JP2005290185A - 既架橋高分子エマルジョンの製造方法 - Google Patents

既架橋高分子エマルジョンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シロキサン結合を架橋点とする珪素含有既架橋高分子エマルジョンにおいて、耐水性、耐候性等の改良効果を損なうことなく、架橋度の調整、貯蔵時の架橋度変化による塗膜物性低下を抑制することのできる、新規な構造制御に基づく既架橋高分子エマルジョンの製造方法を提供する。
【解決手段】 加水分解性シリル基含有ビニル単量体を用い、乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとした後、加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させることによる珪素含有、アセトン抽出によるゲル分率が40重量%以上の既架橋高分子エマルジョンを得るにあたり、乳化重合を一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物の存在下で行うことを特徴とする製造方法による。
【選択図】 なし

Description

本発明の既架橋高分子エマルジョンとは、その名称の意味するが如く、ゲル化または架橋した直径1〜10000nmの粒子状ポリマーである。ここでゲル化または架橋とは、強溶剤により粒子が膨潤する場合があるとしても完全には溶解しないことを意味する。
また、本発明の既架橋高分子エマルジョンを特徴づけるアセトン抽出によるゲル分率とは、本発明の既架橋高分子エマルジョンより形成された塗膜を室温下アセトンに浸漬して可溶分を抽出、乾燥した後の重量より下記の計算式(1)より算出した値である。
本発明は、珪素含有既架橋高分子エマルジョンの製造方法に関する。
近年、有機溶剤の大気中放出による環境問題から溶剤系塗料は使用範囲が限定されつつあり、その代替としての水系塗料の適応が望まれている。しかし、水系塗料は、水溶性樹脂またはエマルジョン等の水分散型樹脂を用いており、その構成上、水が媒体であることから低い蒸発性、親水性残基や乳化剤等の親水性成分の残留、分散粒子間の融着による塗膜形成から塗膜の不均一化が避けられない。その結果、溶剤系塗料に対し、乾燥性、耐水性や耐候性等の塗膜耐久性、仕上がり外観等で劣る傾向にある。
この様な水系塗料における塗膜物性の改良として、アクリル重合体中へ珪素成分を導入した珪素含有アクリルエマルジョンまたは粒子内に架橋を形成させた既架橋高分子エマルジョンを用いる組成物は種々知られている。シロキサン結合で架橋点が形成された珪素含有既架橋高分子エマルジョンも公知であり、例えば特許文献1には加水分解性シリル基含有ビニル単量体を含有する単量体混合物の水性媒体中での重合による珪素含有既架橋高分子エマルジョンが開示されており、これによる塗料のレオロジー特性の改良が記述されている。また、特許文献2にはpH安定剤存在下、加水分解性シリル基含有ビニル単量体と該単量体と共重合可能な単量体を含有する単量体混合物の水性媒体中、乳化重合を行った後、加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させることによる珪素含有既架橋高分子エマルジョンをシード粒子とし、加水分解性シリル基含有ビニル単量体を含まない単量体混合物を添加、重合することにより多層珪素含有既架橋高分子エマルジョンとする製造法が開示されており、その製造における不安定化の解消、造膜性および塗膜の耐水白化性の改良が記述されている。
特開昭60−181173公報 特開平12−63406公報
本発明は、上記の課題に鑑み、加水分解性シリル基単量体より形成された重合体を加水分解、縮合することによるシロキサン結合を架橋点とする珪素含有既架橋高分子エマルジョンにおいて、耐水性、耐候性等の改良効果を損なうことなく、架橋度の調整、貯蔵時の架橋度変化による塗膜物性低下を抑制することのできる、新規な構造制御に基づく珪素含有既架橋高分子エマルジョンの製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、これらの課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の製造方法において塗膜物性のバランスを確保する架橋制御が可能であること、該エマルジョンより耐水性、耐候性に優れる塗膜が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の構成は、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物を水性媒体中、乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとした後、加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させることによる珪素含有既架橋高分子エマルジョンの製造において、乳化重合を一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)の存在下で行うことを特徴とするアセトン抽出によるゲル分率が40重量%以上である既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項1)である。また、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物(I)の乳化重合を、一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)の存在下に行うことよって珪素含有高分子エマルジョンとし、さらに(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合した後に加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させるか、または加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させた後、(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合することを特徴とする請求項1記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項2)である。また、珪素含有高分子エマルジョン中の加水分解性シリル基の加水分解縮合を促進するために、縮合触媒を添加することを特徴とする請求項1および2記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項3)である。また、縮合触媒が酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル類と有機アミン類との混合物または反応物であることを特徴とする請求項1〜3記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項4)である。また、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物の水性媒体中、乳化重合をpH安定剤存在下に行う請求項1〜4記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項5)である。また、(II)が親水性基含有単量体(D)を含有する単量体混合物である請求項2〜5記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項6)である。また、(I)がカルボキシル基含有単量体を含有しない単量体混合物である請求項2〜6記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法(請求項7)である。
本発明は、加水分解性シリル基含有ビニル単量体を用い、乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとした後、加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させることによる珪素含有、アセトン抽出によるゲル分率が40重量%以上の既架橋高分子エマルジョンであって、乳化重合を一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物の存在下で行うことを特徴する。本発明により得られる既架橋高分子エマルジョンは、水系塗料組成物での貯蔵安定性、塗膜の外観、耐久性、耐候性のバランスを良好に満たすものである。本発明により得られる既架橋高分子エマルジョンを用いた水系塗料組成物は、金属、セラミック、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、橋梁物、家電用品、産業機器などの下塗り、中塗り、または上塗り塗装に好適に使用可能である。
加水分解性シリル基含有ビニル単量体
本発明で使用する加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロルシラン等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合物を使用することができる。(A)の使用量は、単量体混合物の合計100重量%中、0.5〜50重量%が好ましい。(A)が0.5重量%未満ではシロキサン架橋による塗膜物性の改良効果が不十分となり、50重量%を超える場合では成膜性の悪化、塗膜耐久性が低下し、好ましくない。
(A)と共重合可能な単量体
本発明で使用する(A)と共重合可能な単量体(B)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2―エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート;n−ブチルアクリレート、2―エチルヘキシルアクリレート等の炭素数1〜20のアルキルアクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜20のシクロアルキル(メタ)アクリレート;炭素数4〜20のシクロアルキルアクリレート;アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の炭素数3〜20のアラルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル系単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体;4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシスチレン、アロニクス5700(東亜合成化学(株)製)、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトン付加物であるPlaccelFA−1、PlaccelFA−4、PlaccelFM−1、PlaccelFM−4(以上ダイセル化学(株)製)等の水酸基含有ビニル系単量体;イソシアネート基含有化合物とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの反応物等であるウレタン結合を含むウレタンアクリレート化合物;(メタ)アクリレート基含有オルガノポリシロキサン等の(メタ)アクリル基含有シリコーンマクロマー;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体;不飽和カルボン酸等の酸性基含有ビニル単量体;アミド基含有ビニル単量体;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ジアリルフタレート等のアリル化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合物を使用することができる。また、上記に加えて、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレートなどの重合性の不飽和結合を2つ以上持った単量体も(A)による架橋の効果を阻害しない範囲で使用可能である。
加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物
本発明で使用する一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ−i−プロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン;一分子中に加水分解性シリル基およびエポキシ基を含有する化合物と一分子中にメルカプト基を2個以上有する化合物の付加反応物等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。(C)の使用量は、単量体100重量部に対して、0.001〜20重量部、更に好ましくは、0.01〜2重量部がよい。0.001重量部未満では架橋度調整効果が不十分となり、20重量部を超えて使用する場合では、重合の進行が阻害される傾向がある。
乳化重合法
本発明で実施する乳化重合法は、特に限定なく、バッチ重合、モノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合等の通常知られている乳化重合の手段を適宜選択することができる。特にモノマー滴下重合、乳化モノマー滴下重合は、製造時の安定性を確保する上で適している。
乳化重合に使用する乳化剤としては、通常使用される物であれば特に限定はなく、イオン性あるいは非イオン性の界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム等のカルボン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;Newcol−560SF、Newcol−707SF(以上、日本乳化剤(株)製)等の(ポリ)オキシエチレン鎖および硫酸エステル塩等のアニオン性基を有する乳化剤;イミダリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイド、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアンモニウム塩が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレン類;サーフィノール104、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)等の分子中に三重結合を有する界面活性剤;L−77、L−720、L−5410、L−7602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社製)などのシリコーンを含むノニオン性乳化剤等が挙げられる。また、上記のイオン性および非イオン性の界面活性剤の併用も可能である。また、乳化剤に替えて、不飽和カルボン酸含有アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等の水溶性樹脂を用いる、いわゆるソープフリー重合も適応可能である。
乳化剤として、アルキルイソプロペニルフェニル基、アリロキシ基、(メタ)アクリロイル基等の重合反応性基を有する、いわゆる反応性乳化剤を用いると塗料配合時の攪拌やローラー塗装における泡の抑制、得られる塗膜の耐水性の向上を図ることができ、好ましい。反応性乳化剤としては、アクアロンHS05、HS10、HS20、BC05、BC10、BC20、BC30、RN10、RN20、RN30(以上、第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40、SE−10N(以上、旭電化工業(株)製)、Antox−MS−60、Antox−MS−2N、RMA−653(以上日本乳化剤(株)製)、ラテムルS−180(花王(株)製)等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、単量体100部に対して、0.1〜10部、更に好ましくは、1〜5部がよい。0.1部以下では重合安定性が悪く、10部以上では、塗膜の耐水性が悪くなる傾向がある。
重合開始剤としては、通常使用するものを用いればよいが、重合の安定性などの点から、レドックス系触媒を用いるのが好ましく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットの組合せ、過酸化水素とアスコルビン酸の組合せ、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどとの組合せなどが用いられる。特に有機過酸化物と還元剤の組合せが好ましい。また、触媒活性を安定的に得るために硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合物とエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムの様なキレート剤を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。0.01重量部未満である場合は、重合が進行しにくくなることがあり、10重量部を超える場合には、生成する重合体の分子量が低下し、得られる塗膜の耐水白化性が低下する。キレート化剤の使用量は、重合単量体100重量部に対して0.0001〜1部、なかんずく0.0005〜0.重量5部であることが好ましい。
本発明では、塗膜物性に影響を及ぼさない範囲で、分子量調整として重合時に連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等メルカプタン類;クロロホルム等有機ハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
重合中の混合液の安定性を維持し、重合を安定的に行うために、混合液の温度は、90℃以下、好ましくは、40℃〜80℃であることが好ましい。固形分濃度は、20〜70重量%までの範囲が好ましい。固形分濃度が70重量%を越えると、系の粘度が著しく上昇するため、乳化重合法の場合では反応に伴う発熱を除去することが困難となったり、重合機からの取り出し等に不都合を生じる。また、固形分濃度が20重量%以下の場合、重合操作の面では何ら問題は生じないものの、1回の重合操作によって生じる重合体の量が少なく、経済面から考えた場合、著しく不利となり、また塗料としての用途上の要求からも20重量%以下の濃度では、得られる塗膜の膜厚が薄くなってしまい、性能劣化を起こしたり、塗装作業性の点で不利となる。
本発明で得られる既架橋高分子エマルジョンの粒子径は、たとえば、モノマー滴下重合において、使用する単量体の一部を重合させて種粒子を合成後、単量体を追加するいわゆるシード重合法等により制御可能であるが、得られる塗膜の耐水性、耐薬品性等の耐久性の点から、動的光散乱法による平均粒子径で30〜400nmが好ましく、特に塗膜の緻密さが向上し、より耐久性が向上する点から30〜150nmであることが好ましい。
架橋形成
本発明において、(A)および(C)によりエマルジョン中に導入した加水分解性シリル基の加水分解縮合反応による架橋形成は、単量体混合物中の(B)または(D)にアニオン基含有ビニル単量体を使用するか、重合開始剤に過硫酸塩を使用する等により、重合中の混合液のpHを5以下とするか、塩基性化合物を添加することで可能である。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア;トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、ジエタノールアミン、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、N−メチルモルホリン、DBU等の有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物等のが挙げられる。
さらに、加水分解縮合反応による架橋形成は、反応を十分促進させる為、縮合触媒を用いることが好ましい。縮合触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノプロピルホスフェート、モノ−イソプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジプロピルホスフェート、ジ−イソプロピルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸または酸性リン酸エステル類;リン酸または酸性リン酸エステル類と有機アミン類との混合物または反応物;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシドール、(メタ)アクリルグリシジルエーテル、カーデュラ(E)、エピコート828、エピコート1001(以上、油化シェルエポキシ(株)製)などのエポキシ化合物とリン酸および/または酸性モノリン酸エステルとの付加反応物;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、などの有機チタネート化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの有機カルボン酸類およびこれらの酸無水物;有機カルボン酸類と有機アミン類との混合物または反応物;パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物などが挙げられ、これらの群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。有機金属化合物、特に有機アルミニウム化合物または有機スズ化合物は、重合中添加時のエマルジョンの安定性確保の面から、界面活性剤によって乳化させて得られた乳化物として添加することが好ましい。上記の縮合触媒中、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル類と有機アミン類との混合物または反応物がエマルジョンの安定性確保、塗膜物性(例えば、光沢)の面から好ましい。縮合触媒の使用量は、重合体固形分100重量部に対し、0.1〜20重量部が好ましい。20重量部を超える場合、塗膜の外観等の低下が見られ、好ましくない。
加水分解縮合反応による架橋形成は、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)を含有する単量体混合物を添加、重合した後に行うことが重合の安定化および構造制御上、好ましい。
多層エマルジョン
特開平12−63406公報に示されるが如く、珪素含有高分子エマルジョンを多層エマルジョンとすることは、造膜性、耐クラック性、耐水性の点で好ましい。本発明では、この多層エマルジョンを形成する場合において、重合の安定化および(C)による架橋度調整の効果の発現のため、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物(I)を、一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)の存在下に乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとし、さらに(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合した後に加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させるか、または単量体混合物(I)を、(C)の存在下に乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとし、この加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させた後、(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合することが好ましい。また、この単量体混合物(II)には、(C)を用いることができるが、この部分の重合体の分子量が低下し、得られる塗膜の耐水性が低下する場合があり、(C)は(II)100重量部に対し、1重量部以下が好ましい。
pH安定剤
本発明では、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)を含有する単量体混合物(I)の乳化重合の際、単量体組成如何によっては、重合中系の増粘、凝集が生じ、その結果、転化率の低下による単量体の残留、粗大粒子発生と粒子径の不均一化による塗膜外観の低下が問題となる場合がある。この現象は、加水分解性シリル基の加水分解縮合のが急速に発生するためと推定されるが、この抑制のため、pH安定剤存在下にてpHを4〜9の範囲とすることが好ましい。pH安定剤としては、一般的に緩衝剤として使用されているものであれば特に限定されるものではないが、フタル酸水素カリウム、フタル酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ホウ砂、クエン酸二水素カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等があげられ、特には、炭酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、リン酸二水素ナトリウムが好ましい。
親水性基含有単量体
本発明では、加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物(I)を、一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)の存在下に乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとし、さらに(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合した後に加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させるか、または加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させた後、(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合することによる製造方法において、(II)に親水性基含有単量体(D)を用いることにより、得られるエマルジョンの安定性(例えば、機械的安定性)が向上し、好ましい。親水性基含有単量体(D)としては、(B)において、特に該単量体より得られる重合体が水溶性を示すものであり、含有する親水性基がアニオン性または非イオン性を有するものが特に好ましい。アニオン性基を有するものとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無水物;(メタ)アクリロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロキシエチルスルホン酸等の酸性基含有(メタ)アクリレート;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸無水物と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有芳香族炭化水素系ビニル化合物;ビニルスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニル化合物;あるいは、上記酸性基含有単量体の塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)等が挙げられる。また、ノニオン性基を有するものとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル単量体;ブレンマーPEシリーズ、ブレンマーPEPシリーズ(以上日本油脂(株)製)、MA−30、MA−50、MA−100、MA−150、RA−1120、RA−2614、RMA−564、RMA−568、RMA−1114、MPG130−MA(以上、日本乳化剤(株)製)等の(メタ)アクリロキシポリオキシアルキレン等のポリオキシアルキレン鎖含有ビニル単量体水酸基含有アクリル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル単量体等を挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。(D)の使用量は、単量体混合物の合計100重量%中、0.01〜30重量%が好ましい。(D)が0.01%未満ではエマルジョンの安定性(例えば、機械的安定性等)が不十分となり、30重量%を超える場合では塗膜の耐水性が低下し、好ましくない。
加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)を含有する単量体混合物(I)の乳化重合の際、単量体組成如何によっては、重合中系の増粘、凝集が生じ、その結果、転化率の低下による単量体の残留、粗大粒子発生と粒子径の不均一化による塗膜外観の低下が問題となる場合がある。この現象は、加水分解性シリル基の加水分解縮合のが急速に発生するためと推定されるが、使用する単量体の親水性が高く、単量体液滴または重合体の水分浸透性が高い場合に問題となりやすいことから、(I)に親水性基含有単量体(D)を含有しない単量体混合物を用いることが好ましい。
アセトン抽出によるゲル分率
本発明の既架橋高分子エマルジョンは、アセトン抽出によるゲル分率が40重量%以上であることが好ましい。アセトン抽出によるゲル分率が40重量%未満の場合、耐水性、耐候性等のシロキサン架橋による塗膜物性の改良効果が不十分となる。アセトン抽出によるゲル分率とは、詳しくは、エマルジョンより厚みが10〜500μmの連続塗膜を形成し、得られた塗膜を室温下アセトンに1日以上浸漬して可溶分を抽出、50℃以上の温度で乾燥した後の重量より下記計算式(1)より算出した値である。
ゲル分率(%)=アセトン浸漬、乾燥後の塗膜重量/初期塗膜重量×100 ・・ (計算式1)
エマルジョンからの連続塗膜の形成は、例えば、塗膜形成時の温度をエマルジョンの最低造膜温度(MFT)以上の温度とするか、エマルジョンに溶剤を添加し、MFTを室温以下とした後、室温で塗膜形成することによる。
塗膜形成に用いることのできる溶剤としては、一般に成膜助剤として使用されるもので差し支えなく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、i−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル等のエーテル類;ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート、CS−12(チッソ社製)等のグリコールエーテルエステル類等の有機溶剤が挙げられ、これらの群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも特に、CS−12、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルが好ましい。これらの溶剤は、乳化重合時に添加してもよく、重合後に他の成分とともに添加してもよい。
本発明により得られる既架橋高分子エマルジョンを用い、水系塗料組成物を得るにあたっては、必要に応じ、上述の溶剤、さらに顔料(例えば、二酸化チタン、炭酸カルシルム、炭酸バリウム、カオリン等の白色顔料、カーボンブラック、ベンガラ、シアニンブルー等の有色系顔料)、凍結防止剤(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、可塑剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、沈降防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の通常のコーティング材組成物に使用される添加剤を使用することも差し支えない。
本発明により得られる既架橋高分子エマルジョンを用いた塗料組成物は、浸漬、刷毛、ローラー、スプレー、フローコーター、ロールコーター等の常法により各種被塗物(物体)に塗装し、5℃以上での養生、または加熱装置を用いた60〜200℃での焼き付けより各種耐久性に優れる塗膜を形成することができ、例えば、建築物内外装用、メタリックベース、またはメタリックベース上のクリアー等の自動車用、家電用品用、プラスチック製品用、スレート、コンクリート、瓦、モルタル、石膏ボード、けい酸カルシウム板、タイル、煉瓦用の表面処理材として好適に使用しうるものである。
以下に、本発明の製造方法を実施例に基づき説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
エマルジョンの評価は以下によった。
最低造膜温度(MFT)
最低造膜温度は、ヨシミツ精機(株)製 MFT1を用い、塗布厚み200μmにて測定。
平均粒子径
動的光散乱法による平均粒子径であって、Pacific Scientific社製NICONP Model 370により測定。
ゲル分率
エマルジョンの固形分に対し、CS−12を20重量部添加したものをテフロン製のフィルム上にwetで約250μmでコーティングし、23℃で14日乾燥させて連続塗膜を作製し、これを室温下、アセトンに1日浸漬して可溶分を抽出後、80℃で3時間以上乾燥することで初期塗膜重量およびアセトン浸漬、乾燥後の塗膜重量を求め、計算式(1)よりゲル分率を算出。
(実施例1)
(エマルジョンA−1の製造)
還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを付けた1lセパラブルフラスコに、水252g、エマール2F(花王(株)製)1g、酢酸アンモニウム1.4g、ロンガリット0.14g、硫酸鉄(II)七水和物0.0224g、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA・2Na)0.0056gを計り取り、窒素気流下で50℃まで昇温した。別途、BA(ブチルアクリレート)22g、MMA(メチルメタクリレート)54g、BMA(ブチルメタクリレート)120g、TSMA(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)4g、A−189(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製)3g、HS−1025(アクアロンHS−1025、アニオン性反応性乳化剤、第一工業製薬(株)製、固形分25%)12.3g、RN−2025(アクアロンRN−2025、ノニオン性反応性乳化剤、第一工業製薬(株)製、固形分25%)5.6g、水57gを混合した単量体混合液(I)および化合物(C)の乳化物277.9gを作製した。(I)の乳化物26gとカヤブチルH70(t−ブチルハイドロパーオキサイド70%水溶液、日本化薬(株)製)0.2gをセパラブルフラスコに投入し、30分にわたって攪拌した。ロンガリット10重量%水溶液2.8gを投入した後、(I)および(C)の乳化物の残分251.9g、カヤブチルH70の10%希釈液4gを2時間で滴下した。そのまま、約1時間攪拌した。これに、ロンガリット10重量%水溶液2.8gを投入した後、BA22g、MMA54g、BMA120g、MAA(メタクリル酸)4g、HS−1025 12.3g、RN−2025 5.6g、水57gを混合した単量体混合液(II)の乳化物274.9g、カヤブチルH70の10%希釈液4gを2時間で滴下した。そのまま、後重合として1.5時間攪拌した。室温まで冷却後、25重量%アンモニア水溶液でpHを8.5に調整し、有効成分量20%のジ−(2―エチルヘキシル)フォスフェート・アンモニア塩水溶液4gを添加混合することにより珪素含有既架橋高分子エマルジョンA−1を得た。得られたエマルジョンは、固形分50%、理論固形分平均粒子径115nm、最低造膜温度40℃、アセトン抽出によるゲル分率55重量%であった。
(実施例2)
(エマルジョンA−2の製造)
実施例1で、(I)および(C)の乳化物、開始剤を滴下完了、1時間攪拌した後、有効成分量10%のノニオン乳化剤によるジブチルスズジラウレート乳化液3.5gを添加、さらに1時間攪拌した後、(II)の乳化物、開始剤を滴下すること以外は同様の操作で珪素含有既架橋高分子エマルジョンA−2を得た。得られたエマルジョンは、固形分50%、平均粒子径120nm、最低造膜温度38℃、アセトン抽出によるゲル分率53重量%であった。
(実施例3)〜(実施例6)
(エマルジョンA−3〜A−6の製造)
表1に示す初期仕込み水及びエマール2F量、単量体混合液の組成にて実施例1と同様の装置、手順により、珪素含有既架橋高分子エマルジョンA−3〜A−6を得た。得られたエマルジョンの評価値は、表2に示す通りであった。
(比較例1)
(エマルジョンB−1の製造)
実施例1より、(C)であるA−189を使用しない以外は同様の組成、装置、手順により珪素含有既架橋高分子エマルジョンB−1を得た。得られたエマルジョンは、固形分50%、平均粒子径110nm、最低造膜温度41℃、アセトン抽出によるゲル分率63重量%であった。
(比較例2)
(エマルジョンB−2の製造)
実施例1より、(C)であるA−189を等モル量のKBM22(信越化学工業(株)製、ジメチルジメトキシシラン)に置き換えた以外は同様の組成、装置、手順により珪素含有既架橋高分子エマルジョンB−2を得た。得られたエマルジョンは、固形分50%、平均粒子径120nm、最低造膜温度40℃、アセトン抽出によるゲル分率38重量%であった。
(比較例3)
実施例1より、(A)であるTSMAを用いなかった以外は同様の組成、装置、手順により珪素含有既架橋高分子エマルジョンB−2を得た。得られたエマルジョンは、固形分49%、平均粒子径120nm、最低造膜温度39℃、アセトン抽出によるゲル分率0重量%であった。
(比較例4)
(エマルジョンC−1の製造)
実施例1より、(A)であるTSMA、(C)であるA−189を添加せず、縮合触媒を用いなかった以外は同様の組成、装置、手順により、珪素不含エマルジョンC−1を得た。得られたエマルジョンは、固形分50%、平均粒子径110nm、最低造膜温度40℃、アセトン抽出によるゲル分率0重量%であった。
(エマルジョンC−1の製造)
実施例1より、(A)であるTSMA、(C)であるA−189を添加せず、縮合触媒を用いなかった以外は同様の組成、装置、手順により、珪素不含エマルジョンC−1を得た。得られたエマルジョンは、固形分50%、平均粒子径110nm、最低造膜温度40℃、アセトン抽出によるゲル分率0重量%であった。
塗膜物性
得られたエマルジョンを表4、表5に示す配合で白色エナメル配合物とし、以下の物性を測定した。
(1)フィルム引張物性
白色エナメル配合物をテフロン製のフィルム上に厚み250μで塗布し、23℃、50〜60%RHで14日乾燥してフィルムを作製後、幅5mm、長さ60mmに切り出し、室温で7日間脱イオン水に浸漬し、さらに室温で7日間乾燥した。これを引張試験機(島津製作所(株)製AGS−100A)を用い23℃、50〜60%RH、チャック間40mm、引張速度10mm/minにて破断時強度(TB)、破断時伸び(EB)を測定した。測定は、白色エナメル配合物を作製した直後(初期)、白色エナメル配合物を50℃で28日貯蔵後(貯蔵後)について行った。
(2)耐クラック性
4mm厚のフレキシブルスレート板上に水性アクリルシリコンディスパージョン系プライマーをローラー塗装し、室温で1日乾燥した後、水性1液微弾性サーフェーサーを多孔質ローラーでさざなみ状に塗装し、室温で1日乾燥した。これに白色エナメル配合物をエアースプレーで2回塗装し、23℃、50〜60%RHで14日間養生した。この塗装板の背面及び側面を溶剤系塗料でシールした後、JIS A6909温冷繰返し試験に準じた20℃水中浸漬18hr、−20℃冷却3hr、50℃加温3hrの24hrサイクルを20サイクル行い、割れ、脹れの発生するサイクル数を測定した。このサイクル数の高いものほど、耐クラック性に優れる。測定は、白色エナメル配合物を作製した直後(初期)、白色エナメル配合物を50℃で28日貯蔵後(貯蔵後)について行った。
(3)塗膜外観
4mm厚のフレキシブルスレート板上に水性アクリルシリコンディスパージョン系プライマーをローラー塗装し、室温で1日乾燥した後、白色エナメル配合物をエアースプレーで2回塗装し、23℃、50〜60%RHで14日間養生した。この背面及び側面を溶剤系塗料でシールし、試験用塗装板をえた。この塗膜面の60°光沢をミノルタ(株)製GM268にて測定した。光沢値の高いものほど、外観に優れる。
(4)耐久性
(3)で得た塗装板を40℃にて脱イオン水に14日浸漬することで耐水性試験を行った。同様に塗装板を23℃にて飽和水酸化カルシウム溶液に14日浸漬することで耐アルカリ性を行った。試験を完了した塗装板を室温で1日乾燥後、60°光沢をミノルタ(株)製GM268にて測定し(3)での養生完了時の光沢値に対する比(光沢保持率)を求めた。また、試験完了直後の脹れ(ブリスター)の発生を目視にて観察し、JIS K5600−8−2の評価方法に準拠した膨れの密度及び大きさを求めた。各々の光沢保持率の高いもの、膨れの膨れの密度および大きさの低いもの程、耐久性に優れる。
(5)促進耐候性
(3)で得た塗装板をアトラス エレクトリック デバイス製UVCONにて促進耐候性試験を行った。一定時間毎にミノルタ(株)製GM268にて60°光沢を測定し、養生完了時の光沢値に対する比(光沢保持率)が80%以下となる試験時間を測定した。
測定結果を表6に示す。
表6より、実施例1〜8の本発明により得られる既架橋高分子エマルジョンを用いた白色エナメル配合物から形成される塗膜は、ダンベル引張物性および耐クラック性の初期と貯蔵後の差異が小さく、60°光沢が75以上、耐水性及び耐アルカリ性が光沢保持率75%以上、膨れの発生が密度1以下、耐候性が光沢保持時間1400hr以上を示し、組成物での貯蔵安定性、塗膜の外観、耐久性、耐候性のバランスに優れる。
本発明における加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)を使用しない比較例1の場合、ダンベル引張物性のEB及び耐クラック性の貯蔵後の低下が大きく、貯蔵安定性に劣る。
(C)に代わり、ジメチルジメトキシシランを用いた比較例2の場合、アセトン抽出によるゲル分率38重量%であって、耐水性での光沢保持率が70%以下、膨れの発生が密度2、耐アルカリ性でも膨れの発生が密度2となり、耐久性に劣る。
(C)のみを用い、(A)を用いない比較例3の場合、シロキサン結合による架橋構造が形成されず、アセトン抽出によるゲル分率0重量%であって、耐水性での光沢保持率が70%以下、膨れの発生が密度4、耐アルカリ性でも膨れの発生が密度2、耐候性が光沢保持時間1000hrとなり、耐久性及び耐候性に劣る。
(A)、(C)のいずれも使用しない比較例4の場合、珪素不含且つアセトン抽出によるゲル分率0重量%であって、耐水性での光沢保持率が70%以下、膨れの発生が密度4、耐アルカリ性でも膨れの発生が密度2、耐候性が光沢保持時間800hrとなり、耐久性及び耐候性に劣る。
以上より、本発明により得られる珪素含有既架橋高分子エマルジョンは、水系塗料組成物において、組成物での貯蔵安定性、塗膜の外観、耐久性、耐候性の全てをバランス良く満たし、目的の効果を発現していることが明らかである。

Claims (7)

  1. 加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物を水性媒体中、乳化重合法によって珪素含有高分子エマルジョンとした後、加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させることによる珪素含有、既架橋高分子エマルジョンの製造において、乳化重合を一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)の存在下で行うことを特徴とするアセトン抽出によるゲル分率が40重量%以上である既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
  2. 加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物(I)の乳化重合を、一分子中に加水分解性シリル基およびメルカプト基を含有する化合物(C)の存在下に行うことよって珪素含有高分子エマルジョンとし、さらに(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合した後に加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させるか、または加水分解性シリル基の加水分解縮合を進行させた後、(A)を含有しないあるいは単量体の総量100重量部中の(A)が1重量部以下である単量体混合物(II)を添加、重合することを特徴とする請求項1記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
  3. 珪素含有高分子エマルジョン中の加水分解性シリル基の加水分解縮合を促進するために、縮合触媒を添加することを特徴とする請求項1および2記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
  4. 縮合触媒が酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル類と有機アミン類との混合物または反応物であることを特徴とする請求項1および3記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
  5. 加水分解性シリル基含有ビニル単量体(A)と(A)と共重合可能な単量体(B)を含有する単量体混合物の水性媒体中、乳化重合をpH安定剤存在下に行う請求項1〜4記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
  6. (II)が(A)と共重合可能な単量体(B)として親水性基含有単量体(D)を含有する単量体混合物である請求項2〜5記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
  7. (I)が親水性基含有単量体(D)を含有しない単量体混合物である請求項2〜6記載の既架橋高分子エマルジョンの製造方法。
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