JP2005294567A - 熱電変換材料及びその製造方法、熱電変換素子 - Google Patents
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Abstract
を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記組成式(1)で表わされ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相
とし、前記主相の平均結晶粒子径が10μm以下であることを特徴とする熱電変換材料。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1
=1、30≦x≦35、30≦y≦35である)
【選択図】 図1
Description
を利用した熱電変換素子に関する関心が高まっている。また、同様に、二酸化炭素排出量
を削減するために、未利用廃熱エネルギーを使った発電システムを提供する、ゼーベック
効果を利用した熱電変換素子に関する関心が高まっている。
料を含むp型素子とn型の熱電変換材料を含むn型素子とを交互に直列に接続して形成さ
れている。現在、室温付近で利用されている熱電変換材料は、効率の高さから、Bi−T
e系の単結晶または多結晶体を使用したものが多い。また、室温より高温で使用される熱
電変換材料には、やはり効率の高さから、Pb−Te系が用いられている。
Pb(鉛)は人体にとって有毒有害であり、また地球環境問題の観点からも好ましくない
。このため、Bi−Te系、Pb−Te系材料に代わる無害な材料の検討がなされている
。
して、MgAgAs型結晶構造を有するハーフホイスラー系材料が知られている。(例え
ば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
Phys.:Condens.Matter 11 1697−1709(1999) Proc.18th International Conference on Thermoelectrics 344−347(1999)
e系材料に匹敵するほどには至っていない。
換素子を提供することを目的とする。
主相とし、主相の平均結晶粒子径が10μm以下であることを特徴とする熱電変換材料を
提供する。
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1
=1、30≦x≦35、30≦y≦35である)
本発明においては、組成式(1)において、0<b1<0.5であっても良い。
相とし、主相の平均結晶粒子径が10μm以下であることを特徴とする熱電変換材料を提
供する。
(上記組成式(2)中、LnはYおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも
一種であり、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0<
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35である。)
本発明においては、組成式(1)または(2)におけるTi、ZrおよびHfの一部が
、V、Nb、Ta、Cr、Mo、およびWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素
で置換されていても良い。
、Co、およびCuからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていても良
い。
、As、Sb、Bi、Ge、Pb、Ga、およびInからなる群より選ばれる少なくとも
一種の元素で置換されていても良い。
子を交互に直列に接続した熱電変換素子において、p型熱電変換材料及びn型熱電変換材
料の少なくとも一方に上述したいずれかの熱電変換材料を用いたことを特徴とする熱電変
換素子を提供する。
相とする熱電変換材料を製造する方法であって、Ti、Zr、Hf、Ni、及びSnを含
む原料を溶解する工程と、溶解した原料を液体急冷法により急冷して合金を製造する工程
と、合金を粉砕して粉末を製造する工程と、粉末を800℃以上1180℃以下の温度で
加圧焼結する工程とを具備することを特徴とする熱電変換材料の製造方法を提供する。
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1
=1、30≦x≦35、30≦y≦35である)
相とする熱電変換材料を製造する方法であって、Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくと
も一種と、Ln、Ni、Snを含む原料を溶解する工程と、溶解した原料を液体急冷法に
より急冷して合金を製造する工程と、合金を粉砕して粉末を製造する工程と、粉末を80
0℃以上1180℃以下の温度で加圧焼結する工程とを具備することを特徴とする熱電変
換材料の製造方法を提供する。
(上記組成式(2)中、LnはYおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも
一種であり、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0<
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35である。)
本発明においては、加圧焼結する工程を、放電プラズマ焼結法により行っても良い。
部が、V、Nb、Ta、Cr、Mo、およびWからなる群より選ばれる少なくとも一種の
元素で置換されていても良い。
、Co、およびCuからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていても良
い。
、As、Sb、Bi、Ge、Pb、Ga、およびInからなる群より選ばれる少なくとも
一種の元素で置換されていても良い。
提供することが出来る。
上記数式(1)中、αは熱電変換材料のゼーベック係数、ρは熱電変換材料の電気抵抗
率であり、κは熱電変換材料の熱伝導率である。Zは温度の逆数の次元を有し、この性能
指数Zに絶対温度を乗ずると無次元の値となる。この値ZTは、無次元性能指数と呼ばれ
、熱電変換材料の熱電変換効率に相関関係を有して、このZTの大きな材料ほど熱電変換
効率は大きくなる。上記数式(1)からわかるように、高いZT値を持つ熱電変換材料を
得るためには、より高いゼーベック係数、より低い電気抵抗率、より低い熱伝導率が求め
られる。
て、MgAgAs型結晶相を有するハーフホイスラー系材料に注目し、本系材料の高性能
化を研究してきた。その結果、MgAgAs型結晶相を主相とする材料においてMgAg
As相の平均結晶粒子径を10μm以下とした場合に高いZT値を持つ熱電変換材料が実
現されることを見出し、本発明に至った。前記主相とは、熱電変換材料を構成する全ての
結晶相および非晶質相の中で最も体積分率の高い相のことをいう。
を説明する。
下させ得ることは知られているが、通常、これと同時に電気抵抗率の増大を招き、結果と
してρκの積はそれほど大きく変わらず、ZTの大きな改善には繋がっていなかった。本
発明者らは、ρκの積を低下させるべく研究した結果、以下に示す組成式(1)の材料に
対してMgAgAs相の平均結晶粒子径を10μm以下とした場合にρκ積の低下が観測
されることを発見したのである。
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1
=1、30≦x≦35、30≦y≦35である)
子散乱とフォノン散乱とで振る舞いが異なり、平均結晶粒子径を10μm以下とした場合
に電子散乱の増大をできるだけ抑制しながらフォノン散乱が促進され、その結果、ρκ積
が低下したものと考えられる。
おける合金を作製する工程を、単ロール法、双ロール法、ガスアトマイズ法など、一旦溶
解した合金を急速に凝固させる方法により行うことが好ましい。この方法により、平均結
晶粒子径を10μm以下とすることが可能となる。また、このようにして作製した合金薄
帯、フレーク等を粉砕した粉末を一体成形(焼結)する工程で、ホットプレス法若しくは
放電プラズマ焼結法を用いることが好ましい。焼結工程においては、焼結温度を上げすぎ
ると粒成長によって本発明の平均結晶粒子径を超えてしまい、熱電性能を損なうおそれが
あるため、焼結温度は800℃以上1150℃以下の範囲が望ましい。
鏡(TEM)を用いて解析できる。SEM写真またTEM写真からMgAgAs相結晶粒
子について断面積Sを求め、下記数式(2)によって結晶粒子径Rを定義する。
Rを算出し、この平均値をMgAgAs相の平均結晶粒子径とする。
がら原子量および原子半径が異なるTi,Zr,Hf全てを含むようにすることにより、
熱伝導率を大幅に低減することが可能となる。このような熱伝導率を低減する効果は、T
i,Zr,Hfの総量に対する、Zrの含有量が50原子%未満、すなわち0<b1<0
.5の場合に特に顕著となる。
ック係数を損なう恐れがあるため、xおよびyは、30≦x≦35および30≦y≦35
の範囲にそれぞれ規定される。xおよびyのより好ましい範囲は、33≦x≦34、およ
び33≦y≦34である。
元素に着目した。つまり、ハーフホイスラー化合物MNiSn(M=Ti,Zr,Hf)
におけるMの一部を、Yおよび希土類元素からなる群より選択される少なくとも一種の元
素で置換することによっても、MgAgAs相の平均結晶粒子径を10μm以下とした場
合に、同様にρκの積を低下できることを見出した。
gAs型結晶構造を有する相を主相とし、MgAgAs相の平均結晶粒子径を10μm以
下とすることを特徴とするものである。
(上記組成式(2)中、LnはYおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも
一種であり、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0<
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35である。)
0μm以下とした場合にρκ積が低下したものと考えられる。
とも一種の元素であり、希土類元素には、周期律表における原子番号57のLaから、原
子番号71のLuまでの全ての元素が含まれる。融点および原子半径を考慮すると、Er
,Gd,およびNdが、Lnとして特に好ましい。
を発揮するが、熱伝導率をより低減するためには、Lnの配合量は、Lnと(Ti,Zr
,Hf)との総量のうち、0.1原子%以上とすることが好ましい。Lnの配合量が、L
nと(Ti,Zr,Hf)との総量の30原子%を越えた場合には、MgAgAs型結晶
構造を有する相以外の相、例えばLnSn3相の析出が顕著になって、ゼーベック係数の
劣化を招くおそれがある。このため、dの値は0<d≦0.3の範囲内に規定され、より
好ましくは0.001≦d≦0.3の範囲内である。
する必要はない。これは、組成式(1)ではTi、Zr、Hfの全てを含むようにするこ
とで熱伝導率を低減する効果が得られるが、組成式(2)ではこれと同等の効果をLnの
存在によって達成できるためである。このため、a2,b2,c2は、0≦a2≦1、0
≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1の範囲内となる。
いゼーベック係数を得るために、xおよびyは、30≦x≦35、30≦y≦35の範囲
に設定される。ハーフホイスラー化合物においては、総価電子数が18近傍の場合に大き
なゼーベック係数が観測される。例えば、ZrNiSnにおける外殻電子配置は、Zr(
5d26s2)、Ni(3d84s2)、Sn(5s25p2)であり、価電子の総数は18と
なる。TiNiSn、およびHfNiSnも同様に、価電子の総数は18となる。これに
対して、前述の組成式(2)で表わされるようにTi,Zr,Hfの一部を希土類元素で
置換した場合には、Ce,Eu,Ybを除く希土類元素は(5d16s2)の外殻電子配置
により3価となる場合が多いため、総価電子数が18からずれてしまうおそれがある。そ
こで、xおよびyを適宜調整してこれを補うことが可能となるのである。
均結晶粒子径の測定方法は、上述したのと同様に行えばよい。
,Ta,Cr,Mo,およびWからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換され
ていてもよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Ti
,ZrおよびHfの一部を置換することができる。このような置換によって、MgAgA
s相における総価電子数を調整して、ゼーベック係数増大させたり電気抵抗率を低下させ
たりすることが可能である。前述したように、ハーフホイスラー化合物においては総価電
子数が18近傍の場合に大きなゼーベック係数が観測されるため、これらの置換元素と希
土類元素とを併用することによって、総価電子数を調整することが有効である。ただし、
置換量は、Ti,Zr,Hf総量の30原子%以下とすることが好ましい。30原子%を
越えると、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の相の析出が顕著となって、ゼーベッ
ク係数の劣化を招くおそれがある。
びCuからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてもよい。これらの元素
は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて、Niの一部を置換することができ
る。このような置換によって、MgAgAs相における総価電子数を調整するなどしてゼ
ーベック係数増大させたり電気抵抗率を低下させたりすることが可能である。置換量は、
一般的には、Niの50原子%以下にとどめることが望まれる。特に、Cuで置換する場
合には、その置換量が多すぎるとMgAgAs相の生成を阻害するおそれがあるため、N
iの30原子%以下とすることが好ましい。
b,Bi,Ge,Pb,Ga,およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素
で置換されてもよい。これらの元素は、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いて
、Snの一部を置換することができる。このような置換によって、MgAgAs相におけ
る総価電子数を調整するなどしてゼーベック係数増大させたり電気抵抗率を低下させたり
することが可能である。ただし、Snを置換する元素は有害性、有毒性、材料コストを考
慮すると、Si,Sb、Biが特に好ましい。置換量は、Snの30原子%以下とするこ
とが好ましい。30原子%を越えた場合には、MgAgAs型結晶構造を有する相以外の
相の析出が顕著となって、ゼーベック係数の劣化を招くおそれがある。
下のような方法により製造することができる。
によって所定量の各元素を溶解する。そして、合金の作製に当たっては、前述したように
急冷してMgAgAs相の平均結晶粒子径を10μm以下に制御する目的で単ロール法、
双ロール法、回転ディスク法、ガスアトマイズ法などの液体急冷法などを採用することが
好ましい。あるいは、合金の作製をメカニカルアロイング法などの固相反応を利用した方
法で行っても良い。
As型結晶構造を有する相以外の相の低減や結晶粒子径の制御が可能である。しかし高温
で熱処理した場合にはMgAgAs相の平均結晶粒子径の増大を招き、熱電性能の劣化を
招くおそれがあるため、前記熱処理温度は1200℃未満とすることが好ましい。
するという観点から、例えばArなどの不活性雰囲気中で行なわれることが好ましい。
粉末を得る。そして、合金粉末をホットプレス法、放電プラズマ焼結法などによって焼結
する。合金の酸化を防止するという観点から、焼結(一体成型)は、例えばArなどの不
活性雰囲気中で行なわれることが好ましい。このような一体成型は通常、合金粉末を加熱
して実施されるため、加熱する際の温度や時間、昇温速度などを制御することによって、
MgAgAs相の平均結晶粒子径を制御することが可能である。前述したようにMgAg
As相の平均結晶粒子径を10μm以下にするためには、各種成形法の中で放電プラズマ
焼結法が有効である。焼結の際、焼結温度が800℃を下回ると成形体の密度の低下が著
しく、電気抵抗率が大幅に増大してしまう。一方、1180℃を超えると結晶の粒成長に
より平均結晶粒子径が10μmを上回り、本発明の効果が得られない。したがって、焼結
温度を800℃以上1180℃以下とする必要がある。
電変換材料が得られる。成型体の形状や寸法は適宜選択することができる。例えば、外形
0.5〜10mmφ、厚み1〜30mmの円柱状や、(0.5〜10mm)×(0.5〜
10mm)×厚み(1〜30mm)程度の直方体状などとすることができる。
ことができる。その一例の構成を表わす概略断面図を図1に示す。
て、本実施形態にかかる熱電変換材料を用いたものである。どちらか一方のみに本実施形
態にかかる熱電変換材料を用いる場合、他方にはBi−Te系、Pb−Te系などの材料
が用いられる。図1に示される熱電変換素子においては、n型半導体の熱電変換材料2と
、p型半導体の熱電変換材料1が並列に配置されている。n型熱電変換材料2およびp型
熱電変換材料1のそれぞれの上面には、電極3aおよび3bがそれぞれ配置され、その外
側に上側絶縁性基板4aを接続される。n型熱電変換材料2およびp型熱電変換材料1の
下面は、下側絶縁性基板4bに支持された電極3cによって接続されている。
度にした場合、p型半導体熱電変換材料1内部においては、正の電荷を持ったホール5が
低温度側(上側)に移動し、電極3bは電極3cより高電位となる。一方、n型半導体熱
電変換材料2内部では、負の電荷を持った電子6が低温度側(上側)に移動して、電極3
cは電極3aより高電位となる。
を低温度として下部側を高温度にした場合、電極3bは正極となり、電極3aは負極とな
る。
接続した熱電変換素子7とすることによって、図1に示した構造よりも高い電圧を得て、
より大きな電力を確保することができる。
(実施例1〜9)
所定量のTi、Zr、Hf、Ni、Sn、Sb原料を組成式(Ti0.35Zr0.30Hf0.
35)34Ni34(Sn0.998Sb0.002)32となるように秤量しアーク溶解にて溶解した後、
原料の一部を用いて液体急冷し薄帯合金を作製した。液体急冷は、アルゴンガス雰囲気中
、高周波加熱で原料を溶解した後、その溶湯を回転する銅製ロール上に射出することによ
り行い、合金を作製した。ロールの周速度は5m/s、10m/s、15m/sとした。
各実施例での周速は(表1)に示す。
ラズマ焼結法により焼結し、外径10mmφ、厚み2mmの成型体を得た。放電プラズマ
焼結は真空中、90℃/分で所定の温度まで昇温し、その温度で3分間保持した後、室温
まで冷却するという条件で実施した。放電プラズマ焼結時の保持温度は900℃、100
0℃、1100℃とした。各実施例での保持温度は(表1)に示す。そして、成型体を所
望の形状に加工して熱電特性の評価に供した。
相であることを確認した。次に加工残部について走査型電子顕微鏡による組織観察を行い
MgAgAs型結晶相の平均結晶粒子径を求めた。次に熱電特性について示す。成型体の
熱拡散率をレーザーフラッシュ法、密度をアルキメデス法、比熱をDSC(示差走査熱量
計)法でそれぞれ測定し、それらの結果から熱伝導度κを求めた。また、前記成型体を針
状に切り出してゼーベック係数αを測定した。さらに、前記針状の成型体の電気抵抗率ρ
を4端子法にて測定した。それらの値から算出された700Kにおけるρκ積の値と性能
指数ZT(Z=α2T/ρκ)を(表1)に示す。なお、MgAgAs型結晶相の平均結
晶粒子径の値も(表1)に併記した。
実施例1と同様の組成の原料をアーク溶解した後、実施例1と同様にして液体急冷薄帯
を作製し、その後、液体急冷薄帯を乳鉢を用いて45μm以下に粉砕、ホットプレスする
ことにより外径20mmφ、厚み3mmの成型体を得た。ホットプレスは真空中、15℃
/分で1200℃まで昇温しその温度で1時間保持した後、室温まで冷却するという条件
で実施した。液体急冷時のロール周速度は15m/sとした。成型体を所望の形状に加工
して実施例1と同様にして熱電特性を評価した。加工残部については実施例1と同様、粉
末X線回折により生成相を調査した結果、ほぼMgAgAs型結晶相単相であることを確
認した。また、実施例1と同様にして求めたMgAgAs型結晶相の平均結晶粒子径およ
び700Kにおけるρκ積の値と性能指数ZT(Z=α2T/ρκ)を(表1)に併記し
た。
実施例1と同様の組成の原料をアーク溶解して合金インゴットを形成した後、この合金
インゴットを乳鉢を用いて45μm以下に粉砕し実施例1と同様の条件で放電プラズマ焼
結して外径10mmφ、厚み2mmの成型体を得た。放電プラズマ焼結時の保持温度は9
00℃とした。成型体を所望の形状に加工して実施例1と同様にして熱電特性を評価した
。加工残部については実施例1と同様、粉末X線回折により生成相を調査した結果、ほぼ
MgAgAs型結晶相単相であることを確認した。また、実施例1と同様にして求めたM
gAgAs型結晶相の平均結晶粒子径および700Kにおけるρκ積の値と性能指数ZT
(Z=α2T/ρκ)を(表1)に併記した。
均結晶粒子径が10μm以下であり、ρκの値が30μWΩ/K以下であるため700K
で1.5を超えるZTの値が得られる。これに対して比較例1、2ではMgAgAs型結
晶相の平均結晶粒子径が10μmを上回り、ρκの値が大きいため700KでのZTの値
が低いことが明らかになった。
(表2)に示す所定組成の原料を実施例1とアーク溶解した後、実施例1と同様にして
液体急冷薄帯を作製し、その後、液体急冷薄帯を乳鉢を用いて45μm以下に粉砕し実施
例1と同様の条件で放電プラズマ焼結して外径10mmφ、厚み2mmの成型体を得た。
放電プラズマ焼結時の保持温度は900℃とした。成型体を所望の形状に加工して実施例
1と同様にして熱電特性を評価した。液体急冷時のロール周速度は15m/sとした。加
工残部については実施例1と同様、粉末X線回折により生成相を調査した結果、ほぼMg
AgAs型結晶相単相であることを確認した。700Kにおける性能指数ZT(Z=α2
T/ρκ)を(表2)に併記した。
0〜15および比較例3〜5の全てにおいて10μm以下であることが確認された。上述
した組成式(1)若しくは組成式(2)の範囲である実施例10〜15のばあいには1.
5以上の高いZTが700Kで得られることがわかった。これに対しての組成式(1)及
び組成式(2)範囲のどちらからも逸脱した組成を用いた比較例3〜5の場合には、平均
結晶粒子径が十分小さくρκは低下しているものの、高いゼーベック係数が得られないた
めZTの低下が著しいことが明らかである。
2…n型熱電変換材料
3,3a,3b,3c…電極
4…絶縁性基板
4a…上側絶縁性基板
4b…下側絶縁性基板
5…ホール
6…電子
7…熱電変換素子
Claims (13)
- 下記組成式(1)で表わされ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とし、前記主
相の平均結晶粒子径が10μm以下であることを特徴とする熱電変換材料。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1
=1、30≦x≦35、30≦y≦35である) - 前記組成式(1)において、0<b1<0.5であることを特徴とする請求項1に記載
の熱電変換材料。 - 下記組成式(2)で表わされ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とし、前記主
相の平均結晶粒子径が10μm以下であることを特徴とする熱電変換材料。
(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2)1-d)xNiySn100-x-y 組成式(2)
(上記組成式(2)中、LnはYおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも
一種であり、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0<
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35である。) - 前記組成式(1)または(2)におけるTi、ZrおよびHfの一部が、V、Nb、T
a、Cr、Mo、およびWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてい
ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。 - 前記組成式(1)または(2)におけるNiの一部が、Mn、Fe、Co、およびCu
からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする請求項
1ないし請求項3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。 - 前記組成式(1)または(2)におけるSnの一部が、Si、Mg、As、Sb、Bi
、Ge、Pb、Ga、およびInからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換さ
れていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の熱電変換材料
。 - p型熱電変換材料を含むp型素子およびn型熱電変換材料を含むn型素子を交互に直列
に接続した熱電変換素子において、前記p型熱電変換材料及び前記n型熱電変換材料の少
なくとも一方に請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱電変換材料を用いたことを特
徴とする熱電変換素子。 - 下記組成式(1)で表わされ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とする熱電変
換材料を製造する方法であって、
Ti、Zr、Hf、Ni、及びSnを含む原料を溶解する工程と、
溶解した前記原料を液体急冷法により急冷して合金を製造する工程と、
前記合金を粉砕して粉末を製造する工程と、
前記粉末を800℃以上1180℃以下の温度で加圧焼結する工程と
を具備することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
(Tia1Zrb1Hfc1)xNiySn100-x-y 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0<a1<1、0<b1<1、0<c1<1、a1+b1+c1
=1、30≦x≦35、30≦y≦35である) - 下記組成式(2)で表わされ、MgAgAs型結晶構造を有する相を主相とする熱電変
換材料を製造する方法であって、
Ti、Zr、Hfから選ばれる少なくとも一種と、Ln、Ni、Snを含む原料を溶解
する工程と、
溶解した前記原料を液体急冷法により急冷して合金を製造する工程と、
前記合金を粉砕して粉末を製造する工程と、
前記粉末を800℃以上1180℃以下の温度で加圧焼結する工程と
を具備することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
(Lnd(Tia2Zrb2Hfc2)1-d)xNiySn100-x-y 組成式(2)
(上記組成式(2)中、LnはYおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも
一種であり、0≦a2≦1、0≦b2≦1、0≦c2≦1、a2+b2+c2=1、0<
d≦0.3、30≦x≦35、30≦y≦35である。) - 前記加圧焼結する工程を、放電プラズマ焼結法により行うことを特徴とする請求項8若
しくは9に記載の熱電変換材料の製造方法。 - 前記組成式(1)または(2)におけるTi、ZrおよびHfの一部が、V、Nb、T
a、Cr、Mo、およびWからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されてい
ることを特徴とする請求項8若しくは9に記載の熱電変換材料の製造方法。 - 前記組成式(1)または(2)におけるNiの一部が、Mn、Fe、Co、およびCu
からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換されていることを特徴とする請求項
8若しくは請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法。 - 前記組成式(1)または(2)におけるSnの一部が、Si、Mg、As、Sb、Bi
、Ge、Pb、Ga、およびInからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素で置換さ
れていることを特徴とする請求項8若しくは請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法。
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