JP2005296812A - インクジェット記録用受理層形成方法および受理層形成装置 - Google Patents

インクジェット記録用受理層形成方法および受理層形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布液をディスクに塗布・乾燥させて均一な膜厚の受理層を形成する。
【解決手段】ディスクDを塗膜形成部11の回転テーブル15上に載置させ、相対回転させつつ切削手段で印刷面の受理層形成領域の内周側及び外周側縁部に凹溝を形成する。その後、凹溝に凹溝塗布ノズルで水系塗布液を塗布して空気を追い出す。供給手段の複数ノズルでディスクDの凹溝間の印刷面に水系塗布液を塗布して塗膜を形成する。塗膜を形成したディスクDに振動手段の振動発信器から発振する超音波によって微振動を与えて平坦化する。ディスクDを乾燥部12の面状発熱体34に載せ、第一、第二、第三ヒータで内側から外側へ向けて温度勾配を与えて乾燥させる。乾燥はディスクDの内側から外側に向けて徐々に進む。塗膜は乾燥して均一な膜厚のインク受理層を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスクの表面にインク等を受容する受理層を形成するインクジェット記録用受理層形成方法及びインクジェット記録用受理層形成装置に関し、例えば水を含む塗布液を、平板状のディスク表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて受理層を形成するようにしたインクジェット記録用受理層形成方法及び受理層形成装置に関する。
従来、光ディスクとしてCDやDVD等が知られており、これらの光ディスクではPC(ポリカーボネート)製のディスク基板の一方の面に情報記録層を形成し、その上にコート層を形成した構成を有している。そしてCDにおいてはコート層を挟んで情報記録層と対向するコート層上に、またDVDにおいてはディスク基板を挟んで情報記録層と対向する基板上に、それぞれ円環状のレーベルが取り付けられてCDやDVD等に関する写真や絵やタイトル等の各種の情報が印刷されている。従来はレーベルとして、例えばコート層の上にオフセット印刷等で情報を記録した紙を貼付したり、あるいは直接ディスク上に円環状にスクリーン印刷が行われており、これらレーベルの形成方法は、大量生産されるCDやDVD等の各種ディスクに採用されていた。
ところで、近年、CD等の光ディスクは数百枚から数千枚単位で生産する多品種少量生産の需要が高くなってきている。これら少量のCD等のレーベルに上述したオフセット印刷等で情報を記録するのは、編集、製版、色合わせ等の下処理を必要とするためにコストが著しく高くなり不向きであった。このような少量生産の光ディスクの場合、パソコン等で処理したデジタル画像を編集、製版、色合わせ等を行わずに、直接インクジェット印刷等で光ディスク表面の受理層上に印刷する、オンデマンド印刷またはデジタル印刷が行われている。
オンデマンド印刷やデジタル印刷を行う場合、インクジェット印刷された画像の優劣は受理層の品質性能に左右されるため、写真画質と同レベルの鮮明画像を得るために光ディスク上のインクジェット用受理層の開発が進められている。
例えば下記特許文献1記載の受理層を形成した記憶ディスクでは、光ディスクの表面にUV硬化性モノマーやUV硬化性オリゴマーと、ポリビニルアルコールを含有したインキを塗布して紫外線硬化させて受理層を形成している。
しかしながら、特許文献1の場合、UV硬化性樹脂によって形成した受理層は、インク受容能力が十分でなく、インクジェットプリンター等による印刷時に滲みが生じ易い。そのため受理層上での印刷画像の解像力が低く、特に写真画像等を印刷する場合、鮮明な画像が得られないという欠点がある。
一方、下記特許文献2または3記載のものでは、記録シート用の受理層として、シリカやアルミナゾル等を含有する塗布液を塗布して多孔質のインク受理層を形成している。該受理層は顔料とバインダーを主成分とする水系塗布液、あるいは水性高分子を主成分とする水系塗布液から得られるものであり、形成後の塗膜が多孔質型のインク受理層、あるいは塗膜自身がインクを吸収する膨潤型インク受理層となるものであって、インク受理能力が高く、インクジェットプリンタ印刷した場合、写真画質同様の鮮明な画像が得られることが知られている。
このようなアルミナゾル等を含む水系塗布液は、固形分比が低く粘度が低いという特徴があり、溶剤非吸収性のシート上に、カーテンコーター、ワイヤーバーコーター、リバースコーター等の各種塗布手段を用いて、厚膜塗布して塗膜を形成し、該塗膜を自然乾燥させたり、温風乾燥させて多孔質型や膨潤型の受理層を形成している。
しかし、上記のような塗布方法はシート状の被塗布物への塗膜形成には適しているが、光ディスク表面のような円環状の被塗布領域に均一な塗膜を効率良く形成するために適用することはできない。
さらに、上記水系塗布液は、塗布時の固形分比が20%程度であるために、スピンコートやスクリーン印刷といった従来のディスク用の塗布方法を用いることもできなかった。すなわち、このような低固形分比の塗布液は、スクリーン印刷に適した粘度に調整することができない。また同様に粘度が低いため、スピンコートを行うと、塗布液が遠心力で外周側に寄りやすく、均一な膜厚の塗膜を形成することができない。さらにその大部分が飛散してしまい、塗布の効率が悪く、特に受理層に充分な膜厚の塗膜を形成することが困難であった。
また、ディスク上へ水系塗布液による受理層を形成する場合には、ディスク上に塗布液を均一に塗布できたとしても、紫外線硬化性組成物よりなる塗膜のように、塗布液への紫外線照射による瞬時の塗膜形成を行うことができず、固形分比の小さい塗布液の多くの液体分を揮散させ、乾燥させる過程で皺やヒビを発生させず平滑な塗膜を効率よく形成する乾燥方法を見出す必要があった。
特許文献4には、CDやLD等のディスク上にプラスチックピグメントと水溶性樹脂を含有する水系塗布液をバーコート法で塗布してインク受容層とし、その上に顔料系インクをインクジェット記録するとしている。しかしバーコート法によるディスクへの適用は、被塗布領域が円環状の場合には本質的に困難が伴うものである。このため実験室での数枚の試作は可能であっても、特別の工夫が無い限りこれを連続生産に用いることはできない。しかも特許文献4にはそのための手法については記載されていない。
一方ダイコーターやバーコート法等に代わる塗布手段として、特許文献5には、ディスクと相対運動するインクジェットヘッドを用いて、該ディスク上に塗布液を供給して塗膜を形成しディスクの回転によってレベリングを行う方法が記載されている。しかし特許文献5の方法は単一のノズルによる塗布のため生産効率が悪く、また塗布に時間がかかるため塗布液の流動性が失われやすく有効なレベリングを行うことができない。つまり単一のインクジェットノズルで塗布を行う過程でディスク表面に先に塗布された塗布液がレベリング開始前に次第に自然乾燥してしまう。そのために塗膜について先に塗布した部分と後から塗布した部分との間に乾燥の時間差を生じて受理層表面に皺やひび等を生じる原因になってしまう欠点がある。無理に塗布の時間を短縮しようとするとディスクの回転速度を上げなくてはならず、塗布液が遠心力で移動するため膜厚の均一性が損なわれる。しかもレベリング時にスピンコート法でレベリングを行うと水系塗布液が遠心力で外部に飛散してしまうという欠点もある。
さらに特許文献6には略直線状に配列した複数のノズルから、ガラスの被塗布物に対して蛍光体スラリーを塗布している。しかしこの塗布方法は、被塗布物をノズル配列方向と直角方向に相対運動させて塗布を行っており、帯状の被塗布物の塗布には適しているが、円板状、円環状の被塗布領域を効率よく均一に塗布することはできない。また塗布後の乾燥については何も規定されていない。
また特許文献7では、未硬化の塗膜に微振動を与えて塗膜の平滑化を図る技術が提案されている。しかし特許文献7は既に塗布された未硬化の塗膜を平滑化する方法が記載されているにすぎず、塗布液の塗布方法、特に水系塗布液の塗布方法とその乾燥方法については全く記載されていない。
また特許文献8には、直線上に配列した複数のノズルからシリコンウエハー上にフォトレジスト液を供給し、シリコンウエハーを半径方向に昇温速度の異なるホットプレートで加熱して乾燥塗膜を形成する方法が記載されている。しかし単に直線上に配列したノズルから等量の塗布液を供給する方法では、塗布液の供給の制御をしたとしても、ディスク状の被塗布物に均一な塗膜を形成することができず、また塗布液をディスクから溢れさせずに効率的に塗布することができない。
さらに引用文献9にはディスクの円環状の被塗布領域に、該領域の半径方向に配列したノズルでディスク上に塗布液の供給を行い、しかるのちディスクを高速回転させて、ディスク上に均一な被膜を形成する方法が記載されている。しかし本引用文献に記載されている方法はあくまでスピンコートであって、塗布時の塗膜の粘度に制約を受け被膜の厚さが半径方向に傾斜を持つスピンコートの短所を改善するものではない。
また従来の塗膜乾燥方法では以下のような問題点があることがわかっている。すなわち、ディスク状の被塗布物に塗布した塗膜を乾燥させる場合、乾燥が被塗布領域の外周端、また被塗布領域が円環状の場合は外周端と内周端両方から内部に向かって進行することが多く、乾燥の進行に伴って乾燥時の塗膜収縮に伴うひずみが解消できずに被塗布領域内部でひずみの蓄積に伴うシワが発生する。さらにこれら水系塗布液は低固形分比のため乾燥に時間がかかりやすいが、塗膜表面への直接の乾燥手段を適用すると塗膜表面に被膜ができてしまい、内部の乾燥を妨げられ、また塗膜内部からの蒸発蒸気が前記被膜を破ることにより塗膜表面の平滑性が損なわれる。このように塗膜の乾燥が適切に行われず、被膜の表面性が失われると、その部分でインク受容能力が低下して滲みが生じたり画像が歪んだりして鮮明な画像を得られないという欠点がある。
上記のように、好適なディスク用受理層を得るためには、ディスク上に水系塗布液を均一に塗布するのみならず、該塗布液を効率よく乾燥させ平滑な受理層用塗膜を得る方法を開発することが非常に重要である。特に固形分比の低い水系塗布液により均一な円環状の塗布を行い、引き続きの乾燥で平坦な円環状の乾燥塗膜を得るための効率よい方法が求められていた。
特開平9−245380号公報 特開平2−276670号公報 特開平6−270530号公報 特開平8−197833号公報 特開平9−192574号公報 特開平11−221506号公報 特開平5−154441号公報 特開2003−245591号公報 特開2001−179162号公報
本発明は、このような実情に鑑みて、円環状の被塗布領域を有するディスクの該被塗布領域に、塗布液を塗布して均一膜厚で平滑性の良い塗膜を形成し、該塗膜を表面に皺等を生じさせることなく平滑性の良い状態のまま乾燥させるようにしたインクジェット記録用受理層形成方法および受理層形成装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明はディスク上の円環状の被塗布領域に、配列された複数のノズルで塗布液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて受理層を形成する受理層形成方法であって、前記複数の各ノズルは、単位面積当たりほぼ一定量の塗布液のみを供給し、隣り合う前記ノズルからの前記塗布液は、塗布直後に合流可能に供給されて、被塗布領域全面に塗膜を形成する塗布工程と、前記ディスクの背面より該ディスクを加熱する加熱手段により、前記ディスクの背面においては、前記塗膜の内側端に対応する位置から、外側端に対応する位置に向けて、低下する温度勾配を形成して前記塗膜の乾燥を行う乾燥工程を有することを特徴とするインクジェット記録用受理層形成方法を提供する。
さらにまた本発明はディスク上の円環状の被塗布領域に、配列された複数のノズルで塗布液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて受理層を形成する受理層形成装置であって、単位面積当たりほぼ一定量の塗布液のみを供給し、隣り合う前記ノズルからの前記塗布液は塗布直後に合流して被塗布領域全面に塗膜を形成する塗布手段と、前記ディスクの背面より該ディスクを加熱して、前記ディスクの背面に、塗膜の内側端に対応する位置から外側端に対応する位置に向けて、低下する温度勾配を形成して前記塗膜を乾燥する加熱手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録用受理層形成装置を提供する。
本発明によれば、円環状の被塗布領域を有するディスクの該被塗布領域に、配列した複数のノズルを用いて予め決められた膜厚の塗膜を形成するのに必要な量のみの塗布液を載置するように塗布して塗膜が形成される。各ノズルからは単位体積当たりほぼ一定の供給量となるように塗布液が供給され、しかも隣り合うノズルからの塗布液は塗布直後に互いに合流し、塗布液自身の有する流動性によるレベリング作用により平坦化がなされて被塗布領域全体に平坦な塗膜が形成される。本発明はスピンコートのように塗布液を回転展延させないため、固形分比の小さい低粘度塗布液であっても該塗布液を外部に飛散させて無駄にすることなく、しかも遠心力によってディスクの外周部の膜厚が厚くなることがない。
しかも複数のノズルで同時に液状の塗布液を塗布するために、単一のノズルで塗布する場合よりも短時間で塗膜を形成でき、塗布過程や乾燥過程で先に塗布した塗膜の一部が自然乾燥し始めて皺やひびの原因になることはない。
さらに本発明によれば、加熱手段によって被塗布物を介して塗膜の裏面から塗膜全面を加熱することで、塗膜表面に皮膜が形成されるのを防止することができる。そして、加熱手段によってディスク背面の温度が塗膜の内側端に対応する位置から、外側端に対応する位置へとなだらかに低下する温度勾配を持たせることで塗膜の乾燥の進行に方向性を持たせることができ、これによって乾燥時に収縮によって皺等が発生することを防止することができる。
このように本発明のインクジェット記録用受理層形成方法と受理層形成装置によれば、塗布液を無駄にすることなく迅速にかつ効率的に、ディスク上に均一膜厚で平滑な乾燥塗膜を形成することができる。これによって、例えば被塗布領域に水系塗布液のような液状の塗布液を塗布・乾燥して受理層を得ることができ、文字や写真等の情報を鮮明な画像として印刷できるインクジェット記録用受理層付きのディスクを量産することができる。
特に固形分比の小さい水系塗布液のようにスクリーン印刷やスピンコートに適さず、また乾燥時間が比較的長くかかるものであっても、塗布液を均一に塗布して塗膜を形成することができ、また該塗膜の乾燥中に塗布液の流動や、皮膜の収縮による応力集中が発生しにくく、表面の平坦性、平滑性に富む均一な膜厚の乾燥塗膜を形成することができる。
本発明のインクジェット用受理層形成方法における塗布工程、及びインクジェット記録用受理層形成装置における塗布手段においては、単位面積当たりほぼ一定量の塗布液のみを供給するために、塗布液を供給する供給口は、複数のノズルが略半径方向幅全長に配列されており、被塗布領域の異なる半径方向位置に対応した各ノズルから、前記ディスク中心のまわりに相対的に回転運動をするディスクに対してそれぞれの位置に必要な供給量だけ塗布液を供給するようにすることが好ましい。
ディスク表面の被塗布領域全面に塗布液を供給するには、ノズルをディスクの中心の回りに回転運動させてもよいが、ディスクを中心軸の回りに回転運動を行わせつつ、固定したノズルから塗布液を供給させることが塗布液の供給の容易さの点で好ましい。
この場合、各ノズルの相対角速度は等しいが、内周側のノズルに対して外周側のノズルの周速度はより大きくなるために、単位時間あたりに供給される塗布液の量が半径方向外側に向けて増大するように設定されることが好ましく、これによって被塗布領域では単位面積当たりの塗布量を均一に制御できることになる。このためには各々のノズルの供給圧力を調整することで行っても良いが、供給圧力は一定に保ったまま、各ノズル各供給口の面積が円環状の被塗布領域の半径方向外側に向けて増大するようにすることが供給量の制御を行い易く好ましい。
そのためには複数のノズルから供給する塗布液が、供給タンク内で安定化した圧力を加えられて同一の供給源から供給されることが好ましい、これによって供給量の変動を極めて低く抑えることが可能となるとともに、塗布液の圧力が一定となる。なお複数のノズルを固定して、ディスクを中心軸の回りに回転させて塗布を行うときは、塗布液が遠心力で流動しない程度の低速で回転させることが好ましい。具体的な回転数は塗布液の粘度に応じて調整することができるが、例えば20〜100mPa・sの塗布液の場合毎秒0.5回転以下に設定することが好ましい。
例えばこのように本発明においては遠心力を用いて塗布液のレベリングを行わないため、スピンコーターを用いたときのようにディスクの外周側部分に塗布液が偏在して膜厚不均一の原因となることがない。
このようにノズルの塗布時における単位時間あたりの供給量は、塗布圧力とノズルの口径によって設定できるが、ノズルの口径は同じであっても、ノズルの配列密度を調整することによって行うこともできる。さらに全体的な塗布量の多少の調整は、ディスクの回転速度を変化させることによっても調整可能である。
ノズルの径は小さい方が面積当たりの塗布量を高い精度で設定できるが、小さくし過ぎると塗布効率が低下するので、塗布液の粘度、塗布液の供給圧力と併せて最適範囲を設定する必要がある。特にディスクを中心軸の回りに回転させつつノズルによって塗布を行うときは、回転速度との関係で塗布膜厚が決定されるので、必要な塗布膜厚を効率よく形成するに充分な塗布量を制御可能な供給圧力範囲内で供給する必要がある。
ノズルの配列個数としては、必要膜厚から設定されたノズル径と塗布液供給量において、塗布直後に隣り合うノズルからの塗布液が互いに合流可能であれば、特に限定はされないが、円環状の被塗布領域の略半径方向全長幅にわたって、隣り合うノズルが互いに接した状体で配列するほうが、塗布液供給後の合流が容易でレベリングも行いやすい。
例えば100〜500μm程度の塗布膜厚から、乾燥膜厚20〜100μm程度の受理層を形成する場合は、0.5〜5mm程度の口径のノズルから適宜選択して使用することができる。
塗布液の供給量は、ディスク上に形成される受理層の膜厚に応じて調整されるが、例えば固形分比20%程度の塗布液を用いて乾燥膜厚20〜100μmの塗膜を形成する場合には、1cm当たり0.01〜0.05cm程度となるように各ノズルから塗布液を供給する。このための各ノズルからの塗布液の流量は、被塗布領域に塗布液を供給するノズルの口径、本数に応じ、またノズルとディスクが相対回転を行いつつ塗布液が供給される場合には、その回転速度に応じて決定される。
本発明は特にレベリングの容易な低粘度の塗布液を使用して、均一な塗膜を形成するときに好適に使用することができ、スクリーン印刷への印刷適性のない低粘度の塗布液にも幅広く使用することができる。塗布液の粘度はノズルからの安定供給とレベリングの容易さを考慮して適宜設定することができるが、10〜600mPa・sの範囲に設定することが好ましく、20〜100mPa・sとすることがさらに好ましく、25〜75mPa・sが最も好ましい。また塗布液にはシリコン等の添加剤を添加することでレベリング性を向上させてもよい。
上記粘度範囲を満たすために、本発明に用いる塗布液は、固形分の比率が25質量%以下が好ましく、さらには20%程度とされた塗布液がさらに好ましい。
複数のノズルを円環状の被塗布領域の半径方向に配列する場合、各ノズルは直線状に配列してもよく或いは各ノズルを半径方向に千鳥状に配列してもよく、その際、各ノズルの供給口は円形、多角形等適宜の形状に形成できる。千鳥配列の場合、各ノズルから供給される塗布液が相互に一部重複し易くなり、確実にレベリングによる平坦化を行える。
なお塗膜形成手段として、略半径方向幅の全長に配置されたノズル列は、一列でもよいが、該ノズル列と角度をなす半径方向にさらに別の複数のノズル列を有していてもよく、ディスクの中心部から半径方向外側に放射状に配列した複数のノズル列を有していてもよい。
また、ノズルは被塗布領域全面に対向して複数配設されていてもよい。
この場合、ノズルは例えば蜂の巣状に多数配列されて形成されているために、ノズルと被塗布領域の両方を静止状態で対向させて塗布液を各ノズルから供給させてレベリングの後に均一な膜厚の塗膜を形成でき、ノズルと被塗布領域のいずれをも移動させないために高精度なコート層を容易にかつ短時間に形成できる。
本発明によるインクジェット記録用受理層形成方法における乾燥工程、及びインクジェット記録用受理層形成装置における乾燥手段においては、ディスクを背面から加熱する加熱手段は、塗膜の内側端から外側端に向けて低下する温度勾配を形成して前記塗膜の乾燥を行うものであって、熱線ヒータ、赤外線ランプ、温風発生装置等公知の種々の加熱手段の配置や使用方法によって、塗膜の内側端から外側端に向けて低下する温度勾配を形成することができる。例えば温風をディスク背面からその中心部に向けて送風することでディスクの熱伝導によって前記温度勾配を形成してもよい。あるいは中心部から離れるに従って透過率の低下するフィルターを介して、赤外線ランプをディスク背面中央部に照射してもよい。
前記温度勾配を形成するには、前記加熱手段は平板状のディスクに密着する仲介部材を介してディスクを加熱し、仲介部材のディスクに密着する平面には、ディスク上の塗膜の内側端に対応する位置から外側端に対応する位置に向けて低下する温度勾配が形成されるようにすることが好ましい。仲介部材を介してディスクを加熱することで、加熱手段の形成する温度分布による仲介部材内部の熱伝導により、ディスクに密着する平面には、内側から外側に向けてなだらかに温度低下する温度勾配が形成され、局部的な乾燥によって塗膜に皺やひびが発生するのを防止できる。
仲介部材の材質としては、石英ガラス、ステンレスなどが好適に用いられ、熱伝導率が、1〜50W/mKであることが好ましく、2〜20W/mKであることがさらに好ましい。熱伝導率が大きすぎる部材を用いると、加熱温度が均一化しやすく半径方向の温度勾配が出来にくい。一方熱伝導率が小さすぎる部材を用いると、加熱セグメントからの熱伝達が効率良く行われず、局所的な温度分布が発生しやすいため、やはり半径方向のなだらかな温度勾配ができにくい。
仲介部材のディスクと密着する平面上に、塗膜の内側端に対応する位置から外側端に対応する位置に向けて、温度の低下する温度分布を形成するためには、該加熱手段はディスクと同軸上に配置されるか軸対称に配置されることが好ましい。加熱手段は一つでも複数でもよいが、出力の大きなものを一つ用いるよりは、小出力のセグメントに分離し、それらを組み合わせて加熱手段として用いた方が仲介部材上に形成する温度分布をより正確に調整することができる。
加熱手段は、仲介部材に密着する複数の同心円状の加熱セグメントを、前記ディスクと同軸に内側から外側へと配置してなり、内側の加熱セグメントから、外側の加熱セグメントへと加熱温度をしだいに低下させて設定し、円環状の塗膜の内側端から外側端までの加熱温度がなだらかに変化する温度勾配を持つようにすることが好ましい。各加熱セグメントに温度差を設けることで塗膜全体を同時に乾燥できると共に乾燥の進行方向を設定できるために皺の発生を防止できる。
加熱手段を複数の加熱セグメントで構成する場合、各加熱セグメント間で温度差を生じたとしても仲介部材を介して熱伝導させることで、仲介部材での熱交換によって加熱セグメントによる相互の温度差を緩和でき、仲介部材にはなだらかな温度勾配を形成できる。これによって、たとえ被塗布物の背面を仲介部材を介して加熱手段に密着させたとしても、温度差に起因して、塗膜に各加熱セグメントの温度差に対応したパターン等の凹凸が形成されるのを防止でき、効率的な乾燥を行うことが出来る。
塗膜の内側端と外側端の温度差は10〜20℃の範囲とするのが好ましい。この範囲内であれば、内側端から外側端へ乾燥を進めることができて皺等の発生を確実に防止できる。他方、温度差が10℃未満であると乾燥の進行に方向性を持たせることができないので、不均一またはランダムに乾燥が進んで皺を発生し易く、温度差が20℃を越えるとディスクに歪みが発生しやすく、高温側領域の乾燥が先に進んで低温側領域との間で皺等を発生し易い。
加熱セグメントとしては、ディスクの背面への接触面積を大きく取ることができ、また密着性が良く、さらにリング状の形状への加工性の良い面状発熱体を用いることが好ましい。
本発明における面状発熱体は板状やシート状の外形を有し、発熱面全体が一定温度に上昇して加熱を行うものであって、導電性カーボン等を含有する抵抗体被膜に通電を行って、これを面状の熱源としてそのまま発熱面として用いるものや、ヒーター線等の熱源をもとに熱伝導等により一定の面上の領域にわたって温度分布を均一化してこれを発熱面として用いるもの等がある。
本発明のインクジェット記録用受理層形成方法においては、塗布工程によって形成された塗膜が乾燥工程に移る前に振動を与えることで平坦化するレベリング工程を有していてもよく、また本発明におけるインクジェット記録用受理層形成装置においては、塗布手段によって形成された塗膜に振動を与えることで平坦化するレベリング手段を有していてもよい。
本発明によれば、光ディスクの被塗布領域に複数のノズルを用いて塗布液を塗布することで、塗布液を置くように塗布して塗膜が形成され、塗布液自身の流動性と重力で塗布液供給直後より自発的なレベリングが起こる。このためノズル間距離やノズルと被塗布領域の相対移動等のために塗布工程の当初に塗膜表面に形成される微細な凹凸は、特に塗膜に外力を与えて平坦化するレベリング工程を設けなくても解消され、被塗布領域全体に平坦で均一な膜厚の塗膜が形成される。しかし一方で、塗布工程と乾燥工程の間に塗膜に振動を与えるレベリング工程を導入することにより、塗布後の塗膜をより短時間で効率的に平坦化することができ好ましい。
特に塗布終了後にノズルを引き上げる際に、液状の塗布液が糸を引いたり塗布開始と終わりとで塗布液が重複して形成される凹凸は、高低差が比較的大きいため、上記のような振動を塗膜に与えるレベリング工程を導入することで平坦化することがより容易となる。
そして塗膜を乾燥させることで、均一な膜厚で平滑性の良い受理層を形成することができる。
また、レベリング工程において塗膜に与える微振動は超音波振動によって行われてもよい。
本発明のインクジェット記録用受理層形成方法においては、塗布工程に先立ち被塗布領域の内側端と外側端に仕切りを設ける仕切り工程を有していても良く、また本発明のインクジェット記録用受理層形成装置においては、被塗布領域の内側端と外側端に仕切りを設ける仕切り形成手段を有していても良い。固形分比の低い低粘度の塗布液による塗膜は乾燥時に塗膜の端部から中央部へと塗布液が移動し易く、塗膜端部の膜厚が低下しやすいが、このような仕切りを設けることによって、両端部の塗布液量の減少を防げるため、塗膜乾燥時に塗布膜厚の薄い両端部が先行して乾燥することを防止でき、先行して乾燥が進む両端の部位から塗布液が被塗布領域の内部へと移動することを抑制することができる。このため、被塗布領域の内側端と外側端における塗膜の膜厚が減少するのを防ぐことが出来、乾燥後の塗膜の平坦性が一層向上するため好ましい。このような受理層にインクジェットプリンタ等でインクを塗布すると、被塗布領域の端部近くにおいても充分な膜厚が維持されているためインク受容能が減少せず、端部にわたって鮮明な印刷画像を得ることができる。仕切り形成手段としては仕切り部分に沿って円環状の紫外線硬化性組成物を塗布し、該組成物を紫外線照射することによって凸状の仕切りを形成するものであってもよい。あるいは仕切り部分に沿ってカッター状の切削具で凹状の窪みを形成するものであっても良い。或いは、ディスクの製作時に凹溝や凸部等からなる仕切り部を一体形成してもよい。
仕切り部として凹溝を用いるときは、凹溝と凹溝で囲まれた領域に塗布液を塗布することにより、凹溝内に塗布される塗布液によって塗膜の境界部が先に乾燥することが抑制され、乾燥工程での塗布液の流動が抑制される。そのためには、凹溝の深さの最大値が、凹溝で囲まれた被塗布領域における塗膜の膜厚と同等以上に形成され、境界部に充分な塗布液が存在しているのが好ましいが、少なくとも凹溝部分の塗膜の膜厚、すなわち凹溝内に塗布された塗布液の塗膜表面からの深さの最大値が、凹溝で囲まれた被塗布領域の塗膜の膜厚と同等以上であればよい。凹溝や凸部によって塗布液の被塗布領域である受理層形成領域を明確に規定できる。
また仕切部として形成された凹溝内に確実に塗布液を充填するために、被塗布領域への塗布液の供給に先立って、予め凹溝内に塗布液を供給しておくことが好ましい。
本発明のインクジェット記録用受理層形成方法及び受理層形成装置においては、塗膜の外側に加熱によるディスクの変形を抑える押さえ部材が設けられていても良い。加熱手段に温度差を設けたことでディスクに温度差が生じるため、ディスクは乾燥中に温度差によって変形し易くなるが、押さえ部材によって変形を抑制することができる。
本発明のインクジェット記録用受理層形成方法及び装置の用いる塗布液は、顔料とバインダーとを含有していて多孔質のインク受理層を形成する水系塗布液であってもよい。また、塗布液は、親水性高分子を含有していて膨潤型のインク受理層を形成する水系塗布液であってもよい。
なお本発明において親水性高分子とは、分子内に親水性官能基を有しており、水に溶解した状態、または自己乳化した状態、または乳化剤の添加で分散した状態となる高分子物質を意味する。
このような水系塗布液から形成される受理層はインク受理能力が高く良好な印刷画像を形成するが、一方で水系塗布液は水性塗料であり、固形分比率25質量%以下、好ましくは20質量%以下の低固形分比率の塗布液として使用されることが多い。このため、従来のスクリーン印刷やスピン塗布では充分な膜厚の均一な受理層を形成することが困難で、本発明のインクジェット記録用受理層形成方法を好適に用いることができる。
本発明で使用する水系塗布液は、水もしくは水を主成分とする溶媒中に顔料及びバインダーを含有するか、または親水性高分子を含有する。顔料、バインダー及び親水性高分子の材質はとくに限定されず、公知の無機顔料、有機顔料また公知の塗布液用のバインダー、親水性高分子を広く使用できる。さらに顔料が無機顔料でバインダーが水溶性樹脂のときに本発明の効果が極めて良好に発揮される。
顔料とバインダーを含有する水系塗布液からは多孔質型のインク受理層が得られ、親水性高分子を含有する水系塗布液からは膨潤型のインク受理層が得られる。膨潤型のインク受理層においては受理層自体がインクを吸収し、自ら膨張または溶解してインクを受理層内に吸着する。その中でも、顔料微粒子間の空隙にインクを受容させる、多孔質型インク受理層である方が好ましい。
この多孔質型インク受理層は主に顔料とバインダーからなり、顔料としては、アルミナだけでなく、シリカ、ベーマイト、合成微粒子シリカ、合成微粒子アルミナシリケート、気相法合成シリカ、シリカアルミナ複合粒子、ゼオライト、モンモリロナイト群鉱物、バイデライト群鉱物、サポナイト群鉱物、ヘクトライト群鉱物、スチーブンサイト群鉱物、ハイドロタルサイト群鉱物、スメクタイト群鉱物、ベントナイト群鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、カオリン、タルク、アルミナ水和物、プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料、セルロース粒子、澱粉粒子などが挙げられ、なかでも、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ複合粒子、ベーマイト、気相合成シリカが好ましい。このうち、特にベーマイト(Al・nHO、n=1〜1.5)がインクの吸収性、定着性の観点から好適である。
さらに好ましくは、多孔質型インク受理層の平均細孔半径が3〜25nmであり、特には5〜15nmが適切であり、かつ細孔容積が0.3〜2.0cm/gが好ましく、特には0.5〜1.5cm/gであるのが好適である。
またバインダーとしては、でんぷんやその変性物、ポリビニルアルコール又はその変性物,スチレン・ブタジエンゴムラテックス,ニトリル・ブタジエンゴムラテックス、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の水溶性重合体、アルコール可溶性の重合体若しくはこれらの重合体の混合物などの水溶性樹脂を用いることができる。なかでも本実施例では、インク吸収性や耐水性が良好であることを要するためポリビニルアルコールまたはその変性物の使用が好ましい。バインダーは上記顔料100質量部に対して、好ましくは、1〜100質量部、特には、3〜50質量部含まれるのが適切である。
一方、膨潤型インク受理層を得るために用いる親水性高分子としては、ウレタン樹脂またはその変性物、完全鹸化ないしは部分鹸化のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド、又はそれらの誘導体などの親水性の合成高分子、ゼラチン、変性ゼラチン、デンプン、変性デンプン、カゼイン、大豆カゼイン、変性大豆カゼイン若しくはその変性物、又はそれらの誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体などの親水性の天然高分子が挙げられる。なかでも、ウレタン樹脂またはその変性物、ポリビニルアルコール若しくはその誘導体、ポリビニルピロリドン若しくはその誘導体、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、ゼラチン若しくはその誘導体が特に好ましい。
なお、本発明で変性ウレタン樹脂とは、水性化されたウレタン樹脂を意味し、水に安定して分散できるように、ウレタン骨格の主鎖中に親水基を導入して自己乳化するか、または外部乳化剤で分散させて得られるウレタン樹脂の水分散体を示す。変性ウレタン樹脂としては特にポリカーボネート系ポリオールまたはポリエステル系ポリオールと脂肪族イソシアネートとから得られる自己乳化タイプのものが好ましい。
これらの親水性高分子はそれぞれ単独、又は2種以上の混合物の形態で使用される。
膨潤型インク受理層の場合、上述した親水性高分子の他に、必要に応じて、顔料を親水性高分子に対して0.05〜10重量%含有することができる。なお、顔料としては、多孔質型のものと同じものが使用できる。
尚、インク受理層には、その他の添加剤として、必要に応じて、硬化剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料等を使用することが出来る。特に硬化剤は、多孔質層の場合、形成過程において影響が大きく、水系塗布液の乾燥過程における水分蒸発での体積収縮による歪みから生じるクラックなどの塗膜欠陥を、早期にゲル化することで抑制する効果がある。バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合は、ホウ酸やホウ酸塩などが有効である。
本実施例において、ディスク基板上に設けられるインク受理層の塗布厚は、インク吸収性、塗工層の強度、用途などに応じても選択されるが、好ましくは2〜80μmが採用される。この塗布厚が2μmに満たない場合はインク受理層としての効果が発現し難く、一方,80μmを超える場合は、透明性や強度の低下または表面に微細なクラックが発生するおそれがあるので好ましくない。なかでも、インク受理層の塗布厚は10〜50μmであるのが適切であり、30〜40μmが更に好ましい。乾燥塗膜の重量にすると2〜80g/mが好ましく、20〜70g/mがより好ましく、30〜50g/mが最も好ましい。塗布液の塗布膜厚は塗布液の固形分濃度に対応して例えば乾燥膜厚の4〜8倍程度、塗布液の重さにして10〜400g/mにすることができる。
本発明の実施例を光ディスクへの受理層形成を例にとって図1乃至図12により説明する。図1は本発明の実施例による光ディスクのインクジェット記録用受理層形成装置の平面図、図2は受理層の内周及び外周縁部付近の表面を平坦化するための仕切部である凹溝の切削手段を示す図、図3は前記凹溝内に気泡が入らぬように、本塗布の前に予め凹溝内に塗布を行うための凹溝塗布ノズルを示す図、図4は塗膜形成手段の塗布部を示す要部斜視図、図5は供給手段における各ノズルの供給口を示す図、図6は振動手段を示す図、図7(a)、(b)は面状発熱体の平面図と側面図、図8は面状発熱体上のディスクの変形を抑制するディスク押さえを示す図、図9はインクジェット記録用受理層形成方法の処理工程を示すフローシート、図10(a)、(b)はディスク上に水系塗布液を一部重複して塗布した状態の図とレベリングされた状態の図、図11は製造された光ディスクの要部縦断面図、図12は図11の凹溝部分の拡大図である。
本実施例によるインクジェット記録用受理層形成装置で製造する光情報記録媒体としての光ディスク1は例えば通常のデジタルビデオディスクであり、図11に示すように例えばポリカーボネート基板(PC基板)からなるリング状のディスク基板2の一方の面2aに情報記録層3が形成されており、この情報記録層3はスタンパ等で形成された0.1μm程度の凹凸の表面に金属薄膜からなる反射膜を被覆して構成されている。
そしてこの情報記録層3の表面にはもう一方のディスク基板4が接着剤で貼り合わされている。ディスク基板2の他方の面2b側から再生光を照射し、情報記録層3からの反射光により読み取りを行う。光ディスク1の情報読み取り側の面2bとは反対側のディスク基板4上の印刷面4aに、塗布液として水系塗布液を塗布した薄い塗膜を乾燥して得た多孔質インク受理層5(受理層)が設けられている。ディスク基板4の印刷面4aは疎水面である。受理層5を形成する印刷面4aの内周側縁部と外周側縁部にはそれぞれ凹溝6a、6bが形成されており、受理層5はこれら凹溝6a、6bで仕切られた円環状の印刷面4aに形成されている。
ここで、受理層5を形成するための塗布液としての水系塗布液Sは、乾燥後の受理層5を形成する水性の塗布液であり、本実施例では顔料とバインダーを含有する多孔質インク受理層形成用の水系塗布液を用いるものと、親水性高分子を含有する膨潤型インク受理層形成用の水系塗布液を用いるものとについて実施した。なお、膨潤型インク受理層とは、親水性高分子を主成分としたものであり、受理層5自体がインクを吸収し、自ら膨潤または溶解してインクを受理層5内に吸着するものである。
インクジェット記録用受理層形成装置10は、図1に示すように、塗膜形成部11と乾燥部12とで概略構成されている。塗膜形成部11では略円板型の回転板14に所定間隔に複数(例えば6本)のアーム14aが設けられ、その自由端に回転テーブル15がそれぞれ設けられてディスク移送手段を構成している。各回転テーブル15はディスクDを吸着支持して中心軸線O回りに自転可能であると共に回転板14によって間欠回転(公転)する。各回転テーブル15の間欠的な公転による停止位置は、受け渡し部A1、凹溝形成部A2、前塗布部A3、本塗布部A4、レベリング部A5、排出部A6とを構成する。
受け渡し部A1では、光ディスク1の受理層5と凹溝6a,6bが未形成のディスクDを供給部16から受け取り、凹溝形成部A2からレベリング部A5までの工程で印刷面4a上に多孔質インク受理層形成用の水系塗布液Sからなる塗膜Saを形成した後に、排出部A6で移載部17を介して乾燥部12へディスクDを受け渡すようになっている。乾燥部12ではリング状の搬送部材18でディスクDを回転させながら塗膜の乾燥を行うことになる。
なお、ディスクDの供給部16には複数のディスクDを図示しないスペーサを介して積層するスタック部が設けられており、スタック部からスペーサを除いて最上部のディスクDを供給部16から受け渡し部A1の回転テーブル15に供給することになる。
次に凹溝形成部A2からレベリング部A5までと乾燥部12について図2〜図7、及び図11、図12により説明する。
図2に示す溝形成部A2には切削手段20が設けられている。切削手段20は一対の切削刃20a、20aを備えており、ディスクDのディスク基板4の印刷面4aにおいて、受理層5を形成すべき円環状領域の内周側端部と外周側端部に切り込んで、それぞれ凹溝6a、6bよりなる仕切りを形成することになる。各切削刃20aは、凹溝6a、6bの受理層側が垂直で反対側がテーパ状を形成するようにそれぞれ外側に傾斜刃20bを設けた切刃形状を有している。
そして、ディスクDの中心軸線O回りにディスクDと切削手段20を相対回転させつつ各切削刃20aでディスク基板4を切削加工することで二条の凹溝6a,6bをリング状に形成できる。ディスク基板4はポリカーボネート樹脂からなるために、ディスク基板4は切削刃20aによって両側に押し分けられて略V字状の凹溝に変形し、切屑は発生しない。
なお、図11、図12に示すように、凹溝6a,6bの最大深さdは、印刷面4aに塗布形成される塗膜Saの厚みと同等以上であることが好ましい。塗布液は全述のように水分80%:固形分20%程度の含有比率であり、一方で受理層5はインク受容のために乾燥後の膜厚が2μm程度以上に設定されていることが好ましい。例えば乾燥後の膜厚を受理能力の充分な30μm程度とする場合には、被塗布領域に供給する塗布液は150μm程度の膜厚で塗布する必要がある。しかし、少なくとも塗膜Saを形成した状態で、溝内に形成された部分も入れた凹溝6a,6bの上方に形成される塗膜Saの最大膜厚が、凹溝間の被塗布領域に形成される塗膜膜厚と同等以上であればよく、凹溝6a,6bがこれを満足する程度の最大深さを有していれば、塗膜Saの乾燥時に凹溝に塗布された水系塗布液Sが中央領域よりも先に乾燥し始めたり中央領域側に流動して膜厚変動を来すのを防止できる。
凹溝6a,6bの開口部の径方向幅Wは塗布液の塗布膜厚や粘度によって適宜設定されるが、光ディスク1では、幅Wが300μm以上、好ましくは300〜400μmの範囲に設定されている。
幅Wが300μm未満であると、下記塗布工程において、塗布液を塗布する際に凹溝内に十分流入できない上に、空気が凹溝6a、6b内に混入すると上方に逃げられずに内部に封入されてしまい、乾燥時に加熱すると内部の空気が膨張して破裂し、受理層5の表面に破裂痕が残るという不具合が生じる。そのため、幅Wは塗布液が凹溝6a,6b内に十分流入し、混入した気泡が外部に抜ける程度の大きさを要する。一方幅Wが400μmを超えると凹溝の形成部分が見えやすくなる可能性があるため超えないことが好ましい。
次に図3に示す前塗布部A3では、一対の凹溝塗布ノズル22、22が各凹溝6a、6bに対向して配設されている。各凹溝塗布ノズル22からは塗布液として水系塗布液Sが供給されて凹溝6a、6bを埋めて隆起させるようになっている。この場合も、ディスクDの中心軸線O回りにディスクDと凹溝塗布ノズル22,22が相対回転しつつ各ノズル22から水系塗布液Sを塗布することになる。
図4において、本塗布部A4に塗膜形成手段24が設けられている。
塗膜形成手段24は、ディスクDの凹溝6a、6bで挟まれた円環状の印刷面4aに水系塗布液Sを塗布する装置である。ここで用いる水系塗布液Sは上述の凹溝塗布ノズル22で用いる水系塗布液と同一であり、例えば下記の処方を用いる。受理層処方1〜3は多孔質型のインク受理層の水系塗布液に関する処方であり、受理層処方4は膨潤型のインク受理層の水系塗布液に関する処方である。
受理層処方1
アルミナゾル(固形分濃度20%):100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名「PVA−124」、固形分濃度7%):28.6質量部
ホウ酸(固形分濃度4%):5質量部
(アルミナゾルの製造方法)
容量2リットルのガラス製反応器に、ポリ塩化アルミニウム水溶液(アルミニウム濃度がAlOに換算して23.5質量%、Cl濃度8.1質量%、塩基度84%、多木化学社製、商品名「タキバイン」#1500)327gと水1548gを仕込み、95℃に昇温した。次いで市販のアルミン酸ナトリウム溶液(AlO:20質量%、NaO:19質量%)125gと添加し、攪拌しながら液温を95℃に保持して24時間熟成してスラリーを得た。なお、アルミン酸ナトリウム溶液添加直後の液のpHは、95℃において、8.7であった。
熟成後のスラリーを限外濾過装置を用いて洗浄した後、再び95℃に昇温し、この洗浄後のスラリーの総固形分量の2%となる量のアミド硫酸を添加し、総固形分濃度が21%となるまで減圧濃縮した後、超音波分散してベーマイト結晶粒子が凝集した粒子の平均粒子径が190nm、pH4.5のアルミナゾルを得た。

受理層処方2
シリカアルミナ複合ゾル(固形分濃度20%):100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名「PVA−140H」、固形分濃度7%):57.2質量部
ホウ酸(固形分濃度4%):5質量部
(シリカアルミナ複合ゾルの製造方法)
容量2リットルのガラス製反応器に、3号ケイ酸ソーダ溶液(SiO濃度28.84%、NaO濃度9.31%)554.8g及びイオン交換水1182.6gを入れ、攪拌しながら5mol/L塩酸水溶液330.0gを4時間かけて添加した。添加後、反応液はpH6.4であった。その後、温度80℃に昇温し、4時間攪拌して熟成し、シリカヒドロゲルを生成させた。得られたシリカヒドロゲルには直径数mmの粗大粒子があったため、コロイダルミルにより平均粒子径30μm以下にまで粉砕した。
この粉砕したシリカヒドロゲルを、再び容量2リットルのガラス製反応器に入れて攪拌しながら温度80℃に昇温し、シリカヒドロゲルのSiO質量に対するポリ塩化アルミニウムのAlO質量比が100/15となる量のポリ塩化アルミニウム水溶液(多木化学社製、商品名:タキバイン#1500、AlO濃度:23.5%、Cl濃度:8.1%、以下全て同じ)を約10分間かけて徐々に添加した。添加終了後、温度80℃で1時間攪拌した後、室温にまで冷却した。
この反応液に5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を加えて、反応液のpHを7に調製した後、限外濾過装置を使用して、濾液の電導度が50μS/cm以下に低下するまで精製した。
この精製した溶液中の総固形分量の3%となる量のアミド硫酸を添加して、減圧下で加熱濃縮し、冷却後、直径0.5mmのジルコニア製ビーズのビーズミルを使用して粉砕し、濃度23%、pH5、一次粒子径16nm、凝集粒子径290nmの第1層用のシリカアルミナ複合ゾルを得た。

受理層処方3
シリカ分散液(固形分濃度14%):100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名「PVA−420」、固形分濃度
7%):50質量部
(シリカ分散液の製造方法)
気相法シリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名「アエロジル300」)と水の混合液を、高速回転式コロイドミル(エム・テクニック社製、商品名「クレアミックス」)を用いて、10,000rpmで30分間分散処理を行いシリカ分散液を得た。

受理層処方4
メチルセルロース(信越化学社製、商品名「メトリーズSM15」)
:100質量部
不定形シリカ(富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア370」)
:0.03質量部
メチルセルロースは固形分濃度3%の溶液であり、これに不定形シリカを混合、攪拌して水系塗布液を得た。

受理層処方5
変性ウレタン樹脂(大日本インキ化学工業社製 商品名「パテラコールIJ70」
:100質量部
上記市販の変性ウレタン樹脂を含む水系塗布液をそのまま使用した。
塗膜形成手段24は、回転テーブル15上にその回転軸Oを中心として半径方向に水系塗布液Sを供給するための供給手段25を備えている。この供給手段25は単一の供給系部26(供給源)とこの供給系部26から複数本に分岐されたノズル27a、27b…27hからなるノズル部27とで構成されており、供給系部26の領域に設けた図示しないバルブの開閉によって各ノズル27a〜27hからの水系塗布液Sの供給と停止を制御する。各ノズル27a〜27hは例えばマイクロディスペンサノズルからなっていて、ディスクDの半径方向に並んで配列されていて、例えば凹溝6a、6b間の受理層5の形成幅に亘って直線状に配列されている。
しかも各ノズル27a〜27hは図5に示すようにそれぞれ円形の供給口を有しており、配列方向の最も内周側に位置する最内周ノズル27aは供給口が最小の面積とされ、径方向外側に向けて複数の各ノズル27b、27c、…は供給口の面積が漸次増大し、最外周ノズル27hは供給口の面積が最も大きく設定されている。
そのため、最内周ノズル27aから最外周ノズル27hに向けて漸次単位時間当たりの供給量が増大するように設定され、且つ単位面積当たりの各ノズル27a〜27hの水系塗布液供給量はそれぞれ一定に設定されている。これはディスクDに対して径方向に並べられた各ノズル27a〜27hが同一の角速度で相対回転するためであり、各ノズル27a〜27hによるディスクDの印刷面4aでの単位面積当たりの塗布量が均一になるように各ノズル27a〜27hの単位時間当たりの供給量がそれぞれ設定されている。例えば1.5〜2.5mmの口径にわたって順次口径を大きくしたノズルを、隣り合うノズルと接触させて最内周から最外周へと直線上に配列して設置し、0.4〜0.5kg/cmの供給圧力で共通の供給源から塗布液を供給することができる。
各ノズル27a〜27hからの水系塗布液Sの塗布によって凹溝6a,6b間の印刷面4aに円環状の塗膜Saを形成する。
次に図6に示すレベリング部A5では、振動手段29が設けられている。
振動手段29において、ディスクDを吸着支持する回転テーブル15は、例えば板状の保持部材30上に支持されている。保持部材30は例えば金属製で超音波伝達手段を構成し、保持部材30の他端には回転テーブル15から外れた位置に例えば超音波振動子または圧電素子からなる超音波発振器31が取付けられている。超音波発振器31を起動することで、発生した超音波の振動は保持部材30から回転テーブル15を介してディスクD上の塗膜Saへ伝達され、塗膜のレベリングを強制的に行える。
例えば超音波発信器31としてPZT振動子を用い、電力80W、周波数28〜45kHzの縦振動を5秒間発振させては15秒間の休止をとることで、5秒間の振動を2〜3回程度繰り返して行う。これによってディスクDの振動が超音波発信器31の振動に追従して行われ、塗膜Saの平坦化がなされる。
各ノズル27a…27hによる複数の液滴状の水系塗布液Sはそのレベリング性能によって相互に平坦化でき得るが、ノズル部27をディスクDに対して相対的に1回転させて塗布を終了する際に各ノズル27a…27hからの水系塗布液Sの供給を停止させると塗布の支点と終点が重なることで各ノズル27a…27hの軌跡に沿う畝状の凹凸よりも大きな凹凸が形成される。このような大きな凹凸は振動手段29によるレベリング作用を用いることで短時間で容易に平坦化できる。
次に乾燥部12に配設された乾燥手段について図7及び図8により説明する。
図1に示す乾燥部12では、印刷面4aに円環状の塗膜Saが形成されたディスクDをリング状の搬送部材18で回転搬送させながら塗膜の乾燥を行うことになる。乾燥手段33では、搬送部材18に所定間隔で複数の面状発熱体34が配列され、各面状発熱体34上に塗膜Saが形成されたディスクDが略同心に載置されることになる。
面状発熱体34は、図7(a)に示すように、径の異なるリング状の複数(図では3枚)の面状ヒータが同心円状に嵌合状態に配列されており、これらを内側から外側に向けて第一ヒータ35、第二ヒータ36、第三ヒータ37とする。各ヒータの加熱温度は第一ヒータ35が最も高く(例えば約130℃)、次いで第二ヒータ36(例えば約90℃)、第三ヒータ37(例えば約80℃)と順次加熱温度が低く設定され、約3分間程度加熱する。
そして第一乃至第三ヒータ35〜37の上面には熱容量の大きい(比熱の大きい)金属円板状のトレー38(仲介部材)が取り付けられ、トレー38の上にディスクD全体が密着して載置されることになる(図7(b)参照)。トレー38を第一乃至第三ヒータ35〜37とディスクDとの間に配設することでディスクDに伝達される半径方向の温度勾配を滑らかにすることができる。トレー38を設けないと、温度差によってディスクDの塗膜Saに各ヒータ35〜37の電熱線パターンの形が熱転写されてしまうことになる。
例えば第一、第二、第三ヒータ35、36、37の加熱によるトレー38とディスクDとの間の温度はそれぞれ95.7℃、86.0℃、77.5℃程度で、温度差は10℃〜20℃程度に設定されることが好ましい。トレー38の材質としては熱伝導率(k)が小さい、例えば熱伝導率=2〜20W/mK程度の範囲の、SUSや石英ガラス等が好ましい。
また、図7(b)において、第一乃至第三ヒータ35〜37にはヒータコントローラ39a、39b、39cがそれぞれ電気的に接続されており、図示しない制御手段によってPID制御される。
そして、図8において、面状発熱体34上にディスクDが載置された状態でディスクDの外側には有蓋筒状のディスク押え41(押え部材)がトレー38上に装着される。ディスク押え41はその筒状部の内面下端部分がテーパ部41aとして全周に形成され、このテーパ部41aがディスクDの外周角部に当接している。これによって、面状発熱体34でディスクDを介して塗膜Saを加熱した際にディスクDが熱で歪みやそり等の変形を来すことを防止すべくトレー38に押さえつけている。ディスク押え41の蓋の部分には塗膜Saの加熱時に発生する蒸気を逃がす通風口42が設けられている。通風口42は図示しないシャッタ部材で開口面積を調整可能であり、これによってディスク押え41内部の蒸気密度を制御して塗膜Saを一定の湿度環境下におき、結露の発生を抑えつつ乾燥ムラを防止する。
また、一般的にディスクDの塗膜Saとは反対側の裏面には内側に円環状のリブ43が突出しており、ディスクDを密着状態で載置させるトレー38にはこのリブ43を逃がす円環状の逃げ溝44が形成されている。この逃げ溝44の部分の熱伝導が他の領域と不均一にならないようにリブ43との間隙に高分子やシリコン等の充填材(パテ)を充填して熱伝導性を補っている。
なお、塗膜Saは乾燥することで受理層5を形成するが、乾燥することで半透明になるために、受理層5の下面に例えばUV硬化型白色インク等からなる白い下地層を設けておくことが好ましい。
本実施例によるインクジェット記録用受理層形成装置10は上述の構成を備えており、次にインクジェット記録用受理層形成方法について図9に示すフローシートに沿って説明する。
先ず図1において、インクジェット記録用受理層形成装置10の塗膜形成部11で、ディスク基板2と情報記録層3とディスク基板4が積層されてなるディスクDの1つを、図示しない受け渡し手段で、供給部16からスペーサを除いて受け渡し部A1の回転テーブル15上に供給して載置する(ステップ101)。各回転テーブル15ではディスクDは図示しない吸着手段で下面を吸引されてほぼ同軸に保持される。そして回転板14を間欠回転すると、ディスクDは順次供給部16から受け渡し部A1の回転テーブル15に供給される。
回転板14を所定角度(ここでは60°)回転させることで、受け渡し部A1から凹溝形成部A2に移動したディスクDは、図2に示すように切削手段20の下方に位置させられる。そして各切削刃20aが印刷面4aの円環状の受理層5を形成すべき領域の内周側及び外周側縁部に位置した状態で降下させてディスク基板4に切り込みを入れる。同時に回転テーブル15を自転させてディスクDを回転軸線O回りに1回転させる。これによって、各切削刃20aでディスク基板4を切削して両側に押し分けて、リング状の凹溝6a、6bをそれぞれ形成する(ステップ102)。得られた各凹溝6a、6bは例えば受理層5を形成すべき側の側壁が略垂直で他方の側壁が傾斜面をなす断面略V字状を呈している。
次に前塗布部A3に移動させられたディスクDは、図3に示すように各凹溝6a、6bに対向する位置に凹溝塗布ノズル22、22が位置している。そして、前塗布工程として、回転テーブル15を自転させると共に凹溝塗布ノズル22、22から水系塗布液Sを供給することで、各凹溝6a,6bに水系塗布液Sが充填され、印刷面4aよりも上方に盛り上がる(ステップ103)。水系塗布液Sの充填によって各凹溝6a、6bから空気が追い出され、空気が凹溝6a,6b内に残留するのを防止する。これによって、加熱乾燥時に凹溝6a,6b内に残留した空気が膨張して上昇し、破裂して気泡痕を塗膜表面に残すことを防止できる。
次に本塗布部A4にディスクDが移動させられると、図4に示すように印刷面4aにおいてリング状の凹溝6a,6b間の径方向に各ノズル27a〜27hを配列させた供給手段25が対向して位置する。この状態で回転テーブル15を自転させながら、各ノズル27a〜27hから水系塗布液を供給する(ステップ104)。これを本塗布工程という。しかも各ノズル27a〜27hで供給される水系塗布液Sは、各ノズル27a〜27hの相対移動方向(周方向)と配列方向(径方向)とにそれぞれ相互に一部重複した状態で例えば液滴状または山状に連続して塗布される(図10参照)。
この場合、水系塗布液Sは固形分に対して水分比率が8割程度であるから、各ノズル27a〜27hからディスクDの印刷面4a上に同時に供給された水系塗布液Sは流動性が高く相互の親和力がよいためにレベリング作用が働き、隣り合う塗布液から供給された塗布液による塗膜は平坦化される。本塗布工程で塗布された水系塗布液Sは前塗布工程で凹溝6a,6bに塗布された水系塗布液Sと一体化されて、凹溝6a,6bの領域で表面張力によってなだらかな凸曲面を形成する。このようにして凹溝6a,6b間で略円環状の均一な塗膜Saが形成されることになる。
なお、回転テーブル15は低速の一定速度で回転運動するためにディスクDも低速で回転運動するにすぎず、印刷面4aに塗布された水系塗布液Sは、遠心力による展延処理はなされない。そのため、図10(a)、(b)に示すように各ノズル27a〜27hによってディスクDに供給された各水系塗布液(S1,S2)はその印刷面4aの供給位置に保持され、いわば必要量だけ供給位置に置かれた状態で、隣接する塗布液間でレベリング作用がなされる。そのため、遠心力によるレベリングを用いたスピン塗布のように塗膜Saが内周部から外周部に向けて膜厚の変化を生じることなく均一な塗膜が形成される。
塗布終了後に、ディスクDはレべリング部A5に搬送される。図6に示すように、水系塗布液Sが塗布された塗膜Saをディスク基板4上に形成したディスクDは、回転テーブル15と共に振動手段29の保持部材30上に載置させられる。そして振動手段29の超音波発振器31を起動すると、発生した超音波の振動は保持部材30から回転テーブル15を介してディスクD上の塗膜Saへ伝達される。例えば25〜45kHzの周波数、80ワット程度の出力で5秒間の超音波振動を約15秒の休止時間を介して2〜3回程度励起することで、水系塗布液Sを短時間で強制的にレベリングすることができる(ステップ105)。
このような超音波による強制的なレベリング作用を行うことにより、凹溝6a,6b間の塗膜Sa全体の平滑化を達成できる。特に、本塗布工程において、塗布開始点と終了点で不可避的に塗布液が重複して、塗膜表面の凹凸が他の領域よりも大きくなるが、超音波振動によって短時間で容易に平滑化することができる。
そしてディスクDは排出部A6まで搬送され、この位置で回転テーブル15から移載部17を介して乾燥部12へ送られてリング状の搬送部材18の一つの面状発熱体34に載置される。搬送部材18が間欠的に回転することで、塗膜形成手段11から順次搬送されてくるディスクDを面状発熱体34上に載置して1周する間に乾燥させることになる。
面状発熱体34上のディスクDは、図7に示すように、各ヒートコントローラ39a、39b、39cにより第一、第二、第三ヒータ35,36,37がそれぞれ同時に互いに相違する所定温度で加熱されると、円板状のトレー38を介して熱が伝達される。このとき、トレー38では各ヒータ35,36,37の温度差が各境界部で互いに熱交換されてなだらかな温度勾配を呈することになり、ディスクDでは内周側から外周側に向けて10℃〜20℃程度の温度勾配を以て同時に加熱されてディスク基板2からディスク基板4を通して塗膜Saに裏面から伝達される。これによって塗膜Saは裏面から表面に向けて全面が徐々に加熱されると共に温度勾配のために小径の内周側から大径の外周側に向けて徐々に乾燥が進むことになる。
そのため、塗膜Saの乾燥処理に際して膜厚が1/5程度に収縮されても乾燥収縮による皺やひびの発生を防止できる。しかも、塗膜Saは裏面から表面に向けて加熱されるために先に表面に皮膜が形成されることがなく、この点からも皺やひびを防止できる。また、乾燥に際して凹溝6a,6bでは内側のエッジが垂直に切り立ってその膜厚が、凹溝6a,6b間の塗膜Saの厚みと同等以上に設定されているために、凹溝6a、6bの領域が先に乾燥することない。そして凹溝6a、6bのある内外周側端部が先に乾燥収縮することによって水系塗布液Sが中央側に流動するのを防止できる。
そのため、塗膜Saは乾燥によって凹溝6a,6b間で全体に平坦で均一な膜厚の受理層5として形成される。
そして、搬送部材18の面状発熱体34に載置されたディスクDは、搬送部材18が1回転する間に乾燥処理を終了して、図示しない受け渡し手段で持ち上げられてスタック部19にスペーサを介して積み上げられる。
従って、本実施例による光ディスク1によれば、受理層5にインクジェットプリンタ等でインクを塗布すると、被塗布領域全体にわたって鮮明な印刷画像を得ることができる。特に多孔質インク受理層5の場合には、インクは全面に亘ってほぼ均一な膜厚に形成された受理層5内の多孔で受容されるため各孔を溢れて外部に滲み出ることがなく、鮮明な印刷画像が得られる。
尚、受理層5の内周側及び外周側端部5bでは、凹溝6a、6bの領域で中央領域から凹溝6a、6b上で傾斜して落ち込んでいるために、この部分の画像は歪んで見える。そのため、円環状をなす受理層5への印刷は内周側及び外周側端部である凹溝6a,6bより内側の中央領域で行うことが好ましい。
上述のように本実施例によれば、径方向に配列した各ノズル27a〜27hをディスクDに対して相対的に1周させて水系塗布液Sを必要量だけ塗布することで無駄なく塗膜Saを形成でき、塗膜Saに各ノズルの軌跡に沿う畝状の凹凸は残らず水系塗布液Sが乾燥し始める前に塗布とレベリングを終了できる。しかも、振動手段29によって塗布終了時に残る塗膜Saの凹凸を確実に平滑化できる。そのため、水系塗布液SをディスクDに塗布・乾燥させて平坦で均一な膜厚の受理層5を形成することができる。
また、受理層5の内周側及び外周側縁部に凹溝6a,6bを形成したことで、乾燥時に内周側及び外周側縁部の塗膜Saが先に乾燥して収縮し塗布液Sが中央領域へ流動するのを防止して全体に均一な膜厚の受理層5を形成できる。しかも、先に凹溝6a,6bに水系塗布液Sを塗布することで内部に空気を残留させることを防止でき、加熱乾燥時に気泡痕を塗膜Saに生じさせない。
また、乾燥時に塗膜Saの裏面から全体を加熱し且つ温度勾配を持たせたことで乾燥後の受理層5に皺やひびを生じさせず膜厚が均一になる。従って、受理層5にインクジェット印刷を施す場合、少なくとも受理層5の凹溝6a,6b間の中央領域では写真画像に匹敵し全体に鮮明な画像が得られる。このようにインク等の受理層5を形成するディスクDを大量生産する方法と装置を得られる。
供給手段25について上述の実施例では、径方向に配列された複数のノズル27a〜27hを直線状に半径方向に配列したが、これに代えて図13に示すように複数のノズル27a〜27hを互いに接触させた状態で千鳥状に径方向に配列してもよい。このような配列構成にすれば、径方向の各ノズル27a〜27hから供給されディスク基板4上に置かれた断面略半円状の各水系塗布液Sについて、隣接する水系塗布液S同士を径方向及び周方向により確実に一部重複状態に塗布できる。
次に供給手段の変形例について図14により説明する。
図14においてディスクDは図示しない回転テーブル15上に静止状態で載置されている。水系塗布液Sを供給する供給手段47は、単一の塗布液供給源である供給系部26と、この供給系部26から分岐された複数のノズル48aを有するノズル部49とを備えている。複数のノズル48aは、ディスクDの印刷面4aの受理層形成領域に対向して配列されている。ノズル部49も静止状態に保持されて水系塗布液Sを個々のノズル48aから供給することになる。
この例では、受理層5を形成すべき領域が円環状に形成されているために、ノズル部49も多数のノズル48aが同様にリング状に径方向及び周方向に配列されて略蜂の巣型に形成されている。しかも個々のノズル48aの供給口は同一の面積を有している。
従ってこのような塗布手段42を用いてディスクDに水系塗布液Sを塗布するには、ノズル部49の複数のノズル48aから同一量の塗布液を供給して印刷面4a上で各水系塗布液Sの液滴が相互に一部重なる程度の量を供給する。
特に本実施例によれば、ディスクDもノズル部49も静止状態で水系塗布液Sの供給を行うから塗布作業をより短時間で正確に行うことができ、レベリング処理をより確実に自然乾燥前に行えるという利点がある。
また、本発明は光ディスク1等のデジタルビデオディスクに限らず他のディスクを含む各種の被塗布物に適用できる。また、本発明は、液状の塗布液として水系塗布液Sに限定されることなく、各種の液状の塗布液を使用できる。
本発明の実施例によるインクジェット記録用受理層形成装置の要部平面図である。 ディスク基板に凹溝を形成するための切削手段を示す図である。 凹溝に水系塗布液を塗布する凹溝塗布ノズルを示す図である。 凹溝間に水系塗布液を塗布するための塗膜形成手段を示す斜視図である。 図4に示す供給手段の各ノズルの供給口を示す図である。 ディスク上の塗膜をレベリングする振動手段を示す側面図である。 (a)はトレーを除いた面状発熱体の平面図、(b)は面状発熱体とヒータコントローラを示す説明図である。 面状発熱体上のディスクの変形を抑制するディスク押えを装着した略縦断面図である。 インクジェット記録用受理層形成方法の処理工程を示すフローシート図である。 (a)は水系塗布液を液滴として塗布した状態を示す図、(b)はレベリング状態を示す図である。 実施例によるインクジェット記録用受理層形成装置で製作された光ディスクの半分を示す縦断面図である。 実施例によるインクジェット記録用受理層形成装置で制作された光ディスクの凹溝部分の拡大縦断面図である。 供給手段のノズル供給口の変形例を示す図である。 供給手段の変形例を示す要部斜視図である。
符号の説明
1 光ディスク(被塗布物)
4 ディスク基板(被塗布面)
4a 印刷面(被塗布面)
5 受理層
5b 受理層の外周側端部
10 インクジェット記録用受理層形成装置
25、47 供給手段(塗布手段)
27、49 ノズル部(塗布手段)
29 振動手段
30 保持部材
31 超音波発振器
33 乾燥手段
34 面状発熱体
35 第一ヒータ(加熱セグメント:加熱手段)
36 第二ヒータ(加熱セグメント:加熱手段)
37 第三ヒータ(加熱セグメント:加熱手段)
38 トレー(仲介部材)
41 ディスク押え(押え部材)
41a テーパ部
D ディスク(被塗布物)
S 水系塗布液
Sa 塗膜

Claims (20)

  1. ディスク上の円環状の被塗布領域に、配列された複数のノズルで塗布液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて受理層を形成する受理層形成方法であって、
    前記複数の各ノズルは、単位面積当たりほぼ一定量の塗布液のみを供給し、隣り合う前記ノズルからの前記塗布液は、塗布直後に合流可能に供給されて被塗布領域全面に塗膜を形成する塗布工程と、前記ディスクの背面より該ディスクを加熱する加熱手段により、前記ディスクの背面においては、前記塗膜の内側端に対応する位置から、外側端に対応する位置に向けて、低下する温度勾配を形成して前記塗膜の乾燥を行う乾燥工程を有することを特徴とするインクジェット記録用受理層形成方法。
  2. 前記複数のノズルは、前記円環状の被塗布領域の略半径方向幅全長にわたって配列し、前記複数のノズルに対し、前記ディスクの中心の回りに相対的に回転運動を行う前記ディスクに対し、前記塗布液の塗布を行うようにした請求項1に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  3. 前記複数のノズルはディスクの半径方向外側に向けて開口面積が増大するように設定されている請求項2に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  4. 前記加熱手段は前記ディスクに密着する平板状の仲介部材を介して前記ディスクを加熱し、前記仲介部材の前記ディスクに密着する平面には、前記塗膜の内側端に対応する位置から外側端に対応する位置に向けて低下する温度勾配が形成されるようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  5. 前記加熱手段は前記仲介部材に密着する複数の同心円状の加熱セグメントを、前記ディスクと同軸に内側から外側に向けて配列してなり、内側の加熱セグメントから外側の加熱セグメントへと加熱温度を次第に低下して設定した請求項4に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  6. 前記塗布工程と前記乾燥工程との間に、前記塗膜に振動を与えることにより平坦化するレベリング工程を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  7. 前記塗布工程の前に前記被塗布領域の内側端と外側端に仕切りを設ける仕切り形成工程を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  8. 前記塗布液は顔料とバインダー樹脂を含有していて多孔質のインク受理層を形成する水系塗布液である請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  9. 前記顔料は、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合粒子、ベーマイト、気相合成シリカのいずれかである請求項8に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  10. 前記塗布液は親水性高分子を含有していて膨潤型のインク受理層を形成する水系塗布液である請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成方法。
  11. ディスク上の円環状の被塗布領域に、配列された複数のノズルで塗布液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて受理層を形成する受理層形成装置であって、
    単位面積当たりほぼ一定量の塗布液のみを供給し、隣り合う前記ノズルからの前記塗布液は塗布直後に合流して被塗布領域全面に塗膜を形成する塗布手段と、前記ディスクの背面より該ディスクを加熱して、前記ディスクの背面に、前記塗膜の内側端に対応する位置から外側端に対応する位置に向けて、低下する温度勾配を形成して前記塗膜を乾燥する加熱手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録用受理層形成装置。
  12. 前記複数のノズルは、前記円環状の被塗布領域の略半径方向幅全長にわたり配列し、前記複数のノズルに対し、前記ディスクの中心の回りに相対的に回転運動を行う該ディスクに対して、前記塗布液の塗布を行うようにした請求項11に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  13. 前記複数のノズルは、ディスクの半径方向に向けて開口面積が増大するように設定されている請求項12に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  14. 前記加熱手段は前記ディスクに密着する平板状の仲介部材を介して前記ディスクを加熱し、前記仲介部材の前記ディスクに密着する平面には、前記塗膜の内側端に対応する位置から外側端に対応する位置に向けて低下する温度勾配が形成される請求項11〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  15. 前記加熱手段は前記ディスクに密着する複数の同心円状の加熱セグメントを、前記ディスクと同軸に内側から外側に向けて配列してなり、内側の加熱セグメントから外側の加熱セグメントへと加熱温度を次第に低下する異なる温度に設定した請求項14に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  16. 前記塗膜に振動を与えることにより、平坦化するレベリング手段を備える請求項11〜15のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  17. 前記ディスクの前記被塗布領域の内側端と外側端に、前記塗布液の塗布前に予め仕切りを設ける仕切り形成手段を有する請求項11〜16のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  18. 前記塗布液は顔料とバインダー樹脂を含有していて多孔質のインク受理層を形成する水系塗布液である請求項11〜17のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  19. 前記顔料は、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合粒子、ベーマイト、気相合成シリカのいずれかである請求項18に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。
  20. 前記塗布液は親水性高分子を含有していて膨潤型のインク受理層を形成する水系塗布液である請求項11〜17のいずれか1項に記載のインクジェット記録用受理層形成装置。









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