JP2020015890A - インクと洗浄液のセット、洗浄方法、インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置 - Google Patents

インクと洗浄液のセット、洗浄方法、インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性を高めることができるガラス転移温度の高い樹脂を含有するインクを用いた場合でも、優れた洗浄性を有するインクと洗浄液のセットの提供。【解決手段】色材及び樹脂を含有するインクと、水及び有機溶剤を含有する洗浄液と、を有し、前記インクの乾燥状態におけるガラス転移温度が40℃以上90℃以下であり、前記インクを乾燥して得られるインク膜を前記洗浄液に浸漬する前後の質量から、下記数式1に基づき算出される膨潤率が10%以上であるインクと洗浄液のセットである。膨潤率(%)=100×[(B−A)/A]・・・数式1ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置に関する。
従来より、インクジェット用インクとしては、その発色性の良さや信頼性の高さ等の点から染料インクが主流であったが、染料インクは耐水性や耐光性が劣るという欠点を有していることから、近年では、顔料インクが用いられることが多くなってきている。
このような顔料インクは、連続記録時において、顔料インクが記録ヘッド等に付着し、凝集、及び乾燥することにより、顔料インクの吐出安定性が低下することがある。そのため、顔料インクの吐出安定性を確保するために記録ヘッド等に付着したインクを洗浄することが必要となるが、顔料インクは、記録ヘッド等に強固に付着するため、今までの洗浄液では洗浄力が不十分であるという問題がある。
また、商業印刷や工業印刷の分野における高生産性のニーズに向けて、数十m毎分といった高速度で画像を形成・乾燥させるため、印刷物を効率よく高速で乾燥させる手段が種々検討されている。
そこで、生産性を高めることができるインクとして、ガラス転移温度(Tg)が高い樹脂粒子を含有するインクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、水及び樹脂を含有するインクと、水及び有機溶剤を含有する洗浄液と、を組み合わせたインクと洗浄液のセットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、生産性を高めることができるガラス転移温度の高い樹脂を含有するインクを用いた場合でも、優れた洗浄性を有するインクと洗浄液のセットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクと洗浄液のセットは、色材及び樹脂を含有するインクと、水及び有機溶剤を含有する洗浄液と、を有し、前記インクの乾燥状態におけるガラス転移温度が40℃以上90℃以下であり、前記インクを乾燥して得られるインク膜を前記洗浄液に浸漬する前後の質量から、下記数式1に基づき算出される膨潤率が10%以上であるインクと洗浄液のセットである。
膨潤率(%)=100×[(B−A)/A] ・・・ 数式1
ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。
本発明によると、生産性を高めることができるガラス転移温度の高い樹脂を含有するインクを用いた場合でも、優れた洗浄性を有するインクと洗浄液のセットを提供することができる。
図1は、本発明で用いられる洗浄装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の画像形成方法を実施する画像形成装置の一例を示す図である。 図3は、図2の画像形成装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インクと洗浄液のセット)
本発明のインクと洗浄液のセットは、色材及び樹脂を含有するインクと、水及び有機溶剤を含有する洗浄液と、を有し、インクの乾燥状態におけるガラス転移温度が40℃以上90℃以下であり、インクを乾燥して得られるインク膜を洗浄液に浸漬する前後の質量から、下記数式1に基づき算出される膨潤率が10%以上であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
膨潤率(%)=100×[(B−A)/A] ・・・ 数式1
ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。
本発明のインクと洗浄液のセットは、従来技術では、高生産性を図ることができるインクと、該インクを払拭する際に用いる洗浄液との関係に着目しておらず、インクが記録ヘッドや流路等で乾燥し、固着しやすいため、従来の洗浄液を用いた洗浄力が不十分となり、メンテナンス性が課題となるという知見に基づくものである。
本発明のインクと洗浄液のセットは、記録ヘッド等に付着乃至固着した乾燥状態のインクを、膨潤化するのに適正な組み合わせの洗浄液を用いて洗浄することにより、生産性を高めることができるガラス転移温度の高い樹脂を含有するインクを用いた場合でも、優れた洗浄性を実現することができる。
インク中に高いガラス転移温度の樹脂を含むことにより、インクの乾燥状態での顔料同士及び記録媒体と顔料との接着力が向上し、耐擦過性に優れたインクが実現できる。
インクの乾燥状態におけるガラス転移温度(Tg)は、40℃以上90℃以下であり、65℃以上85℃以下が好ましい。画像状態でのインク層のタック性が低減され、乾燥直後の装置内部材との接触による剥がれや、画像同士の結着により生じる剥がれを抑制することができ、高い生産性に対応したインクが得られる。
インクの乾燥状態におけるガラス転移温度(Tg)は、以下のようにして測定することができる。
[乾燥状態のインクのガラス転移温度(Tg)の測定]
直径4cmのテフロン(登録商標)シャーレにインクを5g滴下し、50℃環境下で72時間乾燥させて、インク乾固物を得る。
得られたインク乾固物を示差走査熱量計(Thermo plus EVO2 DSC8231、リガク株式会社製)を用いて測定し、ガラス転移温度(Tg)を算出する。
更に、高い生産性を実現する点から、インク中の樹脂のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上が好ましく、100℃以下がより好ましい。
前記インクを乾燥して得られるインク膜を前記洗浄液に浸漬する前後の質量から、下記数式1に基づき算出される膨潤率は、10%以上であり、14%以上が好ましく、30%以上150%以下がより好ましい。前記膨潤率が10%以上であると、乾燥状態であるインクに対して、洗浄液中の有機溶剤がインク中の樹脂及び顔料を膨潤させることで、乾燥状態のインクが柔らかくなって、払拭等の動作により拭いやすくなり、優れた洗浄性を達成することができる。
膨潤率(%)=100×[(B−A)/A] ・・・ 数式1
ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。
ここで、前記インク膜の前記洗浄液に対する膨潤率は、以下のようにして求めることができる。
直径4cmのテフロン(登録商標)のシャーレにインクを5g滴下し、50℃環境下で72時間乾燥させて、インク膜の乾固物を得る。
得られたインク膜の乾固物を1cm四方に切り出し、質量測定を行う。切り出したインク膜を十分に浸かる量の洗浄液に浸し、常温(25℃)で3分間静置後、洗浄液から取り出し、表面に付着した洗浄液を目視で確認できない程度にキムワイプ(日本製紙クレシア株式会社製)を用いて払拭し、質量を測定し、上記数式1から膨潤率を算出する。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<色材>
色材としては、特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、顔料として、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35などが挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、及び良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料を分散してインクを得る方法としては、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法などが挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法などが挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法などが挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂株式会社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については、特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。
顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、定着樹脂としてインク中に含まれるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−シリコーン系樹脂などが挙げられる。
インク中の樹脂は、樹脂粒子として含まれていることが好ましい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、及び高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。更に、カーボンブラック顔料分散体に対する分散助剤という機能を果たすために、20nm以上45nm以下であることがより好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、及びインクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
本発明では、耐ブロッキング性を向上させるためにアクリル樹脂を用いることが好ましい。インク中におけるアクリル樹脂の含有量は3質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましい。インク中におけるアクリル樹脂の含有量が3質量%以上であると、耐ブロッキング性がより向上する点で好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも、高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(S−1)式で表される、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
(但し、前記一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表し、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社製)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社製)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社製)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社製)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、下記一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤がより好ましい。
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−C2m+1でmは4〜6の整数、又はC2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、及び均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤などを含有してもよい。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩などが挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、インク像が形成された領域のみに塗布してもよい。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
<記録物>
本発明に関するインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクと洗浄液のセットにおけるインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<洗浄液>
洗浄液は、水及び有機溶剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<有機溶剤>>
洗浄液中の有機溶剤として、ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)の水素結合項が4.5以下の有機溶剤を10質量%以上含有することが好ましく、15質量%以上40質量%以下含有することがより好ましい。HSP値の低い有機溶剤を多く含むことにより、乾燥状態のインクをより膨潤させやすくなる。
ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)の水素結合項が4.5以下の有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル(HSPのδH:2.73(cal/cm1/2)、2−ピロリドン(HSPのδH:4.39(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:2.14(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)などが好適に挙げられる。
[ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項]
有機溶剤のハンセン溶解度パラメーター(以下、「HSP」と称することがある)の水素結合項(以下、「δH」とも称することがある)としては、7.0(cal/cm1/2以下であり、5.0(cal/cm1/2以上6.8(cal/cm1/2以下が好ましい。前記ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、7.0(cal/cm1/2以下であると、洗浄力を向上することができ、更に優れた吐出信頼性を得ることができる。
前記ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)は、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーター(SP)を、分散項(δD)、極性項(δP)、水素結合項(δH)の3成分に分割し、3次元空間に表したものである。前記分散項(δD)は、Van Der Waalsの近接力に基づく項である。前記極性項(δP)は分極項とも呼ばれ、ダイポールモーメント、誘電率などに起因する項である。前記水素結合項(δH)には、水素結合に基づく分子間力、更に、他に分類できないπ−π相互作用なども含まれている。本発明においてはこの水素結合項(δH)を使用する。
なお、前記分散項(δD)、前記極性項(δP)、及び前記水素結合項(δH)の3成分は、ハンセンやその研究後継者らにより多く求められており、Polymer Handbook (fourth edition)、VII−698〜711に詳しく記載されている。また、HSPの定義と計算は、下記の文献に記載されている。 Charles M. Hansen著、Hansen Solubility Parameters: A Users Handbook(CRCプレス、2007年)。
多くの溶媒や樹脂についてのハンセン溶解度パラメーターの値が調べられており、例えば、Wesley L.Archer著、Industrial Splvents Handbookに記載されている。
前記有機溶剤としては、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項を調整できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶剤が好ましく、水溶性有機溶剤がより好ましい。なお、水溶性とは、例えば、25℃の水100gに5g以上溶解することを意味する。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート(HSPのδH:2.00(cal/cm1/2)、炭酸エチレン(HSPのδH:2.49(cal/cm1/2)などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール(HSPのδH:12.7(cal/cm1/2)、ジエチレングリコール(HSPのδH:9.27(cal/cm1/2)、1,2−プロパンジオール(HSPのδH:3.31(cal/cm1/2)、1,3−プロパンジオール(HSPのδH:11.3(cal/cm1/2、比重:1.005)、1,2−ブタンジオール(HSPのδH:10.2(cal/cm1/2、比重:1.002)、1,3−ブタンジオール(HSPのδH:9.37(cal/cm1/2、比重:1.005)、1,4−ブタンジオール(HSPのδH:10.2(cal/cm1/2)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(HSPのδH:8.19(cal/cm1/2)、2,3−ブタンジオール(HSPのδH:8.19(cal/cm1/2)、トリエチレングリコール(HSPのδH:9.07(cal/cm1/2)、1,5−ペンタンジオール(HSPのδH:9.65(cal/cm1/2)、1,6−ヘキサンジオール(HSPのδH:8.68(cal/cm1/2)、グリセリン(HSPのδH:13.3(cal/cm1/2)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(HSPのδH:6.29(cal/cm1/2、比重:0.927)、3−エチル−3−オキタセンメタノール(HSPのδH:6.05(cal/cm1/2、比重:1.019)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(HSPのδH:6.83(cal/cm1/2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:6.00(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(HSPのδH:6.14(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(HSPのδH:5.95(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(HSPのδH:2.73(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:5.17(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(HSPのδH:5.12(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル(HSPのδH:4.78(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(HSPのδH:2.14(cal/cm1/2)、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(HSPのδH:4.87(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン(HSPのδH:4.39(cal/cm1/2、比重:1.1)、N−メチル−2−ピロリドン(HSPのδH:3.51(cal/cm1/2)、ε−カプロラクタム(HSPのδH:1.90(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド(HSPのδH:9.27(cal/cm1/2)、N−メチルホルムアミド(HSPのδH:7.76(cal/cm1/2)、N,N−ジメチルホルムアミド(HSPのδH:5.51(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(HSPのδH:10.2(cal/cm1/2)、ジエタノールアミン(HSPのδH:9.67(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(HSPのδH:4.98(cal/cm1/2)、スルホラン(HSPのδH:4.24(cal/cm1/2)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項が、5(cal/cm1/2以下である溶剤が好ましく、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(HSPのδH:4.87(cal/cm1/2)、2−ピロリドン(HSPのδH:4.39(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(HSPのδH:2.73(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(HSPのδH:2.14(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル(HSPのδH:4.78(cal/cm1/2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(HSPのδH:4.48(cal/cm1/2)、下記一般式(1)で表される化合物(Rはメチル基を表す、δH:4.63(cal/cm1/2、比重:0.99)、下記一般式(1)で表される化合物(Rはエチル基を表す、δH:3.65(cal/cm1/2、比重:0.97)、下記一般式(1)で表される化合物(Rはブチル基を表す、δH:3.26(cal/cm1/2)がより好ましく、下記一般式(1)で表される化合物(Rはメチル基を表す、δH:4.63(cal/cm1/2)、下記一般式(1)で表される化合物(Rはエチル基を表す、δH:3.65(cal/cm1/2)が特に好ましい。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す
前記有機溶剤のHSP値(ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項)は、Charles M.Hansen Consulting(Horsholm、Denmark、hansen−solubility.com)のソフトウェアHSPiPを用いて求めることもできる。以下に、ハンセン溶解度パラメーターの水素結合項の不明な溶剤における、HSPiPソフトウェアを用いたハンセン溶解度パラメーターの水素結合項の求め方を説明する。
2015年10月現在、http://www.pirika.com/から入手可能な、HSPiPバージョン4.1ソフトウェアを用いて求めることができる。
前記溶剤のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項は、改良SMILES表記法を用いて化学構造(主鎖、官能基)から、HSPiP中のHSP予測ツールを用いて求めることができる。本発明においては、HSPiPバージョン3.0.38のデータベースに登録されている溶媒(各種HSPの文献参照)に関してはその値を使用し、データベースに無い溶媒に関しては、前記HSPiPにより推算される値を使用する。
前記有機溶剤の含有量としては、洗浄液全量に対して、60質量%以上が好ましく、70質量%以上80質量%以下がより好ましい。
−水−
水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
<<その他の成分>>
その他の成分としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
−界面活性剤−
界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤が好ましく、2−パーフルオロアルキルエタノールがより好ましい。
界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、Zonyl(登録商標)FSO−100(DuPont社製)などが挙げられる。
−消泡剤−
消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオールなどが挙げられる。
<洗浄方法及び洗浄装置>
本発明の洗浄方法は、インク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、払拭部材に洗浄液を付与する工程(以下、「洗浄液付与工程」と称することがある)と、洗浄液を付与した払拭部材で前記ノズル面を払拭する工程(以下、「払拭工程」と称することがある)と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の洗浄方法は、本発明のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いてインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
前記ノズル面に前記洗浄液を付与する工程(以下、「洗浄液付与工程」と称することがある)と、前記洗浄液が付与されたノズル面を払拭部材で払拭する工程(以下、「払拭工程」と称することがある)と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記洗浄液が、本発明の前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液である。
本発明に関する洗浄装置は、インク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄装置であって、払拭部材に洗浄液を付与する手段(以下、「洗浄液付与手段」と称することがある)と、洗浄液を付与した払拭部材で前記ノズル面を払拭する手段(以下、「払拭手段」と称することがある)と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の洗浄装置は、本発明のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いてインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄装置であって、
前記ノズル面に前記洗浄液を付与する手段(以下、「洗浄液付与手段」と称することがある)と、前記洗浄液が付与されたノズル面を払拭部材で払拭する手段(以下、「払拭手段」と称することがある)と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記洗浄液が、本発明の前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液である。
<<洗浄液付与工程及び洗浄液付与手段>>
前記払拭部材は、通常、押圧部材上に設けられており、前記押圧部材としては、前記払拭部材を介して前記ノズル面を押圧可能な部材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、押圧ローラ、押圧ローラと押圧ベルトの組み合わせ、ワイパー、ブレードなどが挙げられる。これらの中でも、押圧ローラが好ましい。
なお、固定した払拭部材に対して、ヘッドの昇降や前後移動させることにより、ヘッドと払拭部材を接触させて払拭させてもよい。
前記洗浄液付与手段としては、払拭部材又はノズル面に洗浄液を一定量付与することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スポイトによる付与、ノズル、スプレー、ディスペンサー、塗布装置などが挙げられる。
前記払拭部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不織布、布などが挙げられる。これらは、ロール状に巻回したものが好ましく、発塵し難く信頼性が高い点から、ロール状の不織布が好ましい。
前記洗浄液の付与量は、記録時間により制御されることが好ましい。この場合、前記洗浄液の付与量が複数の設定値から選択されることがより好ましい。前記複数の設定値としては、洗浄液の付与方法(例えば、「圧力」、「付与回数」、「付与ノズル数」)などが挙げられる。
前記洗浄液の付与量は、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズルにかける圧力により制御されることが好ましい。また、前記洗浄液が複数の洗浄液付与ノズルから付与される場合には、前記洗浄液の前記払拭部材又はノズル面への付与量は前記洗浄液付与ノズルの数により制御されることが好ましい。また、前記洗浄液の前記払拭部材又はノズル面への付与量は、前記洗浄液付与ノズルからの洗浄液の付与回数により制御されることが好ましい。
<<払拭工程及び払拭手段>>
前記払拭工程は、洗浄液を付与した払拭部材でノズル面を払拭する、又は、洗浄液が付与されたノズル面を払拭部材で払拭する工程であり、払拭手段により好適に実施される。
前記洗浄液を付与した払拭部材でノズル面を払拭する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、洗浄液が付与された払拭部材としての不織布でインク吐出ヘッドのノズル面を払拭する方法などが挙げられる。
洗浄液が付与されたノズル面を払拭部材で払拭する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、洗浄液が付与されたインク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材としての不織布で払拭する方法などが挙げられる。
<<その他の工程及びその他の手段>>
前記その他の工程及び前記その他の手段としては、例えば、制御工程及び制御手段などが挙げられる。
前記制御手段としては、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
ここで、図1は、本発明に関するインク吐出ヘッドの洗浄装置の一例を示す概略図である。この図1の洗浄装置300は、インク吐出ヘッドのノズルプレート301のインク吐出側のノズル面301aを洗浄する装置である。
洗浄装置300は、払拭部材としての不織布303と、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302と、押圧部材としての押圧ローラ305と、払拭処理後の不織布を巻き取る巻き取りローラ304とを有している。
洗浄液は、図示しない洗浄液供給チューブを介して洗浄液タンクから供給される。前記洗浄液供給チューブの途中に設けられたポンプを駆動することにより、洗浄液付与ノズル302から洗浄液が、払拭部材としての不織布303に、記録時間により応じた洗浄液の付与量で付与される。なお、不織布303はロール状に巻回されている。
そして、図1に示すように、洗浄液が付与された不織布303が押圧部材としての押圧ローラ305によってノズルプレート301のノズル面301aに当接し押圧されることにより、ノズル面301aが清浄される。払拭処理が終了後、不織布303は巻取りローラ304により巻き取られる。
洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302は、複数設けることができ、制御手段(不図示)の制御に基づき、圧がかけられるようになっており、その圧を適宜変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。また、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与するノズル数を変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。更に、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与する回数を変えることで洗浄液の付与量を調整することができる。
<インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法>
本発明のインクジェット印刷装置は、本発明のインクと洗浄液のセットと、前記インクと洗浄液のセットにおけるインクを吐出して印刷する記録ヘッドと、インク流路又は記録ヘッドに残留したインクを前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液により洗浄する洗浄手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明のインクジェット印刷方法は、本発明のインクと洗浄液のセットにおけるインクを吐出して印刷する印刷工程と、インク流路又は記録ヘッドに残留したインクを前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液により洗浄する洗浄工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のインクと洗浄液のセットにおけるインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段及び乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段及び乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、インクジェット印刷装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、このインクジェット印刷装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅のインクジェット印刷装置や、例えば、ロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
インクジェット印刷装置の一例について図2乃至図3を参照して説明する。図2は同装置の斜視説明図である。図3はメインタンクの斜視説明図である。インクジェット印刷装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
このインクジェット印刷装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明のインクと洗浄液のセットにおけるインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。更に、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−顔料分散体の調製−
機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
次に、得られたポリマー溶液Aを28g、C.I.カーボンブラック(デグサ社製、FW100)42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に撹拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に撹拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料固形分15質量%、固形分濃度20質量%のカーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、体積平均粒子径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、104nmであった。
(インクの製造例1〜6)
−インク1〜6の作製−
撹拌機を備えた容器に、表1に示す量の1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、及び界面活性剤A(ユニダインDSN−403、ダイキン工業株式会社製)を入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、表1に示す顔料固形分量の調製例1の顔料分散体、及び高純水を加え、60分間程度撹拌して均一にした。更に、表1に示す固形分量の樹脂を加え、30分間撹拌してインクを均一にした。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インク1〜6を作製した。
次に、得られたインクについて、以下のようにして、「乾燥状態のインクのTg」を測定した。結果を表1に示した。
<乾燥状態のインクのガラス転移温度(Tg)>
直径4cmのテフロン(登録商標)シャーレにインクを5g滴下し、50℃環境下で72時間乾燥させて、インク乾固物を得た。
得られたインク乾固物を示差走査熱量計(Thermo plus EVO2 DSC8231、リガク株式会社製)を用いて測定し、ガラス転移温度(Tg)を算出した。
*表1中の顔料分散体及び樹脂の配合量(質量%)は、固形分で表される。
表1中の各成分の詳細な内容については、以下のとおりである。
−樹脂−
・ウレタン樹脂1:スーパーフレックス150(第一工業製薬株式会社製)、ガラス転移温度(Tg)=40℃
・アクリル樹脂1:モビニール6899D(日本合成化学株式会社製)、ガラス転移温度(Tg)=49℃
・アクリル樹脂2:モビニール6969D(日本合成化学株式会社製)、ガラス転移温度(Tg)=71℃
・アクリル樹脂3:アクリット3MF−320(大成ファインケミカル株式会社製)、ガラス転移温度(Tg)=85℃
・アクリル樹脂4:モビニール972(日本合成化学株式会社製)、ガラス転移温度(Tg)=101℃
なお、上記各樹脂のガラス転移温度は、乾燥状態のインクのガラス転移温度(Tg)と同様にして測定した。
−有機溶剤−
・1,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)
・1,2−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製)
−界面活性剤−
・界面活性剤A:ユニダインDSN−403(ダイキン工業株式会社製)
(洗浄液の製造例1〜4)
−洗浄液1〜4の作製−
撹拌機を備えた容器に、表2に示す量の3−メチル−1,3−ブタンジオール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及び界面活性剤B(Zonyl FSO−100(DuPont社製))を入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、合計100質量%となるように高純水を残量加え、60分間撹拌し、均一にして、洗浄液1〜4を得た。
表2中の各成分の詳細な内容については、以下のとおりである。
・3−メチル−1,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製、HSPのδH:8.19(cal/cm1/2))
・N,N−ジメチルホルムアミド(東京化成工業株式会社製、HSPのδH:5.51(cal/cm1/2))
・ジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製、HSPのδH:2.73(cal/cm1/2))
なお、有機溶剤のハンセン溶解度パラメーターの水素結合項は、改良SMILES表記法を用いて化学構造(主鎖、官能基)から、HSPiP中のHSP予測ツールを用いて求めた。本発明においては、HSPiPバージョン3.0.38のデータベースに登録されている溶媒(各種HSPの文献参照)に関してはその値を使用し、データベースに無い溶媒に関しては、前記HSPiPにより推算される値を使用した。
・界面活性剤B:Zonyl FSO−100(DuPont社製)
(実施例1〜5及び比較例1〜3)
次に、下記の表3及び表4に示すようにインクと洗浄液とを組み合わせて、実施例1〜5及び比較例1〜3のインクと洗浄液のセットとした。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜3のインクと洗浄液のセットを用い、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表3及び表4に示した。
<膨潤率>
直径4cmのテフロン(登録商標)のシャーレにインクを5g滴下し、50℃環境下で72時間乾燥させて、インク膜の乾固物を得た。
得られたインク膜の乾固物を1cm四方に切り出し、質量測定を行った。切り出したインク膜を十分に浸かる量の洗浄液に浸し、常温(25℃)で3分間静置後、洗浄液から取り出し、表面に付着した洗浄液を目視で確認できない程度にキムワイプ(日本製紙クレシア株式会社製)を用いて払拭し、質量を測定し、下記数式1から膨潤率を算出した。
膨潤率(%)=100×[(B−A)/A] ・・・ 数式1
ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。
<洗浄性>
SUS316板(3cm×4cm)を、各インクと洗浄液のセットにおけるインクに、60分間浸漬させた。その後、大気中で0.1MPaの加圧条件下、常温(25℃)で2時間静置し乾燥させて、インク乾固物が付着したSUS316板を得た。
得られたインク乾固物が付着したSUS316板を、各インクと洗浄液のセットにおける洗浄液30mLを用いて3分間繰り返しかけ洗いをした。かけ洗い終了後、SUS316板を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「洗浄性」を評価した。
[評価基準]
◎:繰り返しかけ洗い初期(1分間以内)にインク乾固物が全く確認できなくなった
○:繰り返しかけ洗い終了後、インク乾固物が全く確認できなくなった
△:インク乾固物が僅かに残存していることが確認できた
×:洗浄前後でインク乾固物に変化が見られなかった
<吐出安定性>
インクジェットプリンタ(装置名:IPSiO GX e3300、株式会社リコー製)を用い、各インクと洗浄液のセットにおけるインクを45分間連続吐出し、吐出が停止してから30分間記録ヘッドの表面を乾燥させた。その後、スポイトを用いて洗浄液3mLを記録ヘッドのノズル面に付与した後、ワイピングを実施し、再度インクの吐出を行い、下記評価基準に基づいて、「吐出安定性」を評価した。
[評価基準]
◎:吐出乱れ、又は不吐出が全くない
○:5ノズル以下の吐出乱れ、又は不吐出がある
×:5ノズルを超える吐出乱れ、又は不吐出がある
<耐ブロッキング性>
日本紙パルプ技術協会が発行するTAPPI T477試験方法を参照して、耐ブロッキング性を評価した。
印刷用グロス紙(坪量90g/mのLumiArtGross、Store Enso社製)に、インクジェットプリンタ(装置名:IPSiO GX e3300、株式会社リコー製)を用い、各インクと洗浄液のセットにおけるインクを、6cm四方にインク付着量10,000mg/mでベタ画像を印刷した後、ベタ画像の印刷面に印刷していない印刷用グロス紙を重ね、これを10cm四方のガラス板2枚の間に挟み、その上から、荷重1kg/mをかけた状態で、40℃、90%RHの環境条件下、24時間放置した。その後、2時間室温(25℃)に放置し、剥がした際の印刷用グロス紙同士の貼り付き具合を目視で観察し、下記の評価基準に基づいて、「耐ブロッキング性」を評価した。
[評価基準]
◎:ブロッキングなし(隣接面に粘着や接着が生じることなく、試料の面が傷つかない)
○:ブロッキングなし(隣接面にわずかに粘着や接着が生じるが、試料の面が傷つかない)
△:僅かにブロッキングあり(僅かに粘着している。試料の面に僅かな傷がある)
×:顕著にブロッキングあり(隣接面に粘着又は接着が生じる。試料の面に傷がある)
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 色材及び樹脂を含有するインクと、
水及び有機溶剤を含有する洗浄液と、を有し、
前記インクの乾燥状態におけるガラス転移温度が40℃以上90℃以下であり、
前記インクを乾燥して得られるインク膜を前記洗浄液に浸漬する前後の質量から、下記数式1に基づき算出される膨潤率が10%以上であることを特徴とするインクと洗浄液のセットである。
膨潤率(%)=100×[(B−A)/A] ・・・ 数式1
ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。
<2> 前記膨潤率が14%以上である前記<1>に記載のインクと洗浄液のセットである。
<3> 前記インク中の樹脂のガラス転移温度が60℃以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<4> 前記樹脂がアクリル樹脂及びウレタン樹脂の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<5> 前記インク中の樹脂の含有量が、1質量%以上30質量%以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<6> 前記インク中の前記樹脂がアクリル樹脂であり、
前記インク中における前記アクリル樹脂の含有量が3質量%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<7> 前記インクが有機溶剤を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<8> 前記インクがフッ素系界面活性剤を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<9> 前記洗浄液中の有機溶剤として、ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)の水素結合項が4.5以下である有機溶剤を10質量%以上含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<10> 前記洗浄液中の有機溶剤が、3−メチル−1,3−ブタンジオール、N,N−ジメチルホルムアミド、及びジエチレングリコールジエチルエーテルから選択される少なくとも1種である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<11> 前記洗浄液が、フッ素系界面活性剤を含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットと、
前記インクと洗浄液のセットにおけるインクを吐出して印刷する記録ヘッドと、
インク流路又は記録ヘッドに残留したインクを前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液により洗浄する洗浄手段と、
を有することを特徴とするインクジェット印刷装置である。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおけるインクを吐出して印刷する印刷工程と、
インク流路又は記録ヘッドに残留したインクを前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液により洗浄する洗浄工程と、
を含むことを特徴とするインクジェット印刷方法である。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いてインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
払拭部材に前記洗浄液を付与する工程と、
前記洗浄液を付与した払拭部材で前記ノズル面を払拭する工程と、
を含むことを特徴とする洗浄方法である。
<15> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いてインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
前記ノズル面に前記洗浄液を付与する工程と、
前記洗浄液が付与されたノズル面を払拭部材で払拭する工程と、
を含むことを特徴とする洗浄方法である。
前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセット、前記<12>に記載のインクジェット印刷装置、前記<13>に記載のインクジェット印刷方法、及び前記<14>から<15>のいずれかに記載の洗浄方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2017−114951号公報 特開2017−119828号公報

Claims (9)

  1. 色材及び樹脂を含有するインクと、
    水及び有機溶剤を含有する洗浄液と、を有し、
    前記インクの乾燥状態におけるガラス転移温度が40℃以上90℃以下であり、
    前記インクを乾燥して得られるインク膜を前記洗浄液に浸漬する前後の質量から、下記数式1に基づき算出される膨潤率が10%以上であることを特徴とするインクと洗浄液のセット。
    膨潤率(%)=100×[(B−A)/A] ・・・ 数式1
    ただし、前記数式1中、Aは浸漬前のインク膜の質量、Bは浸漬後のインク膜の質量を表す。
  2. 前記膨潤率が14%以上である請求項1に記載のインクと洗浄液のセット。
  3. 前記インク中の樹脂のガラス転移温度が60℃以上である請求項1から2のいずれかに記載のインクと洗浄液のセット。
  4. 前記洗浄液中の有機溶剤として、ハンセンの溶解度パラメーター(HSP)の水素結合項が4.5以下である有機溶剤を10質量%以上含有する請求項1から3のいずれかに記載のインクと洗浄液のセット。
  5. 前記インク中の前記樹脂がアクリル樹脂であり、
    前記インク中における前記アクリル樹脂の含有量が3質量%以上である請求項1から4のいずれかに記載のインクと洗浄液のセット。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットと、
    前記インクと洗浄液のセットにおけるインクを吐出して印刷する記録ヘッドと、
    インク流路又は記録ヘッドに残留したインクを前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液により洗浄する洗浄手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット印刷装置。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおけるインクを吐出して印刷する印刷工程と、
    インク流路又は記録ヘッドに残留したインクを前記インクと洗浄液のセットにおける洗浄液により洗浄する洗浄工程と、
    を含むことを特徴とするインクジェット印刷方法。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いてインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
    払拭部材に前記洗浄液を付与する工程と、
    前記洗浄液を付与した払拭部材で前記ノズル面を払拭する工程と、
    を含むことを特徴とする洗浄方法。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いてインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
    前記ノズル面に前記洗浄液を付与する工程と、
    前記洗浄液が付与されたノズル面を払拭部材で払拭する工程と、
    を含むことを特徴とする洗浄方法。

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