JP2008038075A - 水系顔料分散体及び水系顔料インクの製造方法及びこれを用いた記録装置、記録物 - Google Patents

水系顔料分散体及び水系顔料インクの製造方法及びこれを用いた記録装置、記録物 Download PDF

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Minoru Hakiri
稔 羽切
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裕二 名取
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Abstract

【課題】泡立ちが少なく、希釈時や保存時の安定性に優れたフタロシアニン系水系顔料分散体および該分散体を用いたインクジェット用インクを提供すること。
【解決手段】少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有することを特徴とする水系顔料分散体。
【選択図】図1

Description

本発明は、顔料の粒径が小さく、泡立ちが少なく、希釈時や保存時の安定性に優れたフタロシアニン系水系顔料分散体および該分散体を用いたインクジェット用インク等に関するものであり、印刷インキ等の顔料分散、機能性材料の分散に応用される。
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性、耐水性に劣り、普通紙でのにじみも大きい欠点があった。一方、カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性や耐水性に優れ、普通紙でのにじみも少なく好適である。
顔料系インクのうち、分散剤として界面活性剤を用いる界面活性剤分散型では顔料と分散剤を混合後、分散を行なうだけで分散体を得ることができ、かつ短時間で微粒子化できるため製造コストを安くすることができるが、他の方式で作られた顔料分散体と比較して泡立ちが大きく、保存安定性に劣る傾向がある。顔料分散体の泡立ちが大きいとインクの泡立ちも大きくなり、インク不吐出や、維持機構での泡発生によるクリーニング性低下につながる。特にヘッドの駆動方式がピエゾ方式である場合、サーマル方式と比較してインク流路の体積が大きく、流路に気泡が溜まりインク不吐出が生じやすいため、泡立ちは画像の乱れに直結する。さらに分散剤としてアニオン系のものを使用すると泡立ちが大きくなる傾向がある。ノニオン系の分散剤を用いるとアニオン系の分散剤を用いたものより泡立ちが小さくなる傾向があるが、フタロシアニン系の顔料ではノニオン系分散剤を使用した顔料分散体を純水で希釈すると凝集することが新たに判明した。通常、インクジェット用顔料インクは顔料分散体に各種材料を添加して製造するが、純水で希釈する際に凝集する分散体ではこのような製造工程でも凝集し、吐出安定性の低下、あるいは画像品位の低下の一因となる。
界面活性剤分散型の分散体を使用し、保存安定性を向上させる方法として、特許文献1(特許3390153号公報)、特許文献2(特開2000−239392号公報)、特許文献3(特開2003−96342号公報)等に記載されているように界面活性剤と高分子分散剤あるいはエマルジョン粒子を併用する方法があるが、確かに保存安定性は向上できるが界面活性剤系分散体の根本的な弱点である泡立ちに関しては何ら考慮されていない。
特許文献4(特開2001−192583号公報)ではPOE(n=40)β−ナフチルエーテルとジアルキルスルホサクシネート塩あるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩を併用しているが、分散体にアニオン系界面活性剤であるジアルキルスルホサクシネート塩あるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩を添加すると泡立ちが大きくなってしまい、このような分散体を使用したインクの泡立ちも大きくなってしまう。
特許3390153号公報 特開2000−239392号公報 特開2003−96342号公報 特開2001−192583号公報
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、泡立ちが少なく、希釈時や保存時の安定性に優れたフタロシアニン系水系顔料分散体および該分散体を用いたインクジェット用インクを提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有することで泡立ちの少なさと希釈時や保存時の安定性を両立できることを初めて見出し、本発明に至った。
上記課題は、以下に示す本発明によって解決される。
(1)「少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有することを特徴とする水系顔料分散体」、
(2)「前記ノニオン系分散剤が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種であることを特徴とする前記第(1)項に記載の水系顔料分散体;
Figure 2008038075
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、lは0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)」、
(3)「さらに平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョン(A)を含有することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の水系顔料分散体」、
(4)「前記ウレタン樹脂エマルジョン(A)がエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(5)「前記ウレタン樹脂エマルジョン(A)がカルボキシル基を含有する自己乳化型であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(6)「前記芳香族スルホン酸塩が芳香族スルホン酸塩ホルマリン縮合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(7)「前記顔料の平均粒子径(D50)が10nm以上、150nm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(8)「前記顔料に対するノニオン系分散剤の含有量が5重量%以上、100重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(9)「前記顔料に対する芳香族スルホン酸塩の含有量が0.05重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(10)「前記顔料に対するウレタン樹脂エマルジョン(A)の含有量が3重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする前記第(2)項乃至第(9)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(11)「水系顔料分散体中の固形分濃度の総量が6重量%以上、25重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(12)「前記ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩以外のノニオン系またはアニオン系の界面活性剤をさらに含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(13)「さらに1種以上の樹脂エマルジョン(B)を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の水系顔料分散体」、
(14)「前記樹脂エマルジョン(B)がアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂のうちのいずれかであることを特徴とする前記第(13)項に記載の水系顔料分散体」、
(15)「水系顔料分散体を製造する方法であって、該水系顔料分散体は少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有し、かつ該ノニオン系分散剤として前記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を用い、該顔料とノニオン系および(または)芳香族スルホン酸塩を混合、分散後、ウレタン樹脂エマルジョン(A)を混合することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法」、
(16)「前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載の水系顔料分散体を使用したことを特徴とするインクジェット用インク」、
(17)「インクジェット用インクの製造方法であって、少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を用い、該顔料とノニオン系および(または)芳香族スルホン酸塩を混合、分散後、ウレタン樹脂エマルジョン(A)を混合することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法」、
(18)「前記第(16)項に記載のインクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ」、
(19)「前記第(16)項に記載のインクを吐出させるヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット装置」、
(20)「前記ヘッドの駆動方式がピエゾ方式であることを特徴とする前記第(19)項に記載のインクジェット装置」、
(21)「前記第(16)項に記載のインクを用い、インクジェットプリンタで印字することを特徴とする画像形成方法」、
(22)「前記第(16)項に記載のインクを用い、記録を行なう方式のインクジェットプリンタで印字された画像形成物」。
本発明の水系顔料分散体は製造コストに優れた界面活性剤分散型の分散体であり、泡立ちが少なく、希釈時や保存時の安定性に優れている。またこの分散体を用いたインクは吐出安定性に優れている。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明のフタロシアニン系水系顔料分散体は、少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有することを特徴とする水系顔料分散体である。
フタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤に芳香族スルホン酸塩を添加することにより純水希釈時の凝集を抑制することができる。単純に任意のノニオン系分散剤と任意のアニオン系分散剤を併用しただけでは泡立ちを抑制することはできず、またフタロシアニン系顔料を芳香族スルホン酸塩で分散しても分散が進まない。
本発明で用いられるフタロシアニン系の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、ピグメントブルー16、ピグメントブルー17、ピグメントブルー75、ピグメントブルー79、ピグメントグリーン7、13、36等が挙げられる。
本発明におけるノニオン系分散剤としては顔料種別に応じて適宜選択できるが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンαナフチルエーテル、ポリオキシエチレンβナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。また、上記の分散剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えた分散剤やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた分散剤も使用できる。
ノニオン系分散剤のHLBは12以上19.5以下のものが好ましく、13以上19以下のものがより好ましい。HLBが12未満だと分散剤の分散媒へのなじみが悪いため分散安定性が悪化する傾向があり、HLBが19.5を超えると分散剤が顔料に吸着しにくくなるためやはり分散安定性が悪化する傾向がある。
ノニオン系分散剤としては上記一般式(1)で示される化合物(即ち、前記ポリオキシエチレンαナフチルエーテル、ポリオキシエチレンβナフチルエーテル等)を用いることが特に好ましい。この化合物を用いて分散することにより顔料の微粒子化を達成し、画像の彩度を向上させることができる。エチレンオキサイドの重合度nは好ましくは20以上200以下、より好ましくは25以上60以下である。nが20未満では分散安定性が低下して顔料の平均粒径が大きくなり、画像の彩度が低下する傾向にあり、200を超えるとインクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
本発明の芳香族スルホン酸塩は芳香環にスルホン酸を導入し、塩基性化合物で中和したものであり、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等をブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、コリン等で中和したものを挙げることができる。また塩基性化合物としてトリスヒドロキシルメチルアミノメタン、グッドバッファー等の緩衝剤を用いてもよい。また芳香族スルホン酸塩をホルマリン等で縮合させた物質も使用できる。
本発明の顔料分散体は平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョン(A)を含有することにより、インク化する際に高浸透性の界面活性剤を添加しても保存安定性を確保することができる。
本発明におけるウレタン樹脂エマルジョンは少なくともポリイソシアネートとポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール等を重合させたものである。
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、ポリオメガ−ヒドロキシカプロン酸ポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)および/またはヘキサンジオール−(1,6)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのようなジオールとホスゲン、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートまたはエチレンもしくはプロピレンカーボネートのような環状カーボネートとの反応から得られる生成物のような、それ自体、公知であるものが含まれる。上述のポリエステルまたはポリラクトンとホスゲン、ジアリールカーボネートまたは環状カーボネートとから得られるポリエステルカーボネートもまた好適である。
ウレタン樹脂エマルジョン(A)の粒径は10nm以下が好ましく、8nm以下がさらに好ましい。ウレタン樹脂エマルジョン(A)の粒径が10nmを超えるとインクの保存安定性が低下する傾向がある。
本発明における樹脂エマルジョンの平均粒径は、日機装社製マイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の樹脂濃度が0.1重量%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した50%平均粒径(D50)のことである。
顔料分散体及びインクからウレタン樹脂エマルジョン(A)を単離する方法としては公知の濾過技術を用いることができ、限外濾過や精密膜濾過、クロスフロー濾過等の手法で分離することができる。また遠心分離法およびクロマト法も適用できる場合がある。
本発明のウレタン樹脂エマルジョン(A)はエーテル系が好ましい。ウレタン樹脂エマルジョン(A)がエーテル系以外では十分な保存安定性が確保できないため高温保存時に分散体およびインクの凝集、増粘が起こりやすい傾向がある。
ウレタン樹脂エマルジョン(A)はスルホニル基、カルボキシル基、ポリエチレンオキサイドのような親水基を有する自己乳化型ウレタン樹脂エマルジョンが好ましく、カルボキシル基を有する自己乳化型ウレタン樹脂エマルジョンが特に好ましい。ウレタン樹脂エマルジョンに親水基を導入することにより更なる保存安定性の向上を図ることができる。ウレタン樹脂エマルジョンに親水基を導入する方法としては合成の際にジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸等のモノマーを添加、共重合する方法が挙げられる。
カルボキシル基またはスルホニル基を有する自己乳化型ウレタン樹脂エマルジョンを使用する場合、分散体およびインク中においてウレタン樹脂の水性媒体への分散性を高めるために塩基性化合物を含有していても良い。このような塩基性化合物としては上記芳香族スルホン酸塩を中和するのに用いられる塩基性物質、あるいはその他の塩基性物質を使用できる。
塩基性化合物の添加量は使用するウレタン樹脂の物性や使用量、インクとして適したpHに応じて適宜設定され、単独または2種以上を混合して用いても良い。
ウレタン樹脂エマルジョン(A)の製造方法としては、イソシアネート基と反応しない低沸点溶剤(アセトン等)中でイソシアネート末端プレポリマーを合成し、ジアミン、ポリオールなどで親水基を導入後、水で希釈し相転換させ、溶剤は留去させてウレタンディスパージョンを得る溶液法、親水基を導入したイソシアネート基末端プレポリマーを最初に合成し、水中に分散後、アミンで鎖延長を行なうプレポリマー法、その他ホットメルト法、ウレタンプレポリマーを乳化剤水溶液中で媒体である水を鎖延長剤として使用する方法、疎水性ポリオールと芳香族ポリイソシアネートから得られる遊離イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの芳香環をスルホン化する工程を経る方法、ブロックイソシアネートを使用する方法等、色々と知られているが、特に限定されるものではない。
特にウレタン系樹脂をプレポリマー法によって合成してもよく、その際、低分子量のポリヒドロキシ化合物を使用してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、上記のポリエステルジオールの原料として挙げたグリコール及びアルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、そのアルキレンオキシド低モル付加物などが挙げられる。
水系ウレタン樹脂の場合、有機溶剤相で作成したウレタンプレポリマーを転相・乳化し水相でさらに鎖延長させる方法が一般的に知られている。この際の鎖伸長剤としてジアミン等のポリアミン類が一般的である。具体的には、ウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後または中和しながら水延長または若しくはトリアミン延長する。アミン延長の際に鎖伸長剤として使用するポリアミン類としては、通常ジアミン又はトリアミンが挙げられる。また、その具体例としてはヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等が挙げられる。
上記のウレタン樹脂エマルジョン(A)の粒径をコントロールする方法としては、カルボキシル基含有モノマーやポリオールの比率を変える方法や重合時の攪拌強度や温度をコントロールする方法が挙げられる。
水系顔料分散体中の顔料の平均粒径は10nm以上150nm以下が好ましく、20nm以上100nm以下がより好ましく、30nm以上80nm以下がさらに好ましい。顔料の平均粒径が150nmを超えると印写画像の彩度が低下するのみならずインク保存時の増粘凝集や印写時のノズルの詰まりが生じやすくなる。また顔料の粒径が10nm未満では耐光性が低下するのみならず保存安定性も悪化する傾向がある。
本発明における顔料の平均粒径は、日機装社製マイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の顔料濃度(重量濃度)が0.01%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した50%平均粒径(D50)のことである。
顔料に対するノニオン系分散剤の含有量は5重量%以上100重量%以下であることが好ましく、10重量%以上50重量%以下がさらに好ましく、15重量%以上40重量%以下がより好ましい。顔料に対するノニオン系分散剤の含有量が5%未満だと分散が困難になり、100%を超えるとインクの粘度が高くなりすぎるため吐出安定性に劣る傾向がある。
顔料に対する芳香族スルホン酸塩の含有量は0.05重量%以上10重量%以下が好ましく、0.1重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。顔料に対する芳香族スルホン酸塩の含有量が0.05重量%未満だとインク調合時に顔料が凝集してしまう傾向があり、10重量%を超えると分散体の保存安定性が劣る傾向がある。
顔料に対するウレタン樹脂エマルジョン(A)の含有量が3重量%以上20重量%以下であることが好ましく、5重量%以上15重量%以下がさらに好ましい。顔料に対するウレタン樹脂エマルジョン(A)の含有量が3重量%未満だと十分な保存安定性を確保することが困難であり、20重量%を越えるとやはりインクの粘度が高くなりすぎるため吐出安定性が劣る傾向がある。
本発明の顔料分散体の製造方法としては、最初にフタロシアニン系の顔料とノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水や必要に応じて水溶性有機溶剤等の混合物を攪拌羽根やホモジナイザー、ビーズレス分散機でプレミックス後、サンドミル、ボールミル、ダイノーミル、ロールミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で分散、その後必要に応じて顔料分散体とウレタン樹脂エマルジョン(A)を混合する方法が望ましい。顔料分散体とウレタン樹脂エマルジョン(A)の混合前に他の材料を混合すると凝集、増粘することがある。また本発明のインクジェット用インクの製造方法としては、上記分散体にインクとして必要な材料を混合する方法が望ましい。この際、混合順は分散体にインク材料を投入、あるいはインク材料に分散体を投入、のいずれも可能である。また、顔料分散体および(または)インクをフィルター、遠心分離装置等で粗大粒子を濾過することで、インクの吐出安定性を確保することができる。
インク中の固形分濃度の総量は6重量%以上25重量%以下が好ましく、7重量%以上20重量%以下がさらに好ましく、8重量%以上15重量%以下がより好ましい。固形分濃度の総量が6重量%未満では印写画像のにじみが大きくなる傾向があり、25重量%を超えると保存安定性が劣化する傾向がある。
本発明における固形分濃度の総量とは、インク中に含まれる水や水溶性有機溶剤等の混合物に溶けない成分の総量であり、顔料や樹脂エマルジョン等が含まれる。インク中の固形分濃度の総量を割り出す方法はインクを遠心分離機にかけて固形分を沈降又は浮遊させて分離し、重量を計測する方法、またはインクに凝集剤を添加して固形分を凝集させ、インクから分離して重量を計測する方法等が挙げられる。
本発明のインクジェット用インクには紙への浸透性を向上させ、インクに速乾性を付与するためにノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩以外のノニオン系、またはアニオン系の界面活性剤をさらに含有することが可能である。ただしアニオン系界面活性剤を添加すると泡立ちが大きくなる傾向があるのは前述の通りである。これら高浸透性の界面活性剤をインクに添加すると保存安定性の低下を招く傾向があるが、本発明のインクジェット用インクではこのような界面活性剤を添加しても保存安定性を確保することが可能である。
ノニオン系またはアニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。これらのうち、特に疎水基が複数存在するノニオン性界面活性剤、あるいは疎水基が分岐しているノニオン性界面活性剤はインクの保存安定性を阻害しやすい傾向があるが、本発明のインクはこれらの界面活性剤と組み合わせても保存安定性を確保することができる。
上記界面活性剤の添加量は0.05重量%以上10重量%以下が好ましく、0.1重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。0.05重量%未満では十分な浸透性が得られないため2色重ね部での境界にじみが発生し、10重量%を超えると化合物自体が低温で析出することがあり信頼性が悪くなる。
本発明においては、ウレタン樹脂エマルジョン(A)以外にも必要に応じてさらに1種類以上の樹脂エマルジョン(B)を含有することが可能である。
樹脂エマルジョン(B)としてはアクリル酸(又はメタクリル酸)あるいはその誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸、又はメタアクリル酸メチル等)の重合体若しくは共重合体であるアクリル酸系ポリマー、スチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂、あるいはスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−ビニルアセテート(EVA)、若しくはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム系ポリマー、でんぷん、変性でんぷん、ゼラチン、カゼイン、若しくは大豆蛋白などの天然高分子化合物、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、若しくはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のセルロース変性ポリマー、あるいはポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリアセタール樹脂、グアーガム、ポリエステル、ポリビニルピロリドン、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等を挙げることができる。これらのうち、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂が定着性、画質、保存安定性の観点から特に好ましい。
インクのpHとしては5以上12以下が好ましく、6以上11以下がより好ましく、7以上10以下がさらに好ましい。pHが5未満、あるいは12を超えるとインクの保存時に凝集・増粘が生じやすくなる傾向がある。なお、本発明におけるpHは東亜電波社製pHメーター HM−50Vで25℃の条件で測定した値である。
pHの調整方法としては、上記ウレタン樹脂エマルジョンのカルボキシル基あるいはスルホニル基の中和で例示されているアルカリの他、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、炭酸等の酸、尿素等を添加することにより可能である。
本発明のインクは水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の溶解安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶剤を使用することができる。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペンタエリスリトオール等の多価アルコール、上記多価アルコールと上記アルコールを脱水縮合して得られるモノエーテル誘導体及びジエーテル誘導体、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールフェニルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチルー2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ―ブチロラクトン類である。これらの溶剤は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
これらの中で特に好ましいものはジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、ペンタエリスリトオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン,N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1、3ジメチルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより本化合物の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
水溶性有機溶剤の添加量としては10%以上50%以下が好ましい。水溶性有機溶剤が10%未満だと乾燥後の粘度が高くなり、50%を越えるとインクの粘度が高くなるばかりでなく、印字した際に文字品質が低下する傾向にある。
また、本発明のインクに添加する界面活性剤以外で表面張力を調整する目的で添加される浸透剤としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、2−エチル−1,3ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられるが、特に好ましいのは多価アルコールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモノブチルエーテル、炭素数6以上のジオールとして2−エチル−1,3ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル1,3ペンタンジオールである。ジオール類は水不溶性色材の凝集が発生しにくいということで好適である。添加量はその種類や所望の物性にもよるが0.1重量%以上20重量%以下、好ましくは0.5重量%以上10重量%以下の範囲で添加される。0.1重量%未満では浸透性が不充分であり、20重量%を越えると粒子化特性に悪影響を及ぼす。またこれらの添加によりインクジェットヘッド部材や記録器具への濡れ性も改善され、充填性が向上し気泡による記録不良が発生しにくくなる。
本発明のインクジェット用インクには、上記の材料のほかに従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、イソチアゾリン等が本発明に使用できる。
その他キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等がある。
その他、目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、消泡剤、pH緩衝剤等を添加することも可能である。
また必要に応じ染料の併用も可能である。好ましい染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
本発明のインクを収容するインクカートリッジとしては、カートリッジに充填してキャリッジの上に搭載するタイプ、あるいは袋形状でキャリッジとは離れた場所に設置し、ヘッドにパイプ等でインクを供給するタイプのいずれも使用可能である。
上記のインクを印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等、いずれの方法でも使用できるが、本インクは泡立ちが少ないので特にピエゾ方式のプリンタに好適に使用することができる。例えば図1に示されるようなインクジェット装置に適用することができる。
図1に図示するように、このインクジェット装置(50)は、紙送りモータ(51)によって用紙(52)を搬送する機構と、キャリッジモータ(53)によってキャリッジ(54)をプラテン(55)と対向しながら往復動させる機構と、キャリッジ(54)に搭載された印刷ヘッド(56)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、ヘッドにインクを供給するためのカラーインクカートリッジ(63)および黒インクカートリッジ(65)と、カートリッジを保持するための仕切り板(64)と、これらの紙送りモータ(51)、キャリッジモータ(53)、印刷ヘッド(56)および操作パネル(57)との信号のやり取りを司る制御回路(58)とから構成されている。
記録媒体である用紙(52)を搬送する機構は、紙送りモータ(51)の回転をプラテン(55)のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える。また、キャリッジ(54)を往復動させる機構は、プラテン(55)の軸と並行に架設され、キャリッジ(54)を摺動可能に保持する摺動軸(59)と、キャリッジモータ(53)との間に無端状の駆動ベルト(60)を張設するプーリ(61)と、キャリッジ(54)の原点位置を検出する位置検出センサ(62)等から構成されている。
なお、制御系については、図示しないが、インクジェット装置内に設けられた制御回路は、例えば、周知のCPU、プログラムなどを記憶したP−ROM、RAM、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)などを中心とする算術論理演算回路として構成されており、この他、外部のモータ等とのインタフエースを専用に行なうI/F専用回路、このI/F専用回路に接続され印刷ヘッド(56)を駆動するヘッド駆動回路、同じく紙送りモータ(51)およびキャリッジモータ(53)を駆動するモータ駆動回路等を備える。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
(顔料分散体の製造方法)
下記表2に示す顔料、表3に示す分散剤、表4に示す芳香族スルホン酸塩、或いは表5に示すアニオン系界面活性剤、純水を表1に示す処方で計量、プレミックス後、シンマルエンタープライゼス社製ダイノーミルで0.3μmジルコニアビーズを用い30分分散、ビーズと液体を分離後、表6に示すウレタン樹脂エマルジョンを添加し、実施例1〜4、比較例1〜4の顔料分散体を得た。
Figure 2008038075
Figure 2008038075
Figure 2008038075
Figure 2008038075
Figure 2008038075
Figure 2008038075
上記実施例1〜4、比較例1〜4の顔料分散体を用い、下記の評価を行なった。結果を表8に示す。
(1)分散体の平均粒径確認
顔料分散体を純水で1500倍に希釈し、平均粒径を日機装社製マイクロトラックUPA−150で測定した。
(2)泡立ち評価
上記顔料分散体のうち、純水希釈時に凝集しなかったものを用い、顔料分散体10mlを50mlのガラス瓶にいれ、振盪機マルチシェーカーMMS−100型(東京理化機器社製)で220rpm、3分振とう後1分静置し、直径1mm以上の泡の個数を確認した。
(3)インク評価
上記顔料分散体のうち、純水希釈時に凝集しなかったものを用い、表7に示す処方でインクを作成、真空脱気後、リコー社製IPSiO G707用インクパックに充填してインクカートリッジを作成、IPSiO G707にセットし、プリンタドライバの設定を「用紙種類『普通紙』、印刷品質『標準(はやい)』」に設定してベタ画像を印写し、画像の乱れを確認した。
○:抜け、乱れなし
△:一部抜け、乱れあり
×:抜け、乱れあり
Figure 2008038075
Figure 2008038075
本発明に係るインクジェット装置の図である。
符号の説明
50 インクジェット装置
51 紙送りモータ
52 用紙
53 キャリッジモータ
54 キャリッジ
55 プラテン
56 印刷ヘッド
57 操作パネル
58 制御回路
59 摺動軸
60 駆動ベルト
61 プーリ
62 位置検出センサ
63 カラーインクカートリッジ
64 仕切り板
65 黒インクカートリッジ

Claims (22)

  1. 少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有することを特徴とする水系顔料分散体。
  2. 前記ノニオン系分散剤が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の水系顔料分散体。
    Figure 2008038075
    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、lは0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)
  3. さらに平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョン(A)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水系顔料分散体。
  4. 前記ウレタン樹脂エマルジョン(A)がエーテル系ウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  5. 前記ウレタン樹脂エマルジョン(A)がカルボキシル基を含有する自己乳化型であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  6. 前記芳香族スルホン酸塩が芳香族スルホン酸塩ホルマリン縮合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  7. 前記顔料の平均粒子径(D50)が10nm以上、150nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  8. 前記顔料に対するノニオン系分散剤の含有量が5重量%以上、100重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  9. 前記顔料に対する芳香族スルホン酸塩の含有量が0.05重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  10. 前記顔料に対するウレタン樹脂エマルジョン(A)の含有量が3重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  11. 水系顔料分散体中の固形分濃度の総量が6重量%以上、25重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  12. 前記ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩以外のノニオン系またはアニオン系の界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  13. さらに1種以上の樹脂エマルジョン(B)を含有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の水系顔料分散体。
  14. 前記樹脂エマルジョン(B)がアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ウレタン樹脂のうちのいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の水系顔料分散体。
  15. 水系顔料分散体を製造する方法であって、該水系顔料分散体は少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を含有し、かつ該ノニオン系分散剤として前記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を用い、該顔料とノニオン系および(または)芳香族スルホン酸塩を混合、分散後、ウレタン樹脂エマルジョン(A)を混合することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法。
  16. 請求項1乃至14のいずれかに記載の水系顔料分散体を使用したことを特徴とするインクジェット用インク。
  17. インクジェット用インクの製造方法であって、少なくともフタロシアニン系の顔料、ノニオン系分散剤、芳香族スルホン酸塩、水を用い、該顔料とノニオン系および(または)芳香族スルホン酸塩を混合、分散後、ウレタン樹脂エマルジョン(A)を混合することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
  18. 請求項16に記載のインクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  19. 請求項16に記載のインクを吐出させるヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット装置。
  20. 前記ヘッドの駆動方式がピエゾ方式であることを特徴とする請求項19に記載のインクジェット装置。
  21. 請求項16に記載のインクを用い、インクジェットプリンタで印字することを特徴とする画像形成方法。
  22. 請求項16に記載のインクを用い、記録を行なう方式のインクジェットプリンタで印字された画像形成物。
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