JP2003081657A - 光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法およびガラス化装置 - Google Patents

光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法およびガラス化装置

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JP2003081657A JP2002182070A JP2002182070A JP2003081657A JP 2003081657 A JP2003081657 A JP 2003081657A JP 2002182070 A JP2002182070 A JP 2002182070A JP 2002182070 A JP2002182070 A JP 2002182070A JP 2003081657 A JP2003081657 A JP 2003081657A
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porous soot
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幸夫 香村
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    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法が大きな光ファイバ母材であっても、長
手方向に大きな外径差を起こさず、ガラス化部分の内部
に未ガラス化部分を発生させず、光ファイバ母材の落下
を防止する。 【解決手段】 炉心管122内の電気ヒータ124の内
部に位置するガラス化領域に対する光ファイバ母材50
の多孔質スート体58のガラス化部分の位置に応じて、
すなわち、ガラス化多孔質スート体58が下端部72
か、中間部70か、上端部74に応じて、制御装置16
は、電気ヒータ124によるガラス化温度、ガラス化領
域と光ファイバ母材50との移動速度、炉心管122内
に供給するガスの流量のいずれかの少なくとも1つを制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバの製造方
法および装置に関する。特定的には、本発明は石英ガラ
ス光ファイバの製造に用いる光ファイバ母材の石英ガラ
ス多孔質スート体をガラス化する方法とガラス化装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】種々の光ファイバが知られ、利用されて
いるが、以下、石英ガラスシングルモード光ファイバ
(SMF)について例示する。SMFは、直径10μm
のコアと、コアの外周に形成された直径125μmのク
ラッド層とを有する。コアの屈折率はクラッド層の屈折
率より高い。SMFの製造方法の概要を図1を参照して
例示する。
【0003】ステップ1〜3:コア部分のガラスロッド
の形成 ステップ1:種棒に、たとえば、VAD法またはOVD
法で石英ガラススート(煤)からなる石英ガラス多孔質
体(多孔質スート体)を合成する。この多孔質スート体
は、最終的にSMFのコアになる部分である。このステ
ップにおいて、必要に応じて、クラッド層の屈折率に対
してコアの屈折率を高めるドーパント、たとえば、Ge
をドープする。 ステップ2:合成した多孔質スート体をガラス化炉に導
入し、ガラス化炉で脱水および焼結して透明なコア部ガ
ラス母材を形成する。 ステップ3:コア部ガラス化母材を延伸して、コア部分
のガラスロッドに形成する。そのような延伸は、たとえ
ば、燃焼火炎、プラズマ火炎または電気炉を用いた加熱
状態において行われる。
【0004】ステップ4〜5:クラッド部分の形成 ステップ4:コア部分のガラスロッドの外周に、たとえ
ば、OVD法より多孔質スートを合成する。この多孔質
スート体がSMFのクラッド層になる部分である。 ステップ5:コア部のガラスロッドの外周にクラッド部
分の多孔質スートが合成された光ファイバスート母材を
脱水および焼結してクラッド部分の多孔質スートをガラ
ス化する。これにより、ガラス化されたコア部分の延伸
ガラスロッドと、クラッド部分のガラス部分とを有する
光ファイバ母材が形成される。
【0005】ステップ6〜7:光ファイバの形成 ステップ6:光ファイバ母材を線引炉に導入して、加熱
・溶融させ、溶融した光ファイバ母材を線引炉の外部に
引き出する。これにより、直径が10μmのコアとその
外周に直径が125μmのクラッド層とを有するシング
ルモード光ファイバ(SMF)が形成される。 ステップ7:線引炉から引き出された光ファイバの外周
に保護用樹脂を被覆し、最終製品としてのSMFを形成
する。
【0006】ステップ1〜2におけるコア部分のガラス
ロッドの製造方法の他の例としては、MCVD(modifi
ed CVD)法またはプラズマ法により、直接、ガラス
ロッドを製造することができる。この場合は、脱水・ガ
ラス化処理を行う必要がない。その後の処理は上記同様
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバの収率を向
上させるためなどのために、光ファイバの製造に使用す
る光ファイバ母材の寸法は大きくなっている。たとえ
ば、長さが2400mmであり、直径が250mmの寸
法の大きな光ファイバの線引きに用いる光ファイバ母材
も製造されている。
【0008】本願発明者は、ステップ5のガラス化処理
において、寸法が大きい光ファイバ母材を製造すると
き、寸法が小さなときには発生しない問題が発生するこ
とを見いだした。そのような問題を図2(A)、(B)
を参照して述べる。
【0009】図2(A)に示すように、ガラス化された
コアガラスロッドCTの外周に形成されたクラッド部分
の多孔質スート体SNの内部にガラス化されない部分U
Sが残ることがある。
【0010】図2(B)に示すように、ガラス化された
下部Xの直径よりガラス化された上部Yの直径が小さく
なることがある。このような光ファイバ母材の長手方向
における直径の差が所定の値以上、たとえば、10mm
以上となると所望の特性を有する光ファイバが得られな
い。
【0011】さらに、ガラス化の過程で光ファイバ母材
が落下することもあった。
【0012】シングルモード光ファイバ用の光ファイバ
母材について例示したが、上述した問題は、ガラス化処
理する多孔質スート体を有する、他の種々のタイプの光
ファイバに使用する種々の光ファイバ母材でも遭遇する
問題である。
【0013】本発明の目的は、寸法の大きな光ファイバ
母材の多孔質スートをガラス化するときでも、均質で、
所望の特性を有する、光ファイバ用光ファイバ母材をガ
ラス化方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、上記ガラス化に用いるガラス化装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記問題が
発生する原因を究明し、下記に述べるようにそれらの原
因を見出した。図2(A)を参照して述べたガラス化す
べき多孔質スート体SNの内部に未ガラス化部分USが
残るという問題の発生原因は、多孔質スート体をガラス
化する電気ヒータが炉心管の外部に配設されており、電
気ヒータからの放射熱によって多孔質スート体SNを加
熱するので、多孔質スート体SNの表面からガラス化が
始まるためであると考えられる。さらに、多孔質スート
SNの表面が先にガラス化した場合、ガラス化された部
分の内部に、たとえば、Heガス、Cl2 ガスおよび不
純物などが取り込まれるからは考えられる。すなわち、
そのような取り込まれたガスが多孔質スート体SNの内
部のガラス化を妨げて未ガラス化部分USが残るものと
考えられる。
【0015】図2(B)を参照して述べた大きな外径差
が発生するという問題は、上部Yをガラス化していると
きの加熱によりこの部分の引っ張り強度が低下し、下部
Xが荷重となり上部Yが伸びるためと考えられる。
【0016】さらに光ファイバ母材が支持棒SRから落
下するという問題は、光ファイバ母材の上端部をガラス
化しているとき、その熱で直径が30mm程度と細い支
持棒が溶解または軟化して、その下部にある重量の重い
光ファイバ母材を支えきれないたとめ考えられる。
【0017】上述した問題は、光ファイバ母材の寸法が
大きくなる程、顕著になることも分かった。上記問題を
克服するため、本願発明者は、上述した分析に基づいて
種々の実験を行なった結果、光ファイバ母材のガラス化
部分の位置に応じて、(1)ガラス化温度を変化させ
る、(2)光ファイバ母材とガラス化炉内の加熱手段と
の相対移動速度を変化させる、(3)ガラス化炉内のガ
ラス化領域に供給するガスの量を変化させることが望ま
しいことを見いだした。
【0018】本発明の第1の観点によれば、外周に多孔
質スート体を有する光ファイバ母材の前記多孔質スート
体を脱水し、前記光ファイバ母材を懸垂した状態で前記
多孔質スート体を焼結して透明ガラス化するとき、前記
多孔質スート体のガラス化温度、前記多孔質スート体の
焼結部分とガラス化領域との相対移動速度、前記ガラス
化領域への供給ガスの量の少なくとも1つを、前記ガラ
ス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて
変化させる、光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス
化方法が提供される。
【0019】前記脱水処理と前記焼結処理を同じガラス
化装置内で同時的に行なってもよいし、脱水処理と焼結
処理を分離して行なうこともできる。
【0020】所定量の前記供給ガスを前記ガラス化領域
に供給し、前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との
相対移動速度を所定の値にして前記多孔質スート体をガ
ラス化するとき、前記光ファイバ母材の下端部の多孔質
スート体のガラス化温度をT 1 、上端部の多孔質スート
体のガラス化温度をT3 、前記下端部と上端部との間の
中間部の多孔質スート体のガラス化温度をT2 としたと
き、下記関係式で規定されるように、前記ガラス化領域
に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて前記ガラ
ス化温度を制御することができる。 T1 >T2 ≧T32 はT1 とT3 との間で単調に変化する温度である、
【0021】また、所定量の前記供給ガスを前記ガラス
化領域に供給し、所定のガラス化温度で前記多孔質スー
ト体をガラス化するとき、前記光ファイバ母材の下端部
の多孔質スート体のガラス化時の前記光ファイバ母材と
前記ガラス化領域との相対移動速度をS1 、上端部の多
孔質スート体のガラス化時の前記相対移動速度をS3
前記下端部と上端部との間の中間部の多孔質スート体の
ガラス化時の前記相対移動速度をS2 としたとき、下記
関係式で規定されるように、前記ガラス化領域に位置す
る前記光ファイバ母材の位置に応じて前記光ファイバ母
材と前記ガラス化領域との相対移動速度を制御すること
ができる。 S1 <S2 ≦S32 はS1 とS3 との間で単調に変化する相対移動速度
である、
【0022】さらに、前記ガラス化領域と前記光ファイ
バ母材との相対移動速度を所定の値で前記多孔質スート
をガラス化するとき、前記光ファイバ母材の下端部の多
孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV
1 、前記光ファイバ母材の上端部の多孔質スート体のガ
ラス化時に供給するガスの流量をV3 、前記下端部と上
端部との間の中間部の多孔質スート体のガラス化時に供
給するガスの流量をV2としたとき、下記関係式で規定
されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光ファ
イバ母材の位置に応じて前記ガラス化領域に供給するガ
スの流量を制御することができる。 V1 >V2 ≧V3
【0023】上述したガラス化温度制御、相対移動速度
制御、供給ガス量制御は適宜、組み合わせて行なうこと
ができる。
【0024】本発明の第2の観点によれば、上記ガラス
化方法を実施するガラス化装置が提供される。本発明の
ガラス化装置は、外周に多孔質スート体を有する光ファ
イバ母材の前記多孔質スート体を脱水し、焼結するガラ
ス化装置であって、前記光ファイバ母材が導入される炉
心管と、前記光ファイバ母材の一端を把持し、前記光フ
ァイバ母材を回転可能であり、前記光ファイバ母材を前
記炉心管内に導入する支持手段と、該炉心管に導入され
た前記光ファイバ母材を加熱する加熱手段と、前記多孔
質スート体のガラス化位置と前記炉心管内のガラス化領
域との相対位置を検出する位置検出手段と、前記光ファ
イバ母材と前記炉心管内のガラス化領域との相対移動速
度位置を検出する速度検出手段と、前記炉心管内のガラ
ス化領域にガラス化ガスを供給するガス供給手段と、前
記炉心管内のガラス化領域におけるガラス化温度を検出
する温度検出手段と、制御手段とを有する。前記制御手
段は、前記位置検出手段で検出した前記ガラス化領域に
位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて、前記光フ
ァイバ母材と前記加熱手段との相対移動速度の制御、前
記ガラス化温度の制御、前記ガス供給手段を制御してガ
スの流量の制御の少なくとも1つを行なう。なお、上記
ガラス化装置において焼結するまえに、脱水装置で事前
に多孔質スート体を脱水した後、上記ガラス化装置で焼
結することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光ファイバ母材の
多孔質スート体のガラス化方法およびガラス化装置の好
適な実施の形態について添付図面を参照して述べる。本
発明の実施の形態として、石英シングルモード光ファイ
バ(SMF)の光ファイバ母材のクラッド層となる部分
の多孔質スート体のガラス化方法について述べる。
【0026】本発明の光ファイバ母材の多孔質スート体
のガラス化方法およびガラス化装置の位置づけを明確に
する。本発明の光ファイバ母材の多孔質スート体のガラ
ス化方法は、図1を参照して述べたステップ5の処理に
関する。したがって、本発明の実施の形態の実施に先立
って、図1を参照して述べた、ステップ1〜4の処理が
事前に行なわれる。その結果、図3(A)、(B)に図
解する光ファイバ母材50が形成される。
【0027】光ファイバ母材 光ファイバ母材50は、ステップ1においてコア部分の
多孔質スート体が合成され、ステップ2において透明ガ
ラス化され、ステップ3において延伸されたコア部分5
2と、コア部分52の先端に接続された支持棒54とを
有する。コア部分52と支持棒54とを透明ガラスロッ
ド60と呼ぶ。光ファイバ母材50はさらに、ステップ
4においてコア部分52の外周に合成されたクラッド部
分の多孔質スート体58を有する。このクラッド部分の
多孔質スート体58がステップ5において、透明ガラス
化される。
【0028】光ファイバ母材50は、長手方向におい
て、中間部70とその両側の両端部72、74とからな
る。中間部70は、コア部分52の直径D52とクラッド
部分の多孔質スート体58との直径D58の比率が所定の
範囲α1 〜α2 にある円柱状の形状をしている。両端部
72、74の形状は丸みを帯びるか、または、尖ってい
て、コア部分52の直径D52とクラッド部分の多孔質ス
ート体58の直径D58の比率が所定の範囲α1 〜α2
ない。
【0029】光ファイバ母材50は図4(A)、(B)
および図5を参照して述べるように、光ファイバ母材5
0の端部74に接続された支持棒54が支持機構14に
把持(保持)されてガラス化炉12内に端部72を下方
にして支持機構14に懸垂されて挿入される。本実施の
形態においては、端部72を下端部と呼び、端部74を
上端部と呼ぶ。
【0030】ステップ5において透明ガラスコア部52
の上にクラッド部分の多孔質スート体58が合成され
た、光ファイバ母材50を、図5に図示したガラス化装
置において脱水および焼結して透明ガラス化して、図4
(B)に図解する光ファイバ母材80を製造する。
【0031】光ファイバ母材80は、光ファイバ母材5
0のクラッド部分の多孔質スート体58が透明ガラス化
により透明かつ外径が細くなった透明ガラス化部分59
を有する。光ファイバ母材80について、図1のステッ
プ6〜7の処理を行なって最終製品としての石英シング
ルモード光ファイバが製造される。
【0032】以下、本発明の実施の形態としてのステッ
プ5の処理の詳細およびそれに用いるガラス化装置を述
べる。
【0033】第1実施の形態 図5は本発明の第1実施の形態の光ファイバ母材の多孔
質スート体のガラス化装置の構成図である。図5に図解
したガラス化装置10は、ガラス化炉12と、支持機構
14と、制御装置16と、ガス供給部18と、ガスフロ
ーメータ20と、温度センサ22と、速度センサ24
と、電気ヒータ駆動部26と、位置センサ30と、支持
機構駆動部34を有する。ガラス化装置10は脱水と焼
結とを同時に行なうことができる。
【0034】ガラス化炉12は、中空の円筒状の炉心管
122を有する。炉心管122は、たとえば、石英ガラ
スを用いて形成されており、下端部に位置するガス供給
口122aと、上部に位置する上部導入部122bと、
上部導入部122bの近傍に設けられたガス排出口12
2cと、ガス供給口122aと上部導入部122bとの
間に位置する中間円筒部122dとを有する。上部導入
部122bからガラス化の対象となる光ファイバ母材5
0を炉心管122内に導入する。
【0035】ガラス化炉12は、炉心管122の中間円
筒部122dの外周に同心円状に配設された電気ヒータ
124を有する。中間円筒部122dと電気ヒータ12
4との間の間隙には、たとえば、カーボン製の均熱管
(図示せず)が設けられており、均熱管により電気ヒー
タ124の熱が均一に光ファイバ母材50のガラス化部
分に伝達される。すなわち、電気ヒータ124からの熱
は均熱管を介して、炉心管122内に導入された光ファ
イバ母材50を加熱して、クラッド部分の多孔質スート
体58を脱水および焼結して透明ガラス状態にする。電
気ヒータ124には電気ヒータ駆動部26から電力が供
給される。電気ヒータ駆動部26から電気ヒータ124
に供給する電力量は制御装置16から指示される。電気
ヒータ124と均熱管とが本発明の加熱手段に該当す
る。電気ヒータ124および均熱管が位置する炉心管1
22の内部が、光ファイバ母材50の多孔質スート体5
8をガラス化するガラス化領域を規定している。
【0036】支持機構14は図3(A)、(B)、図4
(A)に図解した光ファイバ母材50の支持棒54を垂
直方向に保持(把持)して、光ファイバ母材50を、炉
心管122の上部導入部122bから炉心管122内に
導入する。支持機構14は、光ファイバ母材50のクラ
ッド部分の多孔質スート体58のガラス化の進行に応じ
て光ファイバ母材50を回転させながら、炉心管122
内に下降させていく。支持機構14の下降動作および回
転動作の駆動制御は、制御装置16の指令に従って支持
機構駆動部34が行なう。制御装置16は、光ファイバ
母材50の多孔質スート体58のガラス化部分が電気ヒ
ータ124のほぼ中央に位置するように、支持機構駆動
部34を介して支持機構14を駆動して光ファイバ母材
50を下降させる。制御装置16は、たとえば、メモリ
を有するコンピュータで構成されており、本明細書で述
べる各種の制御処理を行なう。
【0037】支持機構14には速度センサ24および位
置センサ30が設けられている。位置センサ30は、支
持機構14の下降動作に応じた電気ヒータ124に対す
る光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス化
部分の相対位置を検出して、制御装置16に入力する。
たとえば、位置センサ30は、支持機構14に設けられ
た下降駆動用モータの回転数を積算して電気ヒータ12
4に対する位置を検出する。速度センサ24は光ファイ
バ母材50の下降速度を検出して制御装置16に入力す
る。速度センサ24は、たとえば、上記下降駆動用モー
タの回転速度から光ファイバ母材50の下降速度を検出
する。
【0038】本実施の形態においては、電気ヒータ12
4が炉心管122の周囲に固定されている場合について
述べるが、逆に、光ファイバ母材50の位置を固定し、
電気ヒータ124をモータを用いて上昇させていくこと
もできる。その場合には、速度センサ24は光ファイバ
母材50に対する電気ヒータ124の移動速度を検出
し、位置センサ30は光ファイバ母材50に対する電気
ヒータ124の移動位置を検出する。
【0039】温度センサ22は炉心管122の中間円筒
部122dの内部に位置する光ファイバ母材50の多孔
質スート体58のガラス化部分の温度を検出する。温度
センサ22は、炉心管122の側壁に設けられている。
温度センサ22はたとえば、放射型温度計である。温度
センサ22の検出信号が制御装置16に入力されてい
る。
【0040】ガス供給部18はガスフローメータ20を
介してガス供給口122aから炉心管122の内部にガ
ラス化ガスを供給する。ガス供給口122aから供給さ
れたガスは中間円筒部122dを上昇し、光ファイバ母
材50の外面に接したのち、ガス排出口122cから排
出される。炉心管122内の電気ヒータ124の近傍に
位置する光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガ
ラス化される部分の周囲の領域を、ガラス化領域または
ガラス化雰囲気という。制御装置16はガスフローメー
タ20を制御して炉心管122内に供給するガスの流量
を制御する。
【0041】ガス供給部18から炉心管122内に供給
するガラス化ガスとしては、たとえば、Heガス、Ar
ガス、N2 ガスなどの不活性ガス、および/または、C
2を用いる。上述した例示において、コア部分に屈折
率を高めるドーパント、たとえば、Geをドープする場
合を述べたが、逆に、コア部分にそのようなドーパント
をドープせず、ガラス化の熱処理時にクラッド部分の屈
折率をコア部分の屈折率より低下させる場合は、コアの
屈折率よりクラッドの屈折率を低下させるドーパント、
たとえば、Fをドープする場合にはF含有ガスをガス供
給部18から供給することもできる。
【0042】図5は、ガス供給部18から炉心管122
内にガスが供給されている状態で、支持機構14で光フ
ァイバ母材50に接続されている支持棒54を把持して
光ファイバ母材50を炉心管122内につり下げ、か
つ、光ファイバ母材50を回転させながら、多孔質スー
ト体58のガラス化の進展に応じて所定の速度で炉心管
122内に下降させていく状態を示している。すなわ
ち、図5は、光ファイバ母材50の多孔質スート体58
が、下端部72から中間部70、上端部74に向かって
電気ヒータ124からの熱で加熱され、脱水・焼結させ
て透明ガラス化される状態を示している。特に、図5
は、光ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体
58が透明ガラス化部分SNとなった状態を示してい
る。光ファイバ母材50の多孔質スート体58が全て透
明ガラス化されるとガラス化クラッド部分59となり、
光ファイバ母材50より直径が細い、図4(B)に図解
した光ファイバ母材80が形成される。以下、第1実施
の形態の制御装置16による制御処理に詳細を述べる。
【0043】ガラス化温度制御 図6は横軸に光ファイバ母材50の多孔質スート体58
のガラス化位置、縦軸にガラス化温度をとった位置・ガ
ラス化温度特性図である。この場合、光ファイバ母材5
0の下降速度は一定であり、ガス供給部18から炉心管
122内に供給されるガラス化ガス、たとえば、Heの
流量は一定である。図6に図解したガラス化温度の関係
を式1に示す。
【0044】
【数1】 T1 >T2 ≧T3 …(1)
【0045】図6の位置・ガラス化温度特性は、光ファ
イバ母材50の下端部72の多孔質スート体58をガラ
ス化するときは温度T1 、たとえば、1540°Cと高
い温度にし、上端部74の多孔質スート体58をガラス
化するときは温度T3 、たとえば、1450°Cと低い
温度にし、中間部70の多孔質スート体58をガラス化
するときは、温度T1 から温度T3 に向かって単調に、
かつ、中間部70の位置に応じて低下させていくことを
意味している。
【0046】光ファイバ母材50の下端部72の多孔質
スート体58のガラス化温度を高温にすると、焼結され
たガラス体が柔らかくなるので、重力により真直形状と
なる。逆に、ガラス化温度が低い場合、下端部72が水
平方向に曲がりやすくなる。下端部72が真直形状とな
ればその上の中間部70および上端部74も真直形状に
焼結されて、断面が真円の光ファイバ母材80が形成さ
れるが、下端部72が真直形状でない場合、ガラス化さ
れた光ファイバ母材80の断面が真円形状とならず、ス
テップ6において線引きして得られるシングルモード光
ファイバの断面形状の非円率が大きくなり好ましくな
い。したがって、下端部72のガラス化温度を高くす
る。
【0047】上端部74の多孔質スート体58を低温焼
結とすることにより、図2(B)を参照して述べた、支
持棒54の溶解または軟化により光ファイバ母材50が
落下する問題が防止できる。
【0048】中間部70の多孔質スート体58のガラス
化温度は、温度T1 から温度T3 に向かって単調に低下
しているが、ガラス化温度を急激に変化させると、多孔
質スート58をガラス化する過程が不安定となり、透明
ガラス化された部分が割れることがあるから、急激にガ
ラス化温度を変化させることは好ましくない。中間部7
0の多孔質スート体58のガラス化温度の変化率は、も
ちろん、光ファイバ母材50の下降速度、その他の条件
にも依存するが、0.1〜0.25℃/分程度が好まし
い。
【0049】もちろん、温度T1 、T3 の値は、光ファ
イバ母材50の下降速度、ガス供給部18からの供給ガ
ラス化ガスの種類と流量、光ファイバ母材50の寸法
(外径、長さ、重量)などに応じて異なるが、式1で規
定される温度条件で光ファイバ母材50の多孔質スート
体58のガラス化を行なうことが望ましい。
【0050】制御装置16は、位置センサ30の位置検
出信号および温度センサ22の温度検出信号を入力し、
電気ヒータ駆動部26を介して電気ヒータ124の加熱
温度を、式1に基づいて、位置信号および温度信号を参
照して、制御して、光ファイバ母材50の多孔質スート
体58のガラス化温度制御を行なう。上記温度T1 、T
3 および温度T2 の変化率は、制御装置16内のメモリ
に記憶されている。
【0051】実験例1 長さが2400mm、直径が250mm、重量が40k
gの光ファイバ母材50の多孔質スート体58について
ガラス化温度制御を試みた。ガラス化処理時間は、8〜
10時間であった。ガラス化処理終了後の光ファイバ母
材80は、直径が70〜80mmであり、一方向に延伸
した略円柱形状をしており、外径差は少なく、透明ガラ
ス化されない部分は発生しなかった。もちろん、支持棒
54から光ファイバ母材50が落下することもなかっ
た。この光ファイバ母材80をシングルモード光ファイ
バに線引きした結果、非円率が0.3%以下であった。
【0052】ガラス化移動速度制御 図7は横軸に光ファイバ母材50の位置、縦軸に下降
(移動)速度をとった位置・移動速度特性図である。こ
の場合、電気ヒータ124における加熱温度は一定であ
り、ガス供給部18から炉心管122内に供給されるガ
ラス化ガス、たとえば、Heの流量は一定である。図7
に図解した下降(移動)速度S1 、S2 およびS2 の関
係を式2に示す。
【0053】
【数2】 S1 <S2 ≦S3 …(2)
【0054】図7の位置・移動速度特性は、光ファイバ
母材50の下端部72の多孔質スート体58をガラス化
するときは下降速度S1 、たとえば、150mm/hと
低い速度で時間をかけて下降させてガラス化領域におけ
るガラス化時間を長くし、上端部74の多孔質スート体
58をガラス化するときは下降速度S3 、たとえば、3
00mm/hと速い速度で電気ヒータ124部分を短時
間で下降させてガラス化時間を短くし、中間部70の多
孔質スート体58をガラス化するときは、低い速度S1
から高い速度S3 に向かって単調に、かつ、ガラス化領
域に対する中間部70のガラス化位置に応じて移動速度
を上昇させていくことを意味している。このように移動
速度制御すれば、上述したガラス化温度制御と同様に、
図2(A)、(B)を参照して述べた問題の発生が防止
できる。
【0055】移動速度S1 、S3 の値および移動速度S
2 の変化率は、光ファイバ母材50の寸法(外径、長
さ、重量)、ガラス化温度、供給ガラス化ガスの種類と
量などに応じて異なるが、式2で規定される移動速度条
件で光ファイバ母材50の多孔質スート体58のガラス
化を行なうことが望ましい。
【0056】制御装置16は、位置センサ30で検出し
た位置検出信号の値に応じて、速度センサ24が検出し
た速度信号を参照して支持機構駆動部34を、式2に基
づいて制御して電気ヒータ124においてガラス化され
る光ファイバ母材50の下降速度を制御する。移動速度
1 、S3 の値および移動速度S2 の変化率は制御装置
16のメモリに記憶されている。
【0057】実験例2 移動速度制御によっても上記ガラス化温度制御と同様の
結果が得られた。
【0058】供給ガス流量制御図8は横軸に光ファイバ
母材50の位置、縦軸に供給ガス流量、たとえば、He
ガスの流量をとった位置・供給ガス流量特性を示す図で
ある。この場合、支持機構14による光ファイバ母材5
0の移動速度は一定である。図8に図解した供給ガス流
量の関係を下記式3に示す。
【0059】
【数3】 V1 >V2 ≧V3 …(3)
【0060】図8の位置・供給ガス流量特性は、光ファ
イバ母材50の下端部72の多孔質スート体58をガラ
ス化するときはガス流量V1 、たとえば、120SLM
と大きなガス流量を供給し、上端部74の多孔質スート
体58をガラス化するときはガス流量V3 、たとえば、
20SLMと少ないガス流量を供給し、中間部70の多
孔質スート体58をガラス化するときは、ガス流量S1
とガス流量V3 との間のガス流量V2 をガラス化炉12
内のガラス化領域に供給することを意味している。
【0061】下端部72では、上述のように高温でガラ
ス化処理をしているため、多孔質スート体58の表面が
焼結されやすくなっており、焼結されている多孔質スー
ト体58(図4(B)、ガラス化クラッド部分59)の
表面を冷却して焼結速度を遅くするために、ガス流量を
多くする。上端部74は低温のガラス化処理であるので
多孔質スート体58の表面が焼結されにくいのでガス流
量を減らす。上端部74の多孔質スート体58のガラス
化時にガス流量を減らすことにより、ガラス化クラッド
部分59の内部にヘリウム、塩素ガスおよび不純物が残
留することが少なくなり、ガラス化クラッド部分59の
内部に未ガラス化部分US(図2(A))が残ってしま
うのを防止できる。また、高価なヘリウムなどのガラス
化ガスの供給量が低減できるので、最終製品としての光
ファイバの製造価格が低減できる。
【0062】ガス流量V1 、V2 、V3 の値は、ガスの
種類、光ファイバ母材50の移動速度、ガラス化温度、
光ファイバ母材50の寸法(外径、長さ、重量)、その
他の条件に応じて異なるが、式3で規定される供給ガス
量の条件で光ファイバ母材50のガラス化を行なうこと
が望ましい。
【0063】制御装置16は、位置センサ30で検出し
た位置検出信号の値に応じて、式3にしたがって、ガス
フローメータ20を制御してガス供給部18から炉心管
122内に供給されるガス流量の制御を行なう。ガス流
量V1 、V2 、V3 の値は制御装置16のメモリに記憶
されている。
【0064】実験例3 上記供給ガス量の制御により、ガラス化クラッド部分5
9(図4(B))内に未ガラス化部分US(図2
(A))の発生が防止できた。
【0065】本発明の実施の形態としては、上述したガ
ラス化温度制御、移動速度制御およびガス供給流量制御
を単独で行なうこともできるし、これらを適宜組み合わ
せて行なうこともできる。
【0066】ガス供給制御+ガラス化温度制御 ガス供給制御とガラス化温度制御を同時に行なうと、ガ
ラス化クラッド部分59(図4(B))の内部に未ガラ
ス化部分US(図2(B))の発生を防止しながら、上
述したガラス化温度制御による効果も奏することができ
る。
【0067】ガス供給制御+移動速度制御 ガス供給制御と移動速度制御を同時に行なうと、ガラス
化クラッド部分59の内部に未ガラス化部分USの発生
を防止しながら、移動速度制御による効果を奏すること
ができる。
【0068】ガラス化温度制御+移動速度制御 ガラス化温度制御と移動速度制御を組み合わせると、光
ファイバ母材50の下端部72の多孔質スート体58は
ゆっくりと高温でガラス化し、上端部74の多孔質スー
ト体58をすばやく低温でガラス化することができる。
その結果、図2(A)、(B)を参照して述べた不利益
を克服できる。
【0069】ガス供給制御+ガラス化温度制御+移動速
度制御 ガス供給制御とガラス化温度制御と移動速度制御とを組
み合わせると、上述した効果の全てを達成できる。
【0070】第1実施の形態によれば、長さが1000
mm以上で、直径が200mm以上あり、例えば重量が
40kg以上の大きなサイズの光ファイバ母材50につ
いて、大きな外径差を起こさずガラス化処理を行うこと
ができた。その結果、シングルモード光ファイバの非円
率が0.3%以下に低減できた。
【0071】第1実施の形態によれば、ガラス化により
支持棒54から光ファイバ母材の落下は起きない。
【0072】第1実施の形態によれば、ガス供給部18
から供給するガラス化ガス、たとえば、高価なHeガス
の供給量を低減することができた。その結果、光ファイ
バ母材の製造価格、ひいては、最終製品としてのシング
ルモード光ファイバの製造価格を低減させることができ
た。
【0073】第2実施形態 第2実施形態は、第1実施の形態のように光ファイバ母
材50の多孔質スート58の脱水処理および焼結処理を
同じガラス化装置内で1段階で行なうのではなく、図9
に図解したように、脱水処理と焼結処理を別々に2段階
に分けて行う。脱水処理は、たとえば、1150〜12
00℃の一定温度で行う。その後、焼結処理として、第
1実施形態として述べたガラス化装置10を用い、脱水
された光ファイバ母材50の多孔質スート58について
下端部72から上端部74に向かって、第1実施の形態
と同様、ガラス化温度、移動速度、ガス供給量の少なく
ともいずれかを順次変更しながら行なう。
【0074】第2実施の形態も、第1実施形態と同様
に、寸法の大きな光ファイバ母材について、大きな外径
差を起こさず、光ファイバ母材の落下を起こさず、未ガ
ラス化部分を発生させず、ガラス化処理を行うことがで
きた。
【0075】第2実施の形態は、脱水処理と焼結処理と
を分離することにより、光ファイバ母材から線引きして
得られる光ファイバは、光ファイバ母材50に含有する
水分が十分に低減されており、伝送損失、たとえば、
1.38μm帯での伝送損失が小さいという利点があ
る。
【0076】上述した実施の形態においては、光ファイ
バとしてシングルモード光ファイバに用いる光ファイバ
母材について述べたが、本発明はシングルモード光ファ
イバに用いる光ファイバ母材に限定されず、波長分割伝
送などに使用する多層構造の分散補償光ファイバ、偏波
面保存光ファイバなど、多孔質スート体を有する光ファ
イバ母材を透明ガラス化する種々の場合に適用できる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、寸法の大きな光ファイ
バ母材についても、大きな外径差を起こさず、多孔質ス
ート体を均一にガラス化処理を行うことができる。その
結果、本発明によれば非円率が小さな光ファイバを製造
できる。
【0078】本発明によれば、供給するガラス化ガスの
供給量を低減できる。その結果、本発明によれば、光フ
ァイバ母材の製造価格、ひいては、光ファイバの製造価
格を低減させることができる。
【0079】本発明のガラス化に際しては、既存のガラ
ス化装置を用い、ガラス化温度制御、ガラス化ガス供給
制御、光ファイバ母材と加熱手段との相対移動速度の制
御のいずれかを、制御装置で行なえばよいので、設備費
用が格段に増大しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はシングルモード光ファイバを製造する工
程を図解した工程図である。
【図2】図2(A)、(B)はガラス化処理が不具合に
なった例を示す光ファイバ母材の形状を示す図である。
【図3】図3(A)はコア部分のガラスロッドの外周に
クラッド部分の多孔質スート体を合成した光ファイバ母
材の長手方向に沿った断面図であり、図3(B)は図3
(A)に図示した光ファイバ母材の半径方向の断面図で
ある。
【図4】図4(A)は図3(A)に図解した光ファイバ
母材をガラス化のためつり下げた状態を示す図であり、
図4(B)は図4(A)の光ファイバ母材の多孔質スー
ト体を透明ガラス化した後の形状を示す図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態のガラス化装置の構
成図である。
【図6】図6は光ファイバ母材のガラス化位置とガラス
化温度との関係を図解したグラフである。
【図7】図6は光ファイバ母材のガラス化位置と、ガラ
ス化領域と光ファイバ母材の移動速度との関係を図解し
たグラフである。
【図8】図8は光ファイバ母材のガラス化位置と供給ガ
スの量との関係を図解したグラフである。
【図9】図9は本発明の第2実施の形態として、図1に
おけるステップ5の処理を脱水処理と焼結処理とを分離
して行なう工程を示す図である。
【符号の説明】
10・・ガラス化装置 12・・ガラス化炉 122・・炉心管 122a・・ガス供給口、122b・・上部導入部 122c・・ガス排出口、122d・・中間円筒部 124・・電気ヒータ 14・・支持機構、16・・制御装置 18・・ガス供給部、20・・ガスフローメータ 22・・温度センサ、24・・速度センサ、30・・位
置センサ 26・・電気ヒータ駆動部、34・・支持機構駆動部 50・・光ファイバ母材 52・・ガラス化されたコア部分、54・・支持棒 58・・クラッド部分の多孔質スート体 59・・ガラス化クラッド部分 70・・中間部、72・・下端部、74・・上端部 80・・ガラス化された光ファイバ母材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周に多孔質スート体を有する光ファイバ
    母材の前記多孔質スート体を脱水し、前記光ファイバ母
    材を懸垂した状態で前記多孔質スート体を焼結して透明
    ガラス化するとき、 前記多孔質スート体のガラス化温度、前記多孔質スート
    体の焼結部分とガラス化領域との相対移動速度、前記ガ
    ラス化領域への供給ガスの量の少なくとも1つを、前記
    ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応
    じて変化させる、 光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化方法。
  2. 【請求項2】前記脱水処理と前記焼結処理を同じガラス
    化装置内で同時的に行なう、請求項1記載のガラス化方
    法。
  3. 【請求項3】前記脱水処理後、前記焼結処理行なう、 請求項1記載のガラス化方法。
  4. 【請求項4】所定量の前記供給ガスを前記ガラス化領域
    に供給し、前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との
    相対移動速度を所定の値にして前記多孔質スート体をガ
    ラス化するとき、 前記光ファイバ母材の下端部の多孔質スート体のガラス
    化温度をT1 、上端部の多孔質スート体のガラス化温度
    をT3 、前記下端部と上端部との間の中間部の多孔質ス
    ート体のガラス化温度をT2 としたとき、下記関係式で
    規定されるように、前記ガラス化領域に位置する前記光
    ファイバ母材の位置に応じて前記ガラス化温度を制御す
    る、 T1 >T2 ≧T32 はT1 とT3 との間で単調に変化する温度である、 請求項1〜3いずれか記載のガラス化方法。
  5. 【請求項5】所定量の前記供給ガスを前記ガラス化領域
    に供給し、所定のガラス化温度で前記多孔質スート体を
    ガラス化するとき、 前記光ファイバ母材の下端部の多孔質スート体のガラス
    化時の前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域との相対
    移動速度をS1 、上端部の多孔質スート体のガラス化時
    の前記相対移動速度をS3 、前記下端部と上端部との間
    の中間部の多孔質スート体のガラス化時の前記相対移動
    速度をS2 としたとき、下記関係式で規定されるよう
    に、前記ガラス化領域に位置する前記光ファイバ母材の
    位置に応じて前記光ファイバ母材と前記ガラス化領域と
    の相対移動速度を制御する、 S1 <S2 ≦S32 はS1 とS3 との間で単調に変化する相対移動速度
    である、 請求項1〜3いずれか記載のガラス化方法。
  6. 【請求項6】前記ガラス化領域と前記光ファイバ母材と
    の相対移動速度を所定の値で前記多孔質スートをガラス
    化するとき、 前記光ファイバ母材の下端部の多孔質スート体のガラス
    化時に供給するガスの流量をV1 、前記光ファイバ母材
    の上端部の多孔質スート体のガラス化時に供給するガス
    の流量をV3 、前記下端部と上端部との間の中間部の多
    孔質スート体のガラス化時に供給するガスの流量をV2
    としたとき、下記関係式で規定されるように、前記ガラ
    ス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じて
    前記ガラス化領域に供給するガスの流量を制御する、 V1 >V2 ≧V3 請求項1〜3いずれか記載のガラス化方法。
  7. 【請求項7】外周に多孔質スート体を有する光ファイバ
    母材の前記多孔質スート体を脱水し、焼結するガラス化
    装置であって、 前記光ファイバ母材が導入される炉心管と、 前記光ファイバ母材の一端を把持し、前記光ファイバ母
    材を回転可能であり、前記光ファイバ母材を前記炉心管
    内に導入する支持手段と、 該炉心管に導入された前記光ファイバ母材を加熱する加
    熱手段と、 前記多孔質スート体のガラス化位置と前記炉心管内のガ
    ラス化領域との相対位置を検出する位置検出手段と、 前記光ファイバ母材と前記炉心管内のガラス化領域との
    相対移動速度位置を検出する速度検出手段と、 前記炉心管内のガラス化領域にガラス化ガスを供給する
    ガス供給手段と、 前記炉心管内のガラス化領域におけるガラス化温度を検
    出する温度検出手段と、 制御手段と、 を有し、 前記制御手段は、前記位置検出手段で検出した前記ガラ
    ス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じ
    て、前記光ファイバ母材と前記加熱手段との相対移動速
    度の制御、前記ガラス化温度の制御、前記ガス供給手段
    を制御してガスの流量の制御の少なくとも1つを行な
    う、 光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化装置。
  8. 【請求項8】外周に多孔質スート体を有する光ファイバ
    母材の前記多孔質スート体を脱水した前記光ファイバ母
    材の前記多孔質スート体を焼結するガラス化装置であっ
    て、 前記光ファイバ母材が導入される炉心管と、 前記光ファイバ母材の一端を把持し、前記光ファイバ母
    材を回転可能であり、前記光ファイバ母材を前記炉心管
    内に導入する支持手段と、 該炉心管に導入された前記光ファイバ母材を加熱する加
    熱手段と、 前記多孔質スート体のガラス化位置と前記炉心管内のガ
    ラス化領域との相対位置を検出する位置検出手段と、 前記光ファイバ母材と前記炉心管内のガラス化領域との
    相対移動速度位置を検出する速度検出手段と、 前記炉心管内のガラス化領域にガラス化ガスを供給する
    ガス供給手段と、 前記炉心管内のガラス化領域におけるガラス化温度を検
    出する温度検出手段と、 制御手段と、 を有し、 前記制御手段は、前記位置検出手段で検出した前記ガラ
    ス化領域に位置する前記光ファイバ母材の位置に応じ
    て、前記光ファイバ母材と前記加熱手段との相対移動速
    度の制御、前記ガラス化温度の制御、前記ガス供給手段
    を制御してガスの流量の制御の少なくとも1つを行な
    う、 光ファイバ母材の多孔質スート体のガラス化装置。
  9. 【請求項9】前記制御手段は、前記ガス供給手段を制御
    して所定の量の前記供給ガスを前記ガラス化領域に供給
    し、前記光ファイバ母材と前記加熱手段とを所定の相対
    移動速度で移動させて、前記多孔質スート体を透明ガラ
    ス化するとき、 前記光ファイバ母材の下端部の透明ガラス化温度をT
    1 、上端部の透明ガラス化温度をT3 、前記下端部と上
    端部との間の中間部の透明ガラス化温度をT2 としたと
    き、下記関係式で規定されるように、前記位置検出手段
    で検出した相対位置に応じて、前記加熱手段を制御す
    る、 T1 >T2 ≧T32 はT1 とT3 との間で単調に変化する温度である、 請求項7または8記載のガラス化装置。
  10. 【請求項10】前記制御手段は、前記ガス供給手段を制
    御して所定の量の前記供給ガスを前記ガラス化領域に供
    給し、前記加熱手段を制御して所定のガラス化温度で前
    記多孔質スート体を透明ガラス化するとき、 前記光ファイバ母材の下端部の相対移動速度をS1 、上
    端部の相対移動速度をS3 、前記下端部と上端部との間
    の中間部の相対移動速度をS2 としたとき、下記関係式
    で規定されるように、前記位置検出手段で検出した相対
    位置に応じて、前記光ファイバ母材と前記加熱手段との
    相対移動速度を制御する、 S1 <S2 ≦S32 はS1 とS3 との間で単調に変化する移動速度であ
    る、 請求項7または8記載のガラス化装置。
  11. 【請求項11】前記制御手段は、所定の相対移動速度で
    前記光ファイバ母材と前記加熱手段とを相対移動させて
    前記多孔質スート体を透明ガラス化するとき、 前記光ファイバ母材の下端部のガラス化のときに供給す
    るガスの流量をV1 、前記光ファイバ母材の上端部のガ
    ラス化のときに供給するガスの流量をV3 、前記下端部
    と上端部との間の中間部のガラス化のときに供給するガ
    スの流量をV2としたとき、下記関係式で規定されるよ
    うに、前記位置検出手段で検出した相対位置に応じて前
    記ガラス化領域に供給するガス流量を制御する、 V1 >V2 ≧V3 請求項7または8記載のガラス化装置。
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