JP2005292806A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー走査露光に代表されるデジタル露光適性が高く、迅速処理が可能で、且つ白地に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。特に感光材料の経時保存後も白地を損なわないハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。
【解決手段】支持体上に赤感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および青感性ハロゲン化銀乳剤層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有し、且つ該ハロゲン化銀乳剤が少なくとも1種のセレン化合物を含有し、該ハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀乳剤層の特性曲線が下記式(1)を満たすハロゲン化銀カラー写真感光材料。
式(1) 2.0≧γ/γ≧0.5
ここで、γは特性曲線の階調を表し、γは1×10−6秒露光における階調、γは100秒露光における階調を示す。
【選択図】なし

Description

本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、詳しくは高照度露光において硬調でありデジタル露光方式に適したプリント用のハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、更には迅速処理適性を有していて白地に優れたプリント用のハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する。
近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラープリント分野においてもデジタル化の進行が進んできており、例えばレーザー走査露光に代表されるデジタル露光は、従来から行なわれている処理済カラーネガフィルムからカラープリンターを通して直接焼付を行なうアナログ露光に比べ、飛躍的な普及率の伸びを示している。このようなデジタル露光は、画像処理を行なうことにより高品質なプリントを得られる特徴があり、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたプリントの品質向上に果たす役割が極めて大きい。また、デジタルカメラのような電子記録媒体による画像情報から簡易に高画質なプリントを得られることもあり、今後更なる普及が期待されている。
一方、インクジェット、昇華型、カラーゼログラフィーなどの技術がそれぞれ進歩して写真画質を謳うなど、カラープリント方式として認知されつつある。これら競合するプリント方式の中にあって、ハロゲン化銀カラー写真感光材料とデジタル露光を組合わせたプリント方式は、高画質、高生産性、そして得られる画像の高堅牢性に特長がある。これらの特長を更に伸ばし、高品質のカラープリントを安価に、且つ短時間で提供することが望まれている。
例えば、店頭でデジタルカメラの記録媒体を受け取り、数分程度の短い所要時間で高画質なプリントを仕上げて返却するような、カラープリントのワンストップサービスを提供できるようになれば、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカラープリントの優位性は益々高まる。また、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の迅速処理性を向上させれば、処理機器の小型化が可能になり、小型且つ安価でありながら生産性の高いプリント機器を提供することができ、カラープリントのワンストップサービスが益々普及すると期待できる。
このために、ハロゲン化銀カラー写真感光材料としては、露光時間の短縮、露光後から現像開始までのいわゆる潜像時間の短縮、処理時間の短縮、処理後の乾燥時間の短縮など様々な観点からの検討が必要であり、それぞれに対する提案が従来からなされている。
プリント用のハロゲン化銀カラー写真感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤は、前述のように様々な要求を満たす必要がある。ハロゲン組成においては、迅速処理性の要求により、塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤(高塩化銀乳剤ともいう)が用いられている。更に、ハロゲン化銀乳剤に含有される乳剤粒子のサイズ(粒径ともいう)を小さくすることにより、現像速度が向上することが知られており、関連する技術が開示されている(例えば非特許文献1参照)。しかしながら、乳剤粒子のサイズを小さくすると感度も低下してしまい、デジタル露光に必要な感度を得られなくなるという問題がある。そのため、高塩化銀乳剤を高感度化する技術が求められていた。
近年、撮影用のカラー写真感光材料においては、セレン(Se)化合物を化学増感に用いて高感化させる技術が広く知られ、用いられている。セレン化合物の使用は、カブリ上昇を生じやすくすることも知られており、この改良に関する技術も検討されてきた。
ただし、記録材料であるカラーネガフィルムにおいては、ハロゲン化銀乳剤のカブリが多少上昇したとしても、実質的にはマスク濃度の一部としてプリント時に補正することが可能である。また、鑑賞材料も兼ねるカラーリバーサルフィルムにおいては、その画像形成方式から、ハロゲン化銀乳剤のカブリは最大濃度(Dmax)の低下として現れるので、多少の変化であれば実質的に問題とならない。
しかしながら、カラーペーパーに代表されるプリント用のカラー写真感光材料において、ハロゲン化銀乳剤のカブリ上昇は白地部分への着色となって現れるため、重大な不具合となる。僅かなカブリ上昇であっても、致命的な品質の劣化につながってしまう。すなわち、プリント用のカラー写真感光材料としては、作製した直後は勿論、経時保存後においても良好な白地を与えることが求められる。同様に、迅速処理を行なってもカブリ上昇を生じないことが求められる。このため、プリント用のハロゲン化銀カラー写真感光材料への使用を前提とした高塩化銀乳剤にセレン化合物を用いる際には、カブリ抑制の要求が大変厳しいものとなる。
撮影用のカラー写真感光材料においては専ら沃臭化銀乳剤が使用されているため、セレン化合物を用いる際のカブリ抑制技術も、この乳剤領域における技術開示に限られていた。更に、前述した厳しい要求を満足するには十分でない。
最近、高塩化銀乳剤にセレン化合物を用いて、デジタル露光と迅速処理を両立するための技術が検討されている。特許文献1には、高照度露光およびレーザー走査露光において高感度、硬調で、迅速処理を行なってもカブリが低く白地に優れた乳剤を提供する技術が開示されている。しかし、これはハロゲン化銀カラー写真感光材料を作製した直後におけるカブリ改良効果は示されているものの、感光材料の経時変化を想定した保存性の改良効果に関しては何も記載されていない。また、10秒露光と10−4秒露光における階調の記載はあるが、基準試料に対する相対値で表記されているため、本発明を予期させるものではなかった。
特許文献2および特許文献3には10秒露光の階調と10−2秒露光の階調が記載されているが、それぞれ圧力特性の改良、潜像保存性の改良に関する技術開示であり、カブリに関しては記載されていない。
特許文献4は保存性の改良に関し、経時によるカブリを改良する技術を開示しているが、レーザー走査露光の記載こそあるものの階調については不明である。また、迅速処理に関する記載はなされているが、実施例では開示されていない。
特開2003−287838号公報 特開平4−335336号公報 特開平4−335338号公報 特開平6−308652号公報 日本写真学会誌2004年度秋季大会講演要旨集(20〜21頁)
本発明が解決しようとする課題は、前記問題点を克服し、レーザー走査露光に代表されるデジタル露光適性が高く迅速処理が可能で且つ白地に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することであり、とりわけ感光材料の経時保存後も白地を損なわないハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することである。
前記の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1)支持体上に赤感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および青感性ハロゲン化銀乳剤層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有し、且つ該ハロゲン化銀乳剤が少なくとも1種のセレン化合物を含有し、該ハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀乳剤層の特性曲線が下記式(1)を満たすことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
式(1) 2.0≧γ/γ≧0.5
ここで、γは特性曲線の階調を表し、γは1×10−6秒露光における階調、γは100秒露光における階調を示す。
(2)セレン化合物を含有する前記ハロゲン化銀乳剤が、下記一般式(D1)で表される金属錯体を少なくとも1種含有することを特徴とする、(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式(D1)
[MD1D1 n1D1 (6−n1)m1
一般式(D1)において、MD1はCr、Mo、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、PdまたはPtを表し、XD1はハロゲンイオンを表す。LD1はXD1とは異なる任意の配位子を表す。nは3、4、5、または6を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。また、複数のXD1は互いに同一でも異なってもよく、LD1が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なってもよい。ただし、一般式(D1)で表される金属錯体は、シアノ(CN)配位子を有さないか、有する場合には1個だけである。
(3)セレン化合物を含有する前記ハロゲン化銀乳剤が、下記一般式(D2)で表される金属錯体を少なくとも1種含有することを特徴とする、(1)または(2)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式(D2)
[IrXD2 n2D2 (6−n2)m2
一般式(D2)において、XD2はハロゲンイオンまたは擬ハロゲンイオン(ただしシアン酸イオンOCNを除く)を表す。LD2はXD2とは異なる任意の配位子を表す。nは3、4、または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。また、複数のXD2は互いに同一でも異なってもよく、LD2が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なってもよい。
(4)セレン化合物を含有する前記ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子の平均球相当径が0.65μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(5)総塗設銀量が0.2g/m以上0.5g/m以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(6)総塗設ゼラチン量が3g/m以上6g/m以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、迅速処理を行なっても優れた白地を得ることができる。また、感光材料を経時保存後に使用しても、優れた白地を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、γは特性曲線の階調を表し、以下のように定義される。常法により、各感色性ハロゲン化銀乳剤層に対してそれぞれ色分解露光を与え、30分後に発色現像処理を行ない、該層の発色色相に応じた分光域で濃度測定を行なって特性曲線を得る。
通常のカラーペーパーの場合であれば、露光に際して、富士写真フイルム(株)製のSP−1、SP−2、またはSP−3フィルター(いずれも商品名)を介して、いわゆる青色分解露光、緑色分解露光、または赤色分解露光により、それぞれ青色感光性乳剤層、緑色感光性乳剤層、赤色感光性乳剤層に露光を与える。露光後30分間放置した後、発色現像処理を行ない、イエロー、マゼンタ、またはシアン画像反射濃度を光学濃度計によりそれぞれ測定して、縦軸:反射濃度(D)、横軸:対数露光量(logE)からなる各色画像の特性曲線を作成する。この場合、イエロー画像が青色感光性乳剤層、マゼンタ画像が緑色感光性乳剤層、シアン画像が赤色感光性乳剤層、の特性曲線に相当する。
得られた特性曲線において、未露光部分に相当する最低濃度(Dmin)をカブリと定義する。また、濃度0.5を与える点Aにおける露光量の逆数を感度Sと定義する。更に、濃度1.5を与える点をBとして、点Aおよび点Bを結ぶ直線の傾きを階調γと定義する。露光は100秒露光と1×10−6秒露光を行ない、それぞれに対して得られたγおよびSを、γおよびSならびにγとおよびSとする。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有し、且つ該ハロゲン化銀乳剤が少なくとも1種のセレン化合物を含有し、該ハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀乳剤層の特性曲線が下記式(1)を満たす必要がある。
式(1) 2.0≧γ/γ≧0.5
γ/γがこの範囲を外れると、カブリ上昇、感度低下、軟調化、あるいは保存性の悪化を生じてしまい、本発明の効果を得ることができない。γ/γとして好ましくは0.75以上であり、より好ましくは0.95以上であり、特に好ましくは1.05以上である。また、γ/γとして好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1.6以下である。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が特定の乳剤を含有することが必要である。特定の乳剤とは、塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤であって、且つ少なくとも1種のセレン化合物を含有するハロゲン化銀乳剤である。
本発明における特定のハロゲン化銀乳剤における塩化銀含有率は90モル%以上である必要があり、迅速処理性の観点からは、塩化銀含有率は94モル%以上が更に好ましい。臭化銀含有率は高感度で硬調であることから0.1〜8モル%であることが好ましく、0.5〜6モル%であることが更に好ましい。沃化銀含有率は高照度露光で高感度かつ硬調であることから0.02〜1モル%であることが好ましく、0.05〜0.50モル%が更に好ましく、0.07〜0.40モル%が最も好ましい。本発明における特定のハロゲン化銀粒子は、沃臭塩化銀粒子が好ましく、上記のハロゲン組成の沃臭塩化銀粒子が更に好ましい。
本発明における特定のハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化銀粒子は、臭化銀含有相および/または沃化銀含有相を有することが好ましい。ここで、臭化銀あるいは沃化銀含有相とは周囲よりも臭化銀あるいは沃化銀の濃度が高い部位を意味する。臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相とその周囲とのハロゲン組成は連続的に変化してもよく、また急峻に変化してもよい。このような臭化銀あるいは沃化銀含有相は、粒子内のある部分で濃度がほぼ一定の幅をもった層を形成してもよく、広がりをもたない極大点であってもよい。臭化銀含有相の局所的臭化銀含有率は、5モル%以上であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、15〜50モル%であることが最も好ましい。沃化銀含有相の局所的沃化銀含有率は、0.3モル%以上であることが好ましく、0.5〜8モル%であることが更に好ましく、1〜5モル%であることが最も好ましい。また、このような臭化銀あるいは沃化銀含有相は、それぞれ粒子内に層状に複数個あってもよく、それぞれの臭化銀あるいは沃化銀含有率が異なってよいが、それぞれ最低1個の含有相を有する必要がある。
本発明における特定のハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化銀粒子の臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相は、それぞれ粒子を取り囲むように層状にあることが重要である。粒子を取り囲むように層状に形成された臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相は、それぞれの相の中で粒子の周回方向に均一な濃度分布を有することがひとつの好ましい態様である。しかし、粒子を取り囲むように層状にある臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相の中は、臭化銀あるいは沃化銀濃度の極大点または極小点が粒子の周回方向に存在し、濃度分布を有していてもよい。例えば、粒子表面近傍に粒子を取り囲むように層状に臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相を有する場合、粒子コーナーまたはエッジの臭化銀あるいは沃化銀濃度は、主表面と異なる濃度になる場合がある。また、粒子を取り囲むように層状にある臭化銀含有相と沃化銀含有相とは別に、粒子の表面の特定部に完全に孤立して存在し、粒子を取り囲んでいない臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相があってもよい。
本発明における特定のハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化銀粒子が臭化銀含有相を含有する場合、その臭化銀含有相は粒子の内部に臭化銀濃度極大を有するように層状に形成されていることが好ましい。また、本発明のハロゲン化銀乳剤が沃化銀含有相を含有する場合、その沃化銀含有相は粒子の表面に沃化銀濃度極大を有するように層状に形成されていることが好ましい。このような臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相は、より少ない臭化銀あるいは沃化銀含有量で局所濃度を上げる意味から、粒子体積の3%以上30%以下の銀量で構成されていることが好ましく、3%以上15%以下の銀量で構成されていることが更に好ましい。
本発明における特定のハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化銀粒子は、臭化銀含有相および沃化銀含有相を両方含むことが好ましい。その場合、臭化銀含有相と沃化銀含有相は粒子の同一個所にあっても、異なる場所にあってもよいが、異なる場所にあるほうが粒子形成の制御を容易にする点で好ましい。また、臭化銀含有相に沃化銀を含有していてもよく、逆に沃化銀含有相に臭化銀を含有していてもよい。一般に、高塩化銀粒子形成中に添加する沃化物は臭化物よりも粒子表面にしみだしやすいために沃化銀含有相は粒子表面の近傍に形成されやすい。従って、臭化銀含有相と沃化銀含有相が粒子内の異なる場所にある場合、臭化銀含有相は沃化銀含有相より内側に形成することが好ましい。このような場合、粒子表面近傍の沃化銀含有相よりも更に外側に、別の臭化銀含有相を設けてもよい。
高感度化や硬調化などの本発明の効果を発現させるために必要な臭化銀含有量あるいは沃化銀含有量は、臭化銀含有相あるいは沃化銀含有相を粒子内部に形成するほど増加してしまい、必要以上に塩化銀含有量を落として迅速処理性を損なってしまう恐れがある。従って、写真作用を制御するこれらの機能を粒子内の表面近くに集約するために、臭化銀含有相と沃化銀含有相は隣接していることが好ましい。これらの点から、臭化銀含有相は内側から測って粒子体積の50%から100%の位置のいずれかに形成し、沃化銀含有相は粒子体積の85%から100%の位置のいずれかに形成することが好ましい。また、臭化銀含有相は粒子体積の70%から100%の位置のいずれかに形成し、沃化銀含有相は粒子体積の90%から100%の位置のいずれかに形成することが更に好ましい。
本発明における特定のハロゲン化銀乳剤に臭化銀あるいは沃化銀を含有させるための臭化物あるいは沃化物イオンの導入は、臭化物塩あるいは沃化物塩の溶液を単独で添加させるか、或いは銀塩溶液と高塩化物塩溶液の添加と併せて臭化物塩あるいは沃化物塩溶液を添加してもよい。後者の場合は、臭化物塩あるいは沃化物塩溶液と高塩化物塩溶液を別々に、または臭化物塩あるいは沃化物塩と高塩化物塩の混合溶液として添加してもよい。臭化物塩あるいは沃化物塩は、アルカリもしくはアルカリ土類臭化物塩あるいは沃化物塩のような溶解性塩の形で添加する。或いは米国特許第5,389,508号明細書に記載される有機分子から臭化物イオンあるいは沃化物イオンを開裂させることで導入することもできる。また別の臭化物あるいは沃化物イオン源として、微小臭化銀粒子あるいは微小沃化銀粒子を用いることもできる。
臭化物塩あるいは沃化物塩溶液の添加は、粒子形成の一時期に集中して行ってもよく、またある一定期間かけて行ってもよい。高塩化物乳剤への沃化物イオンの導入位置は、高感度で低被りな乳剤を得る上で制限される。沃化物イオンの導入は、乳剤粒子のより内部に行うほど感度の増加が小さい。故に沃化物塩溶液の添加は、粒子体積の50%より外側が好ましく、より好ましくは70%より外側から、最も好ましくは85%より外側から行なうのがよい。また沃化物塩溶液の添加は、好ましくは粒子体積の98%より内側で、最も好ましくは96%より内側で終了するのがよい。沃化物塩溶液の添加は、粒子表面から少し内側で終了することで、より高感度でカブリの低い乳剤を得ることができる。
一方、臭化物塩溶液の添加は、粒子体積の50%より外側が好ましく、より好ましくは70%より外側から行なうのがよい。
粒子内の深さ方向への臭化物あるいは沃化物イオン濃度の分布は、エッチング/TOF−SIMS(Time of Flight - Secondary Ion Mass Spectrometry)法により、例えばPhi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMSを用いて測定できる。TOF−SIMS法については、具体的には日本表面科学会編「表面分析技術選書二次イオン質量分析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されている。エッチング/TOF−SIMS法で乳剤粒子を解析すると、沃化物塩溶液の添加を粒子の内側で終了しても、粒子表面に向けて沃化物イオンがしみ出していることが分析できる。本発明の乳剤は、エッチング/TOF−SIMS法による分析で、沃化物イオンは粒子表面で濃度極大を有し、内側に向けて沃化物イオン濃度が減衰していることが好ましく、臭化物イオンは粒子内部で濃度極大を有することが好ましい。臭化銀の局所濃度は、臭化銀含有量がある程度高ければX線回折法でも測定することができる。
本発明に用いるセレン化合物について説明する。セレン化合物として、以下の一般式(SE1)、(SE2)もしくは(SE3)を好ましく用いることができる。
Figure 2005292806
一般式(SE1)中、MおよびMは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはカルバモイル基を表し、Qはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、OMもしくはNMを表し、M〜Mは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。また、M、MおよびQはそれぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Figure 2005292806
一般式(SE2)中、X、XおよびXはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、OJまたはNJを表す。J〜Jは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
Figure 2005292806
一般式(SE3)において、EおよびEはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基もしくはカルバモイル基を表す。EおよびEは同じであっても異なっていても良い。
次に一般式(SE1)で表されるセレン化合物について説明する。
一般式(SE1)中、M〜MおよびQで表されるアルキル基とは直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、ソディウムスルホエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、ブトキシプロピル基、エトキシエトキシエチル基、n−ヘキシルオキシプロピル基等)、炭素数3〜18の置換もしくは無置換の環状アルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、シクロドデシル基等)を表す。また、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、(つまり炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基であり、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含する。M〜MおよびQで表されるアルケニル基とは、炭素数2〜16のアルケニル基(例えば、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等)を表し、M〜MおよびQで表されるアルキニル基とは炭素数2〜10のアルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基等)を表す。
〜MおよびQで表されるアリール基としては、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のフェニル基およびナフチル基(例えば無置換フェニル基、無置換ナフチル基、3,5−ジメチルフェニル、4−ブトキシフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基等)等が挙げられ、ヘテロ環基としては例えばピリジル基、フリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、モルホリル基等が挙げられる。
一般式(SE1)中、MおよびMで表されるアシル基としては例えばアセチル基、ホルミル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、カプロイル基、n−ノナノイル基等が挙げられ、アミノ基としては、例えば無置換アミノ基、メチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−ブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられ、カルバモイル基としては、例えば無置換カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等が挙げられる。
一般式(SE1)においてMとM、QとM、またはQとMは互いに結合して環構造を形成しても良く、更にQがNMを表す場合、MとMは互いに結合して環構造を形成してもよい。
また上記一般式(SE1)中のM〜MおよびQは可能な限り置換基を有してもよく、その置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
一般式(SE1)で表される好ましい化合物としては、M及びMがそれぞれ水素原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数3〜6の置換もしくは無置換の環状アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基、ヘテロ環基、及び、アシル基であり、Qが、炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数3〜6の置換もしくは無置換の環状アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基、またはNMであり、MおよびMが水素原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数3〜6の置換もしくは無置換の環状アルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基、ヘテロ環基を表す場合である。
一般式(SE1)で表されるより好ましい化合物としては、M及びMがそれぞれ水素原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基であり、Qが炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基、またはNMであり、MおよびMが水素原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基である場合である。
一般式(SE1)で表される更に好ましい化合物としては、QがNMであり、MおよびMが水素原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基である場合である。一般式(SE1)で表される化合物の具体例を下記に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005292806
本発明の一般式(SE1)で表される化合物は、公知の方法、例えばケミカル・レビューズ(Chem.Rev.)55,181−228(1955)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)24,470−473(1959)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Heterocycl.Chem.)4,605−609(1967)、「薬誌」82,36−45(1962)、特公昭39−26203号、特開昭63−229449号、OLS−2,043,944号を参考にして合成できる。
次に、一般式(SE2)について詳細に説明する。
一般式(SE2)中、X〜XおよびJ〜Jで表されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およびヘテロ環基は、それぞれ式(SE1)においてM〜MおよびQが表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およびヘテロ環基と同義である。またX〜XおよびJ〜Jは可能な限り置換基を有していてもよくその置換基の例は一般式(SE1)においてM〜MおよびQが有していても良い置換基と同義である。
一般式(SE2)で表される化合物として好ましくはX〜Xがそれぞれ炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基、またはヘテロ環基を表す場合であり、より好ましくはX〜Xがそれぞれ炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基を表す場合である。
以下に一般式(SE2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005292806
本発明の一般式(SE2)で表される化合物は、公知の方法、例えば、オルガニック・フォスフォラス・コンパウンズ(OrganicPhosphorusCompounds、4巻、1〜73頁)、ジャーナル・ケミカル・ソサイエティーB(J.Chem.Soc.(B),1416頁、1968年)、ジャーナル・オルガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.32巻、1717頁、1967年)、ジャーナル・オルガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.32巻、2999頁、1967年)、テトラヘドロン(Tetrahedron、20、449頁、1964年)、ジャーナル・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.,91巻、2915頁、1969年)等を参考にして合成できる。
次に一般式(SE3)で表される化合物について説明する。
一般式(SE3)においてEおよびEで表されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およびヘテロ環基は、それぞれ一般式(SE1)においてM〜MおよびQが表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およびヘテロ環基と同義である。EおよびEで表されるアシル基としては例えばアセチル基、ホルミル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、カプロイル基、n−ノナノイル基等が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては例えばフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基などが挙げられ、カルバモイル基としては例えば無置換カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などが挙げられる。またEおよびEは可能な限り置換基を有していてもよくその置換基の例は一般式(SE1)においてM〜MおよびQが有していても良い置換基と同義である。
本発明において、一般式(SE3)で表される好ましい化合物は、EおよびEが下記一般式(T1)〜(T4)で表される基より選ばれる。この場合、EおよびEは同じであっても異なっていても良い。
Figure 2005292806
一般式(T1)において、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ORもしくはNRを表し、R〜Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基を表す。一般式(T2)において、Lは2価の連結基を表し、EWGは電子求引性基を表す。一般式(T3)において、Aは酸素原子、硫黄原子もしくはNRを表し、R〜Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基を表す。一般式(T4)において、Aは酸素原子、硫黄原子もしくはNR11を表し、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基もしくはアシル基を表し、R〜R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基を表す。Zは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。nが2以上である場合はZが同じでも異なっていても良い。
一般式(T1)においてYはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ORもしくはNRを表し、R〜Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基を表すが、ここで言うアルキル基とは一般式(SE1)におけるM〜MおよびQが表すアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。同様に、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基についてもそれぞれM〜MおよびQが表すアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(T1)において、本発明ではYはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基である場合が好ましく、アルキル基もしくはアリール基である場合がより好ましい。
一般式(T2)において、Lで表される2価の連結基は、炭素数2〜20のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を表し、特に炭素数2〜10の直鎖、分岐または環状のアルキレン基(例えばエチレン、プロピレン、シクロペンチレン、シクロへキシレン)、アルケニレン基(例えばビニレン)、アルキニレン基(例えばプロピニレン)を表す。好ましいLとしては一般式(L1)、一般式(L2)に示すものが挙げられる。
Figure 2005292806
Figure 2005292806
一般式(L1)、一般式(L2)において、G、G、G、Gは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数1〜10のヘテロ環基を表し、G、G、Gは連結して環を形成しても良い。G、G、G、Gとして好ましくは水素原子、アルキル基もしくはアリール基であり、水素原子もしくはアルキル基がより好ましい。
一般式(T2)において、EWGは電子求引性基を表す。ここでいう電子求引性基とは、ハメットの置換基定数σ値が正の値である置換基であり、好ましくはσ値が0.2以上であり、上限としては1.0以下の置換基を表す。σ値が0.2以上の電子求引性基の具体例としてはアシル基、ホルミル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルキルホスフィニル基、ジアリールホスフィニル基、ホスホリル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、カルボキシ基(またはその塩)、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基、アシルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルチオ基、σ値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基などが挙げられる。本発明において、EWGは好ましくはアシル基、ホルミル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルキルホスフィニル基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、σ値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子であり、より好ましくはアシル基、ホルミル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基であり、更に好ましくはアシル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基である。
一般式(T3)においてR〜Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基もしくはヘテロ環基を表すが、ここで言うアルキル基とは一般式(SE1)におけるM〜MおよびQが表すアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。同様に、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基についてもそれぞれM〜MおよびQが表すアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明において、Rはアルキル基が好ましい。RおよびRは水素原子、アルキル基もしくはアリール基が好ましく、水素原子もしくはアルキル基がより好ましく、一方が水素原子で他方が水素原子もしくはアルキル基である場合が最も好ましい。Rは水素原子、アルキル基もしくはアリール基が好ましく、水素原子もしくはアルキル基がより好ましく、アルキル基が最も好ましい。
一般式(T3)においてAは酸素原子、硫黄原子もしくはNRを表すが、本発明においては酸素原子もしくは硫黄原子である場合が好ましく、酸素原子である場合が最も好ましい。
次に一般式(T4)について説明する。
一般式(T4)においてR〜R11で表されるアルキル基とは一般式(SE1)におけるR〜RおよびQが表すアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。同様に、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基についてもそれぞれR〜RおよびQが表すアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基と同義であり、好ましい範囲も同様である。Rで表されるアシル基はアセチル基、ホルミル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、カプロイル基、n−ノナノイル基などが挙げられる。
一般式(T4)においてZは置換基を表すがその例としては先に一般式(SE1)においてM〜MおよびQが有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
本発明において、Zとして好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基(及びその塩を含む)、シアノ基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基(及びその塩を含む)、スルファモイル基などであり、より好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシ基(及びその塩を含む)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホ基(及びその塩を含む)などであり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、カルボキシ基(及びその塩を含む)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホ基(及びその塩を含む)などである。
一般式(T4)において、nは0〜4の整数を表す。本発明においてnは0〜2を表す場合が好ましく、0または1である場合がより好ましい。
一般式(T4)においてAは酸素原子、硫黄原子もしくはNR11を表すが、本発明においては酸素原子もしくは硫黄原子を表す場合が好ましい。
本発明において、一般式(SE3)で表される化合物のうち、好ましい化合物はEが一般式(T1)でEが一般式(T1)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T2)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T4)、Eが一般式(T2)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T2)でEが一般式(T4)、Eが一般式(T3)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T3)でEが一般式(T4)、Eが一般式(T4)でEが一般式(T4)の場合であり、より好ましくはEが一般式(T1)でEが一般式(T1)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T2)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T4)、Eが一般式(T2)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T3)でEが一般式(T4)、Eが一般式(T4)でEが一般式(T4)の場合であり、更に好ましくはEが一般式(T1)でEが一般式(T2)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T4)、Eが一般式(T2)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T3)でEが一般式(T4)の場合であり、最も好ましくはEが一般式(T1)でEが一般式(T2)、Eが一般式(T1)でEが一般式(T3)、Eが一般式(T2)でEが一般式(T3)の場合である。
以下に一般式(SE3)で表されるセレン化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はこれに限定されるものではない。また、立体異性体が複数存在しうる化合物については、その立体構造を限定するものではない。
Figure 2005292806
Figure 2005292806
一般式(SE3)で表される化合物は既に知られている次の文献、S. Patai, Z. Rappoport編、ザ ケミストリー オブ オルガニック セレニウム アンド テルリウム コンパウンズ(The Chemistry of Organic Selenium and Tellurium Compounds)、第1巻(1986年)、同、第2巻(1987年)、D. Liotta著、オルガノセレニウム ケミストリー(Organo- selenium Chemistry),(1987年)等に記載の方法に準じて合成することができる。
また、本発明においてはその他のセレン化合物として、特公昭43−13489号、同44−15748号、特開平4−25832号、同4−109240号、同4−271341号、同5−40324号、同5−11385号、同6−51415、同6−175258号、同6−180478号、同6−208186号、同6−208184号、同6−317867号、同7−92599号、同7−98483号、同7−140579号、同7−301879号、同7−301880号、同8−114882号、同9−138475号、同9−197603号、同10−10666号などに記載されているセレン化合物、具体的には、コロイド状金属セレン、セレノケトン類(例えば、セレノベンゾフェノン)、イソセレノシアネート類、セレノカルボン酸類などを用いることができる。またさらに、特公昭46−4553号、同52−34492号などに記載の非不安定セレン化合物、例えば亜セレン酸、セレノシアン酸類(例えば、セレノシアン酸カリウム)、セレナゾール類、セレニド類なども用いることができる。この中では特にセレノシアン酸類が好ましい。
以上、セレン化合物として、用いることのできる構造を示してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明で用いるセレン化合物は、X線光電子分光装置で測定したセレン原子の3d軌道電子の束縛エネルギー値が54.0eV以上65.0eV以下であることが、硬調化や低カブリの点で好ましい。
本発明で用いるセレン増感剤の使用量は、使用するセレン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当り1×10−8〜1×10−4モル、好ましくは1×10−7〜1×10−5モル程度を用いる。また、本発明における化学増感の条件としては、特に制限はないが、pClとしては0〜7が好ましく、0〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。温度としては40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
本発明で用いるセレン化合物は、粒子形成直後から、化学増感終了直前までのどの段階にも添加することができる。好ましい添加時期は、脱塩後から化学増感工程の間である。
本発明においては、硫黄増感およびテルル増感および他の金増感や貴金属増感とも併用できる。金増感剤としては、コロイド状硫化金あるいは金の錯安定度定数logβ2が21以上かつ35以下の金増感剤を好ましく併用することができる。これら以外に、通常用いられる金化合物(例えば、塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシッド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールド等)も併用することができる。
還元増感剤を併用することも可能であり、具体的には、塩化第1スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物、等が挙げられる。
また、本発明においては、ハロゲン化銀溶剤の存在下で、セレン化合物による化学増感を行うのが好ましい。具体的には、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸カリウム、等)、チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3021215号、同3271157号、特公昭58−30571号、特開昭60−136736号等に記載の化合物、特に、3,6−ジチア−1,8オクタンジオール等)、四置換チオ尿素化合物(例えば、特公昭59−11892号、米国特許第4221863号等に記載の化合物、特に、テトラメチルチオ尿素等)、更に、特公昭60−11341号に記載のチオン化合物、特公昭63−29727号に記載のメルカプト化合物、特開昭60−163042号に記載のメソイオン化合物、米国特許第4782013号に記載のセレノエーテル化合物、特願昭63−173474号に記載のテルロエーテル化合物、亜硫酸塩等が挙げられる。特に、これらの中で、チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置換チオ尿素化合物とチオン化合物は好ましく用いることができる。使用量としては、ハロゲン化銀1モル当り1×10−5〜1×10−2モル程度用いることができる。
本発明で用いる特定のハロゲン化銀乳剤は、下記一般式(D1)で表される化合物を含有することが好ましい。
一般式(D1)
[MD1D1 n1D1 (6−n1)m1
一般式(D1)において、MD1はCr、Mo、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、PdまたはPtを表し、XD1はハロゲンイオンを表す。LD1はXD1とは異なる任意の配位子を表す。nは3、4、5、または6を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。また、複数のXD1は互いに同一でも異なってもよく、LD1が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なってもよい。ただし、一般式(D1)で表される金属錯体は、シアノ(CN)配位子を有さないか、有する場合には1個だけである。
一般式(D1)の金属錯体の中でも、下記一般式(D1A)で表される金属錯体が好ましい。
一般式(D1A)
[MD1AD1A n3D1A (6−n3)m3
一般式(D1A)中、MD1AはRe、Ru、Os、Rhを表し、XD1Aはハロゲンイオンを表す。LD1AはMD1AがRe、RuまたはOsの場合、NOまたはNSを表し、MD1AがRhの場合、HO、OHまたはOを表す。nは3、4、5または6を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。XD1Aは一般式(D1)のXD1と同義であり、好ましい範囲も同じである。
ここで、3〜6個のXD1Aは互いに同一でも異なってもよく、またLD1Aが複数存在する場合、複数のLD1Aは互いに同一でも異なってもよい。
これらの金属錯体は、例えば無機化合物・錯体辞典(中原勝儼/著、株式会社講談社サイエンティフィク/編集、株式会社講談社/1997年6月10日第1刷発行)、第四版実験化学講座(丸善株式会社)17巻、グメリーン無機及び有機金属化学全書(Gmelin handbook of inorganic and organometallic chemistry)、コンプリヘンシブ コーディネイション ケミストリー 4巻 ミドル トランジション エレメンツ ペルガモン出版(Comprehensive Coordination Chemistry, Volume 4, Middle Transition Elements, Pergamon Press)、キレート化学(1)〜(6)上野景平編集 南江堂、などを参考にして合成することができる。これらの他に、米国特許5,360,712号、特開2001−302558号、特開2002−155055号、特開2002−274855号、特開2002−357879号、特開2003−95661号などの公報を参考にして合成することができる。
以下に一般式(D1)で表される金属錯体の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ReCl6]2−
[ReCl5(NO)]2−
[RuCl6]2−
[RuCl6]3−
[RuCl5(NO)]2−
[RuCl5(NS)]2−
[RuBr5(NS)]2−
[OsCl6]3−
[OsCl6]2−
[OsCl5(NO)]2−
[OsBr5(NS)]2−
[RhCl6]3−
[RhCl5(H2O)]2−
[RhCl4(H2O)2]
[RhBr6]3−
[RhBr5(H2O)]2−
[RhBr4(H2O)2]
[PdCl6]2−
[PtCl6]2−
これらの中でも、[RuCl5(NO)]2−、[OsCl5(NO)]2−、[RhBr6]3−および[RhCl6]3−が好ましく、[RuCl5(NO)]2−が特に好ましい。
本発明で用いる特定のハロゲン化銀乳剤は、下記一般式(D2)で表される化合物を含有することが好ましい。
一般式(D2)
[IrXD2 n2D2 (6−n2)m2
一般式(D2)において、XD2はハロゲンイオンまたは擬ハロゲンイオン(ただしシアン酸イオンOCNを除く)を表す。LD2はXD2とは異なる任意の配位子を表す。nは3、4、または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。また、複数のXD2は互いに同一でも異なってもよく、LD2が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なってもよい。
ここで、3〜5個のXD2は互いに同一でも異なってもよく、またLD2が複数存在する場合、複数のLは互いに同一でも異なってもよい。上記において、擬ハロゲン(ハロゲノイド)イオンとは、ハロゲンイオンに似た性質を有するイオンのことであり、例えば、シアン化物イオン(CN)、チオシアン酸イオン(SCN)、セレノシアン酸イオン(SeCN)、テルロシアン酸イオン(TeCN)、アジドジチオ炭酸イオン(SCSN )、雷酸イオン(ONC)、アジ化物イオン(N )等が挙げられる。ただし、シアン酸イオン(OCN)は除く。
D2として好ましくはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、シアン化物イオン、イソシアン酸イオン、チオシアン酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、または、アジ化物イオンであり、中でも塩化物イオン、および臭化物イオンであることが特に好ましい。LD2には特に制限はなく、無機化合物であっても有機化合物であってもよく、電荷を持っていても無電荷であってもよいが、無電荷の無機化合物または有機化合物であることが好ましい。
一般式(D2)の金属錯体の中でも、下記一般式(D2A)で表される金属錯体が好ましい。
一般式(D2A)
[IrXD2A n4D2A (6−n4)m4
一般式(D2A)中、XD2Aはハロゲンイオンまたはシアン酸イオン以外の擬ハロゲンイオンを表し、LD2AはXD2Aとは異なる任意の無機配位子を表す。nは3、4または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。XD2Aは一般式(I)のXD2と同義であり、好ましい範囲も同じである。LD2Aとして好ましくは水(アクア;HO)、OCN、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)、カルボニル(CO)であり、特に水(HO)であることが好ましい。
ここで、3〜5個のXD2Aは互いに同一でも異なってもよく、またLD2Aが複数存在する場合、複数のLD2Aは互いに同一でも異なってもよい。
一般式(D2)で表される金属錯体の中でも、下記一般式(D2B)で表される金属錯体が更に好ましい。
一般式(D2B)
[IrXD2B n5D2B (6−n5)m5
一般式(D2B)中、XD2Bはハロゲンイオンまたはシアン酸イオン以外の擬ハロゲンイオンを表し、LD2Bは鎖式または環式の炭化水素を母体構造とするか、またはその母体構造の一部の炭素または水素原子が他の原子または原子団に置き換えられた配位子を表す。nは3、4または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。XD2Bは一般式(D2)のXD2と同義であり、好ましい範囲も同じである。LD2Bは鎖式または環式の炭化水素を母体構造とするか、またはその母体構造の一部の炭素または水素原子が他の原子または原子団に置き換えられた配位子を表すが、シアン化物イオンは含めない。LD2Bは複素環化合物が好ましい。より好ましくは5員環化合物を配位子とする錯体であり、5員環化合物の中でも少なくとも1の窒素原子と少なくとも1つの硫黄原子を5員環骨格の中に含有する化合物であることがさらに好ましい。
ここで、3〜5個のXD2Bは互いに同一でも異なってもよく、またLD2Bが複数存在する場合、複数のLD2Bは互いに同一でも異なってもよい。
一般式(D2B)で表される金属錯体の中でも、下記一般式(D2C)で表される金属錯体が更に好ましい。
一般式(D2C)
[IrXD2C n6D2C (6−n6)m6
一般式(D2C)中、XD2Cはハロゲンイオンまたはシアン酸イオン以外の擬ハロゲンイオンを表し、LD2Cは5員環配位子で、環骨格中に少なくとも1つの窒素原子と少なくとも1つの硫黄原子を含有する配位子を表す。なお、該環骨格中の炭素原子上に任意の置換基を持ってよい。nは3、4または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。
D2Cは一般式(I)のXD2と同義であり、好ましい範囲も同じである。LD2C中の環骨格中の炭素原子上の置換基としては、n−プロピル基より小さな体積を持つ置換基であることが好ましい。置換基としてメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、チオホルミル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ヒドラジノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシアミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が好ましい。
ここで、3〜5個のXD2Cは互いに同一でも異なってもよく、またLD2Cが複数存在する場合、複数のLD2Cは互いに同一でも異なってもよい。
一般式(D2C)の金属錯体の中でも、下記一般式(D2D)で表される金属錯体が更に好ましい。
一般式(D2D)
[IrXD2D n7D2D (6−n7)m7
一般式(D2D)中、XD2Dはハロゲンイオンまたはシアン酸イオン以外の擬ハロゲンイオンを表し、LD2Dは5員環配位子で、環骨格中に少なくとも2つの窒素原子と少なくとも1つの硫黄原子を含有する配位子を表す。なお、該環骨格中の炭素原子上に任意の置換基を持ってよい。nは3、4または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。
D2Dは一般式(I)のXD2と同義であり、好ましい範囲も同じである。LD2Dとして好ましくはチアジアゾールを骨格とする化合物であり、化合物中の炭素原子には水素以外の置換基が結合することが好ましい。置換基として好ましくはハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、メトキシカルボキシル基、アシル基、アセチル基、クロロホルミル基、メルカプト基、メチルチオ基、チオホルミル基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、メチルアミノ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、カルバモイル基、ニトロソ基、ニトロ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基またはアジド基であり、より好ましくは、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、クロロホルミル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、ヒドロキシイミノ基、ニトロソ基、ニトロ基、または、アジド基である。中でも塩素、臭素、クロロホルミル基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、が特に好ましい。nとして好ましくは4または5、mとして好ましくは−2または−1である。
ここで、3〜5個のXD2Dは互いに同一でも異なってもよく、またLD2Dが複数存在する場合、複数のLD2Dは互いに同一でも異なってもよい。
以下に一般式(D2)で表される金属錯体の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[IrCl5(H2O)]2−
[IrCl4(H2O)2]
[IrCl5(H2O)]
[IrCl4(H2O)2]0
[IrCl5(OH)]3−
[IrCl4(OH)2]3−
[IrCl5(OH)]2−
[IrCl4(OH)2]2−
[IrCl5(O)]4−
[IrCl5(O)]3−
[IrCl4(O)2]4−
[IrBr5(H2O)]2−
[IrBr4(H2O)2]
[IrBr5(H2O)]
[IrBr4(H2O)2]0
[IrBr5(OH)]3−
[IrBr4(OH)2]3−
[IrBr5(OH)]2−
[IrBr4(OH)2]2−
[IrBr5(O)]4−
[IrBr5(O)]3−
[IrBr4(O)2]4−
[IrCl5(OCN)]3−
[IrBr5(OCN)]3−
[IrCl5(thiazole)]2−
[IrCl4(thiazole)2]
[IrCl3(thiazole)3]0
[IrBr5(thiazole)]2−
[IrBr4(thiazole)2]
[IrBr3(thiazole)3]0
[IrCl5(5−methylthiazole)]2−
[IrCl4(5−methylthiazole)2]
[IrBr5(5−methylthiazole)]2−
[IrBr4(5−methylthiazole)2]
これらの中でも[IrCl5(H2O)]2−、[IrCl5(thiazole)]2−、および[IrCl5(5−methylthiazole)]2−が好ましい。
以上に挙げた一般式(D1)または一般式(D2)で表される金属錯体は陰イオンであるか、電気的に中性である。陰イオンであって、陽イオンと塩を形成した時には、その対陽イオンとしては水に溶解しやすいものが好ましい。具体的には、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンが好ましい。これらの金属錯体は、水のほかに水と混合し得る適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒に溶かして使うことができる。一般式(D1)で表される金属錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×10−11モル〜1×10−6モル添加することが好ましく、1×10−10モル〜1×10−7モル添加することが最も好ましい。一般式(D2)で表される金属錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×10−10モル〜1×10−3モル添加することが好ましく、1×10−8モル〜1×10−5モル添加することが最も好ましい。
本発明において上記の金属錯体は、ハロゲン化銀粒子形成時に反応溶液中に直接添加するか、ハロゲン化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水溶液中、あるいはそれ以外の溶液中に添加し、粒子形成反応溶液に添加することにより、ハロゲン化銀粒子内に組み込むのが好ましい。また、あらかじめ金属錯体を粒子内に組み込んだ微粒子で物理熟成してハロゲン化銀粒子に組み込むことも好ましい。さらにこれらの方法を組み合わせてハロゲン化銀粒子内へ含有させることもできる。
これらの金属錯体をハロゲン化銀粒子に組み込む場合、粒子内部に均一に存在させることも行われるが、特開平4−208936号、特開平2−125245号、特開平3−188437号各公報に開示されている様に、粒子表面層のみに存在させることも好ましく、粒子内部のみに錯体を存在させ粒子表面には錯体を含有しない層を付加することも好ましい。また、米国特許第5,252,451号および同第5,256,530号明細書に開示されているように、錯体を粒子内に組み込んだ微粒子で物理熟成して粒子表面相を改質することも好ましい。さらに、これらの方法を組み合わせて用いることもでき、複数種の錯体を1つのハロゲン化銀粒子内に組み込んでもよい。
本発明においては、2種以上、好ましくは3種以上のイリジウム錯体を使用するのが好ましい。
本発明で用いる特定のハロゲン化銀乳剤は、一般式(D2)で表されるイリジウム錯体以外にも、6個全てのリガンドがCl、BrまたはIからなるイリジウム錯体を更に含有することができる。この場合、6配位錯体中にCl、BrまたはIが混在していてもよい。Cl、BrまたはIをリガンドとして有するイリジウム錯体は、臭化銀含有相に含まれることが、高照度露光で硬調な階調を得るために特に好ましい。
以下に、6個全てのリガンドがCl、BrまたはIからなるイリジウム錯体の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
[IrCl62−
[IrCl63−
[IrBr62−
[IrBr63−
[IrI63−
本発明においては、以上に述べた金属錯体以外にも他の金属イオンをハロゲン化銀粒子の内部及び/または表面にドープすることができる。用いる金属イオンとしては遷移金属イオンが好ましく、なかでも、鉄、ルテニウム、オスミウム、鉛、カドミウム、または、亜鉛であることが好ましい。さらにこれらの金属イオンは配位子を伴い6配位八面体型錯体として用いることがより好ましい。無機化合物を配位子として用いる場合には、シアン化物イオン、ハロゲン化物イオン、チオシアン、水酸化物イオン、過酸化物イオン、アジ化物イオン、亜硝酸イオン、水、アンモニア、ニトロシルイオン、または、チオニトロシルイオンを用いることが好ましく、上記の鉄、ルテニウム、オスミウム、鉛、カドミウム、または、亜鉛のいずれの金属イオンに配位させて用いることも好ましく、複数種の配位子を1つの錯体分子中に用いることも好ましい。また、配位子として有機化合物を用いることも出来、好ましい有機化合物としては主鎖の炭素数が5以下の鎖状化合物および/または5員環あるいは6員環の複素環化合物を挙げることが出来る。さらに好ましい有機化合物は分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、または、硫黄原子を金属への配位原子として有する化合物であり、特に好ましくはフラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、フラザン、ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンであり、さらにこれらの化合物を基本骨格としそれらに置換基を導入した化合物もまた好ましい。
金属イオンと配位子の組み合わせとして好ましくは、鉄イオン及びルテニウムイオンとシアン化物イオンの組み合わせである。本発明においては、以上に述べた金属錯体とこれらの化合物を併用することが好ましい。これらの化合物においてシアン化物イオンは、中心金属である鉄またはルテニウムへの配位数のうち過半数を占めることが好ましく、残りの配位部位はチオシアン、アンモニア、水、ニトロシルイオン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ピラジン、または、4,4’−ビピリジンで占められることが好ましい。最も好ましくは中心金属の6つの配位部位が全てシアン化物イオンで占められ、ヘキサシアノ鉄錯体またはヘキサシアノルテニウム錯体を形成することである。これらシアン化物イオンを配位子とする錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×10−8モル〜1×10−2モル添加することが好ましく、1×10−6モル〜5×10−4モル添加することが最も好ましい。
本発明において、感光材料中に用いられるハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化銀粒子として、粒子形状は特に制限はないが、実質的に{100}面を持つ立方体、14面体の結晶粒子(これらは粒子頂点が丸みを帯び、さらに高次の面を有していてもよい)、8面体の結晶粒子、主表面が{100}面または{111}面からなるアスペクト比3以上の平板状粒子からなることが好ましい。アスペクト比とは、投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さで割った値である。
本発明においては、実質的に{100}面を持つ立方体、14面体の結晶粒子が好ましい。
本発明において、粒子サイズは個々の粒子の体積と等しい体積を有する立方体の1辺の長さ(辺長ともいう)、もしくは個々の粒子の体積と等しい体積を有する球の直径で表される。本発明のカラー写真感光材料で用いる乳剤は、粒子サイズ分布が単分散な粒子からなる、いわゆる単分散乳剤であることが好ましい。個々のハロゲン化銀乳剤に含まれる全ての粒子における粒子サイズの変動係数は20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。粒子サイズの変動係数とは、個々の粒子の辺長又は球相当径の標準偏差を、辺長又は球相当径の平均値で除した百分率として表される。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、同一感色性層として重層塗布することも好ましく行われる。
本発明においては、セレン化合物を含有するハロゲン化銀乳剤に含まれる粒子の球相当径は、0.65μm以下であることが好ましく、0.6μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましく、0.4μm以下であることが特に好ましい。なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径の下限は、0.05μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。球相当径0.6μmの粒子は、辺長約0.48μmの立方体粒子に相当し、球相当径0.5μmの粒子は辺長約0.4μmの立方体粒子に相当し、球相当径0.4μmの粒子は辺長約0.32μmの立方体粒子に相当する。
本発明において、感光材料中に用いられるハロゲン化銀乳剤は、当業界に知られる金増感を施したものであることが好ましい。金増感を施すことにより、乳剤を高感度化でき、レーザー光等によって走査露光したときの写真性能の変動を小さくすることができるからである。金増感を施すには、種々の無機金化合物や無機配位子を有する金(I)錯体及び有機配位子を有する金(I)化合物を利用することができる。無機金化合物としては、例えば塩化金酸もしくはその塩、無機配位子を有する金(I)錯体としては、例えばジチオシアン酸金(I)カリウム等のジチオシアン酸金化合物やジチオ硫酸金(I)3ナトリウム等のジチオ硫酸金化合物等の化合物を用いることができる。
有機配位子(有機化合物)を有する金(I)化合物としては、特開平4−267249号に記載のビス金(I)メソイオン複素環類、例えばビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート、特開平11−218870号に記載の有機メルカプト金(I)錯体、例えばカリウム ビス(1−[3−(2−スルホナートベンズアミド)フェニル]−5−メルカプトテトラゾールカリウム塩)オーレート(I)5水和物、特開平4−268550号に記載の窒素化合物アニオンが配位した金(I)化合物、例えば、ビス(1−メチルヒダントイナート)金(I)ナトリウム塩四水和物、を用いることができる。これらの有機配位子を有する金(I)化合物は、あらかじめ合成して単離したものを使用する他に、有機配位子とAu化合物(例えば塩化金酸やその塩)とを混合することにより、発生させて単離することなく、乳剤に添加することができる。更には、乳剤に有機配位子とAu化合物(例えば塩化金酸やその塩)とを別々に添加し、乳剤中で有機配位子を有する金(I)化合物を発生させてもよい。
また、米国特許第3,503,749号に記載されている金(I)チオレート化合物、特開平8−69074号、特開平8−69075号、特開平9−269554号に記載の金化合物、米国特許第5620841号、同5912112号、同5620841号、同5939245号、同5912111号に記載の化合物も用いることができる。
これらの化合物の添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり5×10−7〜5×10−3モル、好ましくは5×10−6〜5×10−4モルである。
また、コロイド状硫化金を用いることも可能であり、その製造方法はリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure,37154)、ソリッド ステート イオニクス(Solid State Ionics)第79巻、60〜66頁、1995年刊、Compt.Rend.Hebt.Seances Acad.Sci.Sect.B第263巻、1328頁、1966年刊等に記載されている。上記Reserch Disclosureには、コロイド状硫化金の製造の際、チオシアナートイオンを用いる方法が記載されているが、代わりにメチオニンやチオジエタノールなどのチオエーテル化合物を用いることができる。
コロイド状硫化金としてさまざまなサイズのものを利用でき、平均粒径50nm以下のものを用いることが好ましく、平均粒径10nm以下がより好ましく、平均粒径3nm以下が更に好ましい。この粒径はTEM写真から測定できる。また、コロイド状硫化金の組成は、Au2S1でもよく、Au2S1〜Au2S2の様な硫黄過剰な組成のものであってもよく、硫黄過剰な組成が好ましい。Au2S1.1〜Au2S1.8が更に好ましい。
このコロイド状硫化金の組成分析は、例えば、硫化金粒子を取り出して金の含有量と硫黄の含有量をそれぞれICPやヨードメトリーなどの分析法を利用して求めることができる。液相に溶解している金イオン、硫黄イオン(硫化水素やその塩を含む)が硫化金コロイド中に存在すると硫化金コロイド粒子の組成分析に影響する為、限外ろ過などにより硫化金粒子を分離した上で分析は行われる。硫化金コロイドの添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり金原子として5×10−7〜5×10−3モル、好ましくは5×10−6〜5×10−4モルである。
金増感と併せてカルコゲン増感も同一の分子で行うことが可能であり、AuChを放出可能な分子を用いることができる。ここでAuはAu(I)を表し、Chは、硫黄原子、セレン原子、テルル原子を表す。AuChを放出可能な分子とは、例えば、AuCh−Lで表される金化合物が挙げられる。ここで、LはAuChと結合して分子を構成する原子団を表す。また、Auに対して、Ch−Lとともに更にもう一つ以上の配位子が配位してもよい。また、AuCh−Lで表される金化合物は銀イオン共存下、溶媒中で反応させるとChがSの場合AgAuSを、ChがSeの場合AgAuSeを、ChがTeの場合AgAuTeを生成させやすい特徴を有しているものである。このような化合物として、Lがアシル基であるものが挙げられるが、その他に、下記に示す、式(AuCh1)、式(AuCh2)、式(AuCh3)で表される化合物が挙げられる。
式(AuCh1) R−X−M−ChAu
ここで、AuはAu(I)を表し、Chは硫黄原子、セレン原子、テルル原子を表し、Mは置換または無置換のメチレン基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子、NR2を表し、Rは、Xと結合して分子を構成する原子団(例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などの有機基)を表し、R2は、水素原子及び置換基(例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などの有機基)を表す。R1とMは互いに結合して環を形成してもよい。
式(AuCh1)で表される化合物において、Chが硫黄原子、及びセレン原子であるものが好ましく、Xは酸素原子、硫黄原子が好ましく、Rはアルキル基、アリール基が好ましい。より具体的な化合物の例としては、チオ糖のAu(I)塩(α金チオグルコース等の金チオグルコース、金パーアセチルチオグルコース、金チオマンノース、金チオガラクトース、金チオアラビノース等)、セレノ糖のAu(I)塩(金パーアセチルセレノグルコース、金パーアセチルセレノマンノース等)、テルロ糖のAu(I)塩、等である。ここでチオ糖、セレノ糖、テルロ糖とは、糖のアノマー位水酸基がそれぞれSH基、SeH基、TeH基に置き換わった化合物を表す。
式(AuCh2) W1W2C=CR3ChAu
ここで、AuはAu(I)を表し、Chは硫黄原子、セレン原子、テルル原子を表し、R及びW2は、置換基(例えば、水素原子、ハロゲン原子、及び、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基などの有機基)を表し、W1はハメットの置換基定数σ値が正の値である電子吸引性基を表す。RとW1、R3とW2、W1とW2は互いに結合して環を形成してもよい。
式(AuCh2)で表される化合物において、Chが硫黄原子、及びセレン原子であるものが好ましく、Rは、水素原子及びアルキル基が好ましく、W1及びW2はハメットの置換基定数σ値が0.2以上である電子吸引性基が好ましい。より具体的な化合物の例としては、(NC)2C=CHSAu、(CH3OCO)2C=CHSAu、CH3CO(CH3OCO)C=CHSAuなどが挙げられる。
式(AuCh3) W3−E−ChAu
ここで、AuはAu(I)を表し、Chは硫黄原子、セレン原子、テルル原子を表し、Eは置換もしくは無置換のエチレン基を表し、W3はハメットの置換基定数σ値が正の値である電子吸引性基を表す。
式(AuCh3)で表される化合物において、Chが硫黄原子、及びセレン原子であるものが好ましく、Eはハメットの置換基定数σ値が正の値である電子吸引性基を有するエチレン基であることが好ましく、W3はハメットの置換基定数σ値が0.2以上である電子吸引性基が好ましい。
これらの化合物の添加量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあたり5×10−7〜5×10−3モル、好ましくは3×10−6〜3×10−4モルである。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止する、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合物あるいはそれ等の前駆体を添加することができる。これらの化合物の具体例は、特開昭62−215272号公報の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いられる。更にEP0447647号に記載された5−アリールアミノ−1,2,3,4−チアトリアゾール化合物(該アリール残基には少なくとも一つの電子吸引性基を持つ)も好ましく用いられる。
また、本発明において、ハロゲン化銀乳剤の保存性を高めるため、特開平11−109576号公報に記載のヒドロキサム酸誘導体、特開平11−327094号公報に記載のカルボニル基に隣接して、両端がアミノ基若しくはヒドロキシル基が置換した二重結合を有す環状ケトン類(特に一般式(S1)で表されるもので、段落番号0036〜0071は本明細書に取り込むことができる。)、特開平11−143011号公報に記載のスルホ置換のカテコールやハイドロキノン類(例えば、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキシベンゼンスルホン酸及びこれらの塩など)、米国特許第5,556,741号明細書の一般式(A)で表されるヒドロキシルアミン類(米国特許第5,556,741号明細書の第4欄の第56行〜第11欄の第22行の記載は本発明においても好ましく適用され、本明細書の一部として取り込まれる)、特開平11−102045号公報の一般式(I)〜(III)で表される水溶性還元剤は、本発明においても好ましく使用される。
また、本発明で用いるハロゲン化銀乳剤には、所望の光波長域に感光性を示す、いわゆる分光感度を付与する目的で、分光増感色素を含有させることができる。青、緑、赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては、例えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds−Cyanine dyes and related compounds (John Wiley & Sons [New York,London] 社刊1964年)に記載されているものを挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いられる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123340号公報に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
これらの分光増感色素の添加量は場合に応じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モル当り、0.5×10−6モル〜1.0×10−2モルの範囲が好ましい。更に好ましくは、1.0×10−6モル〜5.0×0−3モルの範囲である。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単に「感光材料」という場合がある)は、支持体上に、赤感性、緑感性および青感性ハロゲン化銀乳剤層のそれぞれ少なくとも一層を有して構成され、前記ハロゲン化銀乳剤層のうち少なくとも一層が、本発明でいう特定のハロゲン化銀乳剤を含有し、且つ前述の式(1)を満足することを特徴とする。
本発明の感光材料は、支持体上に、イエロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層、シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層のそれぞれ少なくとも一層を有して構成されることが好ましい。本発明において、前記イエロー色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はイエロー発色層として、前記マゼンタ色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はマゼンタ発色層として、及び前記シアン色素形成カプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層はシアン発色層として機能する。前記イエロー発色層、マゼンタ発色層及びシアン発色層に各々含有されるハロゲン化銀乳剤は、相互に異なる波長領域の光に対して、感光性を有しているのが好ましい。好ましい例としては、青色領域に感光性を有する乳剤をイエロー発色層に含み、緑色領域に感光性を有する乳剤をマゼンタ発色層に含み、赤色領域に感光性を有する乳剤をシアン発色層に含むハロゲン化銀カラー写真感光材料を挙げることができるが、これに限定されない。
本発明においては、ハロゲン化銀乳剤層に少なくとも2種類の感度の異なる塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することが好ましい。感度の異なるハロゲン化銀乳剤は、2種類以上あれば良いが、感光材料の設計上は2種類もしくは3種類であることが好ましい。複数のハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズ、ハロゲン組成や構造、増感色素、化学増感剤、かぶり防止剤等の種類や量が異なっていてもよく、また同じであってもよい。
少なくとも2種類の感度の異なる塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤は、同一ハロゲン化銀乳剤層に混合されていることが好ましいが、感度の異なる乳剤がそれぞれ別々の乳剤層に塗り分けられていてもよい。但し、それらの層はほぼ等しい感色性や発色色相を有していることが必要である。ここで、ほぼ等しい感色性とは、カラー写真感光材料の場合、例えば青感色性同士、緑感色性同士または赤感色性同士のことで、その範囲なら分光感度が異なっていてもよい。また、ほぼ等しい発色色相とは、カラー写真感光材料の場合、例えばイエロー発色同士、マゼンタ発色同士またはシアン発色同士のことで、その範囲なら発色色相が異なっていてもよい。
本発明の感光材料は、前記イエロー発色層、マゼンタ発色層及びシアン発色層以外にも、所望により後述する親水性コロイド層、アンチハレーション層、中間層及び着色層を有していてもよい。
本発明の感光材料には、従来公知の写真用素材や添加剤を使用できる。
例えば、写真用支持体としては、透過型支持体や反射型支持体を用いることができる。透過型支持体としては、セルロースナイトレートフィルムやポリエチレンテレフタレートなどの透明フィルム、更には、2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)とエチレングリコール(EG)とのポリエステルやNDCAとテレフタル酸とEGとのポリエステル等に磁性層などの情報記録層を設けたものが好ましく用いられる。反射型支持体としては、特に複数のポリエチレン層やポリエステル層でラミネートされ、このような耐水性樹脂層(ラミネート層)の少なくとも一層に酸化チタン等の白色顔料を含有する反射支持体が好ましい。本発明においては、反射型支持体が好ましい。
本発明においてさらに好ましい反射支持体としては、ハロゲン化銀乳剤層を設ける側の紙基体上に微小空孔を有するポリオレフィン層を有しているものが挙げられる。ポリオレフィン層は多層から成っていてもよく、その場合、好ましくはハロゲン化銀乳剤層側のゼラチン層に隣接するポリオレフィン層は微小空孔を有さず(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、紙基体上に近い側に微小空孔を有するポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)から成るものがより好ましい。紙基体及び写真構成層の間に位置するこれら多層若しくは一層のポリオレフィン層の密度は0.40〜1.0g/mlであることが好ましく、0.50〜0.70g/mlがより好ましい。また、紙基体及び写真構成層の間に位置するこれら多層若しくは一層のポリオレフィン層の厚さは10〜100μmが好ましく、15〜70μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層と紙基体の厚さの比は0.05〜0.2が好ましく、0.1〜0.15がさらに好ましい。
また、上記紙基体の写真構成層とは逆側(裏面)にポリオレフィン層を設けることも、反射支持体の剛性を高める点から好ましく、この場合、裏面のポリオレフィン層は表面が艶消しされたポリエチレン又はポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。裏面のポリオレフィン層は5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましく、さらに密度が0.7〜1.1g/mlであることが好ましい。本発明における反射支持体において、紙基体上に設けるポリオレフィン層に関する好ましい態様については、特開平10−333277号公報、同10−333278号公報、同11−52513号公報、同11−65024号公報、EP0880065号明細書、及びEP0880066号明細書に記載されている例が挙げられる。
更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤を含有するのが好ましい。また、前記蛍光増白剤を分散含有する親水性コロイド層を、別途形成してもよい。前記蛍光増白剤として、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン系、ピラゾリン系を用いることができ、更に好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特に限定されていないが、好ましくは1〜100mg/m2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ましくは樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.5質量%である。
反射型支持体としては、透過型支持体、又は上記のような反射型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗設したものでもよい。また、反射型支持体は、鏡面反射性又は第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体であってもよい。
また、本発明の感光材料に用いられる支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル系支持体又は白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよい。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側又は裏面に塗設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディスプレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.35〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。
本発明の感光材料には、画像のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0,337,490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射濃度が0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12質量%以上(より好ましくは14質量%以上)含有させるのが好ましい。
本発明の感光材料には、イラジエーションやハレーションを防止したり、セーフライト安全性等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール染料、シアニン染料)を添加することが好ましい。さらに、欧州特許EP0819977号明細書に記載の染料も本発明に好ましく添加される。これらの水溶性染料の中には使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を悪化するものもある。色分離を悪化させないで使用できる染料としては、特開平5−127324号公報、同5−127325号公報、同5−216185号公報に記載された水溶性染料が好ましい。
本発明においては、水溶性染料の代わり、あるいは水溶性染料と併用しての処理で脱色可能な着色層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロキノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接するように配置されていてもよい。この着色層は、着色された色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部のみを任意に選んで設置することも可能である。また複数の原色域に対応する着色を行った着色層を設置することも可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用する波長域(通常のプリンター露光においては400nm〜700nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波長における光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特に0.8以上2.0以下が好ましい。
着色層を形成するためには、従来公知の方法が適用できる。例えば、特開平2−282244号公報の3頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−7931号公報の3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料のように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させて層中に固定する方法、特開平1−239544号公報に記載されているようなコロイド銀を使用する方法などである。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、例えば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性であるが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性である微粉末染料を含有させる方法が特開平2−308244号公報の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法としては、特開平2−84637号公報の第18〜26頁に記載されている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法については米国特許第2,688,601号明細書、同3,459,563号明細書に示されている。これらの方法のなかで微粉末染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法などが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フィルム、カラー反転印画紙、カラー印画紙等に用いられるが、中でもカラー印画紙として用いるのが好ましい。カラー印画紙は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層及びシアン発色性ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有してなり、一般には、これらのハロゲン化銀乳剤層は支持体から近い順にイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色性ハロゲン化銀乳剤層であるが、これらに限るものではない。
イエローカプラーを含有するハロゲン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されても構わないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化銀平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層又はシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置に塗設されていることが好ましい。また、発色現像促進、脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点からは、イエローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗設されていることが好ましい。更に、Blix退色の低減の観点からは、シアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退色の低減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタ及びシアンのそれぞれの発色性層は2層又は3層からなってもよい。例えば、特開平4−75055号公報、同9−114035号公報、同10−246940号公報、米国特許第5,576,159号明細書等に記載のように、ハロゲン化銀乳剤を含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層に隣接して設け、発色層とすることも好ましい。
本発明において適用されるハロゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)及び写真構成層(層配置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用される処理法や処理用添加剤としては、特開昭62−215272号公報、特開平2−33144号公報、欧州特許EP0,355,660A2号明細書に記載されているもの、特に欧州特許EP0,355,660A2号明細書に記載されているものが好ましく用いられる。更には、特開平5−34889号公報、同4−359249号公報、同4−313753号公報、同4−270344号公報、同5−66527号公報、同4−34548号公報、同4−145433号公報、同2−854号公報、同1−158431号公報、同2−90145号公報、同3−194539号公報、同2−93641号公報、欧州特許公開第0520457A2号明細書等に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料やその処理方法も好ましい。
特に、本発明においては、前記の反射型支持体やハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中にドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保存安定剤又はカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエローカプラー及びその乳化分散法、色像保存性改良剤(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼラチン種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなどについては、下記表1に示す特許文献の各箇所に記載のものが特に好ましく適用できる。
Figure 2005292806
本発明において用いられるシアン、マゼンタ及びイエローカプラーとしては、その他、特開昭62−215272号公報の第91頁右上欄4行目〜121頁左上欄6行目、特開平2−33144号公報の第3頁右上欄14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目〜35頁右下欄11行目やEP0355,660A2号明細書の第4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜63頁50行目に記載のカプラーも有用である。
また、本発明はWO98/33760号の一般式(II)及び(III)、特開平10−221825号公報の一般式(D)で表される化合物を添加してもよく、好ましい。
本発明に使用可能なシアン色素形成カプラー(単に、「シアンカプラー」という場合がある)としては、ピロロトリアゾール系カプラーが好ましく用いられ、特開平5−313324号公報の一般式(I)又は(II)で表されるカプラー及び特開平6−347960号公報の一般式(I)で表されるカプラー並びにこれらの特許文献に記載されている例示カプラーが特に好ましい。また、フェノール系、ナフトール系のシアンカプラーも好ましく、例えば、特開平10−333297号公報に記載の一般式(ADF)で表されるシアンカプラーが好ましい。上記以外のシアンカプラーとしては、欧州特許EP0488248号明細書及びEP0491197A1号明細書に記載のピロロアゾール型シアンカプラー、米国特許第5,888,716号に記載の2,5−ジアシルアミノフェノールカプラー、米国特許第4,873,183号明細書、同第4,916,051号明細書に記載の6位に電子吸引性基、水素結合基を有するピラゾロアゾール型シアンカプラー、特に、特開平8−171185号公報、同8−311360号公報、同8−339060号公報に記載の6位にカルバモイル基を有するピラゾロアゾール型シアンカプラーも好ましい。
また、特開平2−33144号公報に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シアンカプラー(中でも具体例として列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−32260号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプラー(中でも具体例として列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)、欧州特許EP0456226A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプラー、欧州特許EP0484909号明細書に記載のピロロイミダゾール型シアンカプラーを使用することもできる。
なお、これらのシアンカプラーのうち、特開平11−282138号公報に記載の一般式(I)で表されるピロロアゾール系シアンカプラーが特に好ましく、該特許文献の段落番号0012〜0059の記載は例示シアンカプラー(1)〜(47)を含め、本発明にそのまま適用され、本明細書の一部として好ましく取り込まれる。
本発明に用いられるマゼンタ色素形成カプラー(単に、「マゼンタカプラー」という場合がある)としては、前記の表の公知文献に記載されたような5−ピラゾロン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マゼンタカプラーが用いられるが、中でも色相や画像安定性、発色性等の点で特開昭61−65245号公報に記載されたような2級又は3級アルキル基がピラゾロトリアゾール環の2、3又は6位に直結したピラゾロトリアゾールカプラー、特開昭61−65246号公報に記載されたような分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号公報に記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,849A号明細書や同第294,785A号明細書に記載されたような6位にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピラゾロアゾールカプラーの使用が好ましい。特に、マゼンタカプラーとしては特開平8−122984号公報に記載の一般式(M−I)で表されるピラゾロアゾールカプラーが好ましく、該特許文献の段落番号0009〜0026はそのまま本発明に適用され、本明細書の一部として取り込まれる。これに加えて、欧州特許第854384号明細書、同第884640号明細書に記載の3位と6位の両方に立体障害基を有するピラゾロアゾールカプラーも好ましく用いられる。
また、イエロー色素形成カプラー(単に、「イエローカプラー」という場合がある)としては、前記表中に記載の化合物の他に、欧州特許EP0447969A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の環状構造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラー、欧州特許EP0482552A1号明細書に記載の環状構造を有するマロンジアニリド型イエローカプラー、欧州公開特許第953870A1号明細書、同第953871A1号明細書、同第953872A1号明細書、同第953873A1号明細書、同第953874A1号明細書、同第953875A1号明細書等に記載のピロール−2又は3−イル若しくはインドール−2又は3−イルカルボニル酢酸アニリド系カプラー、米国特許第5,118,599号明細書に記載されたジオキサン構造を有するアシルアセトアミド型イエローカプラーまたは特開2003−173007号公報に記載のアシル基にヘテロ環が置換したアセトアニリド型イエローカプラーが好ましく用いられる。その中でも、アシル基が1−アルキルシクロプロパン−1−カルボニル基であるアシルアセトアミド型イエローカプラー、アニリドの一方がインドリン環を構成するマロンジアニリド型イエローカプラー、またはアシル基にヘテロ環が置換したアセトアニリド型イエローカプラーの使用が好ましい。これらのカプラーは、単独あるいは併用することができる。その中でも、アシル基が1−アルキルシクロプロパン−1−カルボニル基であるアシルアセトアミド型イエローカプラー、アニリドの一方がインドリン環を構成するマロンジアニリド型イエローカプラー、またはアシル基にヘテロ環が置換したアセトアニリド型イエローカプラーの使用が好ましい。これらのカプラーは、単独あるいは併用することができる。
本発明に使用するカプラーは、前出表中記載の高沸点有機溶媒の存在下で(又は不存在下で)ローダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4,203,716号明細書)に含浸させて、又は水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性コロイド水溶液に乳化分散させることが好ましい。好ましく用いることのできる水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマーは、米国特許第4,857,449号明細書の第7欄〜15欄及び国際公開WO88/00723号明細書の第12頁〜30頁に記載の単独重合体又は共重合体が挙げられる。より好ましくはメタクリレート系あるいはアクリルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリマーの使用が色像安定性等の上で好ましい。
本発明においては公知の混色防止剤を用いることができるが、その中でも以下に挙げる特許文献に記載のものが好ましい。
例えば、特開平5−333501号公報に記載の高分子量のレドックス化合物、WO98/33760号明細書、米国特許第4,923,787号明細書等に記載のフェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−249637号公報、特開平10−282615号公報及び独国特許第19629142A1号明細書等に記載のホワイトカプラーを用いることができる。また、特に現像液のpHを上げ、現像の迅速化を行う場合には独国特許第19618786A1号明細書、欧州特許第839623A1号明細書、欧州特許第842975A1号明細書、独国特許19806846A1号明細書及び仏国特許第2760460A1号明細書等に記載のレドックス化合物を用いることも好ましい。
本発明においては、紫外線吸収剤としてモル吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用いることが好ましく、例えば、以下の特許文献に記載の化合物を用いることができる。これらは、感光性層又は/及び非感光性に好ましく添加される。例えば、特開昭46−3335号公報、同55−152776号公報、特開平5−197074号公報、同5−232630号公報、同5−307232号公報、同6−211813号公報、同8−53427号公報、同8−234364号公報、同8−239368号公報、同9−31067号公報、同10−115898号公報、同10−147577号公報、同10−182621号公報、独国特許第19739797A号明細書、欧州特許第711804A号明細書及び特表平8−501291号公報等に記載されている化合物を使用できる。
本発明の感光材料に用いることのできる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単独であるいはゼラチンとともに用いることができる。好ましいゼラチンとしては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の不純物として含有される重金属は、好ましくは5ppm以下、更に好ましくは3ppm以下である。また、感光材料中に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg/m2以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好ましくは5mg/m2以下である。
本発明においては、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に記載のような防菌・防黴剤を添加するのが好ましい。さらに、感光材料の被膜pHは4.0〜7.0が好ましく、より好ましくは4.0〜6.5である。
本発明における写真構成層中の総塗設ゼラチン量は3g/m2以上6g/m2以下であることが好ましく、3g/m2以上5g/m2以下であることが更に好ましい。また、超迅速処理した場合でも、現像進行性、及び定着漂白性、残色を満足するために、写真構成層全体の膜厚が3μm〜7.5μmであることが好ましく、更に3μm〜6.5μmであることが好ましい。乾燥膜厚の評価方法は、乾燥膜剥離前後の膜厚の変化、あるいは断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察により測定することができる。本発明において、現像進行性と乾燥速度を上げることを両立するために、膨潤膜厚が8μm〜19μmであることが好ましく、更に9μm〜18μmであることが好ましい。膨潤膜厚の測定としては、35℃の水溶液中に乾燥した感光材料を浸し、膨潤して十分平衡に達した状態で打点方法にて測定することができる。本発明における総塗設銀量は、0.2g/m2〜0.5g/m2であることが好ましく、0.2g/m2〜0.45g/m2であることが更に好ましく、0.2g/m2〜0.40g/m2であることが最も好ましい。
本発明においては、感光材料の塗布安定性向上、静電気発生防止、帯電量調節等の点から界面活性剤を感光材料に添加することができる。界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤があり、例えば特開平5−333492号公報に記載のものが挙げられる。本発明に用いる界面活性剤としては、フッ素原子含有の界面活性剤が好ましい。特に、フッ素原子含有界面活性剤を好ましく用いることができる。これらのフッ素原子含有界面活性剤は単独で用いても、従来公知の他の界面活性剤と併用しても構わないが、好ましくは従来公知の他の界面活性剤との併用である。これらの界面活性剤の感光材料への添加量は特に限定されるものではないが、一般的には、1×10−5〜1g/m2、好ましくは1×10−4〜1×10−1g/m2、更に好ましくは1×10−3〜1×10−2g/m2である。
本発明の感光材料は、画像情報に応じて光を照射される露光工程と、前記光照射された感光材料を現像する現像工程とにより、画像を形成することができる。
本発明の感光材料は、通常のネガプリンターを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
感光材料が異なる分光感度分布を有する複数の感光性層を持ち、陰極性管も複数のスペクトル領域の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)を採ってもよく、一般には、面順次露光の方が、高解像度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のためには好ましい。
本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式が好ましく使用される。システムをコンパクトで、安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用することが好ましい。
このような走査露光光源を使用する場合、本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査露光用光源の波長により任意に設定することができる。半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られるSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持たせることが可能である。このような走査露光における露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光時間としては1×10−4秒以下、更に好ましくは1×10−6秒以下である。
本発明をハロゲン化銀カラー写真感光材料に適用する場合、発光波長420nm〜460nmの青色レーザーのコヒーレント光により像様露光することが好ましい。青色レーザーの中でも、青色半導体レーザーを用いることが特に好ましい。
レーザー光源として具体的には、波長430〜450nmの青色半導体レーザー(2001年3月 第48回応用物理学関係連合講演会で日亜化学(株)発表)、半導体レーザー(発振波長 約940nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約470nmの青色レーザー、半導体レーザー(発振波長 約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザー、波長約685nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6738MG、商品名)、波長約650nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6501MG、商品名)などが好ましく用いられる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、以下の公知資料に記載の露光、現像システムと組み合わせることで好ましく用いることができる。前記現像システムとしては、特開平10−333253号公報に記載の自動プリント並びに現像システム、特開2000−10206号公報に記載の感光材料搬送装置、特開平11−215312号公報に記載の画像読取装置を含む記録システム、特開平11−88619号公報並びに特開平10−202950号公報に記載のカラー画像記録方式からなる露光システム、特開平10−210206号公報に記載の遠隔診断方式を含むデジタルフォトプリントシステム、及び特開2000−310822号公報に記載の画像記録装置を含むフォトプリントシステムが挙げられる。
本発明に適用できる好ましい走査露光方式については、前記の表に掲示した特許文献に詳しく記載されている。
本発明の感光材料をプリンター露光する際、米国特許第4,880,726号明細書に記載のバンドストップフィルターを用いることが好ましい。これによって光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
本発明においては、欧州特許EP0789270A1明細書や同EP0789480A1号明細書に記載のように、画像情報を付与する前に、予め、黄色のマイクロドットパターンを前露光し、複写規制を施しても構わない。
本発明の感光材料の処理には、特開平2−207250号公報の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号公報の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許文献に記載の化合物が好ましく用いられる。
本発明は迅速処理適性を有する感光材料として適用される。発色現像時間は28秒以下、好ましくは25秒以下6秒以上、より好ましくは20秒以下6秒以上である。同様に、漂白定着時間は好ましくは30秒以下、更に好ましくは25秒以下6秒以上、より好ましくは20秒以下6秒以上である。また、水洗又は安定化時間は、好ましくは60秒以下、更に好ましくは40秒以下6秒以上である。
なお、発色現像時間とは、感光材料が発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着液に入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像液を離れ次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中を搬送されている時間(いわゆる空中時間)との両者の合計を発色現像時間という。同様に、漂白定着時間とは、感光材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は安定浴に入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化時間とは、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから乾燥工程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)をいう。
本発明の感光材料を露光後、現像する方法としては、従来のアルカリ剤と現像主薬(特にp−フェニレンジアミン系カラー発色現像主薬)を含む現像液で現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し、現像主薬を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像する方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像方式などを用いることができる。特に、アクチベーター方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少なく環境保全上の点からも好ましい方法である。
なお、本発明においては、アルカリ剤と現像主薬(特にp−フェニレンジアミン系カラー発色現像主薬)を含む現像液で現像する方法が好ましい。
アクチベーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬又はその前駆体としては、例えば、特開平8−234388号公報、同9−152686号公報、同9−152693号公報、同9−211814号公報、同9−160193号公報に記載されたヒドラジン型化合物が好ましい。
また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベーター方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8−297354号公報、同9−152695号公報に記載された過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方法が好ましく用いられる。前記アクチベーター方法において、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理されるが、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、脱銀処理を省略し、水洗又は安定化処理といった簡易な方法を行うことができる。また、感光材料から画像情報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処理を不要とする処理形態を採用することができる。
本発明で用いられるアクチベーター液、脱銀液(漂白/定着液)、水洗及び安定化液の処理素材や処理方法は公知のものを用いることができる。好ましくは、リサーチ・ディスクロージャーItem 36544(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8−234388号公報に記載されたものを用いることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(乳剤B−1の調製)
攪拌した脱イオンゼラチンを含む脱イオン水に、硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を同時添加して混合する方法で、高塩化銀立方体粒子を調製した。この調製の過程において、核形成部分の添加は硝酸銀の添加が0%から3%の時点までとした。硝酸銀の添加が3%の時点から80%の時点にかけて、硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液の添加速度を時間に対する1次関数として加速した。硝酸銀の添加が80%の時点から100%の時点にかけて臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり4.0モル%)を添加した。硝酸銀の添加が90%終了した時点で沃化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.3モル%)を激しく攪拌しながら添加した。硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけて、K[Ru(CN)]を添加した。得られた乳剤粒子は沃臭塩化銀粒子であり、透過型電子顕微鏡写真(直接法)を用いた観察および測定によると、辺長0.50μm、変動係数9.0%の単分散立方体粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチンと、化合物(Ab−1)、(Ab−2)、(Ab−3)、および硝酸カルシウムを添加し再分散を行った。
(乳剤B−2の調製)
乳剤B−1の調製において、硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけてK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.0×10−7モル)およびK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.0×10−8モル)を添加する以外は乳剤B−1と同様にして、乳剤B−2を調製した。
(乳剤B−3の調製)
乳剤B−2の調製において、硝酸銀の添加が82%の時点から88%の時点にかけてK[IrCl(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.4×10−8モル)を添加する以外は乳剤B−2と同様にして、乳剤B−3を調製した。
(乳剤B−4の調製)
乳剤B−3の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を3倍に増量する以外は乳剤B−3と同様にして、乳剤B−4を調製した。
(乳剤B−5の調製)
乳剤B−3の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を10倍に増量する以外は乳剤B−3と同様にして、乳剤B−5を調製した。
(乳剤B−6の調製)
乳剤B−3の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を30倍に増量する以外は乳剤B−3と同様にして、乳剤B−6を調製した。
(乳剤B−7の調製)
乳剤B−3の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を100倍に増量する以外は乳剤B−3と同様にして、乳剤B−7を調製した。
(乳剤B−8〜乳剤B−14の調製)
乳剤B−1〜乳剤B−7の調製において、硝酸銀の添加が0%の時点から3%の時点にかけてK[RuCl(NO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.4×10−9モル)を添加する以外は乳剤B−1〜乳剤B−7と同様にして、乳剤B−8〜乳剤B−14を調製した。
(乳剤B−1aの調製)
再分散した乳剤B−1を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(化学増感終了時の添加量の1/10)、硫黄増感剤としてトリエチルチオ尿素、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして60℃で熟成した。その後40℃に降温して、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−3で表される繰り返し単位2または3が主成分の化合物(末端XおよびXはヒドロキシル基)、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.30モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−1、S−2、S−3、およびS−9を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤B−1aとした。
(乳剤B−2a〜乳剤B−7aの調製)
乳剤B−1aの調製において、乳剤B−1の替わりに乳剤B−2〜乳剤B−7を用いる以外は乳剤B−1aと同様にして、乳剤B−2a〜乳剤B−7aをそれぞれ調製した。
(乳剤B−1bの調製)
再分散した乳剤B−1を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(化学増感終了時の添加量の1/10)、セレン増感剤として前記の例示化合物(SE3−29)、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして60℃で熟成した。その後40℃に降温して、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−3で表される繰り返し単位2または3が主成分の化合物(末端XおよびXはヒドロキシル基)、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.30モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−1、S−2、およびS−3を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤B−1bとした。
(乳剤B−2b〜乳剤B−7bの調製)
乳剤B−1bの調製において、乳剤B−1の替わりに乳剤B−2〜乳剤B−7を用いる以外は乳剤B−1bと同様にして、乳剤B−2b〜乳剤B−7bをそれぞれ調製した。
(乳剤B−8b〜乳剤B−14bの調製)
乳剤B−1bの調製において、乳剤B−1の替わりに乳剤B−8〜乳剤B−14を用いる以外は乳剤B−1bと同様にして、乳剤B−8b〜乳剤B−14bをそれぞれ調製した。
(乳剤G−1の調製)
乳剤B−1の調製において、核形成部分の添加速度を変更した。沃化カリウムの添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.2モル%に変更した。それ以外は乳剤B−1と同様にして、乳剤G−1を調製した。得られた乳剤粒子は沃臭塩化銀粒子であり、透過型電子顕微鏡写真(直接法)を用いた観察および測定によると、辺長0.40μm、変動係数9.5%の単分散立方体粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチンと、化合物(Ab−1)、(Ab−2)、(Ab−3)、および硝酸カルシウムを添加し再分散を行った。
(乳剤G−2の調製)
乳剤G−1の調製において、硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけてK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.0×10−8モル)およびK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.0×10−7モル)を添加する以外は乳剤G−1と同様にして、乳剤G−2を調製した。
(乳剤G−3の調製)
乳剤G−2の調製において、硝酸銀の添加が82%の時点から88%の時点にかけてK[IrCl(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり6.6×10−8モル)を添加する以外は乳剤G−2と同様にして、乳剤G−3を調製した。
(乳剤G−4〜乳剤G−7の調製)
乳剤G−3の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を3、10、30、100倍に増量する以外は乳剤G−3と同様にして、乳剤G−4〜乳剤G−7をそれぞれ調製した。
(乳剤G−8〜乳剤G−14の調製)
乳剤G−1〜乳剤G−7の調製において、硝酸銀の添加が0%の時点から3%の時点にかけてK[RuCl(NO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり6.6×10−9モル)を添加する以外は乳剤G−1〜乳剤G−7と同様にして、乳剤G−8〜乳剤G−14を調製した。
(乳剤G−1aの調製)
再分散した乳剤G−1を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、p−グルタルアミドフェニルジスルフィド、硫黄増感剤としてチオ硫酸ナトリウム、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして65℃で熟成した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.35モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−4、S−5、S−6およびS−7を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤G−1aとした。
(乳剤G−2a〜乳剤G−7aの調製)
乳剤G−1aの調製において、乳剤G−1の替わりに乳剤G−2〜乳剤G−7を用いる以外は乳剤G−1aと同様にして、乳剤G−2a〜乳剤G−7aをそれぞれ調製した。
(乳剤G−1bの調製)
再分散した乳剤G−1を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、p−グルタルアミドフェニルジスルフィド、セレン増感剤として前記の例示化合物(SE3−29)、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして65℃で熟成した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.35モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−4、S−5、S−6およびS−7を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤G−1bとした。
(乳剤G−2b〜乳剤G−7bの調製)
乳剤G−1bの調製において、乳剤G−1の替わりに乳剤G−2〜乳剤G−7を用いる以外は乳剤G−1bと同様にして、乳剤G−2b〜乳剤G−7bをそれぞれ調製した。
(乳剤G−8b〜乳剤G−14bの調製)
乳剤G−1bの調製において、乳剤G−1の替わりに乳剤G−8〜乳剤G−14を用いる以外は乳剤G−1bと同様にして、乳剤G−8b〜乳剤G−14bをそれぞれ調製した。
(乳剤R−1の調製)
乳剤B−1の調製において、核形成部分の添加速度を変更した。沃化カリウムの添加量を、出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.1モル%に変更した。K[Ru(CN)]の添加量を3倍に増量した。それ以外は乳剤B−1と同様にして、乳剤R−1を調製した。得られた乳剤粒子は沃臭塩化銀粒子であり、透過型電子顕微鏡写真(直接法)を用いた観察および測定によると、辺長0.40μm、変動係数9.5%の単分散立方体粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチンと、化合物Ab−1、Ab−2、Ab−3、および硝酸カルシウムを添加し再分散を行った。
(乳剤R−2の調製)
乳剤R−1の調製において、硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけてK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり6.0×10−8モル)およびK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり6.0×10−7モル)を添加する以外は乳剤R−1と同様にして、乳剤R−2を調製した。
(乳剤R−3の調製)
乳剤R−2の調製において、硝酸銀の添加が82%の時点から88%の時点にかけてK[IrCl(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.0×10−7モル)を添加する以外は乳剤R−2と同様にして、乳剤R−3を調製した。
(乳剤R−4〜乳剤R−7の調製)
乳剤R−3の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を3、10、30、100倍に増量する以外は乳剤R−3と同様にして、乳剤R−4〜乳剤R−7をそれぞれ調製した。
(乳剤R−8〜乳剤R−14の調製)
乳剤R−1〜乳剤R−7の調製において、硝酸銀の添加が0%の時点から3%の時点にかけてK[RuCl(NO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり3.3×10−9モル)を添加する以外は乳剤R−1〜乳剤R−7と同様にして、乳剤R−8〜乳剤R−14を調製した。
(乳剤R−1aの調製)
再分散した乳剤R−1を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、硫黄および金増感剤として化合物−1を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして55℃で熟成した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.35モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−8および化合物−5を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤R−1aとした。
(乳剤R−2a〜乳剤R−7aの調製)
乳剤R−1aの調製において、乳剤R−1の替わりに乳剤R−2〜乳剤R−7を用いる以外は乳剤R−1aと同様にして、乳剤R−2a〜乳剤R−7aをそれぞれ調製した。
(乳剤R−1bの調製)
再分散した乳剤R−1を40℃で溶解し、ベンゼンチオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤として前記の例示化合物(SE3−9)、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして55℃で熟成した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.35モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−8および化合物−5を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤R−1bとした。
(乳剤R−2b〜乳剤R−7bの調製)
乳剤R−1bの調製において、乳剤R−1の替わりに乳剤R−2〜乳剤R−7を用いる以外は乳剤R−1bと同様にして、乳剤R−2b〜乳剤R−7bをそれぞれ調製した。
(乳剤R−8b〜乳剤R−14bの調製)
乳剤R−1bの調製において、乳剤R−1の替わりに乳剤R−8〜乳剤R−14を用いる以外は乳剤R−1bと同様にして、乳剤R−8b〜乳剤R−14bをそれぞれ調製した。
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
(第一層塗布液調製)
イエローカプラー(Ex−Y)24g、色像安定剤(Cpd−8)6g、色像安定剤(Cpd−16)1g、色像安定剤(Cpd−17)1g、色像安定剤(Cpd−18)11g、色像安定剤(Cpd−19)1g、色像安定剤(Cpd−21)11g、添加剤(ExC−3)0.1g、色像安定剤(UV−A)1gを溶媒(Solv−4)17g、溶媒(Solv−6)3g、溶媒(Solv−9)17g及び酢酸エチル45mlに溶解し、この液を3gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液205g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて700gの乳化分散物Aを調製した。
この乳化分散物Aと前記乳剤B−1aをそれぞれ溶解状態で混合し、後記組成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗布量は、銀量換算塗布量を示す。
第二層〜第七層用の塗布液も第一層塗布液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、(H−1)、(H−2)、(H−3)を用いた。また、各層に(Ab−1)、(Ab−2)、(Ab−3)、及び(Ab−4)をそれぞれ全量が10.0mg/m2、43.0mg/m2、3.5mg/m2及び7.0mg/m2となるように添加した。
1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを、第二層、第三層、および第五層に、それぞれ1.20mg/m、0.36mg/m、0.44mg/mとなるように添加した。第一層および第四層に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞれハロゲン化銀1モル当たり、1.5×10−4モル、1.8×10−4モル添加した。赤感性乳剤層にメタクリル酸とアクリル酸ブチルの共重合体ラテックス(質量比1:1、平均分子量200000〜400000)を0.05g/mを添加した。第二層、第三層および第五層にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムをそれぞれ25mg/m、11mg/m、14mg/mとなるように添加した。各層にポリスチレンスルホン酸ナトリウムを必要に応じて加え塗布液の粘度を調節した。また、イラジエーション防止のために、以下の水溶性染料(Dye−1)〜(Dye−4)を添加した(カッコ内は塗布量を表す)。
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
(層構成)
以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m)を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。
なお、試料101において、総ゼラチン塗設量は4.44g/m、総塗設銀量は0.33g/m、膜厚は6.2μm、膨潤膜厚は16.7μmであった。
支持体
ポリエチレン樹脂ラミネート紙
[第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2;含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)、蛍光増白剤(4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリル)スチルベン(含有率0.03質量%))および青味染料(群青、含有率0.33質量%)を含む。ポリエチレン樹脂の量は29.2g/m
第一層(青色感光性乳剤層)
乳剤(B−1a) 0.14
ゼラチン 1.00
イエローカプラー(Ex−Y) 0.250
色像安定剤(Cpd−8) 0.063
色像安定剤(Cpd−16) 0.010
色像安定剤(Cpd−17) 0.010
色像安定剤(Cpd−18) 0.115
色像安定剤(Cpd−19) 0.010
色像安定剤(Cpd−21) 0.115
添加剤(ExC−3) 0.001
色像安定剤(UV−A) 0.010
溶媒(Solv−4) 0.177
溶媒(Solv−6) 0.031
溶媒(Solv−9) 0.177
第二層(中間発色層)
ゼラチン 0.34
イエローカプラー(Ex−Y) 0.085
色像安定剤(Cpd−8) 0.021
色像安定剤(Cpd−16) 0.004
色像安定剤(Cpd−17) 0.004
色像安定剤(Cpd−18) 0.039
色像安定剤(Cpd−19) 0.004
色像安定剤(Cpd−21) 0.039
添加剤(ExC−3) 0.0004
色像安定剤(UV−A) 0.004
溶媒(Solv−4) 0.060
溶媒(Solv−6) 0.011
溶媒(Solv−9) 0.060
第三層(混色防止層)
ゼラチン 0.32
混色防止剤(Cpd−4) 0.020
混色防止剤(Cpd−12) 0.004
色像安定剤(Cpd−3) 0.004
色像安定剤(Cpd−5) 0.004
色像安定剤(Cpd−6) 0.020
色像安定剤(UV−A) 0.020
色像安定剤(Cpd−7) 0.002
溶媒(Solv−1) 0.024
溶媒(Solv−2) 0.024
溶媒(Solv−5) 0.028
溶媒(Solv−8) 0.028
第四層(赤色感光性乳剤層)
乳剤(R−1a) 0.10
ゼラチン 0.80
シアンカプラー(ExC−1) 0.175
シアンカプラー(ExC−2) 0.005
シアンカプラー(ExC−3) 0.015
色像安定剤(Cpd−1) 0.011
色像安定剤(Cpd−7) 0.011
色像安定剤(Cpd−9) 0.033
色像安定剤(Cpd−10) 0.001
色像安定剤(Cpd−14) 0.001
色像安定剤(Cpd−15) 0.165
色像安定剤(Cpd−16) 0.035
色像安定剤(Cpd−17) 0.022
色像安定剤(UV−5) 0.077
溶媒(Solv−5) 0.077
第五層(混色防止層)
ゼラチン 0.38
混色防止剤(Cpd−4) 0.024
混色防止剤(Cpd−12) 0.005
色像安定剤(Cpd−3) 0.005
色像安定剤(Cpd−5) 0.005
色像安定剤(Cpd−6) 0.024
色像安定剤(UV−A) 0.024
色像安定剤(Cpd−7) 0.002
溶媒(Solv−1) 0.029
溶媒(Solv−2) 0.029
溶媒(Solv−5) 0.033
溶媒(Solv−8) 0.033
第六層(緑色感光性乳剤層)
乳剤(G−1a) 0.09
ゼラチン 1.10
マゼンタカプラー(Ex−M) 0.14
色像安定剤(Cpd−2) 0.01
色像安定剤(Cpd−8) 0.01
色像安定剤(Cpd−9) 0.005
色像安定剤(Cpd−10) 0.005
色像安定剤(Cpd−11) 0.0001
色像安定剤(Cpd−18) 0.01
紫外線吸収剤(UV−B) 0.26
溶媒(Solv−3) 0.04
溶媒(Solv−4) 0.08
溶媒(Solv−6) 0.05
溶媒(Solv−9) 0.12
溶媒(Solv−7) 0.11
化合物(S1−4) 0.0015
第七層(保護層)
ゼラチン 0.50
添加剤(Cpd−20) 0.015
流動パラフィン 0.01
界面活性剤(Cpd−13) 0.01
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
Figure 2005292806
以上のようにして作成した試料を試料101とした。試料101において、第一層、第四層および第六層の感光性乳剤に代えて前記の乳剤を同じ銀量で置き換えた感光材料を作成した。それぞれの試料番号および試料内容を表2に示す。
Figure 2005292806
塗布後の各試料は、25℃55%R.H.の雰囲気下で10日間経時させて硬膜反応を十分に進めてから、評価に供した。
(評価1:高照度露光における特性曲線の測定および評価)
各試料に対して、高照度感光計(山下電装(株)製HIE型、商品名)を用いて1×10−6秒のウェッジ露光を与えた。
露光に際して、富士写真フイルム(株)製のSP−1、SP−2、またはSP−3フィルター(いずれも商品名)を介して、いわゆる青色分解露光、緑色分解露光、または赤色分解露光とした。露光後30分間放置した後、下記の処理Aに従って発色現像処理を行った。それぞれイエロー、マゼンタ、またはシアン画像反射濃度を光学濃度計により測定して、縦軸:反射濃度(D)、横軸:対数露光量(logE)からなる各色画像の特性曲線を作成した。これらの試料においては、イエロー画像が青色感光性乳剤層、マゼンタ画像が緑色感光性乳剤層、シアン画像が赤色感光性乳剤層、の特性曲線に相当する。
得られた特性曲線において、未露光部分に相当する最低濃度(Dmin)をカブリと定義した。また、反射濃度0.5を与える点Aにおける露光量の逆数を感度Sと定義した。この値が大きいほど感度が高く、好ましいことを示す。更に、反射濃度1.5を与える点をBとして、点Aおよび点Bを結ぶ直線の傾きを階調γと定義した。この値が大きいほど階調が硬調であることを示す。
(評価2:低照度露光における特性曲線の測定および評価)
各試料に対して、感光計(富士写真フイルム(株)製FWH型、商品名)を用いて100秒のウェッジ露光を与えた。露光に際して、富士写真フイルム(株)製のSP−1、SP−2、またはSP−3フィルター(いずれも商品名)を介して、いわゆる青色分解露光、緑色分解露光、または赤色分解露光とした。露光後30分間放置した後、下記の処理Aに従って発色現像処理を行ない、評価1と同様にして特性曲線を作成して感度Sおよび階調γを求めた。なお、カブリは露光条件に依存しないので、評価1における値と同じである。
(評価3:保存性の評価)
各試料を40℃55%R.H.の雰囲気下で30日間保存した後、上記(評価1)と同様に露光、発色現像処理、濃度測定を行ない、特性曲線を作成した。各試料毎に、カブリおよび感度の変化量をそれぞれΔカブリ、ΔSとして、評価1における結果を基準として算出した。Δカブリはカブリ濃度の変化量であり、±0が全く変化しないことを意味しており、好ましい。ΔSは、評価1における感度を100とした相対値で表しており、100に近いほど感度変化が小さく、好ましい。
<処理A>
「EVER−BEAUTY PAPER TYPE II for LASER(商品名、富士写真フイルム(株)製、商品名)」の127mm幅のロール試料に、デジタルミニラボ フロンティア350(富士写真フイルム(株)製、商品名)のプリンターを用いて標準的な写真画像を与えた。その後、下記の処理工程にて発色現像補充液の容量が発色現像タンク容量の2倍となるまで連続処理(ランニング)を行なった。このランニング処理液を用いた処理を処理Aとした。
露光用のレーザー光源としては、半導体レーザー(発振波長 約940nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した波長約470nmの青色レーザー、半導体レーザー(発振波長 約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザーおよび波長約680nmの赤色半導体レーザーを用いた。3色のそれぞれのレーザー光はポリゴンミラーにより走査方向に対して垂直方向に移動し、試料上に、順次走査露光できるようにした。半導体レーザーの温度による光量変動は、ペルチェ素子を利用して温度が一定に保たれることで抑えられている。実効的なビーム径は、80μmで、走査ピッチは42.3μm(600dpi)であり、1画素あたりの平均露光時間は、1.7×10−7秒であった。半導体レーザーは温度による光量変化を抑えるために、ペルチェ素子を用いて温度を一定にした。
処理工程 温度 時間 補充量
発色現像 38.5℃ 45秒 45mL
漂白定着 38.0℃ 45秒 A剤17.5mL
B剤17.5mL
リンス1 38.0℃ 20秒 −
リンス2 38.0℃ 20秒 −
リンス3 38.0℃ 20秒 −
リンス4 38.0℃ 20秒 121mL
乾燥 80℃
(注)
* 感光材料1mあたりの補充量
** 富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシステムRC50Dをリンス3に装着し、リンス3からリンス液を取り出してポンプにより逆浸透モジュール(RC50D)へ送る。同槽で送られた透過水はリンス4に供給し、濃縮液はリンス3に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた。リンスは1から4への4タンク向流方式とした。
各処理液の組成は以下の通りである。
[発色現像液] [タンク液] [補充液]
水 800mL 800mL
蛍光増白剤(FL−1) 2.2g 5.1g
蛍光増白剤(FL−2) 0.35g 1.75g
トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g
ポリエチレングリコール平均分子量300 10.0g 10.0g
エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g
亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.20g
塩化カリウム 10.0g −
4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−
ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート
エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.0g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン
・3/2硫酸塩・モノハイドレード 4.8g 14.0g
炭酸カリウム 26.3g 26.3g
水を加えて全量 1000mL 1000mL
pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.15 12.40
[漂白定着液] [タンク液] [補充液A] [補充液B]
水 800mL 500mL 300mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/L) 107mL − 386mL
重亜硫酸アンモニウム(65%) 30.0g − 190g
エチレンジアミン4酢酸鉄(III)
アンモニウム 47.0g 133g −
エチレンジアミン4酢酸 1.4g 5g 6g
硝酸(67%) 16.5g 66.0g −
イミダゾール 14.6g 50.0g −
m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 8.3g 33.0g −
水を加えて全量 1000mL 1000mL 1000mL
pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整) 6.5 6.0 6.0
[リンス液] [タンク液] [補充液]
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g
脱イオン水(電導度5μS/cm以下) 1000mL 1000mL
pH(25℃) 6.5 6.5
Figure 2005292806
以上より得られたイエロー画像に対する結果を表3に示す。カブリ、感度S、および感度Sは、試料101の値を100として相対値で示してあり、値が大きいほど高感度であることを示す。
Figure 2005292806
表3に示したように、本発明の試料は比較試料に対し、高感度でありながらカブリが低く、保存性にも優れるという結果が得られた。本発明の試料は、特に高照度露光において高感度且つ硬調であって、デジタル露光に対する適性に優れたものである。また、セレン化合物を用いると高感化と共にカブリが増加して保存性も悪化するが、本発明においてはカブリを低く維持したままで高感化を達成できる。更に、経時保存後も低いカブリを維持することが可能であり、カラープリント材料として好適な性能を有するものである。
本発明において画期的なことは、これらの優れた性能とγ/γとの間にある相関を見出した点にある。すなわち、セレン化合物を使用することにより、デジタル露光に対して高感度、硬調で、カブリが低く、且つ保存性に優れた性能を得るためには、γ/γの関係において好ましい範囲が存在することが判った。
なお、マゼンタ画像とシアン画像に対して、上記と同様の方法で特性曲線を作成し、感度、カブリ、階調、および保存性を評価したところ、イエロー画像の場合と同様にマゼンタ画像およびシアン画像においても、本発明の試料は比較試料に対し、優れているという結果を得た。
更に、各試料に対して、デジタルミニラボ フロンティア350(富士写真フイルム(株)製、商品名)の露光ユニットを用いて、デジタルデータによる像様露光を与えた後、処理Aを行なった。この結果、本発明の試料が高感度、硬調で、且つ白地に優れていることがわかった。
実施例2
(乳剤B−15の調製)
乳剤B−8の調製において、核形成部分の添加速度を変更した。K[RuCl(NO)]の添加量を2倍に増量した。それ以外は乳剤B−8と同様にして、乳剤B−15を調製した。得られた乳剤粒子は沃臭塩化銀粒子であり、透過型電子顕微鏡写真(直接法)を用いた観察および測定によると、辺長0.40μm、変動係数9.5%の単分散立方体粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチンと、化合物(Ab−1)、(Ab−2)、(Ab−3)、および硝酸カルシウムを添加し再分散を行った。
(乳剤B−16の調製)
乳剤B−15の調製において、硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけてK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.0×10−7モル)およびK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.0×10−8モル)を添加する以外は乳剤B−15と同様にして、乳剤B−16を調製した。
(乳剤B−17の調製)
乳剤B−16の調製において、硝酸銀の添加が82%の時点から88%の時点にかけてK[IrCl(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり6.7×10−8モル)を添加する以外は乳剤B−16と同様にして、乳剤B−17を調製した。
(乳剤B−18の調製)
乳剤B−17の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を3倍に増量する以外は乳剤B−17と同様にして、乳剤B−18を調製した。
(乳剤B−19の調製)
乳剤B−17の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を10倍に増量する以外は乳剤B−17と同様にして、乳剤B−19を調製した。
(乳剤B−20の調製)
乳剤B−17の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を30倍に増量する以外は乳剤B−17と同様にして、乳剤B−20を調製した。
(乳剤B−21の調製)
乳剤B−17の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を100倍に増量する以外は乳剤B−17と同様にして、乳剤B−21を調製した。
(乳剤B−15bの調製)
再分散した乳剤B−15を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール(化学増感終了時の添加量の1/10)、セレン増感剤として前記の例示化合物(SE3−29)、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして60℃で熟成した。その後40℃に降温して、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−3で表される繰り返し単位2または3が主成分の化合物(末端XおよびXはヒドロキシル基)、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.38モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−1、S−2、およびS−3を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤B−15bとした。
(乳剤B−16b〜乳剤B−21bの調製)
乳剤B−15bの調製において、乳剤B−15の替わりに乳剤B−16〜乳剤B−21を用いる以外は乳剤B−15bと同様にして、乳剤B−16b〜乳剤B−21bをそれぞれ調製した。
(乳剤G−15の調製)
乳剤G−8の調製において、核形成部分の添加速度を変更した。K[RuCl(NO)]の添加量を2.4倍に増量した。それ以外は乳剤G−8と同様にして、乳剤G−15を調製した。得られた乳剤粒子は沃臭塩化銀粒子であり、透過型電子顕微鏡写真(直接法)を用いた観察および測定によると、辺長0.30μm、変動係数9.9%の単分散立方体粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチンと、化合物(Ab−1)、(Ab−2)、(Ab−3)、および硝酸カルシウムを添加し再分散を行った。
(乳剤G−16の調製)
乳剤G−15の調製において、硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけてK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり4.8×10−8モル)およびK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり4.8×10−7モル)を添加する以外は乳剤G−15と同様にして、乳剤G−16を調製した。
(乳剤G−17の調製)
乳剤G−16の調製において、硝酸銀の添加が82%の時点から88%の時点にかけてK[IrCl(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.6×10−7モル)を添加する以外は乳剤G−16と同様にして、乳剤G−17を調製した。
(乳剤G−18〜乳剤G−21の調製)
乳剤G−17の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を3、10、30、100倍に増量する以外は乳剤G−17と同様にして、乳剤G−18〜乳剤G−21をそれぞれ調製した。
(乳剤G−15bの調製)
再分散した乳剤G−15を40℃で溶解し、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム、p−グルタルアミドフェニルジスルフィド、セレン増感剤として前記の例示化合物(SE3−29)、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして65℃で熟成した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.47モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−4、S−5、S−6およびS−7を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤G−15bとした。
(乳剤G−16b〜乳剤G−21bの調製)
乳剤G−15bの調製において、乳剤G−15の替わりに乳剤G−16〜乳剤G−21を用いる以外は乳剤G−15bと同様にして、乳剤G−16b〜乳剤G−21bをそれぞれ調製した。
(乳剤R−15の調製)
乳剤R−8の調製において、核形成部分の添加速度を変更した。K[RuCl(NO)]の添加量を2.4倍に増量した。それ以外は乳剤R−8と同様にして、乳剤R−15を調製した。得られた乳剤粒子は沃臭塩化銀粒子であり、透過型電子顕微鏡写真(直接法)を用いた観察および測定によると、辺長0.30μm、変動係数9.9%の単分散立方体粒子であった。この乳剤に沈降脱塩処理を施した後、脱イオンゼラチンと、化合物(Ab−1)、(Ab−2)、(Ab−3)、および硝酸カルシウムを添加し再分散を行った。
(乳剤R−16の調製)
乳剤R−15の調製において、硝酸銀の添加が92%の時点から97%の時点にかけてK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.4×10−7モル)およびK[IrCl(HO)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり1.4×10−8モル)を添加する以外は乳剤R−15と同様にして、乳剤R−16を調製した。
(乳剤R−17の調製)
乳剤R−16の調製において、硝酸銀の添加が82%の時点から88%の時点にかけてK[IrCl(5−methylthiazole)](出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり2.4×10−7モル)を添加する以外は乳剤R−16と同様にして、乳剤R−17を調製した。
(乳剤R−18〜乳剤R−21の調製)
乳剤R−17の調製において、K[IrCl(HO)]およびK[IrCl(HO)]ならびにK[IrCl(5−methylthiazole)]の比率を保ったまま、それぞれの添加量を3、10、30、100倍に増量する以外は乳剤R−17と同様にして、乳剤R−18〜乳剤R−21をそれぞれ調製した。
(乳剤R−15bの調製)
再分散した乳剤R−15を40℃で溶解し、ベンゼンチオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤として前記の例示化合物(SE3−9)、および金増感剤として(ビス(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオラート)オーレート(I)テトラフルオロボレート)を添加し、1×10−6秒露光での階調が最も硬調になるように化学増感を最適にして55℃で熟成した。その後、1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、化合物−2、化合物−4および臭化カリウム(出来上がりのハロゲン化銀1モルあたり0.47モル%)を添加した。更に増感剤の添加前に増感色素S−8および化合物−5を添加することにより分光増感を行った。こうして得られた乳剤を乳剤R−15bとした。
(乳剤R−16b〜乳剤R−21bの調製)
乳剤R−15bの調製において、乳剤R−15の替わりに乳剤R−16〜乳剤R−21を用いる以外は乳剤R−15bと同様にして、乳剤R−16b〜乳剤R−21bをそれぞれ調製した。
実施例1の試料101において、第一層、第四層および第六層の感光性乳剤に代えて前記の乳剤を同じ銀量で置き換えた感光材料を作成した。それぞれの試料番号および試料内容を表4に示す。
Figure 2005292806
塗布後の各試料は、25℃55%R.H.の雰囲気下で10日間経時させて硬膜反応を十分に進めてから、評価に供した。これらの試料201〜試料207に対して、実施例1と同様の試験を行なって、イエロー画像に対して得られた結果を、試料101〜試料107の結果と比較して表5に示した。
Figure 2005292806
表5に示したように、本発明の試料は比較試料に対して同等の低照度露光感度を有しつつ、高照度露光下で高感度であり、且つカブリが低く、保存性に優れている。また、マゼンタ画像、シアン画像に対しても、同様の効果を得た。本発明により、白地に優れた高照度露光用のカラー写真感光材料を提供することができる。
更に、各試料に対して、デジタルミニラボ フロンティア350(富士写真フイルム(株)製、商品名)のプリンターを用いて、デジタルデータによる像様露光を与えた後、処理Aを行なった。この結果、本発明の試料が高感度、硬調で、且つ白地に優れていることを確認できた。
実施例3
実施例2において、処理Aの代わりに以下の処理Bを用いる以外は実施例2と同様にして、評価を行なった。イエロー画像に対して得られた結果を表6に示した。
「EVER−BEAUTY PAPER TYPE II for LASER(富士写真フイルム(株)製、商品名)」の127mm幅のロール試料に、後述するレーザー露光により標準的な写真画像を与えた。その後、デジタルミニラボ フロンティア340(富士写真フイルム(株)製、商品名)のプロセッサーを用いて下記の処理工程にて発色現像補充液の容量が発色現像タンク容量の2倍となるまで連続処理(ランニング)を行なった。このランニング処理液を用いた処理を処理Bとした。なお、プロセッサーは下記処理時間にするため処理ラック改造により搬送速度変更を実施した。
<処理B>
処理工程 温度 時間 補充量
発色現像 45.0℃ 12秒 35mL
漂白定着 40.0℃ 12秒 A剤15mL
B剤15mL
リンス1 45.0℃ 4秒 −
リンス2 45.0℃ 2秒 −
リンス3 45.0℃ 2秒 −
リンス4 45.0℃ 3秒 175mL
乾燥 80℃ 15秒
(注)
* 感光材料1mあたりの補充量
露光用のレーザー光源としては、波長約440nmの青色半導体レーザー(2001年3月第48回応用物理学会関係連合講演会で日亜化学(株)発表)、半導体レーザー(発振波長 約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザーおよび波長約650nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6501MG、商品名)を用いた。3色のそれぞれのレーザー光はポリゴンミラーにより走査方向に対して垂直方向に移動し、試料上に、順次走査露光できるようにした。半導体レーザーの温度による光量変動は、ペルチェ素子を利用して温度が一定に保たれることで抑えられている。実効的なビーム径は、80μm、走査ピッチは42.3μm(600dpi)であり、1画素あたりの平均露光時間は、1.7×10−7秒であった。半導体レーザーは温度による光量変化を抑えるために、ペルチェ素子を用いて温度を一定にした。
各処理液の組成は以下の通りである。
[発色現像液] [タンク液] [補充液]
水 800mL 800mL
蛍光増白剤(FL−3) 4.0g 10.0g
残色低減剤(SR−1) 3.0g 3.0g
m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 2.0g 4.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 10.0g 10.0g
エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g
亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.10g
塩化カリウム 10.0g −
4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−
ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナート
エチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.0g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン・
3/2硫酸塩・モノハイドレード 7.0g 19.0g
炭酸カリウム 26.3g 26.3g
水を加えて全量 1000mL 1000mL
pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 10.25 12.8
[漂白定着液] [タンク液] [補充液A] [補充液B]
水 700mL 300mL 300mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/L) 107mL − 400mL
亜硫酸アンモニウム 30.0g − −
エチレンジアミン4酢酸鉄(III)
アンモニウム 47.0g 200g −
エチレンジアミン4酢酸 1.4g 0.5g 10.0g
硝酸(67%) 7.0g 30.0g −
m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 3.0g 13.0g −
重亜硫酸アンモニウム液(65%) − − 200g
コハク酸 7.0g 30.0g −
水を加えて全量 1000mL 1000mL 1000mL
pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整) 6.0 2.0 5.6
[リンス液] [タンク液] [補充液]
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g
脱イオン水(電導度5μS/cm以下) 1000mL 1000mL
pH(25℃) 6.5 6.5
Figure 2005292806
Figure 2005292806
表6に示したように、本発明の試料は比較試料に対して同等の低照度露光感度を有しつつ、高照度露光下で高感度であり、且つカブリが低く、保存性に優れている。実施例2の結果と比べると、セレン化合物を用いた試料は迅速処理でカブリが上昇し易い傾向にあるが、本発明によりこの弊害が抑制されて好ましい結果を与えることが明らかである。なお、マゼンタ画像、シアン画像に対しても、同様の効果を得ることができた。本発明により、白地に優れた迅速処理に好適なカラー写真感光材料を提供することができる。
更に、各試料に対して、ランニング処理液作成時に使用したレーザー露光ユニットを用いて、デジタルデータによる像様露光を与えた後、処理Bを行なった。この結果、本発明の試料が高感度、硬調で、且つ白地に優れていることがわかった。

Claims (6)

  1. 支持体上に赤感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および青感性ハロゲン化銀乳剤層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有し、且つ該ハロゲン化銀乳剤が少なくとも1種のセレン化合物を含有し、該ハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀乳剤層の特性曲線が下記式(1)を満たすことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    式(1) 2.0≧γ/γ≧0.5
    ここで、γは特性曲線の階調を表し、γは1×10−6秒露光における階調、γは100秒露光における階調を示す。
  2. セレン化合物を含有する前記ハロゲン化銀乳剤が、下記一般式(D1)で表される金属錯体を少なくとも1種含有することを特徴とする、請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(D1)
    [MD1D1 n1D1 (6−n1)m1
    一般式(D1)において、MD1はCr、Mo、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、PdまたはPtを表し、XD1はハロゲンイオンを表す。LD1はXD1とは異なる任意の配位子を表す。nは3、4、5、または6を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。また、複数のXD1は互いに同一でも異なってもよく、LD1が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なってもよい。ただし、一般式(D1)で表される金属錯体は、シアノ(CN)配位子を有さないか、有する場合には1個だけである。
  3. セレン化合物を含有する前記ハロゲン化銀乳剤が、下記一般式(D2)で表される金属錯体を少なくとも1種含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(D2)
    [IrXD2 n2D2 (6−n2)m2
    一般式(D2)において、XD2はハロゲンイオンまたは擬ハロゲンイオン(ただしシアン酸イオンOCNを除く)を表す。LD2はXD2とは異なる任意の配位子を表す。nは3、4、または5を表し、mは金属錯体の電荷であって、4−、3−、2−、1−、0または1+を表す。また、複数のXD2は互いに同一でも異なってもよく、LD2が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なってもよい。
  4. セレン化合物を含有する前記ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀粒子の平均球相当径が0.65μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 総塗設銀量が0.2g/m以上0.5g/m以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  6. 総塗設ゼラチン量が3g/m以上6g/m以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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