JP2005297082A - 放電加工用黒鉛電極およびその製造方法 - Google Patents

放電加工用黒鉛電極およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005297082A
JP2005297082A JP2004112626A JP2004112626A JP2005297082A JP 2005297082 A JP2005297082 A JP 2005297082A JP 2004112626 A JP2004112626 A JP 2004112626A JP 2004112626 A JP2004112626 A JP 2004112626A JP 2005297082 A JP2005297082 A JP 2005297082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
electric discharge
weight
electrode
discharge machining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004112626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4539147B2 (ja
Inventor
Akira Yamakawa
昭 山川
Shoichi Yoshikawa
祥一 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP2004112626A priority Critical patent/JP4539147B2/ja
Publication of JP2005297082A publication Critical patent/JP2005297082A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4539147B2 publication Critical patent/JP4539147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

【課題】 電極消耗比が低く、被加工面の粗さが小さい、仕上げ加工用に有用な等方性黒鉛からなる放電加工用黒鉛電極および経済的に有利なその製造方法を提供すること。
【解決手段】 嵩密度が1.75g/cm3 以上、電極消耗比が40%以下、被加工物の表面粗さ(Ry)が20μm以下であることを特徴とする等方性黒鉛からなる放電加工用黒鉛電極。その製造方法は揮発分2〜20重量%、酸素含有量0.5〜6.0重量%、平均粒子径1〜20μmに調整した生コークス100重量部に対し、ピッチ系バインダーを40〜150重量部の量比で配合して混練し、混練物を粉砕、粒度調整して得た揮発分が20〜30重量%、平均粒子径が5〜60μmの成形粉を等方成形し、成形体を焼成炭化および黒鉛化することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電極消耗比が低く、仕上げ加工用に有用な等方性黒鉛からなる放電加工用黒鉛電極、および、経済的に有利なその製造方法に関する。
放電加工は、電極と被加工物との間に直接放電させて、放電に伴う高温高圧により電極の形状を精度よく被加工物に転写加工する方法であり、複雑な形状でも高精度の加工が可能なことから、種々の部品の精密加工用に有用されている。
放電加工用の電極には、以前は荒加工用には黒鉛電極が、仕上げ加工用には銅電極が使用されてきたが、黒鉛は銅に比べて機械加工性に優れており高精度の加工が容易である、軽量であり大型電極の製作が可能である、放電加工速度が速い、熱膨張係数が小さいので放電加工寸法精度が高い、などの長所があるため、黒鉛電極の使用が進んでいる。
しかし、黒鉛には微細な開気孔が存在するため電極表面からの放電状態が変動、不均一化し易く、また閉気孔も電極の消耗に伴い表面に露出することとなり、同様に放電状態が変動、不均一化する。そのため、放電加工状態が不安定化し易く、加工精度が低下する難点がある。そこで、例えば、特許文献1には黒鉛に常温で液体である物質または常圧下で1500℃以下の融点を有する固体溶融物を含浸した放電加工用の黒鉛電極、特許文献2には黒鉛電極に樹脂溶液や溶融金属の液状物質を含浸して黒鉛表面の平均気孔径を4000オングストローム以下に微細孔とした放電加工用黒鉛電極が提案されている。
また、放電加工用の黒鉛電極を等方性炭素材で構成する提案も行われている。等方性炭素材は石油系または石炭系のコークス粉末からなる骨材成分にピッチ系バインダーを配合して混練し、混練物を再粉砕した成形粉をラバープレス(冷間静水圧プレス〔CIP〕)により等方成形し、成形体を焼成炭化、あるいは更に、黒鉛化する方法によって製造されている。
使用されるコークスには、熱履歴によって生コークスとか焼コークスとがあり、生コークスは、原油精製または石炭乾留で得られる重質物(ボトムオイルまたはコールタール)を300〜550℃程度の温度で加熱して熱分解重合反応を行うことにより得られるものであり、各種のコーキング法により製造されている。か焼コークスは、生コークスをロータリーキルンなどを用いて、1000〜1500℃の温度に加熱か焼することにより製造されている。
この等方性炭素材で放電加工用黒鉛電極を形成する例として、例えば特許文献3には粒径200メッシュ以下で揮発分量7〜13重量%の半成コークスに、軟化点50〜150℃、固定炭素量45〜70重量%のバインダーピッチを、捏合後の揮発分量が特定の式値で表される範囲内となる量を加え、160〜300℃で捏合して冷却後200メッシュ以下に再粉砕して、再粉砕物を等方成形し、常法により焼成、黒鉛化する放電加工用電極などに使用される高密度等方性炭素材の製造方法が開示されている。
また、特許文献4には放電加工用電極材に利用される等方性炭素材料として、キノリン不溶分を含まないコールタールピッチ100重量部に、炭素質微粉を10重量部を越えない範囲で添加して混練した後、ディレードコーカー方式により420〜500℃の温度に加熱して製造された揮発分が5〜25%の生ピッチコークスを、バインダーを用いることなく成形し、炭化、黒鉛化する等方性高密度炭素材料の製造方法が提案されている。また特許文献5には生コークスを600〜800℃で熱処理した後、平均粒径15μm以下に粉砕したコークスを少なくとも原料の1種として使用する高密度等方性炭素材の製造方法が開示されている。しかし、これらの等方性炭素材は原料となるコークスの調整に煩雑な処理が必要であり、製造コストの上昇を招く問題がある。
特開昭58−114820号公報 特開昭58−140379号公報 特開平02−034508号公報 特開平02−069308号公報 特開平08−026709号公報
一般に、放電加工用電極の性能は、電極消耗比が小さく、加工速度が速く、加工面の粗さが小さいことなど、が重要な要素となる。特に、電極消耗比を小さくできれば、放電加工のコスト低減に効果的であり、また、加工精度の向上も図られる。
そこで、本発明者らは、優れた性能を有する放電加工用の黒鉛電極を安価に得る方法について鋭意研究を行った結果、市販されている通常の生コークスを用いて、煩雑な処理を施すことなく簡単な処理により、その揮発分、酸素含有量、平均粒子径などを調整して原料として用い、通常のピッチバインダーと混練して粉砕し、粉砕粉の揮発分および平均粒子径を調整することにより、低電極消耗比を有する放電加工用黒鉛電極として好適な等方性炭素材が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その目的は、電極消耗比が低く、仕上げ加工用に有用な等方性黒鉛からなる放電加工用黒鉛電極、および、経済的に有利なその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明による放電加工用黒鉛電極は、嵩密度が1.75g/cm3 以上、電極消耗比が40%以下、被加工物の表面粗さ(Ry)が20μm以下の等方性黒鉛からなることを構成上の特徴とする。
また、その製造方法は、揮発分2〜20重量%、酸素含有量0.5〜6.0重量%、平均粒子径1〜20μmに調整した生コークス100重量部に対し、ピッチ系バインダーを40〜150重量部の量比で配合して混練し、混練物を粉砕、粒度調整して得た揮発分が20〜30重量%、平均粒子径が5〜60μmの成形粉を等方成形し、成形体を焼成炭化および黒鉛化することを構成上の特徴とする。
本発明によれば、市販されている通常の生コークスに簡単な処理を施して、その揮発分、酸素含有量、平均粒子径を調整して原料として用い、常用されるピッチ系バインダーと混練して粉砕し、粉砕粉の揮発分および平均粒子径を調整した成形粉を等方成形した等方性炭素材からなり、嵩密度が高く、電極消耗比が低く、被加工面の粗さが小さく、仕上げ加工用に有用な放電加工用黒鉛電極と経済的に有利なその製造方法が提供される。
放電加工用の電極は電極消耗比、加工速度、加工面の粗さなどで評価され、一般的に曲げ強度などの機械的強度が高いことが必要とされる。
そこで、本発明の放電加工用黒鉛電極を形成する等方性黒鉛には、嵩密度が1.75g/cm3 以上の等方性黒鉛が適用される。嵩密度が1.75g/cm3 未満では機械的強度が低くなり、電極消耗比も大きくなる傾向にあるためである。
また、本発明の放電加工用黒鉛電極は、電極消耗比が40%以下、被加工物の表面粗さ(Ry)が20μm以下であることを特徴とする。なお、電極消耗比および被加工物の表面粗さ(Ry)は、次の方法により放電加工テストを行って、測定したものである。
図1は、放電加工テストを行った装置の模式図であり、1は20×20mm、高さ25mmの黒鉛電極、その中心には加工液を噴出させる貫通穴(3mmφ)2が設けられている。被加工物3にはSK3を用い、放電加工機としては三菱電機製DLAXC7M25Jを使用して、下記の条件で放電加工テストを行った。
ピーク電流値Ip;3A、
パルス幅(On Time);6μsec、
休止幅(Off Time);2μsec、
所定時間放電加工を行った後の、黒鉛電極1の電極消耗長さt(mm)をマイクロメーターで測定し、被加工物3の加工深さL(mm)をデプスゲージで測定して、電極消耗比および加工速度を求めた。
電極消耗比(%);(t/L)×100
加工速度(g/min);{〔(a2 )−(φ/2)2 ×π〕}×L×ρ/加工時間
但し、aは黒鉛電極の1辺の長さ、ρは被加工物(SK3)の嵩密度である。
なお、被加工物の表面粗さRy(μm)は表面粗さ計で測定した。
本発明の放電加工用黒鉛電極は、揮発分2〜20重量%、酸素含有量0.5〜6.0重量%、平均粒子径1〜20μmに調整した生コークス100重量部に対し、ピッチ系バインダーを40〜150重量部の量比で配合して混練し、混練物を粉砕、粒度調整して得た揮発分が20〜30重量%、平均粒子径が5〜60μmの成形粉を等方成形し、成形体を焼成炭化および黒鉛化することにより製造される。
原料となる生コークスには、原油精製や石炭乾留で得られる重質油をコーキングして製造される石油系や石炭系の市販品の生コークス類が用いられ、モザイク状コークス、針状コークスなどいずれも使用することができる。
本発明においては、これらの生コークスとして、その揮発分を2〜20重量%に、酸素含有量を0.5〜6.0重量%に、平均粒子径を1〜20μmに調整したものが使用される。生コークスの特性、性状の調整は、生コークスの市販品を空気中あるいは窒素ガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で100〜600℃の温度で熱処理して、揮発分2〜20重量%および酸素含有量0.5〜6.0重量%に調整した後、粉砕や磨砕して、平均粒子径を1〜20μmに調整する。
生コークスの揮発分や酸素含有量は、ピッチ系バインダーとの混練物を作製する際に、生コークスとピッチ系バインダーとの接触界面の密着性に影響し、密着性の向上は放電加工時の電極消耗の低減化に有効である。生コークスの揮発分および酸素含有量が少ないと生コークスとピッチ系バインダーとの密着性が低下して、電極消耗比が大きくなり、逆に生コークスの揮発分および酸素含有量が多くなると密着性が向上して、電極消耗比は小さくなる。
すなわち、本発明において生コークスの揮発分を2〜20重量%に調整するのは、生コークスの揮発分が2重量%を下回ると、ピッチ系バインダーとの密着性が悪くなって、電極消耗比が大きくなるためである。一方、揮発分が20重量%を越える場合は、生コークスとピッチ系バインダーとの密着性が向上して、混練物を高密度化することはできるが、混練時および焼成炭化時に生コークスおよびバインダーピッチの分解ガスの発生量が増大して、これらの分解ガスを系外に円滑に揮散させることが困難となり、成形体の焼成炭化時に発泡したり割れが発生し易くなるからである。
また、生コークスの酸素含有量を0.5〜6.0重量%に調整するのは、生コークスの酸素含有量が0.5重量%を下回ると、ピッチ系バインダーとの密着性が低下して電極消耗比が大きくなる。一方、酸素含有量が6.0重量%を越える場合は、生コークスとピッチ系バインダーとの密着性は向上して、混練物を高密度化することができるが、生コークスおよびピッチ系バインダーの分解ガスの発生量が増大して、これらの分解ガスを系外に円滑に揮散させることが困難となり、成形体の焼成炭化時に発泡したり割れが発生し易くなる。更に、生コークスの酸素含有量が多くなると、酸素がピッチ系バインダーの重縮合反応を阻害するようになり、十分な密度および強度の成形体を得ることができなくなるためである。
生コークスの平均粒子径を1〜20μmに調整するのは、平均粒子径が1μmを下回ると、成形体の密度および強度を高くするために混練時にピッチ系バインダーの配合量比を上げる必要が生じ、バインダー量が多くなると混練時および焼成炭化時に分解ガスの発生量が増大するので、成形体の焼成時に発泡や割れが発生し易くなるからである。しかし、平均粒子径が20μmを越えるとピッチ系バインダーの配合量比を小さくすることはできるが十分な密度および強度の成形体を得ることが難しくなる。更に、製造した等方性黒鉛からなる放電加工用の電極表面が粗面化するので、放電加工した被加工物の表面粗さ(Ry)も大きくなるためである。
このように調整した生コークス100重量部に対し、ピッチ系バインダーを40〜150重量部の量比で配合して十分に混練する。ピッチ系バインダーの配合比が40重量部未満では、バインダー量が少ないために均一かつ十分に混練することが難しく、得られる等方性黒鉛の嵩密度や強度の低下を招くことになる。一方、配合比が150重量部を越えると混練し易くなるが、成形体の焼成炭化時に発生する分解ガスが多くなるので発泡して組織の均質性が低下して十分な強度のものが得難くなり、製造された等方性黒鉛の嵩密度が低下し、電極消耗比の増大を招くことになる。なお、発泡現象を抑制するためには超硬ピッチを添加することが好ましい。また、ピッチ系バインダーの好ましい配合量比は、生コークス種および粒度で異なるが50〜130重量部である。
混練は通常用いられるニーダー、ミキサーなど適宜な手段により行われ、空気中または窒素ガスなどの非酸化性雰囲気中で100〜600℃の温度で行うことが望ましい。混練物を粉砕し、粒度調整して、揮発分が20〜30重量%および平均粒子径が5〜60μmの成形粉を調製する。
成形粉の揮発分を20〜30重量%に調整するのは、揮発分が20重量%未満では得られた等方性黒鉛の嵩密度および強度が低くなり、放電加工用電極として消耗比が大きくなる。一方、揮発分が30重量%を越えると、成形体の焼成炭化時に発泡したり割れ発生が生じ易くなるためである。
また、成形粉の平均粒子径を5〜60μmに調整するのは、成形粉の平均粒子径が5μmを下回ると、成形体の焼成炭化時に発生する分解ガスを円滑に揮散させることが難しくなり、焼成炭化時に発泡や割れが発生し易くなるためである。しかし、平均粒子径が60μmを上回ると、十分な強度の等方性黒鉛が得られなくなるとともに放電加工した被加工物の表面粗さ(Ry)の値も大きくなって粗面化するためである。
成形粉は常法に従ってラバープレスにより等方成形(CIP)して、得られた成形体を非酸化性雰囲気中で800〜1500℃の温度に加熱して焼成炭化し、更に、2200〜3000℃の温度で黒鉛化して、本発明の放電加工用黒鉛電極が製造される。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
実施例1
塊状の市販品モザイク状生コークスを120℃の温度で加熱、熱処理した後粉砕し、粒度調整して、揮発分12.4重量%、酸素含有量3.6重量%、平均粒子径14.2μmの生コークスを調製した。この生コークス3kgにバインダーピッチ(固定炭素量55重量%以上、軟化点89〜94℃)1.8kgを配合し、捏合機により120℃の温度で混練した。
混練物を粉砕して粒度調整し、揮発分26.5重量%、平均粒子径36.9μmの成形粉を調製し、成形粉をゴム型に入れて脱気した後、水を圧力媒体とするCIP成形機により、98.1MPa(1000kg/cm2 )の圧力で等方成形して、直径60mm、長さ300mmの円柱状成形体を作製した。
成形体を、コークス粉を充填した焼成炉に入れ、900℃の温度に加熱して焼成炭化した後、黒鉛化炉で2800℃の温度に加熱して黒鉛化して等方性黒鉛材を製造した。この等方性黒鉛材からサンプルを切り出し、嵩密度および曲げ強度(JIS R7222)を測定した。なお、嵩密度はノギスで寸法を計り、天秤で重量を測定して算出した。
次に、この等方性黒鉛材から20×20mm、高さ25mmの放電加工用黒鉛電極を作製して、図1に示した装置にセットし、ピーク電流値Ip;3A、パルス幅(On Time );6μsec、休止幅(Off Time);2μsec、の条件で、SK3を被加工物として、所定時間放電加工テストを行った。テスト後の電極消耗長さt(mm)をマイクロメーターで測定し、また、被加工物の加工深さL(mm)をデプスゲージで測定して、電極消耗比(%)および加工速度(g/min)を求めた。更に、被加工物の表面粗さRy(μm)を表面粗さ計で測定した。
実施例2
塊状の市販品モザイク状生コークスを120℃の温度で熱処理した後粉砕し、粒度調整して、揮発分13.8重量%、酸素含有量3.7重量%、平均粒子径2.4μmの生コークスを調製した。この生コークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ2.1kgを配合し、捏合機により120℃の温度で混練した。
混練物を粉砕して粒度調整し、揮発分28.3重量%、平均粒子径51.1μmの成形粉を調製し、この成形粉を実施例1と同じ方法で等方成形して円柱状成形体を作製し、黒鉛化処理した。次いで、この等方性黒鉛材について、実施例1と同じ方法により、嵩密度および曲げ強度を測定し、また、放電加工テストを行って、電極消耗比(%)および加工速度(g/min)を求め、更に、被加工物の表面粗さRy(μm)を表面粗さ計で測定した。
実施例3
塊状の市販品モザイク状生コークスを120℃の温度で熱処理した後粉砕し、粒度調整して、揮発分15.6重量%、酸素含有量5.5重量%、平均粒子径13.5μmの生コークスを調製した。この生コークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ1.65kgを配合し、捏合機により120℃の温度で混練した。
混練物を粉砕して粒度調整し、揮発分26.1重量%、平均粒子径43.8μmの成形粉を調製し、この成形粉を実施例1と同じ方法で等方成形して円柱状成形体を作製し、黒鉛化処理した。次いで、この等方性黒鉛材について、実施例1と同じ方法により、嵩密度および曲げ強度を測定し、また、放電加工テストを行って、電極消耗比(%)および加工速度(g/min)を求め、更に、被加工物の表面粗さRy(μm)を表面粗さ計で測定した。
実施例4
実施例1と同じ揮発分12.4重量%、酸素含有量3.6重量%、平均粒子径14.2μmの生コークスを用いて、この生コークス3kgに、実施例1と同じバインダーピッチ2.1kgおよび超硬ピッチ(固定炭素量85±5重量%、軟化点>320℃)0.45kgを配合して混練した。
混練物を粉砕して粒度調整し、揮発分27.2重量%、平均粒子径37.2μmの成形粉を調製し、この成形粉を実施例1と同じ方法で等方成形して円柱状成形体を作製し、黒鉛化処理した。次いで、この等方性黒鉛材について、実施例1と同じ方法により、嵩密度および曲げ強度を測定し、また、放電加工テストを行って、電極消耗比(%)および加工速度(g/min)を求め、更に、被加工物の表面粗さRy(μm)を表面粗さ計で測定した。
実施例5
塊状の市販品針状生コークス(ニードルコークス)を120℃の温度で熱処理した後粉砕し、粒度調整して、揮発分6.3重量%、酸素含有量1.1重量%、平均粒子径4.8μmの生コークスを調製した。この生コークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ3.3kgを配合し、捏合機により120℃の温度で混練した。
混練物を粉砕して粒度調整し、揮発分27.9重量%、平均粒子径34.0μmの成形粉を調製し、この成形粉を実施例1と同じ方法で等方成形して円柱状成形体を作製し、黒鉛化処理した。次いで、この等方性黒鉛材について、実施例1と同じ方法により、嵩密度および曲げ強度を測定し、また、放電加工テストを行って、電極消耗比(%)および加工速度(g/min)を求め、更に、被加工物の表面粗さRy(μm)を表面粗さ計で測定した。
比較例1
実施例1と同じ塊状のモザイク状生コークスを1200℃の温度で熱処理した後、粉砕してか焼コークス(揮発分0.0重量%、酸素含有量0.0重量%、平均粒子径13.0μm)を得た。このか焼コークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ1.8kgを配合して混練した後粉砕し、粒度調整して成形粉(揮発分15.2重量%、平均粒子径35.2μm)を調製して等方性黒鉛材を製造し、実施例1と同じ方法により、嵩密度、曲げ強度、電極消耗比、加工速度および被加工物の表面粗さRyを測定した。
比較例2
実施例5と同じ塊状のニードル状生コークスを1200℃の温度で熱処理した後、粉砕してか焼コークス(揮発分0.0重量%、酸素含有量0.0重量%、平均粒子径13.0μm)を得た。このか焼コークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ3.3kgを配合して混練した後粉砕し、粒度調整して成形粉(揮発分17.4重量%、平均粒子径43.8μm)を調製して等方性黒鉛材を製造し、実施例1と同じ方法により、嵩密度、曲げ強度、電極消耗比、加工速度および被加工物の表面粗さRyを測定した。
比較例3
実施例1と同じ塊状のモザイク状生コークスを180℃の温度で熱処理した後、粉砕して生コークス(揮発分22.3重量%、酸素含有量10.0重量%、平均粒子径13.9μm)を得た。このコークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ1.8kgを配合して混練した後粉砕し、粒度調整して成形粉(揮発分28.9重量%、平均粒子径33.7μm)を調製して等方性黒鉛材を製造し、実施例1と同じ方法により、嵩密度、曲げ強度、電極消耗比、加工速度および被加工物の表面粗さRyを測定した。
比較例4
実施例1と同じ塊状のモザイク状生コークスを120℃の温度で熱処理した後、粉砕して生コークス(揮発分12.4重量%、酸素含有量3.6重量%、平均粒子径14.2μm)を得た。このコークス3kgに実施例1と同じバインダーピッチ1.8kgを配合して混練した後粉砕し、粒度調整して成形粉(揮発分26.2重量%、平均粒子径95.7μm)を調製して等方性黒鉛材を製造し、実施例1と同じ方法により、嵩密度、曲げ強度、電極消耗比、加工速度および被加工物の表面粗さRyを測定した。
比較例5
実施例2と同じ方法で調製した生コークス(揮発分13.8重量%、酸素含有量3.7重量%、平均粒子径2.4μm)3kgに実施例1と同じバインダーピッチ2.7kgを配合して混練した後粉砕し、粒度調整して成形粉(揮発分30.7重量%、平均粒子径43.4μm)を調製して等方性黒鉛材を製造したが、揮発分が多いため、900℃で焼成炭化時に焼成体に割れが発生した。
このようにして得られた結果を、放電加工用黒鉛電極の製造方法を表1に、その特性および放電加工テストの結果を表2に示した。
Figure 2005297082
Figure 2005297082
表1、2の結果から、実施例の放電加工用黒鉛電極は、比較例の放電加工用黒鉛電極に比べて、高密度、高強度を備え、速い速度で放電加工しても電極消耗比が低く、被加工物の表面粗さも小さい。また、揮発分、酸素含有量、平均粒子径を特定した生コークスを用いて所定の量比でピッチ系バインダーと混練して粉砕し、揮発分、平均粒子径を特定した成形粉を等方成形することにより、このような優れた性能を有する放電加工用黒鉛電極を製造することが可能となる。
放電加工テスト装置の模式図である。
符号の説明
1 放電加工用黒鉛電極
2 貫通穴
3 被加工物
t 電極消耗長さ
L 被加工物の加工深さ

Claims (2)

  1. 嵩密度が1.75g/cm3 以上、電極消耗比が40%以下、被加工物の表面粗さ(Ry)が20μm以下であることを特徴とする等方性黒鉛からなる放電加工用黒鉛電極。
  2. 揮発分2〜20重量%、酸素含有量0.5〜6.0重量%、平均粒子径1〜20μmに調整した生コークス100重量部に対し、ピッチ系バインダーを40〜150重量部の量比で配合して混練し、混練物を粉砕、粒度調整して得た揮発分が20〜30重量%、平均粒子径が5〜60μmの成形粉を等方成形し、成形体を焼成炭化および黒鉛化することを特徴とする等方性黒鉛からなる放電加工用黒鉛電極の製造方法。
JP2004112626A 2004-04-07 2004-04-07 放電加工用黒鉛電極の製造方法 Expired - Lifetime JP4539147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004112626A JP4539147B2 (ja) 2004-04-07 2004-04-07 放電加工用黒鉛電極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004112626A JP4539147B2 (ja) 2004-04-07 2004-04-07 放電加工用黒鉛電極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005297082A true JP2005297082A (ja) 2005-10-27
JP4539147B2 JP4539147B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=35329253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004112626A Expired - Lifetime JP4539147B2 (ja) 2004-04-07 2004-04-07 放電加工用黒鉛電極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4539147B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101439177B1 (ko) * 2014-05-19 2014-09-17 금오공과대학교 산학협력단 흑연 폐스크랩을 이용한 등방성 벌크 흑연의 제조방법 및 이를 통해 제조된 등방성 벌크 흑연

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0197523A (ja) * 1987-10-07 1989-04-17 Kawasaki Refract Co Ltd 放電加工用電極
JPH0234508A (ja) * 1988-07-22 1990-02-05 Nippon Steel Chem Co Ltd 高密度等方性炭素材の製造方法
JPH03184724A (ja) * 1989-12-12 1991-08-12 Tokai Carbon Co Ltd 放電加工用電極材とその製造方法
JPH05229810A (ja) * 1992-02-18 1993-09-07 Tokai Carbon Co Ltd 等方性高密度黒鉛材の製造方法
JP2005298231A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Tokai Carbon Co Ltd 等方性黒鉛材の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0197523A (ja) * 1987-10-07 1989-04-17 Kawasaki Refract Co Ltd 放電加工用電極
JPH0234508A (ja) * 1988-07-22 1990-02-05 Nippon Steel Chem Co Ltd 高密度等方性炭素材の製造方法
JPH03184724A (ja) * 1989-12-12 1991-08-12 Tokai Carbon Co Ltd 放電加工用電極材とその製造方法
JPH05229810A (ja) * 1992-02-18 1993-09-07 Tokai Carbon Co Ltd 等方性高密度黒鉛材の製造方法
JP2005298231A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Tokai Carbon Co Ltd 等方性黒鉛材の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101439177B1 (ko) * 2014-05-19 2014-09-17 금오공과대학교 산학협력단 흑연 폐스크랩을 이용한 등방성 벌크 흑연의 제조방법 및 이를 통해 제조된 등방성 벌크 흑연
WO2015178572A1 (ko) * 2014-05-19 2015-11-26 금오공과대학교 산학협력단 흑연 폐스크랩을 이용한 등방성 벌크 흑연의 제조방법 및 이를 통해 제조된 등방성 벌크 흑연

Also Published As

Publication number Publication date
JP4539147B2 (ja) 2010-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111018554A (zh) 一种利用石墨烯制备超高功率石墨电极的方法
EP2526075B1 (en) Method for production of graphite bodies
JP5072802B2 (ja) 高熱伝導黒鉛材料の製造方法
US9534845B2 (en) Method for manufacturing a refractory for an inner lining of a blast furnace and blast furnace having the inner lining
JP4430448B2 (ja) 等方性黒鉛材の製造方法
JP3765840B2 (ja) 炭素材の製造方法
CN101591190A (zh) 一种铝电解槽侧墙用新型Si3N4-SiC-C耐火砖及其制备方法
JP4311777B2 (ja) 黒鉛材の製造方法
JP4539147B2 (ja) 放電加工用黒鉛電極の製造方法
JPH07165467A (ja) 等方性黒鉛材の製造方法
JP3278190B2 (ja) 等方性高密度黒鉛材の製造方法
JP4809582B2 (ja) 高熱伝導黒鉛材料及びその製造方法
JP2016204255A (ja) 焼成用容器及び焼成用容器の製造方法
JP3198123B2 (ja) 等方性高強度黒鉛材料の製造方法
JP2001130963A (ja) 等方性高密度炭素材の製造方法
JP2652909B2 (ja) 等方性高強度黒鉛材料の製造方法
JP4107038B2 (ja) 仮焼コークスの製造方法
US9546113B2 (en) High porosity/low permeability graphite bodies and process for the production thereof
JP2005179140A (ja) 高熱伝導黒鉛材料
KR102634867B1 (ko) 코크스 조성물 및 전극봉
JP4208218B2 (ja) 高熱膨張係数を有する等方性黒鉛材の製造方法および該等方性黒鉛材からなる黒鉛製治具ならびに黒鉛製基材
Ebrahimi et al. A Study on the Effect of Coke Particle Size and Applied Compacting Pressure on the Physical Properties of Electrographite Brushes
JP3591784B2 (ja) 高密度炭素焼成体の黒鉛化方法
JP3094502B2 (ja) 炭素材の製造方法
JPH04240022A (ja) 放電加工電極用黒鉛材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4539147

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term