JP2005008426A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバの線引に先立って、光ファイバ母材に特別な加工を施すことなく、しかも線引開始のための口出し時間の短縮化ができ、生産性と歩留まりを向上させる光ファイバの製造方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ母材11の先端部11aを、線引炉14で加熱溶融して線引する光ファイバの製造方法であって、線引炉14のヒートゾーンに対する光ファイバ母材11の先端部11aの位置を変化させて線引のための口出しを行なう。光ファイバ母材11の先端部11aが加熱溶融されて細径部分11cが形成されたとき、この細径部分11cがヒートゾーンの中心に位置するようにして線引のための口出し時間の短縮化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ母材11の先端部11aを、線引炉14で加熱溶融して線引する光ファイバの製造方法であって、線引炉14のヒートゾーンに対する光ファイバ母材11の先端部11aの位置を変化させて線引のための口出しを行なう。光ファイバ母材11の先端部11aが加熱溶融されて細径部分11cが形成されたとき、この細径部分11cがヒートゾーンの中心に位置するようにして線引のための口出し時間の短縮化を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ母材の先端部を加熱溶融して線引のための口出しを行なう光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの製造に際して、先ず、コア/クラッドからなる多孔質ガラス母材を焼結により透明ガラス化して光ファイバ母材を作製し、この光ファイバ母材を線引炉で線引して、長尺の光ファイバとする。光ファイバの線引は、通常、線引炉内に光ファイバ母材を垂直に吊下げ、光ファイバ母材の先端部(下端)を加熱溶融し、溶融されたガラスを垂下させ紡糸するようにして行なわれる。この後、線引された光ファイバは、冷却、樹脂被覆、被覆硬化等の工程を経て、ボビンに巻取られる。
【0003】
光ファイバ母材は、先端部の形状が円弧状であるため、線引開始直後は先端部の溶融形状、並びに、コア/クラッド比が安定していない。所定の安定した線引状態となるには長時間を要し、しかも無駄な線引を行なっていることになり、生産性を低下させ、歩留まりを悪くしている。このため、光ファイバ母材の先端部の形状を、予めバーナ等で円錐状に平滑に加工したりして、線引の開始から安定状態になるまでの時間を短縮し、無駄に線引するファイバ長さを短くすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、光ファイバ母材の先端部の形状を、予め線引時の理想的な曲面形状となるように加工しておくことにより、線引の立ち上げ時間等を短縮することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、光ファイバ母材の先端部の形状を、所定の形状に加工すると共に、線引開始当初の落し種を考慮した形状とし、落し種の落下までの時間短縮と安定した線引開始までの時間短縮を図る提案がされている(例えば、特許文献3参照)。図3は、上述した特許文献3における光ファイバの線引の概略を説明する図で、図3(A)は線引開始時の状態を説明する図、図3(B)は光ファイバ母材先端部の加工形状の一例を示す図である。図中、1は光ファイバ母材、2は先端部、3は細径部分、4は落し種、5は線引炉、6はファイバ被覆部、7は巻取りボビンを示す。
【0005】
図3(A)に示すように、光ファイバ母材1は線引炉5内に挿入され、先端部2が加熱溶融される。先端部2は、曲線状のテーパ状になって溶融され、この先端からある程度の重量を持った溶融端片を「落し種4」として落下させ、線引の始端形成のための口出しを行なっている。落し種4は、溶融状態にある先端部2から垂れる下がる細径部分3の下端に連なり、細径部分3がさらに溶融軟化し細くなって落下分離する。落し種4が落下した後、細径部分3の先端がファイバの口出し始端となって線引が開始される。線引された光ファイバは、ファイバ被覆部6で被覆が施され、光ファイバのパスラインに沿って走行され、最終的に巻取りボビン7に巻取られる。
【0006】
また、光ファイバ母材1の先端部1’は、線引する前に、予め図3(B)に示すような形状に加熱又は研削により加工される。この加工に際しては、点線から実線で示す理想形状に、落し種4を考慮した形状に加工される。これにより、落し種4の落下までの時間が短縮され、これに続く線引時間の開始時間も短縮できるとされている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−330362号公報
【特許文献2】
特開平11−79772号公報
【特許文献3】
特開2002−80238号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1〜3で開示の技術は、何れも光ファイバ母材の先端部を所定の形状に予め加工するという追加工程を必要としている。この追加工程は、製造コストを上昇させるという問題があると共に、加工部周辺に加工屑が付着し、線引時に局所変動等の問題を発生させる恐れがある。また、光ファイバ母材の先端部を、研削で加工する場合、応力が付与されていたり歪が残留しているような光ファイバ母材は、研削時に破損することがある。さらに、光ファイバ母材の先端部を研削加工し、さらに他方の端部にダミーロッド等を接続しようとする場合、研削加工された先端部以外の部分を把持して作業する必要がある。このため、光ファイバ母材に対する外傷の拡大、汚染範囲の増大、有効長の低下等の問題を発生させる。
【0009】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの線引に先立って、光ファイバ母材に特別な加工を施すことなく、しかも線引開始のための口出し時間の短縮化ができ、生産性と歩留まりを向上させる光ファイバの製造方法の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ファイバの製造方法は、光ファイバ母材の先端部を線引炉で加熱溶融して線引する光ファイバの製造方法であって、線引開始前に線引炉の加熱中のヒートゾーンに対する光ファイバ母材の先端部の位置を移動させて線引のための口出し部を形成する。光ファイバ母材の先端部が加熱溶融されて細径部分が形成されたとき、この細径部分がヒートゾーンの加熱中心に位置するようにして線引のための口出し部を形成する時間の短縮化を図る。また、線引炉の加熱温度を調整して線引のための口出しを効率よく行ない、さらに、光ファイバ母材の先端部をヒートゾーンの加熱中心から5〜50mm下方に移動させて、口出し部の形成を開始するようにする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1により本発明の実施の形態を説明する。図中、11は光ファイバ母材、11aは先端部、11bは落し種、11cは細径部分、12は支持ロッド、13は支持機構、14は線引炉ヒータを示す。
【0012】
光ファイバ母材11は、コア/クラッドからなる多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化されたものであり、一方の端部には石英ガラスからなる支持ロッド12が溶着等により一体に取付けられている。線引開始前の光ファイバ母材11は、多孔質ガラスを焼結した後、線引時間改善等の目的で先端部11aについての形状加工はされていない。したがって、先端部の11aの形状は、例えば、図1(A)の点線で示すような円弧状になっている。ただ、先端部11a以外の部分で、支持ロッド12の溶着のための加工、コア/クラッド径の補正、非円率修正のため光ファイバ母材表面が火炎研磨等で加工されていることはある。
【0013】
光ファイバ母材11は、溶着されている支持ロッド12を支持機構13により把持して吊下げ支持され、先端部11aが線引炉ヒータ14内に位置調整可能に入れられる。光ファイバ母材11の位置調整は、支持機構13を上下方向に駆動して移動させるが、線引炉ヒータ14側を相対的に移動させるようにしてもよい。線引炉ヒータ14内のヒートゾーンにおける加熱温度は、図1(D)に示すように、例えば、中央位置にピーク部を有する山形の温度分布になるように設定される。
【0014】
光ファイバの線引開始は、図1(A)に示すように、光ファイバ母材11の先端部11aを線引炉ヒータ14内に入れ、先端部11aの加熱溶融を開始する。このとき、ヒートゾーンの温度分布に対して、光ファイバ母材11の先端部11aの位置を変えることにより、先端部11aに対する加熱温度が調整できる。例えば、先端部11aをヒートゾーンのピーク部に位置させることにより、先端が比較的速く溶融し、角度が比較的大きいテーパ状の溶融端となる。また、先端部11aを加熱中に上下方向に移動させると、先端部11aの軸方向の加熱範囲が広がり、角度が比較的小さい(鋭角)のテーパ状の溶融端となる。
【0015】
そして、光ファイバ母材11の先端部11aとヒートゾーンとの相対的位置の移動開始のタイミング、移動距離、移動回数或いは、移動速度等を変えることにより、所望の先端形状とすることができる。したがって、特許文献1〜3のように、光ファイバ母材11の先端部11aに予め加工することなく、線引開始に先立つ準備工程のなかで、先端部11aを所望の形状に整えることが可能となる。これにより、先端部11aを研削加工することによる傷の発生や損傷、作業工数の増加等を軽減することができる。また、先端部11aの形状を所望形状に整えることにより、所定のコア/クラッド比に安定するまでの無駄に線引される長さを短くでき、不良ファイバ長を短縮し、生産性と歩留まりを向上させることができる。
【0016】
光ファイバ母材11の先端部11aの形状が整えられ、さらに加熱溶融が進むと、図1(B)に示すように、ネックダウン形状となって、先端に落し種11bと細径部分11cが形成される。さらに加熱溶融が進むと、細径部分11cが伸びて長くなると共に径が細り、落し種11bがその重量により落下する。落し種11bが落下すると細径部分11cの先端を線引始端とする口出しが行なわれ、光ファイバの線引が開始される。
【0017】
本発明においては、図1(C)に示すように、細径部分11cが生成される時点で、細径部分11cがヒートゾーンの加熱中心、すなわち、ヒートゾーンの長手方向で加熱温度が最高となるピーク位置になるように光ファイバ母材11の位置を調整する。これにより、ヒートゾーン全体の加熱温度はあまり高くなくても、細径部分11cの加熱溶融速度を速めることができ、落し種11bが落下するまでの時間を短縮し、口出しを早めることができる。
【0018】
また、線引炉ヒータ14の供給電力を調整することにより、ヒートゾーンの加熱温度、ピーク温度を調整することができる。ヒートゾーンの温度を上げることにより、上述した先端部11aの加熱を早めることができ、口出しまでの時間を短縮することができる。線引の口出しが行なわれた後は、定常状態に戻し、線引速度、線引張力を安定させる必要がある。ただ、ヒートゾーンの温度を上げると、定常状態に戻るのにある程度の時間がかかり、この間、線引状態が不安定となり早期の安定化が遅れる。しかし、本発明では、このような場合も、光ファイバ母材11の位置を調整することにより溶融部の加熱温度を速やかに変えることができ、線引の早期安定化を図ることができる。
【0019】
図2は他の実施形態を説明する図で、図中の符号は図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。この実施形態においては、落し種11bが早く落下するように、重量のある大きい形状に生成されるようにする。すなわち、落し種11bは、重量が多ければ、早くに落下させ口出しを行なうことができ、線引開始までの時間を短縮することができる。
【0020】
具体的には、図2(A)に示すように、光ファイバ母材11の先端部11a全体の加熱溶融を開始するに際して、先端部11aの端部を図1(A)の場合より、5〜50mm程度下方に位置させる。これにより、ヒートゾーンのピーク温度位置が、先端部11aの端部より上方位置となり、端部より多少上方部分から溶融が始まる。溶融が始まったら、図1(A)の場合と同様に、ヒートゾーンの温度分布に対して、先端部11aの位置を変えることにより、先端部11aに対する加熱温度状態を調整し、線引開始当初における先端部11aの形状を所望形状に整える。
【0021】
先端部11aの形状は、その後、図2(A)から図2(B)のように変化し、比較的大きな形状で落し種11bと細径部分11cが生成される。この後、加熱溶融を続けることにより、落し種11b自身が錘となってその自重で、溶融状態にある細径部分11cを引き伸ばし、早くに落下する。また、細径部分11cが生成された時点で、図1(C)と同様に、細径部分11cがヒートゾーンの中心位置になるように光ファイバ母材11の位置を調整することにより、さらに、落し種11bの落下時期を早めることができる。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、光ファイバ母材の先端部に予め加工を施すことなく線引開始のための口出しができ、加工コストの低減と加工による損傷や汚染の発生を低減することができる。また、線引開始までの口出しに要する時間を短縮して、生産性と歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明する図である。
【図2】本発明の他の実施形態を説明する図である。
【図3】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
11…光ファイバ母材、11a…先端部、11b…落し種、11c…細径部分、12…支持ロッド、13…支持機構、14…線引炉ヒータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ母材の先端部を加熱溶融して線引のための口出しを行なう光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの製造に際して、先ず、コア/クラッドからなる多孔質ガラス母材を焼結により透明ガラス化して光ファイバ母材を作製し、この光ファイバ母材を線引炉で線引して、長尺の光ファイバとする。光ファイバの線引は、通常、線引炉内に光ファイバ母材を垂直に吊下げ、光ファイバ母材の先端部(下端)を加熱溶融し、溶融されたガラスを垂下させ紡糸するようにして行なわれる。この後、線引された光ファイバは、冷却、樹脂被覆、被覆硬化等の工程を経て、ボビンに巻取られる。
【0003】
光ファイバ母材は、先端部の形状が円弧状であるため、線引開始直後は先端部の溶融形状、並びに、コア/クラッド比が安定していない。所定の安定した線引状態となるには長時間を要し、しかも無駄な線引を行なっていることになり、生産性を低下させ、歩留まりを悪くしている。このため、光ファイバ母材の先端部の形状を、予めバーナ等で円錐状に平滑に加工したりして、線引の開始から安定状態になるまでの時間を短縮し、無駄に線引するファイバ長さを短くすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、光ファイバ母材の先端部の形状を、予め線引時の理想的な曲面形状となるように加工しておくことにより、線引の立ち上げ時間等を短縮することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、光ファイバ母材の先端部の形状を、所定の形状に加工すると共に、線引開始当初の落し種を考慮した形状とし、落し種の落下までの時間短縮と安定した線引開始までの時間短縮を図る提案がされている(例えば、特許文献3参照)。図3は、上述した特許文献3における光ファイバの線引の概略を説明する図で、図3(A)は線引開始時の状態を説明する図、図3(B)は光ファイバ母材先端部の加工形状の一例を示す図である。図中、1は光ファイバ母材、2は先端部、3は細径部分、4は落し種、5は線引炉、6はファイバ被覆部、7は巻取りボビンを示す。
【0005】
図3(A)に示すように、光ファイバ母材1は線引炉5内に挿入され、先端部2が加熱溶融される。先端部2は、曲線状のテーパ状になって溶融され、この先端からある程度の重量を持った溶融端片を「落し種4」として落下させ、線引の始端形成のための口出しを行なっている。落し種4は、溶融状態にある先端部2から垂れる下がる細径部分3の下端に連なり、細径部分3がさらに溶融軟化し細くなって落下分離する。落し種4が落下した後、細径部分3の先端がファイバの口出し始端となって線引が開始される。線引された光ファイバは、ファイバ被覆部6で被覆が施され、光ファイバのパスラインに沿って走行され、最終的に巻取りボビン7に巻取られる。
【0006】
また、光ファイバ母材1の先端部1’は、線引する前に、予め図3(B)に示すような形状に加熱又は研削により加工される。この加工に際しては、点線から実線で示す理想形状に、落し種4を考慮した形状に加工される。これにより、落し種4の落下までの時間が短縮され、これに続く線引時間の開始時間も短縮できるとされている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−330362号公報
【特許文献2】
特開平11−79772号公報
【特許文献3】
特開2002−80238号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1〜3で開示の技術は、何れも光ファイバ母材の先端部を所定の形状に予め加工するという追加工程を必要としている。この追加工程は、製造コストを上昇させるという問題があると共に、加工部周辺に加工屑が付着し、線引時に局所変動等の問題を発生させる恐れがある。また、光ファイバ母材の先端部を、研削で加工する場合、応力が付与されていたり歪が残留しているような光ファイバ母材は、研削時に破損することがある。さらに、光ファイバ母材の先端部を研削加工し、さらに他方の端部にダミーロッド等を接続しようとする場合、研削加工された先端部以外の部分を把持して作業する必要がある。このため、光ファイバ母材に対する外傷の拡大、汚染範囲の増大、有効長の低下等の問題を発生させる。
【0009】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの線引に先立って、光ファイバ母材に特別な加工を施すことなく、しかも線引開始のための口出し時間の短縮化ができ、生産性と歩留まりを向上させる光ファイバの製造方法の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ファイバの製造方法は、光ファイバ母材の先端部を線引炉で加熱溶融して線引する光ファイバの製造方法であって、線引開始前に線引炉の加熱中のヒートゾーンに対する光ファイバ母材の先端部の位置を移動させて線引のための口出し部を形成する。光ファイバ母材の先端部が加熱溶融されて細径部分が形成されたとき、この細径部分がヒートゾーンの加熱中心に位置するようにして線引のための口出し部を形成する時間の短縮化を図る。また、線引炉の加熱温度を調整して線引のための口出しを効率よく行ない、さらに、光ファイバ母材の先端部をヒートゾーンの加熱中心から5〜50mm下方に移動させて、口出し部の形成を開始するようにする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1により本発明の実施の形態を説明する。図中、11は光ファイバ母材、11aは先端部、11bは落し種、11cは細径部分、12は支持ロッド、13は支持機構、14は線引炉ヒータを示す。
【0012】
光ファイバ母材11は、コア/クラッドからなる多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化されたものであり、一方の端部には石英ガラスからなる支持ロッド12が溶着等により一体に取付けられている。線引開始前の光ファイバ母材11は、多孔質ガラスを焼結した後、線引時間改善等の目的で先端部11aについての形状加工はされていない。したがって、先端部の11aの形状は、例えば、図1(A)の点線で示すような円弧状になっている。ただ、先端部11a以外の部分で、支持ロッド12の溶着のための加工、コア/クラッド径の補正、非円率修正のため光ファイバ母材表面が火炎研磨等で加工されていることはある。
【0013】
光ファイバ母材11は、溶着されている支持ロッド12を支持機構13により把持して吊下げ支持され、先端部11aが線引炉ヒータ14内に位置調整可能に入れられる。光ファイバ母材11の位置調整は、支持機構13を上下方向に駆動して移動させるが、線引炉ヒータ14側を相対的に移動させるようにしてもよい。線引炉ヒータ14内のヒートゾーンにおける加熱温度は、図1(D)に示すように、例えば、中央位置にピーク部を有する山形の温度分布になるように設定される。
【0014】
光ファイバの線引開始は、図1(A)に示すように、光ファイバ母材11の先端部11aを線引炉ヒータ14内に入れ、先端部11aの加熱溶融を開始する。このとき、ヒートゾーンの温度分布に対して、光ファイバ母材11の先端部11aの位置を変えることにより、先端部11aに対する加熱温度が調整できる。例えば、先端部11aをヒートゾーンのピーク部に位置させることにより、先端が比較的速く溶融し、角度が比較的大きいテーパ状の溶融端となる。また、先端部11aを加熱中に上下方向に移動させると、先端部11aの軸方向の加熱範囲が広がり、角度が比較的小さい(鋭角)のテーパ状の溶融端となる。
【0015】
そして、光ファイバ母材11の先端部11aとヒートゾーンとの相対的位置の移動開始のタイミング、移動距離、移動回数或いは、移動速度等を変えることにより、所望の先端形状とすることができる。したがって、特許文献1〜3のように、光ファイバ母材11の先端部11aに予め加工することなく、線引開始に先立つ準備工程のなかで、先端部11aを所望の形状に整えることが可能となる。これにより、先端部11aを研削加工することによる傷の発生や損傷、作業工数の増加等を軽減することができる。また、先端部11aの形状を所望形状に整えることにより、所定のコア/クラッド比に安定するまでの無駄に線引される長さを短くでき、不良ファイバ長を短縮し、生産性と歩留まりを向上させることができる。
【0016】
光ファイバ母材11の先端部11aの形状が整えられ、さらに加熱溶融が進むと、図1(B)に示すように、ネックダウン形状となって、先端に落し種11bと細径部分11cが形成される。さらに加熱溶融が進むと、細径部分11cが伸びて長くなると共に径が細り、落し種11bがその重量により落下する。落し種11bが落下すると細径部分11cの先端を線引始端とする口出しが行なわれ、光ファイバの線引が開始される。
【0017】
本発明においては、図1(C)に示すように、細径部分11cが生成される時点で、細径部分11cがヒートゾーンの加熱中心、すなわち、ヒートゾーンの長手方向で加熱温度が最高となるピーク位置になるように光ファイバ母材11の位置を調整する。これにより、ヒートゾーン全体の加熱温度はあまり高くなくても、細径部分11cの加熱溶融速度を速めることができ、落し種11bが落下するまでの時間を短縮し、口出しを早めることができる。
【0018】
また、線引炉ヒータ14の供給電力を調整することにより、ヒートゾーンの加熱温度、ピーク温度を調整することができる。ヒートゾーンの温度を上げることにより、上述した先端部11aの加熱を早めることができ、口出しまでの時間を短縮することができる。線引の口出しが行なわれた後は、定常状態に戻し、線引速度、線引張力を安定させる必要がある。ただ、ヒートゾーンの温度を上げると、定常状態に戻るのにある程度の時間がかかり、この間、線引状態が不安定となり早期の安定化が遅れる。しかし、本発明では、このような場合も、光ファイバ母材11の位置を調整することにより溶融部の加熱温度を速やかに変えることができ、線引の早期安定化を図ることができる。
【0019】
図2は他の実施形態を説明する図で、図中の符号は図1で用いたのと同じ符号を用いることにより説明を省略する。この実施形態においては、落し種11bが早く落下するように、重量のある大きい形状に生成されるようにする。すなわち、落し種11bは、重量が多ければ、早くに落下させ口出しを行なうことができ、線引開始までの時間を短縮することができる。
【0020】
具体的には、図2(A)に示すように、光ファイバ母材11の先端部11a全体の加熱溶融を開始するに際して、先端部11aの端部を図1(A)の場合より、5〜50mm程度下方に位置させる。これにより、ヒートゾーンのピーク温度位置が、先端部11aの端部より上方位置となり、端部より多少上方部分から溶融が始まる。溶融が始まったら、図1(A)の場合と同様に、ヒートゾーンの温度分布に対して、先端部11aの位置を変えることにより、先端部11aに対する加熱温度状態を調整し、線引開始当初における先端部11aの形状を所望形状に整える。
【0021】
先端部11aの形状は、その後、図2(A)から図2(B)のように変化し、比較的大きな形状で落し種11bと細径部分11cが生成される。この後、加熱溶融を続けることにより、落し種11b自身が錘となってその自重で、溶融状態にある細径部分11cを引き伸ばし、早くに落下する。また、細径部分11cが生成された時点で、図1(C)と同様に、細径部分11cがヒートゾーンの中心位置になるように光ファイバ母材11の位置を調整することにより、さらに、落し種11bの落下時期を早めることができる。
【0022】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、光ファイバ母材の先端部に予め加工を施すことなく線引開始のための口出しができ、加工コストの低減と加工による損傷や汚染の発生を低減することができる。また、線引開始までの口出しに要する時間を短縮して、生産性と歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明する図である。
【図2】本発明の他の実施形態を説明する図である。
【図3】従来の技術を説明する図である。
【符号の説明】
11…光ファイバ母材、11a…先端部、11b…落し種、11c…細径部分、12…支持ロッド、13…支持機構、14…線引炉ヒータ。
Claims (4)
- 光ファイバ母材の先端部を線引炉で加熱溶融して線引する光ファイバの製造方法であって、線引開始前に前記線引炉の加熱中のヒートゾーンに対し前記光ファイバ母材の先端部の位置を移動させて線引のための口出し部を形成することを特徴とする光ファイバの製造方法。
- 前記光ファイバ母材の先端部が加熱溶融され、前記先端部に細径部分が形成されたとき、前記細径部分が前記ヒートゾーンの加熱中心に位置するようにして線引のための口出し部を形成することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記光ファイバ母材の先端部の位置の移動に応じて、前記線引炉の加熱温度を調整して線引のための口出しを行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記光ファイバ母材の先端部を前記ヒートゾーンの加熱中心より5〜50mm下方に移動させ、口出し部の形成を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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- 2003-06-16 JP JP2003170651A patent/JP2005008426A/ja active Pending
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