JP6697683B2 - インク、液体収容容器、液体吐出方法、および液体を吐出する装置 - Google Patents

インク、液体収容容器、液体吐出方法、および液体を吐出する装置 Download PDF

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Description

本発明は、インク、液体収容容器、液体吐出方法、および液体を吐出する装置に関する。
インクジェットプリンターは、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易などの利点を有するため、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。近年では、家庭用のみならず、例えばディスプレイ、ポスター、掲示板など産業用途にも利用されている。
しかし、産業用途の場合、記録媒体は紙に限定されず透明なものから着色されたものまで幅広い。これらの媒体に白を表現する場合やカラーインクで着色する場合、記録媒体の透明性をインクで隠蔽したり、記録媒体の色をインクで十分に隠蔽する必要がある。そこでこのような透明媒体や着色媒体を白色にするため白色インクが用いられている。また、カラーインクを用いる場合は、一般的な画像に用いるカラーインクと共通化するため、記録媒体にカラーインクの下地として白色インクを印字してカラーの発色を向上させている。
白色インク用の顔料としては、隠蔽力、着色力等に優れた白色顔料である二酸化チタンが広く用いられている。二酸化チタンを用いて高い隠蔽力を得るには可視光を散乱させるために、粒径およそ200nmから300nmの範囲に分散させる必要がある。しかし、二酸化チタンは、比重がインク媒体と比較して大きいために沈降しやすく、さらに、水性インクやソルベント系インクなどの低粘度インク中では沈降速度が速くなる。また、二酸化チタンが沈降すると最密充填構造を形成するために再度分散させることは困難である。
このような課題に対して、中空粒子を用いたインクが報告されている。中空粒子はインク中では空孔部にインク媒体が存在することになるため、見かけの比重が小さくなり、沈降しにくくなる。また、中空粒子の隠蔽性は、塗膜乾燥後の中空シェルとインク成分の抜けた空孔の屈折率差を利用して得られる。
例えば、特許文献1では、白色中空粒子を含有するインクが提案されている。
また、特許文献2では、白色顔料として無機又は無機有機混合型中空粒子を含有する放射線硬化型インクが提案されている。
また、特許文献3では、中空構造を有する有機粒子と、中空構造を有する無機粒子を含有するインクが提案されている。
しかし、従来の中空粒子を用いたインクは、耐溶剤性に乏しく、所望の隠蔽性は得られなかった。
本発明は、高い分散安定性、隠蔽性および耐溶剤性を有するインクの提供を目的とする。
上記課題は、下記(1)の構成により解決される。
(1)水と、酸化ケイ素を含む無機中空粒子と、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとを含むインク。
本発明によれば、高い分散安定性、隠蔽性および耐溶剤性を有するインクが提供される。
インクジェット記録装置の一例を示す斜視説明図である。 インクジェット記録装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。 インクカートリッジを示す概略図である。 図3のインクカートリッジのケース(外装)も含めた概略図である。
本発明は、下記(1)に示されるインクに係るものであるが、発明の実施形態としては下記の(2)〜(8)を含むものである。
(1)水と、酸化ケイ素を含む無機中空粒子と、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとを含むインク。
(2)前記インクのpHが8.0以上10.0未満である前記(1)記載のインク。
(3)グッド緩衝剤を含む前記(1)または(2)に記載のインク。
(4)前記酸化ケイ素を含む無機中空粒子の50%累積体積粒径が50nm以上350nm以下である前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のインク。
(5)前記酸化ケイ素を含む無機中空粒子の90%累積体積粒径が1μm未満である前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のインク。
(6)前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のインクを容器中に収容してなる液体収容容器。
(7)前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のインクを難吸水性記録媒体に吐出する工程と、加熱乾燥して難吸水性記録媒体に吐出されたインクを定着する定着工程とを有する液体吐出方法。
(8)前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のインクを難吸水性記録媒体に吐出する吐出手段と、難吸水性記録媒体上に吐出したインクを加熱乾燥してインクを定着する定着手段とを有する液体を吐出する装置。
本発明に用いるインクは、水と、酸化ケイ素を含む無機中空粒子と、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとを含んで構成される。
上記特許文献1記載の白色中空粒子は、スチレン等の樹脂を骨格とするものであるため耐溶剤性に乏しく、インク成分に溶解性の強い溶剤を含む場合や、印字後の乾燥条件によっては中空構造を維持することができず透明化が発生し、所望の隠蔽性は得られない。
また、上記特許文献2記載の硬化型インクの場合には中空粒子の空孔部に重合性成分が残存したまま硬化するために所望の隠蔽性は得られない。
上記特許文献3に記載のインクも、特許文献1と同様に中空構造を有する有機粒子は耐溶剤性に乏しく、インク成分に溶解性の強い溶剤を含む場合や、印字後の乾燥条件によっては中空構造を維持することができず透明化が発生し、所望の隠蔽性は得られない。
インク中に、水と、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールと、酸化ケイ素を含む無機中空粒子とを含有させることにより、高い分散安定性と隠蔽性および耐溶剤性を有するインクが得られる。
前記インクのpHは、接液する金属部材の腐食防止の観点から、8.0以上10.0未満であることが好ましい。ニッケルなどの金属部材の溶解性を抑制するために8.5以上がより好ましく、酸化ケイ素由来のシリコンの溶出を抑制するために9.5未満がより好ましい。また、更にグッド緩衝剤を含むことが好ましい。
<無機中空粒子>
前記無機中空粒子としては、酸化ケイ素(SiOx)を構成成分に含むことを特徴としている。酸化ケイ素はテトラエトキシシランやテトラメトキシシランのような有機ケイ素化合物や、珪酸塩などの無機ケイ素化合物を出発物質として自由に粒子設計することが出来る。またインク中での沈降性の点から、無機中空粒子としては比重の小さい酸化ケイ素を利用すること好ましく、さらに酸化ケイ素は中空粒子のシェルの厚み(シェル厚)や空孔径を制御することが比較的容易である。よって、無機中空粒子としては酸化ケイ素であることが好ましい。
前記中空粒子は、二酸化ケイ素を含む無機中空粒子であることが好ましく、基本構造がSiO2であることがより好ましい。TEOSなどのゾルゲル工法で得られた中空粒子は、構造が完全なSiO2ではなく、一部欠陥を有してSiOx(SiOx=SiO2+SiOy、X=2.0〜2.4ぐらい)の構造をとると考えられているが、そのような中空粒子であっても良い。X=2.0に近いほどSi間の−O−架橋が密になり強度が上がる。
酸化ケイ素を含む無機中空粒子はSiO2の基本骨格を有していることで非晶質な構造を取りやすくなる。中空粒子における好ましい量は、SiO2が50mol%以上、好ましくは80mol%以上である。
酸化ケイ素以外の無機中空粒子構成成分としては特に限定されることはないが、例えば、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウムなどの酸化物、窒化物、酸化窒化物などを利用することができる。塗膜の隠蔽性の点からは、屈折率の高い酸化チタンが好ましい。中空粒子では、粒子表面の散乱以外に中空粒子の外郭に相当するシェルと内部の空孔との散乱が得られるため、屈折率で酸化チタンに劣る酸化ケイ素などの他の材料でも隠蔽性を発現することができる。
また他の元素も固溶したSixZryzやSixAlyzもSiOx成分が存在する場合も、SiOx由来のケイ酸イオンの溶出がpHに応じて引き起こされる。この場合も、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを添加し、pH調整することによりSiOx溶出を抑制する効果がある。
無機中空粒子は、インク中で沈殿または浮上や、分離しないためにインク液の比重と近い比重とすることが好ましく、そのため無機中空粒子のシェル厚は4nm以上20nm以下であることが好ましく、6nm以上18nm以下であることがさらに好ましい。シェル厚が4nm以上であることにより、分散工程に負荷されたエネルギーによる中空構造の崩壊が防止され、高い隠蔽性が得られ、またインク中での沈降も防止される。シェル厚が20nm以下であることにより、無機中空粒子としての比重を小さく維持でき、インク中での沈降が防止される。また、無機中空粒子の内径(空孔径)と外径(一次粒子径)の比(内径/外径)が0.75以上0.95以下であることが好ましい。前記比率が、0.75以上であると中空シェルと内部の空孔との散乱が十分得られ、高い隠蔽性が得られ、さらに内部空孔により沈降しにくくなり、0.95以下であると、中空シェルの強度が得られ、分散時のエネルギー負荷においても構造を維持することが可能であり、高い隠蔽性と、沈降しにくく高い分散安定性が得られる。
無機中空粒子の個数平均一次粒子径としては、20nm以上200nm未満であることが好ましい。個数平均一次粒子が20nm以上であると、中空シェルと内部の空孔との散乱により塗膜の隠蔽性を確保することができ、200nm未満であるとインク中で沈降しにくくなり高い分散安定性を期待することができる。なお、前記個数一次平均粒子径と前記シェル厚としては、透過型電子顕微鏡(日本電子製、「JEM−2100F」)を用いて、3万倍視野での一次粒子200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の2本の平行線の間隔にある一定方向径を測定して、その累積分布の平均値から求めることができる。
インク中の無機中空粒子の50%累積体積粒径(D50)としては、50nm以上350nm以下が好ましい。さらには100nm以上300nm以下であることがより好ましい。前記50%累積体積粒径(D50)が50nm以上であると、塗膜の隠蔽性を得ることができ、350nm以下であると、二次凝集による粒子間の束縛溶媒による見かけの比重の増加を抑制することができ、沈降しにくく高い分散安定性を得ることができる。なお、ここで記載するインク組成物の50%累積体積粒径(D50)はインク組成物中での二次粒子径であり、この値が上記を満足することにより本発明の効果をより高くすることができる。
前記無機中空粒子の累積10%粒子経(D10)、累積50%粒子経(D50)、及び累積90%粒子経(D90)は、無機中空粒子の直径、存在数を求める測定を行い、結果を統計的に処理して得られる粒径加積曲線から、総質量の10%となるときの粒子の直径を累積10%粒子経(D10)、総質量の50%となるときの粒子の直径を累積50%粒子経(D50)、総質量の90%となるときの粒子の直径を累積90%粒子経(D90)とした値である。前記無機中空粒子の直径は、無機中空粒子自身の直径であってもよいし、無機中空粒子がコロイド状で分散している場合には、前記粒子コロイドの直径であってもよい。
前記無機中空粒子の直径は、溶媒中分散状態であるなら、例えば、動的光散乱法に基づく粒子径分布測定装置を使用することによって求めることができる。動的光散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、ナノトラック Wave−UT151(マイクロトラック・ベル株式会社製)、ナノトラック Wave−EX150(日機装株式会社製)、ELSZ−2、DLS−8000(以上、大塚電子株式会社製)、LB−550(株式会社堀場製作所製)などが挙げられる。
なお、これら以外でも電子顕微鏡法によって測定することができる。前記電子顕微鏡により無機中空粒子の写真を得て、この写真を画像処理して計測することにより、無機中空粒子の直径を求めることができる。一例として、写真よりランダムに写真中の50個以上の無機中空粒子の面積を求め、同等となる円の直径を計算し粒子径として求める。そして得られた粒子径から粒径加積曲線を求めることができる。
インク中の無機中空粒子の90%累積体積粒径(D90)としては、1μm以下が好ましい。さらには600nm以下であることがより好ましい。前記90%累積体積粒径(D90)が1μm以下であると、インクの乾燥やインク中の異物によって粒子の凝集が引き起こされてもノズル径を上回る凝集を起こさずノズル詰まりを起こさない。またD90が600nm以下であると凝集物の大きさがヘッド内流路やノズルに対して充分に小さいため、安定した吐出をすることが出来る。なお、ここで記載するインク組成物の90%累積体積粒径(D90)はインク組成物中での二次粒子径であり、この値が上記を満足することにより本発明の効果をより高くすることができる。90%累積体積粒径(D90)は、上記50%累積体積粒径(D50)と同様の測定にて計測することが出来る。
無機中空粒子のインク中の含有量としては、3質量%以上12質量%以下であることが好ましく、4.5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。3質量%以上であると、十分な隠蔽性や耐擦過性が得られ、12質量%以下とすることで十分な塗膜濃度が得られ、良好な吐出安定性を得ることができる。
無機中空粒子が二酸化ケイ素からなる場合(以下、中空シリカ粒子と呼ぶことがある)、その製造方法は特に限定されるものではないが、公知の製造方法で製造することができる。例えば、特許4654428号公報および特許5810362号公報に記載されているように、炭酸カルシウムをコア材として用い、塩基性触媒存在下において炭酸カルシウム表面にアルコキシシランを形成させてシリカを得る。その後、酸添加により炭酸カルシウムを溶解する方法で中空シリカ粒子を得ることができる。
なお、本発明に用いられるインクに中空シリカ粒子を使用する場合、粉末乾燥された中空シリカ粒子よりも、中空シリカ粒子の製造過程で生じる中空シリカ粒子の分散液を使用することが望ましい。中空シリカ粒子の分散液を使用することにより、乾燥時の強固な粒子間凝集を防止することができ、本発明で規定する無機中空粒子の50%累積体積粒径(D50)の範囲でも中空構造を維持したままインク中に再度分散することが可能である。
無機中空粒子をインク中に分散する際には、分散剤ポリマーを添加することが望ましい。前記分散剤ポリマーとしては、例えば、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。前記分散剤ポリマーを用いると、分散剤吸着に伴う立体反発効果を向上でき、高い分散安定性を得ることができる。なお、前記分散剤ポリマーとは、重量平均分子量が1,000以上のものを意味する。
前記分散剤ポリマーの含有量としては、無機中空粒子に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、無機中空粒子に吸着した分散剤ポリマーの立体反発効果により分散性を確保でき、60質量%以下であると、無機中空粒子に吸着していない分散剤ポリマー量が少なく、インクを低粘度化することが可能である。また、吸着していない分散剤ポリマー量が少ないためインクのチクソ性上昇は抑制され、ろ過通液性および吐出性の向上をもたらす。
<pH調整剤>
本発明のインクは、pH調整剤として、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いる。pHを7以上に調整する為に一般的に用いられる、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いるとpHがアルカリ性では、SiO2の溶解が進み、前記中空粒子の中空構造が脆弱になり、粒子形状を保つことができなくなるが、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いるとSiO2の溶解を抑制するためアルカリ性でもインク化が可能となる。
前記2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールの含有量としては、インクに対して0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。前記含有量が0.01質量%以上であるとアルカリ性を示すことができ、1質量%以下であるとインク粘度への影響が少なく、pH調整剤によるインクの粘度上昇を抑制することが可能である。
pH調整剤として、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール以外のpH調整剤を併用しても問題はないが、相対的に2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールの添加量が減ると、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを添加することによる効果が低減する。
<pH緩衝剤>
本発明のインクは、pH緩衝剤を含有することが好ましい。pH緩衝剤としては一般的なpH緩衝剤、弱酸および弱酸塩を用いることが出来るが、その中でもグッド緩衝剤を用いることが好ましい。グッド緩衝剤は分子内塩構造をもつアミノエタンスルホン酸、アミノプロパンスルホン酸誘導体からなり、金属イオンと錯形成能が小さいため不純物による錯形成による失活が少なく、可視紫外領域に吸収を持たないため着色がない。酸解離平衡が温度や他の成分の影響を受けにくいことからpH緩衝剤として安定して性能が発揮される。
このようなグッド緩衝剤には緩衝能から化合物毎に最適なpHがあり、アルカリ性でpHを安定に維持するためには20℃におけるpKaが8より大きいものを利用することが好ましい。これらを満たす化合物としては、
3-[4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazinyl]propanesulfonic acid (EPPS)、
N-[Tris(hydroxymethyl)methyl]glycine (Tricine)、
N,N-Bis(2-hydroxyethyl)glycine (Bicine)、
N-Tris(hydroxymethyl)methyl-3-aminopropanesulfonic acid (TAPS)、
N-Cyclohexyl-2-aminoethanesulfonic acid (CHES)、
N-cyclohexyl-2-hydroxyl-3-aminopropanesulfonic acid (CAPSO)、
N-Cyclohexyl-3-aminopropanesulfonic acid (CAPS)
等が上げられる。
pH緩衝剤の含有量としては、pH調整剤量とインクpHに依存して変更するが、インクに対して0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。前記含有量が0.01質量%以上であるとpH緩衝剤として外的要因によって変動するpHを安定に保つことができ、1質量%以下であるとpH緩衝剤がインク中に析出してくることを抑制することが出来る。
<揮発性溶剤>
本発明のインクは、揮発性溶剤を含有する。前記揮発性溶剤は、重合性官能基を有していない非重合性溶剤であることが好ましく、塗膜乾燥時に無機中空粒子内に残存しないものがさらに好ましい。前記揮発性溶剤が水又は水溶性有機溶剤である場合は、水性インクとして利用でき、前記揮発性溶剤が有機溶剤である場合はソルベントインクとして利用することができる。しかし、近年では、VOC(揮発性有機化合物)問題も多く取り上げられ、VOC発生量の低減可能な水性インクが広く望まれる背景にある。VOCは常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化合物の総称であるが、本発明に記載する揮発性溶剤とは記録媒体上で加温された際に揮発することが求められ、沸点300℃以下のものを意味する。
本発明のインクは、前述のように粒子表面の散乱以外に無機中空粒子のシェルと内部の空孔との散乱を利用して隠蔽性が得られる。そのため、塗膜乾燥後にインク成分が無機中空粒子内に残存すると塗膜の隠蔽性が低下してしまう。上記の点から、前記揮発性溶剤は、沸点が260℃以下であることが好ましい。
本発明のインクは、揮発性溶剤として水を含有し、更に有機溶剤を含有することが好ましい。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、高純水又は超純水を用いることができる。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 0006697683
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0006697683
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
n2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCm2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−Cm2m+1でmは4〜6の整数、又はCp2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<分散方法>
本発明のインクの分散方法としては、ボールミル、サンドミルやビーズミルなどのメディアを用いた分散装置、メディアレス分散装置を用いてもよいが、分散時に無機中空粒子の中空構造を維持するためにはメディアレス分散装置を用いることが好ましい。
前記メディアレス装置は、粒子へのメディア衝突を避けることにより中空構造を維持したまま無機中空粒子を分散することが可能である。また、メディア由来のコンタミが発生しないことから、系内に微粉、粗粉の発生を抑制できる。さらに、粒度分布の均一性を向上できることから、良好なインク吐出性が得られる。前記メディアレス分散装置としては、例えば、衝突分散型、超音波分散型などによる高速せん断力を利用する分散装置、高速撹拌を利用する分散装置又は超音波分散装置などが挙げられる。高速せん断力を利用する分散装置としては、例えば、装置名:ナノヴェイタシリーズラボ機C−ES008(吉田機械興業株式会社製)などが挙げられる。超音波分散装置としては、例えば、装置名:超音波ホモジナイザーUS−150E(株式会社日本精機製作所製)などが挙げられる。
分散時における分散液の温度としては、5℃以上60℃以下が好ましく、さらには5℃以上50℃以下が好ましい。
前記メディアを用いた分散装置における分散メディアとしては、無機中空粒子の中空構造を維持できるように、メディア比重、メディア径を適宜選択することにより、マイルドな条件とする必要がある。
<液体収容容器>
本発明の液体収容容器は、本発明のインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク収容部などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、液体収容容器の一例であるインクカートリッジについて、図3及び図4を参照して説明する。
ここで、図3は、前記インクカートリッジを示す概略図であり、図4は、図3のインクカートリッジのケース(外装)も含めた概略図である。
図3に示すように、インクカートリッジ200は、インク注入口242から本発明のインクがインク収容部241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に、インクジェット記録装置の針が刺されて、前記インクジェット記録装置に供給される。
インク収容部241は、透気性の低いアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク収容部241は、図4に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
前記インクカートリッジ200は、本発明のインクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述するインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできる。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
このような記録媒体で、難吸水性記録媒体を用いても良好な画像形成が可能である。
前記難吸水性記録媒体とは、水透過性、及び吸収性が低い表面を有する記録媒体であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に記載されているブリストー(Bristow)法において、接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体をいう。
前記難吸水性記録媒体としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、印刷用コート紙、アート紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、塩化ビニル樹脂フィルム、印刷用コート紙が好ましい。
本発明のインクは、難吸水性記録媒体だけでなく、普通紙やインクジェット用紙のような多孔質媒体及び無機物コート多孔質媒体など、従来用いられてきた多孔質媒体に対しても十分な性能を示す。
本発明のインクは、前記難吸水性記録媒体に高画像品質な印字ができるが、より一層高画質で耐擦性や接着性の高い画像を形成するため、及び高速の印字条件にも対応できるようにするために、印字後に記録媒体を加熱乾燥することがより好ましい。
本発明のインクを記録媒体上にインクジェット方式で記録した後の乾燥工程の温度は、50℃以上200℃以下であることが好ましい。この温度範囲によれば、記録媒体に対する熱の影響が生じにくい。
本発明のインクは、前述のように粒子表面の散乱以外に無機中空粒子のシェルと内部の空孔との散乱を利用して隠蔽性が得られる。そのため、塗膜乾燥後に水溶性有機溶剤等の成分が無機中空粒子内に残存すると塗膜の隠蔽性が低下してしまうが、本発明のインクは、中空粒子が無機材料で形成されるために樹脂中空粒子と比較して高温乾燥時においても高い耐溶剤性を有するので、高温環境下で高速に乾燥させることも可能である。
また本発明のインクは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に形成した50mm×50mmのベタ画像を、50℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*50℃、100℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*100℃としたとき、下記式(1)で表される明度差ΔL*の絶対値が10以下となり得る。すなわち本発明のインクは、画像(例えば白色度)の安定性に優れる。
|ΔL*|=(L*50℃)−(L*100℃)・・・式(1)
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<液体吐出方法、液体を吐出する装置>
本発明の液体吐出方法は、本発明のインクを記録媒体に吐出する工程と、乾燥して記録媒体上に定着させる工程を有する。乾燥するときに加熱することで乾燥速度を上げることができ、難吸水性記録媒体上に吐出されたインクをブリードを起こさず定着することができる。そのため本発明の液体吐出方法は、本発明のインクを難吸水性記録媒体に吐出する工程と、加熱乾燥して難吸水性記録媒体に吐出されたインクを定着する定着工程とを有することが好ましい。
本発明の液体を吐出する装置は、本発明のインクを記録媒体に吐出する吐出手段と、記録媒体上に吐出したインクを乾燥してインクを定着する定着手段とを有する。乾燥するときに加熱することで乾燥速度を上げることができ、生産速度を向上させることができる。そのため本発明の液体を吐出する装置は、本発明のインクを難吸水性記録媒体に吐出する吐出手段と、難吸水性記録媒体上に吐出したインクを加熱乾燥してインクを定着する定着手段とを有することが好ましい。
前記定着工程により、より一層高画質で耐擦性や接着性の高い画像を形成することができ、高速の印字条件にも対応できるようなる。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。
「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに他の機能部品、機構が一体化したものであり 、液体を吐出する機能に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である記録装置(画像形成装置)、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
本発明の液体吐出方法としては、液体に対して高圧気体による吐出方法や機械的な運動による吐出する方法が用いられる。このような吐出方法の中でも液量や付着位置精度が良い方法として、インクジェット記録方法が挙げられ、本発明の液体を吐出する装置としては、インクジェット記録装置が挙げられる。
以下、本発明の液体吐出方法、及び液体を吐出する装置を、記録方法、記録装置として説明する。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ホワイト(W)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y、410w)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ホワイト(W)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものでない。
<<分散液の調製>>
(1)<無機中空粒子の作製例>
本発明に用いられる無機中空粒子の作製方法は、前述のように公知の技術にて製造されるものを用いることができる。無機中空粒子の作製条件について表1に示し、作製例1を例に以下に記載する。
ビーカー中で炭酸カルシウム18.15質量部(白石工業製、製品名「Homocal-D」、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、一次粒子径:80nm)をメタノール181.54質量部(キシダ化学製)中にホモジナイザー(日立工機製、HG30、C20カッター、8000rpm、30分)を用いて十分に分散させた。その後、炭酸カルシウムの分散状態を保つように十分に撹拌させながら、テトラエトキシシラン14.52質量部(TEOS、信越化学工業製、製品名「KBE−04」)、28%アンモニア水14.61質量部(NH4OH、和光純薬工業製)及び水71.17質量部を混合して、25℃にて2時間反応させ、炭酸カルシウム表面にゾル‐ゲル反応を利用してシリカ殻を形成させシリカコート粒子を得た。
次に、得られたシリカコート粒子の洗浄を行い、水に分散させた。さらに、コア粒子の炭酸カルシウムを溶解させるために10倍に希釈した酢酸を添加した。酢酸添加後のpHは4.0であった。その後、脱塩のために水洗浄を行い、濃縮させることで[無機中空粒子1の18質量%水層]を得た。なお、いずれの洗浄工程においても、シリカコート粒子または無機中空粒子を乾燥させると凝集する恐れがあるため、液液置換で行った。
同様に、表1に示す各作製例の条件にて、作製例2[無機中空粒子2の18質量%水層]、作製例3[無機中空粒子3の18質量%水層]、作製例4[無機中空粒子4の18質量%水層]を、濃縮を高めた作製例5[無機中空粒子5の35質量%水層]及び作製例6[無機中空粒子6の35質量%水層]を得た。
なお表1において使用した炭酸カルシウムの詳細は以下の通りである。
Homcal-D:(ニューライム社製、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、
一次粒子径:80nm)
Brilliant-1500:(白石工業製、粒子形状:立方、表面処理剤:なし、
一次粒子径:150nm)
白艶華DD:(白石工業製、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、
一次粒子径:50nm)
Figure 0006697683
(2)<無機中空粒子水分散液の作製例、無機中空粒子分散液>
(1)で得られた[無機中空粒子1の18質量%水層]100質量部に、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、ビックケミージャパン製、製品名「BYKJET−9151」、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g、有効成分100質量%)6質量部、水14質量部を加え十分撹拌した後、メディアレス分散装置(吉田機械興業製、NVC−ES008、150μm衝突型ノズル、吐出圧力50MPa、パス回数、10回)にて分散を行った。得られた分散液を5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にてろ過を行って、[無機中空粒子分散液1](粒子濃度:15質量%)を作製した。同様にして[無機中空粒子2の18質量%水層]、[無機中空粒子3の18質量%水層]、[無機中空粒子4の18質量%水層]を用いて、[無機中空粒子分散液2]、[無機中空粒子分散液3]、[無機中空粒子分散液4]を作製した。
また(1)で得られた[無機中空粒子5の35質量%水層]100質量部に、アミン基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、ビックケミージャパン製、製品名「BYKJET−9151」、酸価:8mgKOH/g、アミン価:18mgKOH/g、有効成分100質量%)12質量部、水28質量部を加え十分撹拌した後、メディアレス分散装置(吉田機械興業製、NVC−ES008、150μm衝突型ノズル、吐出圧力50MPa、パス回数、10回)にて分散を行った。得られた分散液を5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にてろ過を行って、[無機中空粒子分散液5](粒子濃度:25質量%)を作製した。同様にして[無機中空粒子6の35質量%水層]を用いて、[無機中空粒子分散液6]を作製した。
(3)<酸化チタン分散液の作製>
分散容器に、高純水30.8質量部、分散剤(商品名:DISPERBYK−190、ビックケミー・ジャパン株式会社製)1.2質量部を入れ、軽く撹拌して均一にした後、二酸化チタン(商品名:GTR−100、堺化学工業株式会社製、一次粒径:260nm、結晶形:ルチル型、水分散用有機処理品)12.0質量部を加え、水冷しながら超音波ホモジナイザー(商品名:US−300T、株式会社日本精機製作所製、チップ:φ26)により200μAで1時間処理し、5μmのセルロースアセテートメンブランフィルター(商品名:ミニザルト17594K、ザルトリウス製)で濾過して、固形分30質量%の二酸化チタン水分散体を得た。体積平均粒径(D50)は352nmであった。
(4)<ウレタン樹脂微粒子の作製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとを反応させた反応生成物であるポリカーボネートジオール1,500質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220質量部、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347質量部を窒素気流下で仕込み、60℃に加熱して2,2−ジメチロールプロピオン酸を溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1,445質量部、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6質量部加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液1を得た。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー溶液1を80℃まで冷却し、トリエチルアミン149質量部を添加し、混合した混合物の中から4,340質量部を抜き出して、強撹拌しつつ水5,400質量部、及びトリエチルアミン15質量部の混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1,500質量部を投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626質量部を加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去して、ウレタン樹脂微粒子分散液を得た。
[実施例1〜10、比較例1〜4]
<<インクの調製>>
インクの調製は、下記表2に記載の質量比率に合わせて、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、pH調整剤、pH緩衝剤、高純水をビーカに加え、スターラーにて30分間攪拌を行い均一に混合した。この混合液に対して、上記作製したウレタン樹脂微粒子分散液を添加し15分間攪拌後、色材を添加し30分間撹拌し、平均孔径5.0μmのセルロースアセテートメンブランフィルターのシリンジフィルターユニット(商品名:ミニザルト17594K、ザルトリウス社製)にて加圧濾過し評価インクとした。また得られたインクの体積平均粒径を粒度分析装置(Nanotrac Wave-EX150、日機装株式会社製)を用いて測定し粒径を評価した。
Figure 0006697683
得られた各インクについて、次の評価を行った。
<<インクの沈降性評価>>
実施例1〜10及び比較例1〜4で調製したインクの粒子の沈降性は、タービスキャンMA2000(英弘精機製)を用いて評価した。
方法としては、評価インクを水冷しながら超音波分散処理(100w、20分)を行い、均一分散させてからピペットを用いて専用のガラスセルに評価インクを5.0mL入れた。セル内の評価インクの液面が安定した30分後に測定を行い、この時間を沈降性評価開始とした。その後、23℃で静置し、150時間後まで測定を行い、沈降性評価開始を基準とした偏差表示にて、沈降性を評価した。沈降性の評価は、上澄みの生成による後方散乱光の変化を、ピークの積算(相対値モード)で行い、以下の基準でランク評価した。
[評価基準]
A: 評価開始150時間後の相対変化が5%未満
B: 評価開始150時間後の相対変化が5%以上10%未満
C: 評価開始150時間後の相対変化が10%以上
<印字条件>
インクジェットプリンター(リコー製IPSiOGXe5500)の外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付け、印字ヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液して洗浄液を装置から抜ききって評価用印写装置とした。
また、調製したインクを5〜10Paの減圧条件で30分間攪拌することで評価インク中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。充填動作を行わせ、全ノズルに評価インクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモードを選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。このモードでベタ画像のメディア上へのインク付着量が20g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
<<隠蔽性評価>>
≪印字画像の明度評価≫
調製したインクを、上記印字条件と同様にインクジェットプリンター(リコー製:IPSiOGXe5500)に充填し、マイペーパー(リコー製PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡製エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003にて作成した50cm×50cmのベタ画像を印刷した後、50℃の恒温槽で1時間乾燥させた。
この印字したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite939を用いて明度(L*)を測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A: L*値が、70以上
B: L*値が、60以上、70未満
C: L*値が、60未満
参考として、黒紙の上に未印字のPETフィルムを敷いた状態で測定したL*値は、23であった。
≪印字画像の白色度安定性評価≫
調製したインクを、上記印字条件と同様にインクジェットプリンター(リコー製:IPSiOGXe5500)に充填し、マイペーパー(リコー製PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡製エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003にて作成した50cm×50cmのベタ画像を印刷した。
印字後、記録媒体を50℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものと、100℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものとを、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite939を用いて明度を測定して、明度差|ΔL*|=(L*50℃)−(L*100℃)を算出して評価を行った。
明度の測定は印字したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite939を用いて測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A: |ΔL*|値が、5未満
B: |ΔL*|値が、5以上、10未満
C: |ΔL*|値が、10以上
<<吐出安定性評価>>
調製したインクを、上記印字条件と同様に覆蓋手段を有するインクジェットプリンター(リコー製:IPSiO GXe5500)に充填し、ヘッドを覆蓋した状態で温度10℃、湿度15%RHで1週間放置した後、ノズルチェックパターンを印字し、不吐出、噴射乱れの有無を目視観察により、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
A:不吐出、噴射乱れが全く存在しない。
B:若干の噴射乱れが認められる。
C:不吐出が認められるノズルが存在する。(不良率5%未満)
D:複数のノズルにおいて不吐出が認められる。(不良率5%以上)
前記不良率は不良ノズル数を全吐出ノズル数にて割って得られた値である。
<<インク保存安定性>>
≪保存インクの物性安定性評価≫
調製したインクをPP製容器に入れて65℃で3週間保存し、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TV−22、東機産業株式会社製)を用いて、恒温循環水の温度が25℃、回転数が50rpm、及びせん断速度が191.4sec-1の条件で保存前後の粘度の測定を行い、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
A:保存前後の粘度変化率が±5%以内である。
B:保存前後の粘度変化率が±5%を超え、±10%以内である。
C:保存前後の粘度変化率が±10%を超え、±15%以内である。
D:保存前後の粘度変化率が±15%を超えている。
≪保存インクの隠蔽性評価≫
調製したインクをインクカートリッジに充填して65℃で3週間保存し、上記印字条件と同様にインクジェットプリンター(リコー製:IPSiOGXe5500)に充填し、マイペーパー(リコー製PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡製エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003にて作成した50cm×50cmのベタ画像を印刷した後、50℃の恒温槽で1時間乾燥させた。
この印字したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite939を用いて明度(L*)を測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A: L*値が、70以上
B: L*値が、60以上、70未満
C: L*値が、60未満
参考として、黒紙の上に未印字のPETフィルムを敷いた状態で測定したL*値は、23であった。
以上の水性インクの評価結果を以下に示す。
Figure 0006697683
実施例1〜10のように、酸化ケイ素を含む無機中空粒子を含有しpH調整剤に2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いる場合、沈降性評価、隠蔽性評価、保存安定性評価に対して良好な結果が得られた。
一方、比較例1および比較例2のように、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いない場合には、保存試験後に明度が小さく白色を発現できない結果であった。これは、保存過程で中空粒子を形成しているSiO2がインク中に溶解してしまい、中空粒子が薄膜化から粉砕されてしまったと考えられる。そのため乾燥塗膜中で中空形状を維持する事が出来ず白色を発現できない結果となっている。
また比較例3のように樹脂中空粒子を使用した場合、白色度の安定性評価が悪い結果となった。これは乾燥時の熱の影響を受けて樹脂が軟化し、中空形状を維持できなくなったことに起因する。これに対して実施例の無機中空粒子を用いた場合は、粒子の耐熱性が高いため白色度の安定性が高い結果となった。合わせて比較例4のように、酸化チタンを使用した場合、粒子比重が大きいために沈降しやすい結果が得られた。
(図1〜図2について)
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y、410w ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ホワイト(W)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
(図3〜図4について)
200 インクカートリッジ
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特開2014−122310号公報 特開2007−211176号公報 特開2012−7089号公報

Claims (7)

  1. 水と、酸化ケイ素を含む無機中空粒子と、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールとを含み、pHが8.0以上10.0未満であるインク。
  2. グッド緩衝剤を含む請求項1に記載のインク。
  3. 前記酸化ケイ素を含む無機中空粒子の50%累積体積粒径が50nm以上350nm以下である請求項1または2に記載のインク。
  4. 前記酸化ケイ素を含む無機中空粒子の90%累積体積粒径が1μm以下である請求項1乃至のいずれか一項に記載のインク。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のインクを容器中に収容してなる液体収容容器。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のインクを難吸水性記録媒体に吐出する工程と、加熱乾燥して難吸水性記録媒体に吐出されたインクを定着する定着工程とを有する液体吐出方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のインクを難吸水性記録媒体に吐出する吐出手段と、難吸水性記録媒体上に吐出したインクを加熱乾燥してインクを定着する定着手段とを有する液体を吐出する装置。
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