JP2005291385A - アンカー - Google Patents

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Abstract

【課題】 ねじ固定式アンカーにおいて、硬度が充分でない材質で形成されているものであっても、コンクリート躯体等に対するの確実な固定状態を保つことができるねじ固定式アンカーを提供する。
【解決手段】 ねじ山2が形成されている軸部3と、この軸部3の基端側に設けられた回転力伝達部と、前記軸部3の先端部31に組み込まれた円柱ピン状の切り込みチップ5とを有し、切り込みチップ5の先端に固定された超硬チップである円錐部5bが、前記軸部側面3aに突出されて、前記ねじ山2の一部を形成していることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、躯体に穿設した孔にねじ込んで固定されるねじ固定式のアンカーに関する。
コンクリート等の躯体に他の部材を固定する場合に、金属拡張アンカー、接着系アンカー以外に、ねじ固定式のアンカーも多用されている。
ねじ固定式アンカーは、躯体へのねじ込み用の軸部(軸部側面には螺旋状のねじ山が刻設されている)を有するものであり、前記軸部を、予め躯体に穿孔された孔内にねじ込み、締め付けることによって、アンカー(詳細には軸部)のねじ山が躯体の孔内壁面にねじ溝を形成しながら食い込んで行き、固着力が得られるようになっている(例えば特許文献1)。
ねじ固定式アンカーの長所としては、以下の点が挙げられる。
(1)取り外しが可能(仮設物の取り付け等の一時固定に最適)
(2)インパクトドライバーによる大量施工に適しており、施工効率が良い。
(3)部品点数が少なく、安価。
なお、ねじ固定式アンカーは、上述したように取り付け、取り外しが容易なことから、仮設足場の固定に使用するなど、広い用途に用いられている。
登録実用新案第3087932号公報
ところで、上述のねじ固定式アンカーにあっては、施工現場の環境等により、例えば耐食性の高い(錆びにくい)オーステナイト系ステンレスがアンカーの形成材料として必要とされる場合がある。しかし、この耐食性の良いオーステナイト系ステンレスの場合は、熱処理ができないため、アンカーのねじ山の硬度を高くすることができず、アンカーの軸部をコンクリートの孔(下孔)内にねじ込んでいく際に、軸部のねじ山がコンクリート孔内壁面に削り取られたり、潰されたりして、ねじの固着機能を失ってしまうといった問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、軸部のねじ山の硬度が高くなくとも、コンクリート躯体等の母材に穿設した孔壁面に対して、確実にねじ溝を形成しながら、ねじ込み施工を行うことができ、充分な固着力を確保できるねじ固定式のアンカーを提供することを課題とする。
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
解決手段の第1は、ねじ山が形成されている軸部と、この軸部の基端側に設けられた回転力伝達部とを有し、前記軸部の先端部には、ピン状の切り込みチップが前記軸部先端部に穿設され前記軸部先端部側面に開口する孔内に挿入して固定されており、前記切り込みチップは前記軸部側面に突出する切り刃部を有し、前記切り刃部は前記軸部のねじ山よりも硬い材質で形成されており、前記切り込みチップは前記切り刃部が前記ねじ山の一部を形成するように位置決めされていることを特徴とする。
解決手段の第2は、前記切り刃部が外観円錐状に形成されていることを特徴とする。
解決手段の第3は、前記軸部の側面には、主ねじ山と、この主ねじ山よりも軸部側面からの突出が小さい副ねじ山とが形成されており、前記切り込みチップの前記軸部側面に突出した部分が前記主ねじ山の一部を形成していることを特徴とする。
本発明のアンカー(ねじ固定式アンカー)は、ねじ山が形成されている軸部の先端側に組み込まれた切り込みチップの前記軸部側面に突出した部分に、前記軸部のねじ山よりも硬い材質で形成された切り刃部を有し、この切り刃部が軸部のねじ山の一部を形成するように位置決めされている構成であるから、軸部のねじ山の硬度が高くなくても、切り込みチップの切り刃部がコンクリート躯体等の母材に穿設された下孔内面にねじ溝を形成しながら切り込んでいくことで、アンカーのコンクリート躯体等の母材に対するねじ込み施工を可能とし、充分な固着力を確保できる。軸部として、強度(特にねじ山の硬度)の要求を低くできるため、例えば、耐食性が高いもの、意匠性に優れるもの等、目的に応じた材質で形成された軸部を採用できるようになる。つまり、軸部の形成材料の選択の幅が拡がる。
本発明の一実施の形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明のアンカー(ねじ固定式アンカー)を示す側面図、図2は図1に示すアンカーの軸部の先端部を示す断面図、図3は図1のアンカーの軸部の先端部を示す拡大斜視図、図4は図1のアンカーの軸部の先端部から切り込みチップを分離した状態を示す拡大斜視図である。
図1、図2に示すように、本発明に係るアンカー1は、ねじ山2が形成されている軸部3と、この軸部3の基端側(図1左側)に設けられた回転力伝達部4とを有している。前記軸部3の先端側には、切り込みチップ5が固定されている。
図示例の軸部3のねじ山2は、前記軸部3の側面3aに、主ねじ山21(高いねじ山)と、この主ねじ山21よりも軸部側面3aからの突出が小さい副ねじ山22とが形成されている2条ねじ形状のものである。図1に例示したような2条ねじ形状のものに限定されず、例えば1条ねじ形状のもの等であっても良い。
図2、図4に示すように、切り込みチップ5は、ここでは全体が超硬チップで形成された1つの部品であり、前記軸部3の先端部31に穿設された孔32内に挿入して固定される円柱ピン状のシャンク部5aと、このシャンク部5aの軸方向一方の端部に設けられた切り刃部5bとからなる構成であり、前記軸部3の先端部31に穿設された孔32内にシャンク部5aを挿入、固定することで軸部3に組み込まれている。また、図3、図4に示すように、この切り込みチップ5の前記切り刃部5bは、前記軸部3の側面3a(ここでは外周面。以下、軸部側面3aとも言う)に突出されており、軸部3の形成材料の切削加工、転造加工等によって軸部側面3aに形成されているねじ山21aとともに、前記ねじ山21の一部を形成している。つまり、ねじ山21は、軸部側面3aに刻設されているねじ山21aと、切り込みチップ5の軸部側面3aに突出された切り刃部5bとによって構成されている。
切り込みチップ5の切り刃部5bの形状は、軸部側面3aに刻設されているねじ山21aの断面形状(図示例では二等辺三角形。二等片三角形には正三角形も含む)に対応する形状(断面形状)に高精度に形成されており、切り刃部5bが軸部側面3aのねじ山21aと連続するようにしてねじ山21を形成する。ここでは、具体的には、切り刃部5bは外観円錐状に形成されており、以下、切り刃部5bを円錐部5bと記載する場合がある。円錐部5bの頂点5cは、円柱ピン状のシャンク部5aの中心軸線の延長上に位置する。
軸部3の孔32の形成位置は、軸部先端部31において、ねじ山21の途中、あるいは、ねじ山21の軸部3先端側における端部の位置に穿設される(図示例では、ねじ山21、21aの途中)が、出来る限り、ねじ山21の軸部3先端側における端部に近い位置であることが好ましい。但し、ねじ山21の軸部側面3aからの突出開始位置付近では、ねじ山21の軸部側面3aからの突出量が軸部3先端側から軸部3基端側にいくにしたがって次第に大きくなっているため、孔32の形成位置(切り込みチップ5の固定位置)は、ねじ山21の軸部側面3aからの突出開始位置付近を避け、ねじ山21において、軸部側面3aからの突出量が一定となっている部位において、出来る限り、ねじ山21の軸部3先端側における端部に近い位置とする。切り込みチップ5は、円錐部5bの頂点5cが、ねじ山21aの稜線の延長線(符号21b)上となるように位置決めして軸部3に固定される。
図示例の孔32は、円柱ピン状のシャンク部5aを高精度に位置決めできる断面円形の小孔であり、軸部側面3aに開口するように穿設された孔32に切り込みチップ5のシャンク部5aを挿入して固定(固定方法については後述)しさえすれば、該孔32の芯出し精度及び形成深さ(軸部側面3aからの深さ)とによって、切り込みチップ5を、円錐部5bの頂点5cがねじ山21aの稜線の延長上(符号21b)となるように位置決めできる。
また、切り刃部5bとしては、例えば、ねじ山21aの断面形状に対応する三角形板状に形成されたものも採用可能であるが、切り刃部5bの形状が円錐状以外の場合は、シャンク部5aを孔32に挿入した切り込みチップ5を孔32の中心軸線回りに回転させることによって切り刃部5bの向きを調整してから、シャンク部5bを孔32内に固定する。円錐状の切り刃部5b(円錐部5b)であれば、切り刃部5bの向きを調整する作業は不要であるといった利点がある。
切り込みチップ5を形成する超硬チップとしては、例えば、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金など、各種材質のものを採用できる。また、例えば、表面に、チタンコーティング、セラミックコーティングといった、硬質のコーティング層が形成されているものなども採用可能である。
なお、本発明に係る切り込みチップ5としては、全体が超硬チップから形成されている1部品になっているものに限定されず、例えば、シャンク部5aに、該シャンク部5aとは別体の切り刃部5bを固定した構成のもの等も採用可能である。切り刃部5bとしては、超硬チップに限定されず、軸部に一体に形成されているねじ山よりも硬度の高い材質のものであれば良く、例えば、汎用の工具鋼、焼き入れ鋼といったものを利用することも可能である。
一方、切り込みチップ5のシャンク部5aの形成材質は、コンクリート躯体等の母材に穿設されている孔(下孔)へのねじ込み施工時に円錐部5bが受ける負荷を負担するのに充分な強度を有し、かつ、円錐部5bの固定強度を充分に確保できるものであれば良く、各種材質を採用できるため、この点、軸部3の材質に対応して、ろう付け、接着剤による接着固定等によって固定力の確保に有利なものを選択するなど、選択の幅を広く確保できる。
前記軸部3の材質は、切り込みチップ5の円錐部5bよりも硬度が低いものであり、ここでは、一例として、オーステナイト系ステンレスで形成された軸部3を例示する。ねじ山21aは、軸部3の切削加工、転造加工等によって軸部側面3aに螺旋状に刻設されているものであり、軸部3と一体のもの(軸部3とねじ山21aとは別体ではなく一つの部品)であるから、その形成材質は軸部同じである。なお、軸部3の材質は、切り込みチップ5の円錐部5bよりも硬度が低いものであれば、ステンレス以外の金属、あるいは、例えば樹脂(樹脂の場合、所謂プラスチックアンカー)などでも良いが、但し、アンカー1(詳細には軸部3)をコンクリート躯体等の母材の孔(下孔)にねじ込んでいく際に、切り込みチップ5が受ける負荷に耐えて切り込みチップ5の保持状態を安定に維持できるとともに、ねじ込み固着したときに充分な固着力を得られるだけの軸力を負担できる強度を有するものを採用することは言うまでも無い。
図2は、切り込みチップ5のシャンク部5aを、金属製の軸部3に穿設された孔32内にろう付けによって固定することで、軸部3に切り込みチップ5を固定した状態を示す。図2中、符号33は、ろう材である。
なお、軸部3に切り込みチップ5を固定する手法としては、前述のろう付けに限定されず、例えば、前記軸部3に穿設された孔32内に、接着剤による固定、圧入固定のいずれかによって固定するようにしても良い。
円錐状の切り刃部5b(円錐部5b)であれば、三角形板状等の円錐状以外の形状に形成された切り刃部5bに比べて、コンクリート躯体等の母材に穿設されている孔(下孔)へのねじ込み施工時に受ける回転力(切り込みチップ5を孔32の中心軸線回りに回転させようとする力)を軽減できる(さらに言えば、円錐部5bであれば、孔32の中心軸線に対する調心精度が確保されていれば良く、ねじ込み作業中に回転しても構わない)ため、孔32内への固定は、母材の下孔への施工前に軸部3の孔32から切り込みチップ5が抜け出ることを防止できる程度であればよく、接着剤による固定、圧入固定などの簡易なもので済む。
回転力伝達部は、アンカー1をコンクリート躯体等の母材に穿孔されている孔(下孔)にねじ込む際に、工具(手工具又は電動工具)等によってアンカーを回転操作してアンカーに回転力を与えるための部分である。図1に示すアンカー1の回転力伝達部4は、六角形状の頭部であるが、回転力伝達部としてはこれに限定されず、例えば、六角形以外の例えば四角形等の多角形状の頭部、軸部3基端側の頭部41の端面に開口する十字穴42(図5参照)、マイナス溝、六角穴あるいは四角穴等の穴(レンチ穴)などでも良い。また、回転力伝達部としては、図6に示すように、軸部3基端側の頭部としてボルト部43を設け、このボルト部43に螺着した2つのナット44a、44bを締め合わせた構成(ダブルナット44)なども採用可能である。また、図7に示す回転力伝達部は、六角形状の頭部45であるが、該頭部45は、軸部3とは逆側の端面に開口する雌ねじ穴45aが内部に形成されている袋ナット状のものであり、母材に固定したアンカー1に別の部材を固定する作業を、雌ねじ穴45aを利用することで簡単に行えるものである。
図8に示すように、このアンカー1を、コンクリート躯体等の母材6(図示例ではコンクリート躯体。以下、母材をコンクリート躯体とも言う)に固着するには、コンクリート躯体6に予め穿設した孔61(取り付け孔。下孔)に、アンカー1の軸部3を、該軸部3の先端側からねじ込んでいけば良い。軸部3を孔61内にねじ込み、締め付けることによって、アンカー1(詳細には軸部3)のねじ山21が躯体の孔61の内壁面62にねじ溝(図9の符号63)を形成しながら食い込んで行くが、ここで、本発明に係るアンカー1では、軸部3の先端部31に固定されている切り込みチップ5の円錐部5bが、孔61の内壁面62を削りながらねじ溝を形成していき、これに追従して軸部3と一体のねじ山21aが、円錐部5bによって形成されたねじ溝63に入り込んでいく。このため、ねじ山21aが破壊されることなく孔61内に入り込んでいき、最終的に、孔61内で確実な固着状態を確保できる。切り込みチップ5の円錐部5bが形成したねじ溝63にねじ山21aが入り込んでいくので、ねじ溝63へのねじ山21aの進入が円滑になされ、アンカー1を回転する力を無用に増強することなく、孔61内へのアンカー1のねじ込みを円滑に行うことができる。また、ねじ山21aの潰れに起因するねじ溝63の形成精度の低下や破壊を回避できるので、ねじ込みを完了したときにねじ溝63内面とねじ山2との当接面積が充分に確保されることから優れた固着力が効率良く得られる。広いねじ溝63が形成されることによりアンカー1がガタ付くなどといった不都合を防止できることは言うまでも無い。
図9は、アンカー1を用いて、コンクリート躯体6に器物7を取り付けた状態を示す図であって、アンカー1の軸部3を基端部で拡張した形状の回転力伝達部4によって、コンクリート躯体6に器物7を押し付けるようにして固定した状態を示す。符号7aは、器物7に形成されている貫通孔であり、アンカー1は、軸部3を貫通孔7aに通してから、母材6の孔61にねじ込んでいくことで、回転力伝達部4からの押圧力によってコンクリート躯体6に器物7を押し付けるようにして固定する。
2条ねじ形状のねじ山21、22を有するアンカー1を用いて、コンクリート躯体6に器物7を取り付けた場合、アンカー1を孔61にねじ込んでいくにあたり、軸部側面3aからの突出が小さい副ねじ山22が、孔内壁面62に切り込まずに、孔内壁面62に摺動することで、軸部3が孔61に対して傾くことを防止し、真っ直ぐに入り込んでいく直進性を担保できる。これにより、ねじ込み途中のアンカーの傾斜によって、アンカーがその場で空回りをはじめてしまい、コンクリート躯体6の孔61の内壁面62に形成したねじ溝を破壊してしまうといった不都合を防止できる。
図10は、軸部3の基端側に設けられる頭部として、皿ねじの頭部と同様のテーパ形状のもの(頭部46)を採用した例を示す。この頭部46は、器物7に形成しておいた擂り鉢状の貫通孔7bへの収まりが良好であり、母材6に対して器物7をガタ付き生じさせることなく安定な固定状態が容易に得られる。なお、この頭部46には、十字穴42(図5参照)、マイナス溝、六角穴あるいは四角穴等の穴(レンチ穴)などといった回転力伝達部が形成される。
ところで、切り込みチップの形状、アンカーの軸部に対する切り込みチップの固定構造としては種々のものが検討されるが(例えば、以下の比較例)、本発明に係るアンカーは、軸部3と一体に形成されているねじ山21aとの位置決め作業性や、コンクリート躯体(母材)への施工時の切り込みチップの固定状態の安定性等の点で、優れた効果が得られる。
(比較例)
図11は、板状の切り込みチップ71を、アンカー72の軸部73に該軸部73の先端面74から切り込んで軸部73を横断するスリット状に形成された溝75に挿入して、接着剤による接着固定等によって固定し、切り込みチップ71の端部に形成しておいた山形の突部76を、軸部73のねじ山73aに位置決めしたものである。
(対比)
(1)上述の比較例の場合、軸部73の先端部が溝75によって分断されて、軸部73の先端部以外の部分に比べて、強度を期待できなくなる。溝75の両側の各壁部77は、軸部3からの突出基端部(溝75の軸部先端面74から最も深い底部付近)の曲げ強度が、軸部73の溝75を形成していない部分に比べて半分程度になる。このため、コンクリート躯体(母材)に穿設した下孔にねじ込んでいったときに、母材への切り込みによって切り込みチップ71に突部76から作用する強い力に対して、溝75の両側の壁部77の内の一方又は両方が局所的な曲げ応力の作用などによって変形して、ねじ込み施工での切り込みチップ71の位置ズレ、これによるねじ溝の形成精度の低下等を生じる可能性があり、施工信頼性を充分に担保できない。特に、軸部73が、オーステナイト系ステンレス等、焼き入れによる強度向上などの対策を採れない材質で形成されたものである場合は、ねじ込み施工での壁部77の変形による切り込みチップ71の位置ズレ等を生じる可能性が高くなるため、施工信頼性の低下が避けられない。
これに対して、本発明に係るアンカーでは、切り込みチップ5の固定のために、軸部3には、切り込みチップ5のシャンク部5aを挿入するための小さい孔32を形成するだけで良いので、軸部3に、母材の下孔へのねじ込み施工時に切り込みチップ5が受ける負荷に耐える充分な強度を確保することは容易である。
(2)比較例では、ねじ込み施工による壁部77の変形で、溝75内に接着材等で固定されている切り込みチップ71の固定強度が低下すると、切り込みチップ71が、溝75の軸部先端面74側の開口部から抜け出やすくなる。
これに対して、本発明に係るアンカーは、軸部側面3aに開口する孔32に、切り込みチップ5のシャンク部5aを挿入、固定した構造であり、比較例のように、切り込みチップが軸部から抜け出てしまうといった問題は生じないため、高い施工信頼性が得られる。
(3)比較例では、切り込みチップ71の突部76の位置決め精度の確保のために、軸部73を横断する形状の溝75全体を高精度に形成する必要があり、溝75の形成に手間が掛かる。また、形成した溝75に対する切り込みチップ71の位置合わせも必要である。
これに対して、本発明に係るアンカーでは、切り込みチップ5のシャンク部5aを挿入するための孔32を、ドリル等によって軸部3に穿孔するだけで良く、高精度の形成を容易に実現できる。孔32を穿設するためのドリルの芯出し及び切り込み深さの調整だけで、切り込みチップ5の位置決め精度(円錐部5bの頂点5cが、ねじ山21の稜線の延長上21bに位置決めされるようにする)を簡単かつ充分に確保できる。
(4)比較例では、軸部73の先端面74に開口する溝75に、板状の切り込みチップ71を固定する構造であるため、固定力の確保等に鑑みて切り込みチップ71の小型化が困難である。
これに対して、本発明では、ピン状の切り込みチップを軸部3に形成されている小孔である孔32に固定する構造であることから、切り込みチップは小型のもので良く、コスト面で有利である。
(5)比較例では、軸部73に形成された溝75内に板状の切り込みチップ71を固定するために、接着剤による接着固定やろう材を用いたろう付けを適用する場合、接着剤やろう材によって固定される面積が大きく、接着剤やろう材の使用量も比較的多くなる。このため、接着剤やろう材の硬化(収縮を伴う場合が多い)によって板状の切り込みチップ71に曲げ等の応力が作用して、突部76の位置決め精度の誤差の原因になる可能性がある。
これに対して、本発明では、サイズの小さい切り込みチップを軸部3に形成された小孔である孔32に固定する構造であることから、固定に使用する接着剤やろう材の量が少なくて済み、接着剤やろう材の硬化に伴う応力の影響が非常に小さく、切り刃部の位置決め精度の確保の点で有利である。
なお、本発明は、例えば、熱処理を行っていない鉄製のねじ固定式アンカーについても、前述の実施形態と同様に、軸部の先端部に切り込みチップを埋め込み固定することで、適用することも可能である。この場合、熱処理工程が省けるので、製造コストの低減が可能となる。
図示例では、切り込みチップを挿入、固定する孔32として、軸部3の断面径方向(軸部3の中心軸方向に直交する方向)に穿設したものを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、軸部3の中心軸方向に対して若干傾斜させて形成することも可能である。この場合も、切り込みチップの切り刃部としては、孔に切り込みチップを固定したときに、丁度、軸部側面3aに刻設されているねじ山21aと連続するようにしてねじ山21を形成する断面形状のものを採用することは言うまでも無い。
また、本発明において、「切り込みチップは前記切り刃部が前記ねじ山の一部を形成するように位置決めされている」構成とは、必ずしも、切り刃部として、軸部側面3aに刻設されているねじ山21aの断面形状と高精度に一致する断面形状のものである必要はなく、少なくとも、切り刃部の頂点が、軸部側面3aに刻設されているねじ山21aの稜線に位置決めされるようになっていれば良く、例えば、切り刃部の断面形状が、断面形状が軸部側面3aに刻設されているねじ山21aよりも僅かに小さい場合でも、軸部側面3aに刻設されているねじ山21aの稜線(詳細には稜線の延長線上)に位置決めされていれば、ねじ溝の形成において軸部側面3aに刻設されているねじ山21aを傷めにくくなる効果が得られるため、本発明に含むものとする。
本アンカーの適用対象となる母材としては、コンクリート躯体に限定されず、例えばレンガ躯体や、ALC、樹脂等からなる躯体なども対象となる。
本発明のアンカーを示す側面図である。 図1に示すアンカーの軸部の先端部を示す断面図である。 図1のアンカーの軸部の先端部を示す拡大斜視図である。 図1のアンカーの軸部の先端部から切り込みチップを分離した状態を示す拡大分解斜視図である。 本発明に係るアンカーの回転力伝達部の別態様を示す図であって、(a)は正面図、(b)は一部切欠断面図である。 本発明に係るアンカーの回転力伝達部の別態様としてのダブルナットを示す図である。 本発明に係るアンカーの回転力伝達部の別態様として袋ナット状の頭部を示す図であって、(a)は頭部における雌ねじ穴の開口部側から見た図、(b)は一部切欠断面図である。 図1のアンカーをコンクリート躯体に施工する前の状態を示す断面図である。 図1のアンカーによって、コンクリート躯体に器物を固定した状態を示す図である。 図7のアンカーの頭部の別態様を示す図である。 (a)、(b)は比較例のアンカーを示す図である。
符号の説明
1…アンカー、2…ねじ山、3…軸部、4…回転力伝達部、5…切り込みチップ(超硬チップ)、5a…シャンク部、5b…切り刃部(円錐部)、5c…(円錐部の)頂点、6…母材(コンクリート躯体)、7…器物、21…主ねじ山、21a…(軸部と一体の)ねじ山、22…副ねじ山、31…(軸部の)先端部、32…孔、33…ろう材、41…頭部、42…回転力伝達部(十字穴)、43…ボルト部、44…ダブルナット、44a、44b…ナット、45…頭部、45a…雌ねじ穴、46…頭部、61…孔(アンカー取り付け孔)、62…内壁面、63…ねじ溝、7a,7b…貫通孔。

Claims (3)

  1. ねじ山が形成されている軸部と、この軸部の基端側に設けられた回転力伝達部とを有し、前記軸部の先端部には、ピン状の切り込みチップが前記軸部先端部に穿設され前記軸部先端部側面に開口する孔内に挿入して固定されており、前記切り込みチップは前記軸部側面に突出する切り刃部を有し、前記切り刃部は前記軸部のねじ山よりも硬い材質で形成されており、前記切り込みチップは前記切り刃部が前記ねじ山の一部を形成するように位置決めされていることを特徴とするアンカー。
  2. 前記切り刃部が外観円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のアンカー。
  3. 前記軸部の側面には、主ねじ山と、この主ねじ山よりも軸部側面からの突出が小さい副ねじ山とが形成されており、前記切り込みチップの前記軸部側面に突出した部分が前記主ねじ山の一部を形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカー。
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