JP2005296715A - マイクロカプセルの製造方法、及びマイクロカプセル、並びに記録材料 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法、及びマイクロカプセル、並びに記録材料 Download PDF

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Abstract

【課題】カプセル諸性能(保存性、耐光性、熱感度、着色、及び湿度依存性等)を自由に設計することが可能であり、簡便な製造方法で製造可能なマイクロカプセルの製造方法、及び該製造方法により製造されたマイクロカプセル、並びに該マイクロカプセルを用いた記録材料を提供する。
【解決手段】(1)液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物に第2のポリマー成分を有する粒子を添加して上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2ポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程を、含むことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。及び該製造方法により製造されたマイクロカプセル、並びに該マイクロカプセルを用いた記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明はカプセル諸性能を自由に設計することが可能なマイクロカプセルの製造方法、及びマイクロカプセル、並びに記録材料に関し、特に、感熱記録材料等に好適に用いられる、保存性や耐光性、湿度依存性等のカプセル性能を自由に制御できる簡便なマイクロカプセルの製造方法、及びマイクロカプセル、並びに記録材料に関する。
マイクロカプセルの形成方法については、従来より種々の方法、例えば、親水性壁形成材料のコアセルベーションを利用した方法(例えば、特許文献1参照)や、界面重合法(例えば、特許文献2〜4参照)、ポリマー析出による方法(例えば、特許文献5参照)、イソシアネートポリオール壁材料を用いる方法(例えば、特許文献6参照)、イソシアネート壁材料を用いる方法(例えば、特許文献7参照)、尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法(例えば、特許文献8参照)、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース等の壁形成材料を用いる方法(例えば、特許文献9参照)、モノマー重合によるin situ法(例えば、特許文献10参照)、電解分散冷却法(例えば、特許文献11参照)、スプレードライング法(例えば、特許文献12参照)、等が知られている。
具体的には、上記界面重合法による方法では、芯をなす物質が疎水性有機溶媒に溶解又は分散された油相を、水溶性高分子を含む水相と混合し、ホモジナイザー等によって乳化分散した後加温して油水界面で高分子形成反応を起こさせる。これにより、高分子物質からなるマイクロカプセル壁を形成し、カプセル化することができる。この界面重合法は、保存性能の良好なマイクロカプセルを短時間でかつ均一な粒径にて得ることができる等の利点から広く利用されている。
一方、マイクロカプセルの製造においては、利用分野に合せてカプセルの性能を所望通りに制御できることが必要である。
マイクロカプセルの水分や湿度に対する耐性を高める技術としては、アミノ樹脂よりなる第一次壁とカチオン性ポリアミド−エピハロヒドリン樹脂及びポリスチレンスルホン酸のポリイオンコンプレックスよりなる第二次壁との二重壁マイクロカプセルが提案されている。(例えば、特許文献13参照)。しかしながら、所望の性能に対する選択幅が小さいという問題があり、更に簡便に諸性能を制御できるマイクロカプセルの製造方法が求められていた。
また、壁膜が特定のメラミン樹脂からなり、更に壁膜の表面に耐熱性微粒子とシリコーンオイルとからなる耐熱層を被覆してなる耐熱性マイクロカプセルが提案されている(例えば、特許文献14参照。)。しかし、かかる耐熱性マイクロカプセルの生成方法は、特殊な環境下での調整が必要となるという問題があり、汎用的な方法の開発が求められていた。
米国特許第2800457号明細書 米国特許第3287154号明細書 英国特許第990443号明細書 特公昭38−19574号公報 米国特許第3418250号明細書 米国特許第3796669号明細書 米国特許第3914511号明細書 米国特許第4001140号明細書 米国特許第4025455号明細書 特公昭36−9168号公報 英国特許第952807号明細書 米国特許第3111407号明細書 特開平5−7767号公報 特開平6−339624号公報
本発明は上述の状況に鑑み成されたものであり、被覆性能に優れ、カプセル特性(保存性、耐光性、熱感度、着色、又は湿度依存性等)を自由に設計することが可能で、しかも簡便なマイクロカプセルの製造方法、及び該製造方法により製造されたマイクロカプセル、並びに該マイクロカプセルを用いた記録材料を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するための本発明の手段は以下の通りである。
<1> (1)液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物に第2のポリマー成分を有する粒子を添加して上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2のポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程と、を含むことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
<2> (1)液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物にモノマーを添加して該モノマーを重合することにより第2のポリマー成分で上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2のポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程と、を含むことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
<3> 前記第2のポリマー成分でカプセル壁面を被覆する工程の後に、該被覆されたカプセル壁面の表面に平坦化処理を行う工程を含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載のマイクロカプセルの製造方法。
<4> 前記第1のポリマー成分によって形成されるカプセル壁が、ポリウレタン及び/又はポリウレアを主成分とすることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載のマイクロカプセルの製造方法。
<5> 前記第2及び/又は第3のポリマー成分が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させることにより形成されることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載のマイクロカプセルの製造方法。
<6> 前記第3のポリマー成分を形成するエチレン性不飽和結合を有するモノマーが、温度100℃以下において液状であることを特徴とする<1>〜<5>の何れか1つに記載のマイクロカプセルの製造方法。
<7> 前記第2のポリマーが、ポリメタクリル酸ブチル又はポリメタクリル酸ベンジルであることを特徴とする<1>〜<6>の何れか1つに記載のマイクロカプセルの製造方法。
<8> 前記第3のポリマーが、ポリスチレン又はポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
<9> 感熱記録材料に用いるマイクロカプセルを製造することを特徴とする<1>〜<8>の何れか1つに記載のマイクロカプセルの製造方法。
<10> <1>〜<9>の何れか1つに記載のマイクロカプセルの製造方法により製造されたマイクロカプセル。
<11> <10>に記載のマイクロカプセルを用いた記録材料。
本発明によれば、カプセル諸性能(保存性、耐光性、熱感度、着色、及び湿度依存性等)を自由に設計することが可能であり、簡便且つ容易な製造方法で製造が可能であるマイクロカプセルの製造方法、及び該製造方法により製造されたマイクロカプセル、並びに該マイクロカプセルを用いた記録材料を提供することができる。
第1の本発明のマイクロカプセルの製造方法は、液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物に第2のポリマー成分を有する粒子を添加して上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2のポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
第2の本発明のマイクロカプセルの製造方法は、(1)液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物にモノマーを添加して該モノマーを重合することにより第2のポリマー成分で上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2のポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のマイクロカプセルの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略称することがある。)によれば、第1のポリマー成分で形成されるカプセル壁が第2のポリマー成分によって被覆されている、更には第3のポリマー成分によって被覆されているマイクロカプセルを容易に且つ簡便に製造できる。従って、第1〜第3のポリマー成分の種類や添加量等を適宜に組み合わせることによって、例えば、耐熱性や耐光性、熱感度、着色、又は湿度依存性等のカプセル諸性能を容易に且つ簡便に制御することができ、広汎な用途(例えば、感熱記録材料や感圧記録材料等)に応じた所望の性能を付与したマイクロカプセルを提供することができる。
また、本発明のマイクロカプセルの製造方法においては、第2及び第3のポリマー成分として、本発明におけるモノマーを添加もしくは膨潤させて重合することにより形成するので、容易に且つ簡便にカプセル壁の表面を第2及び第3のポリマー成分で被覆することができる。この為、従来より公知のマイクロカプセルの製造方法を利用して、本発明のマイクロカプセルを容易に且つ簡便に製造することができる。
更に、本発明の製造方法によれば、上述の第1のポリマー成分で形成されるカプセル壁を第2のポリマー成分によって被覆した後に平坦化処理等を加えることもできる。平坦化処理等を加えることにより、第3のポリマー成分によるカプセル壁の被覆率を向上させたり、第3のポリマー成分による被覆状態を良好なものにすることもできる。
ここで、上記「液組成物中で第1のモノマー成分によってカプセル壁を形成するマイクロカプセル壁の形成工程」とは、例えば、多官能イソシアネートや芯物質等を含有している油相液組成物が、水媒体中に懸濁し、加熱されることによって界面重合が進行し、ポリウレタン/ポリウレア等を構成成分とするカプセル壁が形成され、芯物質がカプセル内部に包含される状態をいう。この様に包含される状態はスポンジ状でもよいがコア/シェル状態が望ましい。
本発明における液組成物としては、このようにカプセル壁になり得る第1のポリマー成分で形成できる化合物、及び、色素前駆体、有機溶媒、補助溶剤、界面活性剤等の内包物が溶解している液状の組成物、又は水に分散されている液状の化合物等が挙げられる。
また、上記「マイクロカプセル壁表面が第2及び第3のポリマー成分によって被覆されている」ということは、第1のポリマー成分を含んで形成されたマイクロカプセル壁の表面が、第2のポリマー成分によって被覆されてなり、更に第3のポリマー成分を形成するモノマーを第1及び第2のポリマー成分中に膨潤させ重合することにより第3のポリマーを形成させて、第2及び第3のポリマー成分による被覆壁が構築されている状態をいう。第2及び第3のポリマー成分は必ずしもマイクロカプセル壁の全体を被覆している必要はないが、マイクロカプセルの本来の性能(例えば、透過性など)を著しく損なわない範囲でマイクロカプセル壁の略全面に第2及び第3のポリマー成分が付着していることが望ましく、第2のポリマー又は第3のポリマー、もしくは第2及び第3のポリマー成分が両方共にマイクロカプセル壁の全面を被覆していることが更に望ましい。
本発明におけるマイクロカプセルは、特に制限はなくマイクロカプセルが用いられる広汎な分野において使用することができ、例えば、記録材料、特に、感熱記録材料や感圧記録材料等において、発色成分等を内包するマイクロカプセルとして好適に用いられる。
(カプセル壁の形成工程)
本発明においてカプセル壁の形成工程は、(a)液組成物中でポリマー成分によってカプセル壁を形成する工程、(b)モノマーを膨潤させて重合することによりポリマー成分を形成する工程、(c)モノマーを添加して重合することによりポリマー成分でカプセル壁面を被覆する工程、がある。
本発明において上記のカプセル壁の形成には、従来より公知のマイクロカプセル化方法を用いることができ、例えば、米国特許第2800457号、同28000458号に記載の親水性壁形成材料のコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号、英国特許第990443号、特公昭38−19574号、同42−446号、同42−771号等に記載の界面重合法、米国特許第3418250号、同3660304号に記載のポリマー析出による方法、米国特許第3796669号に記載のイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号に記載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同4087376号、同4089802号に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025455号に記載のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号、特開昭51−9079号に記載のモノマーの重合によるin situ法、英国特許第952807号、同965074号に記載の電解分散冷却法、米国特許第3111407号、英国特許第930422号に記載のスプレードライング法、特公平7−73069号、特開平4−101885号、特開平9−263057号に記載の方法等を適宜に選定して用いることができる。
本発明においてカプセル壁形成方法(マイクロカプセル化する方法)は、これらに限定されるものではないが、界面重合法を好適に採用することができる。該界面重合法とは、カプセルの芯となる芯物質(例えば、発色成分等)を疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させて調製した油相液を、水溶性高分子等を溶解した水相媒体中に投入して、ホモジナイザー等の高速攪拌手段によって乳化分散した後、加温することでその油滴界面で高分子形成反応を起させ、高分子物質(例えば、第1のポリマー成分)のマイクロカプセル壁を形成させる方法である。上記界面重合法は、短時間内に微細で均一な粒径のカプセルを形成することができ、本発明を記録材料等に適用した場合に、優れた生保存性を得ることができる。
以下、界面重合法を例に取り、本発明のカプセル壁の形成方法(マイクロカプセル化方法)について具体的に説明する。
感熱記録材料等において好適に用いることができるマイクロカプセルとしては、常温では、カプセル壁の物質隔離作用によりカプセル内外の物質の接触が妨げられ、閾値以上に熱及び/又は圧力等が加えられた場合のみ、カプセル内外の物質の接触が可能となるようなものが挙げられる。この現象は、カプセル壁の材料、カプセル芯物質(カプセルに内包される物質)、添加剤等を適宜に選択することによって、カプセルの特性の変化として自由に制御することができる。
本発明において、第1のポリマー成分により形成されるカプセル壁材としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレン−メタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等を用いることができる。これらの中でも、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン、ポリウレアが更に好ましい。尚、第1のポリマー成分は、2種以上を併用して用いることもできる。
界面重合法によれば、本発明のマイクロカプセルは、芯物質を疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させて調製した油相液を、水相液に投入して乳化分散した後、通常は加熱などして形成される。この際、上記油相を乳化分散する水相には、水溶性高分子を溶解した水溶液を使用する。該水相に含まれる水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を挙げることができるが、詳細については後述する。
本発明においてカプセル壁材となる第1のポリマー成分としては、イソシアネートを用いて形成されることが好ましい。例えば、ポリウレタンをカプセル壁材として用いる場合には、多価イソシアネート及びそれと反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオールやポリアミン等)を水溶性高分子溶液(水相)又はカプセル化すべき油性溶媒(油相)中に混合し、水相中に乳化分散した後、加温することによって、油滴界面で高分子形成反応を起させ、カプセル壁を形成することができる。
上記多価イソシアネート及びそれと反応する相手のポリオール及びポリアミンとしては、例えば、米国特許第3281383号、同3773695号、同3793268号、特公昭48−40347号、同49−24159号、特開昭48−80191号、同48−84086号に記載のものを使用することもできる。
本発明において、発色成分を内包するマイクロカプセルを形成する際、内包する発色成分は、該カプセル中に溶液状態で存在していても、固体状態で存在していてもよい。
感熱記録材料等を作製する場合において、発色成分を溶液状態でカプセルに内包させる場合には、発色成分である例えば電子供与性無色染料やジアゾニウム塩化合物等を有機溶媒に溶解した状態でカプセル化すればよい。
上記有機溶媒としては、一般に、高沸点有機溶媒の中から適宜に選択することができ、例えば、リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリルエタン、常温で固体の化合物、オリゴマーオイル、ポリマーオイル等が用いられる。
具体的には、特開昭59−178451〜同59−178455号、同59−178457号、同60−242094号、同63−85633号、特開平6−194825号、同7−13310号〜同7−13311号、同9−106039号、及び特開昭63−45084号の各公報に記載の有機溶剤が挙げられる。
また、カプセル化の際には、上記の有機溶媒を使用せずに、所謂オイルレスカプセルとしてもよい。
上記有機溶媒の使用量としては、発色成分100質量部に対し、1〜500質量部が好ましい。
また、カプセルに内包しようとする発色成分の上記有機溶媒に対する溶解性が低い場合には、更に補助溶剤として、溶解性の高い低沸点有機溶媒を併用することもできる。また、有機溶媒を使用せずに低沸点溶媒だけを使用することもできる。
上記低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライド等が挙げられる。
上記水相液中に上記油相液を投入した後、ホモジナイザー等の高速攪拌手段により乳化分散を行うが、上述の水相に添加される水溶性高分子は、分散を均一かつ容易にしうる保護コロイドとしての作用を有すると共に、乳化分散した分散液を安定化させる分散媒としても作用する。上記保護コロイドとして含有させる水溶性高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜に選択することができる。
上記アニオン性高分子としては、天然、合成のいずれのものも用いることができ、例えば、−COO−、−SO2−等の連結基を有するものが挙げられる。
具体的には、アラビヤゴム、アルギン酸、ベクチン等の天然物;カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、硫酸化セルロース、リグニンスルホン酸等の半合成品;無水マレイン酸系(加水分解物を含む)共重合体、アクリル酸系(メタクリル酸系)重合体及び共重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カルボキシ変成ポリビニルアルコール等の合成品が挙げられる。
上記ノニオン性高分子としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等が挙げられる。
上記両性高分子としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等が挙げられる。
中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールが好ましい。
上記水溶性高分子は、0.01〜10質量%の水溶液として用いられる。
また、乳化分散を更に均一に行い、より安定な分散液とするために、油相或いは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加することができる。
上記界面活性剤としては、公知の乳化用界面活性剤の中から適宜選択することができ、例えば、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記のように保護コロイドと作用し、沈殿や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。
具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が挙げられる。
上記界面活性剤の添加量としては、油相質量に対し、0.1%〜5%が好ましく、0.5%〜2%が更に好ましい。
乳化分散後は、カプセル壁形成反応を促進させる目的で、乳化分散物を温度30〜70℃に加温することが望ましい。これにより、液組成物中で第1のポリマー成分からなるカプセル壁を形成することができる。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水してカプセル同士の衝突確率を低下させたり、十分な攪拌を行う等の必要がある。
また、反応中に、別途、凝集防止用の分散物を添加してもよい。
上記カプセル壁形成反応の終点は、重合反応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その発生の終息をもって凡その終点とみなすことができる。
通常、数10分から数時間反応を行うことにより、発色成分を内包するマイクロカプセルを得ることができる。
本発明を感熱記録材料等に用いる場合、第2及び第3のポリマー成分によって被覆される前のマイクロカプセルの平均粒子径としては、20μm以下が好ましく、高解像度を得る観点からは、5μm以下がより好ましい。
また、形成したマイクロカプセルの粒径が小さ過ぎると、一定固形分に対する表面積が大きくなり多量の壁材が必要となることから、上記平均粒子径は0.1μm以上であることが好ましい。
(第2のポリマー成分による被覆工程)
本発明における第2のポリマー成分カプセル壁面を被覆する被覆工程としては、上述のカプセル壁が形成(マイクロカプセル化)された液組成物中に、(a)本発明における第2のポリマー成分を有する粒子を添加して上記カプセル壁面を被覆する工程、及び(b)本発明におけるモノマーを添加して該モノマーを重合することにより上記カプセル壁面を第2ポリマー成分で被覆する工程、の2方式が挙げられる。
また、本発明における第3のポリマー成分の形成工程は、上記第2ポリマー成分で被覆されたカプセル壁面に、重合することにより、本発明における第3のポリマー成分となるモノマーを上記カプセル壁面に膨潤させて重合し、第3のポリマー成分の形成(被覆)する工程である。
第2のポリマー成分は、第1のポリマー成分と同種のポリマーであってもよいし、異種のポリマーであってもよい。本発明の効果であるカプセル性能の制御という観点からは、異種のポリマーを用いることが好ましく、ガラス転移温度の異なるポリマーを用いるのがさらに好ましい。この際、2種のモノマー間のガラス転移温度の差としては、5℃以上離れていることが好ましく、10℃以上離れているのが好ましい。
本発明における第2のポリマー成分は、本発明における該ポリマー成分を有する粒子を添加して被覆するか、或いは本発明におけるモノマーを添加して該モノマーを重合することにより形成される。
本発明における上記モノマーとしては、エチレン性不飽和結合を有するモノマーが挙げられ、その具体例としては、アクリル酸およびその塩、アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ベンジル)、アクリルアミド類、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル)、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類;イタコン酸、イタコン酸エステル類、スチレン類(例えば、スチレン)、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリールエーテル類、アリルエステル類等が挙げられる。
本発明における上記第2のポリマー成分としては、上記のモノマーの単独重合体及び任意の共重合体等(例えば、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸ベンジル、ポリスチレン、(メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル)共重合体、(メタクリル酸プロピル/スチレン)共重合体、(メタクリル酸ブチル/スチレン)共重合体)が挙げられる。
上記の中でも、分子内に複数のビニル基を有するモノマーを使用することが好ましく、この様なモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の多価アルコール類のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル;レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール等の多価フエノール類やビスフエノール類のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル;及び、アクリレート又はメタクリレート末端エポキシ樹脂、アクリレート又はメタクリレート末端ポリエステル等が挙げられる。
特に、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ヘキサンジオール−1,6−ジメタクリレート及びジエチレングリコールジメタクリレート等が好ましい。
また、第2のポリマー成分におけるカプセル壁の被覆率を更に向上させる観点から、本発明における上記モノマーのガラス転移温度(Tg)は、80℃未満が好ましく、60℃未満が更に好ましい。
本発明における上記モノマーの分子量としては、特に限定はなく所望の目的に応じて選択すればよいが、例えば、該分子量としては、約100〜5000が好ましく、約300〜約2000がより好ましい。
本発明における第2のポリマー成分は、ポリメタクリル酸ブチル又はポリメタクリル酸ベンジルが特に好ましい。
本発明の製造方法においては、カプセル壁が形成された液組成物中に、本発明における上記モノマーを添加し、重合させることで、本発明におけるモノマーによって形成された第2のポリマー成分をカプセル壁に付着ないし修飾させることができる。本発明におけるモノマーの重合方法は、公知の重合方法を適宜に選定することができ、中でもラジカル重合(ラテックス作製時に使用される乳化重合)が好ましい。
本発明におけるモノマーの重合反応における反応温度は、本発明におけるモノマーの種類やカプセル壁材(第1のポリマー成分)の種類等によっても異なるが、通常40〜100℃程度が好ましく、50〜80℃程度がより好ましい。また、反応時間も同様に本発明におけるモノマーの種類等によって異なるが、通常、5〜15時間程度が好ましく、5〜10時間程度が更に好ましい。
また、上記本発明におけるモノマーの添加量は、発明の目的を十分に発揮させる観点からマイクロカプセルの質量に対して1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%が更に好ましい。
上記被覆工程において、本発明における第2のポリマー成分により被覆する形態は、別途に重合し形成させたポリマー微小粒子は、第1のポリマー成分の壁形成反応の終了後の乳化液、分散液又は懸濁液のままで添加してもよく、また濾過などでポリマー微粒子そのものを精製してその固体粉末を添加してもよく、更にモノマーから重合により形成させてもよい。
別途に重合し形成させたポリマー微小粒子を添加する場合は、乳化液のままで添加することが好ましい。該乳化液全体に対する第2のポリマー成分の濃度に制限はないが、20質量%〜5質量%が好ましい。また重合により形成させる場合はモノマーをそのまま添加することが好ましい。乳化液又はモノマーを添加する温度に制限はないが、凝集を抑える観点より、特に室温以下で加えることが好ましい。
上記被覆工程において、液組成物に本発明における第2のポリマーを別途に重合し形成させたポリマー微粒子乳化液を用いる場合は、添加するタイミングとしては上記マイクロカプセル壁工程におけるマイクロカプセル壁の形成後であれば、特に限定はなく、例えば、マイクロカプセル壁の形成後に連続してポリマー微小粒子を添加してもよい。また第2のポリマー成分は単独種又は2種以上のいずれであってもよく、所望の性能に応じて適宜に決定することができる。更に、必要に応じて複数回の処理を行ってもよい。
ポリマー微小粒子を添加する場合、上記被覆工程におけるポリマー微小粒子の粒径は、上記マイクロカプセル壁工程におけるマイクロカプセル壁形成後の粒径よりも小さければよいが、マイクロカプセル粒子径の上限は1/2以下が好ましく、1/20以下が更に好ましい。下限としては10nm以上が好ましい。
上記第2のポリマー成分による被覆工程の撹拌方法は通常の撹拌機を使用することができ、ホモジナイザー等での撹拌もできる。また、上記被覆工程の温度は乳化物が耐えうる範囲なら制限はなく、撹拌時間も制限はない。
上記被覆工程において液組成物に本発明における第2のポリマーをモノマーから重合により形成させる場合は、添加するタイミングとしては上記マイクロカプセル壁工程におけるマイクロカプセル壁の形成後であれば、特に限定はなく、例えば、マイクロカプセル壁の形成後に連続してモノマーを添加してもよい。また第2のポリマー成分は単独種又は2種以上のいずれであってもよく、所望の性能に応じて適宜に決定することができる。更に、必要に応じて複数回の処理を行ってもよい。
モノマーを添加する場合、上記被覆工程におけるモノマーの形態は限定しないが、液状及び固体状のモノマーを直接添加してもよく、固体状のモノマーを溶媒に溶かした状態で添加してもよい。
また、重合開始剤を投入するタイミングはモノマーを添加した後に、一括投入又は連続投入ができる。投入する形態としては、粉末状の開始剤をそのまま投入してもよく、溶媒に溶かした状態で投入してもよい。
モノマーを添加する場合の重合による被覆工程の撹拌法は、通常の撹拌機を使用することができ、ホモジナイザー等での撹拌もできる。また、上記被覆工程の温度は乳化物が耐えうる範囲なら制限はなく、撹拌時間も制限はない。
上記被覆工程における第2のポリマー成分による被覆量は特に限定はないが、上記マイクロカプセル壁工程における第1のポリマー成分の300質量%以下が好ましく、200質量%以下が更に好ましい。また下限としては50質量%以上が好ましい。
また、上述の第2のポリマー成分でカプセル壁面を被覆する工程の後に、必要に応じて、該被覆されたカプセル壁面の表面に平坦化処理を行ってもよい。この様な平坦化処理は、マイクロカプセルが第2のポリマー粒子により被覆されることで、被覆マイクロカプセル表面に凹凸がある状態となっているものを、加熱処理や可塑剤処理によって、被覆マイクロカプセル表面を凹凸がない状態にすることをいう。その平坦化処理工程において、処理を行うタイミングは上記被覆工程における被覆マイクロカプセルの形成後であれば、特に限定はなく、例えば被覆マイクロカプセル形成後に連続して加熱処理や可塑剤処理を行ってもよい。中でも特に加熱処理が好ましい。
上記の加熱処理を行う場合、第2のポリマー成分のガラス転移温度(Tg)以上に上げることが好ましいため、被覆する第2のポリマーは100℃以下のガラス転移温度であることが望ましい。加熱温度及び時間は乳化物が耐えうる範囲なら制限はない。
上記の可塑剤処理を行う場合は、第2のポリマー成分を膨潤する必要がある。例えばフタル酸エステル系化合物、脂肪酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合物がある。可塑剤処理温度及び時間は乳化物が耐えうる範囲なら制限はない。可塑剤は第2のポリマー成分の50質量%以下が好ましく、20質量%以下が更に好ましい。また下限としては2質量%以上が好ましい。
(第3ポリマー成分の形成被覆工程)
第3のポリマー成分を形成するモノマーは第2のポリマー成分形成するモノマーとして挙げたものの中から、適宜に選択することができるが、第2の成分のポリマー中に膨潤され、重合させる必要があるため、温度100℃以下において液状であることが好ましく、更に温度30℃以下で液状であることがより好ましい。
本発明における第3のポリマー成分は、ポリスチレン又はポリメタクリル酸メチルであることが特に好ましい。
本発明において第3のポリマー成分を形成させる際に必要な重合開始剤や界面活性剤は第2のポリマー成分を形成させるために挙げたものの中から適宜選択することができる。
前記第3のポリマー成分は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させることにより形成されることが好ましく、該エチレン性不飽和結合を有するモノマーが温度100℃以下において液状であることがより好ましい。
また、本発明においては、前記第2及び/又は第3のポリマー成分が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させることにより形成されることが好ましい。
上記被覆工程において、本発明における第3のポリマー成分により被覆する工程は、マイクロカプセル壁を被覆した第2のポリマー成分に、モノマーを膨潤させて、そのまま重合することにより形成させる。第3のポリマー成分を形成するモノマーは液状で添加してもよいが、例えば温度100℃以下の加熱により液状に変化するものであれば、固体のまま添加してもよい。特に、液状の状態で添加することが望ましい。
また上記形成工程において、液組成物に本発明における第3のポリマーを添加するタイミングとしては、上記マイクロカプセル壁の形成後に第2のポリマー成分で被覆されている状態であれば、特に限定はなく、例えばマイクロカプセル壁に第2のポリマー成分による被覆層を形成した後に連続してモノマーを添加し重合してもよい。また第3のポリマー成分は単独種又は2種以上のいずれであってもよく、所望の性能に応じて適宜に決定することができる。更に、必要に応じて、複数回に分けて添加と重合を繰り返すこともできる。
上記第3のポリマー成分による被覆工程の撹拌法は、通常の撹拌機を使用することができ、ホモジナイザー等での撹拌もできる。また、上記被覆工程の温度は乳化物が耐えうる範囲なら制限はなく、撹拌時間も制限はない。
上記形成工程における第3のポリマー成分による被覆量は特に限定はないが、上記マイクロカプセル壁工程における第2のポリマー成分の200質量%以下が好ましく、100質量%以下が更に好ましい。また下限としては30質量%以上が好ましい。
(重合開始剤及び界面活性剤)
本発明においては、本発明におけるモノマーを重合させる際に反応効率を向上させるため、重合開始剤や界面活性剤を用いることができる。また、本発明におけるポリマー微粒子の合成方法は、公知の重合法を適宜に選定することができ、中でもラジカル重合が好ましい。
上記重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも用いることができ、具体的には以下のものが好適に挙げられる。
上記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、アクリドン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類等の芳香族ケトン類;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイン及びベンゾインエーテル類;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二重体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体等の2,4,6−トリアリールイミダゾール二重体;四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等のポリハロゲン化合物;特開昭59−133428号、特公昭57−1819号、特公昭57−6096号、米国特許第3615455号明細書に記載の化合物;
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(P−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン等の特開昭58−29803号記載のトリハロゲン置換メチル基を有するS−トリアジン誘導体;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリ−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルバーオキシ)ヘキサン、ターシャリ−ブチルバーオキシベンゾエート、a,a’−ビス(ターシャリ−ブチルバーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリイブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の特開昭59−189340号記載の有機過酸化物;
米国特許第4743530号明細書に記載のアジニウム塩化合物;トリフェニールブチールボレートのテトラメチルアンモニウム塩、トリフェニールブチールボレートのテトラブチルアンモニウム塩、トリ(P−メトキシフェニール)ブチールボレートのテトラメチルアンモニウム塩等のヨーロッパ特許第0223587号明細書に記載の有機ホウ素化合物;その他ジアリールヨードニウム塩類や鉄アレン錯体等が挙げられる。
また、2種又はそれ以上の化合物を組合わせたものも知られており、これらも本発明に使用することができる。
2種又はそれ以上の化合物の組合せの例としては、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体とメルカプトベンズオキサゾール等との組合せ、米国特許第3427161号明細書に記載の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノン又はベンゾインメチルエーテルとの組合せ、米国特許第4239850号明細書に記載のベンゾイル−N−メチルナフトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−トリアゾールとの組合せ、特開昭57−23602号明細書に記載のジアルキルアミノ安息香酸エステルとジメチルチオキサントンとの組合せ、特開昭59−78339号明細書の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノンとポリハロゲン化メチル化合物との三種の組合わせ等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、特開昭62−143044号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号等に記載の有機ボレート化合物、又はカチオン性色素から得られる分光増感色素系ボレート化合物等が挙げられる。
また、上記熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル(AIVN)、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩、1,1’アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロパンニトリル(AIBN)が好適に挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記重合開始剤の添加量としては、本発明におけるモノマー1質量部に対して、0.001〜0.1質量部が好ましく、0.01〜0.05質量部が更に好ましい。更に、界面活性剤として後述する重合性界面活性剤を用いる場合には、該重合性界面活性剤と反対電荷を有する水溶性の重合開始剤を用いるのが好ましい。
以下に、上記重合開始剤の具体例を挙げる。
Figure 2005296715
上記重合開始剤の親水性官能基としては、例えば、硫酸基、硝酸基、リン酸基、ホウ酸基、カルボキシル基等のアニオン性基、アミノ基等のカチオン性基、またはポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン鎖構造等や水酸基等が挙げられ、疎水性基としてはアルキル基、フェニル基等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面活性剤の含有量としては、本発明におけるモノマー1質量%に対して0.01〜30質量%が望ましく、0.01〜1質量%がさらに望ましい。
上記界面活性剤としては、特に重合性基を含有した重合性界面活性剤を用いることが好ましい。上記重合性界面活性剤を用いると、界面活性剤がカプセル壁表面に付近に多く存在しやすくなるため、該重合性界面活性剤と反対電荷を有する重合開始剤を選択することで、第2及び第3のポリマー成分を効率よくカプセル壁に修飾させることができる。
上記重合性界面活性剤の重合性基としては、ラジカル重合性の二重結合が挙げられる。該二重結合としては、例えば、ビニル基、又は(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。また、上記重合性界面活性剤の親水性官能基としては、例えば、硫酸基、硝酸基、燐酸基、ホウ酸基、カルボキシル基等のアニオン性基、アミノ基等のカチオン性基、又はポリオキシエチレン、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン鎖構造等や水酸基等が挙げられ、、疎水性基としてはアルキル基、フェニル基等が挙げられる。該重合性界面活性剤は、上記親水性官能基の種類等によってアニオン性、ノニオン性、カチオン性、又は両性にすることができる。更に、上記重合性界面活性剤の分子構造中のラジカル重合性の二重結合、親水性官能基及び疎水性基については、複数の種の構造、官能基を有していてもよい。
以下に、上記重合性界面活性剤の具体例を挙げる。
Figure 2005296715
Figure 2005296715
また、上記重合性界面活性剤としては、アニオン界面活性剤として、アデカリアソープSE(旭電化工業(株))、アクアロンHS,BC,KH(第一工業製薬(株))、アントックスMS(日本乳化剤(株))、アデカリアソープSDXやPP(旭電化工業(株))、ラテムルS(花王(株))、ハイテノールA(第一工業製薬(株))、エレミノールRS(三洋化成工業(株))、スピノマー(東洋曹達工業(株))等、非イオン界面活性剤として、アクアロンRN、ノイゲンN(第一工業製薬(株))、アデカリアソープNE(旭電化工業(株))など市販品を好適に用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記界面活性剤の含有量としては、本発明におけるモノマー1質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、1〜20質量部が更に好ましい。
また、上記被覆ないし修飾工程において液組成物に本発明におけるモノマーを添加するタイミングとしては、上記カプセル壁形成工程におけるカプセル壁の形成後であれば特に限定はなく、例えば、カプセル壁形成後(乳化重合後)連続してモノマーを添加してもよい。また、第2及び第3のポリマー成分は単独種及び2種以上のいずれであってもよく、所望の性能に応じて適宜決定することができる。更に、必要に応じて、本発明におけるモノマーの重合反応途中に、該本発明におけるモノマーとは異なる種類の本発明におけるモノマーを更に添加し、異なる2種の第2及び第3のポリマー成分でヘテロ型にカプセル壁を修飾してもよい。
上述した本発明の第1及び第2のマイクロカプセルの製造方法により製造された発明に係わるマイクロカプセルは、既述の如く、記録材料、特に感熱記録材料等において、発色剤を内包するマイクロカプセルとして好適に用いることができる。本発明のマイクロカプセルを用いて作製される感熱記録材料については、例えば、特開平8−337727号公報、特開2002−19304号公報、同2003−72241号公報、同2003−112479号公報、同2004−74728号公報等に詳しい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例中の「部」及び「%」は総て「質量部」及び「質量%」を表す。
[実施例1]
(マイクロカプセル壁の形成工程)
酢酸エチル16.2gにシアン発色の下記電子供与性無色染料(1)6.8gを溶解して、マイクロカプセル壁材として、商品名「タケネートD−110N」(三井武田ケミカル(株)製)14.2gとジイソプロピルナフタレン(呉羽科学工業(株)製の商品名「KMC−113」)5.4gを添加した。得られた溶液を、ポリビニルアルコール((株)クラレ製の商品名「PVA−217C」、8%水溶液)52.7gとドデシルスルホン酸ナトリウム(東京化成工業(株)製)0.39gと水8.5gの混合液中に添加した後、温度20℃で乳化分散して、乳化分散液を得た。次いで室温で、得られた乳化分散物に水61gとテトラエチレンペンタミン0.13gの混合液を加え、撹拌しながら温度65℃に加熱して3時間経過後に、電子供与性無色染料(1)を芯に含む平均粒径が0.4μmのマイクロカプセル含有液(I)を得た。尚、下記電子供与性無色染料(1)中、Prはプロピル基を表す。
Figure 2005296715
(第2のポリマー成分の被覆工程)
撹拌羽根、モノマー導入管、窒素導入管、及びキューラーを付属している三口フラスコに、水115gを入れ、スチレンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)86mgを溶解させた。この溶液にブチルメタクリレート(東京化成工業(株)製)6gを滴下した。回転数300rpmで撹拌しながら、オイルバスにより反応溶液を温度70℃に加熱した。この懸濁液に過硫酸カリウム(和光純薬工業(株)製)114mgの水溶液2mLを滴下した。滴下が終了した後、6時間撹拌してポリマー微粒子懸濁液(II)を得た。ガスクロマトグラフィー(GC、島津製作所(株)製)により残存モノマーが無いことを確認した後、このポリマー粒子の粒径測定(堀場製作所(株)製の「LB−500」)を行ったところ、0.084μmであった。三角フラスコに上記から得られたマイクロカプセル液(I)10gを水26gに希釈し、上記から得られたポリマー微小粒子懸濁液(II)15.4gを滴下した後、温度70℃において4時間撹拌して、被覆マイクロカプセル懸濁液(III)を得た。
上記で得られた懸濁液(III)を少量採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)によりその被覆状態を確認したところ、マイクロカプセルの表面がブチルメタクリレートにより均一に被覆されていることが確認できた。
(第3のポリマー成分の形成(被覆)工程)
上記の被覆マイクロカプセル懸濁液(III)を室温まで冷却して、スチレン0.77gを添加し1時間撹拌した。ここに過硫酸カリウム20mg(和光純薬工業(株)製)の水溶液2mLを滴下した。この懸濁液を温度70℃まで昇温させて、4時間反応させた。得られたポリブチルメタクリレート/ポリスチレン被覆マイクロカプセルの少量を採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)によりその被覆状態を確認したところ、マイクロカプセルの表面がポリブチルメタクリレート及びポリスチレンにより被覆されていることが確認できた。
[実施例2]
(マイクロカプセル壁の形成工程)
酢酸エチル16.2gにシアン発色の前記電子供与性無色染料(1)6.8gを溶解し、マイクロカプセル壁材として、商品名「タケネートD−110N」(三井武田ケミカル(株)製)14.2gとジイソプロピルナフタレン(呉羽化学工業(株)製の商品名「KMC−113」)5.4gを添加した。得られた溶液をポリビニルアルコール((株)クラレ製の商品名「PVA−217C」、8%水溶液、)52.7gとドデシルスルホン酸ナトリウム(東京化成製工業(株)製)0.39gと水8.5gの混合液中に添加した後、温度20℃で乳化分散して、乳化分散液を得た。次いで、室温で得られた乳化分散物に水61g、テトラエチレンペンタミン0.13gの混合液を加え、撹拌しながら温度65℃に加熱して3時間経過後に、電子供与性無色染料(1)を芯に含む平均粒径0.4μmのマイクロカプセル液(I)を得た。
(第2のポリマー成分の被覆工程)
撹拌羽、モノマー導入管、窒素導入管、及びキューラーを付属している三口フラスコに、上記から得られたマイクロカプセル液(I)10gを入れ、水26gで希釈し、ブチルメタクリレート0.95g(東京化成工業(株)製)を滴下した。回転数300rpmで撹拌しながら、オイルバスにより反応溶液を温度70℃に加熱した。その懸濁液に過硫酸カリウム18mg(和光純薬工業(株)製)の水溶液2mLを滴下した。滴下が終了した後、6時間撹拌して被覆マイクロカプセル懸濁液(IV)を得た。ガスクロマトグラフィー
(GC、島津製作所製)により残存モノマーが無いことを確認した。
上記から得られた懸濁液(IV)を少量採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)によりその
被覆状態を確認したところ、マイクロカプセルの表面がブチルメタクリレートにより均一に被覆されていることが確認できた。
(第3のポリマー成分の形成工程)
上記の被覆マイクロカプセル懸濁液(IV)を室温まで冷却し、スチレン0.77gを添
加し1時間撹拌した。そこに過硫酸カリウム20mg(和光純薬工業(株)製)の水溶液2mLを滴下した。この懸濁液を温度70℃まで昇温させ、4時間反応させた。得られたポリブチルメタクリレート/ポリスチレン被覆マイクロカプセルの少量を採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)によりその被覆状態を確認したところ、マイクロカプセルの表面がポリブチルメタクリレート及びポリスチレンにより被覆されていることが確認できた。
[実施例3]
実施例1において、本発明におけるモノマーとして、ブチルメタクリレートに代えて、ベンジルメタクリレートを同量用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応させ、ポリプロピルメタクリレートとポリスチレンで被覆されたマイクロカプセルを得た。実施例1と同様の手法により、ポリプロピルメタクリレート及びポリスチレンで被覆されたマイクロカプセルであることが確認できた。
[実施例4]
実施例1において、本発明におけるモノマーとして、ブチルメタクリレートに代えて、プロピルメタクリレートを同量用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応させ、ポリプロピルメタクリレートとポリスチレンで被覆されたマイクロカプセルを得た。実施例1と同様の手法により、ポリプロピルメタクリレート及びポリスチレンで被覆されたマイクロカプセルであることが確認できた。
[実施例5]
実施例1において、本発明におけるモノマーとして、スチレンに代えて、メタクリル酸メチルを同量用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応させ、ポリブチルメタクリレート/ポリメタクリル酸メチルで被覆されたマイクロカプセルを得た。実施例1と同様の手法により、ポリブチルメタクリレート及びポリメタクリル酸メチルで被覆されたマイクロカプセルであることが確認できた。
[実施例6]
実施例1において、過硫酸カリウムに代えて、「V−50」(和光純薬工業(株)製)を同量用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応させ、ポリブチルメタクリレート/ポリスチレンで被覆されたマイクロカプセルを得た。実施例1と同様の手法により、ポリブチルメタクリレートとポリスチレンで被覆されたマイクロカプセルであることが確認できた。
[比較例1]
実施例1において得られたマイクロカプセル含有液(I)に対して、第2及び第3のポリマーによる被覆工程を行なわず、マイクロカプセルとして第2及び第3のポリマーによる被覆がないマイクロカプセルを用いた。
[実施例7]
(感熱記録材料の作製)
(1)フタル化ゼラチン水溶液の調製
フタル化ゼラチン(新田ゼラチン(株)製の商品名「#801ゼラチン」)32部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(大東化学工業所(株)製、3.5%メタノール溶液)0.9143部、及びイオン交換水367.1部を混合し、温度40℃にて溶解して、フタル化ゼラチン水溶液を得た。
(2)サリチル酸金属塩分散液の調製
上記より得たフタル化ゼラチン水溶液3.75部に、イオン交換水10.02部、下記サリチル酸金属塩(電子受容性化合物)5.0部、及び2−エチルヘキシルコハク酸ナトリウムの2%水溶液1.25部を混合して、ボールミルを用いて一晩かけて分散させ、サリチル酸金属塩分散液を得た。この分散液中で分散状態にあるサリチル酸金属塩の平均粒子径は、粒径測定器「LA−910」(堀場製作所(株)製)を用いて測定したところ、0.5μmであり、固形分濃度は26.3%であった。
Figure 2005296715
(3)感熱記録層用塗布液の調製
実施例1で得られたポリブチルメタクリレート/ポリスチレン被覆の電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液と上記サリチル酸金属塩分散液とを、電子供与性染料前駆体/サリチル酸金属塩の質量比が1/20となる様に混合して、感熱記録層用塗布液を得た。
(4)保護層用塗布液の調製
ビニルアルコール/アルキルビニルエーテル共重合体(電気化学工業(株)製の商品名「EP−130」)160部、アルキルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルとの混合物(東邦化学工業(株)製の商品名「ネオスコアCM−57」、54%水溶液)8.74部、及びイオン交換水3832部を混合して、温度90℃の下で1時間溶解して、均一な保護層用塗布液を得た。
(5)感熱記録材料の作製
支持体として75μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)支持体を用意し、該PET支持体上に、メイヤーバーを用いて、上記の感熱記録層用塗布液を電子供与性染料前駆体の固形塗布量が0.361g/cm2となる様に塗布し乾燥して、感熱記録層を形成した。次いで、該感熱記録層上に、上記の保護層用塗布液を固形塗布量が1.39g/cm2となる様に塗布し乾燥して、実施例1のマイクロカプセルを用いた感熱記録材料(1)を得た。
[実施例8]
実施例7において、実施例1で得られた電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液の代りに、実施例2で得られたポリブチルメタクリレート/ポリスチレン被覆の電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液を用いて感熱記録層用塗布液を調製したこと以外は、実施例7と同様にして感熱記録材料(2)を得た。
[実施例9]
実施例7において、実施例1で得られた電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液の代りに、実施例3で得られたポリプロピルメタクリレート/ポリスチレン被覆の電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液を用いて感熱記録層用塗布液を調製したこと以外は、実施例7と同様にして感熱記録材料(3)を得た。
[比較例2]
実施例7において、実施例1で得られた電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液の代りに、比較例1で得られたポリマー被覆のない電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液を用いて感熱記録層用塗布液を調製したこと以外は、実施例7と同様にして比較例の感熱記録材料(4)を得た。
(試験評価)
上記で作製した各感熱記録材料にパルス幅1ms、解像度150dpi(R=2471Ω、V=23.9V)の条件で20ステップのエネルギーを印加して、画像を形成した。この際、各ステップにおいて感熱記録層上に形成された画像のODを反射濃度計(Xライト社製の商品名「X−rite310TR」)により測定した。各感熱記録材料について、足感度(ステップ7(56.3mJ/mm2)及びステップ8(64.5mJ/mm2))の光学濃度(OD)を比較した結果を下記の表1に示す。ここで、足感度は低いほど好ましい。
Figure 2005296715
上記の表1から分かるように、実施例7〜9と比較例2との比較から、本発明の製法で得られたマイクロカプセルを用いた感熱記録材料(1〜3)は、足感度が低いことが判明し、この為、低温領域での発色が抑えられ、発色感度の傾きが大きくなり、発色の濁りの少ない鮮やかな画像を得ることができた。この様に、本発明によれば、マイクロカプセルを所望のポリマー成分によって被覆(修飾)することで、形成されたマイクロカプセルに足感度の低下など所望の性能を付与することができる。

Claims (11)

  1. (1)液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物に第2のポリマー成分を有する粒子を添加して上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2のポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程と、を含むことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
  2. (1)液組成物中で第1のポリマー成分によってカプセル壁を形成するカプセル壁形成工程と、(2)これにより得られた液組成物にモノマーを添加して該モノマーを重合することにより第2のポリマー成分で上記カプセル壁面を被覆する工程と、(3)上記第2のポリマー成分によって被覆されたカプセル壁面にモノマーを膨潤させて重合することにより第3のポリマー成分を形成する工程と、を含むことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。
  3. 前記第2のポリマー成分でカプセル壁面を被覆する工程の後に、該被覆されたカプセル壁面の表面に平坦化処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  4. 前記第1のポリマー成分によって形成されるカプセル壁が、ポリウレタン及び/又はポリウレアを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  5. 前記第2及び/又は第3のポリマー成分が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させることにより形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  6. 前記第3のポリマー成分を形成するエチレン性不飽和結合を有するモノマーが、温度100℃以下において液状であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  7. 前記第2のポリマーが、ポリメタクリル酸ブチル又はポリメタクリル酸ベンジルであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  8. 前記第3のポリマーが、ポリスチレン又はポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  9. 感熱記録材料に用いるマイクロカプセルを製造することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のマイクロカプセルの製造方法により製造されたマイクロカプセル。
  11. 請求項10に記載のマイクロカプセルを用いた記録材料。
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