JP2005290571A - 紙塗工用樹脂組成物、塗工組成物及び塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記水溶性樹脂(A)と尿素類(B)とを混合してなる紙塗工用樹脂組成物であって、該水溶性樹脂(A)1重量部(固形分)に対し、尿素類(B)0.5〜20重量部を含有する紙塗工用樹脂組成物;該紙塗工用樹脂組成物、顔料及び水性バインダーからなる塗工組成物;並びに、該塗工組成物を紙に塗工してなる塗工紙。
水溶性樹脂(A):メラミン、尿素及びポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構造単位とホルムアルデヒドに由来する構造単位を有する水溶性樹脂。
【選択図】 なし
Description
上記の印刷適性を向上させる方法としては、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹脂;ポリアルキレンポリアミンなどのポリアミンと、多価塩基性カルボン酸と、尿素類と、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類などとの縮重合物であるポリアミンポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂(特許文献1〜7)、ポリアミンと二塩基性カルボン酸類とからなるポリアミドと前記縮合物との混合物(特許文献8)などを含有せしめた塗工組成物が報告されている。
本発明の目的は、長期間保存時や高温雰囲気下での黄変が抑制された、すなわち、耐黄変性に優れる塗工紙、該塗工紙用の塗工組成物及び該塗工組成物に含有される紙塗工用樹脂組成物を提供することである。
本発明で用いられる水溶性樹脂(A)とは、メラミン、尿素及びポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構造単位とホルムアルデヒドに由来する構造単位を有する水溶性樹脂であり、具体的には、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミンポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。中でも、ポリアミンと尿素とホルムアルデヒドとからなるポリアミンポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂は、インキ受理性や耐ブリスター性などの印刷適性を向上させる傾向にあることから好適である。
脂環式ポリアミンとは、1級アミノ基(−NH2)及び2級アミノ基(−NH−)からなる群から選ばれるアミノ基を少なくとも2つと、窒素原子を含有していてもよいシクロパラフィン構造及び/又はシクロオレフィン構造(以下、窒素原子を含有していてもよい脂環式構造という場合がある)とを分子内に有する化合物であり、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキサン、4,4’−ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3 又は2,4)−ビス−(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2’−ビス−(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−オキシビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−スルホンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、2,4’−または4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラアルキルジシクロヘキシルアルカン等などが挙げられる。
ここで、脂環式モノアミンとは、1級アミノ基(−NH2)又は2級アミノ基(−NH−)を1つと、窒素原子を含有していてもよい脂環式構造とを分子内に有する化合物である。シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
脂環式モノアミンの使用量としては、水溶性樹脂(A)を構成する全ての構造単位100モルに対し、通常、1モル以下、好ましくは0.5モル以下の割合で用いられる。
(式中、Rは、水素原子を表すか、脂環式エポキシ化合物を構成する炭素原子に結合されている。)
で表されるエポキシ基と、シクロパラフィン構造及び/又はシクロオレフィン構造(脂環式構造)とを分子内に有する化合物であり、脂環式構造にエポキシ基が含まれていてもよい。
具体的には、脂環式構造にエポキシ基が含まれている化合物としては、例えば、シクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサン−カルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサンなどがあげられる。また、その他の脂環式エポキシ化合物としては、例えばグリシジル基のようなエポキシ基を脂環式構造と共に含有する化合物などが挙げられ、具体例として、ビス−グリシジル−ヘキサヒドロ−フタレート、2,2−ビス(4′−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
脂環式エポキシ化合物の使用量としては、水溶性樹脂(A)を構成する全ての構造単位100モルに対し、通常、1モル以下、好ましくは0.5モル以下の割合で用いられる。
二塩基性カルボン酸の無水物としては、テトラハイドロ無水フタル酸、ヘキサハイドロ無水フタル酸、3−又は4−メチルヘキサハイドロ無水フタル酸、3−又は4−メチルテトラハイドロ無水フタル酸などの脂環式構造を含む2価のカルボン酸の分子内酸無水物;無水コハク酸、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物などの脂環式構造を含まない脂肪族多価カルボン酸の分子内酸無水物などが挙げられる。
ここで、グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールのようなアルキレングリコール類、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオールのようなシクロアルキレングリコール類、ブテンジオール、オクテンジオールのようなアルケニレングリコール類、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物などを例示することができる。グリコール類として、中でもエチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
中でも二塩基性カルボン酸の無水物とグルコール類との混合物から得られるエステルが好適である。
また、二塩基性カルボン酸類に由来する遊離カルボキシル基は、脂環式モノアミンとはアミド化反応し、脂環式エポキシ化合物とは付加反応する。
ここで、第1アミンとは、1級アミノ基(−NH2)で表される基を分子内に1つ有するアミノ化合物であり、第2アミンとは、2級アミノ基(−NH−)を分子内に1つ有するアミノ化合物である。第1アミン及び第2アミンには、前記のポリアミン、脂環式モノアミンに加え、エチルアミン、オクチルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミンなどの脂肪族第1アミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族第2アミン、ベンジルアミン、アニリンなどの芳香族モノアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、AはOH、または低級アルコキシ基を表す。)
で表される化合物である。具体的には、アクリル酸およびメタクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどの炭素数1〜12程度の低級アルコキシル基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル類等が例示される。
中でも、水溶媒を用いる場合には、α,β−不飽和カルボン酸エステル類が、反応性に優れることから好ましく、とりわけ、炭素数3〜5のアルコキシル基が好ましい。
マイケル反応とアミド化反応とは同時に進行させてもよく、その場合には、アミド化反応で生じる水、アルコールなどを留去させればよい。
また、水溶性樹脂(C)は、通常、水溶性樹脂(A)100重量部に対し、50重量部以下程度用いられる。
これら化合物に由来する構造単位の含有量は、水溶性樹脂(固形分)100重量部に対し、通常、0.1重量部以下程度であり、好ましくは、実質的に含有しないことが好ましい。
得られた水溶液を50重量%、25℃に水溶液に調整すると、該水溶液は、通常、10〜3000 mPa・s 程度、好ましくは、10〜200 mPa・s 程度、とりわけ好ましくは30〜100 mPa・s 程度の粘度であることが好ましい。
粘度が上記範囲であると、該水溶液を含む塗工組成物の塗工性に優れる傾向があることから好ましい。
具体的には、スミレーズレジン302(住友化学社製)、スミレーズレジン712(住友化学社製)、スミレーズレジン703(住友化学社製)、スミレーズレジン636(住友化学社製)、タマコート138(荒川化学社製)、PA625(星光PMC社製)、PA626(星光PMC社製)、ユーラミンP−1500(三井化学社製)、ユーラミンP−1500HV−30(三井化学社製)などが挙げられる。
ここで水溶性樹脂(A)の固形分は、JIS K6828の4.9に準じて乾燥することにより求めた蒸発残分である。
尿素類(B)を0.5重量部以上混合させると、耐黄変性に優れる傾向、及び塗工紙からのホルムアルデヒドの発生が低減する傾向があることから好ましく、20部以下の混合であると、インキ受理性や耐ブリスター性などの印刷適性に優れる傾向にあることから好ましい。
本発明の尿素類(B)は、水溶性樹脂(A)及び(C)とは反応していない成分である。
式中、Qは前記と同じ意味を表し、X1 、X2 及びX3 は互いに独立に、水素原子;炭素数1〜4程度のアルキル基;アミノ基又は水酸基が結合した炭素数1〜4程度のアルキル基;X1 とX2 とが連結したメチレン基、エチレン基などを表す。
1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノンは、例えば、ジエチレントリアミンと尿素との脱アンモニア反応によって得ることができ、反応生成物には、1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノン以外の副生物も存在するが、通常、その副生物を含む混合物のまま使用できる。
顔料として、2種類以上の顔料を使用してもよい。
水性バインダーとして、2種類以上の異なる水性バインダーを使用してもよい。
本発明に用いられる紙に、必要により、填料、サイジング剤、バンド剤、紙力増強剤、染料などの添加剤を含有せしめてもよい。
なお、本発明における紙とは広義の意味であって、狭義の意味でいう紙のほか、いわゆる板紙をも包含する。
ここで、塗工方法としては、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、キャストコーターなどのコーターを用いて紙塗工用組成物を塗工原紙に塗布し、その後、必要な乾燥を行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダーなどで平滑化処理を施す方法などが挙げられる。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、ジエチレントリアミン423.0g(4.1モル)、水228.9g及び尿素492.6g(8.2モル)を仕込み、内温90〜110℃で発生するアンモニアを系外に除去しながら12時間脱アンモニア反応を行った後、冷却して、中間体1の水溶液980.6gを得た。
製造例1で得られた中間体1の水溶液の量を195.3g、37%ホルマリンの量を53.0g(0.65モル)、そして水の量を27.3gに変更した以外は、製造例2と同様の操作を行って、固形分濃度61.0%、pH6.7、粘度201mPa・sの水溶性樹脂(A)[A−2]を得た。
製造例1で得られた中間体1の水溶液の量を193.5g、37%ホルマリンの量を59.1g(0.73モル)、そして水の量を22.4gに変更した以外は、合成例2と同様の操作を行って、固形分濃度60.9%、pH6.7、粘度350mPa・sの水溶性樹脂(A)[A−3]を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、テトラヒドロフタル酸無水物91.3g(0.6モル)、メチルテトラヒドロフタル酸無水物24.9g(0.15モル)を仕込み、内温125℃に上げ、エチレングリコール23.2g(0.37モル)を45分間で滴下した。滴下終了後、内温を150℃に上げ、1時間反応を行った。内温を100℃まで冷却し、トリエチレンテトラミン109.7g(0.75モル)を1時間20分で滴下した。滴下終了後、内温を150℃に上げ、4時間反応を行った。130℃まで冷却し、尿素54.1g(0.9モル)を仕込み、発生するアンモニアを系外に除去しながら12時間脱アンモニア反応を行った後、冷却して、水216.4gを加えた。得られた反応物のうち374.0gを同様の反応容器に仕込み、37%ホルマリン11.5g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、硫酸でpHを5.8に調整し、内温90〜95℃で4時間反応を行った後、28%水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整し、固形分濃度50.3%、粘度52mPa・sの水溶性樹脂(A)[A−4]を得た。
製造例1で得られた水溶性樹脂(A)[A−1]の60.9%水溶液31.7g、尿素77.2g、及び水126.4gを混合した後、十分に攪拌して、固形分41%、pH6.9、粘度4.4mPa・sの水溶性樹脂含有水溶液を得た。これを配合例1とする。
表1に記載の水溶性樹脂(A)、尿素類(B)及び水を表1に記載の量で配合し、水溶性樹脂含有水溶液を得た。それぞれを配合例2〜4とし、固形分、pH及び粘度は表1に併せて記載した。
次に、塗工組成物を調製し、評価した例を示す。以下の例では、表2に示す組成で、固形分濃度64.5%の水系マスターカラーを用いた。
黄変度(YI)は、反射法による黄変度試験(JIS K7103)に準じ、COLOR TOUCH(TECHNDYNE社製)を使用して測定した。測定試料は、乾燥した塗工紙(初期)、温度50℃、相対湿度100%で3日間静置した塗工紙(3日間)、及び温度50℃、相対湿度100%で7日間保静置した塗工紙(7日間)をそれぞれ用いた。黄変度が低いものほど黄味の着色が少なく、白色度が高いということになる。
JIS K 0102/1971 アセチルアセトン法に準拠して測定した。
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)
Claims (6)
- 下記水溶性樹脂(A)と尿素類(B)とを混合してなる紙塗工用樹脂組成物であって、該水溶性樹脂(A)1重量部(固形分)に対し、尿素類(B)0.5〜20重量部を含有する紙塗工用樹脂組成物。
水溶性樹脂(A):メラミン、尿素及びポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構造単位とホルムアルデヒドに由来する構造単位を有する水溶性樹脂。 - 水溶性樹脂(A)が、脂環式モノアミン、脂環式エポキシ化合物及び二塩基性カルボン酸類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構造単位を含有する水溶性樹脂である請求項1に記載の紙塗工用樹脂組成物。
- 水溶性樹脂(A)を構成する全ての構造単位100モルに対し、ホルムアルデヒドに由来する構造単位を2〜85モル含有する水溶性樹脂(A)である請求項1又は2に記載の紙塗工用樹脂組成物。
- 水溶性樹脂(A)及び尿素類(B)に、さらに下記水溶性樹脂(C)を混合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の紙塗工用樹脂組成物。
水溶性樹脂(C):第1アミン及び/又は第2アミンに由来する構造単位とα,β−不飽和カルボン酸類に由来する構造単位を含み、ホルムアルデヒドに由来する構造単位を含有しない縮重合物 - 請求項1〜4のいずれかに記載の紙塗工用樹脂組成物、顔料及び水性バインダーからなる塗工組成物。
- 請求項5に記載の塗工組成物を紙に塗工してなる塗工紙。
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JP2004103174A JP2005290571A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 紙塗工用樹脂組成物、塗工組成物及び塗工紙 |
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JP2004103174A Pending JP2005290571A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 紙塗工用樹脂組成物、塗工組成物及び塗工紙 |
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