JP2007321851A - ねじ及び動力回転工具用のビット及び建築用意匠金具の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじの先端がぐらつかず、ねじ込み対象物から頭部がほとんど突出しないようにでき、ねじ込み対象物に前加工を要しないねじ、回転工具用ビット、建築用意匠金具の施工方法を提供する。
【解決手段】ねじ山11aを少なくとも一部に備えた軸部11と、軸部11の基端側に設けられた頭部12とを有し、頭部12には、動力回転工具に取り付けられたビット2の先端部21と嵌合する、有底の係合穴13が形成されたものであり、上記の係合穴13は多角形断面を有するものであって、内面13aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面とされており、この係合穴13が、頭部12と軸部11とにまたがって設けられたものであることを特徴とするねじを提供する。
【選択図】図1
【解決手段】ねじ山11aを少なくとも一部に備えた軸部11と、軸部11の基端側に設けられた頭部12とを有し、頭部12には、動力回転工具に取り付けられたビット2の先端部21と嵌合する、有底の係合穴13が形成されたものであり、上記の係合穴13は多角形断面を有するものであって、内面13aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面とされており、この係合穴13が、頭部12と軸部11とにまたがって設けられたものであることを特徴とするねじを提供する。
【選択図】図1
Description
本願発明は、特に、動力回転工具によってねじ込み作業がなされるねじ、及びこのねじ込み作業に当たって用いられる回転工具用ビット、及びこれらを用いてなされる建築用意匠金具の施工方法に関するものである。
従来から、頭部に六角形などの多角形断面を有する有底の係合穴が設けられたねじが存在する。このねじは、同じく多角形断面を有するレンチなどの工具の先端部を係合穴に係合させることによりねじ込むことができるものとされている。
ここで、係合穴及びレンチ先端部のサイズはJISにて定められている。例えば係合穴を六角穴とし、ねじの呼びがM5の場合、「六角穴付き皿ボルト」の規格(JIS−B−1194)によると、対辺間の寸法が最小値3.02mm、最大値3.08mmとされている。一方、レンチ側については、「六角棒スパナ」の規格(JIS−B−4648)によると、上記に対応する呼びのものは、対辺間の寸法が最小値2.96mm、最大値3.00mmとされている。よって、JISの許容範囲内であっても、両者の遊びは最大0.12mmとなるため、この分のぐらつきが発生する可能性がある(図4(C)参照)。
なお、六角穴を有するねじ及びこれに対応するレンチの一例として、特許文献1に記載の考案が存在する。これは、テーパ穴を有する六角穴ボルトに関するものであり、1本のレンチで多サイズのねじに対応させることのできるものである。
一方、ルーバや装飾板などの建築用意匠金具を建築物に固定する際に用いられるねじの一部には、先端に刃部を備えた自己穿孔型のねじ(いわゆる「セルフドリルねじ」)が用いられている。
上記で説明した多角形穴を有するねじは、六角頭を有するねじや十字溝を頭部に有するねじよりも意匠性に優れるものであり、建築用意匠金具の施工現場では、特に人目につきやすい部位において好んで用いられている。
ところが、自己穿孔型のねじを用いざるを得ない部位については、上記の多角形穴を有するねじを用いたくても、工具との間に上記のような遊びが存在することにより、ねじの先端がぐらつき、位置が定まらないため、使用することが困難であった。
そのため、仕方なく、この部分については六角頭を有するねじや十字溝を頭部に有するねじが用いられている。そのため、他のねじとの形状の統一をすることができず、美観上の難点となっていた。
上記のことに加え、建築用意匠金具について用いられるねじの頭部は、建築用意匠金具などのねじ込み対象物からできるだけ突出させないようにし、ねじの存在を目立たせないようにすることが美観上望ましい。従来の場合は、ねじ込み対象物に頭部の一部を埋め込むことで、頭部の突出を小さくすることがなされていたが、このような場合は、ねじ込み対象物の表面に座ぐり穴の形成などの前加工があらかじめ必要であって、面倒であった。
上記のことに鑑み、本願発明は、ねじの先端がぐらつくことのないねじ、及びこのねじに対応可能な回転工具用ビット、及びこのねじを適用した建築用意匠金具の施工方法を提供することを第1の課題とする。
また、本願発明は、建築用意匠金具などのねじ込み対象物から頭部がほとんど突出しないようにできるものであり、しかも、ねじ込み対象物にそのための前加工を要しないねじ、及びこのねじに対応可能な回転工具用ビット、及びこのねじを適用した建築用意匠金具の施工方法を提供することを第2の課題とする。
なお、上記特許文献1に記載の考案は、係合穴がテーパ穴とされたことが特徴ではあるが、基本形態は従来からのねじと変わりなく、係合穴が頭部にのみ設けられたものとされている。そして、本願発明のようにねじ先端部のぐらつきをなくすという観点からなされた考案でもない。よって、本願発明とは課題の点で全く相違するものである。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、ねじ山11aを少なくとも一部に備えた軸部11と、軸部11の基端側に設けられた頭部12とを有し、頭部12には、動力回転工具に取り付けられたビット2の先端部21と嵌合する、有底の係合穴13が形成されたものであり、上記の係合穴13は多角形断面を有するものであって、内面13aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面とされており、この係合穴13が、頭部12と軸部11とにまたがって設けられたものであることを特徴とするねじを提供する。
また、本願の請求項2に記載の発明は、係合穴13が六角形断面を有するものであり、軸部11は、外周面が軸方向に平行となるように設けられたものであり、軸部11の基端側までねじ山11aが設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のねじを提供する。
また、本願の請求項3に記載の発明は、軸部11の先端にねじ込み対象物を切削することのできる刃部11bを備えた、自己穿孔型のねじであることを特徴とする、請求項1または2に記載のねじを提供する。
また、本願の請求項4に記載の発明は、ねじ山11aを少なくとも一部に備えた軸部11と、軸部11の基端側に設けられた頭部12とを有し、頭部12に、多角形断面を有する有底の係合穴13が形成されたねじ1に対して適用され、動力回転工具に取り付けられて回転させられることにより、先端に係合されたねじ1に対してねじ込み動作をなすことができるものであり、先端部21が六角形断面を有するものであって、この先端部21の外周面21aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面を有することを特徴とする動力回転工具用のビットを提供する。
また、本願の請求項5に記載の発明は、ルーバや装飾板などの建築用意匠金具103を建築物に固定するための施工方法であって、建築物の壁面にブラケット101を固定し、このブラケット101に支持部材102を固定した上で、この支持部材102に上記の建築用意匠金具103を固定するものであり、上記各部の固定に当たって、少なくとも、外部から視認可能な部分に配位されるねじS1〜S3につき、請求項1〜3のいずれかに記載のねじが用いられたものであり、このねじS1〜S3をねじ込むために、請求項4に記載の動力回転工具用のビットが用いられたものであって、ねじS1〜S3の係合穴13に動力回転工具用のビット2の先端部21が挿入され、少なくとも上記係合穴13の内面13aの一部と、動力回転工具用のビット2の先端部21の外周面21aの一部とが係合することにより、ねじの先端をぶれない状態として、ねじ込み作業が可能とされたことを特徴とする、建築用意匠金具の施工方法を提供する。
本願の請求項1に記載の発明は、係合穴13の内面13aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面とされている。よって、先端部21の外周面21aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面を有するビット2を係合穴13に対して係合することにより、従来存在していた、ねじ1とビット2との間の遊びをほとんどなくすことが可能である。そのため、ねじ込み作業の際にも、ねじの先端がぐらつくことがほとんどなく、確実なねじ込みが可能とできたものである。
また、この係合穴13が、頭部12と軸部11とにまたがって設けられたものであることから、頭部12の厚みを小さくでき、これによって、建築用意匠金具などのねじ込み対象物から頭部がほとんど突出せず、フラットに仕上げることができるものであり、しかも、ねじ込み対象物にそのための前加工を要しないねじが提供できたものである。
また、本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加え、軸部11の基端側までねじ山11aが設けられたことにより、軸部11の基端部まで、ねじ込み対象物に対して確実にねじ1を固着させることが可能なねじが提供できたものである。
また、本願の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、軸部11の先端にねじ込み対象物を切削することのできる刃部11bを備えた、自己穿孔型のねじであることから、ねじの先端がぐらつくことが原因で、自己穿孔型のねじが従来利用できなかった用途にも利用が可能となったものである。
また、本願の請求項4に記載の発明は、先端部21が六角形断面を有するものであって、この先端部21の外周面21aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面を有することから、ねじ1の係合穴13がテーパ面を有していてもいなくても、ねじ込み作業の際、ねじの先端がぐらつくことがほとんどなく、確実なねじ込みを可能とした動力回転工具用のビットを提供できたものである。
また、本願の請求項5に記載の発明は、少なくとも、外部から視認可能な部分に配位されるねじS1〜S3につき、請求項1〜3のいずれかに記載のねじ1が用いられたものであり、このねじS1〜S3をねじ込むために、請求項4に記載の動力回転工具用のビットが用いられたことから、ねじS1〜S3の先端がぐらつくことがなく、従来使用できなかった部分にこのねじ1を使用することによって、各ねじS1〜S3の頭部の形状をすべて統一させることができ、美観上優れたものとできたものである。
また、頭部12の厚みの小さいねじ1が利用できるため、建築用意匠金具などのねじ込み対象物から頭部がほとんど突出せず、フラットに仕上げることができ、しかも、ねじ込み対象物にそのための前加工を要しない建築用意匠金具の施工方法を提供することができたものである。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図1は本例のねじを示し、図2は本例のビットを示し、図3及び図4は本例のねじとビットとを組み合わせた状態を示し、図5は施工方法の一例を示す。
本例のねじ1は、軸部11の先端に刃部11bを備えた自己穿孔型のねじ(いわゆる「セルフドリルねじ」)として実施される。ただし、例えばJIS−B−1176「六角穴つきボルト」に規定された、一般的なねじ山を備えたねじとして実施しても良い。本例のねじ1の材質はステンレス合金とされているが、材質はこれに限定されたものではなく、種々の金属を用いることができるし、用途によってはセラミックや硬質プラスチックを用いても良い。
軸部11にはねじ山11aが形成されている。ここで、軸部11の基端側において、図1に示したねじではねじ山11aが設けられておらず、ねじ山11aが設けられた部分における、ねじ山11aを除いた外径(谷径)に比べて軸径が拡大された径拡大部11cが存在するが、これは、軸部11にまでまたがるようにして、後述する係合穴13が設けられたことにより減少する、軸部の中実部分の断面積を確保するために設けられたものである。この径拡大部11cは、上記のように軸部11の谷径よりも大きなものであるが、完全ねじ部における、ねじ山11aを含んだ外径(山径)よりも小さくしておくことが望ましい。
そして、この径拡大部11cの外周面11c1は、図1に示したように、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面とされており、ねじ1のねじ込み動作に伴い、ねじ山11aによってねじ込み対象物に形成されたねじ穴にこの径拡大部11cが容易に挿入できるものとされている。この外周面11c1のテーパ角度は、本例では、後述する係合穴13の内面13aのテーパ角度と一致するものとされているが、必ずしも一致させなくても良い。
軸部11の基端側には一体となるように頭部12が形成されている。そして、頭部12の基端面に開口するようにして係合穴13が設けられている。この係合穴13は、本例では六角形断面を有する有底穴とされており、軸部11にまたがるようにして設けられている。なお厳密には、本例のねじ1においては、図1(A)(B)に示すように、係合穴13の開口部分に面取り13bが施されているため、開口端の断面形状は円形となる。なお、下記の係合穴13についての説明において、この面取り13bの部分は無視するものとする。
頭部12は一般に用いられているねじよりも厚みの小さいものとされている。本例では、ねじの呼びがM5(建築用意匠金具の施工に最も広く使用されているサイズ)の場合、1.2mmとされている。ちなみに、自己穿孔型のねじに関する規格である、JIS−B−1124「タッピンねじのねじ山をもつドリルねじ」によると、ねじの呼びがM5の場合、頭部12の厚みの規定寸法は、最小値3.4mm、最大値3.7mmとされており、これと比較すると、約1/3まで薄くできている。このため、本願発明に係るねじ1を建築用意匠金具などのねじ込み対象物にねじ込んだ際にも、ねじ込み対象物から突出する部分を極力小さくでき、美観の向上に貢献できる。また、ねじ込み対象物の側に、頭部12を埋め込むための座ぐり穴の形成などの前加工をする必要もない。本例のねじ1においては、ねじの呼び寸法と頭部12の厚みとの寸法比が約25%とされているが、20〜40%の範囲で実施することが望ましい。なお、あまりに頭部12の厚みが小さくなると、ねじ込みに伴い反ってしまい、ねじ込み対象物を十分に押圧できなくなるなどの不都合が発生するため、最小厚み寸法は1.0mmとされている。
なお、本例では係合穴13の断面形状を六角形としているが、これに限られるものではなく、四角形や八角形などの種々の多角形として実施することもできる。
係合穴13は、内面13aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面を有している。本例では、軸方向に対する角度が2.5°として実施されているが、下記のようにもっと急角度にしても良いし、逆に浅い角度で実施しても良い。通常好適に採用されるテーパ角度の範囲は0.5°〜15°である。ただし、これ以外の角度での実施も全く不可能というわけではない。
この係合穴13の寸法は、開口部分における六角形状の対辺間において2.5mmで実施されており、「六角穴付き皿ボルト」の規格(JIS−B−1194)における、ねじの呼びM5における基準寸法3.0mmよりも一回り小さなものとされている。ちなみにこの寸法は、十分にねじ込み動作を行うための最小限のものであり、後述のように、頭部12の直径を係合穴13とその周囲部分の寸法比のバランスを保ちつつ、美観を損ねずに小さくできるものでもあるが、本願発明においては、上記のように係合穴13が頭部12と軸部11とにまたがって設けられたものであることから、係合穴13による軸部11の中実部分の断面積減少を最小限に抑えるためにこの寸法が採用されたものでもある。なお、この係合穴13の寸法は本例のものに限定されたものではなく、上記JIS規格通りの寸法にて実施しても良いし、その他の寸法にて実施しても良い。
また、本例における頭部12の直径は8mmとされている。ここで、JIS−B−1124「タッピンねじのねじ山をもつドリルねじ」によると、ねじの呼びがM5の場合、頭部12の直径の規定寸法は、最小値9.14mm、最大値9.50mmである。ねじ込み後における美観の点から、頭部12の直径は、ねじ込み対象物を押圧するというねじ本来の機能を損なわない範囲内でできるだけ小さくすることが望まれているが、頭部12の直径を上記JISの規格寸法よりも小さな寸法である8mmに縮小し、係合穴13の寸法をJISの規格通りの対辺寸法3mmとした場合、頭部12の大きさに比べて係合穴13の大きさが大きくなり過ぎ、美観を損ねたものとなってしまう。そこで、上記のように係合穴13の対辺寸法を2.5mmとした。この場合、頭部12における係合穴13の周囲部分(係合穴13を取り巻く部分)の寸法は、係合穴13の対辺方向に沿う径方向寸法において片側当たり2.75mmとなる。また、係合穴13の対角寸法は2.89mmとなるため、頭部12における係合穴13の周囲部分の寸法は、係合穴13の対角方向に沿う径方向寸法で片側当たり2.56mmとなる。よって、頭部12の径方向において、係合穴13とその周囲部分の寸法比をほぼ1:1:1とでき、この寸法比のバランスにより、特に頭部12の美観を向上させることができている。
つまり、本願発明に係るねじ1は、係合穴13が、十分にねじ込み動作を行うための最小限の寸法を有し、かつ、係合穴13による軸部11の中実部分の断面積減少を最小限に抑えることができており、かつ、頭部12の直径を縮小させても係合穴13とその周囲部分の寸法比のバランスが保たれて頭部12の美観を向上させることができたという、特に建築用意匠金具の施工に使用されるねじに要求される3つの要件を全て満たした、理想的なものとできたものである。
次に、上記のねじ1をねじ込み対象物にねじ込むための工具の一つとして、図2に示すビット2が挙げられる。このビット2は、軸部22が動力回転工具に取り付けられて回転させられることにより、先端に係合されたねじ1に対してねじ込み動作をなすことができるものである。
このビット2の先端部21は六角形断面を有する。そして、外周面21aが、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面を有するものとされている。テーパ角度(ビット2の軸方向に対する角度)は、ビット2の先端部21aに取り付け可能とされたねじ1の係合穴13の内面のテーパ角度と等しいか、あるいはそれよりも大きな角度を有するものとする。テーパ角度が等しい場合は、図4(A)に示すようにビット2とねじ1の係合穴13の内面13aとが面接触することとなり、テーパ角度が大きい場合は、係合穴13aの開口部付近にて線接触することとなる。これにより、図4(C)に示すような、テーパ角度が0である、従来の係合穴とビットとの組み合わせの場合と比較して、両者間の遊びをほとんどなくすことが可能である。よって、ねじ込み作業の際にも、ねじの先端がぐらつくことがほとんどなく、確実なねじ込みが可能となる。また、従来は使用できなかった、ルーバや装飾板などの建築用意匠金具を建築物に固定する際に用いられるねじとしても使用が可能となる。
なお、このビット2は、図4(B)に示すように、ねじ1の係合穴13がテーパ面を有しておらず、内面13aが軸方向に対して平行に形成されたねじ1に対しても使用することができる。この場合であっても、ビット2とねじ1の係合穴13の内面13aとが係合穴13の開口部付近にて線接触するものとでき、上記と同様の効果を奏するものとできる。
次に、他の実施例について説明する。
図6に示したものは、ネジ山11aを軸部11の基端部まで延長して設けたものである。この場合における軸部11は、図1に示したものと異なり、径拡大部11cが形成されておらず、谷部が基端部付近まで軸方向に平行となるように設けられている。ただし、このような形状で軸部11を形成すると、軸部11の基端側の内部に係合穴13という空洞が存在している分、強度上不利になるため、係合穴13の内面13aのテーパ角度を急にして断面積の減少を最小限に抑えたものとしている。具体的には、テーパ角度を8°〜15°として実施することが望ましい。
図6に示したものは、ネジ山11aを軸部11の基端部まで延長して設けたものである。この場合における軸部11は、図1に示したものと異なり、径拡大部11cが形成されておらず、谷部が基端部付近まで軸方向に平行となるように設けられている。ただし、このような形状で軸部11を形成すると、軸部11の基端側の内部に係合穴13という空洞が存在している分、強度上不利になるため、係合穴13の内面13aのテーパ角度を急にして断面積の減少を最小限に抑えたものとしている。具体的には、テーパ角度を8°〜15°として実施することが望ましい。
このようにネジ山11aを軸部11の基端部まで延長して設けたことにより、軸部11の基端部まで、ねじ込み対象物に対して確実にねじ1を固着させることが可能である。
また、図7に示したものは、図6に示したものに加えて、係合穴13の先端側に連続するように、円形断面を有する延長穴13cを更に設けたものである。そして、ビット2の先端部21にも、この延長穴13cに対応する円柱状の延長部21bが設けられている。このような構成とすることにより、使用に当たって、ビット2の延長部21bを係合穴13の延長穴13cに挿入して、両者の係合状態を先導することができ、より安定した係合状態を実現することができる。
次に、図5とともに、上記のねじ1及びビット2を用いた、ルーバや装飾板などの建築用意匠金具103を建築物に固定するための施工方法について説明する。まず、建築物の壁面にブラケット101を固定する。そして、このブラケット101に「胴縁」と呼ばれる支持部材102を固定した上で、この支持部材102に上記の建築用意匠金具103を固定する。
なお、図5においては、建築用意匠金具103は単に側端を折り曲げた板材としているが、この建築用意匠金具103の形態は一切限定されるものではなく、例えば、ルーバと一体に形成したものなど、種々の形態にて実施し得る。
上記の固定に当たって、少なくとも、外部から視認可能な部分に配位されるねじにつき、本願発明に係るねじが用いられる。なお、建築物の壁面とブラケット101との間を固定するために用いられるねじS1、及び、ブラケット101と支持部材102との間を固定するために用いられるねじS2には、例えばJIS−B−1176「六角穴つきボルト」に規定された軸部を有する、自己穿孔型ではないねじが用いられている。そして、支持部材102と建築用意匠金具103との間を固定するために用いられるねじS3には、自己穿孔型のねじが用いられている。
上記の各ねじS1〜S3をねじ込み対象物にねじ込むために、本願発明に係るビット2が用いられる。具体的には、各ねじS1〜S3の係合穴13にビット2の先端部が挿入され、図4(A)に示すように、少なくとも係合穴13の内面13aの一部と、ビット2の先端部21の外周面21aの一部とが係合することにより、ねじ込み作業がなされる。この際、上記にも示したように、各ねじS1〜S3の係合穴13とビット2との間に遊びがほとんどないものとできているため、各ねじS1〜S3の先端をぶれない状態としてねじ込み作業が可能である。特に、従来は使用できなかった自己穿孔型のねじを、支持部材102と建築用意匠金具103との間を固定するために用いられるねじS3に使用することができるため、各ねじS1〜S3の頭部の形状をすべて統一させることができ、美観上優れたものとできる。
1、S1〜S3 ねじ
11 軸部
11a ねじ山
11b 刃部
12 頭部
13 係合穴
13a 係合穴の内面
2 ビット
21 ビットの先端部
21a ビットの先端部の外周面
101 ブラケット
102 支持部材
103 建築用意匠金具
11 軸部
11a ねじ山
11b 刃部
12 頭部
13 係合穴
13a 係合穴の内面
2 ビット
21 ビットの先端部
21a ビットの先端部の外周面
101 ブラケット
102 支持部材
103 建築用意匠金具
Claims (5)
- ねじ山(11a)を少なくとも一部に備えた軸部(11)と、軸部(11)の基端側に設けられた頭部(12)とを有し、
頭部(12)には、動力回転工具に取り付けられたビット(2)の先端部(21)と嵌合する、有底の係合穴(13)が形成されたものであり、
上記の係合穴(13)は多角形断面を有するものであって、内面(13a)が、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面とされており、
この係合穴(13)が、頭部(12)と軸部(11)とにまたがって設けられたものであることを特徴とするねじ。 - 係合穴(13)が六角形断面を有するものであり、
軸部(11)は、外周面が軸方向に平行となるように設けられたものであり、
軸部(11)の基端側までねじ山(11a)が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のねじ。 - 軸部(11)の先端にねじ込み対象物を切削することのできる刃部(11b)を備えた、自己穿孔型のねじであることを特徴とする、請求項1または2に記載のねじ。
- ねじ山(11a)を少なくとも一部に備えた軸部(11)と、軸部(11)の基端側に設けられた頭部(12)とを有し、頭部(12)に、多角形断面を有する有底の係合穴(13)が形成されたねじ(1)に対して適用され、
動力回転工具に取り付けられて回転させられることにより、先端に係合されたねじ(1)に対してねじ込み動作をなすことができるものであり、
先端部(21)が六角形断面を有するものであって、この先端部(21)の外周面(21a)が、先端方向に向かうにつれて断面形状が小さくなるようなテーパ面を有することを特徴とする動力回転工具用のビット。 - ルーバや装飾板などの建築用意匠金具(103)を建築物に固定するための施工方法であって、
建築物の壁面にブラケット(101)を固定し、このブラケット(101)に支持部材(102)を固定した上で、この支持部材(102)に上記の建築用意匠金具(103)を固定するものであり、
上記各部の固定に当たって、少なくとも、外部から視認可能な部分に配位されるねじ(S1〜S3)につき、請求項1〜3のいずれかに記載のねじが用いられたものであり、
このねじ(S1〜S3)をねじ込むために、請求項4に記載の動力回転工具用のビットが用いられたものであって、
ねじ(S1〜S3)の係合穴(13)に動力回転工具用のビット(2)の先端部(21)が挿入され、
少なくとも上記係合穴(13)の内面(13a)の一部と、動力回転工具用のビット(2)の先端部(21)の外周面(21a)の一部とが係合することにより、
ねじの先端をぶれない状態として、ねじ込み作業が可能とされたことを特徴とする、建築用意匠金具の施工方法。
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