JP2018039936A - インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018039936A
JP2018039936A JP2016176161A JP2016176161A JP2018039936A JP 2018039936 A JP2018039936 A JP 2018039936A JP 2016176161 A JP2016176161 A JP 2016176161A JP 2016176161 A JP2016176161 A JP 2016176161A JP 2018039936 A JP2018039936 A JP 2018039936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
mass
inorganic hollow
less
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016176161A
Other languages
English (en)
Inventor
智大 平出
Tomohiro Hirade
智大 平出
尚史 羽橋
Hisafumi Habashi
尚史 羽橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2016176161A priority Critical patent/JP2018039936A/ja
Publication of JP2018039936A publication Critical patent/JP2018039936A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】優れた保存安定性及び吐出安定性と、優れた隠蔽性及び耐溶剤性とを兼ね備えているインクの提供。
【解決手段】揮発性溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有し、前記顔料が無機中空粒子であり、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下であるインクである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置である。
インクジェットプリンターは、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有するため、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。また近年では、家庭用のみならず、例えば、ディスプレイ、ポスター、掲示板等の産業用途にも利用されている。
前記産業用途の場合、記録媒体としては、紙に限定されず透明な記録媒体から着色された記録媒体まで幅広く用いられる。これらの記録媒体に白を表現する場合やカラーインクで着色する場合、記録媒体の透明性をインクで隠蔽したり、記録媒体の色をインクで十分に隠蔽する必要がある。このため、透明な記録媒体や着色された記録媒体を白色にするため白色インクが用いられている。また、カラーインクを用いる場合は、一般的な画像に用いるカラーインクと共通化するため、記録媒体にカラーインクの下地として白色インクを印字してカラーの発色を向上させている。
前記白色インク用の顔料としては、隠蔽力、着色力等に優れた白色顔料である二酸化チタンが広く用いられている。しかし、前記二酸化チタンは、比重がインク媒体と比較して大きいために沈降しやすく、また、水性インクやソルベントインク等の低粘度インク中では沈降速度が速くなる。更に、前記二酸化チタンが沈降すると最密充填構造を形成するために再度分散させることは困難である。
このような課題に対して、中空粒子を用いた白色インクが報告されている。前記中空粒子はインク中では空孔部にインク媒体が存在することになるため、見かけの比重が小さくなり、沈降しにくくなる。また、前記中空粒子の隠蔽性は、塗膜乾燥後の中空シェルとインク成分の抜けた空孔部の屈折率差を利用して得られる。このような中空粒子を用いたものとして、例えば、中空構造を有する有機粒子と、中空構造を有する無機粒子とを含有するインクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、優れた保存安定性及び吐出安定性と、優れた隠蔽性及び耐溶剤性とを兼ね備えているインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、揮発性溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有し、
前記顔料が無機中空粒子であり、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下である。
本発明によると、優れた保存安定性及び吐出安定性と、優れた隠蔽性及び耐溶剤性とを兼ね備えているインクを提供することができる。
図1は、記録装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、記録装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インク)
本発明のインクは、揮発性溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有し、
前記顔料が無機中空粒子であり、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のインクは、前記揮発性溶剤が水又は水溶性有機溶剤である水性インク、及び前記揮発性溶剤が有機溶剤であるソルベントインクのいずれにも適用することができる。なお、前記水性インク及び前記ソルベントインクにおいて、前記揮発性溶剤以外の成分については、ほぼ共通する。
本発明のインクは、従来の中空構造を有する有機粒子では、耐溶剤性に乏しく、インク成分に溶解性の強い溶剤を含む場合や、記録後の乾燥条件によっては中空構造を維持することができず透明化が発生し、所望の隠蔽性が得られないこと、また、従来の中空構造を有する無機粒子では、小粒径に分散することができず、沈降することが避けられないという知見に基づくものである。
したがって、本発明のインクは、インク中の無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下であることにより、優れた保存安定性及び吐出安定性と、優れた隠蔽性及び耐溶剤性とを兼ね備えることができる。
<顔料>
前記顔料としては、無機中空粒子が用いられる。
前記無機中空粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム等の酸化物、窒化物、又は酸化窒化物などが挙げられる。これらの中でも、沈降性の点から酸化ケイ素(シリカ)が好ましく、隠蔽性の点から酸化チタン(チタニア)が好ましい。
前記無機中空粒子としては、粒子表面の散乱以外に中空粒子の外郭に相当するシェルと内部の空孔との散乱も得られるため、材質として酸化ケイ素(シリカ)を用いることが特に好ましい。
前記無機中空粒子が酸化ケイ素(シリカ)からなる場合(以下、「中空シリカ粒子」と称することもある)、その製造方法については、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、特許第4654428号公報、特許第5810362号公報などが挙げられる。具体的には、炭酸カルシウムをコア材として用い、塩基性触媒存在下、炭酸カルシウム表面にアルコキシシランを形成させてシリカコート粒子を得る。その後、酸添加によりコア粒子である炭酸カルシウムを溶解することにより、中空シリカ粒子を製造することができる。前記炭酸カルシウムの溶解工程においては、pH制御を行うことにより二次凝集の少ない中空シリカ粒子を得ることが可能である。具体的には、シリカの等電点を避けることである。シリカはpH2〜3付近に等電点を持つため、炭酸カルシウム溶解時にpHを低下させすぎると、静電反発力が失われ凝集してしまう。そのため、炭酸カルシウムを溶解させる際にはpH4〜5の間とすることが好ましい。
なお、前記中空シリカ粒子を使用する場合、粉末乾燥された中空シリカ粒子よりも、中空シリカ粒子の製造過程で生じる中空シリカ粒子の分散液を使用することが好ましい。中空シリカ粒子の分散液を使用することにより、乾燥時の強固な粒子間凝集を防止することができ、本発明で規定する無機中空粒子の累積50%体積粒径(D50)の範囲でも中空構造を維持したままインク中に再度分散することが可能である。
前記無機中空粒子が二酸化チタン(チタニア)からなる場合(以下、「中空チタン粒子」と称することもある)、その製造方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2014−051401号公報に記載されている方法などにより製造することができる。
前記無機中空粒子において、インク中で沈殿、浮上又は分離しないためには、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量は、前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下であり、0.02質量部以上0.3質量部以下が好ましい。
前記無機中空粒子における有機成分の吸着量を前記数値範囲内とすることにより、インク中で小粒径に安定分散させることが可能となる。
ここで、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量とは、インクの遠心分離を行い(遠心分離条件:30,000rpm、1時間)、上澄み層と顔料を含む沈降層に分離する。沈降層の回収を行い、再度、純水を加えて洗浄を繰り返し、洗浄済み沈降層を回収する。洗浄済み沈降層を25℃、1時間真空乾燥を行い、洗浄済み固形分を回収する。得られた洗浄済み固形分の熱重量分析を行い、200℃から450℃の範囲で減少した重量を無機中空粒子における有機成分の吸着量とする。なお、インクが水性インクではなくソルベントインクの場合には純水の代わりにアセトン等を用いて洗浄する。
前記無機中空粒子における有機成分の吸着量を前記数値範囲内に制御する方法としては、例えば、分散剤を添加する方法などが挙げられる
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分散剤ポリマーが好適である。前記分散剤ポリマーとしては、例えば、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、アクリルブロック共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、10mgKOH/g以上のアミン価を有するアクリルブロック共重合体であることが好ましい。
前記10mgKOH/g以上のアミン価を有するアクリルブロック共重合体としては、市販品を用いることができ、例えば、「BYKJET−9151」(ビックケミージャパン社製、アミン価:18mgKOH/g)、「DISPERBYK−2008」(ビックケミージャパン社製、アミン価:66mgKOH/g)などが挙げられる。
前記分散剤ポリマーを用いると、分散剤ポリマーの吸着に伴う立体反発効果を向上させることができ、高い保存安定性を得ることができる。なお、前記分散剤ポリマーとは、重量平均分子量が1,000以上のものを意味する。
前記分散剤のインク中での含有量としては、無機中空粒子の全量に対して、20質量%以上70質量%以下が好ましく、25質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%以上であると、無機中空粒子に吸着した分散剤の立体反発効果により分散性を確保でき、70質量%以下であると、無機中空粒子に吸着していない分散剤の含有量が少なく、インクを低粘度化することが可能である。また、吸着していない分散剤の含有量が少ないためインクのチクソ性上昇は抑制され、ろ過通液性及び吐出性の向上をもたらすことができる。
インク中の未吸着の分散剤の含有量は、0.1質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。前記インク中の未吸着の分散剤の含有量が、0.1質量%以上であると、無機中空粒子に吸着した分散剤が平衡反応により脱離することやインク中での無機中空粒子の凝集を抑制することができ、保存安定性が向上する。また、3.0質量%以下であると、インクを低粘度化することが可能であり、更にインクのチクソ性上昇が抑制され、ろ過通液性及び吐出性の向上をもたらす。
ここで、前記インク中の未吸着の分散剤の含有量の定量方法としては、分散剤の添加量と前述した無機中空粒子における有機成分の吸着量の定量結果を用いて算出することが可能である。
前記無機中空粒子の累積50%体積粒径(D50)としては、100nm以上400nm以下が好ましく、150nm以上350nm以下がより好ましい。前記累積50%体積粒径(D50)が、100nm以上であると、優れた隠蔽性を得ることができる。また、前記累積50%体積粒径(D50)が、400nm以下であると、二次凝集による粒子間の束縛溶媒による見かけの比重の増加を抑制することができ、沈降しにくく高い保存安定性を得ることができる。
前記累積50%体積粒径(D50)は、インク中での二次粒子径であり、この値が上記数値範囲を満足することにより本発明の効果を得ることができる。
前記累積50%体積粒径(D50)は、例えば、インクを分散媒として用いる揮発性溶剤で100倍から1,000倍程度に希釈して、粒度分布計(日機装株式会社製、「UPA−150EX」)を用いて測定することができる。また、前記累積50%体積粒径(D50)とは、インクそのものを測定に供して得られた累積50%体積粒径(D50)を意味し、インク中の粒子状の物体(具体的には、無機中空粒子を含む分散液)の累積50%体積粒径(D50)に相当する。
前記無機中空粒子の累積90%体積粒径(D90)としては、1μm以下が好ましく、800nm以下がより好ましく、500nm以下が更に好ましい。前記累積90%体積粒径(D90)が、1μm以下であると、粗大粒子が少なく、ろ過通液性、及び吐出性の向上をもたらす。更に、粒子沈降も抑制され、保存安定性が向上する。
前記累積90%体積粒径(D90)は、前記累積50%体積粒径(D50)と同様に測定することができ、前記累積90%体積粒径(D90)とは、インクそのものを測定に供して得られた累積90%体積粒径(D90)を意味し、インク中の粒子状の物体(具体的には、無機中空粒子を含む分散液)の累積90%体積粒径(D90)に相当する。
前記無機中空粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上200nm未満が好ましく、40nm以上180nm以下がより好ましい。前記個数平均一次粒子径が、20nm以上であると、中空シェルと内部の空孔との散乱により、隠蔽性を確保することができる。また、前記個数平均一次粒子が、200nm未満であると、インク中で沈降しにくくなり高い保存安定性を期待することができる。
前記無機中空粒子のシェル厚としては、4nm以上20nm以下であることが好ましい。前記シェル厚が、4nm以上であることにより、分散工程に負荷されたエネルギーによる中空構造の崩壊が防止され、高い隠蔽性が得られ、またインク中での沈降も防止される。また、前記シェル厚が20nm以下であることにより、無機中空粒子としての比重を小さく維持でき、インク中での沈降が防止される。
ここで、前記無機中空粒子の個数一次平均粒子径及びシェル厚としては、例えば、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、装置名:JEM−2100F)を用いて、3万倍視野での200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の2本の平行線の間隔にある一定方向径を測定して、その累積分布の平均値から求めることができる。
前記無機中空粒子の内径(空孔径)と外径(個数一次平均粒子径)の比(内径/外径)は、0.65以上0.90以下であることが好ましい。前記比(内径/外径)が、0.65以上であると、中空シェルと内部の空孔との散乱が十分得られ、高い隠蔽性が得られ、更に内部空孔により沈降しにくくなる。また、前記比(内径/外径)が、0.90以下であると、中空シェルの強度が得られ、分散時のエネルギー負荷においても構造を維持することが可能であり、高い隠蔽性と、沈降しにくく高い保存安定性が得られる。
前記無機中空粒子の含有量は、インク全量に対して、3質量%以上12質量%以下が好ましく、4.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、3質量%以上であると、十分な隠蔽性及び耐擦過性が得られ、12質量%以下とすることにより、十分な塗膜濃度が得られ、良好な吐出安定性を得ることができる。
<揮発性溶剤>
前記揮発性溶剤は、重合性官能基を有していない非重合性溶剤であることが好ましく、乾燥時に無機中空粒子内に残存しないものがより好ましい。
前記揮発性溶剤が、水及び水溶性有機溶剤の少なくともいずれかである場合は、水性インクとして使用することができ、前記揮発性溶剤が有機溶剤である場合は、ソルベントインクとして使用することができる。
近年では、VOC(揮発性有機化合物)問題も多く取り上げられ、VOC発生量の低減可能な水性インクが広く望まれる背景にある。VOCは常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化合物の総称であるが、本発明において、前記揮発性溶剤とは、記録媒体上で加温された際に揮発することが求められ、沸点が300℃以下であるのものを意味する。
本発明のインクは、前述したように粒子表面の散乱以外に無機中空粒子のシェルと内部の空孔との散乱を利用して隠蔽性が得られる。そのため、塗膜乾燥後にインク成分が無機中空粒子内に残存すると塗膜の隠蔽性が低下してしまう。この点から、前記揮発性溶剤の沸点は、260℃以下であることが好ましい。
−水性インクの揮発性溶剤−
前記水性インクに用いられる水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
前記水性インクに用いられる水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類;含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤の水溶性とは、前記有機溶剤が水に対して、30質量%以上溶解可能であることを意味する。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(出光興産株式会社製、エクアミドB100)、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド(出光興産株式会社製、エクアミドM100)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が260℃以下の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
これらの中でも、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物が好適に使用される。
前記炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
前記グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤の水性インク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
水性インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
−ソルベントインクの揮発性溶剤−
前記ソルベントインクに用いられる有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類;エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のグリコールジアセテート類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ソルベントインクに含まれる前記有機溶剤の含有量は、インク全量に対して、60質量%以上95質量%以下が好ましく、70質量%以上95質量%以下がより好ましく、80質量%以上95質量%以下が更に好ましい。
前記ソルベントインクは、水を含まないことが好ましい。水を含まないことにより、顔料の分散の安定性を向上させたり、溶剤の加水分解を抑制したり、ヘッドの腐食を抑制したりすることができる。したがって、前記ソルベントインクにおいて、水の含有量は、通常の吸湿量である0.5質量%以下であることがより好ましい。
<樹脂粒子>
前記樹脂粒子における樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリウレタン樹脂が好ましい。
前記樹脂は、水性エマルジョンの形態で水に分散し得る樹脂粒子であることが好ましく、前記樹脂粒子が分散された樹脂エマルジョンの形態としてインク中に添加されることがより好ましい。
ここで、前記「水性エマルジョンの形態で水に分散し得る樹脂粒子」とは、実質的に水不溶性の樹脂を水中で粒子状に分散してなる形態を言い、本発明における樹脂エマルジョンとは、一般に、エマルション、ディスパージョン、ラテックス、又はサスペンションと呼ばれるものを含む。
前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記樹脂粒子を用いることにより、前記無機中空粒子表面の散乱、前記無機中空粒子の外郭に相当するシェルと内部の空孔との散乱に加えて、更に樹脂粒子と前記無機中空粒子の内部の空孔との散乱が得られることから、隠蔽性が向上する。
前記樹脂粒子の累積50%体積粒径(D50)は、インク化した際の保存安定性及び吐出安定性の観点から、10nm以上350nm以下が好ましい。
前記樹脂粒子の含有量は、インク全量に対して、2.0質量%以上7.5質量%以下が好ましく、3.0質量%以上7.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、2.0質量%以上であると、前述のように隠蔽性が向上する。また、前記含有量が、7.5質量%以下であると、インク中で樹脂粒子が安定に維持できる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
[一般式(S−1)]
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
[一般式(F−1)]
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F−2)]
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
本発明のインクは、例えば、揮発性溶剤、顔料、及び樹脂粒子、更に必要に応じてその他の成分を、各種分散装置を用いて混合することにより、製造することができる。
前記分散装置としては、例えば、ボールミル、サンドミルやビーズミル等のメディアを用いた分散装置、メディアレス分散装置を用いてもよいが、分散時に無機中空粒子の中空構造を維持するためにはメディアレス分散装置を用いることが好ましい。
前記メディアレス分散装置は、粒子へのメディア衝突を避けることにより中空構造を維持したまま無機中空粒子を分散することが可能である。また、メディア由来のコンタミが発生しないことから、系内に微粉、粗粉の発生を抑制できる。更に、粒度分布の均一性を向上できることから、良好なインク吐出性が得られる。
前記メディアレス分散装置としては、例えば、衝突分散型、超音波分散型などによる高速せん断力を利用する分散装置、高速撹拌を利用する分散装置又は超音波分散装置などが挙げられる。これらの中でも、高速せん断力を利用する分散装置、超音波分散装置が好ましい。
前記高速せん断力を利用する分散装置としては、例えば、装置名:ナノヴェイタシリーズラボ機C−ES008(吉田機械興業株式会社製)などが挙げられる。
前記超音波分散装置としては、例えば、装置名:超音波ホモジナイザーUS−150E(株式会社日本精機製作所製)などが挙げられる。
分散時における分散液の温度としては、5℃以上60℃以下が好ましく、5℃以上50℃以下がより好ましい。
<インクの物性>
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては、特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
(インク収容容器)
本発明のインク収容容器は、本発明のインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に本発明のインクによりインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、
前記画像を加熱して乾燥する乾燥工程と、を含み、
前記乾燥工程における加熱温度が50℃以上200℃以下である。この温度範囲であれば、記録媒体に対する熱の影響が生じにくい。
本発明のインクは、前述のように粒子表面の散乱以外に無機中空粒子のシェルと内部の空孔との散乱を利用して隠蔽性が得られる。そのため、塗膜乾燥後に水溶性有機溶剤等の成分が無機中空粒子内に残存すると塗膜の隠蔽性が低下してしまうが、本発明のインクは、中空粒子が無機材料で形成されるために樹脂中空粒子と比較して高温乾燥時においても高い耐溶剤性を有するので、高温環境下で高速に乾燥させることも可能である。
本発明のインクは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に形成した50mm×50mmのベタ画像を、50℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*50℃、100℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*100℃としたとき、下記式(1)で表される明度差ΔL*の絶対値は、10以下であることが好ましく、5以下がより好ましい。前記明度差ΔL*の絶対値が10以下であると、画像(例えば、白色度)の安定性に優れる。
|ΔL*|=(L*50℃)−(L*100℃)・・・式(1)
前記明度は、例えば、分光測色濃度計(X−Rite939、X−Rite社製)を用いて測定することができる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明のインクとしては、透明フィルムや着色記録媒体に適用される場合に、特に良好な発色を備えた画像を提供することができる。
前記透明フィルムとしては、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチック素材からなるものなどが挙げられる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであれば、厚さ100μmの全光線透過率が80%以上のものが挙げられる。
前記着色記録媒体としては、例えば、着色された紙、着色された前記透明フィルム、生地、衣服、セラミックなどが挙げられる。なお、カラー印字の際にインクより前に前記白色インクで印字することによって、記録媒体の色を白に揃えることができ、インクの発色を向上させることができる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<無機中空粒子の個数一次平均粒子径、内径、シェル厚、及び内径/外径比の測定>
無機中空粒子の個数一次平均粒子径、内径、シェル厚、及び内径/外径比は、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JEM−2100F」)を用いて、3万倍視野での200個以上500個以下の一次粒子を挟む一定方向の2本の平行線の間隔にある一定方向径を測定することにより、求めた。
(無機中空粒子の製造例1)
−無機中空粒子(中空シリカ粒子)の作製−
ビーカー中で炭酸カルシウム(白石工業株式会社製、製品名「Homocal−D」、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、一次粒子径:80nm)12.50質量部をジグリム(ジメチレングリコールジメチルエーテル、キシダ化学株式会社製)157.65質量部中にホモジナイザー(日立工機株式会社製、HG30、C20カッター、8,000rpm、30分間)を用いて十分に分散させた。その後、炭酸カルシウムの分散状態を保つように十分に撹拌させながら、テトラエトキシシラン(TEOS、信越化学工業株式会社製、製品名「KBE−04」)9.00質量部、28質量%アンモニア水(NHOH、和光純薬工業株式会社製)4.40質量部、及び水42.15質量部を混合して、25℃にて6時間反応させ、炭酸カルシウム表面にゾル−ゲル反応を利用してシリカ殻を形成させ、シリカコート粒子を得た。
−無機中空粒子1の18質量%水層の調製−
次に、得られたシリカコート粒子の洗浄を行い、水に分散させた。更に、コア粒子の炭酸カルシウムを溶解させるために10倍に希釈した酢酸を添加した。酢酸添加後のpHは4.5であった。その後、脱塩のために水洗浄を行い、濃縮させることにより、[無機中空粒子1の18質量%水層]を得た。
なお、いずれの洗浄工程においても、シリカコート粒子、又は無機中空粒子(シリカ中空粒子)を乾燥させると凝集する恐れがあるため、液−液置換で行った。
(無機中空粒子の製造例2〜10)
−無機中空粒子(中空シリカ粒子)の作製−
無機中空粒子の製造例1において、表1−1及び表1−2に示す組成及び反応条件に変更した以外は、無機中空粒子の製造例1と同様にして、[無機中空粒子2の18質量%水層]〜[無機中空粒子10の18質量%水層]を得た。
表1−1及び表1−2中の材料の詳細については、以下の通りである。
−コア粒子(炭酸カルシウム)−
・Homocal−D:(白石工業株式会社製、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、個数平均一次粒子径:80nm)
・Homocal−DM:白石工業株式会社製、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、個数平均一次粒子径:80nm
・白艶華TDD:白石工業株式会社製、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、個数平均一次粒子径:80nm
・白艶華O:白石工業株式会社製、粒子形状:立方、表面処理剤:ロジン酸、個数平均一次粒子径:30nm
・ヴィスカル:ニューライム社製、粒子形状:立方、表面処理剤:なし、個数平均一次粒子径:80nm
−シリコンアルコキシド−
・TEOS:テトラエトキシシラン、信越化学工業株式会社製、製品名「KBE−04」
−溶媒−
・ジグリム:ジメチレングリコールジメチルエーテル、キシダ化学株式会社製
(無機中空粒子分散液の調製例1)
−無機中空粒子分散液1の調製−
前記[無機中空粒子1の18質量%水層]100質量部に、アミノ基含有共重合体(分散剤、ビックケミージャパン社製、製品名「DISPERBYK−198」、アミン価:4mgKOH/g、有効成分40質量%)13.5質量部、及び水6.5質量部を加え、十分撹拌した後、水冷しながら超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US−300T、チップ直径26mm、200μA、30分間)にて分散を行った。得られた分散液を平均孔径5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にてろ過を行って、[無機中空粒子分散液1](無機中空粒子濃度:15質量%)を作製した。
(無機中空粒子分散液の調製例2〜11)
−無機中空粒子分散液2〜11の調製−
無機中空粒子分散液の調製例1において、表2−1及び表2−2に示す組成に変更した以外は、無機中空粒子分散液の調製例1と同様にして、[無機中空粒子分散液2]〜[無機中空粒子分散液11]を作製した。
(調製例12)
−無機中空粒子分散液12の調製−
無機中空粒子の製造例2において、溶媒を水からγ−ブチロラクトンに変更した以外は、無機中空粒子の製造例2と同様にして、[無機中空粒子2の18質量%有機溶剤層]を得た。
次に、前記[無機中空粒子2の18質量%有機溶剤層]100質量部に、アミノ基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、ビックケミージャパン社製、製品名「BYKJET−9151」アミン価:18mgKOH/g、有効成分100質量%)7.2質量部、及びγ−ブチロラクトン12.8質量部を加え、十分撹拌した後、水冷しながら超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、US−300T、チップ直径26mm、200μA、30分間)にて分散を行った。
得られた無機中空粒子2の溶剤分散液を、平均孔径5μmのメンブランフィルター(PTFE膜)にて濾過を行って、[無機中空粒子分散液12](粒子濃度:15質量%)を得た。
*表2−2中の分散剤の添加割合は、無機中空粒子に対する有効成分の割合(質量%)である。
表2−2中の分散剤の詳細については、以下のとおりである。
・DISPERBYK−198:ビックケミージャパン社製、アミノ基含有共重合体、アミン価:4mgKOH/g、有効成分40質量%
・BYKJET−9151:ビックケミージャパン社製、アミノ基含有アクリルブロック共重合体、アミン価:18mgKOH/g、有効成分100質量%
・DISPERBYK−2013:ビックケミージャパン社製、顔料親和性基を有する共重合体、アミン価:18mgKOH/g、有効成分100質量%
・DISPERBYK−2008:ビックケミージャパン社製、変性アクリルブロック共重合体、アミン価:66mgKOH/g、有効成分60質量%
・DISPERBYK−102:ビックケミージャパン社製、酸性基含有共重合体、アミン価:検出なし、有効成分100質量%
(調製例13)
無機中空粒子として、市販品「シリナックス」(中空ナノシリカ粒子、日鉄鉱業株式会社製、外径100nm、内径80nm、水分散タイプ)を固形分濃度15質量%に調製した無機中空粒子分散液13を用いた。
(調製例14)
<樹脂中空粒子分散液の作製>
重合性単量体としてエチレングリコールジメタクリレート(日油株式会社製、「ブレンマーPDE−50R」、ポリオキシエチレンユニット数=1)25質量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(サートマー社製、「SR351S」)50質量部、アクリロニトリル25質量部、非重合性化合物としてトルエン95質量部、ヘキサデカン5質量部、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1質量部とを混合し、撹拌した混合溶液の全量を、水溶性乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2質量%、及び分散助剤としてセチルアルコール1質量%を含有するイオン交換水1,600質量部に添加し、超音波ホモジナイザーにて60分間強制乳化して、重合性液滴が分散した分散液を作製した。
次に、攪拌機、ジャケット、還流冷却機、及び温度計を備えた20L容の重合器を用い、重合器内を減圧し、重合器内の脱酸素を行った後、窒素ガスにより圧力を大気圧まで戻し、重合器内部を窒素雰囲気とした。この重合器内に、得られた分散液の全量を一括して投入し、重合器を60℃まで昇温して重合を開始した。4時間重合した後、重合器を室温(25℃)まで冷却して、非重合性化合物内包マイクロカプセルスラリーを得た。得られたスラリーを、噴霧乾燥機を用いて乾燥し、樹脂中空粒子を作製した。
得られた樹脂中空粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JEM−1200EXII」)を用いて観察したところ、形状はほぼ真球状であり、平均粒子径は0.12μmであった。また、得られた樹脂中空粒子は内部に単一空孔を有する構造を有しており、シェル部分比率は50体積%であった。
次に、アミノ基含有アクリルブロック共重合体(分散剤、ビックケミージャパン社製、製品名「BYKJET−9151」、アミン価:18mgKOH/g、有効成分100質量%)5質量部を水80質量部に溶解させ、前記樹脂中空粒子15質量部を添加して十分に撹拌し、直径2mmのジルコニアボール80質量部を加え、下記条件のボールミルにて2日間分散を行った。得られた分散液を平均孔径5μmのメンブランフィルター(PTFE膜)にて、ろ過を行って[樹脂中空粒子分散液](濃度:15質量%)を作製した。
−ボールミルの条件−
メディア:YTZボール直径5mm(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
:YTZボール直径1mm(ジルコニアボール、株式会社ニッカトー製)
ミル:MIX−ROTAR VMR−5(アズワン株式会社製)
回転数:マヨネーズ瓶の回転数75rpm
(調製例15)
<酸化チタン分散液の作製>
ビーカー中でアクリル共重合体(分散剤、ビックケミージャパン社製、製品名:「DISPERBYK−2008」、有効成分100質量%、アミン価:66mgKOH/g)18.0質量部を純水67.0質量部に溶解させ、二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JR−600A」、個数一次平均粒子径250nm、表面処理:Al)15.0質量部を添加し、水冷しながらホモジナイザー(日立工機株式会社製、HG30、C20カッター、8,000rpm、60分間)を用いて分散を行った。得られた酸化チタン顔料分散液を、平均孔径5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行って、[酸化チタン分散液](二酸化チタン粒子濃度:15質量%)を得た。
(実施例1〜15及び比較例1〜8)
−水性インクの作製−
下記表3から表8に示す組成のインクを常法により調製し、平均孔径5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行い、実施例1〜15及び比較例1〜8の水性インクを作製した。
表3から表8の水性インクにおいて、用いた材料の詳細については、下記の通りである。
・比較例6及び7の樹脂中空粒子分散液は、調製例14の樹脂中空粒子分散液である
・比較例8の酸化チタン分散液は、調製例15の酸化チタン分散液である
・1,2−プロパンジオール(沸点188℃)
・1,2−ブタンジオール(沸点195℃)
・1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)
・1,6−ヘキサンジオール(沸点223℃)
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点174℃)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点204℃)
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点194℃)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)
・下記構造式で表されるアミド化合物(出光興産株式会社製、エクアミドM100、沸点216℃)
ただし、R=CHである。
・グリセリン(沸点290℃)
・ポリウレタン樹脂エマルジョン:三井武田ケミカル株式会社製、W−5661、固形分35質量%
・界面活性剤A:フッ素系界面活性剤(デュポン社製、Capstone FS−34)
・界面活性剤B:フッ素系界面活性剤(デュポン社製、Capstone FS−3100)
・界面活性剤C:フッ素系界面活性剤(デュポン社製、Capstone FS−30)
・消泡剤:エンバイロジェムAD01(エアープロダクツ社製)
・防腐防黴剤:プロキセルLV(アビシア社製)
・pH調整剤:1N−NaOH
(実施例16及び比較例9)
−ソルベントインクの作製−
下記表9に示す組成のインクを常法により調製し、平均孔径5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行い、実施例16及び比較例9のソルベントインクを作製した。
表9のソルベントインクにおいて、用いた材料の詳細については、下記の通りである。
・比較例9の樹脂中空粒子は、調製例14において、水分散させていない樹脂中空粒子である
・トリエチレングリコールジエチルエーテル(沸点216℃)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点188℃)
・γ−ブチロラクトン(沸点204℃)
・ポリエステル樹脂エマルジョン(固形分30質量%):高松油脂株式会社製、ペスレジンS−110EA
・エポキシ化大豆油(花王株式会社製、カポックスS−6)
・分散剤:ソルスパース5000(ルーブルリゾール社製)
次に、得られた各インクについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表10及び表11に示した。
<無機中空粒子における有機成分の吸着量>
実施例1〜16及び比較例1〜5で調製したインク中の無機中空粒子における有機成分の吸着量を以下の方法で定量した。
インクの遠心分離を行い(遠心分離条件:30,000rpm、1時間)、上澄み層と顔料を含む沈降層に分離した。沈降層の回収を行い、再度、純水を加えて洗浄を繰り返し、洗浄済み沈降層を回収した。洗浄済み沈降層を25℃、1時間真空乾燥を行い、洗浄済み固形分を回収した。得られた洗浄済み固形分の熱重量分析を行い、200℃から450℃の範囲で減少した重量を無機中空粒子に吸着した有機成分量とし、無機中空粒子1質量部に対する有機成分の吸着量を算出した。なお、インクが水性インクではなくソルベントインクの場合には純水の代わりにアセトンを用いて洗浄を行った。
<インク中の未吸着の分散剤の含有量の定量評価>
実施例1〜16及び比較例1〜5で調製した各インク中の未吸着の分散剤の含有量は、上記で算出した有機成分の吸着量と、実施例1〜16及び比較例1〜5で調製したインク中の分散剤の添加量から算出した。
<インク中の無機中空粒子の累積50%体積粒径(D50)及び累積90%体積粒径(D90)の評価>
実施例1〜16及び比較例1〜9で調製したインク中の無機中空粒子の累積50%体積粒径(D50)及び累積90%体積粒径(D90)を粒度分布計(日機装株式会社製、「UPA−150EX」)を用いて測定した。
なお、実施例1〜15及び比較例1〜8の水性インクは純水で希釈し、実施例16及び比較例9のソルベントインクはγ―ブチロラクトンを用いて希釈を行った。
<インクの沈降性評価>
実施例1〜16及び比較例1〜9で調製した各インクの粒子の沈降性は、タービスキャンMA2000(英弘精機株式会社製)を用いて評価した。
方法としては、評価インクを水冷しながら超音波分散処理(100W、20分間)を行い、均一分散させてからピペットを用いて専用のガラスセルに評価インクを5.0mL入れた。セル内の評価インクの液面が安定した30分間後に測定を行い、この時間を沈降性評価開始とした。その後、23℃で静置し、150時間後まで測定を行い、沈降性評価開始を基準とした偏差表示にて、沈降性を評価した。沈降性の評価は、上澄みの生成による後方散乱光の変化を、ピークの積算(相対値モード)で行い、以下の基準でランク評価した。
[評価基準]
A:評価開始150時間後の相対変化が5%未満
B:評価開始150時間後の相対変化が5%以上10%未満
C:評価開始150時間後の相対変化が10%以上
<インクの保存安定性>
実施例1〜16及び比較例1〜9で調製した各インクをインクカートリッジに充填して50℃で3週間保存し、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TV−22、東機産業株式会社製)を用いて、恒温循環水の温度が25℃、回転数が50rpm、及びせん断速度が191.4sec−1の条件で保存前後の粘度の測定を行い、下記数式から粘度変化率を求め、以下の基準で、インクの保存安定性を評価した。
[評価基準]
A:保存前後の粘度変化率が±5%以内である。
B:保存前後の粘度変化率が±5%を超え、±10%以内である。
C:保存前後の粘度変化率が±10%を超え、±15%以内である。
D:保存前後の粘度変化率が±15%を超えている。
<記録条件>
インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)の外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付け、記録ヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液して洗浄液を装置から抜ききって評価用印刷装置とした。
また、調製したインクを5Pa〜10Paの減圧条件で30分間攪拌することで評価インク中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填し評価用インクカートリッジとした。充填動作を行わせ、全ノズルに評価インクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモードを選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印刷モードとした。この印刷モードでベタ画像の記録媒体上へのインク付着量が20g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整した。
<耐溶剤性評価>
実施例1〜15及び比較例1〜8で調製した各インクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、マイペーパー(株式会社リコー製、PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡株式会社製、エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003(Microsoft社製)にて作成した50mm×50mmのベタ画像を印刷した後、100℃の恒温槽で60分間乾燥させた。
綿棒をエタノール49質量%、メチルエチルケトン1質量%含む水溶液に含浸させ、画像のベタ部を20回擦過し、ベタ部の画像の剥がれ具合により、以下の基準で耐溶剤性を評価した。
[評価基準]
A:ベタ部に全く剥がれが見られず、綿棒にも汚れが見られない
B:ベタ部に剥がれは見当たらないが、綿棒にわずかに汚れが付着している
C:ベタ部にインクの溶け出しが見られる
D:ベタ部のインクが剥がれ、PETフィルムが一部以上露出している
<インクの吐出安定性>
実施例1〜16及び比較例1〜9で調製した各インクを、覆蓋手段を有するインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、ヘッドを覆蓋した状態で温度10℃、湿度15%RHで1週間放置した後、ノズルチェックパターンを印刷し、不吐出、及び噴射乱れの有無を目視観察し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A:不吐出、噴射乱れが全く存在しない
B:若干の噴射乱れが認められる
C:不吐出が認められるノズルが存在する
D:複数のノズルにおいて不吐出が認められる
<隠蔽性評価>
−画像の明度評価−
実施例1〜16及び比較例1〜9で調製した各インクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、マイペーパー(株式会社リコー製、PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡株式会社製、エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003(Microsoft社製)にて作成した50mm×50mmのベタ画像を印刷した後、50℃の恒温槽で1時間乾燥させた。
この印刷したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印刷した部分を、分光測色濃度計(X−Rite939、X−Rite社製)を用いて、明度(L*50℃)を測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A:L*50℃値が、70以上
B:L*50℃値が、60以上70未満
C:L*50℃値が、60未満
参考として、黒紙の上に未印字のPETフィルムを敷いた状態で測定したL*50℃値は、23であった。
−画像の明度安定性−
実施例1〜16及び比較例1〜9で調製した各インクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、マイペーパー(株式会社リコー製、PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡株式会社製、エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003(Microsoft社製)にて作成した50mm×50mmのベタ画像を印刷した。
印刷後、記録媒体を50℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものと、100℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものとを明度を測定して、明度差|ΔL*|=(L*50℃)−(L*100℃)を算出して評価を行った。
明度の測定は印刷したPETフィルムの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印刷した部分を、分光測色濃度計(X−Rite939、X−Rite社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
A:|ΔL*|値が、5未満
B:|ΔL*|値が、5以上10未満
C:|ΔL*|値が、10以上
<画像の明度評価(温度依存性)>
実施例16及び比較例9で調製したソルベントインクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、マイペーパー(株式会社リコー製、PPC普通紙)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(東洋紡株式会社製、エステルフィルムE5100)に対して、Microsoft Word2003(Microsoft社製)にて作成した50mm×50mmのベタ画像を印刷した。
印刷後、記録媒体を50℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものと、100℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものと、150℃の恒温槽に入れ1時間乾燥したものとの、それぞれ明度L*を測定し、以下の基準で評価した。結果を表13に示した。
[評価基準]
A:L*値が、70以上
B:L*値が、60以上70未満
C:L*値が、60未満
上記の結果から、無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下である実施例1〜15は、比較例1〜8に比べて、保存安定性、吐出安定性、沈降性、隠蔽性、及び耐溶剤性に対して良好な結果が得られた。
これに対して、比較例1、2及び4のように、無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部未満の場合には、インク中の無機中空粒子の累積50%体積粒径を制御することが困難となり、沈降しやすい結果であった。これは、無機中空粒子の一次粒子が小さくてもインク中で凝集してしまい、粒子間の束縛溶媒により見かけの比重が増加したためと考えられる。また、比較例3のように、無機中空粒子における有機成分の吸着量が、前記無機中空粒子1質量部に対して、0.3質量部を超える場合には、未吸着の分散剤の含有量が高くなり、インクの保存安定性の低下や吐出安定性の低下が見られた。
また、比較例5のように樹脂粒子を含まない場合は、十分な隠蔽性が得られなかった。
また、比較例6及び比較例7のように、樹脂中空粒子を使用した場合、隠蔽性評価の白色度安定性が著しく低い結果となった。これは、乾燥によりインク成分が蒸発する際に高沸点成分の溶剤の蒸発速度が遅いために溶解性の高い成分の濃縮状態となり、中空を形成する樹脂骨格を溶解させるためと推定される。このことは、比較例9のソルベントインクにおいても同様であると推定される。
また、比較例8のように、酸化チタン粒子を使用した場合、粒子比重が大きいために沈降しやすい結果が得られた。なお、実施例15及び比較例7のように高沸点成分の溶剤を含む場合は中空粒子内に溶剤成分が残存しやすく、やや白色度が低い結果が得られたものと推定される。しかし、実施例15では乾燥条件を強くすることにより高い白色度が得られることが確認された
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 揮発性溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有し、
前記顔料が無機中空粒子であり、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下であることを特徴とするインクである。
<2> 前記有機成分が分散剤であり、インク中の未吸着の前記分散剤の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記無機中空粒子の累積50%体積粒径が、100nm以上400nm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記無機中空粒子の累積90%体積粒径(D90)が、1μm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記無機中空粒子の個数平均一次粒子径が、20nm以上200nm未満である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記無機中空粒子のシェル厚が、4nm以上20nm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記無機中空粒子の内径(空孔径)と外径(個数一次平均粒子径)の比(内径/外径)が、0.65以上0.90以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記無機中空粒子の含有量が、3質量%以上12質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記分散剤がアクリルブロック共重合体であり、前記アクリルブロック共重合体が10mgKOH/g以上のアミン価を有する前記<2>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記分散剤のインク中の含有量が、無機中空粒子に対して、20質量%以上70質量%以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 前記樹脂粒子の含有量が、2.0質量%以上7.5質量%以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記揮発性溶剤が非重合性溶剤であり、かつ沸点が260℃以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記揮発性溶剤が、水及び水溶性有機溶剤の少なくともいずれかである前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 前記水溶性有機溶剤の含有量が、10質量%以上60質量%以下である前記<13>に記載のインクである。
<15> 前記揮発性溶剤が、有機溶剤である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<16> 前記有機溶剤の含有量が、60質量%以上95質量%以下である前記<15>に記載のインクである。
<17> ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した50mm×50mmのベタ画像を、50℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*50℃、100℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*100℃としたとき、下記式(1)で表される明度差ΔL*の絶対値が10以下である前記<1>から<16>のいずれかに記載のインクである。
|ΔL*|=(L*50℃)−(L*100℃)・・・式(1)
<18> 前記<1>から<17>のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインク収容容器である。
<19> 記録媒体上に前記<1>から<17>のいずれかに記載のインクによりインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、
前記画像を加熱して乾燥する乾燥工程と、を含み、
前記乾燥工程における加熱温度が50℃以上200℃以下であることを特徴とする画像形成方法である。
<20> 前記<18>に記載のインク収容容器と、
インクを吐出させるための吐出ヘッドと、
を有することを特徴とする画像形成装置である。
<21> 記録後の前記画像を加熱して乾燥する乾燥手段を有する前記<20>に記載の画像形成装置である。
<22> 前記乾燥手段による加熱温度が、50℃以上200℃以下である前記<21>に記載の画像形成装置である。
前記<1>から<17>のいずれかに記載のインク、前記<18>に記載のインク収容容器、前記<19>に記載の画像形成方法、及び前記<20>から<22>のいずれかに記載の画像形成装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2012−7089号公報

Claims (12)

  1. 揮発性溶剤、顔料、及び樹脂粒子を含有し、
    前記顔料が無機中空粒子であり、前記無機中空粒子における有機成分の吸着量が前記無機中空粒子1質量部に対して、0.010質量部以上0.3質量部以下であることを特徴とするインク。
  2. 前記有機成分が分散剤であり、インク中の未吸着の前記分散剤の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記無機中空粒子の累積50%体積粒径が、100nm以上400nm以下である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 前記分散剤がアクリルブロック共重合体であり、前記アクリルブロック共重合体が10mgKOH/g以上のアミン価を有する請求項2から3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記樹脂粒子の含有量が、2.0質量%以上7.5質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載のインク。
  6. 前記揮発性溶剤が非重合性溶剤であり、かつ沸点が260℃以下である請求項1から5のいずれかに記載のインク。
  7. 前記揮発性溶剤が、水及び水溶性有機溶剤の少なくともいずれかである請求項1から6のいずれかに記載のインク。
  8. 前記揮発性溶剤が、有機溶剤である請求項1から6のいずれかに記載のインク。
  9. ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成した50mm×50mmのベタ画像を、50℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*50℃、100℃恒温槽で1時間乾燥したときの明度をL*100℃としたとき、下記式(1)で表される明度差ΔL*の絶対値が10以下である請求項1から8のいずれかに記載のインク。
    |ΔL*|=(L*50℃)−(L*100℃)・・・式(1)
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインク収容容器。
  11. 記録媒体上に請求項1から9のいずれかに記載のインクによりインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像を加熱して乾燥する乾燥工程と、を含み、
    前記乾燥工程における加熱温度が50℃以上200℃以下であることを特徴とする画像形成方法。
  12. 請求項10に記載のインク収容容器と、
    インクを吐出させるための吐出ヘッドと、
    を有することを特徴とする画像形成装置。

JP2016176161A 2016-09-09 2016-09-09 インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置 Pending JP2018039936A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016176161A JP2018039936A (ja) 2016-09-09 2016-09-09 インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016176161A JP2018039936A (ja) 2016-09-09 2016-09-09 インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018039936A true JP2018039936A (ja) 2018-03-15

Family

ID=61625336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016176161A Pending JP2018039936A (ja) 2016-09-09 2016-09-09 インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018039936A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190031897A1 (en) * 2017-07-31 2019-01-31 Tomohiro HIRADE Ink, ink accommodating unit, recording method, recording device, and recorded matter
WO2019244795A1 (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 東海カーボン株式会社 水系分散体、水系分散体の製造方法、水性インクジェットインク組成物、セラミックス体およびセラミックス体の製造方法
US11285732B2 (en) 2019-04-01 2022-03-29 Ricoh Company, Ltd. White ink, ink accommodating container, recording device, recording method, and recorded matter
CN115109465A (zh) * 2021-03-23 2022-09-27 精工爱普生株式会社 喷墨油墨组合物及记录方法
EP4124639A1 (en) * 2021-07-27 2023-02-01 Xerox Corporation Ink composition with ph responsive resin particles
US11714361B2 (en) 2021-07-27 2023-08-01 Xerox Corporation Toner
US11952451B2 (en) 2021-07-27 2024-04-09 Xerox Corporation Latexes with pH responsive resin particles
US11952448B2 (en) 2021-07-27 2024-04-09 Xerox Corporation Organic additives and compositions containing the same
JP7525823B2 (ja) 2020-02-10 2024-07-31 株式会社リコー インク、インク収容容器、記録装置、記録方法、及びインクセット

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190031897A1 (en) * 2017-07-31 2019-01-31 Tomohiro HIRADE Ink, ink accommodating unit, recording method, recording device, and recorded matter
US10519330B2 (en) 2017-07-31 2019-12-31 Ricoh Company, Ltd. Ink, ink accommodating unit, recording method, recording device, and recorded matter
WO2019244795A1 (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 東海カーボン株式会社 水系分散体、水系分散体の製造方法、水性インクジェットインク組成物、セラミックス体およびセラミックス体の製造方法
US11285732B2 (en) 2019-04-01 2022-03-29 Ricoh Company, Ltd. White ink, ink accommodating container, recording device, recording method, and recorded matter
JP7525823B2 (ja) 2020-02-10 2024-07-31 株式会社リコー インク、インク収容容器、記録装置、記録方法、及びインクセット
CN115109465A (zh) * 2021-03-23 2022-09-27 精工爱普生株式会社 喷墨油墨组合物及记录方法
CN115109465B (zh) * 2021-03-23 2023-09-22 精工爱普生株式会社 喷墨油墨组合物及记录方法
EP4124639A1 (en) * 2021-07-27 2023-02-01 Xerox Corporation Ink composition with ph responsive resin particles
US11714361B2 (en) 2021-07-27 2023-08-01 Xerox Corporation Toner
US11834580B2 (en) 2021-07-27 2023-12-05 Xerox Corporation Ink composition with pH responsive resin particles
US11952451B2 (en) 2021-07-27 2024-04-09 Xerox Corporation Latexes with pH responsive resin particles
US11952448B2 (en) 2021-07-27 2024-04-09 Xerox Corporation Organic additives and compositions containing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018039936A (ja) インク、並びにインク収容容器、画像形成方法、及び画像形成装置
US10519330B2 (en) Ink, ink accommodating unit, recording method, recording device, and recorded matter
JP7310443B2 (ja) インク、インクセット、印刷方法、及び印刷装置
US11041082B2 (en) Image forming method, image forming device, and recorded matter
JP2017088846A (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物
JP2018069453A (ja) 洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、収容容器、及びインク吐出装置
JP6747187B2 (ja) インクセット、記録方法、及び記録装置
JP6866642B2 (ja) インクセット、インクカートリッジ、印刷方法および印刷装置
JP2017155137A (ja) インク−後処理液セット、画像形成方法、インク−後処理液のカートリッジセット、インク−後処理液セットの収容容器セット及びインクジェット記録装置
JP2017218479A (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録装置
JP2017105967A (ja) 白色インク、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成物
JP2017082043A (ja) インク、画像形成方法、及び画像形成装置
JP2017190392A (ja) 画像形成セット、記録方法、及び記録装置
JP7362027B2 (ja) インク、インク収容容器、印刷方法、及び印刷装置
JP2019025905A (ja) 画像形成方法、記録物、及び画像形成装置
JP2019019234A (ja) インク、インク収容容器、画像記録装置、画像記録方法、及び記録物
JP2020084075A (ja) インク−後処理液セット、記録方法、インク−後処理液セットの収容容器セット、インクジェット記録装置、及び記録物
JP2020121528A (ja) 印刷物、印刷方法、及び印刷物製造用のインク
JP6969209B2 (ja) インク、印刷物の製造方法、印刷方法、及びインク吐出装置
JP2019163352A (ja) 白色インク、収容容器、インクジェット印刷装置、インクジェット印刷方法、及び印刷物
JP2019178322A (ja) インク、インク収容容器、記録方法、記録装置、及び記録物
JP2021123722A (ja) インク、インクジェットインク、インク収容容器、画像形成方法及び画像形成装置
JP2020082692A (ja) インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
JP2022048513A (ja) 印刷方法、印刷装置、及びインクセット
JP6697683B2 (ja) インク、液体収容容器、液体吐出方法、および液体を吐出する装置