JP4296809B2 - ガラス母材の延伸方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス母材の延伸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは、VAD法やOVD法等により作製されたガラス母材を、通常、延伸装置によって線引に適した外径に延伸した後、線引装置によって所望の外径に成形して製作される。ガラス母材の延伸は、ガラス母材を加熱炉内に所定の母材送り速度で供給しながら加熱して軟化させ、溶融したガラス母材を所定の引取速度で加熱炉から引き出すことにより行われる。ここでは、延伸後のガラス母材の外径が一定の公差範囲内に収まるようにするべく、加熱軟化部の所定位置における外径を測定装置で測定し、その測定値に基づいて母材送り速度及び/又は引取速度を制御する技術が知られている。
【0003】
また、母材インゴットの末端周辺部を延伸する際、直胴部での平均引取り速度よりも速い速度で引き伸ばす区間と、直胴部での平均引取り速度よりも遅い速度で引き伸ばす区間とに区分けして延伸し、外径精度の高いガラス母材を得ようとしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−59274号公報(第2−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示すように、ガラス母材1は、コアロッド6の端部にガラス母材1を把持するためのダミーロッド8が接合されたロッド2を有し、それらの外周面にクラッド用ガラス9が所定の厚さで設けられた構造となっており、クラッド用ガラス9の両端が末端に向かうに従って次第に小径に形成されてなるテーパ部1b,1b’を有している。
【0006】
このような、ガラス母材1を、母材送り速度と引取り速度の少なくとも一方を制御する従来のガラス母材の延伸方法で延伸すると、延伸されたガラス母材1に関し、外径が所望の公差範囲内とならない領域が多いという不具合があった。これは、図7に示すように、コアロッド6とダミーロッド8との接合部である端部7を境にロッド2の粘度が不連続であることや、テーパ部1b,1b’の形状に起因して、加熱軟化部に局部的に外径が急激に変動している局所変動部1dが形成されやすく、上記した従来のガラス母材の延伸方法が、この局部的な外径の変動に対して、有効に対応していないものと考えられる。さらに、テーパ部1bに対してなされた前記速度の制御が、テーパ部1bに連続する直胴部1cの延伸結果にも波及し、直胴部1cが延伸された領域においても外径が安定しない区間を増長させている虞れがある。
【0007】
特許文献1で開示されている従来の延伸方法は、ガラス母材1の末端周辺部を直胴部1cでの平均引取り速度よりも速い速度で引き伸ばす区間と、直胴部1cでの平均引取り速度よりも遅い速度で引き伸ばす区間とに区分けして延伸することによって、延伸後のガラス母材の最終外径を一定に保とうとしている。
【0008】
しかしながら、この方法では、コアロッド6とダミーロッド8との接合部である端部7に起因する局部的な外径の変動には対応できない。さらに、テーパ部1bに起因する局部的な外径の変動に関しても、その効果は不十分である。
【0009】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外径精度の高いガラス母材を効率良く延伸することができるガラス母材の延伸方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係るガラス母材の製造方法は、コアロッドとダミーロッドとが互いに接する接合部を有するガラス母材を加熱軟化させ、加熱軟化中の前記ガラス母材のモニタ外径に基づき、ガラス母材送り速度と延伸体引取り速度の少なくとも一方の速度を制御してガラス母材を延伸するガラス母材の延伸方法であって、前記接合部を延伸する際には、前記接合部周辺の所定の区間においては、前記ガラス母材のモニタ外径に依存せず所定の延伸速度で延伸する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るガラス母材の延伸方法を実施するガラス母材の延伸装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明に係るガラス母材の延伸方法を実施するガラス母材の延伸装置10は、加熱炉11と、把持部1eを把持してガラス母材1を加熱炉11内にガラス母材送り速度VSで供給する母材供給機構12と、ダミーロッド8を把持してガラス母材1の延伸体を引取速度VPで引っ張って延伸する引取り機構13とを備えている。
【0016】
加熱炉11内には、ヒータ14が内蔵されており、供給されたガラス母材1を略2000℃まで加熱して軟化できるようになっている。加熱炉11のヒータ14の下流側には、例えばレーザを照射して寸法を測定する外径測定装置15が配置されており、加熱炉11内のガラス母材1の加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0を測定するようになっている。
【0017】
母材供給機構12及び引取り機構13は、例えば移動用ボールねじ(図示せず)及び移動用ボールねじを回転駆動するモータ(図示せず)、把持部1e又はダミーロッド8を把持する把持腕(図示せず)、等で構成された移動機構であって、モータによって移動用ボールねじを回転させ把持腕で把持するガラス母材1を所定の方向に所定の速度(ガラス母材送り速度VS、延伸体引取り速度VP)で移動させるようになっている。
【0018】
母材供給機構12及び引取り機構13のそれぞれのモータ、外径測定装置15は、制御装置(図示せず)に電気的に接続されており、後述する外径制御の実施時に前記モータの回転速度は、外径測定装置15によって測定されたモニタ外径D0の測定データに基づいて、延伸速度であるガラス母材送り速度VSと延伸体引取り速度VPの少なくとも一方が所定の手順に従って制御されるようになっている。
【0019】
ガラス母材1は、コアロッドとダミーロッドとが互いに端部で接してなるロッドを包含しており、より具体的には、図6に示すように、コアロッド6の端部7にガラス母材1を把持するためのダミーロッド8が接合されたロッド2を有し、それらの外周面にクラッド用ガラス9が所定の厚さで設けられた構造となっている。また、ガラス母材1は、クラッド用ガラス9の両端が末端に向かうに従って次第に小径に形成されてなるテーパ部1b,1b’を有している。コアロッド6の他端部には、クラッド用ガラス9が設けられないか、あるいは、端部にて別のダミーロッドが接続されるなどして、把持部1eが形成されている。
【0020】
コアロッド6は、SiO2を主成分とし、さらに、屈折率を向上させるための添加剤(GeO2等)が含有されてなる。単にガラス母材1を把持するのためのダミーロッド8は、通常、SiO2だけから構成されている。クラッド用ガラス9は、SiO2を主成分とし、例えば屈折率を低下させるための添加剤(フッ素等)が含有されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態に係るガラス母材の延伸方法においては、前記端部7を加熱軟化させて延伸する際には、端部7周辺の所定の区間において、所定の区間において、所定の延伸速度(VSとVPを所定の速度)で延伸する。すなわち、この区間においては、ガラス母材のモニタ外径D0に基づいた延伸速度の制御(本実施形態では“外径制御”ともいう)は実施されない。
また、ガラス母材1のテーパ部1bを加熱軟化させて延伸する場合、テーパ部1bを含む所定の区間において所定の延伸速度で延伸する。この区間においても、外径制御は実施されない。
【0022】
以下、本実施形態を経時的に詳細に説明する。
図1に示すように、母材供給機構12によって把持部1eが把持されたガラス母材1は、所定のガラス母材送り速度VSで加熱炉11内に供給され、ヒータ14で加熱されて軟化する。一方、ダミーロッド8を把持する引取り機構13は、所定の延伸体引取り速度VPでガラス母材1を引っ張り、加熱炉11から引き出して延伸を開始する。
【0023】
ガラス母材1のテーパ部1bの延伸をするときには、テーパ部1bを含む所定の区間において所定の延伸速度で延伸する。より具体的には、例えば、テーパ部1bに関して外径制御をしない領域に対応した母材供給機構12からの母材送り長X’を設定し、母材送り長がX’に至るまで外径制御を実施せずに、所定の延伸速度でガラス母材1を延伸する。ガラス母材送り速度VP及び延伸体引取り速度VSは、それぞれ、ガラス母材送り速度設定値及び延伸体引取り速度設定値に向けて次第に増加するように制御装置が母材供給機構12及び引取り機構13のそれぞれのモータを制御するようになっており(ガラス母材送り速度設定値<延伸体引取り速度設定値)、ガラス母材の延伸は、VSとVPとの速度差に従って開始される。すなわち、外径が小から大になるテーパ部1bにおいて、その延伸速度が0から所定の延伸速度に増加で設定されている。これにより、ガラス母材1や延伸装置等の設備に対して過度な負荷を与えることなく、ガラス母材1の破断、設備の破損等が防止されるとともに、延伸されたガラス母材1の外径を短時間で所定の公差範囲内に収束させることができる。
【0024】
母材供給機構12からの母材送り長(以下、単に、母材送り長という)がX’となるまでガラス母材1を延伸した後は、外径制御を実施しながら延伸する。即ち、ガラス母材送り速度VSと延伸体引取り速度VPは、加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0を外径測定装置15で測定し、その測定値に基づいて加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0が一定の許容公差内となるように、ガラス母材送り速度VSと延伸体引取り速度VPとの少なくとも一方が制御装置によって制御される(これを、本明細書では“制御工程”ともいう)。
【0025】
具体的には、外径測定装置15で加熱軟化部の所定位置1aの外径D0を測定し、測定値が所定の寸法(例えばΦ44mm)より大きい場合、ガラス母材送り速度VSを遅くするか、又は延伸体引取り速度VPを速くすることにより加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0が小さくなるように制御する。また、加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0の測定値が所定の寸法(例えばΦ42mm)より小さい場合、ガラス母材送り速度VSを速くするか、又は延伸体引取り速度VPを遅くすることにより加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0が大きくなるように制御する。
【0026】
上述したように、加熱軟化部の所定位置1aの外径D0が許容公差内(例えば、Φ43±1mm)となるように延伸速度を制御することによって、延伸されたガラス母材1の最終外径D1を所定の許容公差内(例えば、Φ40±1mm)に納め、外径精度の高いガラス母材1を延伸することができる。
【0027】
ここで、外径制御が開始する母材送り長X’は、ガラス母材1の寸法(テーパ部1bの寸法を含む)、加熱条件等に応じて、適宜選択可能であり、制御装置に予め設定されている。
【0028】
次いで、ガラス母材の前記端部7周辺を延伸する際には、端部7周辺の所定の区間において、所定の延伸速度で延伸する(本明細書では“非制御工程”ともいう)。本実施形態においては、母材送り長がYからZに(Z>Y)に至る範囲で外径制御を実施しないことによって、前記端部7にては外径制御を実施しなくなるように設定されている。そして、非制御工程では、外径制御を停止した時の最終母材送り速度VSf及び最終引取り速度VPfで延伸するように制御装置が母材供給機構12及び引取り機構13のそれぞれのモータを制御するようになっている。これにより、非制御工程における延伸速度を制御工程の最終時点における延伸速度とすることができ、延伸速度を急激に変化することなくガラス母材1を延伸できる。よって、非制御工程におけるガラス母材1の最終外径D1の変動を小さく抑えることができ、ガラス母材1の端部7に起因する局部的な外径の変動を短時間で所定の許容公差内に収束させることができる。
なお、母材送り長Y及び母材送り長Zは、コアロッドの組成、ダミーロッドの組成、加熱条件等に応じて、加熱条件等に応じて、適宜選択可能であり、制御装置に予め設定されている。
【0029】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0030】
【実施例】
本発明のガラス母材の延伸方法に係る実施例と、比較例について説明する。実施例及び比較例ともに、ガラス母材1[直胴部1cの外径:Φ90mm、コアロッド6(GeO2を6重量%で含有するSiO2)の外径:Φ20mm、ダミーロッド8(SiO2)の外径:Φ20mm、テーパー部1b,1b’を構成する円錐台の高さ:80mm、テーパー部1bを構成する円錐台の上面から端部7までの距離:30mm、クラッド用ガラス9の組成:SiO2、ガラス母材1の全長:1000mm]を2000℃の加熱炉11内に供給し、最終外径D1がΦ40±1mmとなるように延伸する。
【0031】
(実施例)
実施例の延伸条件は、下記のように制御する。
(1)延伸開始から母材供給機構12の送り長X(60mm)までの区間
延伸体引取り速度VPは、延伸に伴なって0から76mm/分まで次第に増加させる。ガラス母材送り速度VSは、延伸に伴なって0から15mm/分まで次第に増加させる。
(2)母材供給機構12の送り長X(60mm)以降の区間
延伸体引取り速度VPを76mm/分にて、ガラス母材送り速度VSを15mm/分にて、母材供給機構12の母材送り長X’(70mm)まで、それぞれ一定とする。
次いで、ガラス母材送り速度VSは外径測定装置15による加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0の測定値がΦ43mmとなるように増減させて外径制御を行う(制御工程)。ここで、加熱軟化部の所定位置1aは、ヒータ14の中心から100mm下方に位置している。
なお、母材供給機構12の母材送り長がX’(70mm)は、テーパー部1bの軸方向長さ(80mm)より小さいことから、本実施例は、ガラス母材のテーパ部の一部に対して外径制御を実施せず、その間、所定の延伸速度で延伸を実施する例である。
(3)ガラス母材1の端部7周辺を含む区間(母材供給機構12の母材送り長Y:100mmから母材送り長Z:130mmまでの30mmの区間)
ガラス母材送り速度VSは外径制御を停止したときの最終母材送り速度VSfを14.5mm/分、最終引取り速度VPfを76mm/分とする(非制御工程)。母材供給機構12の母材送り長がZとなった時点で、前記(2)の制御工程を再開する。
【0032】
実施例の結果を図2及び図3に示す。図2は、ガラス母材送り速度VS、延伸体引取り速度VP及びモニタ外径D0と母材送り長との関係を示す図である。図3は、最終外径D1と母材長さとの関係を示す図である。
【0033】
モニタ外径D0を示す測定曲線20は、「テーパ部1b」及び「ガラス母材1の端部7周辺を含む区間」を延伸するとき変動するが、減衰率の大きなカーブとなっており、短時間で目標の直径Φ43mmに近づいていることが分かる。また、外径制御を行っているときのガラス母材送り速度VSは、曲線21に示すように、外径測定装置15の測定値に基づいて僅かに変動しながらモニタ外径D0を所定の値に制御している。
【0034】
延伸されたガラス母材1の最終外径D1は、図3の曲線23に示すように、目標外径Φ40±1mmから外れる範囲23a,23bが、「テーパ部1b」の延伸時に母材長さで約500mm、「ガラス母材1の端部7周辺を含む区間」の延伸時に母材長さで約150mmとなる。
【0035】
(比較例)
比較例の延伸は、延伸体引取り速度VPを76mm/分にて一定とし、ガラス母材送り速度VSは外径測定装置15による加熱軟化部の所定位置1aのモニタ外径D0の測定値がΦ43mmとなるように増減させて外径制御を行う。
【0036】
比較例の結果を図4及び図5に示す。図4は、ガラス母材送り速度VS、延伸体引取り速度VP及びモニタ外径D0と母材送り長との関係を示す図である。図5は、最終外径D1と母材長さとの関係を示す図である。
【0037】
図4に示すように、モニタ外径D0の測定曲線30は、「テーパ部1b」及び「ガラス母材1の端部7周辺を含む区間」を延伸するとき、激しく上下しながら目標の直径Φ43mmに近づいている。また、ガラス母材送り速度VSは、曲線31に示すように、モニタ外径D0の測定値が目標の直径より大きい(曲線30の点30a)ときには小さくなり(曲線31の点31a)、モニタ外径D0の測定値が目標の直径より小さい(曲線30の点30b)ときには大きくなって(曲線31の点31b)、延伸体引取り速度VPとの相対速度を激しく増減させてモニタ外径D0を目標の直径Φ43mmに近づけるように制御していることが分かる。これによって、測定曲線30に示すように、モニタ外径D0は激しく上下しながら目標の直径Φ43mmに近づき、目標の直径内に収束するまでの母材送り長は、図2に示す実施例と比較して長くなっている。
【0038】
これは、ガラス母材1の延伸は、テーパ部1bが延伸されることより開始されるとともに、ガラス母材1の端部7では粘度等の物性が急激に変化するため、外径制御を行っても、その応答の遅れからモニタ外径D0を均一に制御することが難しいことを示しており、実施例のように外径制御を行わずに延伸してモニタ外径D0がある程度安定してから外径制御を行った方が、モニタ外径D0を短時間で安定させることができるためと考えられる。
【0039】
延伸されたガラス母材1の最終外径D1は、図5の曲線33に示すように、目標外径Φ40±1mmから外れる範囲33a,33bが、「テーパ部1b」の延伸時に母材長さLで略900mm、「ガラス母材1の端部7周辺を含む区間」の延伸時に母材長さで略300mmとなっている。これらの長さは、それぞれ、前記した実施例の母材長さLと比較すると約2倍の長さとなっており、製品として使用できない無駄な部分が多くなることが分かる。
【0040】
以上により、実施例のガラス母材の延伸方法によれば、最終外径D1が許容範囲外であることにより廃棄されるガラス母材の量を低減できるので、ガラス母材1の歩留りを向上させることができる。
【0041】
なお、実施例においては、外径制御実施時の延伸体引取り速度VPを一定速度とし、ガラス母材送り速度VSを外径測定装置15による測定データの基づいて変化させることにより制御するが、これに限定されるものではなく、ガラス母材送り速度VSを一定とし、延伸体引取り速度VPを外径測定装置15による測定データの基づいて変化させるようにしてもよい。また、ガラス母材送り速度VSと延伸体引取り速度VPの両方を制御しても良い。
【0042】
また、実施例においては、延伸開始部のガラス母材送り速度VS及び延伸体引取り速度VPを直線的に増加させるように制御するが、これに限るものではなく、例えば放物線や対数曲線に沿って増加させるようにしてもよい。これらの増加カーブは、外径制御開始時のガラス母材送り速度VS及び延伸体引取り速度VPにできるだけ滑らかに連続させることが加熱軟化部1aのモニタ外径D0を早期に安定させる上で好ましい。最適のカーブ形状は、延伸するガラス母材の構成、組成、大きさや、加熱条件を鑑みて、適宜選択することができる。
【0043】
さらに、実施例においては、ガラス母材のテーパ部の一部に対して外径制御を実施することなく所定の延伸速度でガラス母材1の延伸を行うが、ガラス母材のテーパ部の全長に渡って延伸速度の制御を実施することなく所定の延伸速度でガラス母材1の延伸を行ってもよい。この間、所定の延伸速度でガラス母材の延伸を実施してもよい。より具体的には、延伸前のガラス母材1においてテーパー部1bの軸方向長さ、あるいは、この長さを超える範囲に渡って、所定の延伸速度で延伸を実施してもよい。テーパ部に関し、外径制御を実施せずに、所定の延伸速度で延伸を行う範囲は、延伸するガラス母材の構成、組成、大きさや、加熱条件を鑑みて、適宜選択することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係るガラス母材の延伸方法によれば、外径精度の高いガラス母材を効率良く延伸することができるガラス母材の延伸方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス母材の延伸方法を実施するガラス母材の延伸装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】実施例に関し、ガラス母材送り速度VS、延伸体引取り速度VP及びモニタ外径D0に対する母材送り長の関係を示す図である。
【図3】実施例に関し、最終外径D1と母材長さとの関係を示す図である。
【図4】比較例に関し、ガラス母材送り速度VS、延伸体引取り速度VP及びモニタ外径D0に対する母材送り長の関係を示す図である。
【図5】比較例に関し、最終外径D1と母材長さとの関係を示す図である。
【図6】ガラス母材の構成を示す縦断面図である。
【図7】加熱軟化部の局部的な外径変形部を示すガラス母材の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 ガラス母材
1a 加熱軟化部の所定位置
1b テーパ部
2 ロッド
6 コアロッド
7 端部
8 ダミーロッド
Claims (1)
- コアロッドとダミーロッドとが互いに接する接合部を有するガラス母材を加熱軟化させ、加熱軟化中の前記ガラス母材のモニタ外径に基づき、ガラス母材送り速度と延伸体引取り速度の少なくとも一方の速度を制御してガラス母材を延伸するガラス母材の延伸方法であって、前記接合部を延伸する際には、前記接合部周辺の所定の区間においては、前記ガラス母材のモニタ外径に依存せず所定の延伸速度で延伸するガラス母材の延伸方法。
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