JP5041426B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ母材を加熱延伸し、この光ファイバ母材よりも外径の小さい光ファイバ母材を製造する方法に関するものである。
近年、光ファイバの生産性の向上、低コスト化等の目的で、光ファイバ母材の大型化が進んでいる。大型の光ファイバ母材から光ファイバを線引きする場合、光ファイバ母材を加熱、軟化して延伸し、その外径を小さくするとともに全長を長くしてから線引きが行なわれる。また、大型の光ファイバ母材を製造する場合、はじめに光ファイバのコア部を含むコア母材を形成し、加熱炉を備えた延伸装置を用いてコア母材を加熱、軟化して延伸し、その外径を小さくするとともに全長を長くしてから、クラッド部となる部分をコア母材の外周に形成し、光ファイバ母材を製造する。以降、光ファイバ母材およびコア母材を総称して光ファイバ母材と呼ぶ。
光ファイバ母材は、下端に位置し、上方に向かって外径が徐々に拡径しているテーパ部と、このテーパ部に隣接して形成された、ほぼ一定の外径を有する平行部とを備えている。テーパ部と平行部との境界領域には該平行部よりも外径が大きい凸部が形成されている場合と形成されていない場合がある。ここで、テーパ部のテーパ角は、光ファイバ母材の下端部における不良部分を可能な限り短くするため急峻になっている。なお、不良部分とは、延伸後に所望の外径にならない部分を意味している。
このような光ファイバ母材を延伸した場合、テーパ部と平行部との境界領域を延伸した部分の外径が大きくなって不良部分となってしまうという問題があった。特許文献1には、この問題を解決するために、光ファイバ母材のテーパ部を延伸してテーパ部を長尺化する予備延伸を行い、次いで、光ファイバ母材の送り機構を規定量上昇させた後、光ファイバ母材全体を延伸する本延伸を行なうことによって、境界領域の外径を小さくする技術が開示されている。
特開2006−117470号公報
しかしながら、従来技術では、予備延伸にて単にテーパ部を長く引き伸ばし、テーパを緩やかにしているだけであるため、延伸後にテーパ部と平行部との境界領域に凸部が形成されたり、外径変動が生じている場合があり、不良部分が多く発生してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不良部分がより少ない光ファイバ母材を製造できる光ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、下端に位置するテーパ部と該テーパ部に隣接して形成された所定の外径を有する平行部とを備えた光ファイバ元母材を加熱延伸し、前記光ファイバ元母材よりも外径の小さい光ファイバ母材を製造する方法であって、加熱手段を備えた加熱炉内に前記光ファイバ元母材の上端と下端とを支持して配置し、前記加熱炉内の最高温度位置と前記テーパ部と平行部との境界領域との高さを同一に維持するように前記加熱手段と前記光ファイバ元母材とを相対的に移動させながら、前記境界領域および前記テーパ部を加熱延伸する予備延伸工程と、前記光ファイバ元母材を支持したまま、前記最高温度位置が前記境界領域から前記平行部の方向へ移動するように前記加熱手段と前記光ファイバ元母材とを相対的に移動させながら、該光ファイバ元母材を加熱延伸する本延伸工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記予備延伸工程は、前記テーパ部を下方に引き下げるとともに、前記最高温度位置が前記境界領域に追従するように前記加熱手段を下方に移動させることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記予備延伸工程は、前記加熱手段の高さ方向の位置を維持したままで、前記境界領域が前記最高温度位置の高さに維持されるように、前記光ファイバ元母材の上端部を上方に引き上げることを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバ元母材の上端と下端とを支持し、加熱炉内の最高温度位置と境界領域との高さを同一に維持するように加熱手段と光ファイバ元母材とを相対的に移動させながら、境界領域およびテーパ部を加熱延伸し、その後、光ファイバ元母材を支持したまま加熱延伸するので、不良部分がより少ない光ファイバ母材を製造できるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明に係る光ファイバ母材の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
はじめに、本発明の実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法について説明する。本実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法は、準備工程と、位置調整工程と、予備延伸工程と、停止工程と、メニスカス整形延伸工程および通常延伸工程を含む本延伸工程とを含む。
図1は、本実施の形態1において用いる光ファイバ母材の製造装置の概略構成図である。この製造装置10は、カーボンからなる円筒状のヒータ11aを備えた延伸加熱炉11と、光ファイバ母材を支持し、昇降させる昇降機構12a、12bと、光ファイバ母材の外径を測定するレーザ方式の外径測定器13a、13bと、延伸加熱炉11、昇降機構12a、12b、および外径測定器13a、13bに接続した制御部14とを備える。
以下、本実施の形態1の各工程について説明する。はじめに、準備工程として、延伸すべき光ファイバ元母材1を準備する。図1に示すように、この光ファイバ元母材1は、たとえば石英系ガラスからなり、下端に位置するテーパ部1aと、上端に位置する上端部1bと、ほぼ一定の外径を有する平行部1cとを有する。また、このテーパ部1aと上端部1bとにはそれぞれ石英ガラス製の支持棒2a、2bが溶着されている。
図2は、図1に示す光ファイバ元母材1のテーパ部1a近傍を拡大して示した模式的側面図である。図2に示すように、光ファイバ元母材1において、平行部1cはテーパ部1aに隣接して形成されている。このテーパ部1aと平行部1cとの境界の領域を境界領域Cとすると、この境界領域Cには、図2(a)に示すように平行部1cよりも外径が大きい凸部が形成されている場合と、図2(b)に示すように凸部が形成されていない場合がある。ここで、境界領域Cについては、光ファイバ元母材1の外径が所定の条件を満たす領域と規定する。すなわち、図2(a)の場合は、境界領域Cは、図中斜線部で示すような、凸部を中心とした所定幅の領域とする。なお、この場合の境界領域Cの下限は、テーパ部1a側において外径が凸部における最大外径の95%以上の値となっている位置であり、上限は、凸部から平行部1c側に向かって、凸部と下限との幅だけ上方の位置である。また、図2(b)の場合は、境界領域Cは、図中斜線部で示すような、光ファイバ元母材1の外径が小さくなり始める位置C1を中心として、位置C2を下限とし、位置C3を上限とする領域と規定する。なお、位置C2とは、テーパ部1a側において外径が平行部1cの外径の95%の値となっている位置である。したがって、位置C3は、位置C1とC2間の幅を幅dとすると、位置C1から平行部1c側に向かって幅dだけ上方の位置である。
つぎに、延伸加熱炉11に光ファイバ元母材1を挿通して配置し、支持棒2a、2bをそれぞれ昇降機構12a、12bに備えた把持チャックによって把持し、光ファイバ元母材1を支持する。
つぎに、位置調整工程として、制御部14によって昇降機構12a、12bを昇降し、光ファイバ元母材1の高さ方向の位置合わせを行う。このとき、ヒータ11aの高さ方向の中心位置P1と、光ファイバ元母材1の境界領域Cとの高さが一致するように位置合わせを行う。つぎに、制御部14によってヒータ11aを動作させ、所定の温度に制御する。すると、延伸加熱炉11内に温度分布が生じる。ここで、図1において、グラフGは、高さ方向の位置に対する延伸加熱炉11内の温度分布を示している。図1に示すように、延伸加熱炉11内の最高温度位置はヒータ11aの高さ方向の中心位置P1に一致している。したがって、中心位置P1と境界領域Cとの高さが一致するように位置合わせを行うことによって、延伸加熱炉11内の最高温度位置と、光ファイバ元母材1の境界領域Cとの高さが一致するようになる。
つぎに、予備延伸工程として、図3に示すように、ヒータ11aを所定の温度に制御するとともに、昇降機構12aを下降させて支持棒2aを下方に引き下げる。このとき、延伸加熱炉11内の周方向の温度分布の不均一による影響を緩和するため、昇降機構12a、12bによって光ファイバ元母材1を回転させながら、支持棒2aを下方に引き下げてもよい。
これによって、光ファイバ元母材1の境界領域Cが加熱、軟化し、延伸する。その結果、境界領域Cは縮径する。一方、この予備延伸によって、境界領域Cは下方に移動するが、本実施の形態1においては、制御部14によって、ヒータ11aの中心位置P1すなわち最高温度位置が境界領域Cに追従するように、昇降機構12aとほぼ同じ下降速度で延伸加熱炉11を下降させる。このように延伸加熱炉11を下降させることによって、長い時間にわたって最高温度位置と境界領域Cとの高さが同一に維持されるので、境界領域Cを確実に縮径することができる。
つぎに、境界領域Cが十分に縮径したら、停止工程として、図4に示すように、昇降機構12aを下降させて支持棒2aを下方に引き下げたまま、延伸加熱炉11の下降をたとえば10秒以上30秒以下程度の短時間だけ停止させる。この理由は、次の本延伸工程で延伸加熱炉11を上昇させるので、延伸加熱炉11を一旦停止させることにより、急な昇降方向の逆転を回避して延伸加熱炉11を昇降させるモータ等の動力装置の過負荷を防止するためである。また目標延伸径が細い場合など、さらに境界領域Cの縮径を図る場合は、さらに長時間、たとえば60〜300秒停止させてもよい。
なお、停止工程終了の時点で、目安として予備延伸工程開始時におけるテーパ部1aと支持棒2aとの接続部の位置近傍まで、延伸加熱炉11を下降させると、テーパ部1aは十分に延伸し、後の本延伸工程におけるメニスカスと同様の長さとなる。なお、メニスカスとは、光ファイバ元母材1が軟化し、外径が徐々に縮径している部分を意味する。
つぎに、本延伸工程を開始する。はじめに、メニスカス整形延伸工程として、図5に示すように、昇降機構12aを下降させて支持棒2aを下方に引き下げたまま、延伸加熱炉11を上昇させて、メニスカス1dの形状を整形しながら、加熱延伸を行なう。このように加熱延伸を行なうことによって、延伸した光ファイバ母材3が形成される。
つぎに、メニスカス長が通常延伸工程におけるメニスカス長の80%〜150%となり、メニスカス1dの形状が安定してきたら、通常延伸工程として、図6に示すように、外径測定器13bが光ファイバ元母材1の外径を測定し、外径測定器13aが延伸した光ファイバ母材3の外径を測定する。制御部14は、外径の測定値にもとづき、単位時間あたりに延伸加熱炉11に投入される光ファイバ元母材1の体積と、単位時間あたりに延伸加熱炉11から送り出される光ファイバ母材3の体積とを演算し、これらが一致するように延伸加熱炉11および昇降機構12aの下降速度を制御する。このようなフィードバック制御を行なうことによって、所望の外径を有する光ファイバ母材3が製造される。
以上説明した実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法によれば、境界領域Cを適切に縮径できる。さらに、単にテーパ部1aを長く引き伸ばし、テーパを緩やかにしているだけでなく、通常延伸工程を開始するために最適なテーパ形状、すなわち、通常延伸工程にて形成されるメニスカス形状に近いテーパ形状を形成することができるので、所望の外径を有するとともに、不良部分の少ない光ファイバ母材3が製造される。さらに、実施の形態1によれば、昇降機構12a、12bによって支持棒2a、2bを把持し、光ファイバ元母材1を支持したままで全工程を行なうことができる。すなわち、従来のように、予備延伸工程後に支持棒の把持を一端解放し、その後本延伸の際に支持棒を再把持する必要がない。これによって、以下のような効果を奏する。すなわち、支持棒を解放中にテーパ部1aの自重で粘度が低いメニスカス1d等が変形するおそれがない。また、再把持の際の衝撃によってメニスカス1d等が変形してしまうおそれもない。さらに、加熱位置が連続的に変化することとなるので、メニスカス1dの形状は外径がなめらかに変化するような理想的な形状となるため、光ファイバ母材3の外径を高精度で制御できることになる。
なお、予備延伸工程における昇降機構12aの下降速度(以下、下チャック速度と呼ぶ)については、延伸張力が大きくなり過ぎると、光ファイバ元母材1と各支持棒2a、2bとの接続部が外れることがあるため、予備延伸工程における延伸張力が本延伸工程における最大張力+30N以内となるように下チャック速度の上限を決める。本実施の形態1では、本延伸工程における昇降機構12aの下チャック速度は33mm/分であり、本延伸工程における最大張力は30Nであるから、予備延伸工程における延伸張力が60N以下になるようにする。この場合、下チャック速度の上限はおよそ20mm/分である。また下チャック速度を遅くし過ぎると、境界領域Cが十分に縮径しない。縮径の程度は、母材最大径、母材最大径の位置、加熱炉温度、加熱炉下降速度、下チャック速度等によって変わるため、それらを考慮しながら下チャック速度を決める必要があるが、本実施の形態1の場合、予備延伸工程における下チャック速度は13mm/分であり、境界領域Cが十分に縮径する速度である。なお、境界領域Cの縮径の程度を微調整するために、上記した上限を超えない程度で下チャック速度を±20%程度変更しても良い。
また、図7は、延伸加熱炉11および昇降機構12aの昇降速度の経時変化を示す図である。線L1が延伸加熱炉11の昇降速度を示し、線L2が昇降機構12aの昇降速度を示している。また、上昇する場合を正の速度として示している。また、時間T1〜T5は、それぞれ位置調整工程、予備延伸工程、停止工程、メニスカス整形延伸工程、通常延伸工程を示している。なお、時間T5において延伸加熱炉11および昇降機構12aの昇降速度が変動しているのは、フィードバック制御を行なっているためである。また、具体的な昇降速度は、単位をmm/分とすると以下のようになる。延伸加熱炉11の昇降速度については、各時間T1〜T4において、それぞれ0、−13、0、7であり、時間T5においては当初は7でありその後はフィードバック制御により変動する。また、昇降機構12aの昇降速度については、各時間T1〜T4において、それぞれ0、−13、−13、−15であり、時間T5においては当初は−33でありその後はフィードバック制御により変動する。
(実施例、比較例)
つぎに、本発明の実施例、比較例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。実施例、比較例として、上記の実施の形態1にしたがって光ファイバ母材を製造した。用いた光ファイバ元母材は、石英系ガラス系からなり、平行部の外径が約80mm、長さ1000mm程度のものであった。
この光ファイバ元母材を、図1に示すような構成の光ファイバ母材の製造装置を用いて延伸し、外径が35mmの光ファイバ母材になるように延伸した。なお、本延伸工程においては、メニスカス整形延伸工程として、境界領域から200mm程度までを延伸するまでは、延伸した光ファイバ母材の外径が所定値になるように速度の制御を行い、通常延伸工程として、境界領域から200mm程度延伸した時点でフィードバック制御を開始した。
図8は、実施例の各製造工程における光ファイバ元母材の下端部の形状を示した図である。なお、線L3は当初の光ファイバ元母材を示し、線L4は予備延伸工程終了時における光ファイバ元母材を示し、線L5は通常延伸工程開始時における光ファイバ元母材を示している。また、横軸は相対的な位置を示し、縦軸は外径を示している。
図8において、線L3が示すように、当初の光ファイバ母材は、位置0mmの位置に支持棒との接続部があり、位置0mmから位置約110mmまでがテーパ部であり、位置約110mmの位置に幅135mm程度の境界領域がある。境界領域の最大の外径は約90mmであり、平行部の外径よりも約10mmだけ大きかった。しかし、線L4が示すように、予備延伸工程終了後には、境界領域の外径は平行部の外径とほぼ同一になっていた。また、線L5が示すように、通常延伸工程開始時においてはメニスカスがよりなめらかに整形されていた。
つぎに、図9は、実施例において延伸した光ファイバ母材の外径の測定値を示す図である。なお、横軸は、外径測定器の測定開始時からの測定時間を、下側の昇降機構のチャックから延伸加熱装置の下端までの長さに換算した長さを示し、縦軸は測定した外径を示す。図9に示すように、実施例では約500mmの位置における境界領域の外径は目標値である35mmから±1mmの範囲内に収まっており、境界領域に起因する不良部分が発生していないことが確認された。
つぎに、図10は、比較例において延伸した光ファイバ母材の外径の測定値を示す図である。図10に示すように、比較例では約300mmの位置において凸部が形成されており、凸部に起因する不良部分が約100mmにわたって発生していることが確認された。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法は、実施の形態1と同様の製造装置10を使用し、実施の形態1と同様に、準備工程と、位置調整工程と、予備延伸工程と、停止工程と、本延伸工程としてのメニスカス整形延伸工程および通常延伸工程とを含む。しかしながら、実施の形態1においては、ヒータの中心位置が光ファイバ元母材の境界領域に追従するように延伸加熱炉を下降させていたが、本実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法においては、延伸加熱炉の位置を固定し、境界領域がヒータの中心位置の高さに維持されるように、光ファイバ元母材の上端部を上方に引き上げるようにしている。
以下、本実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法について説明する。はじめに、準備工程および位置調整工程として、実施の形態1と同様に、光ファイバ元母材1を準備し、延伸加熱炉11内に配置し、光ファイバ元母材1の高さ方向の位置合わせを行う。
つぎに、予備延伸工程として、図11に示すように、ヒータ11aを所定の温度に制御するとともに、昇降機構12a、12bによって光ファイバ元母材1を上昇させるが、このとき、昇降機構12bの上昇速度を昇降機構12aの上昇速度よりも大きくして昇降機構12a、12bを上昇させ、支持棒2bおよび上端部1bを上方に引き上げる。これによって、光ファイバ元母材1の境界領域Cおよびテーパ部1a、ならびに平行部1cの下端が加熱、軟化し、延伸する。その結果、境界領域Cは縮径する。一方、この予備延伸によって、境界領域Cは光ファイバ元母材1の上端部1bに対して下方に移動するが、境界領域Cがヒータ11aの中心位置P1すなわち最高温度位置の高さに維持されるように支持棒2bおよび上端部1bを上方に引き上げている。このように支持棒2bおよび上端部1bを上方に引き上げていることによって、長い時間にわたって最高温度位置と境界領域Cとの高さが同一に維持されるので、境界領域Cを確実に縮径することができる。なお、本実施の形態2では、境界領域Cの高さをより正確に調整するために、昇降機構12aも上昇させているが、昇降機構12aは停止していてもよい。
つぎに、境界領域Cが十分に縮径し、平行部1cとの外径差が十分に小さくなったら、実施の形態1と同様に、昇降機構12a、12bの急な昇降方向の逆転を回避するために停止工程を行なう。ただし、実施の形態2においては、光ファイバ元母材1に張力を掛け続けるために、図12に示すように、はじめに昇降機構12aの上昇を停止し、つぎに昇降機構12aを下降させた後に、昇降機構12bの上昇を停止する。
つぎに、本延伸工程のメニスカス整形延伸工程として、図13に示すように、昇降機構12aを下降させて支持棒2aを下方に引き下げたまま、昇降機構12bも下降させて、メニスカス1dの形状を整形しながら、加熱延伸を行なう。このように加熱延伸を行なうことによって、延伸した光ファイバ母材3が形成される。
つぎに、メニスカス1dの形状が安定してきたら、通常延伸工程として、図14に示すように、制御部14が、外径測定器13bが測定した光ファイバ元母材1の外径の測定値と、外径測定器13aが測定した光ファイバ母材3の外径の測定値とにもとづき、単位時間あたりに延伸加熱炉11に投入される光ファイバ元母材1の体積と、単位時間あたりに延伸加熱炉11から送り出される光ファイバ母材3の体積とを演算し、これらが一致するように昇降機構12a、12bの下降速度を制御する。その結果、所望の外径を有する光ファイバ母材3が製造される。
以上説明した実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法によれば、実施の形態1の場合と同様に、通常延伸工程にて形成されるメニスカス形状に近いテーパ形状を形成することができるので、所望の外径を有するとともに、不良部分の少ない光ファイバ母材3が製造される。さらに、メニスカス1d等の変形のおそれもなく、光ファイバ母材3の外径を高精度で制御できることになる。
実施の形態1において用いる光ファイバ母材の製造装置の概略構成図である。 図1に示す光ファイバ元母材のテーパ部近傍を拡大して示した模式的側面図である。 実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 実施の形態1に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 延伸加熱炉および昇降機構の昇降速度の経時変化を示す図である。 実施例の各製造工程における光ファイバ元母材の下端部の形状を示した図である。 実施例において延伸した光ファイバ母材の外径の測定値を示す図である。 比較例において延伸した光ファイバ母材の外径の測定値を示す図である。 実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。 実施の形態2に係る光ファイバ母材の製造方法の製造工程を説明する説明図である。
符号の説明
1 光ファイバ元母材
1a テーパ部
1b 上端部
1c 平行部
1d メニスカス
2a、2b 支持棒
3 光ファイバ母材
10 製造装置
11 延伸加熱炉
11a ヒータ
12a、12b 昇降機構
13a、13b 外径測定器
14 制御部
C 境界領域
C1〜C3 位置
G グラフ
L1〜L5 線
P1 中心位置

Claims (3)

  1. 下端に位置するテーパ部と該テーパ部に隣接して形成された所定の外径を有する平行部とを備えた光ファイバ元母材を加熱延伸し、前記光ファイバ元母材よりも外径の小さい光ファイバ母材を製造する方法であって、
    加熱手段を備えた加熱炉内に前記光ファイバ元母材の上端と下端とを支持して配置し、前記加熱炉内の最高温度位置と前記テーパ部と平行部との境界領域との高さを同一に維持するように前記加熱手段と前記光ファイバ元母材とを相対的に移動させながら、前記境界領域および前記テーパ部を加熱延伸する予備延伸工程と、
    前記光ファイバ元母材を支持したまま、前記最高温度位置が前記境界領域から前記平行部の方向へ移動するように前記加熱手段と前記光ファイバ元母材とを相対的に移動させながら、該光ファイバ元母材を加熱延伸する本延伸工程と、
    を含むことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記予備延伸工程は、前記テーパ部を下方に引き下げるとともに、前記最高温度位置が前記境界領域に追従するように前記加熱手段を下方に移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記予備延伸工程は、前記加熱手段の高さ方向の位置を維持したままで、前記境界領域が前記最高温度位置の高さに維持されるように、前記光ファイバ元母材の上端部を上方に引き上げることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
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