JP4880265B2 - インクジェット用インク、その製造方法、インクカートリッジ、インクジェット装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
しかし顔料系インクは染料系インクと比べて顔料の凝集・増粘による吐出不良が生じやすい傾向がある。顔料系インクの原料となる顔料分散体としては大きく分けてカプセル型、自己分散型、高分子分散型、界面活性剤分散型の4種類がある。特許文献1(特開2001−247800号公報)に開示されるようなカプセル型分散体では製造工程上有機溶剤が不可欠であり環境に悪影響があるばかりではなく製造コストも高くなる傾向がある。また特許文献2(特許第3405817号公報)に開示されるような自己分散型分散体は酸化剤やジアゾカップリング剤のような化学薬品を用いる必要があるためやはり環境に悪影響があるばかりでなく、カラーの有機顔料では顔料に導入した親水基による顔料の溶け出し(染料化)が起こりやすく、インクの耐水性に劣る傾向がある。一方特許文献3(特許第2714240号公報)に開示されるような高分子分散型では分散に長時間を要するためやはり製造コストも高くなる傾向があり、顔料の微粒子化も困難である。
界面活性剤分散型の分散体を使用し、保存安定性を向上させる方法として、特許文献4(特許第3625595号公報)や特許文献5(特許第3390153号公報)、特許文献6(特開2003−96342号公報)に記載されているように界面活性剤と高分子分散剤あるいはエマルジョン粒子を併用する方法があるが、確かに保存安定性は向上できるがこれらの分散体をもってしても普通紙高速印字における速乾性を確保するために高浸透性の界面活性剤を添加すると保存安定性が劣る傾向にある。また画像濃度や彩度等の画像品位も更なる向上が求められている。
また、特許文献7(特開2004−169008号公報)には顔料、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、ポリウレタン系樹脂からなるインクジェット記録用インクが開示されているが、やはり高浸透性の界面活性剤を添加した上での保存安定性は不十分であった。
1)少なくとも顔料、前記顔料を分散するノニオン系またはアニオン系界面活性剤、平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョンAおよび平均粒径10nm以上200nm以下のウレタン樹脂エマルジョンBを含有することを特徴とするインクジェット用インク。
2)前記ウレタン樹脂エマルジョンAがエーテル系であることを特徴とする前記1)に記載のインクジェット用インク。
3)前記ウレタン樹脂エマルジョンBがエーテル系またはエステル系であることを特徴とする前記1)または2)に記載のインクジェット用インク。
4)前記ウレタン樹脂エマルジョンAまたはBの少なくとも一方が、カルボキシル基を含有する自己乳化型であることを特徴とする前記1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
5)前記ウレタン樹脂エマルジョンAの含有量よりも、前記ウレタン樹脂エマルジョンBの含有量の方が多いことを特徴とする前記1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
6)前記ウレタン樹脂エマルジョンAの含有量よりも、前記ノニオン系またはアニオン系界面活性剤の含有量の方が多いことを特徴とする前記1)〜5)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
7)前記顔料に対する前記ウレタン樹脂エマルジョンAの含有量(固形分)が3質量%以上20質量%以下であることを特徴とする前記1)〜6)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
8)インク中の固形分濃度の総量が6質量%以上25質量%以下であることを特徴とする前記1)〜7)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
9)前記顔料を分散するノニオン系またはアニオン系界面活性剤以外の、他のノニオン系またはアニオン系界面活性剤をさらに含有することを特徴とする前記1)〜8)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
10)前記ウレタン樹脂エマルジョンAおよびB以外の、他の樹脂エマルジョンCを1種以上含有することを特徴とする前記1)〜9)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
11)前記樹脂エマルジョンCが、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリルシリコン樹脂から選択された1種以上であることを特徴とする前記10)に記載のインクジェット用インク。
12)顔料とこれを分散するノニオン系またはアニオン系界面活性剤とを混合して顔料分散体を調製し、前記顔料分散体と平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョンAとを混合した後、平均粒径10nm以上200nm以下のウレタン樹脂エマルジョンBおよび必要に応じて他の材料を加え混合することを特徴とする前記1)〜11)のいずれかに記載のインクジェット用インクを製造する方法。
13)前記1)〜11)のいずれかに記載のインクジェット用インクを収容したインクカートリッジ。
14)インクジェット用インクを吐出するヘッドと、該ヘッドに前記インクジェット用インクを供給する前記13)に記載のインクカートリッジと、を備えるインクジェット装置。
15)前記14)に記載のインクジェット装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョンAを用いることで高濃度高浸透インクにおいてもインク保存時の顔料の凝集、増粘を抑えることができる。また平均粒径10nm以上200nm以下のウレタン樹脂エマルジョンBは従来技術で開示されているスチレン−アクリル系樹脂エマルジョンおよびアクリル−シリコン系樹脂エマルジョンと比べてインクの凝集、増粘を生じにくく、普通紙に印字した際の画質も確保することができる。従って樹脂エマルジョンAとBを併用することで高濃度高浸透インクにおいても保存安定性と普通紙高画質を高度に両立することができるのである。さらに樹脂エマルジョンAとBを併用することで擦過性および耐マーカー性も満足することができる。
上記の顔料のうち、ブラック顔料としては特にカーボンブラックが好ましく、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、1次粒子が15nmから40nm、BET吸着法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH2〜9を有するものが使用され、特にpH6以下の酸性カーボンブラックが高濃度で好ましい。カラー顔料としては特にピグメントイエロー13、17、55、74、93、97、98、110、128、139、147、150、151、154、155、180、185、ピグメントレッド122、202、209、ピグメントブルー15:3、15:4が好ましい。
本発明における顔料の平均粒径は、日機装社製マイクロトラックUPA-150を用い、測定サンプル中の顔料濃度(質量濃度)が0.01%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm3、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した 50% 平均粒径(D50)のことである。
ノニオン系界面活性剤のHLBは12以上19.5以下のものが好ましく、13以上19以下のものがより好ましい。HLBが12未満であると界面活性剤の水性媒体のような分散媒へのなじみが悪いため分散安定性が悪化する傾向があり、HLBが19.5を超えると界面活性剤が顔料に吸着しにくくなるためやはり分散安定性が悪化する傾向がある。
本発明における樹脂エマルジョンの平均粒径は、日機装社製マイクロトラックUPA-150を用い、測定サンプル中の樹脂濃度が0.1質量%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm3、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した 50% 平均粒径(D50)のことである。
インクからウレタン樹脂エマルジョンAおよびBを単離する方法としては公知の濾過技術を用いることができ、限外濾過や精密膜濾過、クロスフロー濾過等の手法で分離することができる。また遠心分離法およびクロマト法も適用できる場合がある。
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、ポリオメガ−ヒドロキシカプロン酸ポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)および/またはヘキサンジオール−(1,6)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのようなジオールとホスゲン、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートまたはエチレンもしくはプロピレンカーボネートのような環状カーボネートとの反応から得られる生成物のような、それ自体、公知であるものが含まれる。上述のポリエステルまたはポリラクトンとホスゲン、ジアリールカーボネートまたは環状カーボネートとから得られるポリエステルカーボネートもまた好適である。
カルボキシル基またはスルホニル基を有する自己乳化型ウレタン樹脂エマルジョンを使用する場合、インク中においてウレタン樹脂の水性媒体への分散性を高めるために塩基性化合物を含有していても良い。このような塩基性化合物としては、その配合により上記ウレタン樹脂を後述する水性媒体に分散することができるものであれば特に限定されず、一般に使用されている塩基性化合物を使用できる。例えば、ブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、コリン等を挙げることができる。また塩基としてトリスヒドロキシルメチルアミノメタン、グッドバッファー等の緩衝剤を用いてもよい。塩基性化合物の添加量は使用するウレタン樹脂の物性や使用量、インクとして適したpHに応じて適宜設定され、単独または2種以上を混合して用いても良い。
特にウレタン系樹脂をプレポリマー法によって合成してもよく、その際、低分子量のポリヒドロキシ化合物を使用してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、上記の原料として挙げたグリコール、アルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、そのアルキレンオキシド低モル付加物などが挙げられる。
水系ウレタン樹脂の場合、有機溶剤相で作成したウレタンプレポリマーを転相・乳化し水相でさらに鎖延長させる方法が一般的に知られている。この際の鎖伸長剤としてジアミン等のポリアミン類が一般的である。具体的には、ウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後または中和しながら水延長またはジ若しくはトリアミン延長する。アミン延長の際に鎖伸長剤として使用するポリアミン類としては、通常ジアミンまたはトリアミンが挙げられる。また、その具体例としてはヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等が挙げられる。
ウレタン樹脂エマルジョンAとBの含有量の比としては前者:後者として、1:1以上1:20以下が好ましく、1:1.5以上1:10以下がさらに好ましい。含有量の比が1:20を超えるとインクの吐出安定性が低下する傾向がある。
本発明における固形分濃度の総量とはインク中に含まれる水や水溶性有機溶剤等の混合物に溶けない成分の総量であり、顔料や樹脂エマルジョン等が含まれる。インク中の固形分濃度の総量を割り出す方法はインクを遠心分離機にかけて固形分を沈降または浮遊させて分離し、質量を計測する方法、またはインクに凝集剤を添加して固形分を凝集させ、インクから分離して質量を計測する方法、等が挙げられる。
ノニオン系またはアニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。これらのうち、特に疎水基が複数存在するノニオン性界面活性剤、あるいは疎水基が分岐しているノニオン性界面活性剤はインクの保存安定性を阻害しやすい傾向があるが、本発明のインクはこれらの界面活性剤と組み合わせても保存安定性を確保することができる。
pHの調整方法としては、上記ウレタン樹脂エマルジョンのカルボキシル基あるいはスルホニル基の中和で例示されているアルカリの他、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、炭酸等の酸、尿素等を添加することにより可能である。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチルー1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール、上記多価アルコールと上記アルコールを脱水縮合して得られるモノエーテル誘導体およびジエーテル誘導体、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールフェニルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチルー2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ―ブチロラクトン類である。これらの溶剤は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
これらの中で特に好ましいものはジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、ペトリオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、2−メチルー1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン,N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1、3ジメチルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより本化合物の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
水溶性有機溶剤の添加量としては、質量基準で、10%以上50%以下が好ましい。水溶性有機溶剤が10%未満だと乾燥後の粘度が高くなり、50%を越えるとインクの粘度が高くなるばかりでなく、印字した際に文字品質が低下する傾向にある。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、イソチアゾリン等が本発明に使用できる。
その他キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等がある。
その他、目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、消泡剤、pH緩衝剤等を添加することも可能である。
また必要に応じ染料の併用も可能である。好ましい染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
図1に図示するように、このインクジェット装置(50)は、紙送りモータ(51)によって用紙(52)を搬送する機構と、キャリッジモータ(53)によってキャリッジ(54)をプラテン(55)と対向しながら往復動させる機構と、キャリッジ(54)に搭載された印刷ヘッド(56)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御する機構と、ヘッドにインクを供給するためのカラーインクカートリッジ(63)および黒インクカートリッジ(65)と、カートリッジを保持するための仕切り板(64)と、これらの紙送りモータ(51)、キャリッジモータ(53)、印刷ヘッド(56)および操作パネル(57)との信号のやり取りを司る制御回路(58)とから構成されている。
記録媒体である用紙(52)を搬送する機構は、紙送りモータ(51)の回転をプラテン(55)のみならず、図示しない用紙搬送ローラに伝達するギヤトレインを備える。また、キャリッジ(54)を往復動させる機構は、プラテン(55)の軸と並行に架設されキャリッジ(54)を摺動可能に保持する摺動軸(59)と、キャリッジモータ(53)との間に無端状の駆動ベルト(60)を張設するプーリ(61)と、キャリッジ(54)の原点位置を検出する位置検出センサ(62)等から構成されている。
なお、制御系については、図示しないが、インクジェット装置内に設けられた制御回路は、例えば、周知のCPU 、プログラムなどを記憶したP−ROM 、RAM 、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)などを中心とする算術論理演算回路として構成されており、この他、外部のモータ等とのインタフエースを専用に行なうI/F専用回路、このI/F専用回路に接続され印刷ヘッド(56)を駆動するヘッド駆動回路、同じく紙送りモータ(51)およびキャリッジモータ(53)を駆動するモータ駆動回路等を備える。前記のような方法およびインクジェット装置により印字された画像形成物は、画像濃度および彩度などに優れている。
下記表1の顔料、界面活性剤、水をプレミックス後、アシザワ・ファインテック社製ダイノーミルで0.3μmジルコニアビーズを用い2時間分散後、ビーズと液体を分離し、顔料分散液A〜C(顔料濃度15質量%、界面活性剤濃度3.75質量%)を得た。
51 紙送りモータ
52 用紙
53 キャリッジモータ
54 キャリッジ
56 印刷ヘッド
58 制御回路
Claims (15)
- 少なくとも顔料、前記顔料を分散するノニオン系またはアニオン系界面活性剤、平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョンAおよび平均粒径10nm以上200nm以下のウレタン樹脂エマルジョンBを含有することを特徴とするインクジェット用インク。
- 前記ウレタン樹脂エマルジョンAがエーテル系であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記ウレタン樹脂エマルジョンBがエーテル系またはエステル系であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
- 前記ウレタン樹脂エマルジョンAまたはBの少なくとも一方が、カルボキシル基を含有する自己乳化型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記ウレタン樹脂エマルジョンAの含有量よりも、前記ウレタン樹脂エマルジョンBの含有量の方が多いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記ウレタン樹脂エマルジョンAの含有量よりも、前記ノニオン系またはアニオン系界面活性剤の含有量の方が多いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記顔料に対する前記ウレタン樹脂エマルジョンAの含有量が3質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インク中の固形分濃度の総量が6質量%以上25質量%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記顔料を分散するノニオン系またはアニオン系界面活性剤以外の、他のノニオン系またはアニオン系界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記ウレタン樹脂エマルジョンAおよびB以外の、他の樹脂エマルジョンCを1種以上含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 前記樹脂エマルジョンCが、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリルシリコン樹脂から選択された1種以上であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット用インク。
- 顔料とこれを分散するノニオン系またはアニオン系界面活性剤とを混合して顔料分散体を調製し、前記顔料分散体と平均粒径10nm未満のウレタン樹脂エマルジョンAとを混合した後、平均粒径10nm以上200nm以下のウレタン樹脂エマルジョンBおよび必要に応じて他の材料を加え混合することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット用インクを製造する方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
- インクジェット用インクを吐出するヘッドと、該ヘッドに前記インクジェット用インクを供給する請求項13に記載のインクカートリッジと、を備えることを特徴とするインクジェット装置。
- 請求項14に記載のインクジェット装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
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