いられるものを用いることができ、その製造もこのような塊成物を成形する一般的な方法により行うことができる。塊成物の大きさは、回転床炉による還元の条件などにより適宜調節してよいが、好ましくは1つの塊成物の粒径はおよそ8〜25mmである。
【0014】
塊成物に配合される成分は、粉状酸化鉄原料、還元剤、さらに必要に応じて水分、水分以外のバインダーなどである。
【0015】
酸化鉄原料としては、粉状の鉄鉱石の他に、製鉄所で発生する鉄分を含んだ各種のダストやスラッジ、スケールなどが使用できる。また、ステンレスを製造する工程で発生するダスト、スケール、スラッジを用いることも可能である。塊成物にするために、通常、酸化鉄原料は粉状化したものが用いられる。また、還元剤としては、石炭、コークス、チャー、オイルコークス、廃プラスチック、廃タイヤなどが使用可能であり、これらの還元剤も粉状にして粉状の酸化鉄原料と混ぜ合わせることが好適である。
【0016】
酸化鉄原料と還元剤は、混合して成形されるが、その際、必要に応じてバインダーとして、水分、澱粉、タール、糖蜜、有機系樹脂、セメント、スラグ、ベントナイト、生石灰、軽焼ドロマイト、消石灰などが添加される。定法に従い成形された塊成物は、水分の調整のため乾燥機にかけられる場合がある。
【0017】
このように回転床炉を用いて酸化鉄原料を含む塊成物を還元し、還元鉄を製造する方法では回転床炉の運転過程において、次のようにして堆積層が形成されていく。まず、塊成物が割れて生じる粉体、塊成物の表面に付着していた粉体などが回転炉床上に落ちて蓄積する。蓄積した粉体は、炉内で加熱され、また塊成物の搬出手段であるスクリューコンベアの羽先などで圧延されて、粉体が融着・固化した堆積層が形成され、漸次厚くなっていく。
【0018】
本発明においては、塊成物を複数段にわたり積み上げてることにより、塊成物等に起因する鉄分を含む粉体が落下して炉床面上に到達するのを抑制する。複数段に渡り塊成物を敷設することにより、より上方に敷設された塊成物に付着していた粉体や、塊成物が割れて生じる粉体などが下方の塊成物間で捕捉され、炉床にまで到達する確率を低くすることができる。言い換えると、本発明は、上方に敷設された塊成物層に対し、下方に敷設された塊成物層を擬似的な炉床とするものである。
【0019】
本発明は、上記のようにして炉床上に粉体が蓄積するのを抑制するものであり、回転床炉の製造方法において次の2つの工程を含む。
(第1工程):回転炉床の回転と共に回転炉床上に塊成物を敷設しつつ還元する処理を複数周回行い、塊成物を順次積層させる。
(第2工程):積層された塊成物を段階的に回転床炉外に搬出する。
【0020】
第1工程では、回転炉床の回転を複数周回行い、周回ごとに塊成物の層を重ね、複数段敷設する。回転床炉では、炉床を回転させながら酸化鉄の還元が行われ、通常、1回転する間に塊成物中の酸化鉄が還元されるようにする。このようにした場合、第1段目の上に第2段目が敷設される時点では、第1段目の塊成物の還元は十分行われている。2回転目は、第2段目が敷設されつつ回転移動に伴って塊成物の還元が進行する。以降、第3周、第4周と周回を重ねていくことにより、塊成物を順次積層させながら、還元鉄の製造が行われる。第1工程おける複数回転とは、少なくとも2回転させることを意味する。したがって、少なくとも2層分は第1工程により積層する。
【0021】
塊成物を装入し敷設する方法は、回転床炉に酸化鉄原料である塊成物を敷設させるために一般的に行われている方法に従って行えばよいが、酸化鉄原料を含む塊成物が割れて、堆積層を形成させる粉体が生じにくい方法を採用することが、堆積層の形成自体を抑制するという点から好ましい。
【0022】
第2工程は、還元した塊成物を炉外へ搬出する工程である。第2工程においては、回転炉床上に積層された塊成物を段階的に搬出する。段階的にとは、一気にに最下層まで搬出するのではなく、数周回に分けて搬出するという意味である。炉外へ塊成物を搬出する搬出手段としては、例えば、スクリューコンベア、スクレーパなどの掻き出し装置、プッシャーなどの押出し装置などが挙げられる。積層量にもよるが、周回数が多くなり多量に塊成物が積層された場合には、搬出手段に対し過度な負荷をかける場合が多いので、段階的に搬出することにより、搬出手段の摩耗、消耗、損傷を軽減することができる。段階的に塊成物を搬出するには、搬出手段の高さを調節すればよい。具体的には、例えばスクリューコンベアの場合、スクリューの高さを調整し、層の厚みの一部を排出するように調整すれば、炉床の回転に伴い段階的に塊成物を搬出していくことができる。
【0023】
搬出は一旦炉床の回転を停止して行ってもよいが、回転を停止せず、連続的に操業しつつ行うことが稼働率の点では好適である。また、塊成物の搬出を行っている際には、原料としての塊成物を新規に炉内に装入することを停止してもよいが、停止せず、連続操業した方が稼働率の点では好適である。
【0024】
すなわち、第2工程において、回転炉床を回転させながら、酸化鉄原料を含む塊成物の回転床炉への装入を継続すると共に、回転床炉内に新たに装入されてくる塊成物の装入量よりも多くかつ段階的に、積層された塊成物の回転床炉外への搬出を行い、回転床炉を連続運転することが還元鉄の製造方法として稼働率がよい。塊成物の装入を行いつつ、搬出する場合、炉内に新たに装入されてくる塊成物の装入量よりも多く、還元後の塊成物を搬出することにより、炉床上の積層された塊成物の敷設層の厚みを下げ、炉床の周回を重ねるうちに最下層の塊成物まで搬出することができる。炉床を停止させず装入と搬出とを並行して操業していく場合、搬出手段としては、スクリューコンベア、スクレーパなどの掻き出し装置が好適である。
【0025】
なお、本発明の製造方法は、その全工程中に第1工程および第2工程を含んでいればよく、第1工程、第2工程の他に、装入段と排出段が同じとなる通常操業の工程を含めて実施しても構わない。したがって、例えば、第1工程の直後に第2工程を常に連続して行わなくても構わない。
【0026】
具体的な実施形態例を示す(図4に模式的に、スクリューコンベアから装入口の間での層の変化の様子を示す)。まず炉床に操業開始時点から、まず炉床4回転の間は、塊成物を排出せず、塊成物の装入・敷設を続け、4回転終了時には、還元された若しくは還元処理中の塊成物が4段積み重なった敷設層が形成される。5回転目から装入量はそのまま同じに維持しつつ、2段分(すなわち装入量の2倍に相当する量)をスクリューコンベアなどで床炉外へ搬出していく。すると、2段分搬出され1段分積み重ねられていくので、5回転目終了時には結果として炉床上に3段分の敷設層が残る。2段分の搬出を続けて各周回を重ねると、8回転終了時には、最初に最下段にあった塊成物まで搬出されるとともに最下段には、新たに塊成物が敷設される。以後、同様の作業を繰り返す。
【0027】
図8には、装入量と搬出量との調整例を経時的に示した。
【0028】
2.塊成物と炭材とを混在させて敷設する還元鉄の製造方法
以上の方法は、堆積層の成長を抑制するものである。本発明はさらに、形成されてしまった堆積層の除去を容易ならしめる方法を提供する。すなわち、塊成物等の敷設方法を所定の方法で行うことにより、炉床面上に形成される堆積層を除去しやすい性状のものとする。そのため本発明では、還元処理後の塊成物を搬出するスクリューコンベアなどの搬出手段でも容易に堆積層を破砕または剥離させて除去できるように堆積層中に炭材が混入するように、塊成物と炭材とを回転炉床上に敷設する。
【0029】
還元鉄の製造にあたり、塊成物は回転床炉の回転炉床面上に敷設され還元されるが、本発明では塊成物と炭材とを混在させて敷き詰め、形成される塊成物敷設層内に炭材を介在させておく。炭材を塊成物敷設層内に介在させておくことにより、還元操業を行う過程で炭材が堆積層の原因となる鉄分を含む粉体と炉床上で混ざって蓄積され、炭材が混入した堆積層が形成される(図6)。
【0030】
塊成物敷設層内に介在させる炭材は、堆積層に混入し、堆積層除去の際に堆積層を破砕・剥離させやすくする亀裂起点を構成するものであればよい。本発明で敷設層に介在させる炭材として好ましくは、石炭、コークス、チャー、オイルコークス、廃プラスチック、廃タイヤチップなどが挙げられ、これらから、1種または2種以上を用いても構わない。
【0031】
回転炉床上に塊成物と混在して敷設される炭材の量の上限は、好ましくは塊成物に対して20重量%以下の割合、特に好ましくは5重量%以下の割合である。この上限以下であれば、還元鉄の製造を阻害することがほとんどない。
【0032】
一方、回転炉床上に塊成物と混在して敷設される炭材の量の下限は、好ましくは塊成物に対して0.01重量%、特に好ましくは1重量%である。この下限以上であれば除去しやすい堆積層を形成させるために好適である。
【0033】
堆積層中に混入した炭材の大きさは、好ましくは20mm以下程度、特に好ましくは5mm以下程度である。この程度の大きさのものが、スクリューコンベアなどの搬出手段による堆積層除去の際にウィークポイントとなり堆積層除去のために好適に作用する。
【0034】
図5に、石炭が介在する塊成物敷設層の状態を模式的に例示した(図5では塊成物の粒径の1〜2倍程度の厚みで層を形成している様子を示している)。図5に例示されるように、石炭などの場合には粒度を厳密に均一化することを要せず、塊成物と略同粒径のものが介在物同士の間に介在して敷設されていても、粉状の石炭の一部が炉床に接地していてもよい。
【0035】
前記回転床炉に備えられた還元処理後の塊成物の搬出手段が、スクリューコンベアまたはスクレーパなどの掻き出し装置であると、回転炉床上に蓄積される粉体を実質的に圧延し、強固な堆積層を形成させる傾向がある。本発明は、このような掻き出し装置を備える回転床炉における還元鉄の製造において特に好適である。
【0036】
スクリューコンベアやスクレーパなどの掻き出し装置を用いて堆積層を除去するには、スクリュー等の羽先が堆積層内に食い込むように羽先の高さを調整し、スクリューの回転数などを調整することにより容易に行うことができる。
【0037】
還元処理過程で炭材が混入して形成された堆積層は、炭材が混在していないものに比べて破砕または剥離させやすいため、還元された塊成物を回転床炉から搬出するために一般的に用いられるスクリューコンベア、スクレーパなどの掻き出し装置によっても容易に除去することが可能である。炭材を含まない堆積層をこれらの掻き出し装置で除去しようとすると、羽先などの摩耗が激しく、また損傷の可能性も高くなり、さらに動力にかかる負荷も大きくなってしまう。
【0038】
図7は、掻き出し装置としてスクリューコンベアを用いている場合について、堆積層が破砕・剥離する様子を例示したものである。図7に示すように、堆積層中に炭材が含まれていると、スクリューの圧力がかかったとき、炭材の部分がウィークポイントとなり亀裂起点となって、堆積層が破砕・剥離しやすくなる。
【0039】
このような炭材を混入させることにより堆積層の除去を容易ならしめる方法と、先に説明した堆積層の成長を抑制する方法とを組み合わせることにより、回転床炉における堆積層による種々の弊害を大幅に軽減することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を示し本発明についてより詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0041】
<実施例1〜4>
(1)原料ペレット(塊成物)の製造
図1に示す工程に従って、還元鉄製造用の原料ペレットを製造した。原料ペレットの配合組成を表1に、また化学組成を表2に示す。また、各配合成分は混合する前に、ボールミルを用いて粒度調整を行うと共に加湿器により予め水分を添加した。ボールミルによる調整条件を表3に示す。ペレットは皿型造粒機を用いて成形し、粒径φ8〜12mmのペレット(生ペレット)を得た。生ペレットは、乾燥機にかけ水分1%として、回転床炉に装入する原料ペレットを得た。
【0042】
【表1】
Figure 0004264190
【0043】
【表2】
Figure 0004264190
【0044】
【表3】
Figure 0004264190
【0045】
(2)回転床炉による還元鉄の製造
上記の原料ペレットを回転床炉に装入し、回転炉床を回転させながら原料ペレットを還元し、還元鉄を製造した。用いた回転床炉の仕様は表4に、回転床炉による還元条件は表5に示す。
【0046】
【表4】
Figure 0004264190
【0047】
【表5】
Figure 0004264190
【0048】
【表6】
Figure 0004264190
【0049】
原料ペレットは、複数周回させて積層させ、その最大積み重ね数を表6のように変えてそれぞれ操業した。原料ペレット等は、装入口を通じ回転炉床の回転移動に伴って炉床面上に敷設し、レベラーでペレットの敷設層の表面を一様にならした。ペレットの装入量は、1周回につき敷設層が8〜20mm程度(ペレット1〜2個分の厚み)加わるように装入した。各実施例それぞれ最大積み重ね数まで周回を重ね原料ペレットを積層させた後、原料ペレットの装入量(単位時間当たり重量)はそのまま維持して装入を継続しつつ、30〜40mm(2層分相当、2周回分相当)の塊成物をスクリューコンベアの高さを調節して掻き出し、炉外へ搬出した。最初に敷設した最下層を搬出するまで上記の割合で搬出を行い、最下層が搬出された後は、再び最大積み重ね数まで積層させる操作から繰り返した。
【0050】
また、実施例4では、原料ペレット中には、粒径およそ15mm以下の石炭を3重量%の割合で予め配合しておき、敷設層に石炭が介在するようにした。
【0051】
(3)堆積層の除去
実施例1〜4のそれぞれの回転床炉の操業により約50mmの堆積層が形成されたところでスクリューコンベアのスクリューの高さを調整し、また回転炉床の回転速度を調整しながら堆積層の除去を行った。除去された堆積層中には石炭が混入していたことが確認された。
【0052】
<比較例1>
原料ペレット中に石炭を配合させずにペレットの敷設を行い、炉床を複数回転させて複数層の原料ペレットを積層させることはせず、1回転ごとに1層分の塊成物を搬出するようにして回転床炉を操業し、その他の条件は上記実施例と同じ条件で還元鉄の製造を行い、さらに堆積層の除去を行った。
【0053】
<堆積層成長速度の比較>
上記実施例1〜4と比較例1について、それぞれ堆積層の成長速度を比較した。比較例1の場合の堆積層の成長速度を「1」として、実施例1〜4とを相対的に比較した。結果を図9に示す。
【0054】
図9に示されるように、最大積み重ね数が多いほど堆積層の成長は遅くなることが明らかとなった。
【0055】
<堆積層除去速度の比較>
実施例4と比較例1とで堆積層の除去に要する時間を比較した。具体的には比較例1により炉床1周分の堆積層を炉床を除去するのに要した時間(言い換えると床炉を1回転させて堆積層を除去するのに要した時間)を堆積層除去速度指標「1」として、実施例4の場合と比較した。結果を図10に示す。
【0056】
実施例4のように堆積層に石炭(炭材)を混入させることにより堆積層がスクリューにより破砕・剥離しやすため、図10に示されるように、実施例4のほうが比較例よりも堆積層の除去速度が2倍以上速かった。
【0057】
<スクリュー寿命の比較>
実施例3、4および比較例1のスクリューコンベアの寿命の比較を行った。具体的には比較例1の場合のスクリューコンベアの寿命を「1」として比較した。結果を図11に示す。
【0058】
図11に示されるように、敷設層に石炭(炭材)を介在させた方が、スクリューの寿命が延びることが明らかとなった。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、回転床炉による還元鉄の製造において堆積層の形成を抑制すしつつ還元鉄の製造を行うことができる。また、炉床上に形成された堆積層の除去を容易に行うことができる。また、スクリューコンベアなどの塊成物の搬出手段の摩耗、損傷を軽減することができる。さらに、堆積層が形成されることにより回転床炉の還元操業を停止して整備する回数を減らし、稼働率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塊成物の形成から回転床炉に塊成物を装入するまでの工程を示す図である。
【図2】回転床炉を示す図である。
【図3】塊成物敷設層の模式図である。(a)は、炉床が1回転して1層(塊成物約2個分の厚み)が敷設された様子を示し、(b)は、炉床が2回転して2層分(塊成物約4個分の厚み)が敷設された様子を示す。
【図4】回転炉床への、塊成物の装入量と搬出量の調整により炉床面上の塊成物敷設層がどのように変化するかを模式的に示した図である。
【図5】塊成物と石炭とが混在した塊成物敷設層(1段分)を模式的に示す図である。
【図6】回転炉床上に蓄積した粉体が、スクリューで圧延され、堆積層が形成される様子を、スクリューコンベアの軸方向からみた模式図である。
【図7】スクリューコンベアの羽先を堆積層に食い込ませて、堆積層を砕く様子を示す図である。
【図8】塊成物の装入量、搬出量の調節の経時変化を示す図である。
【図9】第1工程において積層させる最大積層数と、堆積層成長速度指標との関係を示す図である。
【図10】堆積層の除去速度指標を示す図である。
【図11】スクリュー寿命を示す図である。
【符号の説明】
1・・・回転床炉
10・・・回転炉床
11・・・スクリューコンベア
12・・・装入口
13・・・ガスバーナ
3・・・ペレット
4・・・炭材(石炭など)
5・・・塊成物敷設層
6・・・炉床面上に貯まった、鉄分を主体とする粉体
61・・・鉄分を含む粉体
7・・・堆積層

Claims (5)

  1. 回転床炉の回転炉床上に、回転炉床を回転させつつ回転床炉内に酸化鉄原料を含む塊成物を装入して層状に敷設し、回転炉床を回転させながら酸化鉄の還元処理を行い、還元された塊成物を回転床炉外へ搬出する、回転床炉による還元鉄製造方法であって、回転炉床の回転と共に回転炉床上に塊成物を敷設しつつ還元する処理を複数周回行い、塊成物を順次積層させる第1工程と、回転炉床を回転させながら、酸化鉄原料を含む塊成物の回転床炉への装入を継続すると共に、回転床炉内に新たに装入されてくる塊成物の装入量よりも多くかつ段階的に、積層された塊成物を段階的に回転床炉外に搬出する第2工程とを含む、回転床炉を連続運転する、回転床炉による還元鉄の製造方法。
  2. 前記回転床炉に備えられた、還元された塊成物の搬出手段が、スクリューコンベア、スクレーパまたはプッシャーなどの掻き出し装置である、請求項に記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
  3. 酸化鉄原料を含む塊成物と炭材とを混在させて敷設し、回転床炉の運転過程で回転炉床上に形成される堆積層中に該炭材を混入させる、請求項1からのいずれかに記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
  4. 前記炭材が、石炭、コークス、チャー、オイルコークス、廃プラスチックおよび廃タイヤチップからなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項に記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
  5. 塊成物と混在して敷設される炭材が、塊成物に対して重量%で20%以下の割合である、請求項またはに記載の回転床炉による還元鉄の製造方法。
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