JP2004209381A - 塗膜形成方法及び塗膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のノズルをディスク基板31の保護層上の印刷面33aに半径方向に並べ、顔料とバインダーを含有する水系塗布液または水溶性高分子を含む水系塗布液からなる受理液を塗布する。各ノズルの吐出口面積を半径方向内側から外側に向けて漸次増大させることで、印刷面33aの単位面積当たりの塗布量を均一にし、展延処理しないで平坦な塗膜34を形成する。次にこのディスク基板31を乾燥部3のカバー10内に配設し、開口10aを通して温風供給手段9から温風を塗膜34の中央部に吹き付ける。塗膜34の外周側領域は高濃度蒸気の雰囲気に設定して塗膜34の外周側の乾燥を遅らせる。温風は塗膜34の中央部から外周側へ流れる。塗膜34は乾燥後に多孔質または膨潤型インク受理層になる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗布物の表面に塗膜を形成する塗膜形成方法及び塗膜形成装置に関し、例えば水、各種アルコール等を溶媒とする塗布剤を、被塗布物、特には塗布剤を吸収しない平板状の被塗布物表面に塗布した後に乾燥させることによって、所定の塗膜を形成する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチック製シートや基板等の溶剤非吸収性の平板状被塗布物に対して塗布剤を一定領域に塗布して乾燥させ、均一な機能性塗膜を形成することが行われている。とくにOHPシートや光ディスク表面に塗布剤を塗布して形成されるインク受理層用の塗膜形成は、インク非吸収性の被塗布物上へ印刷を行う手段として、各種の受理層の構成やその形成方法が報告されており、特に光ディスク分野では受理層の改良による印刷画像の高画質化、トータルコストの低価格化が望まれている。
従来、光ディスクとしてCDやDVD等が知られており、これらの光ディスクではPC(ポリカーボネート)製のディスク基板の一方の面に情報記録層を形成し、その上にコート層を形成した構成を有している。そしてコート層を挟んで情報記録層と対向する他方の面にはレーベルが取り付けられてCDやDVD等に関する写真や絵やタイトル等の各種の情報が印刷されている。レーベルとして、例えばコート層の上にオフセット印刷等で情報を記録した紙を貼付していた。オフセット印刷による紙等のレーベルは大量に印刷され、大量生産されるCDやDVD等の各種ディスクに採用されていた。
【0003】
ところで、近年、CD等の光ディスクは数百枚から数千枚単位で生産する多品種少量生産の需要が高くなってきている。これら少量のCD等のレーベルに上述したオフセット印刷等で情報を記録するのは、編集、製版、色合わせ等の下処理を必要とするためにコストが著しく高くなり不向きであった。このような少量生産の光ディスクの場合、パソコン等で処理したデジタル画像を編集、製版、色合わせ等を行わずに直接インクジェット印刷等で印刷する、オンデマンド印刷またはデジタル印刷が行われていた。
オンデマンド印刷やデジタル印刷を行う場合、インクジェット印刷された画像の優劣は受理層の品質性能に左右され、高性能の受理層を用いるならば写真画質と同レベルの鮮明画像を得ることも可能となっている。
【0004】
一方、プラスチックフィルムや写真光沢紙等にインクジェットプリンタ等を用いて写真画像等の画像をプリントする場合、直接印刷したのでは十分な吸収性や解像度が得られないために、例えば下記特許文献1、2等に記載されている水性アルミナゾルを含有する塗布液を塗布して得られる多孔質インク受理層、又は例えば特許文献3に記載されている水溶性高分子を含む塗布液を塗布して得られる膨潤型のインク受理層が採用されている。特に形成後の塗膜が多孔質インク受理層となる、顔料とバインダーを含有する水系塗布液(以下、単に水系塗布液という)で得られた上記受理層にインクジェットプリンタで印刷した場合には、写真画質同様の鮮明な画像が得られることが知られている。
このような水性アルミナゾル等を含む水系塗布液による多孔質インク受理層をCDやDVD等の光ディスクのレーベルとして用いる場合、ダイコーター、スライドコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種塗布装置を用いて、水系塗布液等からなる受理液をディスク基板上に塗布して液状の塗膜を形成することになる。そして液状の塗膜を自然乾燥させたり、ディスク全面に温風を当てて温風乾燥させたりすることになる。塗布された水系塗布液等の塗膜は乾燥後にインク受理層を形成する。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−276670号公報
【特許文献2】
特開2001−301323号公報
【特許文献3】
特開昭63−242585号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のディスクに用いられる塗布装置では、水系塗布液等からなる塗膜を平坦で均一な膜厚に形成することが困難であった。しかも、塗布後の塗膜の乾燥工程において、リング状の塗布領域を自然乾燥や温風乾燥等による従来の乾燥方法で乾燥すると、中央部に孔のあるリング状のディスク基板の内周部と外周部から乾燥が先行し、内外周部から徐々に径方向中間部へ乾燥が進むために、ディスク基板の中間部の乾燥が遅れて中間部に塗膜歪みが発生する欠点がある。
一般に水系塗布液は、溶液中の50%以上が水分であるために水分が蒸発した既乾燥部分と未乾燥部分との体積収縮差が大きく、外周側部分と内周側部分の両側から乾燥が進むと、内周側部分の既乾燥領域と外周側部分の既乾燥領域との接合部分で乾燥方向に不連続が発生し、この接合部分に円周上の塗膜歪みが発生することになる。
この塗膜歪みによって受理層がゆがむために、特に多孔質型インク受理層の場合、孔の間隔が他の領域より小さくなったり、孔が変形したり、孔の一部が塞がれたりする不具合が生じ、その後の印刷工程において均一で高精度な画像印刷ができなくなったり、レーベルとして外観の意匠性を損ねる等の不具合が発生する欠点がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みて、塗膜に塗膜歪みを発生させないで平坦に乾燥できるようにした塗膜形成方法及び塗膜形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による塗膜形成方法は、液状の塗布剤を被塗布物の表面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を塗布剤の塗布領域の幅の狭い領域から幅の広い領域に向けて乾燥させるようにしたことを特徴とする。
被塗布物の表面の塗膜に対して、塗布領域の塗膜の幅の狭い領域から幅の広い領域に向けて乾燥を進めることで、塗膜の乾燥が進むにつれて塗膜が徐々に収縮してもしわが生じることを防止できて塗膜歪みを生じない均一で高精度な塗膜を形成できる。これとは逆に幅の広い領域から幅の狭い領域に向けて乾燥が進行すると最内周部分に歪みが集中し、しわによる塗膜歪みを生じることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による塗膜形成方法によれば、被塗布物の表面が円板状に形成されていて、塗膜の乾燥が塗布領域の内側から外側に向けて行われるようにしてもよい。
本実施の形態において、液状の塗布剤中に顔料及びバインダーまたは水溶性高分子を含有することが好ましい。顔料、バインダー及び水溶性高分子の材質はとくに限定されず、公知の無機顔料、有機顔料また公知の塗布剤用のバインダー、水溶性高分子を広く使用できるが、これらを含有する液状の塗布剤としてはとくに水系塗布液を用いたときに本発明の効果が大きい。さらに顔料が無機顔料でバインダーが水溶性樹脂のときに本発明の効果が極めて良好に発揮される。
液状の塗布剤としては種々の顔料濃度や粘度を持ったものを適用できるが、特に顔料濃度の上昇とともに粘度が非直線的に急増する傾向のある塗布剤は、乾燥の初期過程において顔料濃度の上昇とともに急激に増粘し流動性を失い易く、本発明の塗膜形成方法を好適に適用することができる。
塗膜は円板状の被塗布物上に円環状、好ましくは同心円状に塗布領域が形成されていてもよい。そして、この塗膜の塗布領域の内側から外側に向けて拡幅する方向に乾燥を進めれば収縮による塗膜歪みの発生を防止できる。
尚、被塗布物の半径方向にノズルを複数配置し、これらノズルから塗布剤を吐出して塗布するようにしてもよい。塗布剤を展延処理することなく被塗布物表面に必要量だけ置くように塗布すれば、展延処理による遠心力により外周側部分に塗布剤が偏在することが無く、塗膜の平坦性と膜厚の均一性が高くなる。この場合、複数のノズルは、被塗布物の半径方向外側に向けて開口面積が増大するように設定されていてもよく、或いは開口面積は一定で単位時間あたりに吐出される塗布剤の量が半径方向外側に向けて増大するように設定されていてもよい。また、同一の供給源から複数のノズルへ塗布剤を供給するようにすれば複数のノズル間での塗布剤の塗布圧が均一になって各ノズルの塗布量を制御し易くなる。
また、被塗布物は光ディスクであり、塗布剤は形成後の塗膜がインク受理層となる、顔料とバインダーを含有する水系塗布液か、または水溶性高分子を含有する水系塗布液にしてもよく、前者では多孔質のインク受理層が得られ、後者では膨潤型のインク受理層が得られる。顔料はアルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合粒子であることが好ましい。光ディスクの印刷面に上記ノズルで上記水系塗布液を塗布剤として塗布し、その後に乾燥処理することで平坦で均一な厚みのインク受理層を形成できる。
【0010】
また、本発明による塗膜形成装置は、円板状の被塗布物の表面に塗布した液状の塗布剤からなる塗膜を乾燥させるようにした塗膜形成装置において、塗膜を中央部から半径方向外側に向けて順次乾燥させる乾燥手段が設けられていることを特徴とする。
乾燥手段の温風や蒸気や熱等によって円板状の被塗布物の中央部から半径方向外側に向けて徐々に乾燥を進めることで、塗膜歪みを生じることなく塗膜の乾燥を行うことができる。乾燥手段として例えば温風供給手段を設けてもよい。
或いは、被塗布物の塗膜と反対側の面に対向して加熱蒸気供給手段を設けてもよい。塗膜に直接、熱風等を吹き付けると塗膜の表面だけが乾燥して皮膜が形成され、遅れて加熱された内部の塗布剤が塗膜表面を通って蒸発するので塗膜表面の皮膜が破れて塗膜の平坦性が損なわれるおそれがあるが、塗膜と反対側の面から被塗布物の中心部に加熱蒸気を当てるようにすれば、被塗布物を介して塗膜が徐々に加熱されて乾燥することになり、塗膜歪みを生じたり、塗膜表面の乾燥が塗膜内部の乾燥より進むおそれがなく、また被塗布物下面より回り込んだ加熱蒸気が被塗布物外周部分を通過するため、この部分の蒸気濃度が高まり、塗膜の乾燥が抑制されるため、確実に且つより迅速に均一な乾燥を達成できる。また温風供給手段と加熱蒸気供給手段を、被塗布物を挟んで対向させて配設してもよい。
【0011】
また乾燥手段に加えて、塗膜の外周側に蒸気供給手段を設けてもよく、これによって被塗布物の中央部から外周側にかけて漸次乾燥させる際に、外周部の蒸気濃度を中央部よりも高めておけば、この部分の乾燥を中央部よりも遅らせることができる。
更に、塗膜の外周側を覆うカバーが設けられていることが好ましく、被塗布物の外周部において蒸気の拡散を防止し、滞留し易くすることによって、乾燥が進むのを抑制できる。
特に被塗布物が光ディスクで、塗膜が顔料とバインダーを含有する水系塗布液である場合には多孔質のインク受理層が得られ、塗膜が水溶性高分子を含有する水系塗布液である場合には膨潤型のインク受理層が得られる。いずれの場合も、乾燥収縮後の塗膜が平坦で均一な厚みに形成できるために受理層の外観の意匠性に優れ、インクジェットプリンタ等で印刷した際にインクの滲み等のない鮮明な画像が得られる。
【0012】
【実施例】
本発明の実施例をコンパクトディスクへの塗膜形成を例にとって図1乃至図5により説明する。
図1は本発明の実施例による塗膜形成装置の塗布部を示す要部斜視図、図2は塗布部における各ノズルの吐出口を示す図、図3は塗膜形成装置の乾燥部の模式図、図4(a)、(b)、(c)は乾燥部による乾燥工程を示す図、図5は光ディスクの部分縦断面図である。
本実施例による塗膜形成装置1で塗膜を形成する光情報媒体としての光ディスク30は例えば通常のコンパクトディスクであり、図5に示すように例えばポリカーボネート基板(PC基板)からなるリング状のディスク基板31の一方の面31aに情報記録層32が形成されており、この情報記録層32はスタンパ等で形成された0.1μm程度の凹凸の表面に金属薄膜からなる反射膜を被覆して構成されている。
そしてこの情報記録層32の表面には例えば5〜10μmの膜厚の保護層33が被覆形成されている。ディスク基板31の他方の面31b側から再生光を照射し、情報記録層32からの反射光により読みとりを行う。光ディスク30の情報読みとり側の面31bとは反対側の保護層33上の印刷面33aに、水系塗布液を塗布してなる薄膜を乾燥して得たインク受理層34Aが設けられている。
【0013】
図1乃至図3において、本実施例による塗膜形成装置1は、形成後の塗膜がインク受理層となる、顔料とバインダーを含有するか、又は水溶性高分子を含有する水系塗布液(以下、単に水系塗布液という)等からなる受理液(塗布液、塗布剤)を塗布する塗布部2と、受理液が塗布されてなる塗膜34を乾燥させる乾燥部3とで概略構成されている。顔料とバインダーを含有する水系塗布液で塗膜を形成すると乾燥後に多孔質インク受理層を形成でき、水溶性高分子を含有する水系塗布液で塗膜を形成すると乾燥後に膨潤型インク受理層を形成できる。インク受理層34Aとしていずれを用いてもよい。
尚、膨潤型インク受理層とは、水溶性高分子を主成分としたものであり、受理層自体がインクを吸収し、自ら膨潤または溶解してインクを受理層内に吸着するものである。
図1に示す塗膜形成装置1の塗布部2は、上述した情報記録層32と保護層33を積層したディスク基板31(以下、単にディスク基板31という)の保護層33上の印刷面33aに液体状の受理液Sを塗布する装置である。ここで、受理液Sとして例えば下記の処方を用いる。受理層処方1〜3は多孔質型のインク受理層に関する処方であり、受理層処方4は膨潤型のインク受理層に関する処方である。
【0014】
受理層処方1
アルミナゾル(固形分濃度20%):100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名PVA−124、固形分濃度7%):28.6質量部
ホウ酸(固形分濃度4%):5質量部
(アルミナゾルの製造方法)
アルミナゾルは、95℃に加熱したポリ塩化アルミニウムと水からなる液にアルミン酸ナトリウム溶液を添加し、熟成したスラリーをイオン交換水で洗浄し、再び95℃に昇温し、酢酸を添加して解膠と濃縮を行い、次いで超音波処理を行って得られる。
受理層処方2
シリカアルミナ複合ゾル(固形分濃度20%):100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名PVA−140H、固形分濃度7%):57.2質量部
ホウ酸(固形分濃度4%):5質量部
(シリカアルミナ複合ゾルの製造方法)
シリカアルミナ複合ゾルは、3号ケイ酸ソーダ溶液と水に、撹拌しながら5mol/Lの塩酸を徐々に添加した。その後80℃に昇温し、熟成してシリカヒドロゲルを得た。このシリカヒドロゲルをコロイドミルと超音波分散処理で粉砕した。この粉砕したシリカヒドロゲルを80℃に昇温し、ポリ塩化アルミニウム水溶液を徐々に添加した。この常温の反応液に5mol/Lの水酸化ナトリウムを加えて、反応液のPHを7.7に調整した後、限外濾過を行い、濾液の電導度が20μS/cm以下になるまで精製した。次いで、この精製液に10%アミド硫酸水溶液を添加してPHを4.0とし。減圧下で加熱濃縮し冷却した後、再び10%アミド硫酸水溶液を添加してPHを4.0としシリカアルミナ複合ゾルを得た。
受理層処方3
シリカ分散液(固形分濃度14%):100質量部
ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名PVA−420、固形分濃度
7%):50質量部
(シリカ分散液の製造方法)
気相法シリカ微粒子(日本アエロジル社製、アエロジル300)と水の混合液を、高速回転式コロイドミル(エム・テクニック社製、クレアミックス)を用いて、10,000rpmで30分間分散処理を行いシリカ分散液を得た。
受理層処方4
メチルセルロース(信越化学社製、メトリーズSM15):100質量部
不定形シリカ(富士シリシア化学社製、サイリシア370):0.03質量部
メチルセルロースは固形分濃度3%の溶液であり、これに不定形シリカを混合、攪拌して水系塗布液を得た。
【0015】
塗布部2は、ディスク基板31を回転軸Oと同軸に載置する回転テーブル4を備え、回転テーブル4は図示しない制御手段によって回転速度が制御される。回転テーブル4の回転軸Oからずれた位置には回転軸Oを中心とする半径方向に受理液Sを吐出するための吐出手段5が配設されている。
この吐出手段5は単一の供給系部6(供給源)とこの供給系部6から複数本に分岐されたノズル7a、7b…7hからなるノズル部7とで構成されており、供給系部6の領域に設けた図示しないバルブの開閉によって各ノズル7a〜7hからの受理液Sの吐出と停止を制御する。各ノズル7a〜7hは例えばマイクロディスペンサノズルからなっていて、ディスク基板31の半径方向に並んで配列されていて、例えば印刷面33aの形成幅に亘って直線状に配列されている。
しかも各ノズル7a〜7hは図2に示すようにそれぞれ円形または多角形の吐出口を有しており、配列方向の最も内周側に位置する最内周ノズル7aは吐出口が最小の面積とされ、径方向外側に向けて複数の各ノズル7b、7c、…は吐出口の面積が漸次増大し、最外周ノズル7hは吐出口の面積が最も大きく設定されている。
そのため、最内周ノズル7aから最外周ノズル7hに向けて漸次単位時間当たりの吐出量が増大するように設定され、且つ単位面積当たりの各ノズル7a〜7hの受理液吐出量はそれぞれ一定に設定されている。これはディスク基板31に対して径方向に並べられた各ノズル7a〜7hが同一の角速度で相対回転するためであり、各ノズル7a〜7hによるディスク基板31の保護層33上の印刷面33aでの単位面積当たりの塗布量が均一になるように各ノズル7a〜7hの単位時間当たりの吐出量がそれぞれ設定されている。例えば、単位面積当たりの塗布量がほぼ等しくなるように調整した1〜2mmの内径のノズルを最内周側から外側に向けて順次配列して用いることができる。
【0016】
次に塗膜形成装置1の乾燥部3について図3により説明する。図3に示す乾燥部3において、ディスク基板31の保護層33上の印刷面33aに受理液Sが塗布されて塗膜34が形成されており、この状態でディスク基板31は図示しない支持部材で塗膜34を上方に向けて略水平に支持される。リング状をなす塗膜34の中央部に対向させて塗膜34に温風を吹きつける温風吐出手段9(乾燥手段)の吐出口9aを配設し、吐出口9aから吐出する温風は塗膜34の中央部に当たって半径方向外側に向けて放射状に流れるように送風方向が制御される。温度、風量は適宜設定でき、例えば50〜70℃、0.8〜1.5m3/分に設定することができる。
ディスク基板31の外周側には平面視略リング状のカバー10が配設され、このカバー10は上部中央に、温風吐出手段9からの温風をディスク基板31の保護層33上の塗膜34中央に誘導する開口10aが形成され、開口10aの周囲は塗膜34の外周側を覆う上部周辺部10bとされ、更に上部周辺部10bからディスク基板31の下方へ筒状に延びる周側部10cが形成されている。
また、好ましくはカバー10の上部周辺部10bには蒸気または蒸気濃度の高い空気を塗膜34の外周部付近に供給する蒸気供給手段11が設けられている。この蒸気供給手段11は外周側部分に均一に蒸気が供給されるのであれば1つ設けても良いし、周方向に所定間隔で複数配設してもよい。
塗布剤の溶媒が水のときは、蒸気は水蒸気が好ましいが、ディスク基板や基板上に塗布された塗膜が悪影響を受けない限り、水以外の溶剤蒸気を用いることもできる。一般的に塗布剤の溶媒と同種の溶剤を用いることが好ましい。
【0017】
本実施例による塗膜形成装置1は上述の構成を有しており、次に塗膜の形成方法について説明する。
先ずディスク基板31の片面に情報記録層32と保護層33が積層された状態で、図1において、保護層33の表面の印刷面33aを塗布部2の吐出手段5に対向させて、回転テーブル4上に回転軸Oと同軸に載置する。そして、ディスク基板31の回転軸Oからずれたリング状の印刷面33aに接近した位置に吐出手段5を対向して配置する。この状態で吐出手段5の各ノズル7a〜7hはディスク基板31上に形成された保護層33上の印刷面33aの径方向に配列されている。
そして回転テーブル4を低速の一定速度で回転軸O回りに回転させると同時に吐出手段5の供給系部6のバルブを開弁して受理液Sを同一圧力の下で各ノズル7a〜7hにそれぞれ供給し、各ノズル7a〜7hから印刷面33aに連続して吐出する。回転テーブルの回転速度は塗布量との関係で適宜調整されるが、塗布液が遠心力による流動を起こさず、かつ効率的な塗布が行えるよう3〜12min−1が好ましく、6〜9min−1がさらに好ましい。
各ノズル7a〜7hから吐出される受理液Sの単位時間当たりの吐出量は最内周ノズル7aが最小で外周側のノズル7b、7c…に向けて漸次増大し、最外周ノズル7hで最大であるが、各ノズル7a〜7hの相対周速度が相違するためにディスク基板31の保護層33上の印刷面33aにおける単位面積当たりの塗布量はほぼ均一に設定される。
【0018】
しかも各ノズル7a〜7hで吐出される受理液Sは、各ノズル7a〜7hの相対移動方向(周方向)と配列方向(径方向)とにそれぞれ相互に一部重複した状態で例えば液滴状または山状で連続して塗布される。この場合、受理液Sを構成する水系塗布液は固形分に対して水分比率が8割程度であるから、各ノズル7a〜7hからディスク基板31の保護層33上の印刷面33a上に同時に吐出された受理液Sは流動性が高く相互の親和力がよいために速やかにレベリング作用が働き全体に同一厚みで平坦化される。
このような受理液Sの塗布とレベリング作用とが各ノズル7a〜7hの配列方向だけでなく各ノズル7a〜7hの相対移動方向にも生じる。そのため、ディスク基板31の保護層33上の印刷面33aの全周領域に亘って受理液Sが塗布され且つ全体的に平坦化作用がなされてほぼ均一厚みの塗膜34が得られる。
その際、回転テーブル4は低速の一定速度で相対回転運動するためにディスク基板31も同期して低速で相対回転運動することになり、印刷面33aに塗布された受理液Sは、遠心力による展延処理はなされない。各ノズル7a〜7hによってディスク基板31に吐出された各受理液Sはその印刷面33aの吐出位置に保持され、いわば必要量だけ吐出位置に置かれた状態で高い流動性によるレベリング作用がなされ塗膜の均一化がなされる。
従って、各ノズル7a〜7hが印刷面33aに対して1周相対回転することで、印刷面33a全面に均一な厚みのリング状の塗膜34を形成する。
【0019】
このようにして塗布工程が終了し、塗膜34が形成されたディスク基板31は乾燥工程に送られる。
乾燥工程では、図3に示すように、ディスク基板31は塗膜34を乾燥部3のカバー10の中央開口10aと対向させて図示しない支持部材に載置する。この状態でカバー10の上部周辺部10bに設けた蒸気供給手段11から蒸気濃度が雰囲気より高いエアをリング状の塗膜34の外周部に供給すると共に、温風吐出手段9から温風を吐出させてディスク基板31の中央部に吹き付ける。
開口9aからの温風を若干拡散する方向に吹き付けることで、塗膜34に吹き付けられた温風は塗膜34の表面に沿って外周側に送られるため、塗膜34は徐々に中心部から水分が飛ばされて乾燥する。しかも塗膜34の外周側領域には蒸気供給手段11から蒸気濃度の高いエアが継続的に供給されているために、外周側領域の乾燥を抑制し、塗膜34の中央部から外周部に向けて時間差をおいて徐々に乾燥がすすむ。
そのため、水系塗布液の受理液Sからなるリング状の塗膜34は、周方向の長さ(幅)が最も狭い径方向内側の中央部から周方向の長さ(幅)が最も広い外周部に向けて次第に乾燥させられ、水分の蒸発による収縮が進んでも周長(幅)が拡散する方向に歪みを吸収しつつ漸次収縮するために乾燥した塗膜34にはしわ等の塗膜歪みが形成されない。そのため、塗膜34は乾燥して全体に平坦で均一厚みのインク受理層34Aになる。
【0020】
尚、本実施例によるインク受理層34Aは、顔料微粒子間の空隙にインクを受容させる、いわゆる空隙吸収型の多孔質インク受理層である方が好ましい。
この空隙吸収型の多孔質インク受理層は主に顔料とバインダーからなり、顔料としては、アルミナだけでなく、シリカ、ベーマイト、合成微粒子シリカ、合成微粒子アルミナシリケート、気相法合成シリカ、シリカアルミナ複合粒子、ゼオライト、モンモリロナイト群鉱物、バイデライト群鉱物、サポナイト群鉱物、ヘクトライト群鉱物、スチーブンサイト群鉱物、ハイドロタルサイト群鉱物、スメクタイト群鉱物、ベントナイト群鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、カオリン、タルク、アルミナ水和物、プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料、セルロース粒子、澱粉粒子などが挙げられ、なかでも、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ複合粒子が好ましい。このうち、特にベーマイト(Al2O3・nH2O、n=1〜1.5)がインクの吸収性、定着性の観点から好適である。
【0021】
さらに好ましくは、多孔質インク受理層34Aの平均細孔半径が3〜25nmであり、特には5〜15nmが適切であり、かつ細孔容積が0.3〜2.0cm3/gが好ましく、特には0.5〜1.5cm3/gであるのが好適である。
例えば前記受理層処方1によって実際に形成した受理層の細孔容積は0.75cm3/g、平均細孔半径は10.5nmであり、また受理層処方2については0.88cm3/g、11.2nm、また受理層処方3については0.67cm3/g、10.2nmであった。
またバインダーとしては、でんぷんやその変性物、ポリビニルアルコール又はその変性物,スチレン・ブタジエンゴムラテックス,ニトリル・ブタジエンゴムラテックス、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の水溶性重合体、アルコール可溶性の重合体若しくはこれらの重合体の混合物などの水溶性樹脂を用いることができる。なかでも本実施例では、インク吸収性や耐水性が良好であることを要するからポリビニルアルコールまたはその変性物の使用が好ましい。多孔質インク受理層である場合には、バインダーは上記顔料100質量部に対して、好ましくは、1〜100質量部、特には、3〜50質量部含まれるのが適切である。一方、膨潤型インク受理層を得るために用いる水溶性高分子としては、完全鹸化ないしは部分鹸化のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアクリルアミド、又はそれらの誘導体などの水溶性の合成高分子、ゼラチン、変性ゼラチン、デンプン、変性デンプン、カゼイン、大豆カゼイン、変性大豆カゼイン若しくはその変性物、又はそれらの誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体などの水溶性の天然高分子が挙げられる。なかでも、ポリビニルアルコール若しくはその誘導体、ポリビニルピロリドン若しくはその誘導体、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体、ゼラチン若しくはその誘導体が特に好ましい。これらの水溶性高分子はそれぞれ単独、又は2種以上の混合物の形態で使用される。
膨潤型インク受理層の場合、上述した水溶性高分子の他に、必要に応じて、顔料を水溶性高分子に対して0.05〜10重量%含有することができる。なお、顔料としては、多孔質型のものと同じものが使用できる。
尚、インク受理層34には、その他の添加剤として、必要に応じて、硬化剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料等を使用することが出来る。特に硬化剤は、多孔質層の場合、形成過程において影響が大きく、水系塗布液の乾燥過程における水分蒸発での体積収縮による歪みから生じるクラックなどの塗膜欠陥を、早期にゲル化することで抑制する効果がある。バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合は、ホウ酸やホウ酸塩などが有効である。
本実施例において、ディスク基板31の保護層33上に設けられるインク受理層34Aの塗布厚は、インク吸収性、塗工層の強度、用途などに応じても選択されるが、好ましくは2〜80μmが採用される。この塗布厚が2μmに満たない場合はインク受理層34Aとしての効果が発現し難く、一方,80μmを超える場合は、透明性や強度の低下または表面に微細なクラックが発生するおそれがあるので好ましくない。なかでも、インク受理層34Aの塗布厚は10〜50μmであるのが適切であり、30〜40μmが更に好ましい。塗布液の塗布膜厚は塗布液の固形分濃度に対応して例えば乾燥膜厚の4〜8倍程度、塗布液の重さにして10〜400g/m2にすることができる。
【0022】
上述のように本実施例による塗膜形成装置1を用いた塗膜形成方法によれば、ディスク基板31の保護層33上に塗膜歪みのない平坦で均一厚みのインク受理層34Aを得られる。そのため、インク受理層34Aにインクジェット印刷を施す場合、写真画像であっても鮮明な画像を得られる。
特に、従来のレーベル印刷のように紙にオフセット印刷やスクリーン印刷を行う場合には、画像の編集や製版等、多くの手間とコストがかかるが、インクジェットプリンタでジェットインクをインク受理層に印刷する場合、本実施例による水系塗布液で形成されたインク受理層34A、特に多孔質インク受理層を採用することで高精度で鮮明な画質が得られる。
【0023】
尚、上述の実施例において、塗膜形成装置1の塗布部2として、印刷面33aの径方向外側に向けて各ノズル7a〜7hの開口面積を漸次増大させるようにしたが、これに代えて各ノズル7a〜7hの開口面積をほぼ同一に設定して単位時間当たりの受理液Sの塗布量を半径方向外側に向けて漸次増大するように設定してもよい。この場合には、径方向外側に向けて各ノズル7a〜7hの吐出圧力を漸次増大させる必要がある。また受理液Sを塗布すべき印刷面33aの全面に複数のノズルを配設すれば相対移動させることなく塗膜34を形成できる。いずれの場合も、ディスク基板31の保護層33上の印刷面33aにおける径方向及び周方向における単位面積当たりの塗布量をほぼ均一に設定する。
次に乾燥部3の変形例を図6により説明するが、上述した実施例と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明する。
上述の実施例において温風供給手段9で塗膜34を乾燥させる場合、温風の温度が高すぎると塗膜34の表面のみが先に乾燥して皮膜を形成し、塗膜34内部の乾燥が遅れる現象が生じることがある。この場合、皮膜内部の水系塗布液が遅れて乾燥すると、水分が蒸発して蒸気で皮膜を破るために塗膜34の平坦性が損なわれるおそれがある。このような不具合を防ぐためには、温風の温度を比較的低く設定して長時間かけて乾燥させる必要があるため、乾燥効率が低下するおそれがある。
このような不具合を改善するために、次のような変形例を採用することができる。
【0024】
即ち、図6に示す乾燥部13は、ディスク基板31に対して印刷面33aに塗布された液状の塗膜34と反対側の表面31bに対向させて加熱蒸気吐出手段14(乾燥手段)を配設している。この乾燥部13には蒸気供給手段11と温風供給手段9は設けられていない。
そして加熱蒸気吐出手段14から吐出された加熱蒸気はディスク基板表面31bの中央部に吹き付けられた後に、ディスク基板表面31bに沿って外周部に向けて流れるように制御されている。好ましくはディスク基板31の中心軸に対して若干外側に拡散させて加熱蒸気が流れるように放射状に吐出制御するのが好ましい。
【0025】
このような構成によれば、塗膜34に対して加熱蒸気吐出手段14から吐出された加熱蒸気がディスク基板31の表面31b中央部に吹き付けられて、その後に外周側に流れるためにディスク基板31を通して塗膜34を加熱して内周側部分から外周側部分へと乾燥させることになる。しかも加熱蒸気の多くはディスク基板31の外周面とカバー周側部10cとの間隙を通過してディスク基板31の上面側に回り、塗膜34外周部付近に流動してカバー上部周辺部10b内に滞留するために塗膜34の外周領域の乾燥を抑制する。そのため、塗膜34は中央部から外周部に向けて徐々に乾燥が進むことになる。
従って、上述の実施例と同様に、塗膜34は、周方向の長さ(幅)が最も狭い径方向内側の中央部から周方向の長さ(幅)が最も広い外周部に向けて次第に乾燥させられ、乾燥した塗膜34にはしわ等の塗膜歪みが形成されず、全体に平坦で均一厚みのインク受理層34Aになる。
【0026】
上述の乾燥部13によれば、ディスク基板31の表面31b側から塗膜34を乾燥処理させるために、高温の加熱蒸気を吹き付けても塗膜34の表面だけが先に乾燥して皮膜を形成するおそれがなく、比較的短時間で均一な乾燥処理を行うことができる。しかも蒸気供給手段11を設けなくても塗膜34の外周部の乾燥を中央部の乾燥に遅らせることができて全体に良好な乾燥処理を行える。
尚、上述の変形例において、乾燥手段として加熱蒸気供給手段14に加えてディスク基板31を挟んで対向する位置に、上述した実施例に示す温風供給手段9をも設けてもよい。これによってディスク基板31の上下両面から乾燥させることができるために一層短時間で塗膜34の乾燥を行える。
また実施例や変形例による乾燥部3,13において、温風供給手段9に代えて変形例に示す加熱蒸気供給手段14をディスク基板31の上方に配設するようにしてもよい。この構成を採用すれば、実施例における蒸気供給手段11を省略できる。
【0027】
尚、乾燥手段として温風供給手段9や加熱蒸気供給手段14に限定されることなく、同心円状の複数の加熱導体パターンを有する加熱手段を塗膜34に対向して同心に配設し、中央部の加熱導体パターンから外周部の加熱導体パターンに向けて漸次加熱処理するように制御してもよい。この場合、蒸気供給手段11等によって外周部の蒸気濃度を中央部よりも高く設定しておくことが好ましい。
また上述の乾燥部3において、ディスク基板31を静止状態で保持して乾燥処理するようにしたが、乾燥手段に対して中心軸回りに回転させるようにしてもよく、ディスク基板31と乾燥手段とが相対回転すればよい。
また、本発明は光ディスク等のコンパクトディスクに限らず他のディスクを含む各種の被塗布物に塗膜を塗布して乾燥する方法及び装置に採用できる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る塗膜形成方法及び塗膜形成装置によれば、塗膜の幅の狭い領域から塗膜の幅の広い領域に向けて乾燥を進めることで塗膜歪みを防止して均一で高精度な塗膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による塗膜形成装置の塗布部で受理液を光ディスクへ塗布する状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すノズル部の各ノズルの配列状態における吐出口を示す図である。
【図3】塗膜形成装置の乾燥部を示す構成図である。
【図4】光ディスクの印刷面に塗布された塗膜の乾燥工程を示すもので、(a)は光ディスクの中央部のみ乾燥した段階を示す図、(b)は光ディスクの中央部から中間部まで乾燥した段階を示す図、(c)は光ディスク全体を乾燥した段階を示す図である。
【図5】実施例による塗膜形成方法で得られた光ディスクの部分縦断面図である。
【図6】変形例による乾燥部を示す構成図である。
【符号の説明】
1 塗膜形成装置
2 塗布部
3 乾燥部
7 ノズル部
9 温風吐出手段(乾燥手段)
10 カバー
11 蒸気供給手段
14 加熱蒸気供給手段(乾燥手段)
30 光ディスク(被塗布物)
34 塗膜
34A 多孔質インク受理層
S 受理液(水系塗布液)
Claims (18)
- 液状の塗布剤を被塗布物の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を前記塗布剤の塗布領域の幅の狭い領域から幅の広い領域に向けて乾燥させるようにしたことを特徴とする塗膜形成方法。
- 前記被塗布物の表面が円板状に形成されていて、前記塗膜の乾燥が前記塗布領域の内側から外側に向けて行われるようにした請求項1に記載の塗膜形成方法。
- 前記被塗布物の半径方向にノズルを複数配置し、該ノズルから塗布剤を吐出して塗布するようにした請求項2記載の塗膜形成方法。
- 前記複数のノズルは、被塗布物の半径方向外側に向けて開口面積が増大するように設定されている請求項3に記載の塗膜形成方法。
- 前記複数のノズルには、同一の供給源から前記塗布剤が供給されている請求項3または4に記載の塗膜形成方法。
- 前記複数のノズルは、開口面積が何れも同一であって単位時間あたりに吐出される塗布剤の量が半径方向外側に向けて増大するように設定されている請求項3に記載の塗膜形成方法。
- 前記被塗布物は光ディスクであり、前記塗布剤は形成後の塗膜がインク受理層になる請求項1乃至6のいずれかに記載の塗膜形成方法。
- 前記塗布剤は顔料とバインダーを含有する水系塗布液であって、インク受理層が多孔質である請求項7に記載の塗膜形成方法。
- 前記塗布剤は水溶性高分子を含む水系塗布液であって、前記インク受理層が膨潤型のインク受理層である請求項7に記載の塗膜形成方法。
- 前記顔料は、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合粒子のいずれかである請求項8に記載の塗膜形成方法
- 円板状の被塗布物の表面に塗布した液状の塗布剤からなる塗膜を乾燥させるようにした塗膜形成装置において、
前記塗膜を中央部から半径方向外側に向けて順次乾燥させる乾燥手段が設けられていることを特徴とする塗膜形成装置。 - 前記乾燥手段は、塗膜に対向して設けられた温風供給手段である請求項11に記載の塗膜形成装置。
- 前記塗膜の外周側に蒸気供給手段を設けてなる請求項11または12に記載の塗膜形成装置。
- 前記乾燥手段が、前記被塗布物の塗膜と反対側の面に対向して設けた加熱蒸気供給手段である請求項11に記載の塗膜形成装置。
- 前記塗膜の外周側を覆うカバーが設けられていている請求項11乃至14のいずれかに記載の塗膜形成装置。
- 前記被塗布物は光ディスクであり、前記塗膜は顔料とバインダーを含有する水系塗布液から形成される多孔質インク受理層である請求項11乃至15のいずれかに記載の塗膜形成装置。
- 前記被塗布物は光ディスクであり、前記塗膜は水溶性高分子を含有する水系塗布液から形成される膨潤型インク受理層である請求項11乃至15のいずれかに記載の塗膜形成装置。
- 前記顔料は、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合粒子のいずれかである請求項16に記載の塗膜形成装置。
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JP2002381666A JP2004209381A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 塗膜形成方法及び塗膜形成装置 |
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JP2006263687A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 塗工方法及び装置 |
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- 2002-12-27 JP JP2002381666A patent/JP2004209381A/ja active Pending
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