JP2005289774A - ガラス体の延伸方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加熱炉16にガラス体の出発母材1Aを挿入して加熱軟化させ、ガラス体の両端に引張力を作用させることにより、その加熱軟化部分を延伸・縮径させて一定の外径を有するガラス体を得るガラス体の延伸方法において、前記出発母材1Aの長手方向に所定振幅以上の周期的外径変動がある場合に、その外径変動における単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、加熱炉16内で延伸・縮径されている粘性変形部1Bのガラス母材体積Vneckとの間に、
Vneck≦Vrod
の関係を成立させる条件にて延伸を行う。
【選択図】図2
Description
しかしながら、上記手法を用いて最も適切な条件で延伸速度を制御した場合であっても、ガラス体の外径を高機能ファイバの製造スペックに十分整合する程度の高精度にコントロールすることができない場合が散見される。
Vneck≦Vrod
の関係を成立させながら延伸を行うことを特徴とする。
・延伸前の出発母材の外径 :D1
・同出発母材の外径変動周期 :L
・延伸後の目標外径 :D2
・粘性変形部(ネック部)の長さ:h
としたとき、Vrodは(1)式、Vneckは(2)または(3)式のように計算できる。
前記出発母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合に、その外径変動における単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneck1との間に、
Vneck1>Vrod
の関係を成立させる条件にて第1回目の延伸を行い、前記第1回目の延伸により得たガラス体を出発母材として、
Vneck2≦Vrod
の関係を成立させる条件にて第2回目の延伸を行うことを特徴とする。
・1次延伸前の出発母材の外径 :D1
・同出発母材の外径変動周期 :L
・1次延伸後の目標外径 :D2
・1次粘性変形部(ネック部)の長さ:h1
としたとき、Vrodは(4)式、Vneck1は(5)または(6)式のように計算できる。
・2次延伸後の目標外径 :D3
・2次粘性変形部(ネック部)の長さ:h2
としたとき、Vneck2は(7)または(8)式のように計算できる。
一般に、VAD法、OVD法、及び、これらの派生法により多孔質ガラス体を作製し、それを焼結する方法で得たガラス母材には、図3(b)に示すように、ガラス長手方向にそって周期的な外径変動が存在するものがある。ガラス外径変動の変動周期や変動幅は、使用した多孔質ガラス体の作製プロセス、焼結方法(均熱炉焼結、トラバース焼結、他)、さらには製造に用いた設備によって比較的大きな個体差がある。
・延伸前の出発母材の外径 :D1
・同出発母材の外径変動周期 :L
・延伸後の目標外径 :D2
・粘性変形部(ネック部)の長さ:h
としたとき、Vrodは(1)式、Vneckは(2)または(3)式のように計算できる。
Δd=ΔD×(延伸後のガラス体の外径中心値/出発母材の外径中心値)
このように、本実施形態では、延伸前のガラス母材またはガラス体の周期的外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと粘性変形部のガラス母材体積Vneckが、Vneck≦Vrodの関係を満たすまで、延伸を繰り返してやることにより、長手方向外径変動を有さないガラス体を成形することができる。
また、Vneck≦Vrodを満たすためには、Vneckができるだけ小さくなるように加熱炉16の加熱部材16aによる加熱域の狭幅化を実施することが好ましい。このためには、加熱炉16として用いられる抵抗炉、誘導炉のヒートゾーンの短尺化、酸水素加熱を行う場合には加熱域の狭幅化等を行うことが考えられる。
また、延伸前の出発体であるガラス母材の製造工程を調整(ガラス微粒子製造工程、焼結工程の改善・改良)して、なるべく外径変動が生じないように調整してやることが好ましい。
図5は、横型のガラス体の延伸装置30の概略構成図である。図5において、1Aは延伸しようとするガラス母材、1Bはガラス母材1Aを基に延伸されたガラス体、そして1Cはガラス母材1Aが加熱軟化されて延伸・縮径される途中の変形部分であるネック部(粘性変形部)である。
(実施例1)
実施例1として以下のような条件でガラス母材を延伸してガラス体を得る。
(a)延伸形態:加熱器として誘導炉を備えた縦型延伸機を使用する。
(b)出発母材:母材長手方向に120mm周期で±2.0mm程度の周期的外径変動が存在している外径140mmのシリカガラス(SiO2ガラス)を用いる。このシリカガラスのガラス母材体積Vrodは、1847cm3である。
(c)延伸目標形状:外径70mmφ、目標外径変動±0.5mm以下に設定する。
(d)延伸条件:挿入速度Vfを15mm/分及び引取速度Vfcを60mm/分とし、ヒータ温度1800℃となるようにヒータ出力を自動調整する。
(e)延伸制御:ネック部のガラス径が概ね「ガラス最終延伸径+2.0mm」となる位置にレーザ外径測定器を設置し、その測定した径が72.0mmで一定となるように挿入速度を自動調整しながら延伸を実施する。
(a)延伸形態:加熱器として抵抗炉を備えた縦型延伸機を使用する。
(b)出発母材:実施例1と同様とする。
(c)延伸目標形状:実施例1と同様とする。
(d)延伸条件:実施例1と同様とする。
(e)延伸制御:実施例1と同様とする。
(a)延伸形態:(比較例と同じ)
(b)出発母材:母材長手方向に120mm周期で±2.0mm程度の周期的外径変動が存在している外径140mmのシリカガラス(SiO2ガラス)を用いる。このシリカガラスの外径面に対して全体的に径方向に突出した凸部を取り除くように機械研削を行い外径変動が±0.8mm程度となったシリカガラスを出発母材とする。出発母材のガラス母材体積Vrodは、1840cm3である。
(c)延伸目標形状:(比較例と同じ)
(d)延伸条件:(比較例と同じ)
(e)延伸制御:(比較例と同じ)
実施例3は、第1次延伸(第1回目の延伸)の後に第2次延伸(第2回目の延伸)を行う2段延伸の例である。
<第1次延伸>
(a)延伸形態:比較例と同様とする。
(b)出発母材:比較例と同様とする。
(c)延伸目標形状:比較例と同様とする。
(d)第1延伸条件:挿入速度Vfを20mm/分及び引取速度Vfcを60mm/分とし、ヒータ温度1870℃となるようにヒータ出力を自動調整する。
(e)第1次延伸制御:ネック部のガラス径が概ね「ガラス最終延伸径+2.0mm」となる位置にレーザ外径測定器を設置し、その測定した径が82.0mmで一定となるように挿入速度を自動調整しながら第1次延伸を実施した。
(a)延伸形態:実施例1と同様とする。
(b)出発母材:第1次延伸で得られたガラス体(中間体)を特段の加工なくそのまま使用する。このガラス体(中間体)には、外径80mm、母材長手方向に370mm周期で±1.1mm程度の外径変動が存在する。ここで、ガラス体の体積Vrodは、1840cm3である。
(c)延伸目標形状:外径70mmφかつ目標外径変動±0.5mm以下に設定する。
(d)第2次延伸条件:挿入速度Vfが46mm/分かつ引取速度Vfcが60mm/分とし、ヒータ温度が1780℃となるようにヒータ出力を自動調整する。
(e)第2次延伸制御:ネック部ガラス径が概ね「ガラス最終延伸径+1.0mm」となる位置にレーザ外径測定器を設置し、その測定した径が71.0mmで一定となるように挿入速度を自動調整しながら第2延伸を実施する。
1B 延伸されたガラス体
1C ネック部(粘性変形部)
12 上部チャック
13 下部チャック
14,15,34,35 延伸駆動装置
16 加熱炉(加熱手段)
17 制御装置
21,41 外径測定器
32 第1チャック
33 第2チャック
36 バーナ(加熱手段)
Claims (3)
- ガラス母材を加熱軟化させ、延伸してガラス体を得るガラス体の延伸方法において、
前記ガラス母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合、前記外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneckとの間に、
Vneck≦Vrod
の関係を成立させる条件にて延伸を行うことを特徴とするガラス体の延伸方法。 - ガラス母材を加熱軟化させ、延伸してガラス体を得るガラス体の延伸方法において、
前記出発母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合に、その外径変動における単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneck1との間に、
Vneck1>Vrod
の関係を成立させる条件にて第1回目の延伸を行い、前記第1回目の延伸により得たガラス体を出発母材として、
Vneck2≦Vrod
の関係を成立させる条件にて第2回目の延伸を行うことを特徴とするガラス体の延伸方法。 - 前記所定振幅が0.20×(出発母材平均径(mm)/(延伸目標径(mm))(mm)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス体の延伸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004110574A JP2005289774A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | ガラス体の延伸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004110574A JP2005289774A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | ガラス体の延伸方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005289774A true JP2005289774A (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=35323158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004110574A Pending JP2005289774A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | ガラス体の延伸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005289774A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2428496A1 (en) * | 2010-09-08 | 2012-03-14 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Apparatus for fabricating a glass rod and method of same |
US8904825B2 (en) | 2010-09-08 | 2014-12-09 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd | Apparatus for fabricating a glass rod and method of same |
-
2004
- 2004-04-02 JP JP2004110574A patent/JP2005289774A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2428496A1 (en) * | 2010-09-08 | 2012-03-14 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Apparatus for fabricating a glass rod and method of same |
US8881552B2 (en) | 2010-09-08 | 2014-11-11 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Apparatus for fabricating a glass rod and method of same |
US8904825B2 (en) | 2010-09-08 | 2014-12-09 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd | Apparatus for fabricating a glass rod and method of same |
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