〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図22に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態に係る写真プリント装置1は、利用者の写真を撮影する機能(撮影機能)、撮影した写真に対して落書きなどの編集を利用者に行わせる機能(編集機能)、及び編集された画像をプリントする機能(プリント機能)を備えているものである。なお、これらの機能は全て必須であるものではなく、例えば編集機能が省かれた構成とすることも可能である。
(写真プリント装置の外観的構成)
まず、図2を参照しながら、写真プリント装置1の外観について説明する。図2は、本実施形態に係る写真プリント装置1の斜視図である。図2に示すように、利用者を被写体として撮影するカメラユニット(撮影装置)2を備える本体装置3と、被写体の背景となる背景シート4とが配備されている。なお、本体装置3から背景シート4までの周囲および上部は、外部からの光を遮断する遮光幕によって覆われる。これにより利用者の写真を撮影する撮影空間5が形成される。この写真プリント装置1は撮影空間5にて編集処理も行われるものとするが、撮影空間と編集処理を行なう空間とが別々に設けられていてもかまわない。
装置本体3には、カメラユニット2、タッチパネル(表示装置)6、硬貨投入口7、硬貨返却口8、撮影後のプリントが排出されるプリント排出口9が設けられているが備えられている。また、本体装置3には、被写体を照明する照明装置10として、蛍光灯、ストロボランプ、反射板(これらは、装置本体3内に設置されているため、図示せず)、および拡散板11a・11bが配備される。なお、照明装置10の構成は上記には限定されない。また、タッチパネル付近にはタッチペン12a・12bが設けられている。また、撮影空間5内に、スピーカ(図示せず)が配備されている。また、紙幣投入口を備えた構成であってもよい。
また、写真プリント装置1には、撮影空間5に利用者がいることを撮影空間5の外に向けて表示するためのランプ等が外側に設けられていてもかまわない。また、撮影空間5に荷物置スペースや荷物掛けフック等が設けられていると、利用者は荷物を視界内に入れることができるので、置き引きを防止することができる。なお、上記設置物の配置位置は図面のものに限定されない。
タッチパネル6は、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。このタッチパネル6には、撮影処理および編集処理における各種メッセージや画像などが表示される。具体的には、タッチパネル6には、デモ画面、オープニング画面、課金処理指示画面、撮影処理および編集処理における各種操作内容等のメッセージや画像、落書きなどの画像編集処理時における編集対象の画像および各種編集ツールなどが表示される。また、撮影時の撮影画面などいわゆるライブビュー画像(動画像)が表示される。これにより、カメラユニット2に向かって撮影ポーズをとる利用者は、リアルタイムで自身の姿を視認することができ、自身のポーズを確認しながら、撮影処理を行なうことができる。
そして、タッチパネル6の近傍(図2ではタッチパネル6の左右)には、タッチペン12a・12bが備えられている。利用者は、このタッチペン12a・12bをタッチパネル6に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることが可能となる。ここで、図2に示すように、装置本体3には、タッチペン12a・12bが、2つ設置されていることにより、2人の利用者が同時に落書き処理などを入力することができる。
なお、ここでは、一つのタッチパネル6を撮影処理用及び編集処理用として設けているが、それぞれ別に設けてもかまわない。
硬貨投入口7は、利用者がプレイ料金として所定金額の硬貨を投入するための投入口である。硬貨返却口8は、釣り銭が生じた場合や、硬貨が投入された後でリセットされた場合に、硬貨を利用者に対して返却するための返却口である。また、装置本体3の内部には、利用者から徴収した硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)が設けられている。
プリント排出口9は、撮影処理および編集処理を終えた後に、後述のプリンタ(出力手段)25によって画像がプリントされた写真プリント紙が排出される箇所である。
背景シート4は、被写体の背景となるシートであって、本実施形態では、例えば無地のシートが用いられる。
蛍光灯(図示せず)は、撮影時の照明として機能するとともに、通常時の撮影空間5の照明としても機能する。具体的には、蛍光灯は、撮影時にカメラユニット2が撮影するライブビューにおける光量、つまり、利用者が撮影の構図やポーズを考えている期間の光量、を確保する。それとともに、例えば、「写りの良い写真がとれそう」という印象を利用者に与えるといったような、照明による撮影空間の演出を行なう。蛍光灯は、ここでは、本体装置3内において、カメラユニット2の両側に配備される。
ストロボランプ(図示せず)は、撮影時の写真閃光灯として機能するものであり、本体装置3内において、カメラユニット2の両側に配備される。
反射板(図示せず)は、蛍光灯やストロボランプからの光をその反射するよう機能するものであり、光を拡散板11a・11bの方向に導くように設置される。反射板は、反射面が、例えばステンレス等から構成され、形状としては、拡散板11a・11bに光を集められるような形状であればいよい。
拡散板11a・11bは、反射板にて反射された光を拡散して撮影空間5に出射するよう機能するものである。拡散板11a・11bは、例えば、薄い乳白色のアクリル板などによって構成されている。形状としては、本実施形態では、発光面が略平面状となっており、また、鉛直方向に長い長方形である。
なお、必要に応じて、照明装置10からの光量が変化したり、照明方向が変更したりするようになっていてもよい。
スピーカ(図示せず)は、利用者に対して各種操作上のガイダンス音声や効果音、BGM(back ground music)などを出力するものである。
(写真プリント装置の機能的説明)
次に、上記写真プリント装置1の機能的な構成について、図1に示すブロック図を参照しながら説明する。同図に示すように、写真プリント装置1は、前記したカメラユニット2、背景シート4、タッチパネル6、タッチペン12a・12b、及び照明装置10に加えて、制御装置40、記憶装置20、外部ディスクドライブ21、電源装置22、課金処理部23、IDタグリーダ/ライタ24、プリンタ(出力装置)25、受信部(受信装置)26、およびプリント紙ユニット30を備えている。
制御装置40は、写真プリント装置1内における上述した各種構成の動作を統括的に制御する。また、制御装置40は、分離処理部(分離手段)41、被写体数検出部(検出手段)42、背景画像指示部43、背景情報取得部44、配置指示情報取得部45、サイズ調整部(調整手段)46、画像合成部(合成手段)47、タッチパネル制御部48、判定部(判定手段)49、写真画像取得部(写真画像設定手段)50、画像編集処理部51、背景変更指示部52、画像挿入指示部53、および、書込処理部54を備えている。なお、制御装置40内の各部の処理内容については、後述する。
また、上記配置指示情報取得部45とタッチパネル制御部48とが、特許請求の範囲に記載の領域表示手段に対応する。さらに、背景画像指示部43と背景情報取得部44とが、特許請求の範囲に記載の選択手段に対応する。また、背景変更指示部52と背景情報取得部44とが、特許請求の範囲に記載の変更手段に対応する。さらに、画像挿入指示部53と背景情報取得部44とが、特許請求の範囲に記載の挿入手段に対応する。
制御装置40は、例えばPCベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディアに記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置40がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
記憶装置(記憶部)20は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。この記憶装置20に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラム、カメラユニット2における動作設定値、撮影した画像および編集した画像の画像データ、背景画像のデータ、配置指示画像のデータ、背景画像に応じた被写体の大きさに関するデータ(情報)等が挙げられる。カメラユニット2における動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時等に設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
ここで、配置指示画像とは、背景画像に応じた被写体の配置を示すための画像であって、背景画像の上に重ね合わせてタッチパネル6に表示される画像のことである。このように、配置指示画像を用いる理由は、以下の通りである。
背景画像によっては、被写体の配置が重要となる場合がある。つまり、背景画像によっては、被写体の最適な立ち位置やポーズが存在する場合がある。このような背景画像を用いる場合、被写体の配置が最適な配置からずれると、被写体と背景画像とのバランスが悪くなり、不自然な合成画像となってしまう。そこで、本実施の形態では、背景画像に応じた被写体の配置を示すための画像として、配置指示画像を用いる。
また、背景画像に応じた被写体の大きさに関する情報とは、背景画像に対する被写体の好適な大きさを示した情報を指す。つまり、背景画像によっては、背景画像に占める被写体の大きさを大きくした方がよいものや、逆に、小さくした方がよいものがあるため、予め、背景画像毎に、背景画像に応じた被写体の大きさに関する情報を持たせておく。
さらに、背景画像としては、2次元画像を3次元的に表示した画像を用いることが好ましい。このような背景画像を用いることにより、立体感のある出力画像を利用者に提供できる。さらに、3次元的に表示した画像の内、詳しくは後述するが、所謂トリック画像(だまし絵)を用いることが好ましい。
外部ディスクドライブ21は、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAMなどの外部ディスクを読み書きするドライブ装置である。外部ディスクドライブ21の代わりに、半導体メモリカードのリーダ/ライタなどを用いることもできる。なお、この外部ディスクドライブ21が、記憶装置の変わりに記憶部として、動作してもよい。
電源装置22は、写真プリント装置1内における上述した各種構成に対して電力供給を行なうためのものである。
課金処理部23は、硬貨投入口7からの代金投入、及び硬貨返却口8からの返却処理などを制御するものであり、利用者から徴収する課金に関する処理を行なうブロックである。課金処理部23による課金状況に応じて、制御装置40が該当利用者に対する動作を制御する。
IDタグリーダ/ライタ24及びプリンタ25は、プリンタユニットを構成しており、このプリンタユニットに対して、写真プリントの出力媒体となるプリント紙(プリント媒体)32及びIDタグ31がプリント紙ユニット30としてセットで納入されるようになっている。
プリンタ25は、出力すべき画像データが制御装置40から送られてくると、その画像データに基づいてプリント紙32に印刷を行なうものである。このプリンタ25としては、例えば昇華型プリンタが用いられる。なお、昇華型プリンタを用いる場合には、プリント紙32及びIDタグ31に加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
IDタグリーダ/ライタ24は、IDタグ31に記録されている各種識別情報を読み出して制御装置40に出力する。IDタグ31は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、及び、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
制御装置40は、IDタグリーダ/ライタ24で読取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙32及びインクフィルムが、当該写真プリント装置1において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ25を動作可能とする。すなわち、写真プリント装置1において指定されているプリント紙32及びインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
また、IDタグ31に記録されている用紙枚数情報に基づいて、プリント紙32を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを表示手段などによって警告するような構成としておけば、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。なお、用紙枚数をカウントダウンする際には、IDタグ31に記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ31に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ31を無効にすることが可能となる。
また、IDタグ31に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行なうことが可能となる。
IDタグ31としては、無線によりデータ通信を行なうことが可能な非接触型IDタグと、端子が設けられた接触型IDタグとがあり、IDタグリーダ/ライタ24としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
なお、上記の例では、IDタグを利用して利用可能なプリント紙であるか否かを確認するようになっているが、これに限定するものではなく、例えば、プリント紙及びインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。しかしながら、バーコードを用いる場合には、含めることのできる情報量が少ないことや、例えば用紙枚数のカウントダウンによる情報の書き換えができない、などの問題がある。
なお、上記のプリント紙32としては、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよいし、粘着シート及び該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートであってもよい。
なお、図示しないが、出入り口用に設けられた遮光膜(出入り口用カーテン)が制御装置40によって制御されるような構成でもよい。出入り口カーテンは、撮影処理時において外部からの光が撮影空間内に入ってくることを防ぐために設けられており、遮光性を有するシートなどによって構成されるものである。そして、制御装置40は、例えば、出入り口カーテンの開閉を次のように制御する。
まず、客待ち状態においては、出入り口カーテンを開放した状態に制御する。そして、利用者による所定の金額の投入が行われたことを課金処理部23が確認すると、この時点で出入り口カーテンを閉じる制御を行なう。このとき、例えば、撮影空間5に利用者がいることを撮影空間5の外に向けて知らせるための、接客ランプを点灯させてもよい。接客ランプは、例えば、撮影空間5に利用者がいる間には、撮影中との文字が点灯し、撮影空間5から利用者がいなくなれば、その文字が消灯するようになっていればよい。その後、制御装置40は、撮影処理、及び編集処理が終了したことが確認されると、この時点で出入り口カーテンを開放する制御を行なう。
また、出入り口カーテンが開放されているべき状態である時に利用者によって無理矢理カーテンが閉められようとされた場合や、出入り口カーテンが閉じられているべき状態である時に利用者によって無理矢理カーテンが開けられようとした場合には、周囲に聞こえるような音量で警報を発するとともに、撮影の進行を停止するように制御するようになっていてもよい。このようにすることによって、密閉空間での犯罪を防止したり、写真プリント装置に対するいたずらを防止したりすることができる。
また、図示しないが、上述した荷物置きスペースや荷物フックに、例えば重量センサなどを設けた構成としてもよい。この場合、利用者がこの荷物置きスペースに荷物を置いたり、荷物フックに荷物をかけたりすると、荷物が置かれたことを装置側で認識することが可能となる。よって、例えば撮影や編集終了後、所定の時間が経過した後も荷物が置かれた状態となっている場合には、利用者が荷物を忘れていることが予想されるので、利用者に対して荷物の置き忘れの警報を発することが可能となる。また、撮影や編集進行中において、荷物が取り除かれたことを検出した場合には、利用者がプレイに夢中になっている間に置き引きが行われたことが予想されるので、警報を発することが可能となる。
受信部26は、外部のサーバ90から送信されてくる背景画像を受信する。つまり、写真プリント装置1は、図3に示すとおり、受信部26を介して、インターネット等の通信網と接続されており、サーバからデータの取得が可能な構成となっている。なお、写真プリント装置1は、受信部26だけではなく、送信部を備えた構成として、自装置のデータをサーバ90に送信してもよい。
(全体処理の流れ)
次に、上記写真プリント装置1における処理の流れについて、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、ステップ1(以降、S1のように称する)において、紙幣および/または硬貨の投入があるか否かの確認を行なう。ここで、利用者による、紙幣の投入や硬貨投入口7から硬貨の投入があることを確認すると(S1においてYES)、次のS2に進む。ここで、紙幣や硬貨の投入を確認できない場合には(S1においてNO)、紙幣や硬貨の投入を待つ。すなわち、客待ち状態を維持する。この客待ち状態では、例えば、タッチパネル6に画面等を表示させておいてもよい。
S2では、撮影処理が行われる。つまり、写真撮影処理が行われ、静止画像が作成される。この撮影処理については、後述する。
そして、S3において、S2における撮影開始からの経過時間が設定時間(ここでは、2分)を超えたか否かを判断する。超えていない場合には(S3においてNO)、S2における撮影処理が繰り返し行われる。なお、ここでは、経過時間が2分をオーバーした場合に撮影処理の終了を行なう設定になっているが、例えば、撮影枚数が累積限度なった場合や、利用者によって撮影処理の終了指示が出されることにより、撮影処理が終了されるようになっていてもよい。ここで撮影処理によって生成された画像は、記憶装置20に記憶される。
S3において、経過時間が2分を超えたことが確認されると(S3においてYES)、S4に進む。
S4では、編集処理が行われる。ここでは、上記タッチパネル制御部48は、記憶装置20から編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像を読み出し、タッチパネル6に、編集対象となる画像、すなわち撮影処理によって生成された画像を表示させる。この画像に対してタッチペン12a.12bを用いて落書きなどの編集処理が行われる。この画像には、例えば、編集処理を行なうためのツール類の選択領域が表示されてもよい。ツール類としては、例えば複数の種類からなるペンおよびその色、消しゴム、および複数のスタンプなどが挙げられる。
また、編集対象となる画像には、編集対象となる画像を選択するための選択画像が表示されてもよい。利用者は、タッチペンによって選択画像をタッチすることによって、中央に編集対象として表示される画像を切り替えることが可能となっていてもよい。なお、この選択画像は、上記の撮影処理において、複数回の撮影が行われた場合の各撮影時における画像に相当するものである。
そして、S5において、S4における編集開始からの経過時間が設定時間(ここでは、2分)を超えたか否かを判断する。超えていない場合には(S5においてNO)、S4に戻って編集処理を継続する。なお、ここでは、経過時間が2分をオーバーした場合に撮影処理の終了を行なう設定になっているが、例えば、利用者によって編集処理の終了指示が出されることにより、編集処理が終了されるようになっていてもよい。この経過時間がある一定時間になった時点で、まだ編集処理が行われていない選択画像があれば、タッチパネル6に「落書き忘れ」の画像データがある旨の表示を行ってもよい。または、編集処理の時間を、編集処理を行なう対象の画像数で割って各画像に与えられた時間とし、各画像に与えられた時間が経過する毎に「次の画像の落書きをしない?」といった催促をタッチパネル6に表示させてもよい。上記のような表示により、利用者は、全ての画像に対して、編集処理忘れを防止することができる。また、利用者による編集処理の作業が終了すると、利用者の指示に基づいて、または自動的に、編集処理した各画像をどのような配置でプリント紙32に印刷するのかが決定されてもよい。
S5において、経過時間が2分を超えたことが確認されると(S5においてYES)、S6に進む。
S6では、印刷処理が行われる。S4において編集が施された画像データに基づいた画像を、プリンタ25がプリント紙32に対して出力し、このプリント紙がプリント排出口9から排出される。
以上のシーケンスによって、写真プリント装置1における一連の動作が終了する。
ここで、上記制御装置40内の各機能ブロック41〜54について図1に基づいて説明する。
分離処理部41は、まず、カメラユニット2で撮影された動画像を取得する。そして、取得した動画像から、リアルタイムに利用者である被写体の画像を分離する。つまり、カメラユニット2では、被写体の背景を含めて被写体の撮影が行われるため、分離処理部41により、カメラユニット2で撮影された画像から被写体画像(つまり、被写体画像の領域)を分離する。これにより、カメラユニット2で撮影された画像から、背景シート4の画像領域が除かれ、被写体画像のみが得られる。また、分離処理部41は、被写体画像が動画像中のどの位置を占めているかといった被写体画像の配置領域情報を、分離処理時に取得する。
そして、分離処理部41は、上記分離した被写体画像を、被写体数検出部42およびサイズ調整部46に送る。また、上記被写体画像の配置領域情報を、サイズ調整部46に送る。なお、本実施の形態では背景シート4を単色としているため、上記被写体画像の分離は、例えばクロマキー処理により行なえばよい。
被写体数検出部42は、分離処理部41から上記分離した被写体画像を取得する。そして、被写体数検出部42は、この被写体画像に基づいて、被写体画像に含まれる被写体の数を検出する。ここで、被写体の数の検出においては、例えば、テンプレートマッチングの手法を用いて行えばよい。また、被写体数検出部42は、検出した被写体の数を背景画像指示部43に送る。
なお、テンプレートマッチングとは、人の顔の配色(髪、目の色、唇の色、肌の色、これらの位置)および輪郭を再現したテンプレート画像を用意し、撮影動画像上に上記テンプレート画像を走査させ、上記テンプレート画像と類似する領域を検出することにより、撮影動画像における人体の顔面領域を検出する手法である。なお、被写体の数の算出は、テンプレートマッチングに限られるものではなく、被写体の数を算出する手法であればいかなる手法であっても構わない。
背景画像指示部43は、被写体の数の情報に基づいて、背景情報取得部44に対して、被写体の数に応じた背景の取得を指示する。ここで、被写体の数に応じた背景とは、被写体の数に適した背景のことを指している。つまり、背景によっては、被写体の数が一人であることが好ましい背景や、複数人であることが好ましい背景等が存在するため、背景画像指示部43が、背景情報取得部44に対して被写体の数に適した背景の取得を指示する。
背景情報取得部44は、まず、背景画像指示部43からの指示を受け付ける。そして、背景情報取得部44は、上記記憶装置20に記憶された背景から、被写体の数に応じた背景画像を取得する。なお、被写体の数に応じた背景画像の取得にあたっては、例えば記憶装置20内に背景画像と関連付けて、好ましい被写体の数等の情報を記憶させておき、この情報に基づいて取得すればよい。また、背景情報取得部44は、取得した背景画像に応じた被写体の大きさに関する情報も、背景画像とあわせて取得する。
そして、背景情報取得部44は、背景画像を取得した後、サイズ調整部46に対して、取得した背景画像を送る。また、背景情報取得部44は、背景画像とあわせて、背景画像に応じた被写体の大きさに関する情報についても、サイズ調整部46に送る。さらに、背景情報取得部44は、配置指示情報取得部45に対して、取得した背景画像を特定するための情報を通知する。ここで、背景画像を特定するための情報とは、記憶装置20に記憶されている背景画像のうち、どの背景画像を背景情報取得部44が取得したかを特定できる情報を指す。
なお、上記被写体の数に応じた背景画像を複数、一覧表としてタッチパネル6に表示させ、利用者に選択させる構成とすることがより好ましい。この場合、利用者は好みの背景画像を選択できることとなる。
配置指示情報取得部45は、背景情報取得部44から、上記背景画像を特定するための情報を受け付ける。そして、配置指示情報取得部45は、この情報に基づいて、記憶装置20から上述した配置指示画像を取得する。さらに、配置指示情報取得部45は、サイズ調整部46に対して、取得した配置指示画像を送る。
サイズ調整部46は、分離処理部41から被写体画像および被写体画像の配置領域情報を、背景情報取得部44から背景画像を、配置指示情報取得部45から配置指示画像を受け付ける。そして、サイズ調整部46は、上記被写体画像の大きさ、および、上記背景画像の大きさの少なくとも一方を調整する。なお、背景画像の大きさを調整する場合には、サイズ調整部46は、配置指示画像も背景画像と同じ比率で、その大きさを調整する。また、サイズ調整部46は、被写体画像の大きさを調整する場合には、被写体画像の配置領域情報も、被写体画像の調整に伴って変更する。なお、以下では、説明の便宜上、変更後の被写体画像の配置領域情報を、調整後の被写体画像の配置領域情報とも称する。
より詳しくは、サイズ調整部46は、被写体画像の大きさと背景画像の大きさとのバランスが保たれるように、少なくとも一方の画像の大きさを調整する。ここで、上記大きさの調整について説明する。
サイズ調整部46は、被写体を構成する要素(例えば、顔)の大きさ等に基づき、上記被写体画像の大きさを認識する。このように被写体画像の大きさを認識するのは、以下の理由による。つまり、カメラユニット2により、被写体の体全体が撮影されている場合と、被写体の顔部分のみがアップで撮影されている場合とでは、被写体画像の面積が例えば同じような値であっても、被写体を構成する要素の大きさは、両者において全く異なるものとなるためである。なお、この場合も、パターンマッチングの手法等を用いた上で、被写体画像の大きさ認識すればよい。
そして、サイズ調整部46は、上記被写体画像の大きさ、および、上述した、背景画像毎に定められた背景画像に応じた被写体に関する情報に基づいて、少なくとも一方の画像の大きさを調整する。例えば、被写体画像の大きさに合わせて、背景画像の大きさを調整したり、背景画像の大きさに合わせて、被写体画像の大きさを調整する。あるいは、背景画像の大きさ所定の大きさに調整した後、この調整後の背景画像に合わせて、被写体画像の大きさを調整する構成としてもよい。
なお、背景画像に関しては、背景画像の中心画素を基準として(つまり、中心画素位置を固定して)、大きさの調整を行なうことが好ましい。また、被写体画像に関しても同様に、上記分離処理前の動画像の中心画素に相当する位置を基準として、大きさ調整を行なうことが好ましい。
上記画像の大きさの調整を行った後、サイズ調整部46は、調整後の、背景画像、配置指示画像、および被写体画像を、画像合成部47に送る。また、判定部49に対して、調整後の、配置指示画像および被写体画像の配置領域情報を送る。
ところで、被写体画像の大きさ調整に関しては、被写体画像を、所謂デジタルズーム処理により調整してもよいし、カメラユニット2の焦点距離を変化させて画角を変更(所謂光学ズーム処理)してもよい。
また、上記画像の大きさ調整に関しては、利用者からの操作に応じて、少なくとも一方の画像の大きさを調整する構成としてもよい。この場合、例えば、タッチパネル6に、上記操作を受け付ける画面表示を行い、利用者からの操作を受け付ける構成としておけばよい。
また、背景画像を調整するのか、被写体画像を調整するのか、あるいは、背景画像および被写体画像を調整するのかは、利用者による判断、あるいは、装置の提供元が予め定めた設定に応じて、規定しておけばよい。さらには、被写体画像の大きさにより判断してもよい。
画像合成部47は、サイズ調整部46から、調整後の、背景画像、配置指示画像、および被写体画像を受け付ける。そして、画像合成部47は、これら3つの画像を合成する。この場合、画像合成部47は、背景画像、被写体画像、配置指示画像の順で、配置指示画像が最前面となるように画像の合成を行なう。そして、画像合成部47は、この合成画像を、タッチパネル制御部48に送る。なお、配置指示画像の代わりに被写体画像が最前面となるように画像の合成を行なってもよい。
また、画像合成部47は、上記の画像合成とは別に、調整後の、背景画像と被写体画像とを合成する。つまり、配置指示画像を除いて、画像合成を行なう。
なお、画像合成部47は、サイズ調整を行なう前の被写体画像と背景画像とをサイズ調整部46から取得すると共に両画像を合成しておき、サイズ調整部46からサイズ調整後の両画像を受け付けるまで、サイズ調整前の合成画像をタッチパネル6に表示する構成としてもよい。これにより、タッチパネル6に、すぐに利用者の画像が表示でき、サイズ調整処理が済むまでの間、利用者の退屈感をなくすことができる。
タッチパネル制御部48は、上記画像合成部47から合成画像を受け付ける。そして、タッチパネル制御部48は、タッチパネルに上記合成画像を表示させる。これにより、タッチパネル6に、上記合成画像がライブビュー表示される。
ここで、タッチパネル6には、配置指示画像と被写体画像との重なりの状態が表示される。したがって、利用者は、この表示に基づいて、撮影位置やポーズを変更することが可能となる。それゆえ、背景との関係で、面白い構図にすることができる。
判定部49は、調整後の配置指示画像および被写体画像の配置領域情報を受け付ける。そして、この配置指示画像と被写体画像の配置領域情報とに基づいて、判定部49は、被写体画像が配置指示画像どおりの位置にあるか否かを判定する。言い換えれば、判定部49は、上記配置指示画像で指示した領域であって、被写体の配置目標を示した被写体配置領域に、前記被写体画像(つまり、撮影対象となる被写体)が位置したか否かを判定する。
判定部49での判定方法としては、調整後の配置指示画像についての配置領域情報と、被写体画像の配置領域情報とから、両領域の位置的な重なりを判断し、例えば所定の率以上で重なっていれば、被写体画像が配置指示画像どおりの位置にあると判断する。
そして、判定部49は、被写体画像が配置指示画像どおりの位置にあると判定した場合には、利用者に対して、写真撮影(静止画像撮影)の許可を与える。この場合、判定部49は、タッチパネル制御部48を介して、タッチパネル6に撮影許可を表示するオブジェクトを表示する。
ここで、利用者がタッチパネル6を介して撮影指示を写真プリント装置1に与えた場合、ストロボランプにより閃光がたかれ、被写体の写真撮影が行われる。また、上記撮影指示の情報は、タッチパネル制御部48を介して、写真画像取得部50に伝えられる。この撮影指示の情報が伝えられると、写真画像取得部50は、所定のタイミングで、閃光がたかれた際の合成画像(被写体画像と背景画像との合成画像)を、画像合成部47から取得する。そして、写真画像取得部50は、上記取得した合成画像を、画像編集処理部51に送る。そして、画像編集処理部51は、写真画像取得部50から上記合成画像を受け付ける。
なお、上記においては、写真画像取得部50から、直接、上記合成画像が画像編集処理部51に送られる構成を示したが、これに限定されるものではない。つまり、写真画像取得部50が、画像合成部47から取得した合成画像を記憶装置20に記憶させ、画像編集処理部51が記憶装置20から上記合成画像を取得する構成としてもよい。
画像編集処理部51は、利用者による、合成画像の編集処理を受け付ける。例えば、タッチペン12a・12bにより入力された画像を、タッチパネル制御部48を介して、上記合成画像に重ね合わせる。そして、画像編集処理部51は、編集後の画像を、プリンタ25に送る。これにより、編集後の画像がプリント紙に形成される。
次に、背景変更指示部52について説明する。背景変更指示部52は、背景情報取得部44に対して、背景画像の変更指示を送る。この指示を受けた背景情報取得部44は、記憶装置20から、新たな背景画像を取得して、サイズ調整部46に送る。ここで、変更後の背景画像としては、変更前の背景画像と関連性を有する画像を用いてもよいし、あるいは、全く関連性を有しない背景画像を用いてもよい。
また、背景画像の変更は、利用者が撮影指示を与えた後であって、写真撮影がなされる前に行われることが好ましい。この場合には、利用者に対して、タッチパネル6で確認した合成画像と異なる画像を提供することができる。したがって、利用者を楽しませることが可能となる。なお、この背景画像の変更処理方法については、後述する。
画像挿入指示部53は、背景画像の余白に、他の背景画像を挿入する。この挿入する背景画像としては、2次元画像を3次元的に表した画像としてもよい。
書込処理部54は、受信部26が受信したサーバ90からの背景画像を取得し、この背景画像を記憶装置20に書き込む。これにより、写真プリント装置1で利用可能な背景画像の数を増やすことが可能となる。
また、上記写真プリント装置1は、利用者が、タッチパネル6等を用いて、背景画像指示部43により選択された背景画像を、他の背景画像に変更することも可能な構成としておく。この場合、まず、利用者からの背景画像の変更に関する指示を受け付けたタッチパネル制御部48が、記憶装置20に記憶された背景画像を、例えば一覧表示により利用者に対して表示する構成としておく。つまり、背景選択画面をタッチパネル6に表示する。そして、利用者からの、新たな背景画像の選択指示をタッチパネル制御部48が受け付けると、背景情報取得部44にこの指示を伝え、背景情報取得部44が記憶装置20から選択された背景画像を取得する構成としておく。
ところで、写真プリント装置1においては、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能に関し、該機能の動作をオン・オフできる構成としておくことが好ましい。例えば、この機能をオフした場合には、被写体数検出部42が被写体数を検出しない構成となる。この場合、利用者が、タッチパネル6に表示された、記憶装置20から読み出された背景画像の一覧(つまり、背景選択画面)を参照し、好みの背景画像を選択すればよい。
また、配置指示情報取得部45、判定部49、背景変更指示部52、および、画像挿入指示部53の機能に関しても、それぞれの機能の動作をオン・オフできる構成としておくことが好ましい。
例えば、配置指示情報取得部45の機能をオフさせた場合には、利用者が、自ら立ち位置やポーズを考えればよい。また、判定部49の機能をオフさせた場合には、配置指示画像で指示した被写体配置領域に、前記被写体画像(つまり、撮影対象となる被写体)が位置していなくても、利用者は写真撮影が可能となる。さらに、背景変更指示部52の機能をオフさせた場合には、背景画像の変更処理が行われなくなる。この場合、利用者がタッチパネル6で確認した合成画像に応じた写真画像が、利用者に提供されることとなる。また、画像挿入指示部53の機能をオフさせた場合には、上述した、画像の挿入処理が行われなくなる。
次に、図4の撮影処理(S2の処理)の一例について、図5に基づいて説明する。なお、図5は、写真プリント装置1における撮影処理のフローを示したフローチャートである。また、ここでは、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能、配置指示情報取得部45の機能、判定部49の機能、背景変更指示部52の機能、および、画像挿入指示部53の機能をオフした場合を説明する。
まず、タッチパネル制御部48により、タッチパネル6に背景画像選択画面が表示される(S11)。S11の後は、タッチパネル制御部48により、背景画像を選択したか否かが判断される(S12)。
背景画像が選択されたと判断された場合には(S12においてYes)、分離処理部41が、被写体画像の分離処理を行なう(S13)。そして、S13の後は、サイズ調整部46が上述したサイズ調整処理を行なう(S14)。また、S14の後は、画像合成部47が、サイズ調整後の、選択した背景画像と被写体画像とを合成する(S15)。
一方、背景画像が選択されていないと判断された場合には(S12においてNo)、背景選択表示画面の表示を行っての経過時間が、10秒を超えたか否かが判断される(S20)。10秒を超えていないと判断された場合には(S20においてNo)、再び、S11に戻る。一方、10秒を超えたと判断された場合には(S20においてYes)、S13に進み、分離処理が行なわれる。なお、この場合には、所定の背景画像が背景画像として用いられることとなる。
S15の後は、タッチパネル6に表示された撮影ボタン(オブジェクト)が、押し下げられたか否かが判断される(S16)。撮影ボタンが押し下げられたと判断された場合には(S16においてYes)、ストロボを閃光させるなどして、被写体の写真撮影が行われる(S17)。そして、S17の後は、サイズ調整が行われた合成画像であって、写真撮影が行われた際の被写体画像と、背景画像との合成画像を記憶装置に保存する(S18)。一方、撮影ボタンが押し下げられていないと判断された場合には(S16においてNo)、撮影許可表示がタッチパネル6で表示されてからの経過時間が、5秒を超えたか否かが判断される(S21)。そして、5秒を超えていないと判断された場合には(S21においてNo)、再度、S11に戻る。また、5秒を超えたと判断された場合には(S21においてYes)、S17に進み、写真撮影を行なう。
S18の後は、合成画像の保存枚数が、8枚以上になったか否かが判断される(S19)。この判断は、例えば、タッチパネル制御部48によって行なう。保存枚数が8枚以上となった場合には(S19においてYes)、撮影処理を終了する。また、保存枚数が8枚以下の場合には(S19においてNo)、撮影処理開始からの経過時間が2分を超えたか否かが判断される(S22)。2分を超えていない場合には(S22においてNo)、再度、S11に戻る。一方、2分を超えた場合には(S22においてYes)、撮影処理を終了する。
次に、上記図5のサイズ調整処理(S14の処理)について、図6に基づいて説明する。なお、図6は、サイズ調整処理のフローを示したフローチャートである。
まず、サイズ調整部46により、被写体を構成する要素(例えば、顔)の大きさ等に基づき、上記被写体画像の大きさを認識する(S31)。S31の後は、サイズ調整部46により、上記被写体画像の大きさ、および、上述した、背景画像毎に定められた背景画像に応じた被写体に関する情報に基づいて、少なくとも一方の画像の大きさを調整する(S32)。S32の後は、サイズ調整が終了したか否かが判断される(S33)。この判断は、サイズ調整部46が行えばよい。
サイズ調整が終了したと判断された場合には(S33でYes)、サイズ調整処理を終了する。一方、サイズ調整処理が終了していないと判断された場合には(S33でNo)、S32に戻り、引続きサイズ調整処理を行なう。
ここで、サイズ調整部46により被写体画像の大きさのみを調整した場合における、タッチパネル6で表示される、合成画像について説明する。なお、以下の図7等で示す背景画像は、トリック画像と呼ばれている画像で、現実には存在しない状況を描写した画像である。
図7に、調整前の合成画像を示す。この図では、背景画像となる階段画像と、被写体画像とが、単に重なっているだけである。したがって、階段画像と被写体画像との関連性を想像し難く、面白みに欠けている。なお、この場合には、タッチパネル制御部48は、サイズ調整中であることをタッチパネル6に表示させると共に、利用者からの写真撮影の指示を受け付けない。
図8に、調整後の合成画像を示す。なお、この調整では、カメラユニット2の焦点距離を変化させた場合(つまり、光学ズーム処理を行なった場合)の合成画像を示している。この図では、階段画像と被写体画像との重なり具合により、あたかも被写体が階段を登っているような合成画像となっている。なお、この場合には、タッチパネル制御部48は、サイズ調整が終了し、撮影が可能であることをタッチパネル6に表示させると共に、利用者からの写真撮影指示を受け付ける。このため、タッチパネル制御部48が、タッチパネル6に撮影ボタンが使用可能である旨の表示を、例えば撮影ボタンを所謂アクティブ表示させることにより行なっておく。なお、撮影ボタンの近くに、撮影可能な残り時間の表示を合わせて行なってもよい。
次に、サイズ調整部46により背景画像の大きさのみを調整した場合における、タッチパネル6で表示される、合成画像について説明する。
図9に、調整前の合成画像を示す。この図では、階段画像の大きさが、被写体画像の大きさに比べて小さく、違和感のある合成画像となっている。なお、この場合には、タッチパネル制御部48は、サイズ調整中であることをタッチパネル6に表示させると共に、利用者からの写真撮影の指示を受け付けない。
そして、同図の状態に基づいてサイズ調整を行なうと、上記図8で示したような合成画像が得られることとなる。なお、上記の階段画像は、図7から図9にも示すとおり、2次元画像を3次元的に表現した画像であるため、立体感のある合成画像が得られる。
次に、図4の撮影処理(S2の処理)の他の例について、図10に基づいて説明する。なお、図10は、写真プリント装置1における撮影処理の他のフローを示したフローチャートである。また、ここでは、配置指示情報取得部45の機能、判定部49の機能、背景変更指示部52の機能、および、画像挿入指示部53の機能をオフした場合を説明する。つまり、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能をオンさせた場合を説明する。さらに、被写体の数に応じた背景画像を複数、タッチパネル6に表示させると共に、利用者に背景画像の選択を行なってもらう場合について説明する。
まず、分離処理部41が、被写体画像を分離する(S41)。そして、S41の後は、被写体数検出部42が被写体の数を検出する(S42)。S42の後は、背景画像指示部43が、被写体の数に応じた背景画像の選択指示を、背景情報取得部44に対して行なう。そして、背景情報取得部44が取得した複数の背景画像を、タッチパネル制御部48が、タッチパネル6に表示させる(S43)。S43の後は、タッチパネル制御部48により、背景画像が選択されたか否かが判断される(S44)。
背景画像が選択されたと判断された場合には(S44においてYes)、サイズ調整部46が上述したサイズ調整処理を行なう(S45)。一方、背景画像が選択されていないと判断された場合には(S44においてNo)、背景選択表示画面の表示を行っての経過時間が、10秒を超えたか否かが判断される(S51)。10秒を超えている場合には(S51においてYes)、S45に進み、サイズ調整処理が行なわれる。なお、この場合には、所定の背景画像が背景画像として用いられることとなる。一方、10秒を超えていない場合には(S51においてNo)、S43に戻る。
なお、同図に示す、S45からS50、S52、S53の各処理は、それぞれ、図5に示したS14からS19、S21、S22と同じ処理となるため、ここでの説明を省略する。
以上により、被写体の数に応じた背景画像を用いて、写真撮影を行なうことが可能となる。
ここで、図11に、被写体の数に応じた背景画像を用いた合成画像を示す。同図に示すように、2次元画像を3次元的に表現した、奥行きのある廊下画像が背景画像として用いられている。これは、例えば図7から図9に示した階段画像に比べて、廊下画像の方が複数人の被写体に適しているため、廊下画像が選択されている。なお、この図11に示した背景画像もトリック画像である。
次に、図4の撮影処理(S2の処理)の更に他の例について、図12に基づいて説明する。なお、図12は、写真プリント装置1における撮影処理の更に他のフローを示したフローチャートである。また、ここでは、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能、判定部49の機能、背景変更指示部52の機能、および、画像挿入指示部53の機能をオフした場合を説明する。つまり、配置指示情報取得部45の機能をオンした場合について説明する。
同図のフローは、図5に示す分離処理(S13の処理)とサイズ調整処理(S14の処理)との間に新たな処理が1つ含まれている点、この画像合成処理での処理内容が異なる点を除き、基本的に図5のフローと同じ処理の流れである。つまり、図12のS61からS63、および、S65からS73の各処理が、それぞれ、図5に示すS11からS22の処理に該当する。そこで、図5の処理と異なる点のみを説明する。
S63の後、配置指示情報取得部45が記憶装置20から、選択された背景画像に関する配置指示画像を取得し、サイズ調整部46に送る(S64)。そして、S64の後は、サイズ調整部46がサイズ調整処理を行なう(S65)。
また、S66の合成処理では、画像合成部47が、サイズ調整後の、選択した背景画像と被写体画像とを合成するが、あわせて、背景画像と被写体画像と配置指示画像とを合成する。なお、背景画像と被写体画像と配置指示画像との合成画像は、タッチパネル制御部48により、タッチパネル6に表示される。これにより、背景画像に応じた最適な立ち位置やポーズを利用者が確認できる。
図13および図14には、背景画像と被写体画像と配置指示画像との合成画像を示している。図13は、被写体が移動する前の合成画像である。ここで、リアルタイム表示される合成画像を確認しながら、被写体となる利用者が合成画面に示された配置指示画像と重なるように移動すれば、被写体画像が背景画像に対して適切な配置となる。なお、この適切な配置となった後の合成画像を図14に示す。
このように、配置指示画像を用いることにより、利用者を適切な位置に案内することが可能となる。
次に、図4の撮影処理(S2の処理)の更に他の例について、図15に基づいて説明する。なお、図15は、写真プリント装置1における撮影処理の更に他のフローを示したフローチャートである。また、ここでは、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能、配置指示情報取得部45の機能、判定部49の機能、および、画像挿入指示部53の機能をオフした場合を説明する。つまり、背景変更指示部52の機能をオンした場合について説明する。
同図のフローは、図5に示す撮影ボタン押下処理(S16の処理)と写真撮影の処理(S17の処理)との間に新たな処理が1つ含まれている点を除き、基本的に図5のフローと同じ処理の流れである。つまり、図15のS81からS86、および、S88からS93の各処理が、それぞれ、図5に示すS11からS22の処理に該当する。そこで、図5の処理と異なる点のみを説明する。
S86の後、背景変更指示部52からの指示により、上述したように、背景画像の変更が行なわれる(S87)。そして、S87の後は、変更後の背景画像を用いて写真撮影が行なわれる(S88)。
ここで、上記背景変更処理について、図16に基づいて説明する。なお、以下では、記憶装置20に背景画像がn種類、記憶されているとして説明する。また、各背景画像には、背景画像の特定するための、背景画像の番号を示した番号情報を備えているものとする。
まず、背景情報取得部44が、現在(変更前)の背景画像の番号情報から、番号mを値として取得する(S101)。S101の後は、背景情報取得部44が、0を超え、1未満の乱数(rnd)(少数に限る)を発生させる(S102)。S102の後は、背景情報取得部44が、以下の式(1)を演算してn′を求める(S103)。なお、int〔〕は、小数点以下を切り捨てる関数とする。
n′=int〔rnd×n〕+1・・・・・・(1)
そして、S103の後は、背景情報取得部44により、n′とmとが相違しているか否かが判断される(S104)。相違していない場合には(S104においてNo)、再度、S102に戻る。一方、相違している場合には(S104においてYes)、背景情報取得部44により、n′の値を番号情報として有する背景画像が記憶装置20から読出される。そして、この読出された背景画像がサイズ調整部46に送られ、背景画像の変更が行なわれる(S105)。そして、S105の処理が行われることにより、背景変更処理が終了する。
図17(a)は、背景画像の変更処理前の合成画像を示した図である。この図で示した金魚の背景画像が、上述した背景変更処理を行なうことにより、例えば、図17(b)で示したような鮫の背景画像に変更される。したがって、背景変更指示部の機能をオンさせることにより、被写体画像が、利用者が選択していない背景画像と合成されため、利用者に楽しみや驚きを与えることができる。
次に、図4の撮影処理(S2の処理)の更に他の例について、図18に基づいて説明する。なお、図18は、写真プリント装置1における撮影処理の更に他のフローを示したフローチャートである。また、ここでは、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能、配置指示情報取得部45の機能、判定部49の機能、および、画像挿入指示部53の機能をオフした場合を説明する。つまり、背景変更指示部52の機能をオンした場合について説明する。
同図のフローは、図5に示す写真撮影の処理(S17の処理)と画像保存処理(S18の処理)との間に新たな処理が2つ含まれている点を除き、基本的に図5のフローと同じ処理の流れである。つまり、図18のS111からS117、および、S120からS124の各処理が、それぞれ、図5に示すS11からS22の処理に該当する。そこで、図5の処理と異なる点のみを説明する。
S117の後は、背景画像の変更処理が行われる(S118)。なお、この背景画像の変更処理の処理内容は、図15および図16に基づいて説明した内容と同じであるため、説明を省略する。そして、S118の後は、再度、写真撮影の処理が行われる(S119)。また、S119の後は、S120に進み、画像保存処理が行われる。なお、S120での画像の保存については、S117での写真撮影とS119での写真撮影とで得られた両画像を保存する。
このように、背景変更を行なって、再度写真撮影を行なうことにより、利用者が選択していない背景画像についても、利用者が鑑賞することができることとなる。
ここで、画像挿入指示部53により画像の挿入指示が行なわれて得られる画像の一例を図19に示す。ここでは、背景画像の周辺領域(所定の領域)に、さらに別の背景画像が挿入された状態で画像が合成される。
また、被写体の数が複数の場合、一律に被写体画像の大きさを調整するのではなく、被写体に応じて、異なるサイズ調整率で被写体画像の大きさの調整を行なってもよい。この場合、被写体画像間で遠近感が得られる。特に、背景画像として2次元画像を3次元的に表示した画像を利用する場合に好適となる。
上記背景画像としては、特に限定されないが、上述したように、2次元画像を3次元的に表示したものが好ましい。その中でも、図7、図11、図20、図21等に示すような画像を背景画像として用いれば、現実では存在しない状況を示した背景画像に被写体画像を、好適な大きさで重ね合わせることができる。
ところで、上記の説明においては、写真撮影処理を行なう前に、分離処理やサイズ調整処理を行なう構成であったが、以下のような構成とすることもできる。
つまり、分離処理部41、サイズ調整部46、画像合成部47における各処理を編集処理時に行ってもよい。つまり、編集処理時に画像編集処理部51が、サイズ調整を行なっていない被写体画像の分離処理を行い、その後、この分離処理した被写体画像と利用者が選択した背景画像との少なくとも一方の画像の大きさを調整してもよい。
この場合には、画像編集処理部51が、上記分離処理部41に相当し分離処理を行なう分離手段、上記サイズ調整部46に相当しサイズ調整を行なうサイズ調整手段、上記画像合成部47に相当し画像の合成処理を行なう画像合成手段とを備えるものとする。
なお、このサイズ調整は、装置が予め定めた設定サイズに自動調整する構成でも、利用者が、タッチパネル6等を用いて調整する構成でもよい。なお、利用者自身が設定する場合には、タッチパネル6にリアルタイムに調整後の画像が表示させることにより、利用者は容易にサイズ調整を行なうことができる。
ここで、サイズ調整を編集処理時に行なう場合の処理フローについて、図22に基づいて説明する。
まず、タッチパネル制御部48により、タッチパネル6に背景画像選択画面が表示される(S131)。S131の後は、タッチパネル制御部48により、背景画像を選択したか否かが判断される(S132)。
背景画像が選択されたと判断された場合には(S132においてYes)、上記分離処理手段が、被写体画像の分離処理を行なう(S133)。そして、S133の後は、サイズ調整手段が上述したサイズ調整処理を行なう(S134)。また、S134の後は、画像合成手段が、サイズ調整後の、選択した背景画像と被写体画像とを合成する(S135)。
一方、背景画像が選択されていないと判断された場合には(S132においてNo)、背景選択表示画面の表示を行っての経過時間が、10秒を超えたか否かが判断される(S138)。10秒を超えていないと判断された場合には(S138においてNo)、再び、S131に戻る。一方、10秒を超えたと判断された場合には(S138においてYes)、S133に進み、分離処理が行なわれる。なお、この場合には、所定の背景画像が背景画像として用いられることとなる。
S135の後は、画像編集処理部51により、合成画像が記憶装置に保存される(S136)。S136の後は、合成画像の保存枚数が、8枚以上になったか否かが判断される(S137)。保存枚数が8枚以上となった場合には(S137においてYes)、編集処理を終了する。また、保存枚数が8枚以下の場合には(S137においてNo)、編集処理開始からの経過時間が2分を超えたか否かが判断される(S139)。2分を超えていない場合には(S139においてNo)、再度、S131に戻る。一方、2分を超えた場合には(S139においてYes)、編集処理を終了する。
また、背景画像に応じて予め定められた被写体配置となるように、被写体となる利用者に移動を音声等で促す案内装置を備える構成としてもよい。
なお、図13および図14の場合、配置指示画像(図中、点線と網掛けで表示した領域)は画像の中央部のみとなっているが、例えば、階段の最上部としたり、右側の廊下の一番奥側となる領域としてもよい。
また、複数のパターンを準備(表示)しておき、何れかのパターンと利用者の立ち位置とが一致したときに、写真撮影可能となる構成としてもよい。さらに、複数のパターンを表示した場合には、立ち位置(配置指示画像)に応じて、被写体画像の大きさを調整する構成としてもよい。つまり、利用者の立ち位置によって、例えば、利用者を撮影する際のカメラユニットのズーム率を自動的に調整する構成としてもよい。
また、利用者は普通に立っている(つまり、足を地につけて立っている)だけだが、撮影固定時(つまり、写真撮影をし、背景画像と合成するとき)に、例えば逆立ち状態で合成する構成としてもよい。つまり、被写体画像を、上下反転させたり、回転させたりする画像処理を行った後、背景画像と合成してもよい。この場合には、利用者に対して、意外性や驚きを与えることができる。それゆえ、写真プリント装置自体のアミューズメント性が増すことになる。
なお、上記のように、被写体画像を上下反転等させる場合には、ライブビュー時にも被写体画像を上下反転等させながら、タッチパネル6に合成表示させる構成としてもよい。この場合には、実際に逆立ちすることなく、手軽に逆立ち状態等の撮影ポーズを楽しむことができる。
つまり、従来の写真プリント装置では、被写体画像を上下反転等しようとすると、利用者は無理な姿勢(ポーズ)をとる必要があった。それゆえ、利用者に苦痛を与えていた。しかしながら、本発明に係る写真プリント装置1を用いることにより、苦痛を伴うことなく、被写体画像が上下反転等した合成画像を得ることができる。
また、背景画像の大きさの調整に関しては、縦方向と横方向とにおいて同率比で拡大・縮小してもよい。また、例えば横方向のみを拡大・縮小するといった、縦と横とで異なる比率で拡大・縮小を行なう、いわゆる変倍処理を行なう構成としてもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、サイズ調整部46において、被写体画像の大きさ、および、背景画像の大きさの少なくとも一方を調整する構成であったが、サイズ調整部46の代わりに、両画像のサイズ調整に加えて、被写体画像の配置(角度や場所)を調整する調整手段を備える構成としてもよい。また、上記調整手段が、被写体画像のサイズは調整せずに、被写体画像の配置と背景画像の大きさとを調整する構成としてもよい。さらには、調整手段が、被写体画像および背景画像のサイズ調整を行なわず、被写体画像の配置のみを調整する構成としてもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の一形態について図23〜図26に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、前記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。
本実施形態に係る写真プリント装置1′は、実施の形態1の写真プリント装置1と同様、利用者の写真を撮影する機能(撮影機能)、撮影した写真に対して落書きなどの編集を利用者に行わせる機能(編集機能)、及び編集された画像をプリントする機能(プリント機能)を備えているものである。なお、これらの機能は全て必須であるものではなく、例えば編集機能が省かれた構成とすることも可能である。
(写真プリント装置の外観的構成)
まず、図23および24を参照しながら、写真プリント装置1′の外観について説明する。図23は、本実施形態に係る写真プリント装置1′の斜視図である。また、図24は、写真プリント装置1′の断面図である。図23に示すように、カメラユニット2を備える本体装置3と、背景シート格納部13と、投影装置14と、スクリーン15とが配備されている。
装置本体3には、カメラユニット2、タッチパネル6、硬貨投入口7、硬貨返却口8、撮影後のプリントが排出されるプリント排出口9が設けられている。また、本体装置3には、被写体を照明する照明装置10として、蛍光灯、ストロボランプ、反射板(これらは、装置本体3内に設置されているため、図示せず)、および拡散板11a・11bが配備される。なお、照明装置10の構成は上記には限定されない。また、タッチパネル付近にはタッチペン12a・12bが設けられている。また、撮影空間5内に、スピーカ(図示せず)が配備されている。また、紙幣投入口を備えた構成であってもよい。
以上のように、写真プリント装置1′は、背景シート格納部13、スクリーン15、および、投影装置14を備える点で、実施の形態1で示した写真プリント装置1と異なる。
背景シート格納部13は、背景シートを格納している。そして、背景シート格納部13は、例えば利用者の操作により、格納している背景シートを鉛直方向に引き出すことができる構成を有している。ここで、格納される背景シートとしては、単一色のシートに限らず、様々な画像(イラスト)が描かれたシートとすることができる。なお、本実施の形態の写真プリント装置1′では、上記背景シート格納部13および背景シートは必須の構成要素ではない。
投影装置14は、被写体の背景となる背景画像をスクリーン15に投影する。また、投影装置14が投影する背景画像としては、記憶装置20に記憶されている画像を用いる。
そして、スクリーン15には、投影装置14によって、投影装置14の反対側の面に背景画像が表示される。また、投影装置14は、スクリーン15に投影する背景画像の大きさを制御する機能を有している。つまり、背景画像を所謂ズームインあるいはズームアウトし、スクリーン15に表示される背景画像の大きさを調整する機能を有している。
このように、本実施の形態の写真プリント装置1′では、背景画像とて、スクリーン15に投影された画像を利用する構成としている。
次に、写真プリント装置1′の機能的な構成について、図25に示すブロック図を参照しながら説明する。同図に示すように、写真プリント装置1′は、前記したカメラユニット2、タッチパネル(第2の表示装置)6、タッチペン12a・12b、及び照明装置10に加えて、制御装置40′、記憶装置20、外部ディスクドライブ21、電源装置22、課金処理部23、IDタグリーダ/ライタ24、プリンタ25、受信部26、表示装置(第1の表示装置)27、および、プリント紙ユニット30を備えている。なお、表示装置27は、上記投影装置14とスクリーン15とで構成されている。
制御装置40′は、写真プリント装置1′内における上述した各種構成の動作を統括的に制御する。また、制御装置40′は、被写体数検出部(検出手段)42′、背景画像指示部43、背景情報取得部44、配置指示情報取得部45、サイズ調整部(調整手段)46′、画像合成部47′、タッチパネル制御部48、判定部(判定手段)49′、写真画像取得部50′、画像編集処理部51、背景変更指示部52、画像挿入指示部53、書込処理部54、表示制御部55、被写体サイズ認識部(認識手段)56、および、被写体配置識別部57を備えている。
つまり、制御装置40′は、表示制御部55、被写体サイズ認識部56、および、被写体配置識別部57を備える点、実施の形態1で示した分離処理部41を備えていない点で、実施の形態1で示した制御装置40と異なる。さらに、被写体数検出部42′、サイズ調整部46′、画像合成部47′、判定部49′、写真画像取得部50′で行なわれる処理が、それぞれ、上記制御装置40の被写体数検出部42、サイズ調整部46、画像合成部47、判定部49、写真画像取得部50で行なわれる処理と異なる。
以下、制御装置40′に関し、制御装置40と異なる点を主として説明する。
被写体数検出部42′は、カメラユニット2からの動画像に基づいて、被写体画像に含まれる被写体の数を検出する。検出方法は、被写体数検出部42と同じような方法で行なえばよい。なお、この検出結果は、実施の形態1と同様、背景画像指示部43に送られる。
表示制御部55は、背景情報取得部44が記憶装置20から取得した背景画像を受信して、この背景画像を表示装置27に送る。そして、表示装置27では、投影装置14がスクリーン15に該背景画像を投影する。この場合、投影装置14は、所定の表示倍率で背景画像をスクリーン15に表示させる。また、表示制御部55は、サイズ調整部46′からの指示により、投影装置14に対して背景画像の表示倍率を変更する指示を送る構成でもある。
被写体サイズ認識部56は、まず、カメラユニット2で撮影された動画像を取得する。そして、取得した動画像から、被写体画像の大きさ(サイズ)の認識を行なう。この認識は、被写体を構成する要素(例えば、顔)の大きさ等に基づき、上記被写体画像の大きさを認識する。この場合も、パターンマッチングの手法等を用いた上で、被写体画像の大きさ認識すればよい。なお、上記取得した動画像には、被写体画像と共に、投影装置14によってスクリーン15に投影された背景画像も含まれている。そして、被写体サイズ認識部56は、被写体画像の大きさの情報と上記動画像とをサイズ調整部46′に送る。
サイズ調整部46′は、被写体サイズ認識部56から被写体画像の大きさの情報および動画像を、背景情報取得部44から背景画像を、配置指示情報取得部45から配置指示画像を受け付ける。そして、サイズ調整部46′は、背景画像の大きさを調整する。また、サイズ調整部46′は、背景画像の大きさの調整に伴い、配置指示画像も背景画像と同じ比率で、その大きさを調整する。
より詳しくは、サイズ調整部46′が、表示制御部55に対して背景画像の大きさの調整指示を送る。これにより、上述したように、スクリーン15の背景画像の大きさが変更される。
被写体配置識別部57は、まず、カメラユニット2で撮影された動画像を取得する。そして、被写体配置識別部57は、被写体画像が動画像中のどの位置を占めているかを識別し、この情報を(つまり、被写体画像の配置領域情報)をサイズ調整部46′に送る。
サイズ調整部46′は、背景画像の大きさの調整を行った後、調整後の動画像(つまり、被写体画像および調整後の背景画像)および配置指示画像を画像合成部47′に送る。また、サイズ調整部46′は、判定部49′に対して、調整後の配置指示画像、および、被写体画像の配置領域情報を送る。
画像合成部47′は、調整後の動画像および配置指示画像を受け付ける。そして、この動画像と配置指示画像とを合成する。また、画像合成部47′は、写真画像取得部50からの要求に応じて、調整後の動画像を写真画像取得部50へ送る。
タッチパネル制御部48は、画像合成部47′から合成した画像を受け付けて、この合成画像をタッチパネル6に表示させる。
判定部49′は、サイズ調整部46′から、調整後の配置指示画像、および、被写体画像の配置領域情報を受け付ける。そして、そして、この配置指示画像と被写体画像の配置領域情報とに基づいて、判定部49′は、被写体画像が配置指示画像どおりの位置にあるか否かを判定する。この他に関しては、実施の形態1で示した判定部49と同一であるため、説明を省略する。
ここで、利用者がタッチパネル6を介して撮影指示を写真プリント装置1′に与えた場合、ストロボランプにより閃光がたかれ、被写体の写真撮影が行われる。また、上記撮影指示の情報は、タッチパネル制御部48を介して、写真画像取得部50′に伝えられる。この撮影指示の情報が伝えられると、写真画像取得部50′は、所定のタイミングで、閃光がたかれた際の動画像(被写体画像と調整後の背景画像)を、画像合成部47′から取得する。そして、写真画像取得部50′は、上記取得した合成画像(写真画像)を、画像編集処理部51に送る。
なお、制御装置40′内でのその他の処理は、実施の形態1で示した制御装置40での処理と同一であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本実施の形態の写真プリント装置1′を用いた処理フローの一例について説明する。なお、上記写真プリント装置1′における全体処理の流れは、実施の形態1の図4に示した流れと同じである。なお、本実施の形態において実施の形態1の処理内容と相違するのは、撮影処理(図4のS2における処理)の内容であるため、撮影処理の一例について図26に基づいて説明する。
また、図26に示す処理では、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能、配置指示情報取得部45の機能、判定部49′の機能、背景変更指示部52の機能、および、画像挿入指示部53の機能をオフした場合を説明する。つまり、実施の形態1の図5に相当する処理について説明する。
まず、タッチパネル制御部48により、タッチパネル6に背景画像選択画面が表示される(S141)。S141の後は、タッチパネル制御部48により、背景画像を選択したか否かが判断される(S142)。
背景画像が選択されたと判断された場合には(S142においてYes)、被写体サイズ認識部56が、被写体画像の大きさの認識を行なう(S143)。そして、S143の後は、サイズ調整部46′が、上述したように、背景画像のサイズ調整処理を行なう(S144)。一方、背景画像が選択されていないと判断された場合には(S142においてNo)、背景選択表示画面の表示を行っての経過時間が、10秒を超えたか否かが判断される(S149)。10秒を超えていないと判断された場合には(S149においてNo)、再び、S141に戻る。一方、10秒を超えたと判断された場合には(S149においてYes)、S143に進み、被写体画像の大きさ認識が行なわれる。なお、この場合には、所定の背景画像が背景画像として用いられることとなる。
S144の後は、タッチパネル6に表示された撮影ボタン(オブジェクト)が、押し下げられたか否かが判断される(S145)。撮影ボタンが押し下げられたと判断された場合には(S145においてYes)、ストロボを閃光させるなどして、被写体の写真撮影が行われる(S146)。そして、S146の後は、写真撮影が行われた際の動画像を写真画像(静止画像)として記憶装置に保存する(S147)。一方、撮影ボタンが押し下げられていないと判断された場合には(S145においてNo)、撮影許可表示がタッチパネル6で表示されてからの経過時間が、5秒を超えたか否かが判断される(S150)。そして、5秒を超えていないと判断された場合には(S150においてNo)、再度、S141に戻る。また、5秒を超えたと判断された場合には(S150においてYes)、S146に進み、写真撮影を行なう。
S147の後は、合成画像の保存枚数が、8枚以上になったか否かが判断される(S148)。この判断は、例えば、タッチパネル制御部48によって行なう。保存枚数が8枚以上となった場合には(S148においてYes)、撮影処理を終了する。また、保存枚数が8枚以下の場合には(S148においてNo)、撮影処理開始からの経過時間が2分を超えたか否かが判断される(S151)。2分を超えていない場合には(S151においてNo)、再度、S141に戻る。一方、2分を超えた場合には(S151においてYes)、撮影処理を終了する。
以上のように、実施の形態1の図5で示した処理における、分離処理(図5のS13における処理)、サイズ調整処理(同図のS14における処理)、合成処理(同図のS15における処理)の代わりに、本実施の形態では、図26のS143の処理とS144の処理とが行なわれる。この点以外は、同じである。
また、上記実施の形態1の図10に基づいて説明した、被写体数検出部42および背景画像指示部43の機能をオンさせた場合については、図5のS13からS15の処理を図26のS143およびS144の処理に置き換えた上で、実施の形態1で示したようなステップの変更を行なうことにより、実施の形態1と同様の効果を得られる。
さらに、実施の形態1の図12に基づいて説明した、配置指示情報取得部45の機能をオンした場合についても、上記置換えを行なった上で、実施の形態1で示したようなステップの変更を行なうことにより、実施の形態1と同様の効果を得られる。
また、上記実施の形態1の図15に基づいて説明した、背景変更指示部52の機能をオンした場合についても、上記置換えを行なった上で、実施の形態1に示したステップの変更を行なうことにより、実施の形態1と同様の効果を得られる。
なお、背景変更処理については、写真撮影の瞬間に別の背景画像をスクリーン15に投影し、この別の背景画像と被写体とを撮影すればよい。
また、本実施の形態においては、表示装置27として投影装置14とスクリーン15を例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、液晶表示装置、プラズマ表示装置、CRT(Cathode Ray Tube)を用いてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記実施形態の写真プリント装置(1・1′)の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の写真プリント装置(1・1′)の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行なうために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。