JP2009263592A - 色材含有組成物、記録用インク及びインクカートリッジ及びそれを使用した画像記録装置 - Google Patents

色材含有組成物、記録用インク及びインクカートリッジ及びそれを使用した画像記録装置 Download PDF

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稔 羽切
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慎 長谷川
Hiroyuki Fushimi
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Abstract

【課題】乾燥性が良好で高画像濃度が実現できる色材含有組成物、それを使用した画像形成用インクを提供すること。更に、高速印字特性に優れ、かつ高画像濃度を実現できる色材含有組成物、それを使用した画像形成用インクを用いたインクジェット用インクに関連した技術を提供すること。
【解決手段】水を溶媒として含み、色材と鱗片状シリカを含有する色材含有組成物であり、該組成物のpHが8以上11以下であることを特徴とする色材含有組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、媒体上に着色したり、画像形成したりするための色材含有組成物に関するものであり、乾燥性が高く、かつ記録画像濃度が良好なインク、あるいは画像記録用インク及び該インクで画像を形成させる記録用装置に関するものである。
本発明は、特にインクジェットプリンタ等の画像記録分野に利用されると高速印字性(乾燥性)が高く、かつ高い画像濃度のインクジェット用インクが得られる。
色材含有組成物は、その色材特性を利用した様々な用途に使用される。例えば、ペン等の筆記用インクやはんこ用インク、塗料や、液状インクを利用した画像形成装置(湿式印刷機やインクジェットプリンタ)等に利用される。
これら色材含有組成物を使用したインクは、被記録媒体上に塗布、あるいは転液され乾燥されることで皮膜あるいは画像が形成される。
近年、環境面や安全性の面より水系インクの要望が高くなっている。
しかしながら、水系インクは被記録媒体の影響を受け易く、皮膜あるいは画像に各種の問題を引き起こしている。特に被記録媒体に紙を使用する場合は顕著である。
水性インクの場合、乾燥に時間を要することが問題であること、また紙との親和性も良好なため、紙への浸透性が高く、特に未コーティングの比較的非平滑な紙の場合、色材が紙中に浸透することで、形成された色材の色濃度が低くなってしまうという溶剤インクではみられなかった問題が生じている。
色濃度を上げるためには、インクに含まれる色材の量を増加させる必要があるが、色材量を増やすことはコストが高くなるばかりでなく、インク中の色材濃度が高くなることで、色材の凝集や析出が発生しインク液の液保存安定性が悪くなる等の問題があった。また、画像及び皮膜の表面が荒れることで見た目が悪い等の問題があった。
特に近年、画像形成方法として他の記録方式に比べてプロセスが簡単であり、また、フルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及している。
インクジェット記録方式は、熱等で発生した圧力で少量のインクを飛翔させ、紙など被画像形成体に付着させ、すばやく乾燥させ(被画像形成体に浸透させる)、画像を形成する必要があり、乾燥性や画像濃度の問題は更に深刻なものとなる。
特に近年、インクジェット方式では産業やビジネス用途への使用が展開され、より高速で高濃度の画像を出力できることが必要となっている。
特許文献1(特開平09−227812号公報)及び特許文献2(特開2005−138504号公報)では、インクにコロイダルシリカを含有させ、コロイダルシリカと顔料を印字時の蒸発や紙表面pH(中性〜酸性)の酸性方向へのpH変動により凝集させ、顔料を紙面に留まらせることが提案されている。しかしながら、コロイダルシリカが微粒なこと、凝集に必要なシリカ表面のシラノール基が少なく、画像濃度向上効果は不十分である。
特許文献3(特開平2005−272494号公報)では、インクに自己造膜性の高い鱗片状シリカを含有させ、画像の耐久性を向上させることが提案されている。鱗片状シリカはその形状から、かさなり易く自己成膜性が高い。そのため普通紙の繊維質間の目止めをすることができ、色材を普通紙表面にとどめ易い特徴がある。しかし、表面の活性シラノール基が通常のシリカに比べ多く表面に水を吸着しやすいため、乾燥性が悪く、高速印字で数枚印字すると搬送部位を汚したり、多数印字した場合、次に印字した紙裏面に前に印字した画像が転写したりする問題がある。また、塩基性染料や塩基性顔料用い、色材をシラノール基に結合させ、色材をシリカ粒子に固定するものであるため、色材がシリカ表面に吸着して重なり、逆に色材が隠蔽され画像濃度を上げられないという問題がある。
特開平09−227812号公報 特開2005−138504号公報 特開2005−272494号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、乾燥性が良好で高画像濃度が実現できる色材含有組成物、それを使用した画像形成用インクを提供することを目的としている。
更に詳細には、高速印字特性に優れ、かつ高画像濃度を実現できる色材含有組成物、それを使用した画像形成用インクを用いたインクジェット用インクに関連した技術を提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意検討した結果、水を溶媒として含んだ色材に鱗片状のシリカを含有した組成物のpHを8〜11にすることで、更には色材として酸性カーボンブラックを使用することで乾燥性が良好で、画像濃度を向上させうることを見出し本発明に至った。
本発明は水と色材と鱗片状シリカを含んだ組成物のpHが、8〜11に調整されることで、該鱗片状シリカ表面のシラノール基が水を吸着せず、はじめて顕著な効果(特に乾燥性)が現われるのであり、更に色材として酸性のカーボンを選択することで、前記シラノール基と色材とが結合し難く、色材が、鱗片状シリカに隠蔽されず、更にその効果が向上できる。
すなわち、上記課題は本発明の下記(1)〜(9)によって解決される。
(1)「水を溶媒として含み、色材と鱗片状シリカを含有する色材含有組成物であり、該組成物のpHが8以上11以下であることを特徴とする色材含有組成物」
(2)「前記色材が酸性顔料であることを特徴とする前記第(1)項に記載の色材含有組成物」、
(3)「前記鱗片状シリカが色材100重量部に対し1重量部以上90重量部以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の色材含有組成物」、
(4)「前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の色材含有組成物を使用したことを特徴とする記録用インク」、
(5)「前記第(4)項に記載の記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ」、
(6)「前記第(4)項に記載のインク又は請求項5に記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とする画像記録装置」、
(7)「インクを画像支持体上に吐出させ記録を行なうことを特徴とするインクジェットプリント装置である前記第(6)項に記載の画像記録装置」、
(8)「前記(4)項に記載のインクを用いてインクジェット方式プリント装置で印字することを特徴とする画像形成方法」、
(9)「前記第(4)項に記載の記録用インク用いたインクジェットプリント装置で印字されたことを特徴とする画像形成物」。
(1):水を溶媒として含み、色材と鱗片状シリカを含有する色材含有組成物であり、該組成物のpHが8以上11以下であれば乾燥性が良好で、それで形成された皮膜あるいは画像は高画像濃度である。
(2):前記色材が酸性カーボンブラックであることを特徴とする(1)の色材含有組成物は、更に乾燥性が良好で、それで形成された皮膜あるいは画像は更に高画像濃度である。
(3):前記鱗片状シリカが色材100重量部に対し1重量部以上90重量部以下であることを特徴とする(1)または(2)の色材含有組成物は、更に乾燥性が良好で、それで形成された皮膜あるいは画像は更に高画像濃度である。
(4):(1)〜(3)の色材含有組成物を記録用インクに使用すれば、乾燥性が良好で、高画像濃度である記録用インクを提供できる。
(5):(1)〜(3)の色材含有組成物を記録用インクに使用すれば、乾燥性が良好で、高濃度画像を印字できる記録用インクカートリッジが提供される。
(6):(4)のインク又は(5)に記載の乾燥性が良好で、高濃度画像を印字できる記録用インクカートリッジを搭載した画像記録装置を提供できる。
(7):乾燥性が良好で、高濃度画像を印字できるインクを画像支持体上に吐出させ記録を行なうことを特徴とするインクジェットプリント装置を提供できる。
(8):乾燥性が良好で、高濃度画像を印字できるインクジェット方式プリント装置で印字することを特徴とする画像形成方法を提供できる。
(9):乾燥性が良好で、高画像濃度な画像形成物を提供できる。
本発明は、水を溶媒として含み、色材と鱗片状シリカを含有する色材含有組成物であり、該組成物のpHが8以上11以下であることを特徴とする色材含有組成物であり、それを利用した記録用インクである。
また、前記色材含有組成物及びそれを利用した記録インクにおいて、色材として、酸性カーボンを使用することを特徴とするものである。
前述の様に、本発明は水と色材と鱗片状シリカを含んだ組成物のpHが8〜11に調整されることではじめて顕著な効果(特に乾燥性)があらわれるのであり、更に色材として酸性のカーボンを選択することで更にその効果が向上できる。
本発明で使用される鱗片シリカは(詳細には後記)、薄膜の板状の特異な形状をしたシリカであり、その形状から薄膜面で重なりやすく、また一般的なシリカと異なり、シリカ表面に多くの活性シラノール基や水酸基を有するため、自己造膜性を有するのが特徴である。
紙のような被披記録媒体上に鱗片状シリカを含む色材含有水性液を塗布すると、その自己成膜性から紙の繊維質間の目止めをすることができ、色材を普通紙表面にとどめ易い特徴がある。
しかしながら、シリカ表面の活性シラノール基が通常のシリカに比べ多く、活性シラノール基が水分子を結合するため、結果的には水を多く含み、乾燥性が悪い(乾燥に時間を有する)問題がある。このような鱗片シリカを含むインクを特に高速印字が必要なインクジェット方式の画像形成装置に使用し、多数毎印字を行なうと、印字後未だ画像が乾燥されていない状態で次の画像サンプルが印字され、次に印字した紙裏面に前に印字した画像が転写したりする問題がある。
また、シラノール基と色材が結合しやすく、色材が鱗片状シリカ表面に吸着して重なるため、色材は紙面上に多くとどまるが、逆に色材が該鱗片状シリカに隠蔽され画像濃度があがらないか低下する傾向にあった。
こういった問題に対し、発明者らが鋭意検討した結果、水と色材と鱗片状シリカを含む色材組成物のpHを8以上11以下にすることで乾燥性が格段に向上し、しかも色材組成物で形成された皮膜の画像濃度も向上できることが解った。
また、色材として酸性カーボンを使用することで更に効果があがることがわかった。
本発明にそのような効果があるか原因は定かではないが、以下のことが考えられる。
pHを8以上11以下にするためには金属水酸化物やアルコールアミン等のpH調整剤の塩基成分を含有させるが、塩基成分が鱗片状シリカ表面に多く存在する活性シラノール基と軽い結合を施し水分子の吸着を防止する、そのため紙上に塗布されると水は鱗片状シリカにあまり吸着されていないので紙内部にすみやかに吸収され、表面の乾燥性があがるのではないかと考えている。
また、前記のように活性シラノール基が、塩基成分により阻害されているためか、色材の鱗片状シリカへの吸着が少なく色材を巻き込んで凝集しないと考えられるので、色材がシリカによって隠蔽されることは少ないと考えられる。また乾燥時に固形分濃度が高くなった場合、その形状から色材より早く凝集し造膜すると考えられるので、紙面の繊維面の空隙をより早く鱗片状シリカが覆いより色材を紙表面方向に多く存在させ、画像濃度を向上させるのではないかと思われる。
また、色材が酸性を示す顔料の場合、特にスルホン基やカルボキシル基を多く有するカーボンブラックの場合、乾燥時に高固形分濃度になった場合、存在する塩基性分をより中和させやすいので、鱗片シリカ同士の凝集を早め、より水分が解離しやすいとともに、前述したように、より紙面上の繊維質間の空隙を効率よく埋めると考えられるので、乾燥性と共に画像濃度向上が更に向上するのではないかと考えられる。
本発明で使用する鱗片状シリカについて詳細に説明する。
本発明で使用するシリカは、形状が薄膜板状であって自己造膜性を有するシリカを示すのであって、水でスラリー状に分散されたものを示す。
具体的には、薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向して複数枚重なって形成される実質的に葉状シリカ2次粒子からなる積層構造の粒子形態を有する鱗片状シリカ(以下本発明の葉状シリカ2次粒子とも称する)である。
薄片1次粒子は、その厚さが0.001〜0.1μmのものである。このような薄片1次粒子は、互いに面間が平行的に配向して1枚または複数枚重なった葉状シリカ2次粒子を形成するが、当該2次粒子の厚さは、0.001〜3μm、好ましくは0.005〜2μmであり、厚さに対する葉状2次粒子(板)の最長長さの比(アスペクト比)は、少なくとも10、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上のものであり、厚さに対する葉状2次粒子(板)の最長長さの比は、少なくとも2、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上を有するような鱗片状のシリカである。なお、当該2次粒子は、固着することもなく互いに独立に存在している。
葉状2次粒子の厚さが0.001μm未満の場合には、葉状2次粒子の機械的強度が不十分となり好ましくない。一方、葉状2次粒子の厚さが3μmより大きくなると、自己成膜性の特徴を充分発現することができない。
2次粒子の厚さは、例えば、水スラリーを濾過後、付着水をアセトンで置換してから180℃で2時間乾燥し、305gの微粉末を得、該微粉末の走査型電子顕微鏡観察することで測定することができる。
厚さと平面方向の粒径とは、透過型電子顕微鏡により撮影した粒子像サイズのスケール計測などにより区別できる。
なお、葉状2次粒子の厚さに対する最長長さの比及び最小長さの比の上限は、特に規定するものではないが、前者は300以下、好ましくは200以下が実際的であり、後者は150以下、好ましくは100以下が実際的である。
上記のように、本発明に云う葉状2次粒子の厚さ及び長さは、特に断らないかぎり、その2次粒子についての平均値を意味する。
本発明において、鱗片状とは、粒子が実質的に薄い板状の形態を有しているものであればよく、これがさらに、部分的又は全体的に曲がったり、ねじれていたりしてもよい。
鱗片状シリカの水スラリーとしは、特開平11−29317号公報や特開2001−163613号公報に記載されている方法で作成可能であるが、市販品としては旭ガラス社製のサンラブリーの名前で市販されており(LFS HN−50,LFS HN−020,LFS HN−010)、入手が可能である。
また、鱗片状シリカの粒径は平均粒径が0.01〜5μが望ましい。ここでいう平均粒子径はレーザー式粒径測定装置、例えば日本精機社性、ナノトラックUPA 150EXにて測定した体積平均粒径D50のことを示す。
また、更に乾燥性や画像濃度を向上するためには、鱗片シリカの粒度分布巾をより狭くする(粗大粒子を少なくする)ことが望ましい。
そのためには特開平11−29317号公報や特開2001−163613号公報に記載されている製造過程でビーズミル分散機等で更に細かくする方法も考えられるが、平均粒子径がその分小さくなってしまうため、画像濃度向上効果が下がってしまう傾向にある。したがって、ある一定の孔径を有するフィルターを通過させ粗大粒子を除去する方法が望ましい。簡易的には、市販品の鱗片状シリカスラリーを使ってフィルターで粗大粒子を除去すればよい。
粗大粒子とは粒子径が5μm以上の粒子径を示し、全体の粒子数に対し少なく、通常はレーザー式に散乱/回折方式や動的散乱方式などの頻度分布では見られないが、Particle Sizing Systems社の個数カウント方式で1.2ml中の5μm以上粒子数が1000個以下であることが望ましい。1000個を超えると、乾燥過程での画像部の水分保持にバラツキが生じ乾燥性が低下する傾向にある。
フィルターとしては、孔径が5μm〜0.8μmのものが好ましく、5μを超えると粗大粒子数が増大し、乾燥性や画像濃度の向上効果が低下する傾向にある。0.8μm未満であると、鱗片シリカの固形分が低下し効果が弱まる。
鱗片状シリカスラリー自体をフィルターで粗大粒子を除去しても良いし、他の構成素材が含有された状態、例えばインクをフィルターに通し粗大粒子を除去してもよい。好ましくは最終的な形態である状態、例えばインクの状態で粗大粒子除去を行なった方が鱗片状シリカスラリーを他のインクの構成材料と混合した場合のショック凝集物を除去できるので、より乾燥性や高濃度化の効果が見られる。
鱗片シリカの添加量であるが、水等を含まない固形分換算で色材100重量部に対し鱗片状シリカが1重量部以上90重量部以下であることが望ましい。1重量部未満では、画像濃度向上の効果が少なく、90重量部を超えると乾燥性や画像濃度の低下が見られる。
本発明で記載されている色材含有組成物のpH(水素イオン指数)は、ガラス電極法を利用したpHメーターを使用し測定できる。本発明ではメトラー社製pHメーター MP20を使用し測定している。
色材含有組成物のpHは8以上11以下、更に好ましくは8以上10以下が好ましい。pH8未満だと乾燥性/画像濃度が低下する傾向にあり、pH11を超えると塩基成分が多くなり画像に残留するため、乾燥性や画像濃度の低下する傾向にある。
pHを該範囲に制御するためには、pH調整剤を使用することが望ましい。pH範囲内に収めるための添加量は含有する素材で異なってくるので明確な量を記載できないが、前記pHメーターで測定しながら該記範囲にはいる量を設定すればよい。
pH調整剤としては、塩基性を示すものではなんでもいいが、例示すると、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン等のアルコールアミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム等の酸アンモニウム塩、第4級アルキルアンモニウム水酸化物等のアンモニウム塩、ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等やこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
この中でも特にアルコールアミン類が好ましく、鱗片シリカに存在するシラノール基を阻害するためにはある程度の立体障害がある方が望ましい。例示すると、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールやトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミンが挙げられ、特に2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールが乾燥性や画像濃度向上効果が最も大きい。
本発明で使用される色材について説明する。
色材としては、特にその種類を限定することなく無機色材、有機色材を使用することが可能である。インクジェット用インクとして使用する場合は、光による退色や水系インクの面から顔料を使用することが望ましい。
さらに、pHが2以上〜6以下である酸性顔料であると、乾燥性が向上すると共に画像濃度の向上効果が大きく好ましい。
顔料のpHは、JISK6221に記載のpH値測定方法によって測定することができる。
インクジェット用途として好ましい顔料を例示すると、黒色顔料としては、カーボンブラックを好ましく用いることができる。カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、カーボンブラック表面を酸化処理やアルカリ処理したものや、各種の界面活性剤や樹脂で被覆したりグラフト処理やカプセル化処理したカーボンブラックも使用可能である。
特にカーボンブラック表面を酸化処理した酸性を示す酸性カーボンであることが好ましく、スルホン酸基やカルボキシ基を有する樹脂でコーティングしたり、該官能基をグラフト処理して付与させたカーボンブラックも同様に効果が大きい。
酸性カーボンを例示すると、MA7,MA8,MA100,MA600,#45,#50,#2200B、#2350、#2650,OIL7B、OIL11B(以上、三菱化成製)、Raven1035,Raven1040、Raven1060,Raven1080,RAVEN1255,Raven3500,ラーベンC(コロンビア製)、REGAL400R、MOGUL L(キヤボツト製)、Color Black FW1,Color Black FW18,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex U,Printex V,Printex75,Printex 140U,Printex 140V,Special Black4,Special Black 100,Special Black 250,Special Black 350,NIPEX150,NIPEX180IQ(デグサ社製)が挙げられる。
その中でもとりわけpHが5以下のカーボンブラックで、揮発分が3.5重量%〜8.0重量%のカーボンブラックを用いることが好ましく、また乾燥性や画像濃度の面でガスブラックが望ましい。
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168,ピグメントレッド184、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられる。
イエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー129、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、シアン顔料としてピグメントブルー15を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
特に顔料としては、顔料表面を酸化処理した酸性を示す顔料や、スルホン酸基やカルボキシ基を有する樹脂でコーティングしたり、該官能基を付与させた顔料等の酸性顔料であることが好ましい。
上記顔料の顔料分散体中、或いは顔料インク中における濃度はそれぞれ0.1〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%が特に好ましい。
未処理の色材と、前記スルホン酸基やカルボキシ基をグラフトした樹脂でなく、長鎖アルキル基がグラフトした樹脂と混合されると、特にカーボンブラックの場合、側鎖であるアルキル基が色材表面に吸着し、色材が液表面や画像表面に配向できないためか、画像濃度向上効果が小さくなってしまう。
本発明に使用できる分散剤としては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤等、必要に応じていずれのものも使用することができる。より具体的には、下記に挙げるものを使用することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩及びジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等がある。両性活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン及びその他イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系等が挙げられる。
色材としてカーボンブラックを選んだ場合は、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物が最も好ましい。
特に顔料固形分が20重量%以上の高固形分の場合には、他の分散剤と比較しその効果は特に顕著である。
またカーボンブラックとしては、BET表面積が100m/gから400m/gであり、一次粒子径は10nm〜30nmであるものが、特に印字画像の濃度が高く安定しており好ましい。
分散剤の添加量は顔料の種類により便宜選択することが必要であるが、分散剤の含有量としては、顔料1重量部に対し、0.005〜5重量部が好ましい。
顔料としてカーボンブラックを使用した場合には、顔料1重量部に対し0.01〜2重量部でも実用上問題のない均一な分散が得られるが、最も好ましいのは顔料1重量部に対し0.02〜0.5重量部である。
0.01重量部以上、2重量部以下であると、顔料の分散性が向上すると共に分散液やインクの径時安定性が向上する傾向にある。特に0.02〜0.5重量部は分散体及びインク液の径時安定性が最も向上する。
また、本発明の顔料分散液には、水の他に各種添加剤を配合することができる。例えば、水溶性有機媒体としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、またノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種の界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明のカーボンブラック分散液は、前記カーボンブラック、分散剤、水、必要に応じて各種添加剤をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー、超音波分散機等の公知の分散機で分散することによって得られる。
このとき、分散剤の使用量を前記のように重量基準として顔料1に対し0.1以上2以下の割合にするとともに、湿式分散処理を採用するのが好適である。なお、本発明で言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水、必要に応じて水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等により、いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散する処理のことである。
このようにして得られた本発明の顔料分散液は、特に顔料系インクジェット用インクとして好適に使用することができる。
顔料系インクジェット用インクは、公知の方法、例えば本発明の顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。なお、インクにおけるカーボンブラックの濃度は全量に対して1重量%以上20重量%以下が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、20重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなく、ノズルの目詰まりが発生しやすくなる。またインクには前記顔料分散液への添加剤で記した材料と同等の材料を必要に応じて配合することができる。
たとえば水溶性有機溶剤の含有量としては、インク全量に対して0重量%以上50重量%以下、好ましくは5重量%〜40重量%、さらに好ましくは10重量%〜35重量である。
このようにして得られた本発明の顔料系インクジェット用インクは、これを収容するインクカートリッジに好適に用いることができる。また本発明の顔料系インクジェットインクは、これを例えば紙のような画像支持体に吐出させ記録(印字)を行なって画像形成するインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。
印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りこれらの実施例を適宜改変したものも本発明の範囲内である。
以下の手順で顔料分散液1の調製、及びこの分散液用いて記録用インク液を調製し、分散液とインク液のそれぞれ評価を実施した。なお、例中の部は重量基準である。
(実施例1)
<顔料分散体の作成>
顔料混合液
カーボンブラック PRINTEX60
(degussa社製:ガスブラック、pH10) 20部
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(10%水溶液) 30部
蒸留水 950部
上記の混合物をプレミックス後ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型バッチ式)で0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した後、遠心分離機(久保田商事(株)製Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し、カーボンブラック分散液の約平均粒子径約120nm、標準偏差51.2nmの表1記載の顔料分散体を得た。
<インクの作成>
インク処方
顔料分散液(顔料濃度20重量%) 40.0部
グリセリン 5部
1,3−ブタンジオール 15部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
フッ素系界面活性剤(固形分濃度40重量%) 2.5部
(DuPont社製、 Zonyl FS−300)
自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョン 0.6部
(三井化学ポリウレタン社製、W−5025:固形分濃度30%、平均粒子径=8.2nm)
鱗片状シリカスラリー
サンラブリーLFS HN−010
(固形分濃度8.2% pH6.5) 14.6部
上記を30分攪拌した後、2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオールでpHを8になるよう調整し、更に蒸留水を加えインク液が170重量部になるよう調整した。
その後、インク液をザルトリウス社製セルロースアセテートフィルター(孔径5μm)にて粗大粒子を除去し記録用インク液を作成した。
Particle Sizing Systems社 アキュサイザーにて5μm以上の粗大粒子個数測定したところ500個/1.2mlであった
(実施例2)
実施例1でpHを8にする代わりにpHを9に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例3)
実施例1でpHを8にする代わりにpHを11に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例4)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりにPNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例5)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりにPNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、pHを8にする代わりにpHを9に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例6)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりに PNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、pHを8にする代わりにpHを10に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例7)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりに PNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、pHを8にする代わりにpHを11に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例8)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりに PNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、鱗片状シリカスラリー サンラブリーLFS HN−010(固形分濃度8.2% pH6.5)14.6部を0.88部に変更し、pHを8にする代わりにpHを9に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例9)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりにPNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、鱗片状シリカスラリー サンラブリーLFS HN−010(SC8.2% pH6.5)14.6部を0.97部に変更し、pHを8にする代わりにpHを9に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例10)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりにPNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、鱗片状シリカスラリー サンラブリーLFS HN−010(SC8.2% pH6.5)14.6部を88部に変更し、pHを8にする代わりにpHを9に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例11)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりにPNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、鱗片状シリカスラリー サンラブリーLFS HN−010(SC8.2% pH6.5)14.6部を100部に変更し、pHを8にする代わりにpHを9に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例12)
実施例1において、カーボンブラック PRINTEX60(degussa社製:ガスブラック、pH10)の代わりにPNIPEX150(degussa社製:ガスブラック、pH4)を使用し、pH調整剤して2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオールの代わりに水酸化リチウムを使用し、pHを9にした以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(実施例13)
実施例5において、ザルトリウス社製セルロースアセテートフィルター(孔径5μm)にて粗大粒子を除去しない以外は実施例5と同様にしてインクを作成した。Particle Sizing Systems社アキュサイザーにて5μm以上の粗大粒子個数測定したところ1500個/1.2mlであった。
(実施例14)
実施例1において、カーボンブラックPRINTEX60(degussa社製ガスブラック、pH10)の代わりにPRINTEX150(degussa社製ガスブラック、pH4)を使用し、pH調整剤として2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールの代わりにトリエタノールアミンを使用し、pHを9にした以外は実施例1と同様にインクを作製した。
(比較例1)
実施例1でpHを8にする代わりにpHを7に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(比較例2)
実施例1でpHを8にする代わりにpHを12に調整した以外は実施例1と同様にインクを作成した。
(比較例3)
実施例1において、鱗片状シリカスラリー サンラブリーLFS HN−010(SC8.2%、pH6.5)14.6部を0部に変更し、pHを8にする代わりにpHを9にした以外は実施例1と同様にしてインクを作成した。
(比較例4)
実施例1において、鱗片状シリカスラリー サンラブリーLFS HN−010(SC8.2%、pH6.5)14.6部に変わり、コロイダルシリカ スノーテックスXS(日産化学社製、固形分20%)を6部に変更し、pHを8にする代わりにpHを9にした以外は実施例1と同様にしてインクを作成した。
<評価>
下記評価を実施し、その結果を表1に示す。
(1)高速印字性(乾燥性)
インク液をEPSON社製インクジェットプリンタEM−930Cインクカセットに充填し、リコー(株)社製PPC用紙6200に10cm×10cmのベタ画像を印字し、印字直後に印字画像上にリコー(株)社製PPC用紙6200を1枚重ね5kgの荷重を置き一時間放置する。その後、重ねたPPC用紙を剥がし、下記ランク付けを行なう。
<ランク>
○○○:全く貼り付きなし。
○○:部分的に貼りつき感はあるが、荷重をどけると剥がれるレベル。
○:やや貼り付き感はあるが、重ねたPPC一枚を持ち上げると自重で剥がれるレベル。
×:貼り付き感があり、重ねたPPC一枚を持ち上げても剥がれない。
(2)画像濃度
インク液をEPSON社製インクジェットプリンタEM−930Cインクカセットに充填しゼロックス(株)社製PPC用紙4024に1枚印字し、印字画像をXrite濃度計にて測定した。数値が大きい方が良好。
Figure 2009263592
以上の結果から、本発明の色材含有組成物は乾燥性がよく、高画像濃度が実現できることが解る。

Claims (9)

  1. 水を溶媒として含み、色材と鱗片状シリカを含有する色材含有組成物であり、該組成物のpHが8以上11以下であることを特徴とする色材含有組成物。
  2. 前記色材が酸性顔料であることを特徴とする請求項1に記載の色材含有組成物。
  3. 前記鱗片状シリカが色材100重量部に対し1重量部以上90重量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の色材含有組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の色材含有組成物を使用したことを特徴とする記録用インク。
  5. 請求項4に記載の記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  6. 請求項4に記載のインク又は請求項5に記載のインクカートリッジを搭載したことを特徴とする画像記録装置。
  7. インクを画像支持体上に吐出させ記録を行なうことを特徴とするインクジェットプリント装置である請求項6に記載の画像記録装置。
  8. 請求項4に記載のインクを用いてインクジェット方式プリント装置で印字することを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項4に記載の記録用インク用いたインクジェットプリント装置で印字されたことを特徴とする画像形成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012167173A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物
JP2018053023A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 株式会社リコー インク、液体収容容器、液体吐出方法、および液体を吐出する装置

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