JP6625457B2 - 防水構造および防水構造の形成方法 - Google Patents

防水構造および防水構造の形成方法 Download PDF

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本発明は、アクリルポリマーを含有する水系のプライマー組成物を基材に塗布した後、その上に防水材を塗布する防水構造の形成方法、および当該方法によって得られた防水構造に関する。
ビルディングの屋上、廊下、ベランダ、屋外駐車場などのコンクリート構造物に防水性能を付与するために、トリレンジイソシアネート末端プレポリマーを主剤とし、これと、芳香族アミン、可塑剤、充填剤などを配合した硬化剤とを施工現場で混合して塗工する2液型常温硬化性ウレタン塗膜防水材が広く使用されている。これらコンクリートやモルタル下地に防水施工を行う場合には、この下地と防水材層との接着性を高め、かつ防水材層のふくれ現象を防止するために下地基材に対しあらかじめプライマー処理を行うことが必須とされている。
上記ウレタン塗膜防水材用の水系プライマーとしては、エポキシ基、水酸基、ケトン基を有するアクリル系水分散体と架橋剤を含む硬化性組成物が知られている(特許文献1)。
また、壁材等の建築材料の隙間(目地)等に充填施工して、硬化させ隙間をふさいで水密、気密を保つために用いられるシーリング材、主にウレタン系シーリング材用の水系プライマーとして、表面にビニルエーテル系のオリゴマーまたはポリマーを有する平均粒子径が0.6μm以下のアクリル粒子を含有するアクリル系エマルジョンが開示されている(特許文献2)。
一方、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を用いる硬化性組成物も防水材、特にシーリング材としての使用されており、プライマーとして反応性シリル基を有する単量体と、炭素数が10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを含有する単量体を重合したアクリル系共重合体を含む組成物が開示されている(特許文献3)。
特開2010−006891号公報 WO2014/136945号公報 特開平11−209682号公報
本発明は、基材、特にコンクリート、モルタル、ガラス等と防水材との接着性を向上させる環境問題、臭気、安全性等の問題がない水系のプライマー組成物を用いた防水構造および防水構造の形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1).
基材とプライマー層と防水材層とを有する防水構造であって、プライマー層が加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを、含有する水系プライマーの硬化物であり、防水材層が加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材またはウレタン系防水材の硬化物である防水構造、
(2).基材が、コンクリート、モルタル、またはガラスである(1)に記載の防水構造、
(3).防水材が、塗膜防水材、またはシーリング材である(1)または(2)に記載の防水構造、
(4).アクリルポリマー(A)が、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)に由来する繰り返し単位を有し、(a)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.1〜20重量部である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の防水構造、
(5).アクリルポリマー(A)が、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)に由来する繰り返し単位を有し、(a)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し3〜10重量部である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の防水構造、
(6).アクリルポリマー(A)が、エポキシ基含有不飽和単量体(b)に由来する繰り返し単位を有し、(b)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.7〜12重量部である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の防水構造、
(7).アクリルポリマー(A)が、水酸基含有不飽和単量体(c)に由来する繰り返し単位を有し、(c)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.7〜12重量部である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の防水構造、
(8).基材にプライマー組成物を塗布した後、防水材を塗布する防水構造の形成方法であって、プライマー組成物が加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを含有する水系プライマー組成物であり、防水材が加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材またはウレタン系防水材である防水構造の形成方法、
に関する。
本発明によって、コンクリート、モルタル、ガラス等の基材と防水材との接着性を向上させることが可能で、環境問題、臭気、安全性等の問題がない、水系のプライマー組成物を用いた防水構造、および防水構造の形成方法を提供できる。
本発明は、基材とプライマー層と防水材層とを有する防水構造であって、プライマー層が加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを、含有する水系プライマーの硬化物であり、防水材層が加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材またはウレタン系防水材の硬化物である防水構造に関する。
また本発明は、基材にプライマー組成物を塗布した後、防水材を塗布する防水構造の形成方法であって、プライマー組成物が加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを含有する水系プライマー組成物であり、防水材が加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材またはウレタン系防水材である防水構造の形成方法に関する。
<アクリルポリマー(A)を含有する水系のプライマー組成物>
本発明の水系プライマー組成物は、加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)を含有し、イソシアネート系架橋剤(B)を含有することによって、基材との接着性、特にコンクリート、モルタル、ガラスへの接着性が向上する。
(アクリルポリマー(A))
アクリルポリマー(A)は、加水分解性シリル基、エポキシ基、および水酸基を有する。
加水分解性シリル基を有するアクリルポリマー(A)は、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)を含む単量体の共重合によって得る事が好ましい。加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)としては、分子中に加水分解性シリル基と重合可能な二重結合を有する単量体であり、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジブトキシシランなどが挙げられ、これらを1種又は2種以上併用して用いることができる。
これらの単量体のなかでも、エトキシ基を有しているシランが好ましく、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、がより好ましく、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランがさらに好ましく、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが最も好ましい。これらのアルコキシシリル基含有単量体を使用することにより、アクリル重合時には加水分解反応が進行せず、基材にプライマーを塗布したときに加水分解反応が進行して塗膜が形成されるようになる。また、耐候性、耐水性を向上させることも可能である。本明細書中の「(メタ)アクリレート」という表現は、アクリレートおよび/またはメタアクリレートを表すこととする。
(a)成分は、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.1〜20重量部用いられるのが好ましく、0.5〜10重量部用いられるのがさらに好ましく、耐水接着性を向上させる点で3〜10重量部用いられるのが特に好ましい。
0.1重量部未満では、防水材あるいは基材との十分な付着性が得られないため好ましくなく、20重量部を超えると貯蔵安定性が悪化するため好ましくない。
エポキシ基を有するアクリルポリマー(A)は、エポキシ基含有不飽和単量体(b)を含む単量体の共重合によって得る事が好ましい。エポキシ基含有不飽和単量体(b)としては、分子中にエポキシ基と重合可能な二重結合を有する単量体であり、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ダイセル化学工業(株)製M−GMA、Cyclomer M−100、Cyclomer A−200、Cyclomer M−101、セロキサイド2000等が挙げられる。これらから選択される1種以上を用いることができる。これらの中では、グリシジルメタクリレートが好ましい。
(b)成分は、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.1〜20重量部用いられるのが好ましく、さらには、0.1〜15重量部、特には0.7〜12重量部用いられるのが好ましい。
0.1重量部未満では、防水材あるいは基材との十分な付着性が得られないため好ましくなく、20重量部を超えると耐久性が低下し、又、価格的に高価となるため好ましくない。
水酸基を有するアクリルポリマー(A)は、水酸基含有不飽和単量体(c)を含む単量体の共重合によって得る事が好ましい。水酸基含有不飽和単量体(c)としては、分子中に水酸基と重合可能な二重結合を有する単量体であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、東亞合成工業(株)製のアロニクス5700、4−ヒドロキシスチレン、日本触媒(株)製のHE−10、HE−20、HP−1およびHP−20(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマ−)、日油(株)製のブレンマ−PPシリ−ズ(ポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−PEシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト)ブレンマ−PEPシリ−ズ(ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−ルメタクリレ−ト)ブレンマ−AP−400(ポリプロピレングリコ−ルモノアクリレ−ト)、ブレンマ−AE−350(ポリエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト)およびブレンマ−GLM(グリセロ−ルモノメタクリレ−ト)、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類、水酸基含有化合物とε−カプロラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合体化合物Placcel FA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4(以上ダイセル化学工業(株)製)、TONE M−201(UCC社製)、ポリカ−ボネ−ト含有ビニル系化合物(具体例としては、HEAC−1(ダイセル化学工業(株)製)などの水酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーを共重合モノマーとした1分子中に2以上の水酸基を有するアクリルポリオール等が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(c)成分の添加量は、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.1〜20重量部、あるいは、0.1〜15重量部、特には0.7〜12重量部が好ましい。
0.1重量部未満では、防水材あるいは基材との十分な付着性が得られないため好ましくなく、20重量部を超えると、重合安定性が低下する為、好ましくない。
さらにアクリルポリマー(A)は、それ以外の単量体も用いて良く、それ以外の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)メタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体。スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量体。酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物。(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体。東亞合成(株)製のマクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物、ビニルメチルエーテル、プロピレン、ブタジエン等。アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体。スチレンスルホン酸ナトリウム、2−スルホエチルメタクリレートナトリウム、2−スルホエチルメタクリレートアンモニウム等の親水性を有するビニル系単量体。ポリオキシアルキレン鎖を有するビニル系単量体が挙げられる。アクリル酸アルキルエステル単量体のなかでも、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートを使用すると耐水接着性が向上するため好ましい。さらに2−エチルヘキシルメタクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートの合計100重量%のうち2−エチルヘキシルメタクリレートが50%以上含有すると耐水接着性が向上するため好ましい。
また、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの重合性の不飽和結合を2つ以上有する単量体を使用することも可能である。この場合、生成した粒子内部に架橋を有する構造となり、形成した塗膜の耐水性が向上する。
トリフルオロ(メタ)アクリレート、ペンタフルオロ(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのふっ素含有ビニル系単量体を使用することにより高度な撥水・撥油を付与することも可能である。
また、ジアセトンアクリルアミド、メチルビニルケトン等のカルボニル基含有ビニル系単量体を用い、ヒドラジンおよび/またはヒドラジド基を含有する化合物を配合することにより、架橋性を付与することも可能であり、形成した塗膜の耐水性が向上する。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を使用する場合、炭素数10以上のアルキルを有する単量体を使用した場合、以下に記載の好ましい重合方法である乳化重合の際に重合安定性が悪化するため、炭素数10以上のアルキルを有する単量体を使用しないほうが好ましい。
本発明に用いるアクリルポリマー(A)のガラス転位温度Tgは−40〜50℃であることが好ましく、−15℃〜30℃がより好ましく、0℃〜30℃がさらに好ましい。−40℃より低くなると、塗膜が脆弱になり、耐水後の密着性が低下する傾向にある。50℃より高くなると、粒子を成膜するために必要な成膜助剤量が多量に必要になり、成膜助剤が耐水性、密着性を阻害するため好ましくない。
なおTgは下記Foxの式より求められる。
Foxの式:
1/(Tg(K))=Σ(Mi/Tgi)
(式中、Miは重合体を構成する単量体i成分の重量分率、Tgiは単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。)。
又、各単量体成分の単独重合体のガラス転移温度(Tgi)としては次に示す値を用いた。
メチルメタクリレート 105℃
2−エチルヘキシルメタクリレート −75℃
2−エチルヘキシルアクリレート −10℃
スチレン 100℃
グリシジルメタクリレート 41℃
ヒドロキシエチルメタクリレート 55℃
ジアセトンアクリルアミド 77℃
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン 43℃
さらに、単量体として前記、水酸基含有不飽和単量体(c)、カルボキシル基含有単量体、親水性を有するビニル系単量体、ポリオキシアルキレン鎖を有するビニル系単量体、および炭素数3以下のメタ(アクリレート)等の親水性単量体を、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部中に対し、合計10〜40重量部以上含むことが好ましく、更には、25〜40重量部含むことが特に好ましい。
本発明におけるアクリルポリマー(A)の重合方法としては懸濁重合、塊状重合、乳化重合等のいずれかの方法によって重合されたものであってよく、乳化重合が好ましい。
本発明の架橋性アクリルポリマー(A)の好ましい重合法である乳化重合に用いる乳化剤としては、乳化重合に用いることが出来る一般の乳化剤を用いることが可能であるが、反応性乳化剤を用いると耐水性が向上するので好ましい。反応性乳化剤としては、1分子中に重合性二重結合を有するものがあげられ、具体例としては、ADEKA(株)製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、SR−10、SR−20、SR−1025、NE−10、NE−20、NE−30、NE−40、SE−10N、日本乳化剤(株)製Antox−MS−60、RMA−1120、RMA−564、RMA−568、RMA−506、第一工業製薬(株)製アクアロンKH−05、KH−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN−2025、HS−10、HS−20、HS−1025、BC05、BC10、BC0515、BC1025、三洋化成工業(株)製エレミノールJS−2、エレミノールRS−30、花王(株)製ラテムルS−180、S−180A、PD−104、PD−420、PD−430などが挙げられる。これらの中ではアデカリアソープER−20、SR−10、SR−1025、アクアロンRN−20、RN−2025、BC10、BC1025が耐水性の点で特に好ましい。
乳化重合に際しては、これらの1種又は2種以上を混合してもよい。又、必要に応じて反応性のない乳化剤を併用することも可能である。反応性のない乳化剤としては、通常の乳化重合に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、イオン性、非イオン性の界面活性剤などがあげられる。
アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウムのような脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウムのような高級アルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソオクチルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタレンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等がある。カチオン性界面活性剤としては、イミダゾリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイド、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウム、クロライド等が代表例としてあげられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が代表例としてあげられる。
これらの乳化剤は、単独または2種類以上組み合わせ使用することができる。反応性乳化剤の使用量は、単量体の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部が、更には、0.15〜8重量部が好ましい。10重量部を超える量で重合して得られるエマルジョンは塗膜の耐水性が悪くなる傾向があり好ましくない。又、0.1重量部未満では重合安定性が悪く、得られるエマルジョンが不安定になり凝集体を生じる傾向がある。このようなことから、乳化剤量としては、前記した範囲内で目的に応じた使用量にすることが好ましい。
乳化重合に用いる水性媒体としては、水を必須成分として含有していればよく、他の有機溶剤を含有していても構わない。他の有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤;プロピレングリコールなどのグリコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、(株)チッソ製CS−12などのエステル系溶剤があげられるが、エマルジョンの重合時の安定性や環境の観点から有機溶剤は含有しない方が好ましい。
重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩等のアゾ系化合物、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジブチルパーオキサンド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、クミルパーオキシネオデカノエート、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物が例示される。
更に必要に応じて、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、Bruggolite FF−6(Bruggamann Chemical US製)、L−アスコルビン酸、糖類、アミン類などの還元剤と、銅イオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン等遷移金属イオン、または、それら遷移金属イオンとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムナトリウム塩等のキレート化剤とのキレート化合物を併用したレドックス開始剤も使用することができる。
前記重合開始剤の使用量は、単量体100重量部に対して0.01〜10重量部あるいは、0.015〜8重量部が好ましく、0.01重量部未満では重合の進行が遅くなる傾向があり、また10重量部を超える場合、分子量低下や、塗膜形成時も耐水性等の低下する傾向があり好ましくない。
本発明における乳化重合温度や時間は適宜調整すれば良く、例えば重合温度は、30℃〜95℃、反応時間は、2〜20時間が実用上好ましい。
アクリルポリマー(A)の固形分濃度は、10〜70重量%が好ましく、さらに好ましくは30〜60重量%となるように調整する。かかる樹脂固形分濃度が70重量%を超える場合には、系の粘度が著しく上昇するため、重合反応に伴なう発熱を除去することが困難になったり、重合器からの取り出しに長時間を要するようになる傾向がある。また、樹脂固形分濃度が10重量%未満である場合には、重合操作の面では何ら問題は生じないものの、1回の重合操作によって生じる樹脂量が少なく、経済面で不利となるとともに、得られる塗膜の膜厚が薄くなるなど、塗装作業性、塗膜性能低下の点で不利となる。
(イソシアネート系架橋剤(B))
イソシアネート系架橋剤(B)としては、公知のポリイソシアネート架橋剤を用いることができる。具体的には一般に使用される水分散型ポリイソシアネート系架橋剤が使用できる。水分散性ポリイソシアナート系架橋剤は、ポリイソシアネートポリマーに親水基を導入したものであり、水に添加・攪拌すると、微粒子として水中に分散することが可能である。
水分散性ポリイソシアネートを構成するポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ポリイソシアネート;水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。かかるポリイソシアネート化合物としては、イソシアヌレート構造、ウレタン構造、ビウレット構造、アロファネート構造、ウレトジオン構造、三量体構造等を有するポリイソシアネート化合物を用いることもできる。
具体例としては、住化バイエルウレタン(株)社製品、バイヒジュール3100、VP2319、VPLS2336、401−70、旭化成ケミカルズ(株)製品、デュラネートWE50−100、WB40−100、WT30−100、T20−100、三井化学ポリウレタン(株)社製品、タケラックWD−720、WD−723、WD−725、WD−730、WB−700、WB−820、WB−920、日本ポリウレタン(株)社製品AQ−130Dなどが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤(B)の使用量としては、イソシアネート系架橋剤(B)中のイソシアネート基とアクリルポリマー(A)中のヒドロキシル基のモル当量比(NCO:OH)が、0.5:1〜5:1、好ましくは0.7:1〜2:1の比を与えるように選択されるのが好ましい。
(その他の添加剤)
得られた水系のプライマー組成物には、必要に応じて、顔料、成膜助剤、コロイダルシリカ、可塑剤、溶剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、濡れ剤、防腐剤、凍結防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、水溶性樹脂などの添加剤を添加することもできる。
顔料としては、たとえば二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、カーボン、弁柄、黄土、シアニンブルーなどが挙げられる。
成膜助剤としては、ベンジルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのグリコールエステル類などが挙げられる。
増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびその変性物等のセルロース系増粘剤、ポリエーテルおよびそのウレタン変性物等のポリエーテル系増粘剤、アクリル系増粘剤、ベントナイト等の無機系増粘剤、ポリアマイド系増粘剤などが挙げられる。
濡れ剤としては、サーフィノール104、サーフィノール420,サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノールSE、サーフィノールSEF,サーフィノール504、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4036、オルフィンEXP.4051(日信化学工業(株)社製)、ディスコートN−14、ネオコールP、ネオコールSW−C(第一工業製薬(株)社製)、ノプコ1338、ノプコ2272−R−SN、ノプコウェット50、ノプコウェットSN−20T、SNウェット125、SNウェット366、SNウェット970(サンノプコ(株)社製)、ネオペレックスGS、ネオペレックスG−15、ペレックスNB−L、ペレックスOT−P、エマルゲン106、エマルゲン707(花王(株)社製)が挙げられる。
なかでもサーフィノール104、サーフィノール420,サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノールSE、サーフィノールSEF,サーフィノール504、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4036、オルフィンEXP.4051等のアセチレングリコール系の濡れ剤が、ハジキが少なく、また上に来る防水材の付着性への影響が少ない為、好適である。
消泡剤としては、鉱物油系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、アセチレングリコール系消泡剤等が挙げられる。
水溶性樹脂としては、特に限定はされず、分子中にポリエチレングリコール基を含有し、重合可能な二重結合を有するポリエチレングリコール基含有不飽和単量体を含む単量体の共重合によって得られるアクリルポリマーが好ましい。水溶性樹脂を添加すると、下地に対する浸透性を上げるため好ましい。添加量は耐水性を低下させない量が好ましく、水性樹脂組成物の固形分に対し5%〜25%の添加が好ましい。
これら添加剤を必要に応じてアクリルポリマー(A)に添加し、プライマー組成物を調整する。なお、プライマー組成物の固形分は、10〜60重量%が好ましく、20〜50重量%が更に好ましい。
10%重量未満では、十分な膜厚を確保するためには、何度も塗布する必要があり、作業性、コストの面で好ましくない。また、60重量%を超えると、塗膜強度や耐水性が低下する為、好ましくない。
水系プライマーに用いる溶媒としては、水系の溶媒であれば特に限定されないが、水を50重量%以上含有することが好ましく、80重量%以上含有することがより好ましく、実質的に水のみが特に好ましい。水と併用することができる溶媒としては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒等を挙げることができる。
<水系のプライマー組成物および塗布方法>
本発明においては、まず、基材上にプライマーを塗布し、プライマー層を形成させた後、その上に上記硬化性組成物を塗布すれば良い。プライマーの塗布方法及び該硬化性組成物の塗布方法としては、特に限定はなく、従来公知の塗布手段、例えばハケによる塗布、ロールによる塗布、スプレーによる塗布等を広く採用する事ができる。プライマーの塗布量としては、基材の面積に相当する部分あたり、通常20〜400g程度、好ましくは40〜150g程度とするのが良い。基材上にプライマー層を形成させるには、プライマー塗布後、これを室温にて1時間以上乾燥しても良いし、又は、50〜120℃程度の温度で加熱しても良い。
<防水材>
防水材としては、ビルディングの屋上、廊下、ベランダ、屋外駐車場などのコンクリート構造物に防水性能を付与するための塗膜防水材、目地等を埋めるシーリング材等が挙げられるが、本発明の効果の十分な発現が期待できる点から塗膜防水材であることが好ましい。
防水材としては、加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材、ウレタン系防水材が好ましいが、加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材がより好ましい。
(加水分解性シリル基を有する重合体(C))
加水分解性シリル基を有する重合体(C)としては、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体、加水分解性シリル基を有する飽和炭化水素系重合体、が好ましく、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体がより好ましい。
加水分解性シリル基を有する重合体(C)として好ましい加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体の合成方法は、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体等の複合金属シアン化物錯体触媒を用いた、水酸基を有する開始剤にエポキシ化合物を重合させる方法によって水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を得た後、(I)得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基を、炭素−炭素不飽和基に変換した後、シラン化合物をヒドロシリル化反応により付加させる方法、(II)得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体と、水酸基と反応する基および反応性ケイ素基の両方を有する化合物とを反応させる方法、によって得ることが好ましい。上記2つの方法のうち、反応が簡便で、反応性ケイ素基の導入量の調整や、得られる反応性ケイ素基含有重合体の物性が安定であるため、(I)の方法がより好ましい。
水酸基を有する開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、低分子量のポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、アリルアルコール、ポリプロピレンモノアリルエーテル、ポリプロピレンモノアルキルエーテル等の水酸基を1個以上有するものが挙げられる。
エポキシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、等のアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、等のグリシジルエーテル類、等が挙げられる。このなかでもプロピレンオキサイドが好ましい。
(I)の方法で用いる炭素−炭素不飽和基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基などが挙げられる。このなかでもアリル基が好ましい。
(I)の方法で用いるヒドロシラン化合物としては、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロフェニルシランなどのハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、エチルジメトキシシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、(クロロメチル)ジメトキシシラン、(クロロメチル)ジエトキシシラン、(メトキシメチル)ジメトキシシラン、(メトキシメチル)ジエトキシシラン、などのアルコキシシラン類;ジアセトキシメチルシラン、ジアセトキシフェニルシランなどのアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランなどのケトキシメートシラン類、トリイソプロペニロキシシランなどのイソプロペニロキシシラン類(脱アセトン型)などが挙げられる。
(II)の方法で使用できる水酸基と反応する基および反応性ケイ素基の両方を有する化合物としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメトキシメチルシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルトリメトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルジメトキシメチルシランなどのイソシアネートシラン類;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシランなどのメルカプトシラン類;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシランなどのエポキシシラン類などが挙げられる。
防水材には、加水分解性シリル基を有する重合体の他に、シラノール縮合触媒、充填剤、接着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、等を添加しても良い。
(ウレタン系防水材)
ウレタン系防水材としては、一般に使用されているウレタン塗膜防水材、ウレタン系シーリング材が使用できる。ウレタン系防水材にも、反応性ケイ素基を有する重合体の場合と同様に、充填剤、接着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、等を添加しても良い。
(防水構造の形成方法)
防水構造の形成方法としては、特に限定はなく、塗膜防水材の場合には、従来公知の塗工手段、例えばハケによる塗工、ロールによる塗工、スプレーによる塗工等を広く採用する事ができる。シーリング材の塗工方法としては、従来公知の塗工手段、例えばシーリング材組成物を詰めた容器を開封し、手動や電動の押出しガン、コーキングガン等の塗布装置を用いる方法等を広く採用する事ができる。
<基材>
本発明に使用できる基材は特に限定はないが、無機系基材が好ましく、コンクリート、モルタル、セメント、タイル、スレート、フレキシブル板、ガラスなどを挙げることができ、コンクリート、モルタル、またはガラスであることが好ましい。本水系プライマーを使用する事によって、コンクリートやモルタルからのアルカリ性物質の移行による防水材の接着性低下を抑えることができる。
以下に、本発明の方法の実施例をあげて具体的に説明するが、本実施例は本発明を限定するものではない。
(アクリルポリマー(A)の合成)
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水405重量部、アデカリアソープSR−1025((株)ADEKA製:有効成分25%)1.5重量部、5%炭酸水素ナトリウム水溶液1.5重量部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ50℃に昇温した。昇温後、7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液3.0重量部、硫酸第一鉄・7水和物(0.10%)/エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(0.40%)混合水溶液4.2部、10%Bruggolite FF−6水溶液2.1重量部を添加し、表1(E−1〜10)記載のモノマー混合物600重量部にアデカリアソープSR−1025((株)ADEKA製:有効成分25%)45重量部、アデカリアソープER−20((株)ADEKA製:有効成分75%)5.64重量部、および脱イオン水206.5重量部を加え乳化したモノマー乳化液を400分かけて等速追加した。その間、7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液7.2重量部および2.5%Bruggolite FF−6水溶液17.7重量部を5回に分けて添加した。モノマー乳化液追加終了後、1.5時間後重合を行い、その間、7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液1.8重量部および2.5%Bruggolite FF−6水溶液2.7重量部を3回に分けて添加した。得られた合成樹脂エマルションに5%炭酸水素ナトリウム水溶液22部を添加後、脱イオン水で固形部45%に調整した(E−1〜10)。
Figure 0006625457
(水溶性樹脂(W−1)の合成)
攪拌機、還流冷却器、滴下ロートを付けたセパラブルフラスコに、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート100重量部を加え、攪拌しながら、窒素気流中で75℃に調節した。別の容器にメチルメタクリレート29重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート1重量部、グリシジルメタクリレート5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10重量部、ジアセトンアクリルアミド5重量部、NKエステルM−90G(新中村化学工業(株)製、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート)50重量部を加え、重合開始剤として、2.2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部を混合し、攪拌して、混合物を作成した。セパラブルフラスコ内を3時間にわたり内温を75℃に維持し、上記混合物を滴下ロートからセパラブルフラスコ内に一定速度で連続追加した。追加終了後2時間75℃を維持し反応を終え、固形分50重量%のW−1を得た。
(水系プライマーの作製)
合成したアクリルポリマー(A)(E−1〜10)を用い、表2に示すプライマー処方で固形分36〜40重量%の水系プライマー(P−1〜12)を作成した。
Figure 0006625457
CS−12(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート):(株)JNC製成膜助剤
レオレート288:Elementis Plc製ウレタン変性ポリエーテル系増粘剤
オルフィンEXP.4036:日信化学工業(株)製アセチレングリコール系濡れ剤
AGITAN 282:MUNZING CHEMIE製鉱物油系消泡剤
バイヒジィール3100:(株)住化バイエルウレタン製イソシアネート系架橋剤。
(塗膜防水材Aの作製)
変成シリコーンポリマー((株)カネカ製、商品名:EST280)40重量部と変成シリコーンポリマー((株)カネカ製、商品名:S203H)60重量部の合計100重量部に対して、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイトンB)180重量部、カーボンブラック(旭カーボン(株)製、商品名:アサヒサーマル)20重量部、可塑剤(ジェイプラス(株)製、商品名:DINP)50重量部及び(ポリプロピレングリコール 三井化学(株)製、商品名:アクトコールP−23)100重量部、紫外線吸収剤(BASF製、商品名:TINUVIN326)2重量部、光安定剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブLA−63P)2重量部、酸化防止剤(BASF製、商品名:Irganox245)5重量部を混合して充分混練りした後、3本ペイントロールに1回通して分散させた。次いでプラネタリーミキサーで120℃、0.2mmHgの減圧条件下で脱水させながら2時間混練した。室温まで冷却後、脱水剤(Momentive(株)製、商品名:A−171)3重量部、接着付与剤(Momentive(株)製、商品名:A−1120)2重量部、(Momentive(株)製、商品名:A−187)1重量部、縮合触媒(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)2重量部を混合して充分混練りした後、硬化性組成物を防湿性のカートリッジ型容器に充填した。
(比較例1)
JIS R 5201の10.4(供試体の作り方)に規定する方法によって調整したモルタルをJIS R 6252に規定する150番研磨紙を用いて研磨したものを試験基材とした。その試験基材上にエアースプレーを用いて、水系プライマー(P−1)を15%の水で希釈したものを100〜150g/mの塗布量で塗布し、温度23℃、湿度50%の条件で24時間乾燥させた。その後、変成シリコーン系シーリング剤(サンライズMSI(株)製、商品名:SRシール S70)もしくは防水材Aをそれぞれ厚み3mm程度になるように塗布した。23℃、相対湿度50%の条件下で7日間養生した後、90°ピール試験を行った。耐水接着性を評価するため、23℃、相対湿度50%の条件下で7日間養生した後、50℃の温水に試験体を3日間浸漬し、90°ピール試験を行った。凝集破壊(CF)率が100%を◎、50%以上を○、20%以上を△、0%を×とした。その結果を表3に示した。
(比較例2〜5、実施例1〜7)
水系プライマー(P−2〜12)を用い、実施例1と同様の評価を行った。
さらに比較例3、5、実施例1については、試験基材としてガラスを用い、試験基材上にエアースプレーを用いて、水系プライマー(P−1)を15%の水で希釈したものを100〜150g/mの塗布量で塗布し、温度23℃、湿度50%の条件で24時間乾燥させた。その後、変成シリコーン系シーリング剤(サンライズMSI(株)製、商品名:SRシール S70)及び防水材Aをそれぞれ厚み3mm程度になるように塗布した。23℃、相対湿度50%の条件下で7日間養生した後、90°ピール試験を行った。凝集破壊(CF)率が100%を◎、50%以上を○、20%以上を△、0%を×とした。その結果を表3に示した。その結果を表3に示した。
Figure 0006625457
実施例と比較例より、実施例1のように加水分解性シリル基、エポキシ基、及び水酸基を有し、さらにイソシアネート系架橋剤を含有するプライマーは、モルタル、ガラスへの接着性の改善に効果があり、特にガラスへの接着に関して、加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基の3つを有することによって、水酸基単独、加水分解性シリル基単独では全く接着しなかったものが、接着するようになった(実施例1と、比較例3、5の比較)。また、加水分解性シリル基の量が多い実施例2では、耐水接着性の改善効果もある。また、実施例3のように更に水溶性樹脂をブレンドする、実施例4のようにケトン官能基を含有する、実施例7のようにブチルメタクリレートを含有する、実施例8,9のように2−エチルヘキシルメタクリレートの量を多く含有することにより良好な耐水接着性を得ることもできる。
(実施例8−10、比較例6)
水系プライマー(P−1,6、8、10)を用い、防水材はポリウレタン系シーリング材(オート化学工業(株)製、商品名:オートンサイディングシーラント)を用い、基材としてモルタルを用いて実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表4に示した。
Figure 0006625457
実施例と比較例との比較から本発明の水系プライマーはポリウレタン系シーリング材を塗工する場合にも好適である。

Claims (8)

  1. 基材とプライマー層と防水材層とを有する防水構造であって、プライマー層が加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを、含有する水系プライマーの硬化物であり、防水材層が加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材またはウレタン系防水材の硬化物である防水構造。
  2. 基材が、コンクリート、モルタル、またはガラスである請求項1に記載の防水構造。
  3. 防水材が、塗膜防水材、またはシーリング材である請求項1または2に記載の防水構造。
  4. アクリルポリマー(A)が、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)に由来する繰り返し単位を有し、(a)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.1〜20重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の防水構造。
  5. アクリルポリマー(A)が、加水分解性シリル基含有不飽和単量体(a)に由来する繰り返し単位を有し、(a)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し3〜10重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の防水構造。
  6. アクリルポリマー(A)が、エポキシ基含有不飽和単量体(b)に由来する繰り返し単位を有し、(b)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.7〜12重量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の防水構造。
  7. アクリルポリマー(A)が、水酸基含有不飽和単量体(c)に由来する繰り返し単位を有し、(c)成分の使用量が、アクリルポリマー(A)に用いる単量体の合計量100重量部に対し0.7〜12重量部である請求項1〜6のいずれか1項に記載の防水構造。
  8. 基材にプライマー組成物を塗布した後、防水材を塗布する防水構造の形成方法であって、プライマー組成物が加水分解性シリル基とエポキシ基と水酸基を有するアクリルポリマー(A)と、イソシアネート系架橋剤(B)とを含有する水系プライマー組成物であり、防水材が加水分解性シリル基を有する重合体(C)を含む防水材またはウレタン系防水材である防水構造の形成方法。
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