JP2005290155A - メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法、当該樹脂、当該樹脂組成物、硬化膜および金属箔積層体 - Google Patents

メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法、当該樹脂、当該樹脂組成物、硬化膜および金属箔積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリイミド樹脂の本来の性能である高い耐熱性および絶縁性を保持し、かつ低誘電率、低吸水性、金属箔に対する密着性に優れるとともに、硬化収縮が極めて少なく反りのない硬化被膜を提供しうるシラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法、当該樹脂、当該樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いて得られる硬化膜、および金属箔積層体を提供すること。
【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジヒドロキシシロキサン(a2)、ジアミン類(a3)およびジイソシアネート化合物(a4)を反応させて得られる有機溶剤に可溶なイソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂であって、分子末端にカルボキシル基および/または酸無水物基をそれぞれ有し、且つ当該イミド閉環率が90%以上であるもの(A)と、エポキシアルコール(b1)およびメトキシシラン部分縮合物(b2)を脱メタノール反応させて得られるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)とを、開環エステル化反応させることを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明はメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法、当該製造法により得られる樹脂、当該樹脂を含有する組成物、および当該樹脂組成物を用いてなる金属箔積層体に関する。本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂や当該樹脂組成物から得られる硬化膜は、電線被覆剤、半導体層間絶縁材料、ビルドアップ基板用コーティング剤、レジストインキ、導電ペースト等の電気絶縁材料として有用である。また本発明の金属箔積層体は、フレキシブルプリント基板用銅張り板、TABテープ、COFテープとして好適である。
近年、電化製品や電子機器の軽薄短小化に伴う内部部品の小型化により、電化製品・電子機器に用いられる回路基板の小型化・高密度化が求められている。回路の小型化や高密度化を実現するために、電気的性質等の各種物性、例えば耐熱性、絶縁性、低反り性、銅箔への接着性などに優れた材料が求められている。
耐熱性、柔軟性、電気絶縁性などに優れた材料として、ポリイミド樹脂が知られているが、ポリイミド樹脂の多くは溶剤に溶解しない。またポリイミド樹脂から得られるポリイミドフィルムは、銅箔などの金属導体との密着性が劣るため、通常はエポキシ系接着剤などの接着剤層を介して金属導体と接着させる手法が採用されている。しかしながら、当該接着剤はポリイミド樹脂に比べ、諸物性が劣るため、ポリイミド樹脂を金属導体に直接に接着させうる手法が求められている。
当該直接接着方法として、銅箔を粗化し、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を塗布、硬化する手法もあるが、かかる手法による場合には銅箔に対する密着力が不十分であったり、ポリアミック酸が硬化してポリイミド樹脂となる際に水が発生するため硬化収縮が生じて金属箔積層体が反り(カール)が生じ易くなったり、乾燥とイミド化とを300℃以上の高温で行う必要があるために、保護すべき電子部材を熱劣化させることになる、などの不利がある。更には、ポリアミック酸タイプのポリイミド樹脂の多くは、現在求められているような低誘電率、低吸水性を十分に満足し得なかった。一方、有機溶剤中でイミド化を完結させたタイプのポリイミド樹脂は、低誘電率、低吸水性を有するものの、密着性、低カール性は充分ではない。また、低カール性を特徴とするアミノ基含有シロキサンを構成成分とするポリイミド系樹脂が知られている(特許文献1、2参照)が、当該樹脂は銅箔に対する密着力が不十分となり、またコスト高となるなどの不利がある。
ポリイミド樹脂の密着性を向上させるために、(1)ポリイミドやポリアミック酸に対しフィラーを添加する方法や、(2)ポリイミドやポリアミック酸と、有機シラン化合物とを複合化させた有機無機ハイブリッド材料が提案されている(特許文献3参照)。本願人も、ポリイミドやポリアミック酸と特定のアルコキシシラン部分縮合物とを開環エステル化反応させることにより、耐熱性、絶縁性、銅箔接着性などに優れた有機無機ハイブリッド材料を既に開発している(特許文献4参照)。しかし、ポリアミック酸から得られる従来のポリイミド系有機無機ハイブリッド材料は、銅箔との密着性は満足し得るものの、加熱硬化時にイミド閉環反応により水が生成するため硬化収縮が大きくなり、当該被膜が反りやすくなるため、回路基板用の材料としては必ずしも好適ではない。
特許第3243963号公報 特開2001−262116号公報 特許第2760520号公報 国際公開第01/005862号パンフレット
本発明は、ポリイミド樹脂の本来の性能である高い耐熱性および絶縁性を保持し、かつ低誘電率、低吸水性、金属箔に対する密着性に優れるとともに、硬化収縮が極めて少なく反りのない硬化被膜を提供しうるシラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法、当該樹脂、当該樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いて得られる硬化膜、および金属箔積層体を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行なったところ、特定のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂やその樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決しうる硬化物や金属箔積層体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジヒドロキシシロキサン(a2)、ジアミン類(a3)およびジイソシアネート化合物(a4)を反応させて得られる有機溶剤に可溶なイソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂であって、分子末端にカルボキシル基および/または酸無水物基を有し、且つ当該イミド閉環率が90%以上であるもの(A)と、エポキシアルコール(b1)およびメトキシシラン部分縮合物(b2)を脱メタノール反応させて得られるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)とを、開環エステル化反応させることを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法に関する。また本発明は、当該製造法により得られることを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂に関する。また本発明は、当該樹脂または当該樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化膜に関する。更に本発明は、当該樹脂組成物を金属箔上に塗工し、ついで加熱硬化させてなることを特徴とする金属箔積層体に関する。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂や当該樹脂組成物を使用すると、ポリイミド樹脂の本来の性能である高い耐熱性および絶縁性を保持し、かつ低誘電率、低吸水性、金属箔に対する密着性に優れるとともに、硬化収縮が極めて少なく反りのない硬化被膜を提供しうる硬化被膜を提供できる。そのため、本発明によれば、かかる諸特性を有する金属箔積層体を提供できるという特有の効果を奏する。
本発明において使用されるイミド閉環率が90%以上であるイソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)(以下、樹脂(A)という)は、当該分子中に当該特定割合でイミド結合を有する樹脂であって、分子末端にカルボキシル基および/または酸無水物基が存在するように調製されたものであり、しかも後述する各種の有機溶剤に可溶な変性ポリイミド樹脂である。本発明の樹脂組成物においては、当該樹脂(A)を必須構成成分として使用するものである。イミド閉環率が90%未満である場合には、硬化収縮が大きくなり、これを用いて得られる金属箔積層体では硬化収縮に基づく反りが発生するため好ましくない。
樹脂(A)は、テトラカルボン酸二無水物(a1)〔以下、成分(a1)という〕、ジヒドロキシシロキサン(a2)〔以下、成分(a2)という〕、ジアミン類(a3)〔以下、成分(a3)という〕およびジイソシアネート化合物(a4)〔以下、成分(a4)という〕により構成され、これら構成成分を同時にまたは逐次に添加して加熱反応させることにより樹脂(A)が収得できる。当該製造法のうち好ましくは、成分(a2)と成分(a4)とを加熱してウレタン化反応させることにより両末端にイソシアネート基を有する変性シロキサンを得た後、成分(a1)を添加し加熱してイミド化反応させることにより両末端に酸無水物基を導入し、更にジアミン類(a3)(以下、成分(a3)という)を添加し加熱してアミック酸を経由した後、脱水閉環することにより樹脂(A)を得る方法である。
成分(a1)の具体例としては、ピロメリット酸無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,3’,4,4’−テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、などを例示でき、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
また、本発明の効果を失わない範囲で、トリメリット酸無水物、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸などのトリカルボン酸類、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸など脂肪族ジカルボン酸類やそれらの酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸など芳香族ジカルボン酸類やそれらの酸無水物を併用できる。但し、テトラカルボン酸類に対するこれらの割合が多すぎると、得られる硬化物の絶縁性や耐熱性が低下する傾向があるため、通常、その使用量はテトラカルボン酸類に対し、30モル%以下であることが好ましい。
成分(a2)としては、珪素原子に直結したアルキル基またはフェニル基を有し、シロキサン結合を連続単位とするポリシロキサンの分子末端に水酸基を有する高分子化合物である。成分(a2)としては、例えば一般式(1):
Figure 2005290155
で表される化合物が挙げられる。一般式(1)中、Rは、互いに独立して炭素数が2〜6のメチレン基またはフェニレン基であり、好ましくは3〜5のメチレン基である。Rは、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、繰り返し単位数nは3〜30程度、好ましくは3〜20を示す。nの数が3より小さいと反りが生じやすくなる傾向があり、またnの数が20を超えると有機溶媒に対する溶解性が低下する傾向があるので、前記程度のものが適当である。成分(a2)の具体例としては、α,ω−ビス(2−ヒドロキシエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−ヒドロキシブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(5−ヒドロキシペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンなどを例示でき、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。これらのうち汎用性の高いα,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングアジア(株)製 ペインタッド8579、DK X8−8579−4、旭化成ワッカーシリコーン(株)製 IM−11)を使用するのがより好ましい。
前記樹脂(A)における成分(a2)の使用量は、1%以上80%未満であることが好ましい。1%未満であると柔軟性が低下傾向にあり、また80%以上では硬化膜表面がタックを有する傾向がある。更にフレキシブルプリント基板として、本発明の金属箔積層体を使用するには、上記の値は5〜70%程度とすることが好ましい。
成分(a3)としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)3,3,3,’3,’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどを例示でき、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
成分(a3)には、上記ジアミン類の他にも、3,4,4’−トリアミノジフェニルエーテル、2,3,6−トリアミノピリジン等のトリアミン類、テトラアミン類を、本発明の効果を失わない範囲で使用できる。当該トリアミン類やテトラアミン類を用いることにより、生成する樹脂(A)に分岐構造を付与することができ、当該分岐構造に起因して当該樹脂(A)分子の末端カルボキシル基および/または酸無水物基を増加させることができる。そのため、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)との反応点を増加させることができる。
また、上記テトラカルボン酸類とジアミン類との反応物である、分子末端が無水カルボン酸基又はアミノ基であるポリイミドアダクト体を、テトラカルボン酸類又はジアミン類の1種として使用することもできる。
前記のように、樹脂(A)は成分(a1)、成分(a2)、成分(a3)および成分(a4)を同時に、または逐次に添加して反応させることにより収得できるが、当該反応過程は以下のようなものと推定される。すなわち、成分(a2)の分子末端に存在する水酸基は、成分(a4)のイソシアネート基と反応してウレタン結合を生成する。過剰に存在するイソシアネート基は成分(a1)の酸無水物基と反応してイミド結合を生成する。また成分(a3)のアミノ基は、過剰の成分(a1)に由来する酸無水物基と反応し、イミド結合を生成する。従って、樹脂(A)は、当該分子末端に過剰の成分(a1)に由来するカルボキシル基および/または酸無水物基を有するものとなる。
樹脂(A)のより具体的な製造方法としては、成分(a2)と成分(a4)を反応温度30〜80℃程度、好ましくは50〜80℃、反応時間は0.5〜5時間程度、好ましくは0.5〜2時間でウレタン化反応させて、両末端がイソシアネート基であるシロキサンを製造する。ついで、当該シロキサンに成分(a1)を添加し加熱して、両末端に酸無水物基を導入した後、成分(a3)と極性溶剤中、0〜80℃程度で30分程度反応させることにより、当該ポリアミック酸を製造する。当該ポリアミック酸の脱水閉環反応は、80〜250℃程度、好ましくは100〜200℃、反応時間は0.5〜50時間程度、好ましくは1〜20時間で行えばよい。またこの脱水閉環反応では、脱水剤と触媒量の第3級アミンやピリジンなどの複素環アミンを使用しても構わない。当該脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げられる。また触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。当該樹脂(A)の製造に用いる前記極性溶剤としては、生成する樹脂(A)を溶解するものであればよく、種類および使用量は特に限定されない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、クレゾール、ジメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、メチルトリグライム、メチルジグライム、ベンジルアルコールなどが好ましい。また、これら有機溶剤のうち、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドは、樹脂(A)およびエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)を相溶させやすいため、後述するシラン変性反応用の溶剤としてそのまま用いることができるため、特に好ましい。
樹脂(A)の当該脱水閉環反応においては、当該脱水閉環反応率が90%以上となるよう進行させて、アミック酸結合の残存量をできるだけ少なくすることが重要である。当該反応率が90%未満では、最終的に得られる金属箔積層体に反りが生じやすく、また吸水率が大きくなるため、プリント基板用途には好ましくない。
前記反応において、成分(a1)、成分(a2)、成分(a3)および成分(a4)の各使用割合は、[(a1)のモル数+(a2)のモル数−(a4)のモル数]/[(a3)のモル数]=0.2〜2.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.5である。当該比率が0.2未満では、未反応の成分(a1)の残存量が減少するため、得られる樹脂(A)のエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)に対する反応性が低下する傾向がある。また当該比率が2.0を超えると、得られる硬化膜の柔軟性が低下する傾向がある。更に、樹脂(A)における成分(a2)の構成割合は、1%以上95%未満であることが好ましい。1%未満では、得られる金属箔積層体に反りが生じやすくなり、95%を超えると得られる硬化膜にタックが生じる傾向がある。上記構成割合は、硬化膜の力学強度を考慮すると、より好ましくは3%以上80%未満である。
本発明で使用されるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)は、前記一般式(2)で表されるエポキシアルコール(b1)〔以下、成分(b1)という〕と、メトキシシラン部分縮合物(b2)〔以下、成分(b2)という〕との脱メタノール反応によって得られる。
(b1)成分としては、分子中にエポキシ基および水酸基を有するものであれば、特に制限されず公知のものを使用することができる。(b)成分としては、通常、一般式(2):
Figure 2005290155
(式中、mは1〜10の整数を表す。)で表される化合物を用いることが、得られる硬化膜の柔軟性が向上するため好ましい。なお、一般式(2)においてmが3以上のものを用いた場合には毒性が低くなり、かつ硬化膜の柔軟性の向上が著しいため特に好ましい。
成分(b2)としては、一般式(1):Si(OCH
で表される加水分解性メトキシシランモノマーを、酸または塩基触媒、および水の存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得られるものが用いられる。
当該成分(b2)の1分子中のSiの平均個数は2〜100程度であることが好ましく、さらに好ましくは、3〜8である。Siが2未満であると、成分(b1)との脱メタノール反応の際、反応せずメタノールと一緒に系外に流出するメトキシラン類の量が増える傾向がある。また、100を超えると、成分(b1)との反応性が悪くなりやすく、目的とするエポキシ基含有メトキシシラン縮合物(B)が得られにくくなりやすい。成分(b1)と成分(b2)との使用割合は、特に限定されないが、通常は、(成分(b2)中のメトキシ基の当量)/(成分(b1)中の水酸基の当量)=1/0.3〜1/0.01程度となる仕込み比率で脱メタノール反応させることが好ましい。
上記仕込み比率において、該比率が大きくなると、未反応の成分(b2)の割合が増加し、また該比率が小さくなると、残存する未反応の成分(b1)によって硬化物の耐熱性が悪くなる傾向があるため、前記仕込み比率は、1/0.25〜1/0.05とするのがより好ましい。
成分(b1)と成分(b2)との当該反応は、例えば、これら各成分を仕込み、加熱して副生するメタノールを留去しながら行なう。反応温度は50〜150℃程度、好ましくは70〜110℃である。尚、110℃を超える温度で脱メタノール反応させると、反応系中に成分(b2)の縮合に伴って、反応生成物の分子量が上がりすぎ高粘度化やゲル化する傾向がある。このような場合には、脱メタノール反応を反応途中で、停止させる等の方法により高粘度化、ゲル化を防止できる。
また、上記成分(b1)と成分(b2)との脱メタノール反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、オキシラン環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、カドミウム、マンガン等の金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド等が挙げられる。これらの中でも、特に、有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
また、上記反応は溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、成分(b1)と成分(b2)を溶解するものであれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、キシレン等の非プロトン性極性溶媒を用いるのが好ましい。
なお、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)を構成するすべての分子がエポキシ基を含有する必要はなく、上記割合となるエポキシ基を含有していればよい。即ち、当該部分縮合物(B)は、未反応の成分(b2)を上限20重量%程度まで含んでいてもよい。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂は、前記樹脂(A)分子の末端に存在するカルボキシル基および/または酸無水物基と、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)とを反応させて得られる。この反応は、主に、樹脂(A)のカルボキシル基および/または酸無水物とエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)のエポキシ基との間で生じる、オキシラン環の開環エステル化反応である。ここで、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)のメトキシシリル基自体は、反応系内に存在する水分等によって消費されることも考えられるが、通常は開環エステル化反応には関与しないため、通常、メトキシシリル基は、該シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂中に60%以上残存することになる。メトキシシリル基の80%以上を残存させることが好ましい。
上記メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造は、樹脂(A)とエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)を仕込み、加熱して開環エステル化反応させることにより行われる。反応温度は、通常、40〜130℃程度、好ましくは70〜110℃である。反応温度が40℃未満であると反応時間が長くなり、また130℃を超えると副反応であるメトキシシリル部位同士の縮合反応が進行しやすくなるため、いずれも好ましくない。反応温度が40〜130℃程度の場合の全反応時間は1〜7時間程度である。
メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の硬化残分(硬化残分の意味は後述参照)中のシリカ含有率は、0.5%以上15%未満であることが好ましい。シリカ分が0.5%未満であると、本発明の効果が得られにくくなりやすく、また15%以上であると、当該塗布層が硬化時に収縮して、金属箔積層体に僅かではあるが反りが生じる傾向がある。
また、当該反応は、溶剤の存在下で行うことが好ましい。当該溶剤としては、樹脂(A)とエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)をともに溶解する有機溶剤であれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノンなどが使用できる。また、前記樹脂(A)と成分(b2)を析出しない範囲で、これらの良溶媒に対し、キシレンやトルエン等の貧溶媒を、溶媒全体の30重量%以下の範囲で使用してもよい。
反応系内へ前記溶剤を添加使用する方法は、特に限定されないが、通常は、(1)樹脂(A)を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する。;(2)成分(b1)と成分(b2)とからエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)を合成する時に加えた溶剤をそのまま使用する。;(3)樹脂(A)とエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)との反応の前に加える。の3つの態様から少なくとも1つを選択採用すればよい。
また、樹脂(A)とエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)の反応には、反応を促進するための触媒を使用できる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボーレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボーレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボーレート等のテトラフェニルボロン塩等を挙げることができる。触媒は、ポリイミドシロキサン樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜5重量部程度の割合で使用するのが好ましい。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物は、前記のようにして得られたメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂を必須構成成分として含有するものであり、当該シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂は、その分子中にエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)に由来するメトキシシリル基を有している。当該メトキシシリル基は、溶剤の蒸発や加熱処理により、または水分(湿気)との反応より、ゾル−ゲル反応や脱メタノール縮合反応して、相互に縮合した硬化物を形成する。かかる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。また本発明の本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物は更にフィラーを含有させることができ、これにより硬化膜の寸法安定性を向上させることができる。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物は、前記のように、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂を含有することを特徴とするものであるが、本発明の目的を逸脱しない範囲で、所望により、従来公知のポリイミドシロキサン樹脂、前記成分(b2)、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)等を適宜に配合してもよい。
上記樹脂組成物は、通常、硬化残分10〜70重量%程度の液状であるのが適当である。また、その溶媒としては、例えば、前記の開環エステル化反応に用いた溶媒や、エステル系、ケトン系、アルコール系、フェノール系等の極性溶剤を使用できる。また、当該溶剤に、キシレン、トルエン等の樹脂組成物に対する溶解性が悪い溶媒を併用することもできる。
上記樹脂組成物中には、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドの少なくとも1種の極性溶剤を含有してもよく、樹脂(A)とエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)の各製造時に使用した極性溶剤と合計して、各組成物中は、極性溶媒を10重量%以上程度含有していることが好ましい。10%未満であると、上記樹脂組成物が室温で高粘度となるため取り扱い性が悪くなる傾向がある。
また、上記樹脂組成物におけるメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の含有量は、特に限定されないが、通常、当該組成物の硬化残分中の50重量%以上であることが好ましい。ここで硬化残分とは上記樹脂組成物を塗布した後、ゾル−ゲル硬化やイミド化させて、揮発性成分を除いて得られる固形分を意味し、樹脂組成物を100μm以下で塗布した後、200℃で2時間、乾燥、硬化させた後の固形物である。
メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物から得られる硬化膜と金属箔の線膨張率に大きな差があった場合、金属箔積層体に反りが生じ得る。そのため当該樹脂組成物に従来公知のフィラーを添加し、当該線膨張率を金属箔の線膨張率に近づけるのがよい。フィラーとしては、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化マグネシウムなどの酸化物、カオリン、タルク、モンモリロナイトなどの複合酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタン酸バリウム、チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、リン酸第三カルシウム、リン酸第二カルシウム、リン酸第一カルシウムなどのリン酸塩などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらフィラーの中でもメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物の安定性、フィラーの分散性、反り抑制の効果を考慮すると、シリカを用いるのが最も好ましい。通常、フィラーは、平均粒子径としては0.01μm以上5μm以下程度の範囲が好ましい。0.01μm未満のフィラーは高価で汎用性が乏しく5μmを超えるものでは分散性が得られず、沈降する傾向がある。またメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物は、フィラーの分散性に優れるため、フィラーの配合量としては格別限定されないが、硬化フィルム中に占めるフィラーの重量割合が90%以下であることが好ましい。90%を超えると硬化膜の柔軟性が失われる傾向がある。なお、当該フィラーの添加方法は、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物を使用して製膜する迄の段階であれば特に制限はなく、例えば、樹脂(A)の重合段階や、エポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(B)との反応で添加してもよく、また製膜の際に添加してもよい。
また、前記メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途の必要に応じて、有機溶剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、カップリング剤等を配合してもよい。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物を、金属箔に塗工した後、加熱乾燥、硬化することにより、所望の金属箔積層体が得られる。金属箔積層体中の硬化膜は、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂のメトキシシリル基やフィラー(シリカの場合)から由来するシリカ(SiO)部位を有している。
また、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物から得られる硬化膜はシリカ複合化の効果によって、低吸水性で絶縁性が高いが、特に金属箔積層体をFPCやTAB、COFに使用する場合には、1kHzでの誘電率が3.5程度以下、吸水率が2%未満になるように調整することが好ましい。誘電率が3.5より大きいと、絶縁性を十分に得るには硬化フィルムの膜厚が厚くなり過ぎ、吸水率が2%以上であると、寸法安定性が悪化したり、金属箔積層体がカールする場合がある。
金属箔積層体に用いる金属箔としては、電解銅箔、圧延銅箔、アルミニウム箔またはステンレス箔等を例示することができる。これらの中でも電解銅箔や圧延銅箔が導電性、耐熱性、力学強度、表面平滑性が優れており好ましい。一般にFPCやTAB用には接着剤との密着性を得る目的で、銅箔の接着面の表面粗度を上げた表面処理銅箔が使用されているが、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物から得られるキャスト膜は、接着剤を使用しなくても金属箔との密着性が極めて良好であるため、また格別に表面粗化する必要がなく、未処理銅箔やファインピッチ、高周波対応の粗度の低い金属箔でも充分な密着性が得られる。そのため、金属箔として、表面粗度の余り大きくない、特に金属箔積層体としては表面粗さ(Rz)が7μm以下、特にRzが2.2μm以下の銅箔を用いるのが好ましい。金属箔の厚さは格別制限されないが、ファインピッチ基板に用いるには70μm以下、特に20μm以下であることが好ましい。
本発明のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物を金属箔上で乾燥、硬化させる場合、溶剤などの揮発分の急激な飛散による発泡を抑制するため、通常は2段階以上で行うことが好ましい。従って、硬化温度および加熱時間は、使用したメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサンがゾル−ゲル反応の際に副生するメタノールの量、および溶剤の種類、硬化フィルムの膜厚などを考慮して、適宜決定する。1段階目は主に溶剤の乾燥を目的として80〜150℃で1〜30分の条件とするのが好ましい。次いで130℃〜230℃、好ましくは150℃以上210℃未満で、1〜180分加熱することにより、残存溶剤を完全に除くとともにゾル−ゲル硬化を完了させる。
また、フィラーを添加したメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物を金属箔上に塗布し、乾燥、硬化して得られる金属箔積層体における、金属箔/硬化膜の密着強度は、当該樹脂組成物を構成するフィラーの種類や量によっては低下することもある。このような場合には、フィラーを含有しない樹脂組成物を金属箔上に塗布し、乾燥、硬化させて、線膨張率が高いが、金属箔への密着性に優れる硬化膜を形成させた後、更に線膨張率の低い硬化膜を形成し得るフィラーを含有した樹脂組成物、または線膨張率が30ppm以下である従来公知のポリイミド樹脂を塗布し、乾燥、硬化させることで、前記不利を解消できる。この時、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物から生成する硬化膜の厚みは10μm以下とすることが、金属箔積層体の反りを抑制する上で好ましい。
また、これらの絶縁層の膜厚は、当該用途に応じて適宜に決定すればよいが、FPCおよびTABに用いる場合には、金属箔を除く硬化膜の厚みが3〜100μm程度、特に5〜50μmであるのが好ましい。
片面に金属箔が接着した金属箔積層体において、メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂層側にメッキを施すことにより、両面金属箔積層体とすることもできる。当該金属メッキ方法としては、無電解メッキ法、無電解メッキ法と電解メッキ法との併用法、パルスメッキ法、熱溶解法、プラズマ法、スパッタ法等の公知の方法を採用し得るが、量産性の点で、無電解メッキ法、無電解メッキと電解メッキとの併用が特に好ましい。なお、無電解メッキ法とは、触媒となる金属を基材の表面及び内壁に析出させ、次いで銅等を無電解メッキ法で析出させてメッキさせる方法である。また、無電解メッキと電解メッキの併用法は、無電解メッキを薄く析出させ、次いで金属を電解メッキにて厚付けしてメッキさせる方法である。本発明では、メッキ金属としては、特に限定されず、例えば銅、ニッケル、金、銀、白金、錫、鉛、コバルト、タングステン、モリブテン、パラジウム及びこれらの合金が挙げられる。これらのうちでは、特に銅が好ましい。上記のようにして得られる本発明の金属積層体にレジストを塗布し、感光させた後、エッチング加工することによって、各種の回路基板を製造することができる。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。尚、各例中、%は原則として重量基準である。
製造例1(イソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)の製造)
攪拌機、分水器、温度計および窒素ガス導入管を備えた反応装置に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「ミリオネートMT」)420.00g、α,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(ダウコーニングアジア(株)製、商品名「ペインタッド8579」)938.62gを仕込み、60℃で2時間、ウレタン化反応させた。ついで、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドDSDA」)405.50g、N,N−ジメチルアセトアミド1777.16gを添加し、150℃まで昇温して溶解させ30分間イミド化反応させた。さらに室温まで冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド200.00gとトルエン247.15gに溶解させた2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化(株)製、商品名「BAPP」)185.85gを温度が40℃以下に保たれるように少量ずつ添加し、添加終了後も引き続き室温で30分攪拌した。その後170℃で3時間、生成する水を分水器より回収しながら脱水閉環反応させ、有機溶剤に可溶なイソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂溶液(A1)を得た。またNMRおよびIR分析によるイミド閉環率は100%であった。なお、当該ポリイミドシロキサン樹脂(A)におけるジヒドロキシシロキサン(a2)の構成割合は50%である。 また、[テトラカルボン酸二無水物のモル数+ジヒドロキシシロキサンのモル数−ジイソシアネート化合物のモル数]/[ジアミン類のモル数]=1.25である。
製造例2(イソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)の製造)
攪拌機、分水器、温度計および窒素ガス導入管を備えた反応装置に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「ミリオネートMT」)420.00g、α,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製、商品名「X−22−1910」)1003.41gを仕込み、60℃で2時間、ウレタン化反応させた。ついで、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドDSDA」)452.99g、N,N−ジメチルアセトアミド1777.16gを添加し、150℃まで昇温して溶解させ30分間イミド化反応させた。さらに室温まで冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド200.00gとトルエン247.15gに溶解させた2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化(株)製、商品名「BAPP」)207.61gを温度が40℃以下に保たれるように少量ずつ添加し、添加終了後も引き続き室温で30分攪拌した。その後170℃で3時間、生成する水を分水器より回収しながら脱水閉環反応させ、有機溶剤に可溶なポリイミドシロキサン樹脂溶液(A1)を得た。またNMRおよびIR分析によるイミド閉環率は100%であった。なお、当該ポリイミドシロキサン樹脂(A)におけるジヒドロキシシロキサン(a2)の構成割合は50%である。 また、[テトラカルボン酸二無水物のモル数+ジヒドロキシシロキサンのモル数−ジイソシアネート化合物のモル数]/[ジアミン類のモル数]=1.25である。
製造例3(エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)の製造)
製造例1と同様の反応装置に、グリシドール(日本油脂(株)製、商品名「エピオールOH」)1400gおよびテトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学(株)製、商品名「メチルシリケート51」、Siの平均個数が4)8957.9gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、90℃に昇温した後、触媒としてジブチル錫ジラウレート2.0gを加え、反応させた。反応中、分水器を使って生成したメタノールを留去し、その量が約630gに達した時点で冷却した。昇温後冷却までに要した時間は5時間であった。ついで、13kPaで約10分間、系内に残存するメタノール約80gを減圧除去した。このようにして、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B1)を得た。なお、仕込み時の(メトキシシラン部分縮合物のメトキシ基の当量)/(エポキシアルコールの水酸基の当量)=1/0.1である。
製造例4(エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)の製造)
製造例4におけるグリシドールをエポキシアルコール(クラレ(株)製、商品名「EOA」)2716gに変更し、同様の反応を行い、エポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B2)を得た。なお、仕込み時の(メトキシシラン部分縮合物のメトキシ基の当量)/(エポキシアルコールの水酸基の当量)=1/0.1である。
実施例1(メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造)
製造例1と同様の反応装置に、製造例1で得たポリイミドシロキサン樹脂溶液(A1)3909.53gと製造例4で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(B1)78.80gを仕込み、90℃に昇温後、2時間反応させ、目的とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂溶液を得た。当該樹脂溶液は、硬化残分44.7%であり、当該硬化残分中のシリカ含有率は2%である。
実施例2(メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造)
製造例1と同様の反応装置に、製造例2で得たポリイミドシロキサン樹脂溶液(A2)4308.32gと製造例4で得たエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物(B1)90.16gを仕込み、90℃に昇温後、3時間反応させ、目的とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂溶液を得た。当該樹脂溶液は、硬化残分44.8%であり、当該硬化残分中のシリカ含有率は2%である。
実施例3,4(メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物の製造)
実施例1,2で得られたメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂溶液を、それぞれN,N−ジメチルアセトアミドで希釈して、硬化残分43.0%のシラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物を得た。
実施例5(メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物の製造)
実施例1で得られたメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂溶液8.14gにシリカフィラー分散液[シリカフィラー((株)トクヤマ製、商品名「レオロシールDM−30S」、当該フィラーの平均粒子径10nm)]14.00gをN,N−ジメチルアセトアミドを56.00gに分散させて得られる]を加えることにより、硬化残分中28.9%、当該硬化残分中のシリカフィラー含有率80%であるメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物を得た。
比較例1〜2(比較用ポリイミドシロキサン樹脂組成物)
製造例1および製造例2で得られたポリイミドシロキサン樹脂溶液(A1)および(A2)を、順に比較例1および比較例2の樹脂組成物とした。
比較例3(有機溶剤に可溶な比較用ポリイミド樹脂組成物の製造)
製造例1と同様の反応装置に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物44.32g、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン1.00g、N,N−ジメチルアセトアミド158.41g、トルエン39.60gを仕込み懸濁させた。ついで4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.93g、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化(株)製、商品名「BAPP」)44.61g、N,N−ジメチルアセトアミド158.41g、トルエン39.60gを温度が40℃以下に保たれるように少量ずつ添加し、添加終了後も引き続き室温で30分攪拌した(アミノ基のモル数に対するテトラカルボン酸無水物基のモル数が、1.07)。その後170℃で4時間、生成する水を分水器より回収しながら脱水閉環反応させ、有機溶剤に可溶な比較用ポリイミド樹脂溶液を得た。またNMRおよびIR分析によるイミド閉環率は100%であった。
実施例6〜8および比較例4〜6(硬化膜の調製)
実施例3〜5で得られたメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物、および比較例1〜3で得た樹脂組成物を、それぞれガラス板上にアプリケーター(ウエット200μm)で塗工し、当該各塗工ガラス板を乾燥器に入れ、100℃で10分、ついで200℃で120分の条件下に、段階的に乾燥、硬化させた後、室温まで放冷することにより、膜厚30μmの各硬化膜を得た。
実施例6〜8、比較例4〜6で得られた硬化膜につき、当該構成成分であるシロキサン由来部分、シリカ(SiO)、およびフィラーの各含有率を、表1に示した。
Figure 2005290155
(線膨張率およびガラス転移点)
上記で得られた硬化膜(4mm×20mm)を、熱機械分析装置(セイコーインスツルメント(株)製、商品名「TMA120C」)を用いて、40℃から200℃までの線膨張率およびガラス転移点を測定した。結果を表2に示す。
(吸水率)
上記で得られた硬化膜(50mm×50mm)を、50℃に保った恒温槽中に24時間放置した後の測定重量と、その後23℃に保った恒温水槽中に24時間浸漬した後の測定重量との差から、吸水率を算出した。結果を表2に示す。
(誘電率)
上記で得られた硬化フィルム(50mm×50mm)の誘電率は、誘電率・誘電正接測定器(北浜製作所(株)製)を用いて、周波数1kHz、温度23℃にて測定した。結果を表2に示す。
(弾性率)
上記で得られた硬化フィルム(5mm×2.5mm)の弾性率は、粘弾性測定器(レオロジ社製、商品名「DVE−V4」、測定条件:振幅2μm、振動数10Hz、スロープ3℃/分)を用いて動的貯蔵弾性率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005290155
表2から明らかなように、シロキサン部位を導入することにより、吸水率を低減させることができた(実施例6、7のもの)。シロキサン部位を導入し、さらにシリカハイブリッド体とすることにより、誘電率を低減させ、250℃という高温下での弾性率を向上させることができた。(実施例6、7のもの)。またシリカフィラーを含有させることで大きく熱膨張係数を低下させることができた(実施例11のもの)。
実施例9〜11および比較例7〜9(金属箔積層体の形成)
実施例3、4および比較例4〜6で得られた樹脂溶液を、電解銅箔(古河電気工業(株)製、商品名「F2-WS」、膜厚18μm、表面粗度 Rz=2.1)にアプリケーター(ウエット100μm)で塗工し、乾燥器に入れ、100℃で10分、ついで200℃で20分の条件下に硬化させ、硬化膜厚25μmの金属箔積層体を得た。
実施例12(金属箔積層体の製造)
実施例3で得られた樹脂溶液を実施例9で用いたと同様の電解銅箔にアプリケーター(ウエット80μm)で塗工し、乾燥器に入れ、100℃で10分乾燥した後、実施例5で得た樹脂溶液をアプリケーター(ウエット50μm)で上塗りし、再度乾燥器に入れ、100℃で10分、ついで200℃で20分の条件下に硬化させることにより、硬化膜厚25μmの金属箔積層体を得た。
(密着性)
上記で得られた各金属箔積層体の層間剥離強度をJIS C6481の規格に準じて測定した。結果を表3に示す。
(反り)
上記で得られた金属箔積層体の平滑性を目視により評価した。評価結果を表3に示す。
〇:反りが無い。
×:反りが明らかである。
Figure 2005290155
表3から明らかなように、シロキサン部位を導入し、シリカハイブリッド体とした金属箔積層体(実施例9〜11)は反りが見られず、層間剥離強度が1.4kg/cmであり、銅箔との高い密着性を示した。

Claims (14)

  1. テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジヒドロキシシロキサン(a2)、ジアミン類(a3)およびジイソシアネート化合物(a4)を反応させて得られる有機溶剤に可溶なイソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂であって、分子末端にカルボキシル基および/または酸無水物基をそれぞれ有し、且つ当該イミド閉環率が90%以上であるもの(A)と、エポキシアルコール(b1)およびメトキシシラン部分縮合物(b2)を脱メタノール反応させて得られるエポキシ基含有メトキシシラン部分縮合物(B)とを、開環エステル化反応させることを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂の製造法。
  2. ジヒドロキシシロキサン(a2)が
    一般式(1):
    Figure 2005290155
    (式中、Rは独立して炭素数2〜6のメチレン基またはフェニレン基を示し、Rは独立して炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、繰り返し単位数nは3〜30を示す)で表されるものである請求項1に記載の製造法。
  3. イソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)におけるジヒドロキシシロキサン(a2)の構成割合が1%以上95%未満である請求項1または2に記載の製造法。
  4. イソシアネート変性ポリイミドシロキサン樹脂(A)におけるテトラカルボン酸二無水物(a1)、ジヒドロキシシロキサン(a2)、ジアミン類(a3)およびジイソシアネート化合物(a4)の各使用割合が、[(a1)のモル数+(a2)のモル数−(a4)のモル数]/[(a3)のモル数]=0.2〜2.0との条件を満足するものである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. メトキシシラン部分縮合物(b2)が、当該1分子中にSi原子を平均個数で2〜100有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
  6. エポキシアルコール(b1)が
    一般式(2):
    Figure 2005290155
    (式中、mは1〜10の整数を示す)で表される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. メトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂が、当該硬化残分中のシリカ含有率0.5%以上15%未満のものである請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 請求項1〜7記載の製造法により得られることを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂。
  9. 請求項8記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂および極性溶剤を含有することを特徴とするメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物。
  10. 追加成分としてフィラーを含有させてなる請求項9記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物。
  11. フィラーがシリカである請求項10記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂組成物。
  12. 請求項8記載のメトキシシリル基含有シラン変性ポリイミドシロキサン樹脂または請求項9〜11のいずれかに記載の当該樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化膜。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の当該樹脂組成物を金属箔上に塗工し、ついで加熱硬化させてなることを特徴とする金属箔積層体
  14. 加熱温度が230℃以下である請求項13記載の金属箔積層体。
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