JP2003300737A - ガラス母材およびガラス母材の加工方法 - Google Patents
ガラス母材およびガラス母材の加工方法Info
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Abstract
ができるガラス母材およびその加工方法を提供する。 【解決手段】 ガラス母材1は、円柱状に形成された母
材有効部2と、母材有効部2の両端に設けられた母材非
有効部3a,3bとからなっている。このようなガラス
母材1は、母材非有効部3aの最大外径が母材有効部2
の外径よりも太くなっていると共に、全体的に透明ガラ
ス化されている。このようなガラス母材1を延伸すると
きは、ガラス母材1の両端にダミーロッドを接合し、母
材非有効部3aが母材有効部2に対して上側になるよう
に支持し、その状態でガラス母材1を加熱して延伸す
る。
Description
造に用いられるガラス母材およびそのガラス母材を加熱
溶融して延伸するガラス母材の加工方法に関する。
延伸する方法としては、特開2000−233938号
公報、及び特開2000−169171号公報に記載さ
れたものが知られている。これらの公報には、光ファイ
バ用ガラス母材の両端にダミーロッドを取り付け、ガラ
ス母材の延伸させる部分(以下、母材有効部とする)を
加熱し、その状態でダミーロッドを掴んで引っ張ること
で母材有効部の径を所望の径に延伸する方法が記載され
ている。
来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、添
加剤(ドーパント)が添加された石英ガラス母材を延伸
する場合、高温で長時間加熱されることにより、ガラス
母材の上側に熱が伝わるため、母材有効部の延伸途中
で、ガラス母材の延伸終了端の細径部分が軟化して引き
伸びてしまうことがある。このような引き伸びが発生す
ると、母材有効部の延伸径が太径化し、目標からはずれ
るばかりでなく、最悪の場合にはガラス母材が引きちぎ
れてしまう虞れがあるため、母材有効部の延伸を停止せ
ざるを得なくなる。この場合には、母材有効部の外径が
所望径に対して大きくずれてしまい、製品として使用で
きなくなる。
定して延伸することができるガラス母材およびその加工
方法を提供することである。
ロッドが接合されるガラス母材において、母材有効部
と、母材有効部の両端部に設けられた母材非有効部とを
有し、母材有効部および母材非有効部は、全体的に透明
ガラス化されており、母材非有効部の最大外径が母材有
効部の外径よりも太いことを特徴とするものである。
例えば、ガラス母材の両端にダミーロッドを接合し、母
材有効部の外径よりも太い最大外径を有する母材非有効
部が母材有効部に対して上側(延伸終了端側)となるよ
うにガラス母材を支持し、その状態で母材有効部を下側
から加熱溶融して延伸する。このとき、延伸終了端側の
母材非有効部の最大外径は母材有効部の外径に比して太
いため、延伸終了端側の母材非有効部は軟化しにくくな
っている。このため、母材有効部が高温で熱せられて
も、延伸終了端側の母材非有効部が容易に引き伸びるこ
とは無い。従って、延伸終了端側の母材非有効部の細径
化が抑えられるため、母材有効部を所望径に安定して延
伸することができる。また、延伸終了端側の端部にガラ
ス微粒子断熱層を有するガラス母材では、母材有効部の
延伸終了端側部分を加熱する際に、ガラス微粒子断熱層
の内部に残留する気体が発砲し、ガラス微粒子が飛散す
ることがある。これに対し、本発明では、母材有効部お
よび母材非有効部を全体的に透明ガラス化することによ
り、母材有効部の延伸終了端側部分を加熱する際に、ガ
ラス微粒子が飛散することはない。
外径よりも5mm以上太いことが好ましい。これによ
り、延伸終了端側の母材非有効部が更に軟化しにくくな
るため、延伸終了端側の母材非有効部の引き伸びをより
確実に抑えることができる。
よりも5mm以上太径となる部分の長さは、母材有効部
の長さの2〜10%である。これにより、母材非有効部
の太径化の効果が確実に発揮されると共に、母材有効部
の長さに対する母材非有効部の長さの割合が小さいた
め、コストの面で有利となる。
部にそれぞれ設けられており、各母材非有効部のいずれ
か一方の最大外径が母材有効部の外径よりも太くするこ
とが好ましい。
ガラス微粒子堆積体を形成する際、またはガラス微粒子
堆積体を透明ガラス化する際に、母材非有効部に対応す
る部分の最大外径が母材有効部に対応する部分の外径よ
りも太くなるように形成する。これにより、母材非有効
部の最大外径を母材有効部の外径よりも太くする処理が
容易に行える。
ガラス母材の両端にダミーロッドを接合し、その状態で
ガラス母材を加熱して延伸することを特徴とするもので
ある。
て、延伸終了端側の母材非有効部の最大外径は母材有効
部の外径に比して太くなるため、延伸終了端側の母材非
有効部は軟化しにくくなっている。このため、母材有効
部が高温で熱せられても、延伸終了端側の母材非有効部
が容易に引き伸びることは無い。従って、延伸終了端側
の母材非有効部の細径化が抑えられるため、母材有効部
を所望径に安定して延伸することができる。また、母材
有効部および母材非有効部を全体的に透明ガラス化する
ことにより、母材有効部の延伸終了端側部分を加熱する
際に、ガラス微粒子断熱層を設けた場合のようにガラス
微粒子が飛散するという問題が生じることはない。
よびガラス母材の加工方法の好適な実施形態について図
面を参照して説明する。
形態を示す図である。同図において、本実施形態のガラ
ス母材1は、光ファイバ用の石英ガラス母材であり、コ
ア/クラッド、またはコアのみで構成されている。
有効部2と、母材有効部2の両端に設けられた母材非有
効部3a,3bとからなっている。この母材有効部2及
び母材非有効部3a,3bは、全体的に透明ガラス化さ
れている。
しており、母材非有効部3aの中央部の外径(最大外
径)が母材有効部2の外径よりも大きくなっている。母
材非有効部3bは、略円錐形状を有し、基端側から先端
側に向かって径が小さくなっている。ここで、母材非有
効部3aは、ガラス母材1の延伸時に延伸終了端側とな
る部位であり、母材非有効部3bは、ガラス母材1の延
伸時に延伸開始端側となる部位である(図2参照)。
せるための添加剤が全体的に含まれる場合もある。この
ような添加剤としては、所望の光ファイバ伝送特性を達
成するのに必要な屈折率プロファイルを得るべく、G
e,F,B,P,Cl等が用いられる。
ロッド)の両端にダミーロッドを接合した状態で、VA
D法やOVD法等によってコアロッドにガラス微粒子を
堆積させてガラス微粒子堆積体を形成し、その後ガラス
微粒子堆積体を透明ガラス化することで形成される。そ
して、この製造工程において、母材非有効部3aに対応
する部分の最大外径を、母材有効部2に対応する部分の
外径よりも太くなるようにする。
なくともSiCl4が含まれた原料ガスを酸水素火炎中
でガラス微粒子化し、バーナーでコアロッドに吹き付け
る際に、母材非有効部3aに対応する部位において水素
ガスの流量を増やして、長手方向に対する成長速度を下
げたり、原料ガスの流量及び水素の流量をともに増やす
ようにする。また、ガラス微粒子堆積体を透明ガラス化
するための加熱炉において、母材有効部2に対応する部
位を意図的に軟化させて、引き伸ばすようにしてもよ
い。これにより、母材非有効部3aの最大外径が母材有
効部2の外径よりも大きいガラス母材を簡単に生成する
ことができる。
母材有効部2の外径よりも太くすることにより、母材非
有効部3aの熱容量が母材有効部2の熱容量よりも上が
るため、母材非有効部3aは母材有効部2に比べて軟化
しにくくなり、かつ、太径化により引張り応力も減少
し、引き伸びにくくなる。
くするには、母材非有効部3aの最大外径を、母材有効
部2の外径よりも5mm以上大きくすることが好まし
い。このとき、5mm以上太径化している部分の長さ
(ガラス母材1の長手方向の長さ)Pは、母材有効部2
の長さQの2〜10%であるのが好ましい。これによ
り、母材非有効部3aの太径化の効果を十分に発揮させ
ることができると共に、母材有効部2の長さに対する母
材非有効部3aの長さの割合が小さくなることから、コ
ストの面で有利となる。
図1ではダミーロッドを省略している。
加工する方法について詳細に説明する。
装置の一例を示す図である。同図において、延伸装置1
0は、炉体11を有している。この炉体11内には、ガ
ラス母材1を熱処理するための炉心管12と、炉心管1
2の外周に配置され、ガラス母材1を加熱するヒータ1
3と、ヒータ13の外側に配置され、ヒータ13からの
熱放出を防止するためのヒートシールド14とが収納さ
れている。また、炉体11の上部には煙突15が設けら
れている。この煙突15の上方には、ガラス母材1の一
端にダミーロッド16aを介して取り付けられる支持棒
17aを把持して固定するチャック18と、このチャッ
ク18を上下方向に移動させる昇降装置19とが配置さ
れている。炉体11の下方には、ガラス母材1の他端に
ダミーロッド16bを介して取り付けられる支持棒17
bを把持して固定するチャック20と、このチャック2
0を上下方向に移動させる昇降装置21とが配置されて
いる。更に、炉体11と昇降装置21との間には、延伸
終了後にガラス母材1の母材有効部2を把持するチャッ
ク22と、このチャック22を上下方向に移動させる昇
降装置23とが配置されている。また、延伸装置10
は、炉心管12内の表面温度を測定するための放射温度
計24を有している。
母材1を延伸する場合、まずガラス母材1の母材非有効
部3a,3bの両端に、石英ガラス製のダミーロッド1
6a,16bを溶着して接合し、出発ガラスロッドを製
作する。次に、ダミーロッド16a,16bの両端に支
持棒17a,17bを取り付ける。この状態で出発ガラ
スロッドを炉体11の炉心管12の中に挿入する。その
際、母材有効部2の外径よりも太い最大外径を有する母
材非有効部3aが母材有効部2に対して上側(延伸終了
端側)になるように、出発ガラスロッドを配置する。次
いで、支持棒17a,17bをチャック18,20で把
持することで、ガラス母材1を支持する。そして、ヒー
タ13を作動させ、炉心管12内の昇温を開始し、延伸
可能な温度となった時点で、その温度を維持してガラス
母材2の延伸を開始する。このときの炉心管12の内面
温度は、1400℃〜2000℃に維持するのが好まし
い。
1によって、チャック18,20を下方に移動させるこ
とにより行う。このとき、チャック18の送り速度は、
チャック20の送り速度に比べ遅くなるように設定す
る。これにより、チャック18によってガラス母材1を
炉心管12に送り込むと共に、チャック20によってガ
ラス母材1を引っ張って延伸することができる。
一部または複数の箇所でガラス母材1の外径を測定し、
その外径の値が一定になるようにチャック18,20の
送り速度を調整する。また、炉心管12内の温度を調整
することにより、ガラス母材1の外径を一定に保つよう
にすることもできる。また、複数本の同形状のガラス母
材1を延伸し、その結果から最適なチャックの送り速度
を算出し、その送り速度を用いて延伸を行ってもよく、
この場合にはガラス母材1の外径の制御を行わなくて
も、ガラス母材1の外径に安定させることができる。
させた状態で、チャック22によって母材有効部2を掴
み、チャック20と連動させてガラス母材1を引っ張っ
て引きちぎる。
いて、上側(延伸終了端側)の母材非有効部3aの最大
外径は、母材有効部2の外径よりも太いため、母材非有
効部3aの軟化が生じにくい。このため、延伸時に母材
有効部2が高温で長時間にわたって加熱された場合に、
母材非有効部3aの引き伸びは発生しにくくなる。従っ
て、引き伸びによる母材非有効部3aの細径化が抑えら
れるため、母材有効部2の延伸外径を安定化させること
ができる。
化されているので、ガラス母材における延伸終了端側の
端部にガラス微粒子断熱層が形成されている場合と異な
り、ガラス母材1の延伸時にガラス微粒子の飛散が生じ
ることはない。
ス母材の延伸加工を行った実施例について説明する。
あり、延伸終了端側(上側)の母材非有効部(全体長さ
20mm)の平均外径が45mm(外径が40mm以上
の部分の長さ10mm)であるガラス母材を用意し、こ
のガラス母材を上述した方法により延伸した。このと
き、炉心管12内の表面温度を1600℃に保って延伸
を行った。また、チャック18の送り速度を毎分3〜4
mm、チャック20の送り速度を毎分40〜60mmと
なるように調整した。また、延伸中は延伸開始端側(下
側)の母材非有効部の所定部分の外径を測定し、その値
が13mmになるように制御し、最終的な目標延伸径が
11.5mmとなるようにした。
終了端側の母材非有効部の引き伸びはほとんど見られな
かった。また、最終的に得られたガラス母材の外径を長
手方向に測定したところ、全長で11.5mm±1mm
であり、非常に良好であった。
あり、延伸終了端側の母材非有効部(全体長さが20m
m)の平均外径が41mm(外径が40mm以上の部分
の長さ4mm)であるガラス母材を使用し、実施例1と
同様の方法により延伸を行った。延伸中は延伸開始端側
の母材非有効部の所定部分の外径を測定し、その値が1
3mmになるように制御し、最終的な目標延伸径が1
1.5mmになるようにした。
終了端側の母材非有効部の引き伸びは少なかった。ま
た、最終的に得られたガラス母材の外径を長手方向に測
定したところ、全長で12.0mm±1.5mmであっ
た。
で、延伸終了端側の母材非有効部(全体長さ20mm)
の最大外径も35mmであるガラス母材を使用し、実施
例1と同様にして延伸を行った。このとき、ガラス母材
の中心付近を延伸し始めた頃から、ガラス母材の細径化
が停止し始め、それと同時に延伸終了端側の母材非有効
部が引き伸び始めた。また、最終的に得られたガラス母
材の外径を長手方向に測定したところ、全長で13.0
mm±2.5mmであった。
るものではない。例えば、上記実施形態のガラス母材で
は、一方の母材非有効部の最大外径を母材有効部の外径
より太くしたが、両方の母材非有効部の最大外径を母材
有効部の外径より太くしてもよい。
法では、炉体に挿入されるガラス母材の両端に溶着接続
されたダミーロッドに支持棒を各々取り付けたが、いず
れか一方のダミーロッドのみに支持棒を取り付けてもよ
い。
けられた母材非有効部の最大外径を、母材有効部の外径
よりも太くしたので、母材有効部を所望径に安定して延
伸することができる。また、母材有効部および母材非有
効部を全体的に透明ガラス化したので、ガラス母材の延
伸時にガラス微粒子が飛散することを防止できる。
である。
ための延伸装置の一例を示す図である。
有効部、10…延伸装置、16a,16b…ダミーロッ
ド。
Claims (6)
- 【請求項1】 両端にダミーロッドが接合されるガラス
母材において、 母材有効部と、前記母材有効部の両端部に設けられた母
材非有効部とを有し、前記母材有効部および前記母材非
有効部は、全体的に透明ガラス化されており、前記母材
非有効部の最大外径が前記母材有効部の外径よりも太い
ことを特徴とするガラス母材。 - 【請求項2】 前記母材非有効部の最大外径は、前記母
材有効部の外径よりも5mm以上太いことを特徴とする
請求項1記載のガラス母材。 - 【請求項3】 前記母材有効部の外径よりも5mm以上
太径となる部分の長さは、前記母材有効部の長さの2〜
10%であることを特徴とする請求項2記載のガラス母
材。 - 【請求項4】 前記母材非有効部は、前記母材有効部の
両端部にそれぞれ設けられており、前記各母材非有効部
のいずれか一方の最大外径が前記母材有効部の外径より
も太いことを特徴とする請求項1記載のガラス母材。 - 【請求項5】 ガラス微粒子を堆積してガラス微粒子堆
積体を形成する際、または前記ガラス微粒子堆積体を透
明ガラス化する際に、前記母材非有効部に対応する部分
の最大外径が前記母材有効部に対応する部分の外径より
も太くなるように形成したことを特徴とする請求項1記
載のガラス母材。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項記載のガラ
ス母材の両端にダミーロッドを接合し、その状態で前記
ガラス母材を加熱して延伸することを特徴とするガラス
母材の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101690A JP3758596B2 (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | ガラス母材およびガラス母材の加工方法 |
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003300737A true JP2003300737A (ja) | 2003-10-21 |
JP3758596B2 JP3758596B2 (ja) | 2006-03-22 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016024965A1 (en) * | 2014-08-13 | 2016-02-18 | Heraeus Tenevo Llc | Quartz glass article and method for forming a quartz glass optical component |
-
2002
- 2002-04-03 JP JP2002101690A patent/JP3758596B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2016024965A1 (en) * | 2014-08-13 | 2016-02-18 | Heraeus Tenevo Llc | Quartz glass article and method for forming a quartz glass optical component |
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