JP2005289774A - ガラス体の延伸方法 - Google Patents

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正 榎本
Kentaro Takeda
健太郎 武田
Yuichi Oga
裕一 大賀
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Abstract

【課題】 延伸ガラス体の外径変動を低減する。
【解決手段】 加熱炉16にガラス体の出発母材1Aを挿入して加熱軟化させ、ガラス体の両端に引張力を作用させることにより、その加熱軟化部分を延伸・縮径させて一定の外径を有するガラス体を得るガラス体の延伸方法において、前記出発母材1Aの長手方向に所定振幅以上の周期的外径変動がある場合に、その外径変動における単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、加熱炉16内で延伸・縮径されている粘性変形部1Bのガラス母材体積Vneckとの間に、
neck≦Vrod
の関係を成立させる条件にて延伸を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス体の延伸方法に関する。
従来、ガラス体の延伸方法として、ガラス母材を加熱軟化させつつ、ガラス母材の両端を各々加熱炉に対して相対的に移動させて両端間の間隔を広げることにより、ガラス母材を延伸して所定の外径を有するガラス体を生成する方法が知られている。この種のガラス体の延伸方法においては、延伸されたガラス体の外径を高精度に管理することが要求されている。
従来、このガラス体の外径を管理する一つの方法として、ガラス母材を加熱軟化させて延伸する際に、ガラス粘性変形部途中の外径を測定し、測定された外径値に基づいて延伸速度(引き延ばし速度)を調整して、所定外径のガラス体を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の方法として、ガラスインゴットを加熱溶融して延伸する際に、ガラスインゴットが加熱炉で延伸縮径されている箇所と、概ね延伸が終了した箇所のそれぞれに第1、第2の外径測定器を設置し、第2の外径測定器の測定値に基づき第1の外径測定器の設定値(目標値)を変更しつつ、その第1の外径測定器の設定値に第1の外径測定器の測定値が合うように、延伸速度を調整する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭56−45843号公報 特許第3188404号公報
上述したように、従来のガラス体の延伸方法では、ガラス粘性変形部途中の外径、またはガラス粘性変形部及び粘性変形終了端近傍の外径を測定し、その測定値と目標値の偏差を制御変数として、その偏差をゼロとするように延伸速度の制御を行っている。
しかしながら、上記手法を用いて最も適切な条件で延伸速度を制御した場合であっても、ガラス体の外径を高機能ファイバの製造スペックに十分整合する程度の高精度にコントロールすることができない場合が散見される。
本発明は、上記事情を考慮し、延伸ガラス体の外径変動を抑制して高精度の外径制御が可能なガラス体の延伸方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガラス母材を加熱軟化させ、延伸してガラス体を得るガラス体の延伸方法において、前記ガラス母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合、前記周期的外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneckとの間に、

neck≦Vrod

の関係を成立させながら延伸を行うことを特徴とする。
ここで、Vrod、Vneckについては、実際の粘性変形部の形状を測定し、そこから体積Vneckを算出することが望ましいが、簡略的には例えば、次のように計算することができる。
・延伸前の出発母材の外径 :D1
・同出発母材の外径変動周期 :L
・延伸後の目標外径 :D2
・粘性変形部(ネック部)の長さ:h
としたとき、Vrodは(1)式、Vneckは(2)または(3)式のように計算できる。
また、前記出発母材の所定振幅の大きさとしては、例えば、「0.20×(出発母材平均径(mm)/延伸目標径(mm))(mm)」とすることが好ましく、「0.05×(出発母材平均径(mm)/延伸目標径(mm))(mm)」を採用するのがさらに好ましい。このように所定振幅の大きさを設定することにより、ガラス体の外径変動幅を最終的に±0.20mm、または±0.05mmに抑制することができる。
また、本発明は、ガラス母材を加熱軟化させ、延伸してガラス体を得るガラス体の延伸方法において、
前記出発母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合に、その外径変動における単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneck1との間に、

neck1>Vrod

の関係を成立させる条件にて第1回目の延伸を行い、前記第1回目の延伸により得たガラス体を出発母材として、

neck2≦Vrod

の関係を成立させる条件にて第2回目の延伸を行うことを特徴とする。
ここで、第1回目の延伸時におけるVrod、Vneck1については、実際の粘性変形部の形状を測定し、そこから体積Vneck1を算出することが望ましいが、簡略的には例えば、次のように計算することができる。
・1次延伸前の出発母材の外径 :D1
・同出発母材の外径変動周期 :L
・1次延伸後の目標外径 :D2
・1次粘性変形部(ネック部)の長さ:h1
としたとき、Vrodは(4)式、Vneck1は(5)または(6)式のように計算できる。
また、第2回目の延伸時におけるVneck2については、実際の粘性変形部の形状を測定し、そこから体積Vneck2を算出することが望ましいが、簡略的には例えば、次のように計算することができる。
・2次延伸後の目標外径 :D3
・2次粘性変形部(ネック部)の長さ:h2
としたとき、Vneck2は(7)または(8)式のように計算できる。
本発明によれば、所定振幅以上の周期的外径変動がある場合に、その周期的外径変動における単位周期体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部の体積Vneckとの間に一定の関係が成立するように調整することにより、出発母材に存在した外径変動を延伸により除去することができる。従って、外径が安定した高精度なガラスロッドの延伸が可能になる。
また、一度の延伸では上記相関関係を満たすことができない場合に、再度延伸を行うことにより、出発母材に存在した外径変動の影響を延伸により除去することができる。従って、外径が安定した高精度なガラスロッドの延伸が可能になる。
本発明者らは、延伸前のガラス母材の形状と延伸後のガラス体の形状その理由を詳細に調べたところ、高精度に延伸できない場合の出発ガラス母材には、長手方向に所定振幅以上の周期的な外径変動が存在しているという知見が得られた。
そして、本発明者は、上記知見を基に鋭意検討を進めた結果、延伸前のガラス母材の外径変動の単位周期体積(1周期分の体積)が、延伸時の粘性変形部の体積よりも小さい、という関係が成り立つときに、高精度な延伸ができないことを確認した。
ここで、単位周期体積とは、図1(a)に示すように、ガラス母材に存在する周期的変動のうちの領域a1の部分の体積を指す。なお、図1(b)に示すように、外形変動が1周期分しかない場合には、この変動の始点から終点までの領域a2を単位周期体積とする。
以下、上記知見を踏まえて、本発明に係るガラス体の延伸方法の実施形態について具体的に説明する。
図2は、本発明に係る実施形態の縦型のガラス体の延伸装置10の概略構成図である。図2において、1Aは延伸しようとするガラス母材、1Bはガラス母材1Aを基に延伸されたガラス体、そして1Cはガラス母材1Aが加熱軟化されて延伸・縮径される途中の変形部分であるネック部(粘性変形部)である。
ガラス体の延伸装置10は、縦型の延伸装置であって、主として、ガラス母材1Aの上部を把持する上部チャック12と、延伸されたガラス体1Bの下部を把持する下部チャック13と、それぞれ上部チャック12及び下部チャック13をガラス母材1Aの長手方向に摺動可能に保持する延伸駆動装置14,15と、ガラス母材1Aを加熱軟化させる加熱炉16と、延伸駆動装置14,15、加熱炉16等を制御する制御装置17とを有している。
延伸駆動装置14,15は、ボールネジ14b,15bと、ボールネジ14b,15bを回転駆動するモータ14a,15aをそれぞれ有している。各ボールネジ14b,15bは、それぞれ上部チャック12及び下部チャック13にそれぞれ形成されたボールナット部12a,13aと螺合している。ガラス母材1Aの延伸時、モータ14a,15aが駆動されてボールネジ14b,15bが回転すると、上部チャック12及び下部チャック13は、ガラス母材1Aの長手方向に平行な方向に移動する。ここで、上部チャック12の移動速度は、ガラス母材1Aの加熱炉16への挿入速度Vfに相当し、下部チャック13の移動速度は、ガラス体1Bの加熱炉16からの引取速度Vfcに相当する。延伸時には、Vf<Vfcの関係が満たされており、下部チャック13は、上部チャック12から時間の経過とともに離れていく。
加熱炉16は、略円環形状の加熱部材16aを有している。ガラス母材1Aは、上方からこの加熱部材16aの環状孔内に挿入され、この加熱部材16aにより加熱軟化させられる。この状態で、延伸駆動装置14,15を介して上部チャック12及び下部チャック13が加熱炉16に対して相対的に移動させられることによりガラス母材1Aは延伸され、ガラス母材1Aから所定の外径を有するガラス体1Bが生成される。このガラス母材1Aが変形してガラス体1Bが生成される過程においては、加熱炉16内の加熱部材16aによる加熱及び上部チャック12及び下部チャック13の相対移動によってガラス母材1Aの外径が細くなった領域、ネック部(粘性変形部)1Cが形成される。このネック部1Cの外径は、ネック部1Cの長手位置に応じて変化している。
加熱炉16内に形成されたネック1Cの周囲には、例えばレーザを用いた外径測定器21が近接配置されている。この外径測定器21によって測定された外径測定値D1は、制御装置17に出力される。
制御装置17は、延伸装置10の全体の動作を制御する制御器であり、外径測定器21によって測定された外径測定値D1に応じて、モータ14a若しくはモータ15a、またはその双方の駆動を制御する。これにより、上部チャック12若しくは下部チャック13、またはその双方の移動速度がフィードバック制御され、ガラス母材1Aから延伸されたガラス体1Bの外径を一定に保つように制御される。ここで、外径制御においては、例えばPID制御(比例・積分・微分制御)、PI制御(比例・積分制御)、P制御(比例制御)等が実施されることが好ましい。
図3は、延伸を行う前のガラス母材の模式図であり、(a)は外径変動がないガラス母材2を、(b)は外径変動を有するガラス母材3を示す。
一般に、VAD法、OVD法、及び、これらの派生法により多孔質ガラス体を作製し、それを焼結する方法で得たガラス母材には、図3(b)に示すように、ガラス長手方向にそって周期的な外径変動が存在するものがある。ガラス外径変動の変動周期や変動幅は、使用した多孔質ガラス体の作製プロセス、焼結方法(均熱炉焼結、トラバース焼結、他)、さらには製造に用いた設備によって比較的大きな個体差がある。
図4は、延伸途中のガラス母材の形状を示す図であり、(a)は延伸後に大きな長手方向外径変動が観測されなかったガラス母材4を、(b)は延伸後に大きな長手方向外径変動が観測されたガラス母材5を示す図である。
ガラス母材の周期的外径変動の単位周期体積とは、図4(a),(b)に示すように、出発体であるガラス母材4,5の長手方向に沿って変動する周期的外径変動の1周期分の外表面に囲まれる領域4a,5aの体積Vrodである。
また、ガラス延伸における粘性変形部(ネック部)とは、図4(a),(b)に示すように、出発体であるガラス母材4,5の外径(中心値)が延伸により細径化し、外径が安定するまで過渡的に外径が変化する領域4b,5bである。この粘性変形部4b,5bの体積は、使用する加熱源の種類(抵抗炉、誘導炉、酸水素加熱、プラズマ加熱、等)や、その構造、ガラス母材4,5の外径、延伸により成形されるガラス体の目標外径、延伸処理速度(加熱源への相対挿入速度や相対引出速度)等の条件によって変化する。
粘性変形部4b,5bのガラス母材体積Vneckは、延伸中には厳密に求めることは難しいが、例えば、延伸を一旦停止して粘性変形部4b,5bを冷却し、その粘性変形部4b,5bの形状を計測することにより算出することが可能である。また、粘性変形部4b,5bの長さが温度分布等から類推できる場合には、上底にガラス母材4,5の外径の円、下底に延伸目標径の円、上底下底の距離を粘性変形部4b,5bの長さ、として求めた円錐台体積のおおよそ85%〜90%として見積もることもできる。
なお、簡略的には、粘性変形部4b,5bの体積は、例えば、次のように計算することができる。
・延伸前の出発母材の外径 :D1
・同出発母材の外径変動周期 :L
・延伸後の目標外径 :D2
・粘性変形部(ネック部)の長さ:h
としたとき、Vrodは(1)式、Vneckは(2)または(3)式のように計算できる。
なお、粘性変形部の体積とは、図1(c)に示すように、延伸により外径の総減少量gに対して5%〜95%となる領域を粘性変形部長さhとして規定し、この領域の体積をVneckとして規定することとする。
本発明者は、上記延伸前のガラス母材4,5の形状特性やガラス延伸プロセスの特徴を踏まえて、更に延伸精度について詳細な検討を進めた結果、延伸前のガラス母材4,5の周期的外径変動の1周期分の領域4a,5aのガラス母材体積(以下、単位周期体積と呼ぶ)Vrodと粘性変形部4b,5bのガラス母材体積Vneckに応じて、延伸後の長手方向外径変動に大きな違いがあるという知見を得るに至った。
具体的に、図4(a)に示すようにVneck≦Vrodの場合には、延伸により得られたガラス体は、目標外径値に対して高い精度を示し、延伸後のガラス体の外径面Paには、大きな長手方向外径変動は観察されない。さらに、延伸外径のバラツキは、目標値に対して±0.05mm以下であり、その周期はランダムである。
一方、図4(b)に示すようにVneck>Vrodの場合には、延伸により得られたガラス体は、目標外径値に対してVneck≦Vrodの場合よりも低い精度を示し、延伸後のガラス体の外径面Pbには周期的な長手方向外径変動が観察される。延伸後のガラス体の単位周期体積は、ガラス母材3の単位周期体積とほぼ一致する。ガラス母材3を延伸して製造されたガラス体の単位周期体積が延伸前と同じであり、かつ延伸後のガラス体の外径が細径化していることを考慮すると、Vneck>Vrodの場合には、延伸により得られたガラス体に顕在化している長手方向外径変動の単位周期長さは、延伸前のガラス母材5の長手方向外径変動の単位周期長さよりも長くなる。
また、延伸後のガラスロッドの外径変動振幅は、出発体であるガラス母材3の外径変動を(中心値)±ΔD、延伸体ロッドの外径変動を(中心値)±Δdとすると、概ね以下のような関係式が得られる。

Δd=ΔD×(延伸後のガラス体の外径中心値/出発母材の外径中心値)
次に、図4(b)のケースについて考えてみる。一旦Vneck>Vrodの条件にて延伸されたガラス体は、依然として周期的外径変動を有するが、外径が細径化されているため、再度延伸を行う場合には、その粘性変形部のガラス母材体積Vneckは、最初の延伸時の粘性変形部のガラス母材体積Vneckよりも小さい。したがって、1回目の延伸時に周期的外径変動が残ったガラス体については、このガラス体をVneck≦Vrodの関係を満たして再度延伸することができれば、長手方向外径変動を有さないガラス体を成形することができる。
また、2度目の延伸でもVneck≦Vrodの関係を満たすことができない場合でも、3度目以降の延伸で、Vneck≦Vrodの関係を満たして延伸することができれば、長手方向外径変動を有さないガラス体を成形することができる。
このように、本実施形態では、延伸前のガラス母材またはガラス体の周期的外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと粘性変形部のガラス母材体積Vneckが、Vneck≦Vrodの関係を満たすまで、延伸を繰り返してやることにより、長手方向外径変動を有さないガラス体を成形することができる。
なお、Vneck≦Vrodとなるように調整する場合には、延伸前のガラス母材から事前に所定振幅値以上の外径変動を機械切削により除去することが好ましく、また同外径変動を酸水素加熱による吹き飛ばしにより除去しておくことが好ましい。
また、Vneck≦Vrodを満たすためには、Vneckができるだけ小さくなるように加熱炉16の加熱部材16aによる加熱域の狭幅化を実施することが好ましい。このためには、加熱炉16として用いられる抵抗炉、誘導炉のヒートゾーンの短尺化、酸水素加熱を行う場合には加熱域の狭幅化等を行うことが考えられる。
また、延伸前の出発体であるガラス母材の製造工程を調整(ガラス微粒子製造工程、焼結工程の改善・改良)して、なるべく外径変動が生じないように調整してやることが好ましい。
なお、上記説明では、縦型の延伸装置10を用いて説明を行ったが、横型の延伸装置でも上記と同様の手法を用いることにより、外径変動を抑制することが可能である。
図5は、横型のガラス体の延伸装置30の概略構成図である。図5において、1Aは延伸しようとするガラス母材、1Bはガラス母材1Aを基に延伸されたガラス体、そして1Cはガラス母材1Aが加熱軟化されて延伸・縮径される途中の変形部分であるネック部(粘性変形部)である。
ガラス体の延伸装置30は、横型の延伸装置であって、主として、ガラス母材1Aの端部を把持する第1チャック32と、延伸されたガラス体1Bの端部を把持する第2チャック33と、それぞれ第1チャック32及び第2チャック33をガラス母材1Aの長手方向に摺動可能に保持する延伸駆動装置34,35と、ガラス母材1Aを加熱軟化させるバーナ36と、延伸駆動装置34,35、バーナ36等を制御する制御装置37とを有している。
延伸駆動装置34,35は、ボールネジ34b,35bと、ボールネジ34b,35bを回転駆動するモータ34a,35aをそれぞれ有している。各ボールネジ34b,35bは、それぞれ第1チャック32及び第2チャック33にそれぞれ形成されたボールナット部32a,33aと螺合している。ガラス母材1Aの延伸時、モータ34a,35aが駆動されてボールネジ34b,35bが回転すると、上部チャック32及び下部チャック33は、ガラス母材1Aの長手方向に平行な方向に移動する。ここで、上部チャック32の移動速度は、ガラス母材1Aのバーナ36への挿入速度Vfに相当し、下部チャック33の移動速度は、ガラス体1Bのバーナ36からの引取速度Vfcに相当する。延伸時には、Vf<Vfcの関係が満たされており、第2チャック33は、第1チャック32から時間の経過とともに離れていく。
バーナ36は、ガラス母材1Aに酸水素火炎を吹き付けることによりネック部1Cにてガラス母材1Aを加熱軟化させる加熱部材である。バーナ36がネック1Cを加熱した状態で、延伸駆動装置34,35を介して上部チャック32及び下部チャック33がバーナ36に対して相対的に移動させられることによりガラス母材1Aは延伸され、ガラス母材1Aから所定の外径を有するガラス体1Bが生成される。
バーナ36近傍に形成されるネック1Cの周囲には、例えばレーザを用いた外径測定器41が近接配置されている。この外径測定器41によって測定された外径測定値D1は、制御装置37に出力される。
制御装置37は、延伸装置30の全体の動作を制御する制御器であり、外径測定器41によって測定された外径測定値D1に応じて、モータ34a若しくはモータ35a、またはその双方の駆動を制御する。これにより、上部チャック32若しくは下部チャック33、またはその双方の移動速度がフィードバック制御され、ガラス母材1Aから延伸されたガラス体1Bの外径を一定に保つように制御される。ここで、外径制御においては、例えばPID制御(比例・積分・微分制御)、PI制御(比例・積分制御)、P制御(比例制御)等が実施されることが好ましい。
このような横型の延伸装置30に対しても、延伸前のガラス母材またはガラス体の周期的外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと粘性変形部のガラス母材体積Vneckが、Vneck≦Vrodの関係を満たすまで、延伸を繰り返してやることにより、長手方向外径変動を有さないガラス体を成形することができる。
次に、本発明に係るガラス体の延伸方法の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1として以下のような条件でガラス母材を延伸してガラス体を得る。
(a)延伸形態:加熱器として誘導炉を備えた縦型延伸機を使用する。
(b)出発母材:母材長手方向に120mm周期で±2.0mm程度の周期的外径変動が存在している外径140mmのシリカガラス(SiO2ガラス)を用いる。このシリカガラスのガラス母材体積Vrodは、1847cm3である。
(c)延伸目標形状:外径70mmφ、目標外径変動±0.5mm以下に設定する。
(d)延伸条件:挿入速度Vfを15mm/分及び引取速度Vfcを60mm/分とし、ヒータ温度1800℃となるようにヒータ出力を自動調整する。
(e)延伸制御:ネック部のガラス径が概ね「ガラス最終延伸径+2.0mm」となる位置にレーザ外径測定器を設置し、その測定した径が72.0mmで一定となるように挿入速度を自動調整しながら延伸を実施する。
また、同時に比較例として、以下のような条件でガラス母材を延伸してガラス体を得る。
(a)延伸形態:加熱器として抵抗炉を備えた縦型延伸機を使用する。
(b)出発母材:実施例1と同様とする。
(c)延伸目標形状:実施例1と同様とする。
(d)延伸条件:実施例1と同様とする。
(e)延伸制御:実施例1と同様とする。
延伸の結果、実施例1では、ネック部における外径過渡変化長は200mm、ネック部のガラス母材体積Vneckが1600cm3となり、その結果、延伸後のガラス体の外径平均は70.0mmとなる。得られたガラス体の外径変動は±0.2mm程度であり、その周期はランダムである。
一方、比較例では、ネック部における外径過渡変化長は350mm、ネック部のガラス母材体積Vneckが2800cm3となり、その結果、延伸後のガラス体の外径平均は70.0mmとなる。得られたガラス体には、長手方向に480mm周期で±1.0mm程度の周期的外径変動が存在する。
以上より、誘導炉(実施例1)と抵抗炉(比較例)の違いにより、ネック部の形状及びネック部体積に大きな違いが生じることがわかる。また、延伸前のガラス母材の周期的外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと粘性変形部のガラス母材体積Vneckとの間にVneck≦Vrodの関係が満たされる実施例1では、周期的な外径変動が存在しないが、Vneck≦Vrodの関係を満たさない比較例では、周期的な外径変動が存在してしまうことがわかる。
(実施例2)
(a)延伸形態:(比較例と同じ)
(b)出発母材:母材長手方向に120mm周期で±2.0mm程度の周期的外径変動が存在している外径140mmのシリカガラス(SiO2ガラス)を用いる。このシリカガラスの外径面に対して全体的に径方向に突出した凸部を取り除くように機械研削を行い外径変動が±0.8mm程度となったシリカガラスを出発母材とする。出発母材のガラス母材体積Vrodは、1840cm3である。
(c)延伸目標形状:(比較例と同じ)
(d)延伸条件:(比較例と同じ)
(e)延伸制御:(比較例と同じ)
延伸の結果、実施例2では、ネック部における外径過渡変化長は350mm、ネック部のガラス母材体積Vneckが2800cm3となる。また、延伸後のガラス体の外径平均は70.0mmとなり、480mm周期の外径変動は存在するが、その変動幅は±0.4mm程度である。このレベルの変動幅であれば、十分に製品として供することができるものである。
(実施例3)
実施例3は、第1次延伸(第1回目の延伸)の後に第2次延伸(第2回目の延伸)を行う2段延伸の例である。
<第1次延伸>
(a)延伸形態:比較例と同様とする。
(b)出発母材:比較例と同様とする。
(c)延伸目標形状:比較例と同様とする。
(d)第1延伸条件:挿入速度Vfを20mm/分及び引取速度Vfcを60mm/分とし、ヒータ温度1870℃となるようにヒータ出力を自動調整する。
(e)第1次延伸制御:ネック部のガラス径が概ね「ガラス最終延伸径+2.0mm」となる位置にレーザ外径測定器を設置し、その測定した径が82.0mmで一定となるように挿入速度を自動調整しながら第1次延伸を実施した。
第1時延伸の結果、ネック部における外径過渡変化長は350mmであり、その体積は3000cm3となる。また、第1次延伸の結果、得られたガラス体(中間体)の外径平均は80.0mm、外径変動は370mm周期で±1.1mm程度である。
<第2次延伸>
(a)延伸形態:実施例1と同様とする。
(b)出発母材:第1次延伸で得られたガラス体(中間体)を特段の加工なくそのまま使用する。このガラス体(中間体)には、外径80mm、母材長手方向に370mm周期で±1.1mm程度の外径変動が存在する。ここで、ガラス体の体積Vrodは、1840cm3である。
(c)延伸目標形状:外径70mmφかつ目標外径変動±0.5mm以下に設定する。
(d)第2次延伸条件:挿入速度Vfが46mm/分かつ引取速度Vfcが60mm/分とし、ヒータ温度が1780℃となるようにヒータ出力を自動調整する。
(e)第2次延伸制御:ネック部ガラス径が概ね「ガラス最終延伸径+1.0mm」となる位置にレーザ外径測定器を設置し、その測定した径が71.0mmで一定となるように挿入速度を自動調整しながら第2延伸を実施する。
第2時延伸の結果、ネック部における外径過渡変化長は350mmであり、その体積は1400cm3である。また、延伸されたガラス体の外径平均は70.0mmとなり、外径変動は±0.2mmである。外径変動の周期はランダムであり、周期的な外径変動は観察されない。
以上の実施例1、2、3の結果から分かるように、本発明によれば、外径変動幅を大幅に低減することができる。
なお、上記例では、縦型の延伸装置に本発明を適用した場合を説明したが、縦型に限らず、図5に示すような横型の延伸装置を用いた場合であっても、同様の効果を得ることが可能である。
また、上記実施形態では、シリカガラス(SiO2)体延伸の場合を示したが、シリカガラスに他の元素(GeO2、P25、F他)を全体もしくはその一部に添加したものでも同様の効果を奏することができる。
また、上記説明では、中実のガラス体について言及してきたが、中空のガラス体(ガラスパイプ)についても同様の効果を得ることができる。
外径変動の単位周期体積を示す模式図である。 本発明に係る縦型の延伸装置の構成図である。 ガラス母材の模式図であり、(a)は外径変動がないガラス母材2を、(b)は外径変動を有するガラス母材3を示す。 本発明の実施形態の方法による効果の概略的な説明図で、(a)は条件外の場合、(b)は条件内の場合の図である。 本発明に係る横型の延伸装置の構成図である。
符号の説明
1A ガラス体の母材
1B 延伸されたガラス体
1C ネック部(粘性変形部)
12 上部チャック
13 下部チャック
14,15,34,35 延伸駆動装置
16 加熱炉(加熱手段)
17 制御装置
21,41 外径測定器
32 第1チャック
33 第2チャック
36 バーナ(加熱手段)

Claims (3)

  1. ガラス母材を加熱軟化させ、延伸してガラス体を得るガラス体の延伸方法において、
    前記ガラス母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合、前記外径変動の単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneckとの間に、

    neck≦Vrod

    の関係を成立させる条件にて延伸を行うことを特徴とするガラス体の延伸方法。
  2. ガラス母材を加熱軟化させ、延伸してガラス体を得るガラス体の延伸方法において、
    前記出発母材の長手方向に所定振幅以上の外径変動がある場合に、その外径変動における単位周期あたりのガラス母材体積Vrodと、延伸・縮径されている粘性変形部のガラス母材体積Vneck1との間に、

    neck1>Vrod

    の関係を成立させる条件にて第1回目の延伸を行い、前記第1回目の延伸により得たガラス体を出発母材として、

    neck2≦Vrod

    の関係を成立させる条件にて第2回目の延伸を行うことを特徴とするガラス体の延伸方法。
  3. 前記所定振幅が0.20×(出発母材平均径(mm)/(延伸目標径(mm))(mm)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス体の延伸方法。



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