JP5092250B2 - ポリウレタン樹脂組成物及び水性インク組成物 - Google Patents
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Description
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100・・・(1)
なお、こうした態様のポリウレタン樹脂組成物は、いずれも、前記水性インク組成物は、カーボンブラックを含有するブラックインク組成物であって、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%以上1.5重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の0.67倍以上2.5倍以下であり、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の7.5倍以上である水性インク組成物用とすることができる。なかでも、濃淡のあるブラックインクセットのインク組成物の調製用として用いることが好ましい。
(a)水と顔料とを含む顔料分散液、
(b)水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含有し、実質的な粘度変化を有しないポリウレタン樹脂組成物、及び
(c)前記(a)及び(b)以外の前記水性インク組成物の成分
を用いて前記水性インク組成物を調製する工程を備える、製造方法も提供される。この態様において、前記(a)の顔料分散液は、水分散性スチレン−アクリル酸樹脂を含有していてもよい。また、前記ポリウレタン樹脂組成物は、前記水溶性ポリウレタン樹脂と前記水溶性有機溶媒と水とを含む混合物をエージングして得られるものであってもよい。
本組成物は、水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含有している。一方、本組成物は、顔料を含有していない。ここで、水溶性とは、水あるいは水を含む水性媒体に分散可能、好ましくは溶解可能であることを意味する。ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応して得られる水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂を使用することができる。また、ポリウレタン樹脂は一種あるいは二種以上を用いることができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物など)等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂組成物は、1種又は2種類以上の水溶性有機溶媒を含むことができる。水溶性有機溶媒としては、水と混和する有機溶媒であれば特に限定しないで用いることができるが、水性インク組成物の水性媒体を構成するものであって、ポリウレタン樹脂と混合した際、混合物の粘度が上昇又は変化するような水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。こうした水溶性有機溶媒としては、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ピロリドン類、ジオール類が挙げられる。なかでも、ジオール類が好ましい。ジオール類としては、炭素数5〜7の直鎖アルキルジオール類が好ましく、より好ましくは、1,2−ヘキサンジオールである。1,2−ヘキサンジオールは、水性インク組成物において好ましい水溶性有機溶媒であるとともに、ポリウレタン樹脂と混合した際に粘度が上昇するからである。したがって、予めポリウレタン樹脂と1,2−ヘキサンジオールとを混合し粘度を安定化させておくことで粘度等の安定性に優れるエージング樹脂を得ることができる。なお、水性インク組成物に用いる水溶性有機溶媒の全量がポリウレタン樹脂組成物から供給される必要はなく、ポリウレタン樹脂組成物には、ポリウレタン樹脂をエージングするのに有効量の水溶性有機溶媒が含まれていればよい。
ポリウレタン樹脂組成物は、少なくとも水溶性ポリウレタン樹脂および水溶性有機溶媒を含有し、これらのみから構成されていてもよいが、これらはともに水に分散あるいは溶解可能であることから、混合物は好ましくは水を含んでいる。例えば、本組成物は、ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とのみから構成することができる。水は水性インク組成物およびインク組成物において主要な媒体成分であり、水を含む状態でエージングすることで効果的にエージングを行なうことができる。水は、ろ過されたイオン交換水以上のグレードの水を用いることが好ましい。なお、本組成物は、顔料を含まないことが好ましい。
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100・・・(1)
ただし、V0は静置期間開始時の粘度であり、Vは静置期間終了後の粘度である。なお、粘度の測定温度は20℃とすることが好ましい。
なお、ポリウレタン樹脂組成物おける粘度は、動粘度(単位Pa・s)として測定され、その測定は逆流式粘度管を用いた測定方法あるいはこれと同等の精度及び正確性が得られる測定方法によることが好ましい。具体的には、キャノンフェンスケ型の逆流式粘度管(典型的には、離合社製のVMC−252型)を用い、20℃における管内の液体(インク)の移動時間により測定することができる。
を意味し、好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下、さらに好ましくは−10℃以下を意味している。また、実質的に粘度変化を有しないとは、既にのべたのと同義である。こうした低温時における特性は、具体的には、密封可能な容器(粘度に対する蒸発等の影響を排除することができる程度の密封性容器)にポリウレタン樹脂組成物の所定量を封入して所定の低温(例えば、−20℃±3℃)の恒温下で所定期間静置し、該静置期間開始時と終了後の粘度を測定し、これらの粘度から上記式(1)に基づいて得られる粘度変化率(ΔV)に基づいて判断することもできる。なお、粘度の測定温度は20℃とすることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物にこうした特性を付与するには、水溶性ポリウレタンと水溶性有機溶媒との混合物(以下、実質的な粘度変化のない状態に至る前のポリウレタン樹脂組成物を混合物というものとする。)の粘度を低下させるエージング工程を実施することができる。本発明において、エージングとは、物質が時間の経過とともに化学変化やその他の現象を起こす現象あるいはそのような現象を起こさせるための操作をいう。したがって、本発明におけるエージング工程は、エージングを実施しない場合と比較して水性インク組成物調製時および/または調製後において粘度などの液体の物性が改善ないし安定化できる程度に、前記混合物について時間を経過させる工程であれば足り、必ずしも外部から人為的になんらかの作用(温度等)を付与するものである必要はない。したがって、エージング工程は、工程間における待機あるいは保管時の雰囲気での一定時間の経過であってもよいし、独立する工程でなく他の工程に付随するものであってもよい。
水性インク組成物は、少なくとも、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性有機溶媒、水および顔料を含有している。また、水性インク組成物は、顔料分散液とポリウレタン樹脂組成物とこれら以外の残余のインク成分とを用いて製造することができる。
本インク組成物では、顔料は、好ましくは顔料分散液としてポリウレタン樹脂と混合される。顔料は、特に種類を限定しないで、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料として、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(たとえば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、蛍光顔料等の有機顔料等を挙げることができる。上記顔料は1種単独でも、2種以上併用して用いることもできる。
は、C.I.ピグメントレッド、5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、15:1、112、122、123、168、184、202、209及びC.I.ピグメントバイオレット19等を挙げることができ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、202、209及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物である。
顔料分散液等に用いられる顔料の分散剤として好ましい高分子材料としては、合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;ポリウレタン樹脂;スチレン−マレイン酸樹脂;スチレン−無水マレイン酸樹脂;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びこれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に、カルボキシル基(塩の形態であることが好ましい)を有する高分子化合物(例えば、上記のスチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体)、疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に合わせ持ったモノマーからなる重合体を用いることが好ましい。より好ましくは、スチレン−アクリル酸樹脂である。上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの塩が挙げられる。これらの(共)重合体は、重量平均分子量が3,000〜30,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜15,000である。
残余の成分としての水溶性有機溶媒には、ポリウレタン樹脂組成物に含有される水溶性有機溶媒を用いてもよいし、当該水溶性有機溶媒以外の別の水溶性有機溶媒を用いても、これらを組み合わせて用いてもよい。こうした水溶性有機溶媒としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、Mw2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプ
ロピレングリコール、イソブチレングリコール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、ピロリドン類が挙げられる。なお、多価アルコール類としてはより好ましくはグリセリンである。これらの水溶性有機溶媒は、水性インク組成物中の他成分のインク組成物への溶解性を向上させ、さらに記録媒体たとえば紙に対する浸透性を向上させ、さらにはノズルの目詰まりを有効に防止できるなどといった点において好ましい。こういった水溶性有機溶媒の添加量は適宜決定されてよいが、水性インク組成物中約1wt%以上約30wt%以下であることが好ましく、より好ましくは約5wt%以上約20wt%以下である。
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100・・・(1)
ただし、V0は静置期間開始時の粘度であり、Vは静置期間終了後の粘度である。
なお、静置期間は、所定温度で静置を開始したときから開始できる。例えば、水性インク組成物の製造時から開始することもできる。水性インク組成物の製造時とは、水性インク組成物がタンク内等で調製された時点(第一の時点)、タンクから貯留用容器に充填された時点(第二の時点)、あるいは水性インク組成物が包装容器あるいはそれに類した容器に充填された時点(第三の時点)とすることができる。
(エージング樹脂の調製)
水分散性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(分子量約6000)の樹脂固形分15%のポリウレタン樹脂組成物(樹脂溶液)の試料A〜Fを表1に示す組成となるように調製した。試料A〜Cは、溶液中に1,2−ヘキサンジオールを含有する実施例試料であり、試料D〜Fは、溶液中に1,2−ヘキサンジオールを含有しない比較例試料である。これらの試料A〜Fを密閉容器に充填し、表2に併せて示す各条件で静置してエージング工程を実施して、ポリウレタン樹脂水溶液A〜Fを得た。なお、樹脂水溶液A〜Cは、1,2−へキサンジオールを水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して33.3%含有していた。
果(測定温度20℃)を表2に示す。表2に示すように、1,2−ヘキサンジオールとともにエージングする実施例のポリウレタン樹脂水溶液A〜Cでは、エージング工程開始前において高い粘度を示すが、その後5日間経過後には顕著に粘度が低下し、その後ほぼ安定化した。一方、比較例のポリウレタン樹脂水溶液D〜Fは、エージング開始工程時及びその後いずれの時点においても実施例より低い粘度であったが、粘度の低下程度が小さくかつ緩慢であった。
次に、表3に示す組成の水性インク組成物を調製した。なお、これらの水性インク組成物は、いずれも、カーボンブラック含有量が0.4%未満のライトブラックインク組成物である。具体的には、以下の表3に記載の各ブラックインク組成物についての各配合成分を混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させることにより調製し、実施例3種及び比較例3種の計6種のブラックインク組成物とした。なお、表3に記載の水溶性樹脂(分散剤)としては、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量=15000;酸価=100)を用いた。また、AQ593は、ポリプロピレン型エマルジョン(ビックケミージャパン株式会社製)であり、BYK348は、シリコーン系界面活性剤である。さらに、表3において、各インクには、その他に全体を100wt%とする為の純水が含まれている。
次に、上記のようにして調製した実施例1〜3及び比較例1〜3の水性インク組成物を用いて、インク保存安定性の評価を行った。評価方法は、水性インク組成物を調製直後にインクパックに50cc封入し、70℃の環境下で6日間(144時間)放置した。放置前後のインク組成物の粘度を、Physica社製粘弾性試験機を用いて測定(測定温度20℃)し、次式により粘度変化率(ΔV)を求めた。粘度変化率を、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100
ただし、V0は、放置時の粘度であり、Vは6日経過時の粘度である。
評価A:インクの粘度変化が4%未満であった。
評価B:インクの粘度変化が4%以上7%未満であった。
評価C:インクの粘度変化が7%以上であった。
(エージング樹脂の調製)
水分散性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(分子量約6000)の樹脂固形分15%の水溶性ポリウレタン樹脂組成物(樹脂溶液)の試料2A〜2Hを表5に示す組成となるように調製した。試料2A〜2Fは、溶液中に1,2−ヘキサンジオールとグリセリンとを含有する実施例試料であり、試料2Gは1,2−ヘキサンジオールのみを含有する実施例試料であり、2Hは、溶液中に1,2−ヘキサンジオールを含有しない比較例試料である。これらの試料2A〜2Hを密閉容器に充填し、表5に併せて示す各条件で静置してエージング工程を実施して、ポリウレタン樹脂水溶液2A〜2Hを得た。なお、樹脂水溶液2A〜2Gは、1,2−へキサンジオールを水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して33.3%含有し、2A〜2Cはグリセリンを水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して33.3%含有し、2Dから2Fは同66.6%を含有していた。
こうしてエージングした各水溶性ポリウレタン樹脂水溶液2A〜2Hについて以下に示す方法で低温保存評価を行った。すなわち、ポリウレタン樹脂水溶液50mlをガラス瓶に封入し、−20℃の環境下で4日間放置し、放置前後のポリウレタン樹脂水溶液の粘度をPhysica社製粘弾性試験機を用いて測定し(測定温度20℃)、粘度変化率を算出した。
なお、低温評価は、以下の基準で行った。結果を表6に示す。
評価A:ポリウレタン樹脂水溶液の粘度変化が6%未満
評価B:ポリウレタン樹脂水溶液の粘度変化が6%以上10%未満
評価C:ポリウレタン樹脂水溶液の粘度変化が10%以上
次に、調製した水溶性ポリウレタン樹脂水溶液2A〜2Hを用いて表7に示す組成で水性インク組成物を調製した。なお、これらの水性インク組成物は、いずれも、カーボンブラック含有量が0.4wt%未満のライトブラックインク組成物である。具体的には、以下の表7に記載の各ブラックインク組成物についての各配合成分を混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させることにより調製し、実施例3種及び比較例3種の計6種のブラックインク組成物とした。なお、表7に記載の水溶性樹脂(分散剤)としては、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量=15000;酸価=100)を用いた。また、AQ593は、ポリプロピレン型エマルジョン(ビックケミージャパン株式会社製)であり、BYK348は、シリコーン系界面活性剤である。さらに、表7において、各インクには、その他に全体を100wt%とする為の純水が含まれている。
次に、上記のようにエージング工程を実施して調製した水溶性ポリウレタン樹脂水溶液2A〜2Hを用いて実施例4〜10及び比較例4の水性インク組成物を用いて、インク保存安定性の評価を行った。評価方法は、水性インク組成物を調製直後にインクパックに50cc封入し、70℃の環境下で6日間(144時間)放置した。放置前後のインク組成物の粘度を、Physica社製粘弾性試験機を用いて測定(測定温度20℃)し、次式により
粘度変化率(ΔV)を求めた。粘度変化率を、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100
ただし、V0は、放置時の粘度であり、Vは6日経過時の粘度である。
評価A:インクの粘度変化が4%未満であった。
評価B:インクの粘度変化が4%以上7%未満であった。
評価C:インクの粘度変化が7%以上であった。
(インク組成物の調製)
実施例IIで調製したエージング樹脂2E、2G及び2Hを用いて、表7に示す組成で実施例11〜20及び比較例5〜9の合計15種類の各種の水性カラーインク組成物を調製した。具体的には、以下の表9に記載の各カラーインク組成物についての各配合成分を混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させることにより調製した。なお、表9に記載の水溶性樹脂(分散剤)としては、スチレン−アクリル酸共重合体(分子量=15000;酸価=100)を用いた。
次に、実施例11〜10及び比較例5〜9の合計15種類のカラーインク組成物について、インク保存安定性の評価を行った。
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100
ただし、V0は、放置時の粘度であり、Vは6日経過時の粘度である。
評価A:インクの粘度変化が4%未満であった。
評価B:インクの粘度変化が4%以上7%未満であった。
評価C:インクの粘度変化が7%以上であった。
Claims (19)
- 水性インク組成物用のポリウレタン樹脂組成物であって、
水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含有し、
前記水溶性ポリウレタン樹脂を5wt%以上50wt%以下含有し、前記水溶性有機溶媒を前記水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して10wt%以上50wt%以下含有し、加熱を伴い60℃以上80℃以下で120時間以上216時間以下静置するエージングが施されて得られ、前記水溶性有機溶媒は、1種あるいは2種以上のジオール類である、実質的な粘度変化を有しない組成物。 - 前記水溶性有機溶媒は、1,2−ヘキサンジオールである、請求項1に記載の組成物。
- 水性インク組成物用のポリウレタン樹脂組成物であって、
水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含有し、
前記水溶性有機溶媒は1種又は2種以上のジオール類と1種又は2種以上のトリオール類とを含み、
前記水溶性ポリウレタン樹脂を5wt%以上50wt%以下含有し、前記トリオール類を、水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して10wt%以上100wt%以下含有し、加熱を伴い60℃以上80℃以下で120時間以上216時間以下静置するエージングが施されて得られる、実質的な粘度変化を有しない組成物。 - 前記トリオール類はグリセリンを含む、請求項3に記載の組成物。
- 前記ジオール類は1,2−ヘキサンジオールを含み、前記トリオール類はグリセリンを含む、請求項3又は4に記載の組成物。
- 前記水溶性有機溶媒を0.5wt%以上20wt%以下含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 前記ポリウレタン樹脂組成物の所定量を密封して70℃±3℃の恒温下で24時間静置し、該静置期間開始時の粘度(V 0 )と該静置期間終了後の粘度(V)を測定し、これらの粘度から下記式(1)に基づいて得られる粘度変化率(ΔV)が2.5%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
ΔV(%)=|V−V0|/V0×100・・・(1) - 前記水性インク組成物は、カーボンブラックを含有するブラックインク組成物であって、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%以上1.5重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の0.67倍以上2.5倍以下であり、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の7.5倍以上である水性インク組成物である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
- 水性インク組成物用のポリウレタン樹脂組成物の製造方法であって、
水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含み、前記水溶性ポリウレタン樹脂を5wt%以上50wt%以下含有し、前記水溶性有機溶媒を前記水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して10wt%以上50wt%以下含有する混合物の粘度を低下させる、60℃以上80℃以下で120時間以上216時間以下静置するエージング工程を備え、
前記水溶性有機溶媒は1種あるいは2種以上のジオール類である、製造方法。 - 水性インク組成物用のポリウレタン樹脂組成物の製造方法であって、
水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含み、前記水溶性有機溶媒は1種又は2種以上のジオール類と1種又は2種以上のトリオール類とを含み、前記水溶性ポリウレタン樹脂を5wt%以上50wt%以下含有し、前記トリオール類を、水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して10wt%以上100wt%以下含有する混合物の粘度を低下させる、60℃以上80℃以下で120時間以上216時間以下静置するエージング工程を備える、製造方法。 - 請求項9又は10に記載の水性インク用ポリウレタン樹脂組成物の製造方法によって得られる水性インク用ポリウレタン樹脂組成物。
- 水性インク組成物の製造方法であって、
以下の(a)〜(c):
(a)水と顔料とを含む顔料分散液、
(b)水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含有し、前記水溶性ポリウレタン樹脂を5wt%以上50wt%以下含有し、前記水溶性有機溶媒を前記水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して10wt%以上50wt%以下含有し、加熱を伴い60℃以上80℃以下で120時間以上216時間以下静置するエージングが施されて得られる、実質的な粘度変化を有しないポリウレタン樹脂組成物、及び
(c)前記(a)及び(b)以外の前記水性インク組成物の成分
を用いて前記水性インク組成物を調製する工程
を備え、
前記水溶性有機溶媒は1種あるいは2種以上のジオール類である、製造方法。 - 水性インク組成物の製造方法であって、
以下の(a)〜(c):
(a)水と顔料とを含む顔料分散液、
(b)水溶性ポリウレタン樹脂と水溶性有機溶媒と水とを含有し、前記水溶性有機溶媒は1種又は2種以上のジオール類と1種又は2種以上のトリオール類とを含み、前記水溶性ポリウレタン樹脂を5wt%以上50wt%以下含有し、前記トリオール類を、水溶性ポリウレタン樹脂固形分に対して10wt%以上100wt%以下含有し、加熱を伴い60℃以上80℃以下で120時間以上216時間以下静置するエージングが施されて得られる、実質的な粘度変化を有しないポリウレタン樹脂組成物、及び
(c)前記(a)及び(b)以外の前記水性インク組成物の成分
を用いて前記水性インク組成物を調製する工程
を備える、製造方法。 - 前記(a)の顔料分散液は、水分散性スチレン−アクリル酸樹脂を含有している、請求項12又は13に記載の製造方法。
- 前記水性インク組成物は、カーボンブラックを含有するブラックインク組成物であって、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%以上1.5重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の0.67倍以上2.5倍以下であり、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の7.5倍以上である、請求項12〜14のいずれかに記載の製造方法。
- カーボンブラックを含有するブラックインク組成物であって、
前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%以上1.5重量%未満のときには、水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の0.67倍以上2.5倍以下であり、前記カーボンブラックの含有量が0.4重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記カーボンブラックの含有量の7.5倍以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物を含有する、ブラックインク組成物。 - 有彩色顔料を含有するカラーインク組成物であって、
前記有彩色顔料の含有量が1.5重量%以上7重量%未満のときには、水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記有彩色顔料の0.04倍以上0.35倍以下であり、前記有彩色顔料の含有量が0.5重量%以上1.5重量%未満のときには、前記水溶性ポリウレタン樹脂の固形分含有量が前記有彩色顔料の0.67倍以上2.5倍以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物を含有する、カラーインク組成物。 - 請求項12〜15のいずれかに記載の水性インク組成物の製造方法によって得られる、水性インク組成物。
- 水性インク組成物であって、
顔料分散液に請求項1〜8のいずれかに記載のポリウレタン樹脂組成物を混合して得られる、組成物。
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