JP2005290044A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 光沢により優れた着色画像が得られかつ初期顔料分散性にもより優れた、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂のインクジェット記録用水性インクを得る。
【解決手段】 顔料と、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂と、塩基性物質とを含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂として、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有し酸価40〜90のポリエーテル系ポリウレタン樹脂を用いることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。

Description

本発明は、光沢に優れた着色画像と初期顔料分散性に優れたインクジェット記録用水性インクに関する。
インクジェット記録用水性インクは、一般的に、カーボンブラックや有彩色の有機顔料と、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂から調製される。最近では、この合成樹脂として、前記した樹脂に比べてより耐擦過性に優れたポリウレタン樹脂の使用が提案され始めている。
この様なポリウレタン樹脂としては、例えば、酸価10〜120で数平均分子量5,000〜20,000のポリウレタン樹脂(特許文献1)、酸価10〜200で数平均分子量2,000〜10,000であってオキシエチレンの繰り返し単位を特定量含有するポリウレタン樹脂(特許文献2)及び酸価55〜350で重量平均分子量30万以下のポリウレタン樹脂(特許文献3)等が知られている。
しかしながら、特許文献1に記載されたポリウレタン樹脂は、ポリカプロラクトンジオールから得られるポリカプロラクトン系ポリウレタン樹脂であり、ある程度の初期顔料分散性に優れたインクを調製できるものの、光沢等に優れた着色画像は得られない。特許文献3に記載されたポリウレタン樹脂は、脂肪族ポリエステルジオールから得られるポリエステル系ポリウレタン樹脂であり、ある程度の初期顔料分散性に優れたインクを調製できるものの、光沢に優れた着色画像は得られない。
また特許文献2に記載されたポリウレタン樹脂は、ポリエーテルジオールから得られるポリエーテル系ポリウレタン樹脂であり、特許文献1や3に記載されたポリウレタン樹脂に比べれば、初期顔料分散性に優れたインクを調製できるものの、やはり光沢等に優れた着色画像は得られない。
そこで、光沢により優れた着色画像が得られかつ初期顔料分散性により優れたインクジェット記録用水性インクが求められている。
特開平9−31360号公報 特開2000−1639号公報 特開2002−167536号公報
本発明は、光沢により優れた着色画像が得られかつ初期顔料分散性により優れたインクジェット記録用水性インクを提供することを目的とする。
本発明者等は、ポリエーテルジオールを用いたポリエーテル系ポリウレタン樹脂が、インクジェット記録用水性インクとした場合に、相対的に光沢に優れた着色画像を与えることに着眼し、ポリエーテルジオールの種類及び酸価値等を振ってポリウレタン樹脂を合成し、これらポリウレタン樹脂から調製したインクについて、その着色画像特性及び顔料分散性について鋭意検討した。
その結果、ポリウレタン樹脂としては、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有する特定酸価範囲のポリウレタン樹脂から調製されたインクジェット記録用水性インクが、光沢により優れた着色画像が得られかつ初期顔料分散性にもより優れていることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、顔料と、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂と、塩基性物質とを含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂として、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有し酸価40〜90のポリエーテル系ポリウレタン樹脂を用いることを特徴とするインクジェット記録用水性インクを提供する。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を有しかつ特定酸価範囲であるポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含有しているので、光沢により優れた着色画像が得られかつ初期顔料分散性にもより優れているという格別顕著な効果を奏する。
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。本発明で提供されるインクジェット記録用水性インクは、少なくとも顔料と、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、前記酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂として、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有し、酸価40〜90のポリエーテル系ポリウレタン樹脂を用いることを特徴とするインクジェット記録用水性インクである。
本発明のインクジェット記録用水性インクを調製する際、顔料としては、公知慣用の無機顔料や有機顔料がいずれも使用できる。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトボン、カドミウムイエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、カーボンブラック、アルミニウム粉、パール系顔料等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アゾレーキ顔料系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料等が挙げられる。
より微細化が容易で高い着色力を達成出来る点で、有彩色顔料としては、有機顔料を用いることが好ましい。またポリ(オキシアルキレン)構造のオキシアルキレンの繰り返し単位数nの同一としたポリエーテル系ポリウレタン樹脂同士の対比において、樹脂中にポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有することによる、初期顔料分散性の改良効果がより高い有機顔料は、キナクリドン系顔料である。
本発明においてポリウレタン樹脂とは、ウレタン結合以外に尿素結合をも含有する樹脂(ポリウレタンポリ尿素樹脂という。)を包含する広義のウレタン樹脂を意味する。本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有しかつ酸価40〜90である。
ポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、ポリエーテル部分が加水分解を受けないので、ポリエステル系ポリウレタン樹脂に比べて、湿熱履歴後の着色画像の被記録媒体上での密着性やその光沢が低下し難いという優れた特徴を持っている。中でもポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、その他のポリエーテル系ポリウレタン樹脂に比べてよりこれらの特徴が顕著である。
ポリ(オキシテトラメチレン)構造とは、後記一般式(1)で表される部分構造を意味する。後記一般式(1)中のオキシテトラメチレンの繰り返し単位数nは、特に限定されるものではないが、2〜50である。この繰り返し単位数nは平均値である。この繰り返し単位数nは、耐擦過性により優れた着色画像が得られかつ水性媒体への初期分散性に優れることから、好ましくは10〜40であり、更に経時における分散安定性、つまり貯蔵安定性にも優れた水性インクが得られることから、より好ましくは20〜30である。この傾向は、顔料としてキナクリドン系顔料を用いた場合に顕著である。
Figure 2005290044
また酸価とは、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の不揮発分1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数を意味する。酸価の単位は、mgKOH/gである。この酸価は、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂中の中和されていない(遊離の)酸基に基づくものである。酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂中のポリ(オキシテトラメチレン)構造の含有量は、特に制限されるものではないが、着色画像の優れた光沢と水性媒体中への優れた初期分散性と分散安定性を兼備することが出来る点で、30〜70重量%とすることが好ましい。ポリウレタン樹脂のポリ(オキシテトラメチレン)構造以外の構造は、例えば、直鎖又は分岐のアルキレン結合、ウレタン結合、尿素結合等で構成することが出来る。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、前記した要件を満たしたものであればどの様な製造方法で得られたものでも良いが、それは、例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールと、有機ジイソシアネート化合物と、酸基とそれ以外の活性水素原子を2つ含有する活性水素化合物とを必須成分として、必要に応じて前記以外の活性水素化合物を用いて反応させることで得ることが出来る。勿論、末端イソシアネート基のプレポリマーを製造し、これを鎖伸長させる方法で製造することも出来る。
ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールとは、当業界においてPTMGと略記され、後記一般式(2)で表されるポリ(オキシテトラメチレン)構造を分子内に含有するジオール化合物である。後記一般式(2)中の繰り返し単位数nについては、前記一般式(1)において説明したことと同様のことが言える。ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールは、種々の繰り返し単位数nのものの混合物であることから、nは平均値として表される。
Figure 2005290044
有機ジイソシアネート化合物としては、特に限定はなく、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー卜化合物、イソホロンジイソシアネー卜、水添キシリレンジイソシアネート、4,4−シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネー卜化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー卜等の芳香脂肪族ジイソシアネー卜化合物、トルイレンジイソシアネー卜、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー卜化合物が挙げられる。
有機ジイソシアネート化合物としては、着色画像の耐光変色が起こり難い点では、一般に脂肪族または脂環族ジイソシアネート化合物が好ましく、着色画像の光沢がより高い点では、芳香族または脂環族ジイソシアネート化合物が好ましい。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、さらに分子内に遊離の酸基を含有する。酸基がポリウレタン樹脂の分子内に含有されていることにより、当該樹脂の水性媒体中での溶解性が増大し、また樹脂中の酸基により顔料の初期分散性や分散安定性が大きく向上する。ポリウレタン樹脂の分子内に酸基を導入するために、酸基とそれ以外の活性水素原子を2つ含有する活性水素化合物を用いることが好ましい。
このような活性水素化合物としては、例えば、酸基としてカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を含有しそれ以外の活性水素原子を2つ含有する活性水素化合物が特に制限なく使用できるが、例えば、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸等が挙げられる。酸基とそれ以外の活性水素原子を2つ含有する活性水素化合物の使用量は、ポリウレタン樹脂の酸価が前記範囲となる様な量である。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、前記した様にポリ(オキシテトラメチレン)グリコールと、有機ジイソシアネート化合物と、酸基とそれ以外の活性水素原子を2つ含有する活性水素化合物のみに基づく化学構造の樹脂であっても良いが、着色画像に対応する皮膜の硬度の調整等のために、その他の活性水素化合物に基づく化学構造を含有していても良い。
酸基を導入するため以外に必要に応じて用いる活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等の低分子ジオールが挙げられる。
この際の活性水素化合物としては、分岐構造を有する低分子ジオールを併用することが好ましい。分岐構造を有する低分子ジオールと有機ジイソシアネートとの重付加反応構造をポリウレタン樹脂に導入すると、側鎖の立体障害により結晶性が乱されるため水性媒体中での分散粒子の初期分散性や分散安定性が向上する。このような分岐構造を有する低分子ジオールとしては、例えば、ネオペンチルグリコールやブチルエチルプロパンジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、直鎖状(リニアー)であることが着色画像の皮膜物性の観点からは好ましいが、直鎖状ポリウレタン樹脂であることの特徴を損なわない範囲において、必要に応じて、前記した原料に加えて、3官能以上の活性水素化合物や3官能以上の有機ポリイソシアネート化合物を適宜併用して、3次元網目構造を有するポリウレタン樹脂を、直鎖状のポリウレタン樹脂に極少量含有させても良い。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、酸価40〜90にあることが、塩基性物質を添加した際の、水性媒体への顔料の初期分散性や水性媒体中の分散安定性が良好で、また調製されたインクジェット記録用水性インクの印字安定性が良く、着色画像の耐水性も良好な上、耐摩擦性、耐棒積み性等の画像保存性も良好となるので好ましい。
塩基性物質としては、例えば、アンモニア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノール等の有機アミン類、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの無機アルカリ類等が挙げられる。塩基性物質の使用量は、ポリウレタン樹脂の物性に応じて適宜設定されるが、塩基性物質の使用量は特に制限されるものではないが、通常、ポリウレタン樹脂の酸価の70〜130%を中和するのに必要な量の塩基性物質が用いられる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、通常重量平均分子量で、2,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。ポリウレタン樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン換算の値として表される。以下、特に断りのない限り、本発明においてポリウレタン樹脂の分子量は重量平均を基準とする。
ポリウレタン樹脂の分子量が2,000未満であると、被記録媒体への顔料の定着性が乏しくなるとともに水性媒体中での顔料の分散安定性が低下し好ましくない。一方、ポリウレタン樹脂の分子量が100,000を超えると、塩基性物質を添加しても水性媒体中へのポリウレタン樹脂の溶解性が低下すると共に、調製されるインクジェット記録用水性インクの粘度が高くなるので好ましくない。
本発明のインクジェット記録用水性インクを調製するに当たっては、質量換算で顔料100部に対してポリウレタン樹脂の不揮発分を通常20〜100部、好ましくは30〜50部となる様にする。インク中の顔料に対するポリウレタン樹脂の量が少ないと着色画像の色濃度が低下する傾向にあるし、一方、多いとインク粘度や流動性の面から使用しにくくなるので好ましくない。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、例えば顔料濃度がより高いポリウレタン樹脂を含む水性顔料分散体を調製し、それを希釈する等して調製することが出来る。
このポリウレタン樹脂を含む水性顔料分散体は、例えば後記する様な1)〜4)の方法で製造することが出来る。
1)ポリウレタン樹脂の水性分散体に、顔料を機械的に強制分散する水性顔料分散体の製造方法。
2)顔料の存在下の液媒体中で分散剤を用いて、ポリウレタン樹脂の各原料成分を反応させポリウレタン樹脂とした後、かつ任意の工程で水を含ませ、必要に応じて会合や脱溶剤を行う水性顔料分散体の製造方法。
3)顔料とポリウレタン樹脂と有機溶剤の混合物を、水と塩基性物質を用いて徐徐に油相から水相に転相させてから脱溶剤して、顔料がポリウレタン樹脂で被覆されたマイクロカプセル型複合粒子とする、同複合粒子を含む水性顔料分散体の製造方法。
4)顔料とポリウレタン樹脂と塩基性物質と有機溶剤と水との均一混合物から脱溶剤を行い、酸を加えて酸析し析出物を洗浄後、この析出物を塩基性物質と共に水性媒体に分散させる、顔料がポリウレタン樹脂で被覆されたマイクロカプセル型複合粒子とする、同複合粒子を含む水性顔料分散体の製造方法。
本発明において、水性媒体とは水のみ又は水と有機溶剤との混合物であって水の含有割合が質量換算で60%以上であるものを言う。水性媒体としては、有機溶剤を全く含まないか又は極力含有しないものを用いることが、火災防止や環境安全の面から好ましい。これは後記する水性顔料分散体の場合も、本発明のインクジェット記録用水性インクの場合でも同様である。
水性顔料分散体の製造方法では、前記いずれの製造方法をとるにせよ、顔料、ポリウレタン樹脂、塩基性物質および水からなる混合物を分散する工程を必須として含ませることが好ましい。この混合物には水溶性有機溶剤を含めるのが好ましい。より具体的には、少なくとも顔料、ポリウレタン樹脂、塩基性物質、水溶性有機溶剤および水からなる混合物を分散する工程(分散工程)を含ませることが好ましい。
また、分散工程において水溶性有機溶剤を併用することができ、それにより分散工程における液粘度を低下させることができる場合がある。水溶性有機溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素原子数が3〜6のケトンおよび炭素原子数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。これらの水溶性有機溶剤はポリウレタン樹脂溶液として用いられても良く、別途独立に分散混合物中に加えられても良い。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、少なくとも顔料、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、塩基性物質および水からなる混合物を分散装置により分散する工程を含むプロセスによって製造することができる。
製造プロセスに組み込み得るその他の工程の例としては、予備分散工程、溶解工程、希釈工程、蒸留工程、遠心分離工程、酸析工程、濾過工程、再分散工程、pH調整工程、充填工程等が挙げられる。
予備分散工程の例には、溶液状態または溶融状態の樹脂と顔料を混合、分散し、スラリー状、ペースト状もしくはマスターバッチまたはチップと呼ばれる固体状態にする工程等がある。溶解工程の例には、固体状の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を有機溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤中、または塩基性物質を含む水性媒体中に溶解させる工程、もしくは酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の水溶性有機溶剤溶液を塩基性物質を含む水性媒体中に溶解させる工程等がある。
蒸留工程の例には、分散工程において有機溶剤を使用した場合にこれを除去する工程、所望の固形分濃度にするため余剰の水を除去する工程がある。遠心分離工程の例には、インクジェット記録用水性インクとしての使用適性に悪影響を及ぼす分散体中の粗大粒子を除去する工程等がある。
酸析工程の例には、分散工程で得られた水性顔料分散体に塩酸、硫酸、酢酸等の酸を加えて酸性化し、塩基と塩を形成することによって溶解状態にある酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を顔料表面に析出させる工程がある。この工程により顔料と酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂との相互作用を高めることができる。その結果、顔料が酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の濃密な層によって被覆される。これにより、顔料が酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂によって被覆された、いわゆるマイクロカプセル化顔料が水性媒体中に分散している形態を取らせることができ、水性顔料分散体として、分散到達レベルや分散安定性等の物性面や耐溶剤性等の使用適性の面で、より優れた特性を発揮させることができる。
濾過工程の例には、遠心分離工程と同様に分散粒子中の粗大粒子をカートリッジフィルターやメンブレンフィルターにより除去する工程、前述した酸析工程後にフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、加圧濾過装置等により濾過する工程等がある。
再分散工程の例には、酸析工程、濾過工程によって得られた固形分に塩基性物質および必要により水や添加物を加えて再び分散体とする工程がある。それにより酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂中のイオン化した酸基の対イオンを分散工程で用いたものから変更することができる。
分散工程において用いることのできる分散装置として、既に公知の種々の方式による装置が使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、スチール、ステンレス、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、ガラス等でできた直径0.1〜10mm程度の球状分散媒体の運動エネルギーを利用する方式、機械的攪拌によるせん断力を利用する方式、高速で供給された被分散物流束の圧力変化、流路変化あるいは衝突に伴って発生する力を利用する方式、等の分散方式を採ることができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、少なくとも顔料、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂および塩基性物質を含有する水性顔料分散体に、例えば、水溶性有機溶剤、水等を更に混合して調製される。本発明のインクジェット記録用水性インクは、顔料100部に対して不揮発分にして20〜100部のポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含有する様に調製することが好ましい。本発明のインクジェット記録用水性インクの調製に当たっては、必要に応じて界面活性剤、水溶性樹脂、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤等を添加することもできる。
インクジェット記録用水性インクの調製に用いることのできる水溶性有機溶剤としては、例えば、前記したものの他に、1−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]エタノール等のアルコール類;1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2´−オキシビスエタノール、2,2´―エチレンジオキシビス(エタノール)、チオエタノール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコール類;ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド類;メチルn−ブチルケトン等のケトン類;1,2−ジエトキシエタン、2,2´−オキシビス(2−メトキシエタン)、2,2´−オキシビス(2−エトキシエタン)、2,2´エチレンジオキシビス(2−メトキシエタン)、2,2´―エチレンオキシビス(2−メトキシエタン)等のエーテル類が挙げられる。記録液中の水溶性有機溶剤の含有割合は、50重量%以下が好ましく、5〜40重量%の範囲が特に好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクを調製する際には、アニオン性、カチオン性、両性イオン性、非イオン性のいずれの界面活性剤を用いることが出来る。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ベンゼンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、ポリオキシエチレン硫酸エステル塩類、リン酸エステル類が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類が挙げられる。両性イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン類等が挙げられる。
非イオン性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル類、オキシラン重合体類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類が挙げられる。これらの非イオン性活性剤の中でもHLBが14以上のものが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インク及びその前駆体である水性顔料分散体における、顔料粒子とポリウレタン樹脂粒子或いは顔料がポリウレタン樹脂で被覆されたマイクロカプセル型複合粒子からなる分散粒子は、着色画像特性や吐出安定性の面から、100nm以上200nm未満であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクの調製には水溶性樹脂を用いることが出来る。この水溶性樹脂としては、例えば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリュー、アルギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ酸化エチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体は、本発明で用いる前記した様なポリウレタン樹脂との相溶性に優れており、本発明における特定ポリウレタン樹脂との併用により、初期顔料分散性を損ねることなく、被記録媒体上における着色画像の濃度や耐光性をより高めることが出来る。この際、前記した様な共重合体は、質量換算でポリウレタン樹脂の不揮発分100部当たり、不揮発分0.5〜100部とすることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、前記した様な水性顔料分散体に質量換算で顔料が3〜10%となる様に添加剤や液媒体を添加して希釈し、必要に応じて遠心分離や濾過する等することで調製することが出来る。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、各種の被記録媒体への印字記録等に用いることが出来る。この際の被記録媒体としては、例えば、普通紙、写真用紙、マット紙、合成樹脂フイルム・シート等が挙げられる。本発明のインクジェット記録用水性インクで印字記録を行うことで、特に優れた光沢が得られるのは、写真用紙である。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を具体的に説明するものであり、実施の態様がこれにより限定されるものではない。
<合成例1>(酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(n=27.5。PTMG2000)を480g、イソホロンジイソシアネート(IPDI)を282g、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)を0.007g仕込み、窒素ガス雰囲気下100℃で1時間反応させた。その後65℃以下に冷却しジメチロールプロピオン酸(DMPA)0.007g、ネオペンチルグリコール(NPG)およびメチルエチルケトン(MEK)447.8gを添加し、80℃で 16時間反応させた後、MEK 408.1g、メタノールを加えて反応を停止し、酸価55、ポリスチレン換算で重量平均分子量33,000の直鎖状の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を得た。このポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を54%含有し、NPG(分岐構造を有する低分子ジオール)とIPDIとの重付加反応構造を含有していた。
<合成例2>
合成例1と同様の装置に、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールに代えて数平均分子量2,000のポリプロピレングリコール(PPG2000)、IPDI、DBTDLを仕込み、窒素ガス雰囲気下100℃で1時間反応させた。その後65℃以下に冷却しDMPA、NPGおよびMEKを添加し、80℃で16時間反応させた後、MEK 、メタノールを加えて反応を停止し、酸価55、ポリスチレン換算で重量平均分子量29,000の直鎖状の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を得た。このポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、ポリ(オキシプロピレン)構造を54%含有し、NPGとIPDIとの重付加反応構造を含有していた。
<合成例3>
合成例1と同様の装置に、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール(PEG1000)、IPDI、DBTDLを仕込み、窒素ガス雰囲気下100℃で1時間反応させた。その後65℃以下に冷却しDMPA、NPGおよびMEKを添加し、80℃で16時間反応させた後、MEK 、メタノールを加えて反応を停止し、酸価55、ポリスチレン換算で数平均分子量19,000の直鎖状の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を得た。このポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、ポリ(オキシエチレン)構造を50%含有し、NPGとIPDIとの重付加反応構造を含有していた。
<合成例4>
合成例1と同様の装置に、必要量のPTMG2000、IPDI、DBTDL等を仕込み、反応させた後、同様にMEK 、メタノールを加えて反応を停止し、酸価22、合成例1と同様の重量分子量の直鎖状の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を得た。このポリエーテル系ポリウレタン樹脂は、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を66%含有し、NPGとIPDIとの重付加反応構造をしていた。
<製造例1>
合成例1で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、5%水酸化カリウム水溶液、Fastogen(登録商標)Blue TGR(大日本インキ化学工業(株)社製銅フタロシアニン系顔料)を仕込み、混合した。ここでそれぞれの仕込量は、銅フタロシアニン系顔料が1000部、樹脂は顔料に対して不揮発分で50質量%の比率となる量、5%水酸化カリウム水溶液は酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂の酸価が100%中和される量、水は混合液の不揮発分を30%とするのに必要な量である。
混合液をペイントコンディショナー(直径0.5mmのジルコニアビーズ使用)で2時間分散した。分散終了後、ジルコニアビーズを除いて得られた液をエバポレーターでメチルエチルケトンを留去した後、遠心分離処理(8200 G、30分間)して粗大粒子を除くことにより不揮発分18.0%の水性顔料分散体を得た。
<製造例2>
Fastogen(登録商標)Blue TGRに代えて同量のFastogen(登録商標)Super Magenta RTS(大日本インキ化学工業(株)社製キナクリドン系顔料)を用いる以外は製造例1と同様にして不揮発分18.6%の水性顔料分散体を得た。
<比較製造例1>
合成例1で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂に代えて、合成例3で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を不揮発分で同量となるように用いた以外は、製造例1と同様の操作を行って不揮発分18.3%の水性顔料分散体を得た。
<比較製造例2>
合成例1で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂に代えて、合成例4で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を不揮発分で同量となるように用いた以外は、製造例1と同様の操作を行ったが、分散不良となり、良好な水性顔料分散体は得られなかった。
<比較製造例3>
合成例1で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂に代えて、合成例2で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を不揮発分で同量となるように用いた以外は、製造例2と同様の操作を行って不揮発分17.9%の水性顔料分散体を得た。
<比較製造例4>
合成例1で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂に代えて、合成例3で得た酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を不揮発分で同量となるように用いた以外は、製造例2と同様の操作を行って不揮発分16.6%の水性顔料分散体を得た。
製造例1〜2及び比較製造例1〜4の水性顔料分散体の顔料分散性についてFPAR−1000(大塚電子(株)製)にて、分散粒子の分散粒径を測定した。この結果を表1に示した。分散粒子の分散粒径は、初期顔料分散性を表す尺度であり、例えば水性顔料分散体や水性インクにおける顔料の初期分散性を意味する。
製造例1で得られた水性顔料分散体から、特開平7−228808号公報記載の実施例1を参考にしてピエゾ方式インクジェット記録用水性インクを調製した。インク組成を以下に示した。
水性顔料分散体 25.0部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.0部
ジエチレングリコール 15.0部
サーフィノール465(エアプロダクツ社製) 0.8部
水 49.2部
こうして調製したインクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタ(EM-930C、セイコーエプソン(株)製)にて、写真用紙<光沢>(セイコーエプソン(株)製)にベタ印字した。この印字物についてヘイズグロスメーター(BYK Gardner社製)を使用し、測定角度60度で着色画像の光沢を測定した。この結果を表1に示した。またインクの初期顔料分散性について、インク中の分散粒子の分散粒径を測定したが、インクも対応する水性顔料分散体のそれとほぼ同等であった。
製造例1で得られた水性顔料分散体に代えて製造例2で得られた水性顔料分散体の同量を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録用水性インクを調製した。実施例1と同様に光沢を測定した。この結果を表1に示した。インク中の分散粒子の分散粒径は対応する水性顔料分散体のそれとほぼ同等であった。
比較例1〜2
製造例1で得られた水性顔料分散体に代えて比較製造例1〜2で得られた水性顔料分散体の同量を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録用水性インクを調製しし、実施例1と同様に光沢を測定した。この結果を表1に示した。比較例2のインクは印字が出来なった。比較例1のインク中の分散粒子の分散粒径は対応する水性顔料分散体のそれとほぼ同等であった。
比較例3〜4
製造例2で得られた水性顔料分散体に代えて比較製造例3〜4で得られた水性顔料分散体の同量を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録用水性インクを調製した。実施例1と同様に光沢を測定した。この結果を表1に示した。各々のインク中の分散粒子の分散粒径は対応する各水性顔料分散体のそれとほぼ同等であった。
Figure 2005290044
尚、表1中の150以下は分散粒径が100〜150nmであることを表し、一方200以上は分散粒径が200〜300nmであることを表す。
フタロシアニン系顔料を用いた同一酸価での対比において、実施例1のポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含有する本発明のインクジェット記録用水性インクは、比較例1のポリ(オキシエチレン)構造を含有するポリエーテル系ウレタン樹脂を含有する従来のインクジェット記録用水性インクに比べて、初期顔料分散性や着色画像の光沢により優れていることがわかる。
一方、フタロシアニン系顔料を用いた同一ポリ(オキシアルキレン)構造での対比において、実施例1のポリウレタン樹脂の酸価が特定範囲に入る本発明のインクジェット記録用水性インクは、比較例1の酸価が低い従来のインクジェット記録用水性インクに比べて、初期顔料分散性や着色画像の光沢により優れていることがわかる。
キナクリドン系顔料を用いた同一酸価での対比において、実施例2のポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含有する本発明のインクジェット記録用水性インクは、比較例3及び4の様なポリ(オキシエチレン)構造やポリ(オキシプロピレン)構造を含有するポリエーテル系ウレタン樹脂を含有する従来のインクジェット記録用水性インクに比べて、初期顔料分散性や着色画像の光沢により優れていることがわかる。尚、この対比においては、フタロシアニン系顔料に比べてキナクリドン系顔料の方が、光沢値の改良程度は大きかった。
また、オキシテトラメチレンの繰り返し単位数n=20〜30のポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有するポリウレタン樹脂から調製された実施例1のインクジェット記録用水性インクを、70℃×7日で貯蔵した際の貯蔵前後における分散粒子の分散粒径の変化率を評価したところ変化率が10%以内であり、顔料等のインク中での経時における分散安定性が良好であり、優れた貯蔵安定性を有していた。
さらに、オキシテトラメチレンの繰り返し単位数n=20〜30のポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有するポリウレタン樹脂から調製された実施例2のインクジェット記録用水性インクを、70℃×3日で貯蔵した際の貯蔵前後における分散粒子の分散粒径の変化率を評価したところ変化率が10%以内であり、顔料等のインク中での経時における分散安定性が良好であり、優れた貯蔵安定性を有していた。
比較例1〜4のインクジェット記録用水性インクは、いずれも、対応する同色の実施例のそれに比べてインクの貯蔵安定性が著しく劣っていた。

Claims (6)

  1. 顔料と、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂と、塩基性物質とを含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂として、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を含有し酸価40〜90のポリエーテル系ポリウレタン樹脂を用いることを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 顔料がキナクリドン系顔料である請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が、ポリ(オキシテトラメチレン)構造のオキシテトラメチレンの繰り返し単位数n=20〜30の酸基含有ポリエーテル系ポリウレタン樹脂である請求項1または2記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が、ポリ(オキシテトラメチレン)構造を30〜70%含有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂である請求項1〜3のいずれか一項記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 分岐構造を有する低分子ジオールと有機ジイソシアネートとの重付加反応構造を含有する請求項1〜4のいずれか一項記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 顔料100部に対して不揮発分にして20〜100部のポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか一項記載のインクジェット記録用水性インク。

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