JP3895644B2 - 光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法 - Google Patents

光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバの製造方法に関する。
特定的には、本発明は石英ガラス光ファイバの製造に用いる光ファイバ母材の石英ガラス多孔質スート体をガラス化する方法とガラス化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の光ファイバが知られ、利用されているが、以下、石英ガラスシングルモード光ファイバ(SMF)について例示する。SMFは、直径10μmのコアと、コアの外周に形成された直径125μmのクラッド層とを有する。コアの屈折率はクラッド層の屈折率より高い。SMFの製造方法の概要を図1を参照して例示する。
【0003】
ステップ1〜3:コア部分のガラスロッドの形成
ステップ1:種棒に、たとえば、VAD法またはOVD法で石英ガラススート(煤)からなる石英ガラス多孔質体(多孔質スート体)を合成する。この多孔質スート体は、最終的にSMFのコアになる部分である。このステップにおいて、必要に応じて、クラッド層の屈折率に対してコアの屈折率を高めるドーパント、たとえば、Geをドープする。
ステップ2:合成した多孔質スート体をガラス化炉に導入し、ガラス化炉で脱水および焼結して透明なコア部ガラス母材を形成する。
ステップ3:コア部ガラス化母材を延伸して、コア部分のガラスロッドに形成する。そのような延伸は、たとえば、燃焼火炎、プラズマ火炎または電気炉を用いた加熱状態において行われる。
【0004】
ステップ4〜5:クラッド部分の形成
ステップ4:コア部分のガラスロッドの外周に、たとえば、OVD法より多孔質スートを合成する。この多孔質スート体がSMFのクラッド層になる部分である。
ステップ5:コア部のガラスロッドの外周にクラッド部分の多孔質スートが合成された光ファイバスート母材を脱水および焼結してクラッド部分の多孔質スートをガラス化する。これにより、ガラス化されたコア部分の延伸ガラスロッドと、クラッド部分のガラス部分とを有する光ファイバ母材が形成される。
【0005】
ステップ6〜7:光ファイバの形成
ステップ6:光ファイバ母材を線引炉に導入して、加熱・溶融させ、溶融した光ファイバ母材を線引炉の外部に引き出す。これにより、直径が10μmのコアとその外周に直径が125μmのクラッド層とを有するシングルモード光ファイバ(SMF)が形成される。
ステップ7:線引炉から引き出された光ファイバの外周に保護用樹脂を被覆し、最終製品としてのSMFを形成する。
【0006】
ステップ1〜2におけるコア部分のガラスロッドの製造方法の他の例としては、MCVD(modified CVD)法またはプラズマ法により、直接、ガラスロッドを製造することができる。この場合は、脱水・ガラス化処理を行う必要がない。その後の処理は上記同様である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバの収率を向上させるためなどのために、光ファイバの製造に使用する光ファイバ母材の寸法は大きくなっている。たとえば、長さが2400mmであり、直径が250mmの寸法の大きな光ファイバの線引きに用いる光ファイバ母材も製造されている。
【0008】
本願発明者は、ステップ5のガラス化処理において、寸法が大きい光ファイバ母材を製造するとき、寸法が小さなときには発生しない問題が発生することを見いだした。そのような問題を図2(A)、(B)を参照して述べる。
【0009】
図2(A)に示すように、ガラス化されたコアガラスロッドCTの外周に形成されたクラッド部分の多孔質スート体SNの内部にガラス化されない部分USが残ることがある。
【0010】
図2(B)に示すように、ガラス化された下部Xの直径よりガラス化された上部Yの直径が小さくなることがある。このような光ファイバ母材の長手方向における直径の差が所定の値以上、たとえば、10mm以上となると所望の特性を有する光ファイバが得られない。
【0011】
さらに、ガラス化の過程で光ファイバ母材が落下することもあった。
【0012】
シングルモード光ファイバ用の光ファイバ母材について例示したが、上述した問題は、ガラス化処理する多孔質スート体を有する、他の種々のタイプの光ファイバに使用する種々の光ファイバ母材でも遭遇する問題である。
【0013】
本発明の目的は、寸法の大きな光ファイバ母材の多孔質スートをガラス化するときでも、均質で、所望の特性を有する、光ファイバ用光ファイバ母材をガラス化方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は上記問題が発生する原因を究明し、下記に述べるようにそれらの原因を見出した。
図2(A)を参照して述べたガラス化すべき多孔質スート体SNの内部に未ガラス化部分USが残るという問題の発生原因は、多孔質スート体をガラス化する電気ヒータが炉心管の外部に配設されており、電気ヒータからの放射熱によって多孔質スート体SNを加熱するので、多孔質スート体SNの表面からガラス化が始まるためであると考えられる。さらに、多孔質スートSNの表面が先にガラス化した場合、ガラス化された部分の内部に、たとえば、Heガス、Clガスお
よび不純物などが取り込まれるからであると考えられる。すなわち、そのような取り込まれたガスが多孔質スート体SNの内部のガラス化を妨げて未ガラス化部分USが残るものと考えられる。
【0015】
図2(B)を参照して述べた大きな外径差が発生するという問題は、上部Yをガラス化しているときの加熱によりこの部分の引っ張り強度が低下し、下部Xが荷重となり上部Yが伸びるためと考えられる。
【0016】
さらに光ファイバ母材が支持棒SRから落下するという問題は、光ファイバ母材の上端部をガラス化しているとき、その熱で直径が30mm程度と細い支持棒が溶解または軟化して、その下部にある重量の重い光ファイバ母材を支えきれないためと考えられる。
【0017】
上述した問題は、光ファイバ母材の寸法が大きくなる程、顕著になることも分かった。
上記問題を克服するため、本願発明者は、上述した分析に基づいて種々の実験を行なった結果、光ファイバ母材のガラス化部分の位置に応じて、(1)ガラス化温度を変化させる、(2)光ファイバ母材とガラス化炉内の加熱手段との相対移動速度を変化させる、(3)ガラス化炉内のガラス化領域に供給するガスの量を変化させることが望ましいことを見いだした。
【0020】
本発明によれば、透明ガラスロッドの外周に多孔質スート体を有する光ファイバ母材の前記多孔質スート体を脱水し、前記光ファイバ母材を懸垂した状態で前記多孔質スート体を焼結して透明ガラス化する光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法において、 前記光ファイバ母材は、焼結時にその内部にガラス化されない部分が残る可能性があり、および/または、懸垂したときに自重により延びて径が変化する可能性がある、長さが1000mm以上、直径が200mm以上、重量が40kg以上であり、
前記光ファイバ母材の下端部の前記多孔質スート体のガラス化温度をT1 、上端部の前記多孔質スート体のガラス化温度をT3 、前記下端部と上端部との間の中間部の前記多孔質スート体のガラス化温度をT2 としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記ガラス化温度を制御する、
1 >T2 ≧T3
2 はT1 とT3 との間で単調に変化する温度である、
ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法が提供される。
【0021】
また本発明によれば、透明ガラスロッドの外周に多孔質スート体を有する光ファイバ母材の前記多孔質スート体を脱水し、前記光ファイバ母材を懸垂した状態で前記多孔質スート体を焼結して透明ガラス化する光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法において、
前記光ファイバ母材は、焼結時にその内部にガラス化されない部分が残る可能性があり、および/または、懸垂したときに自重により延びて径が変化する可能性がある、長さが1000mm以上、直径が200mm以上、重量が40kg以上であり、
前記光ファイバ母材の下端部の前記多孔質スート体のガラス化時の前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との相対移動速度をS1 、上端部の前記多孔質スート体のガラス化時の前記相対移動速度をS3 、前記下端部と上端部との間の中間部の前記多孔質スート体のガラス化時の前記相対移動速度をS2 としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との相対移動速度を制御する、
1 <S2 ≦S3
2 はS1 とS3 との間で単調に変化する相対移動速度である、
ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法が提供される。
好ましくは、上記温度制御と、上記移動速度制御を同時に行う。
【0023】
また好ましくは、上記制御のいずれかと共に、前記光ファイバ母材の下端部の前記多孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV1 、前記光ファイバ母材の上端部の前記多孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV3 、前記下端部と上端部との間の中間部の前記多孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV2 としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記ガラス化領域に供給するガスの流量を制御する。
1 >V2 ≧V3
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法の好適な実施の形態について添付図面を参照して述べる。
本発明の実施の形態として、石英シングルモード光ファイバ(SMF)の光ファイバ母材のクラッド層となる部分の多孔質スート体のガラス化方法について述べる。
【0026】
本発明の光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法の位置づけを明確にする。
本発明の光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法は、図1を参照して述べたステップ5の処理に関する。したがって、本発明の実施の形態の実施に先立って、図1を参照して述べた、ステップ1〜4の処理が事前に行なわれる。その結果、図3(A)、(B)に図解する光ファイバ母材50が形成される。
【0027】
光ファイバ母材
光ファイバ母材50は、ステップ1においてコア部分の多孔質スート体が合成され、ステップ2において透明ガラス化され、ステップ3において延伸されたコア部分52と、コア部分52の先端に接続された支持棒54とを有する。コア部分52と支持棒54とを透明ガラスロッド60と呼ぶ。
光ファイバ母材50はさらに、ステップ4においてコア部分52の外周に合成されたクラッド部分の多孔質スート体58を有する。このクラッド部分の多孔質スート体58がステップ5において、透明ガラス化される。
【0028】
光ファイバ母材50は、長手方向において、中間部70とその両側の両端部72、74とからなる。中間部70は、コア部分52の直径D52とクラッド部分の多孔質スート体58との直径D58の比率が所定の範囲α1 〜α2 にある円柱状の形状をしている。両端部72、74の形状は丸みを帯びるか、または、尖っていて、コア部分52の直径D52とクラッド部分の多孔質スート体58の直径D58の比率が所定の範囲α1 〜α2 にない。
【0029】
光ファイバ母材50は図4(A)、(B)および図5を参照して述べるように、光ファイバ母材50の端部74に接続された支持棒54が支持機構14に把持(保持)されてガラス化炉12内に端部72を下方にして支持機構14に懸垂されて挿入される。本実施の形態においては、端部72を下端部と呼び、端部74を上端部と呼ぶ。
【0030】
ステップ5において透明ガラスコア部52の上にクラッド部分の多孔質スート体58が合成された、光ファイバ母材50を、図5に図示したガラス化装置において脱水および焼結して透明ガラス化して、図4(B)に図解する光ファイバ母材80を製造する。
【0031】
光ファイバ母材80は、光ファイバ母材50のクラッド部分の多孔質スート体58が透明ガラス化により透明かつ外径が細くなった透明ガラス化部分59を有する。
光ファイバ母材80について、図1のステップ6〜7の処理を行なって最終製品としての石英シングルモード光ファイバを製造する
【0032】
以下、本発明の実施の形態としてのステップ5の処理の詳細およびそれに用いるガラス化装置を述べる。
【0033】
第1実施の形態
図5は本発明の第1実施の形態の光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化装置の構成図である。
図5に図解したガラス化装置10は、ガラス化炉12と、支持機構14と、制御装置16と、ガス供給部18と、ガスフローメータ20と、温度センサ22と、速度センサ24と、電気ヒータ駆動部26と、位置センサ30と、支持機構駆動部34を有する。
ガラス化装置10は脱水と焼結とを同時に行なうことができる。
【0034】
ガラス化炉12は、中空の円筒状の炉心管122を有する。
炉心管122は、たとえば、石英ガラスを用いて形成されており、下端部に位置するガス供給口122aと、上部に位置する上部導入部122bと、上部導入部122bの近傍に設けられたガス排出口122cと、ガス供給口122aと上部導入部122bとの間に位置する中間円筒部122dとを有する。
上部導入部122bからガラス化の対象となる光ファイバ母材50を炉心管122内に導入する。
【0035】
ガラス化炉12は、炉心管122の中間円筒部122dの外周に同心円状に配設された電気ヒータ124を有する。
中間円筒部122dと電気ヒータ124との間の間隙には、たとえば、カーボン製の均熱管(図示せず)が設けられており、均熱管により電気ヒータ124の熱が均一に光ファイバ母材50のガラス化部分に伝達される。すなわち、電気ヒータ124からの熱は均熱管を介して、炉心管122内に導入された光ファイバ母材50を加熱して、クラッド部分の多孔質スート体58を脱水および焼結して透明ガラス状態にする。
電気ヒータ124には電気ヒータ駆動部26から電力が供給される。電気ヒータ駆動部26から電気ヒータ124に供給する電力量は制御装置16から指示される。
電気ヒータ124と均熱管とが本発明の加熱手段に該当する。
電気ヒータ124および均熱管が位置する炉心管122の内部が、光ファイバ母材50の多孔質スート体58をガラス化するガラス化領域を規定している。
【0036】
支持機構14は図3(A)、(B)、図4(A)に図解した光ファイバ母材50の支持棒54を垂直方向に保持(把持)して、光ファイバ母材50を、炉心管122の上部導入部122bから炉心管122内に導入する。
支持機構14は、光ファイバ母材50のクラッド部分の多孔質スート体58のガラス化の進行に応じて光ファイバ母材50を回転させながら、炉心管122内に下降させていく。支持機構14の下降動作および回転動作の駆動制御は、制御装置16の指令に従って支持機構駆動部34が行なう。
制御装置16は、光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化部分が電気ヒータ124のほぼ中央に位置するように、支持機構駆動部34を介して支持機構14を駆動して光ファイバ母材50を下降させる。
制御装置16は、たとえば、メモリを有するコンピュータで構成されており、本明細書で述べる各種の制御処理を行なう。
【0037】
支持機構14には速度センサ24および位置センサ30が設けられている。
位置センサ30は、支持機構14の下降動作に応じた電気ヒータ124に対する光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化部分の相対位置を検出して、制御装置16に入力する。たとえば、位置センサ30は、支持機構14に設けられた下降駆動用モータの回転数を積算して電気ヒータ124に対する位置を検出する。
速度センサ24は光ファイバ母材50の下降速度を検出して制御装置16に入力する。速度センサ24は、たとえば、上記下降駆動用モータの回転速度から光ファイバ母材50の下降速度を検出する。
【0038】
本実施の形態においては、電気ヒータ124が炉心管122の周囲に固定されている場合について述べるが、逆に、光ファイバ母材50の位置を固定し、電気ヒータ124をモータを用いて上昇させていくこともできる。その場合には、速度センサ24は光ファイバ母材50に対する電気ヒータ124の移動速度を検出し、位置センサ30は光ファイバ母材50に対する電気ヒータ124の移動位置を検出する。
【0039】
温度センサ22は炉心管122の中間円筒部122dの内部に位置する光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化部分の温度を検出する。温度センサ22は、炉心管122の側壁に設けられている。温度センサ22はたとえば、放射型温度計である。
温度センサ22の検出信号が制御装置16に入力されている。
【0040】
ガス供給部18はガスフローメータ20を介してガス供給口122aから炉心管122の内部にガラス化ガスを供給する。ガス供給口122aから供給されたガスは中間円筒部122dを上昇し、光ファイバ母材50の外面に接したのち、ガス排出口122cから排出される。炉心管122内の電気ヒータ124の近傍に位置する光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化される部分の周囲の領域を、ガラス化領域またはガラス化雰囲気という。
制御装置16はガスフローメータ20を制御して炉心管122内に供給するガスの流量を制御する。
【0041】
ガス供給部18から炉心管122内に供給するガラス化ガスとしては、たとえば、Heガス、Arガス、N2 ガスなどの不活性ガス、および/または、Cl2を用いる。
上述した例示において、コア部分に屈折率を高めるドーパント、たとえば、Geをドープする場合を述べたが、逆に、コア部分にそのようなドーパントをドープせず、ガラス化の熱処理時にクラッド部分の屈折率をコア部分の屈折率より低下させる場合は、コアの屈折率よりクラッドの屈折率を低下させるドーパント、たとえば、Fをドープする場合にはF含有ガスをガス供給部18から供給することもできる。
【0042】
図5は、ガス供給部18から炉心管122内にガスが供給されている状態で、支持機構14で光ファイバ母材50に接続されている支持棒54を把持して光ファイバ母材50を炉心管122内につり下げ、かつ、光ファイバ母材50を回転させながら、多孔質スート体58のガラス化の進展に応じて所定の速度で炉心管122内に下降させていく状態を示している。すなわち、図5は、光ファイバ母材50の多孔質スート体58が、下端部72から中間部70、上端部74に向かって電気ヒータ124からの熱で加熱され、脱水・焼結させて透明ガラス化される状態を示している。
特に、図5は、光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58が透明ガラス化部分SNとなった状態を示している。光ファイバ母材50の多孔質スート体58が全て透明ガラス化されるとガラス化クラッド部分59となり、光ファイバ母材50より直径が細い、図4(B)に図解した光ファイバ母材80が形成される。
以下、第1実施の形態の制御装置16による制御処理に詳細を述べる。
【0043】
ガラス化温度制御
図6は横軸に光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化位置、縦軸にガラス化温度をとった位置・ガラス化温度特性図である。
この場合、光ファイバ母材50の下降速度は一定であり、ガス供給部18から炉心管122内に供給されるガラス化ガス、たとえば、Heの流量は一定である。
図6に図解したガラス化温度の関係を式1に示す。
【0044】
【数1】
1 >T2 ≧T3 …(1)
【0045】
図6の位置・ガラス化温度特性は、光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58をガラス化するときは温度T1 、たとえば、1540°Cと高い温度にし、上端部74の多孔質スート体58をガラス化するときは温度T3 、たとえば、1450°Cと低い温度にし、中間部70の多孔質スート体58をガラス化するときは、温度T1 から温度T3 に向かって単調に、かつ、中間部70の位置に応じて低下させていくことを意味している。
【0046】
光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58のガラス化温度を高温にすると、焼結されたガラス体が柔らかくなるので、重力により真直形状となる。逆に、ガラス化温度が低い場合、下端部72が水平方向に曲がりやすくなる。下端部72が真直形状となればその上の中間部70および上端部74も真直形状に焼結されて、断面が真円の光ファイバ母材80が形成されるが、下端部72が真直形状でない場合、ガラス化された光ファイバ母材80の断面が真円形状とならず、ステップ6において線引きして得られるシングルモード光ファイバの断面形状の非円率が大きくなり好ましくない。したがって、下端部72のガラス化温度を高くする。
【0047】
上端部74の多孔質スート体58を低温焼結とすることにより、図2(B)を参照して述べた、支持棒54の溶解または軟化により光ファイバ母材50が落下するという問題が防止できる。
【0048】
中間部70の多孔質スート体58のガラス化温度は、温度T1 から温度T3 に向かって単調に低下しているが、ガラス化温度を急激に変化させると、多孔質スート58をガラス化する過程が不安定となり、透明ガラス化された部分が割れることがあるから、急激にガラス化温度を変化させることは好ましくない。中間部70の多孔質スート体58のガラス化温度の変化率は、もちろん、光ファイバ母材50の下降速度、その他の条件にも依存するが、0.1〜0.25℃/分程度が好ましい。
【0049】
もちろん、温度T1 、T3 の値は、光ファイバ母材50の下降速度、ガス供給部18からの供給ガラス化ガスの種類と流量、光ファイバ母材50の寸法(外径、長さ、重量)などに応じて異なるが、式1で規定される温度条件で光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化を行なうことが望ましい。
【0050】
制御装置16は、位置センサ30の位置検出信号および温度センサ22の温度検出信号を入力し、電気ヒータ駆動部26を介して電気ヒータ124の加熱温度を、式1に基づいて、位置信号および温度信号を参照して、制御して、光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化温度制御を行なう。
上記温度T1 、T3 および温度T2 の変化率は、制御装置16内のメモリに記憶されている。
【0051】
実験例1
長さが2400mm、直径が250mm、重量が40kgの光ファイバ母材50の多孔質スート体58についてガラス化温度制御を試みた。ガラス化処理時間は、8〜10時間であった。ガラス化処理終了後の光ファイバ母材80は、直径が70〜80mmであり、一方向に延伸した略円柱形状をしており、外径差は少なく、透明ガラス化されない部分は発生しなかった。もちろん、支持棒54から光ファイバ母材50が落下することもなかった。
この光ファイバ母材80をシングルモード光ファイバに線引きした結果、非円率が0.3%以下であった。
【0052】
ガラス化移動速度制御
図7は横軸に光ファイバ母材50の位置、縦軸に下降(移動)速度をとった位置・移動速度特性図である。
この場合、電気ヒータ124における加熱温度は一定であり、ガス供給部18から炉心管122内に供給されるガラス化ガス、たとえば、Heの流量は一定である。
図7に図解した下降(移動)速度S1 、S2 およびS2 の関係を式2に示す。
【0053】
【数2】
1 <S2 ≦S3 …(2)
【0054】
図7の位置・移動速度特性は、光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58をガラス化するときは下降速度S1 、たとえば、150mm/hと低い速度で時間をかけて下降させてガラス化領域におけるガラス化時間を長くし、上端部74の多孔質スート体58をガラス化するときは下降速度S3 、たとえば、300mm/hと速い速度で電気ヒータ124部分を短時間で下降させてガラス化時間を短くし、中間部70の多孔質スート体58をガラス化するときは、低い速度S1 から高い速度S3 に向かって単調に、かつ、ガラス化領域に対する中間部70のガラス化位置に応じて移動速度を上昇させていくことを意味している。このように移動速度制御すれば、上述したガラス化温度制御と同様に、図2(A)、(B)を参照して述べた問題の発生が防止できる。
【0055】
移動速度S1 、S3 の値および移動速度S2 の変化率は、光ファイバ母材50の寸法(外径、長さ、重量)、ガラス化温度、供給ガラス化ガスの種類と量などに応じて異なるが、式2で規定される移動速度条件で光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化を行なうことが望ましい。
【0056】
制御装置16は、位置センサ30で検出した位置検出信号の値に応じて、速度センサ24が検出した速度信号を参照して支持機構駆動部34を、式2に基づいて制御して電気ヒータ124においてガラス化される光ファイバ母材50の下降速度を制御する。
移動速度S1 、S3 の値および移動速度S2 の変化率は制御装置16のメモリに記憶されている。
【0057】
実験例2
移動速度制御によっても上記ガラス化温度制御と同様の結果が得られた。
本発明の実施の形態としては、上述したガラス化温度制御、および移動速度制御を単独で行なうこともできるし、これらを適宜組み合わせて行なうこともできる。
【0058】
ガラス化温度制御+供給ガス流量制御
次にガラス化温度制御と供給ガス流量制御とを同時に行う場合について述べる。
図8は横軸に光ファイバ母材50の位置、縦軸に供給ガス流量、たとえば、Heガスの流量をとった位置・供給ガス流量特性を示す図である。
この場合、支持機構14による光ファイバ母材50の移動速度は一定であるが、ガラス化温度制御を、たとえば、図6を参照して述べた上述した方法で行いながら、供給ガス流量、たとえば、Heガスの流量をも制御した
図8に図解した供給ガス流量の関係を下記式3に示す。
【0059】
【数3】
1 >V2 ≧V3 …(3)
【0060】
図8の位置・供給ガス流量特性は、光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58をガラス化するときはガス流量V1 、たとえば、120SLMと大きなガス流量を供給し、上端部74の多孔質スート体58をガラス化するときはガス流量V3 、たとえば、20SLMと少ないガス流量を供給し、中間部70の多孔質スート体58をガラス化するときは、ガス流量 1 とガス流量V3 との間のガス流量V2 をガラス化炉12内のガラス化領域に供給することを意味している。
【0061】
下端部72では、たとえば、図6を参照して上述したように高温 1 でガラス化処理をしているため、多孔質スート体58の表面が焼結されやすくなっており、焼結されている多孔質スート体58(図4(B)、ガラス化クラッド部分59)の表面を冷却して焼結速度を遅くするために、ガス流量を多くする。
上端部74は、たとえば、図6を参照して上述したように低温 3 のガラス化処理であるので多孔質スート体58の表面が焼結されにくいのでガス流量を減らす。上端部74の多孔質スート体58のガラス化時にガス流量を減らすことにより、ガラス化クラッド部分59の内部にヘリウム、塩素ガスおよび不純物が残留することが少なくなり、ガラス化クラッド部分59の内部に未ガラス化部分US(図2(A))が残ってしまうのを防止できる。また、高価なヘリウムなどのガラス化ガスの供給量が低減できるので、最終製品としての光ファイバの製造価格が低減できる。
【0062】
ガス流量V1 、V2 、V3 の値は、ガスの種類、光ファイバ母材50の移動速度、たとえば、図6例示したガラス化温度、光ファイバ母材50の寸法(外径、長さ、重量)、その他の条件に応じて異なるが、式3で規定される供給ガス量の条件で光ファイバ母材50のガラス化を行なうことが望ましい。
【0063】
制御装置16は、位置センサ30で検出した位置検出信号の値に応じて、図6を参照して述べたガラス化温度制御を行いながら同時に、式3にしたがって、ガスフローメータ20を制御してガス供給部18から炉心管122内に供給されるガス流量の制御を行なう。
ガス流量V1 、V2 、V3 の値は制御装置16のメモリに記憶されている。もちろん、図6を参照して述べたガラス化温度制御の条件を上述したように、制御装置16のメモリに記憶されている。
【0064】
実験例3
上述したガラス化温度制御に加えて、ガラス化温度制御と供給ガス量の制御とを同時に行うことにより、ガラス化クラッド部分59(図4(B))内に未ガラス化部分US(図2(A))の発生が防止しながら、上述したガラス化温度制御による効果も奏することができた
【0067】
ガス供給制御+移動速度制御
たとえば、図8を参照して述べた供給ガスを変化させるガス供給制御(ただし、ガラス化温度制御は行わない)と、たとえば、図7を参照して述べた移動速度制御を同時に行なうと、ガラス化クラッド部分59の内部に未ガラス化部分USの発生を防止しながら、移動速度制御による効果を奏することができる。
【0068】
ガラス化温度制御+移動速度制御
たとえば、図6を参照して述べたガラス化温度制御と、図7を参照して述べた移動速度制御を組み合わせると、光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58はゆっくりと高温でガラス化し、上端部74の多孔質スート体58をすばやく低温でガラス化することができる。その結果、図2(A)、(B)を参照して述べた不利益を克服できる。
【0069】
ガス供給制御+ガラス化温度制御+移動速度制御
たとえば、図8を参照して述べた供給ガスを変化させるガス供給制御と、たとえば、図6を参照して述べたガラス化温度制御と、たとえば、図7を参照して述べた移動速度制御とを組み合わせると、上述した効果の全てを達成できる。
【0070】
第1実施の形態によれば、長さが1000mm以上で、直径が200mm以上あり、例えば重量が40kg以上の大きなサイズの光ファイバ母材50について、大きな外径差を起こさずガラス化処理を行うことができた。その結果、シングルモード光ファイバの非円率が0.3%以下に低減できた。
【0071】
第1実施の形態によれば、ガラス化により支持棒54から光ファイバ母材の落下は起きない。
【0072】
第1実施の形態によれば、ガス供給部18から供給するガラス化ガス、たとえば、高価なHeガスの供給量を低減することができた。その結果、光ファイバ母材の製造価格、ひいては、最終製品としてのシングルモード光ファイバの製造価格を低減させることができた。
【0073】
第2実施形態
第2実施形態は、第1実施の形態のように光ファイバ母材50の多孔質スート58の脱水処理および焼結処理を同じガラス化装置内で1段階で行なうのではなく、図9に図解したように、脱水処理と焼結処理を別々に2段階に分けて行う。脱水処理は、たとえば、1150〜1200℃の一定温度で行う。その後、焼結処理として、第1実施形態として述べたガラス化装置10を用い、脱水された光ファイバ母材50の多孔質スート58について下端部72から上端部74に向かって、第1実施の形態と同様、ガラス化温度、移動速度、ガス供給量の少なくともいずれかを順次変更しながら行なう。
【0074】
第2実施の形態も、第1実施形態と同様に、寸法の大きな光ファイバ母材について、大きな外径差を起こさず、光ファイバ母材の落下を起こさず、未ガラス化部分を発生させず、ガラス化処理を行うことができた。
【0075】
第2実施の形態は、脱水処理と焼結処理とを分離することにより、光ファイバ母材から線引きして得られる光ファイバは、光ファイバ母材50に含有する水分が十分に低減されており、伝送損失、たとえば、1.38μm帯での伝送損失が小さいという利点がある。
【0076】
上述した実施の形態においては、光ファイバとしてシングルモード光ファイバに用いる光ファイバ母材について述べたが、本発明はシングルモード光ファイバに用いる光ファイバ母材に限定されず、波長分割伝送などに使用する多層構造の分散補償光ファイバ、偏波面保存光ファイバなど、多孔質スート体を有する光ファイバ母材を透明ガラス化する種々の場合に適用できる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、寸法の大きな光ファイバ母材についても、大きな外径差を起こさず、多孔質スート体を均一にガラス化処理を行うことができる。
その結果、本発明によれば非円率が小さな光ファイバを製造できる。
【0078】
本発明によれば、供給するガラス化ガスの供給量を低減できる。その結果、本発明によれば、光ファイバ母材の製造価格、ひいては、光ファイバの製造価格を低減させることができる。
【0079】
本発明のガラス化に際しては、既存のガラス化装置を用い、ガラス化温度制御、光ファイバ母材と加熱手段との相対移動速度の制御のいずれかを、制御装置で行なえばよいので、設備費用が格段に増大しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシングルモード光ファイバを製造する工程を図解した工程図である。
【図2】図2(A)、(B)はガラス化処理が不具合になった例を示す光ファイバ母材の形状を示す図である。
【図3】図3(A)はコア部分のガラスロッドの外周にクラッド部分の多孔質スート体を合成した光ファイバ母材の長手方向に沿った断面図であり、図3(B)は図3(A)に図示した光ファイバ母材の半径方向の断面図である。
【図4】図4(A)は図3(A)に図解した光ファイバ母材をガラス化のためつり下げた状態を示す図であり、図4(B)は図4(A)の光ファイバ母材の多孔質スート体を透明ガラス化した後の形状を示す図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態のガラス化装置の構成図である。
【図6】図6は光ファイバ母材のガラス化位置とガラス化温度との関係を図解したグラフである。
【図7】図6は光ファイバ母材のガラス化位置と、ガラス化領域と光ファイバ母材の移動速度との関係を図解したグラフである。
【図8】図8は光ファイバ母材のガラス化位置と供給ガスの量との関係を図解したグラフである。
【図9】図9は本発明の第2実施の形態として、図1におけるステップ5の処理を脱水処理と焼結処理とを分離して行なう工程を示す図である。
【符号の説明】
10・・ガラス化装置
12・・ガラス化炉
122・・炉心管
122a・・ガス供給口、122b・・上部導入部
122c・・ガス排出口、122d・・中間円筒部
124・・電気ヒータ
14・・支持機構、16・・制御装置
18・・ガス供給部、20・・ガスフローメータ
22・・温度センサ、24・・速度センサ、30・・位置センサ
26・・電気ヒータ駆動部、34・・支持機構駆動部
50・・光ファイバ母材
52・・ガラス化されたコア部分、54・・支持棒
58・・クラッド部分の多孔質スート体
59・・ガラス化クラッド部分
70・・中間部、72・・下端部、74・・上端部
80・・ガラス化された光ファイバ母材

Claims (4)

  1. 透明ガラスロッドの外周に多孔質スート体を有する光ファイバ母材の前記多孔質スート体を脱水し、前記光ファイバ母材を懸垂した状態で前記多孔質スート体を焼結して透明ガラス化する光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法において、
    前記光ファイバ母材は、焼結時にその内部にガラス化されない部分が残る可能性があり、および/または、懸垂したときに自重により延びて径が変化する可能性がある、長さが1000mm以上、直径が200mm以上、重量が40kg以上であり、
    前記光ファイバ母材の下端部の前記多孔質スート体のガラス化温度をT1 、上端部の前記多孔質スート体のガラス化温度をT3 、前記下端部と上端部との間の中間部の前記多孔質スート体のガラス化温度をT2 としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記ガラス化温度を制御する、
    1 >T2 ≧T3
    2 はT1 とT3 との間で単調に変化する温度である、
    ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法。
  2. 透明ガラスロッドの外周に多孔質スート体を有する光ファイバ母材の前記多孔質スート体を脱水し、前記光ファイバ母材を懸垂した状態で前記多孔質スート体を焼結して透明ガラス化する光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法において、
    前記光ファイバ母材は、焼結時にその内部にガラス化されない部分が残る可能性があり、および/または、懸垂したときに自重により延びて径が変化する可能性がある、長さが1000mm以上、直径が200mm以上、重量が40kg以上であり、
    前記光ファイバ母材の下端部の前記多孔質スート体のガラス化時の前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との相対移動速度をS1 、上端部の前記多孔質スート体のガラス化時の前記相対移動速度をS3 、前記下端部と上端部との間の中間部の前記多孔質スート体のガラス化時の前記相対移動速度をS2 としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との相対移動速度を制御する、
    1 <S2 ≦S3
    2 はS1 とS3 との間で単調に変化する相対移動速度である、
    光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法。
  3. 請求項1に記載の温度制御と、請求項2に記載の相対移動速度制御を同時に行うことを特徴とする、光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法。
  4. 前記光ファイバ母材の下端部の前記多孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV1 、前記光ファイバ母材の上端部の前記多孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV3 、前記下端部と上端部との間の中間部の前記多孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV2 としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記ガラス化領域に供給するガスの流量を制御する、
    1 >V2 ≧V3
    請求項1から3のいずれか1に記載のガラス化方法。
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