JP2005296032A - 入浴装置 - Google Patents

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Toshiyuki Takagaki
俊之 高垣
Tsutomu Uchida
力 内田
Keiichi Ando
恵一 安藤
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Abstract


【課題】
浴槽と車椅子との固定箇所を減少するとともに、浴槽と車椅子との固定手段に係る構成を簡素化でき、製造コストも軽減できる入浴装置を提供すること。
【解決手段】
一側方に開口部2が形成された浴槽1と貯湯槽13とを有し、開口部2から車椅子3を浴槽1内へ挿入し、開口部2を車椅子3で水密保持する入浴装置において、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右上部位置とを固定する第一の固定手段5と、車椅子3の背凭れ部4の裏面下部を押圧し固定する第二の固定手段6とを具備したことを特徴とする入浴装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一側方に開口部が形成された浴槽と貯湯槽とを有し、開口部から車椅子を浴槽内へ挿入し、開口部を車椅子で水密保持する入浴装置に関するものである。
従来の浴槽の開口部を車椅子の背凭れ部で閉塞状態に保持する車椅子用の入浴装置として、実公平6−12791号公報が挙げられる。しかしながら、前記公報には、浴槽1の開口部5を入浴用車椅子2の背凭れ部18cで閉塞状態に保持する扉ロック機構に付いて具体的に記載されていない。
又、特開平9−108290号公報の車椅子入浴装置に装備される封水保持装置41は、槽本体13の前面開口部12の両側それぞれの上下二箇所の位置、即ち全四箇所位置で車椅子21と浴槽11とをロックするものであり、ロック箇所が多く、故に、封水保持装置41が複雑で大掛りになり、介助者が行うロック作業も煩雑になるという問題点があった。
実公平6−12791号 特開平9−108290号
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、浴槽と車椅子との固定箇所を減少し浴槽の開口部を車椅子で水密保持する構成を簡素化すると共に、浴槽と車椅子との固定作業が容易に行える操作性を改善した入浴装置を提供することにある。
上記の目的を実現する為、本発明では、一側方に開口部2が形成された浴槽1と、貯湯槽13とを有し、開口部2から車椅子3を浴槽1内へ挿入し、開口部2を車椅子3で水密保持する入浴装置において、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部を固定する第一の固定手段5と、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部を固定する第二の固定手段6とを具備した。
そして、第一の固定手段5による固定機能を、車椅子3を浴槽1の内方所定位置にまで進入させると自動的に作動するものとし、第二の固定手段6による固定機能を、第一の固定手段5の固定機能が作動状態にある時のみ作動可能とされるものとした。
又、第一の固定手段5及び第二の固定手段6によって浴槽1と車椅子3とが固定された状態にある時のみ貯湯槽13から浴槽1への湯水移送を可能とした。
更に、第二の固定手段6による浴槽1と車椅子3との固定機能は、浴槽1内の湯水の水位が所定高さ位置未満の状態にある時のみ解除可能とされるものとした。
更に又、第一の固定手段5の固定機能を解除する操作手段12を、車椅子3の背凭れ部4の裏側面に設けた。
又、第一の固定手段5を、車椅子3の背凭れ部4の左右側面位置にそれぞれ進退移動可能に設けられたロックピン7と浴槽1の左右側壁1a・1bの内壁面に設けられた前記ロックピン7が嵌入する孔8とから構成し、第二の固定手段6を、浴槽1の下方外部に設けた電動アクチュエーター9と、該電動アクチュエーター9の伸縮自在なロッド10先端部と浴槽1の底壁1cとに軸着された押圧片11と、背凭れ部4の下端に設けられ押圧片11を受け止める受止部材50とから構成した。
更に、背凭れ部4の表側面に対するロックピン7の位置を調整する第一の調整手段47と、背凭れ部4の表側面に対する受止部材50の位置を調整する第二の調整手段48とを具備し、孔8の位置調整と、ロッド10の伸長量調整の少なくともどちらか一方を可能とした。
本発明は、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部を固定する第一の固定手段5と、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部を固定する第二の固定手段6とを具備したものであるから、ロック箇所を全四箇所位置とした従来技術に比して、本発明では固定箇所を全三箇所位置に減少させることができ、更に、浴槽1内に給湯された湯圧に耐え、且つ湯を浴槽1外へ漏出させない為に最も効果的な固定箇所の配置とすることにより第一の固定手段6及び第二の固定手段6に係る構成を簡素化・小型化でき、故に製造コストも軽減できる。
本発明では、第一の固定手段5による固定機能を、車椅子3を浴槽1の内方所定位置にまで進入させると自動的に作動するものとしたので、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部との固定作業に特別な操作を必要とせず、容易に固定作業ができ、故に介助者の作業負担を軽減できる。又、入浴装置の操作に不慣れな介助者も容易に固定作業が行え、好都合である。
本発明は、第二の固定手段6による固定機能が、第一の固定手段5の固定機能が作動状態にある時のみ作動可能とされるものであり、第一の固定手段5により浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部とを固定し位置決めをした後、第二の固定手段6による浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部との固定機能が作動可能とされるので、第一の固定手段5による前記固定が不十分な時に、第二の固定手段6を誤って作動させ車椅子3の不適切な箇所を固定した結果、車椅子3を破損してしまうといった不都合な事態を未然に防止することができる。
又、介助者は、第二の固定手段6による固定機能の作動開始時に、第一の固定手段5による固定機能が正常に作動していないことを確認でき、第一の固定手段5による固定が不十分なまま第二の固定手段6の固定操作を行うことはなく、故に、浴槽1と車椅子3との固定が不完全な場合に貯湯槽13から浴槽1への湯水移送を行い湯水を浴室に漏出してしまうといった不都合な事態を回避できる。
本発明は、第一の固定手段5及び第二の固定手段6によって浴槽1と車椅子3とが固定された状態にある時のみ貯湯槽13から浴槽1への湯水移送を可能としたものであるから、介助者は浴槽1と車椅子3との固定が不完全な場合に貯湯槽13から浴槽1への湯水移送を行い湯水を浴室に漏出してしまうといった不都合な事態を回避できる。
本発明は、第二の固定手段6による浴槽1と車椅子3との固定機能が、浴槽1内の湯水の水位が所定高さ位置未満の状態にある時のみ解除されるものであるから、介助者が操作を誤り浴槽1内に湯水が多量に存在するにも拘らず第二の固定手段6の固定機能を解除させた結果、浴槽1内の湯水を浴室内へ漏出してしまうといった不都合な事態も回避できる。
本発明は、第一の固定手段5の固定機能を解除する操作手段12を、車椅子3の背凭れ部4の裏側位置に設けたものであるから、介助者が、第一の固定手段5の固定機能を解除する操作を車椅子3の背面側から簡単に操作でき、入退浴作業の妨げとならない。
本発明は、第一の固定手段5を、車椅子3の背凭れ部4の左右側面位置にそれぞれ進退移動可能に設けられたロックピン7と浴槽1の左右側壁1a・1bの内壁面に設けられた前記ロックピン7が嵌入する孔8とから構成し、第二の固定手段6を、浴槽1の下方外部に設けた電動アクチュエーター9と、該電動アクチュエーター9の伸縮自在なロッド10先端部と浴槽1の底壁1cとに軸着された押圧片11と、背凭れ部4の下端に螺着され押圧片11を受け止める受止部材50とから構成したものであるから、従来技術の封水保持装置に比して、第一の固定手段5及び第二の固定手段6に係る構成を簡素化・小型化でき、故に製造コストも軽減できる。
本発明は、背凭れ部4の表側面に対するロックピン7の位置を調整する第一の調整手段47を具備したものであるから、ロックピン7を浴槽1の孔8に嵌入した際に、浴槽1の開口部2の接合面53と背凭れ部2の表側面に形成される左・右平坦面64a・64bの上部との間に僅かな空隙が生じてしまった場合にも、ロックピン7の位置を微調整する、即ち、ロックピン7の位置を背凭れ部4の表側面から離間する方向に移動させることにより、接合面53と背凭れ部4の左・右平坦面64a・64bの上部とを当接させ容易に閉塞状態となすことができ、浴槽1内の湯水を浴室内に漏出してしまうといった不都合な事態が発生しない。
又、ロックピン7が背凭れ部4の表側面寄りの方向に位置する不適切な状態のまま入浴装置22を使用すると、接合面53に背凭れ部4を当接し閉塞状態とする際に、接合面53に貼着されたシール材23に過度の押圧力が加わり、シール材23の摩耗を促進してしまうといった問題が発生するが、本発明の構成によれば、ロックピン7の位置の微調整が可能なので、前記の問題を容易に解消することができる。
本発明は、背凭れ部4の表側面に対する受止部材50の位置を調整する第二の調整手段48を具備したものであるから、押圧片11が受止部材50により適切に受け止めされない状態時には、受止部材50の位置を背凭れ部4の表側面に対して適宜前後方向に微調整することにより、適切な受け止め状態になすことが容易にでき、故に、接合面53を車椅子3の背凭れ部4で確実に閉塞状態とすることができる。本発明の第一の調整手段47及び第二の調整手段48は、特に、一槽の浴槽1に、複数台の車椅子3をローテーションさせながら複数の入浴者を交互に入浴させる場合に、効果を発揮する。
本発明は、孔8の位置調整と、ロッド10の伸長量調整の少なくともどちらか一方を可能としたとしたものであるから、ロックピン7を浴槽1の孔8に嵌入した際に、浴槽1の開口部2の接合面53と背凭れ部2の左・右平坦面64a・64bの上部との間に僅かな空隙が生じてしまった場合にも、孔8の位置を微調整する、即ち、孔8の位置を背凭れ部4の表側面から離間する方向(浴槽の奥側方向)に移動させることにより、接合面53と背凭れ部4の左・右平坦面64a・64bの上部とを当接させ容易に閉塞状態となすことができ、浴槽1内の湯水を浴室内に漏出してしまうといった不都合な事態が発生しない。
又、押圧片11により背凭れ部6が適切に押圧固定されない状態時には、ロッド10の伸長量を適宜増減させることにより、適切な押圧固定状態になすことが容易にでき、故に、接合面53を車椅子3の背凭れ部4で確実に閉塞状態とすることができる。本発明は、特に、一台の車椅子3を、複数個配設される浴槽1のいずれにも容易に適用可能とすることができ、好都合である。
浴槽1の開口部2を車椅子3で閉塞状態にする構成を簡素化するという目的を、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部を固定する第一の固定手段5と、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部を固定する第二の固定手段6とを併用し、第一の固定手段5による固定機能を、車椅子3を浴槽1の内方所定位置にまで進入させると自動的に作動するものとすることにより実現した。
以下、本発明の実施例1を図1乃至12を参照して説明する。
図1は、浴槽1内に車椅子3を挿入する前の状態の入浴装置22の外観を示す全体斜視図、図2は、浴槽1を開口部2方向から見た正面図である。図3は、浴槽1内に車椅子3を挿入した後の入浴装置22の外観を示す全体斜視図である。入浴装置22は、一側方に開口部2が形成された浴槽1と入浴者を載せる車椅子3とから構成される。
浴槽1には貯湯槽13が一体的に形成される。前記開口部2は、浴槽1の左右側壁1a・1bの内側面に開口部2側から浴槽1の奥側方向に向かって傾斜状に形成された左右内側壁1aa・1bbと底壁1cとで構成される接合面53を有し、該接合面53には後述する車椅子3の背凭れ部4に形成される左・右・下平坦面64a・64b・64cが当接可能となっている。尚、接合面53の周縁には、接合面53に沿って接合面53と背凭れ部4との水密状態を維持する為のシール材23が貼着される。尚、シール材23は、車椅子3の背凭れ部4の左・右・下平坦面64a・64b・64cの周縁に貼着してもよい。
又、浴槽1の底壁1cの内側には、開口部2と反対側位置に段部54が形成される。段部54を形成することにより浴槽1の容積を減少させることができ、貯湯槽13から浴槽1へ移送する湯水の省湯量化が図れる。
図2中、56a及び56bは入浴者の両肩に向かって浴湯を噴出する肩掛けシャワーノズル、57a乃至57dは浴槽1内に向かって噴流を吐出する噴流ノズルである。
図4は、入浴装置22の配管系統及び電気的信号の流れの一部を模式的に示す図である。貯湯槽13の吸入口33と浴槽1の給湯口35とはポンプ24を介して給湯配管25にて連通接続される。吸入口33とポンプ24の吸込口側を接続する給湯配管25aにモーターバルブ34aが配設され、ポンプ24の吐出口側と給湯口35とを接続する給湯配管25bにモーターバルブ34bが配設される。
モーターバルブ34aの下流側の給湯配管25aから給排湯配管36が分岐して設けられ、給排湯配管36は中途位置において分岐し浴槽1の給排湯口37に接続される。給排湯配管36にはモーターバルブ34c及び排湯用のモーターバルブ34dが配設される。モーターバルブ34bの上流側の給湯配管25bから排湯配管38が分岐して設けられ、排湯配管38に排湯用のモーターバルブ34eが設けられる。尚、貯湯槽13には、湯水供給源から供給される湯水を貯湯槽13へ至らせる図示しない配管が接続されている。
貯湯槽13の側壁内側の下方・上方位置にそれぞれ二基の水位センサ(=具体的には、静電容量型近接センサ)16a・16bが固着される。水位センサ16a・16bはそれぞれ貯湯槽13内の下限水位・上限水位を検出する為のものである。
浴槽1内部には、6基の水位センサ17a・17b・17c・17d・17e・17f(具体的には、静電容量型近接センサ)が固着される。前記6基の水位センサ17群は、床面52を基準面として水位センサ17a<17b<17c<17d<17e<17fの高さ位置の順序で固着されている。水位センサ17aは浴槽1内の下限水位を検出し、水位センサ17fは浴槽1内の上限水位を検出するためのものである。水位センサ17bはポンプ24の作動を許容する浴槽1内の水位を検出するためのものである。
水位センサ17c・17d・17eはそれぞれ浴槽1内の水位を「低」・「中」・「高」レベルとして検出するものである。
入浴装置22に具備される制御部14は、前記水位センサ16群からの信号を適宜得て、貯湯槽13への貯湯作動を制御し、又、前記水位センサ16・17群からの信号を得て前記ポンプ24のON/OFF及び前記モーターバルブ34群の開閉を制御し、貯湯槽13から浴槽1への湯水の移送作動及び浴槽1内の湯水の排水作動等を制御する。更に、制御部14は、後述する浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右上部位置とを固定する第一の固定手段5の作動・非作動状態に係る信号、浴槽1及び貯湯槽13に固着される水位センサ16・17群からの信号を得て、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部とを固定する第二の固定手段6の作動を制御する。
図5は車椅子3の下肢支持部29を下降させた状態を示す右側面図、図6は車椅子3の下肢支持部29を上昇させた状態を示す右側面図、図7は車椅子3の下肢支持部29を上昇させた状態を示す平面図である。
車椅子3は、キャスターを有する平面視コ字形状の台車部26の台車フレーム70に右斜め上方向に略50°の角度に固設された背凭れ部4と、該背凭れ部4に固設された座席部27と、該座席部27の左右両側位置に設けられ手動で回動可能な左・右回動腕28a・28bと、該左・右回動腕28a・28bの先端部に左・右回動腕28a・28bに対して起倒可能に軸着され入浴者の下肢を支持する下肢支持部29とからなる。
前記背凭れ部4は、FRP製の表側部材65と裏側部材71とが接合されて形成される。背凭れ部3の表側部材65には、中央部に入浴者の背中部分及び頭部分が載置される載置部42が隆起状に一体成形され、表側部材65の左右側部及び下部には浴槽1の開口部2に形成される接合面53と密接可能に平坦面64が形成される。前記平坦面64は、左平坦面64aと右平坦面64bと下平坦面64cとから構成される。
前記座席部27は、背凭れ部4の表側面左右位置に固着された座席支持枠30に被覆部材31が螺着されてなる。左右の座席支持枠30に、板状部材32が被覆部材31面に対して垂直方向に取着され、前記板状部材31に左・右回動腕28a・28bの基端部が回動自在に軸着される。回動腕28は板状部材31に設けられる図示しない係止固定手段を介して所定の上昇位置Dにて固定可能とされる(図6参照)。
下肢支持部29は下肢支持枠44に被覆部材45が螺着されてなり、下肢支持枠44の基端部は回動腕28の内側先端部に軸着されている。下肢支持枠44の先端部には脚裏当て46が下肢支持枠44に対して左斜め上方向に略45°の角度にて螺着される。
図5中、41は、板状部材32に覆設される保護カバー、43は背凭れ部4と座面支持枠30とに固着された把手、49は座席部27に着座した入浴者の上肢を背凭れ部4に固定する上肢固定ベルトである。
図7に示すように背凭れ部4の左右側面の上方位置には左右方向(背凭れ部4の横幅方向)に向かってそれぞれ進退可能に左・右ロックピン7a・7bが突設される。背凭れ部4の裏側位置に、前記ロックピン7の進退移動を操作する操作手段12としての操作レバー20が設けられる。
図8に、操作手段12に係る内部機構を表わした部分斜視図を示す。操作レバー20は、平面視コ字形状の部材20aの開口部側の先端位置に入浴者が把持する棒状の部材20bが横架されてなる。前記部材20aは、背凭れ部4の表側部材65の左右方向に亘って横架される背凭れフレーム21aの中央部に取着されるガイド部材59に前後移動可能に挿入され、部材20aはガイド部材59にバネ60で連結され、該バネ60により常時表側部材65方向に付勢されている。
左・右ロックピン7a・7bは、それぞれ表側部材65の左右上方位置に設けられる略三角形形状の背凭れフレーム21bに螺着されたパイプ材58・58に嵌通される。前記部材20aの左右側方位置に背凭れフレーム21aから下方方向に向かってピン61・61が螺着され、該ピン61・61に略V字形状のリンク片62・62の基端部が回動可能に取着されている。各リンク片62のロックピン7側の一方辺62aとロックピン7の基端部とがワイヤー18にて連結されている。
左・右ロックピン7a・7bはそれぞれ背凭れフレーム21aに取着されたバネ19・バネ(図示省略)によって外側方向に常時付勢され、各リンク片62の一方辺62aは前記バネ19によって外側方向に付勢されている。各リンク片62の他方辺62bは、部材20aの左右端位置に上方方向に向かって突出形成された突状部63に当接している。
介助者が操作レバー20を把持し手前方向に引き出すと、操作レバー20はバネ60の付勢力に抗して背凭れ部4の表側部材65と離間する方向に移動すると同時に、リンク片62の他方辺62bが突起部63により押されリンク片62が背凭れ部4の中央方向に回転する。これにより、左・右ロックピン7a・7bはバネ19の付勢力に抗してパイプ材58の内部方向に退入する。介助者が操作レバー20を離すと、操作レバー20はバネ60により表側部材65に接近する方向に付勢移動すると共に、各リンク片62がバネ19に引っ張られ外側方向に逆回転すると共にロックピン7がパイプ材58の外側方向に進出する。
次に、車椅子3に設けられる背凭れ部4の表側面に対するロックピン7の位置を調整する第一の調整手段47について述べる。図9は、図7におけるA−A線方向の部分断面図である。ロックピン7が挿通されるパイプ材58の基端側には板状部58aと、該板状部58aの一端から延出される棒状部58bとが一体的に形成される。前記板状部58aには二箇所長孔66が開設される。
パイプ材58の板状部58a上側から前記二箇所の長孔66にそれぞれ止着具67(ボルト)を挿入し、背凭れフレーム21bにパイプ材58を止着固定する。パイプ材58の棒状部58bの先端側は、パイプ材58の位置調整を妨げないよう背凭れフレーム21bに掛止される。
従って、ロックピン7の位置を、背凭れ部4の表側面(表側部材65)に対して前後方向(図9中の矢印方向)に調整する時は、2箇所の止着具67を緩め、パイプ材58を背凭れフレーム21b面に沿って移動させロックピン7の位置決めを行った後、止着具67を締め、パイプ材58を背凭れフレーム21bに固定する。
浴槽1と、車椅子3の背凭れ部4との固定は、以下の二つの手段により行う。一つは、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部を固定する第一の固定手段5であり、もう一つは浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部を固定する第二の固定手段6である。
第一の固定手段5は、車椅子側に設けられる前記左・右ロックピン7a・7bと、浴槽側に設けられる左孔(図示省略)・右孔8aとから構成される。
浴槽1の接合面53より前方方向に突出して設けられた左右側壁1a・1bの内側上方位置にそれぞれ略L字形状の左・右補強部材55a・55bが取着される(図2参照)。図10に、補強部材55bの部分斜視図を示す。図10に示すように、右補強部材55bに左ロックピン7aが嵌入する右孔8aが貫設される。尚、図示を省略するが、左補強部材55aには右ロックピン7bが嵌入する左孔が貫設される。
前記左・右補強部材55a・55bは、浴槽1の左右側壁1a・1bに対して前後方向に移動して再取着可能になされており、従って、ロックピン7を浴槽1の孔8に嵌入した際に、浴槽1の開口部2の接合面53と背凭れ部4の左・右平坦面64a・64bの上部との間に僅かな空隙が生じてしまった場合にも、孔8の位置を微調整する、即ち、孔8の位置を背凭れ部4の表側面から離間する方向(浴槽の奥側方向)に移動させることにより、接合面53と背凭れ部4の左・右平坦面64a・64bの上部とを当接させ容易に閉塞状態となすことができる。
図10に示されるように補強部材55bに貫設される孔8bは、浴槽1の右内側壁1bbの傾斜角度と略同一角度方向に伸長形成される長孔である。従って、浴槽1と車椅子3の固定の際に、床面52の勾配等により浴槽1と車椅子3の高さ位置に多少ずれが生じたとしても、開口部2の接合面53と背凭れ部4の平坦面64との面間距離は常に一定に維持される。
左孔・右孔8a位置に対応する左・右補強部材55a・55bの所定位置にはそれぞれリミットスイッチ15が取着される。リミットスイッチ15から出力される電気的信号は制御部14に送信され、リミットスイッチ15からの信号を得た制御部14により後述する第二の固定手段6による浴槽1と車椅子3との固定作動が許容されるよう電気的配線が施されている。即ち、左・右ロックピン7a・7bがそれぞれ左孔・右孔8aへ嵌入作動することにより、リミットスイッチ15がONとなり、リミットスイッチ15のON信号が制御部14に送信され、制御部14により第二の固定手段6の固定作動が許容される。
図11は、入浴装置22の第二の固定手段6を示す部分斜視図である。浴槽1の底壁1cの下方位置には、底壁1cと浴槽1内に挿入された車椅子3の背凭れ部4の下部とを固定する第二の固定手段6が配置される。
第二の固定手段6は、底壁1cの下方外面に固着された電動アクチュエーター9と、該電動アクチュエーター9の伸縮自在なロッド10の先端部と底壁1cの端面とに軸着される押圧片11と、車椅子3の背凭れ部4の下端の背凭れフレーム21cに螺着され押圧片11の押圧を受け止める受止部材50とから構成される。従って、電動アクチュエーター9のロッド10の伸長作動が開始されると、押圧片11の先端部11aが左回転し受止部材50に当接する。更に、ロッド10の伸長作動が行われると、押圧片11により受止部材50が押圧され、浴槽1の底壁1cに車椅子3の背凭れ部4の下部が押圧固定される。上述した第一の固定手段5と第二の固定手段6とにより浴槽1の開口部2が車椅子3の背凭れ部4で閉塞されることになる。ロッド10を収縮作動させれば、先端部11aが逆回転し受止部材50から離間し、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部との固定が解除される。
ロッド10を伸長作動させ、押圧片11により受止部材50を押圧し、浴槽1の底壁1cに車椅子3の背凭れ部4の下部を押圧固定する際に、ロッド10の伸長量が小さく押圧片11により受止部材50を十分に押圧できない場合には、ロッド10の伸長量を増大させる調整が可能となっている。又、前記の場合とは逆に、ロッド10の伸長量が大き過ぎる場合には、ロッド10の伸長量を減少させる調整も可能となっている。ロッド10の伸長量の適宜な増減調整により、一台の車椅子3を、複数個配設される浴槽1のいずれにも容易に適用可能とすることができ、好都合である。
上述した電動アクチュエーター9のロッド10の伸長作動は、ロックピン7が孔8へ嵌入した状態であって、貯湯槽13内の水位が水位センサ16bの高さ位置以上に至っている状態(満水状態)の時、即ち、リミットスイッチ15のON信号及び水位センサ16bのON信号が制御部14へ入力されている時のみ、制御部14により許容される。
制御部14は電動アクチュエーター9の伸長作動中、常時電動アクチュエーター9への駆動電流値を検出している。ここで、電動アクチュエーター9のロッド10が伸長され、所定の伸長位置に至ると電動アクチュエーター9に内蔵された図示しないリミットスイッチがONとなり、電動アクチュエーター9へは駆動電流が流れなくなる。制御部14は前記状態を検知し、第二の固定手段6による固定が完了された状態と判断し、貯湯槽13から浴槽1への湯移送制御を可能にする。尚、図示を省略するが、ロッド10の伸長作動の停止を、ロッド10の伸長作動により浴槽1の底壁1cに取着したリミットスイッチが押下されることで行うようにしてもよい。
浴槽1内の湯水排出作動により浴槽1内の水位が減少し水位センサ17aの高さ位置未満になると、水位センサ17aのOFF信号が制御部14に入力され、制御部14により電動アクチュエーター9のロッド10の収縮作動が許容される。ロッド10が所定の収縮位置にまで達すると、電動アクチュエーター9の作動が停止される。
又、車椅子3には、背凭れ部4の表側面に対する受止部材50の位置を調整する第二の調整手段48が設けられる。図12は、図6におけるB−B線方向の部分断面図である。受止部材50は、その両端を止着具68で背凭れフレーム21cに止着される。止着具68は、具体的には背凭れフレーム21cに取着されたボルトと、ナットとからなる。
背凭れ部4の表側面(表側部材65)に対する受止部材50の位置を調整する際は、ナットを緩め、背凭れフレーム21cに対する受止部材50の位置を適宜調整した後、ナットを締め前記位置にて受止部材50を固定する。背凭れフレーム21cと受止部材50との距離を一定に保持する為、受止部材50の二乃至三箇所位置を押しボルト69で背凭れフレーム21c方向に押圧している。尚、図12は受止部材50の二箇所位置を押しボルト69で押圧した状態を示した図である。
入浴装置22を用いて、入浴者を入浴させる場合、先ず貯湯槽13へ湯水を所定量貯湯する。次に、介助者は、図示を省略するが下肢支持部29を回動腕28に対して手動にて倒伏作動させ入浴者を他機器から車椅子3の座席部27へ移乗させる。下肢支持部29を起立作動させ、入浴者の下肢を下肢支持部29上に載置する。入浴者の上肢を上肢固定ベルト49にて背凭れ部4に固定する。下降位置C(図5)になっている下肢支持部29を手動にて持ち上げ、下肢支持部29を所定の上昇位置D(図6)にて固定する。
この状態で介助者は車椅子3の背凭れ部4の裏側位置に設けられた押しハンドル39を操作し、車椅子3を床面52上を走行させる。車椅子3を浴槽1の開口部2付近に配置し、開口部2方向に延出し左右側壁1a・1bに沿って平行に取着されたガイドレール40・40に台車フレーム70を当接させながら、車椅子3を開口部2側から浴槽1内へ進入させる。この時、台車部26は、底壁1cの下方外部に位置し、座席部27及び下肢支持部29が浴槽1内に位置する。尚、車椅子3の下肢支持部29は上昇位置に固定されているので、浴槽1の内方に挿入された場合にも底壁1cに形成された段部54に衝突することはない。
車椅子3を浴槽1の内方所定位置にまで進入させると、ロックピン7が孔8に自動的に嵌入し、車椅子3の背凭れ部4の上部と浴槽1とが固定される。次に、電動アクチュエーター9のロッド10を伸長作動させ、押圧片11にて受止部材50を押圧すると、背凭れ部4の左平坦面64a・右平坦面64b・下平坦面64cがそれぞれ浴槽1の右内側壁1bb・左内側壁1aa・底壁1cに当接され、浴槽1の開口部2が車椅子3の背凭れ部4で閉塞される。
前記閉塞状態になした直後は、モーターバルブ34a・34d・34eが閉弁され、モーターバルブ34b・34cが開弁された状態となるよう制御部14にて制御されている。
この時、介助者により操作パネル51面に装備された図示しない給湯スイッチが押下され制御部14が初期給湯開始の信号を受けると、制御部14によりモーターバルブ34aが開弁され、貯湯槽13内の湯水が給湯配管25及び給排湯配管36を経由して浴槽1内へ自然流入し移送される。水位センサ17bが浴槽1内に移送された湯の水位を検出するまで、ポンプ24は作動しない。
水位センサ17bが湯水位を検出すると同時に、モーターバルブ34cが閉弁され、ポンプ24の作動が開始され、ポンプ24の作動により給湯配管25を経由して浴槽1内へ湯移送がなされる。介助者にて設定された水位(「低」・「中」・「高」レベル水位のいずれか)にまで浴槽1内の湯水が達すると制御部14によりモーターバルブ34aが閉弁され、モーターバルブ34cが開弁され、ポンプ24の作動が停止され、初期給湯が完了する。
入浴が完了し入浴者を退浴させる場合、浴槽1内の現在水位が水位センサ17bの高さ位置以上の時に、操作パネル51面に装備された図示しない浴槽排水スイッチが押下され浴槽排水の信号が制御部14に入力されると、制御部14によりモーターバルブ34bが閉弁され、モーターバルブ34eが開弁され、ポンプ24の作動が開始され、該ポンプ24の作動により浴槽1内の湯水は給排湯配管36から給湯配管25を経由して排湯配管38へと導かれた後、入浴装置22外へ強制排出される。
浴槽1内の現在水位が水位センサ17bの高さ位置未満になると、ポンプ24の作動が停止され、モーターバルブ34b・34dが開弁され、浴槽1内の湯水が給排湯口37から給排湯配管36を経由すると同時に給湯口35から排湯配管38を経由して入浴装置22外へ自然排出される。
上述した浴槽1内の湯水排出作動により浴槽1内の水位が減少し水位センサ17aの高さ位置未満になると、ロッド10の収縮作動が許容されるので、介助者は、ロッド10を収縮させ、押圧片11による受止部材50の押圧固定を解除し、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部との固定を解除する。次に、車椅子3の操作レバー20を手前方向に引き、ロックピン7を孔8から抜脱し、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部との固定を解除し、車椅子3を浴槽1内から退出させる。
介助者は、上昇位置Dにある下肢支持部29を、手動にて下降位置Cにまで下降させる。下肢支持部29を回動腕28に対して倒伏作動させ、上肢固定ベルト49を入浴者から解き、入浴者を車椅子3から他機器へ移乗し、入浴を完了する。
一槽の浴槽1に、複数台の車椅子3をローテーションさせながら複数の入浴者を順次交互に入浴させる場合には、事前に、前述した車椅子3に設けられる第一の調整手段47と第二の調整手段48を用いて、浴槽1の接合面53と車椅子3の背凭れ部4に形成される平坦面64とが閉塞状態となるよう適宜調整を施す。
又、一台の車椅子3を、浴室に複数個配設される浴槽1のうち未使用状態にある一槽に適用して使用する場合、浴槽1に設けられる孔8の位置調整とロッド10の伸長量調整を適宜行い、浴槽1の接合面53と背凭れ部4に形成される平坦面64とが適切な閉塞状態となるようにする。
尚、第一の調整手段47と第二の調整手段48、孔8の位置調整とロッド10の伸長量調整のどちらか一組だけの調整ではなく、例えば、第一の調整手段47とロッド10の伸長量調整のように両者を適宜組み合せ、最適な閉塞状態を実現するよう調整を行ってもよい。
本発明は、一側方に開口部が形成された浴槽と、貯湯槽とを有し、開口部から車椅子を浴槽内へ挿入し、開口部を車椅子で水密保持する入浴装置に適用できる。
本発明の浴槽内に車椅子を挿入する前状態の入浴装置の外観を示す全体斜視図である。 本発明の浴槽を開口部方向から見た正面図である。 本発明の浴槽内に車椅子を挿入した後状態の入浴装置の外観を示す全体斜視図である。 本発明の入浴装置の配管系統及び電気的信号の流れの一部を模式的に示す図である。 本発明の下肢支持部を下降させた状態の車椅子を示す右側面図である。 本発明の下肢支持部を上昇させた状態の車椅子を示す右側面図である。 本発明の下肢支持部を上昇させた状態の車椅子を示す平面図である。 本発明の操作手段に係る内部機構を示す部分斜視図である。 図7におけるA−A矢視断面図である。 本発明の浴槽に設けられる補強部材を示す部分斜視図である。 本発明の入浴装置の第二の固定手段を示す部分斜視図である。 図6におけるB−B矢視断面図である。
符号の説明
1 浴槽
1a 左側壁
1b 右側壁
1c 底壁
2 開口部
3 車椅子
4 背凭れ部
5 第一の固定手段
6 第二の固定手段
7 ロックピン
8 孔
9 電動アクチュエーター
10 ロッド
11 押圧片
12 操作手段
13 貯湯槽
47 第一の調整手段
48 第二の調整手段
50 受止部材

Claims (9)

  1. 一側方に開口部2が形成された浴槽1と、貯湯槽13とを有し、開口部2から車椅子3を浴槽1内へ挿入し、開口部2を車椅子3で水密保持する入浴装置において、浴槽1の左右側壁1a・1bと車椅子3の背凭れ部4の左右側上部を固定する第一の固定手段5と、浴槽1の底壁1cと車椅子3の背凭れ部4の下部を固定する第二の固定手段6とを具備することを特徴とする入浴装置。
  2. 第一の固定手段5による固定機能は、車椅子3を浴槽1の内方所定位置にまで進入させると自動的に作動することを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  3. 第二の固定手段6による固定機能は、第一の固定手段5の固定機能が作動状態にある時のみ作動可能とされることを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  4. 第一の固定手段5及び第二の固定手段6によって浴槽1と車椅子3とが固定された状態にある時のみ貯湯槽13から浴槽1への湯水移送を可能とすることを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  5. 第二の固定手段6による固定機能は、浴槽1内の湯水の水位が所定高さ位置未満の状態にある時のみ解除可能とされることを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  6. 第一の固定手段5の固定機能を解除する操作手段12を、車椅子3の背凭れ部4の裏側位置に設けたことを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  7. 第一の固定手段5を、車椅子3の背凭れ部4の左右側面位置にそれぞれ進退移動可能に設けられたロックピン7と浴槽1の左右側壁1a・1bの内壁面に設けられた前記ロックピン7が嵌入する孔8とから構成し、第二の固定手段6を、浴槽1の下方外部に設けた電動アクチュエーター9と、該電動アクチュエーター9の伸縮自在なロッド10先端部と浴槽1の底壁1cとに軸着された押圧片11と、背凭れ部4の下端に設けられ押圧片11を受け止める受止部材50とから構成したことを特徴とする請求項1記載の入浴装置。
  8. 車椅子3に、背凭れ部4の表側面に対するロックピン7の位置を調整する第一の調整手段47と、背凭れ部4の表側面に対する受止部材50の位置を調整する第二の調整手段48とを具備したことを特徴とする請求項7記載の入浴装置。
  9. 孔8の位置調整と、ロッド10の伸長量調整の少なくともどちらか一方を可能としたことを特徴とする請求項7記載の入浴装置。


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