JP4692049B2 - ガラス体の延伸方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス体を加熱して軟化させ、その長手方向に引き伸ばして延伸するガラス体の延伸方法に関する。
従来、ガラスの加工を行う各種の用途に応じて、長手状のガラス体を延伸して細径化させることが行われている。
ガラス体を延伸する際には、ガラス体の一端を送り側把持治具で把持し、他端を引き取り側把持治具で把持する。そして、送り側把持治具と引き取り側把持治具との間で加熱源によりガラス体を加熱しながら、送り側把持治具と引き取り側把持治具をガラス体の長手方向に沿って送り側把持治具で把持した端から引き取り側把持治具で把持した端へ向かう方向へ移動させつつ、送り側把持治具と引き取り側把持治具の間隔を広げていき、ガラス体を引き伸ばしていく。すなわち、ガラス体は送り側把持治具により加熱源に向けて送り込まれ、軟化して延伸された部分は加熱源から引き取り側把持治具により引き取られる。
ガラス体を加熱して軟化させてから、送り側把持治具または引き取り側把持治具を前記ガラス体の長手方向に沿って加熱源に対して相対的に移動させて延伸を開始する。送り側把持治具および引き取り側把持治具の移動速度は連続的にまたは段階的に移動速度が上昇して所定の設定基準速度に到達する。この間に、ガラス体には、その軟化した部分が徐々に縮径していくテーパ部が形成されていく。そして、延伸体の径が一定となる延伸の定常状態となるまでの間、テーパ部は徐々に長くなっていく。ここで定常状態とは、送り側把持治具と引き取り側把持治具のそれぞれの移動速度が両方とも設定基準速度に到達した以後をいう。定常状態では移動速度差(延伸速度)はテーパ部の長さとその形状が一定となるようにテーパ部や延伸体の外径によりフィードバック制御される。
このようなガラス体の延伸方法における延伸速度の制御方法には種々の方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載された延伸方法は、ガラス体の軟化部分の外径を測定しながら、その軟化部分の外径が予め設定された制御外径の設定値に一致するよう、ガラス体に加える引っ張り力を調節するものであり、特に、少なくとも延伸終了までの所定期間中、あるいは延伸開始から所定期間中、制御外径の設定値を変化させることを特徴としている。また、この延伸方法では、延伸の定常状態となるまでの延伸開始時に、送り側把持治具と引き取り側把持治具の移動速度の比を一定に維持しつつ、それぞれ定常状態における設定速度まで上昇させている。これにより、ガラス体に過剰な張力をかけて破損することを防ぐとともに、延伸装置に過剰な負荷をかけて装置の損傷や寿命低下を防ぐことができる。
また、特許文献2に記載された延伸方法は、ガラス体の長手方向両端部をそれぞれ把持治具で保持して、加熱源をガラス体の長手方向に相対的に移動させながらガラス体を加熱し、把持治具の間隔を広げることによりガラス体を延伸する方法であって、延伸初期はガラス体の引っ張り張力を定常時の引っ張り張力の110%以下になるように把持治具の間隔を広げる速度を制御しつつ延伸し、加熱源が所定距離を移動した後に把持治具の間隔を広げる速度を定常時の速度に切り換えることを特徴としている。これにより、延伸初期においてガラス体に無理な力をかけずに延伸できるため、径の括れ等による変動を防止できるとされている。
特開平9−221334号公報 特開2000−302469号公報
ところで、延伸を開始してから定常状態となるまでの延伸開始期間では、まず延伸開始直後にガラス体の軟化部分が引き伸ばされることにより括れて縮径し、次第に引き取り側把持治具の移動速度が上昇するに伴って、軟化部分は定常状態におけるテーパ部の形状へ移行していく。その際、初期の括れ形状から定常状態のテーパ形状へ移行する経時変化が大きい場合、把持治具の移動速度が所定の設定速度となった定常状態の初期において延伸体の外径が目標値より小さくなるアンダーシュートが生じやすい。
上記の特許文献2に記載の延伸方法では、径の変動を防止できるとされているが、延伸初期と定常状態とで把持治具の移動速度を切り換えるため、延伸速度の不連続な変化(場合によっては急激な変化)に伴って外径が瞬間的に変動し、定常状態の延伸速度に切り換えた後も延伸体の外径が不安定になってしまうおそれがある。
このように、従来の延伸方法では、把持治具を定常状態の移動速度となったときに延伸体の外径が目標値通りにならないことがあり、その場合は、目標値になるまでの部分は後に不良部分として除去する必要があった。
本発明は、延伸を開始してから定常状態となった際の延伸体の外径の変動やアンダーシュートの発生を防止して、歩留まり良く所望の外径の延伸体を得ることのできるガラス体の延伸方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成することのできる本発明に係るガラス体の延伸方法は、ガラス体の一端を送り側把持治具で把持し、前記ガラス体の他端を引き取り側把持治具で把持して、加熱源により前記ガラス体を加熱しながら、前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具を前記ガラス体の長手方向に沿って前記加熱源に対して相対的に移動させて前記ガラス体を前記加熱源に送りつつ、前記送り側把持治具と前記引き取り側把持治具の間隔を広げて、前記ガラス体を延伸する方法であって、
前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具の移動を開始してから前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具の移動速度の両方が設定基準速度に達するまでの延伸開始期間に、下記式(1)
(Vf(t)/Vf)dt>∫ (Vs(t)/Vs)dt・・・(式1)
Vfは前記送り側把持治具の移動速度、
Vfは前記送り側把持治具の設定基準速度、
Vsは前記引き取り側把持治具の移動速度、
Vsは前記引き取り側把持治具の設定基準速度、
t=0は前記送り側把持治具が動き出した時刻または前記引き取り側把持治具が動き出した時刻のいずれか早い方の時刻、
t=TはVfがVfとなる時刻またはVsがVsとなる時刻のいずれか早い方の時刻、
を満たすように、前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具の移動速度を調整することを特徴としている。
また、本発明に係るガラス体の延伸方法において、延伸を開始してから前記送り側把持治具の移動速度Vfが設定基準速度Vfに達するまでの時間を、延伸を開始してから前記引き取り側把持治具の移動速度Vsが設定基準速度Vsに達するまでの時間より短くすることが好ましい。
本発明のガラス体の延伸方法によれば、延伸を開始してから引き取り側把持治具及び送り側把持治具の移動速度を徐々に増加させて定常状態となる際に、加熱源の加熱領域に送り込まれているガラスの量が加熱領域から引き取られるガラスの量より多くなっているため、定常状態にさしかかったときに外径が所定の目標値に対して下回る、所謂アンダーシュートの発生を抑制することができる。これにより、従来の延伸方法と比べ、ガラス体を定常状態で延伸するまでの時間が短縮され、不良部分の量が少なくなり、歩留まり良く延伸体を得ることができる。
以下、本発明に係るガラス体の延伸方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のガラス体の延伸方法を実施することのできる延伸装置の概略構成図であり、ガラス体を延伸している途中の状態を示している。
図1に示すように、このガラス体の延伸装置1は、略円柱状のガラス体10を縦方向に配置して下方向に引き伸ばす、縦型の延伸装置である。ガラス体10は、その中央部分が略均一な外径を有する定常部11として形成されており、その長手方向の両端にダミー棒12a,12bが取り付けられている。ガラス体10の材質は、例えばシリカガラス(SiO)からなる純石英である。また、ガラス体10は、シリカに添加物(GeO、P、F等)が全体的もしくは部分的に添加されたものでも良い。ガラス体10は、延伸された後に例えば光ファイバを得るための光ファイバ母材、もしくは光ファイバ母材となる中間母材として使用されるものである。
ガラス体10の一端側(上側)のダミー棒12bは、延伸装置1の送り側把持治具としての上側チャック13によって把持され、他端側(下側)のダミー棒12aは、延伸装置1の引き取り側把持治具としての下側チャック14によって把持される。上側チャック13は、把持したガラス体10を所定の速度で下方へ移動させるための駆動モータ5に連結されており、下側チャック14は、把持したガラス体10を所定の速度で下方へ移動させるための駆動モータ8に連結されている。駆動モータ5,8は、制御部7によりその駆動が制御される。
また、上側チャック13と下側チャック14との間には、ガラス体10を加熱して軟化させるための加熱源としての加熱炉9が設けられている。加熱炉9による加熱温度は、ガラス体10を延伸するための好適な軟化状態(粘度)が得られるように適宜設定されており、通常、延伸中は一定に維持される。なお、加熱炉9としては、発熱体の周りにコイルを設けてコイルから誘導式に発熱体を加熱する誘導加熱炉や、電圧の印加により発熱体を発熱させる抵抗加熱炉などがある。また、加熱炉9の代わりに酸水素火炎を生成するバーナなどの加熱源を使用することもできる。
加熱炉9によりガラス体10を加熱しながら、上側チャック13と下側チャック14との距離を離していくと、加熱炉9の内側(加熱領域)に位置したガラス体10の被加熱部分3が縮径するように変形する。上側チャック13により徐々にガラス体10を加熱炉9の内側の加熱領域に送り込みつつ、下側チャック14を上側チャック13より速い移動速度で下方へ移動させ、軟化した被加熱部分3を下方へ引き取っていくと、被加熱部分3はその引っ張り張力によって図1に示すように下方へ向かって縮径したテーパ形状となる。
さらに、このガラス体の延伸装置1は、加熱炉9より引き取り側(下側)に外径測定器6を備えている。この外径測定器6は、レーザ光を利用した非接触式の測定器であり、軟化したテーパ形状部分における加熱炉9から所定の距離だけ離れた位置の外径を測定する。その測定値は制御部7へと送られ、制御部7に記憶された外径の目標設定値と比較される。そして、測定値を目標設定値に一致させるように、駆動モータ5,8を制御して上側チャック13と下側チャック14の移動速度をそれぞれ調節し、軟化したテーパ形状部分に加える引っ張り張力を調節する。なお、通常は、延伸体の外径を目標設定値にするための上側チャック13と下側チャック14の設定基準速度が、ガラス体10の外径と延伸した延伸体20の外径との関係からそれぞれ経験的に求められている。そして、定常状態では、上側チャック13と下側チャック14の移動速度は設定基準速度を基準に制御される。これにより、上側チャック13と下側チャック14の移動速度の差である延伸速度が適切に調節される。
延伸の定常状態において、外径測定器6の測定値が目標設定値より大きいときには、上側チャック13と下側チャック14との速度差を大きくするように制御され、外径測定器6の測定値が目標設定値より小さいときには、上側チャック13と下側チャック14との速度差を小さくするように制御される。また、上側チャック13の送り動作は、ガラス体10の移動速度及び移動距離を規定するように機能し、下側チャック14の引き取り動作は、主にガラス体10を延伸するように機能する。
本実施形態のガラス体の延伸方法では、延伸開始時において、加熱炉9によりガラス体10を加熱しながら、上側チャック13及び下側チャック14の下方への移動を開始し、ガラス体10の被加熱部分3の粘度の低下に伴って上側チャック13と下側チャック14との間隔が広がるように、連続的にまたは段階的に移動速度を上げていく。このとき、ガラス体10を延伸した延伸体20の外径は、次第に小さくなっていき、所定の目標設定値に徐々に近づいていく。そして、延伸開始時から上側チャック13及び下側チャック14の移動速度の両方が設定基準速度に達するまでの延伸開始期間に、下記式(1)
(Vf(t)/Vf)dt>∫ (Vs(t)/Vs)dt・・・(式1)
Vfは上側チャック13(送り側把持治具)の移動速度、
Vfは上側チャック13(送り側把持治具)の設定基準速度、
Vsは下側チャック14(引き取り側把持治具)の移動速度、
Vsは下側チャック14(引き取り側把持治具)の設定基準速度、
t=0は上側チャック13が動き出した時刻または下側チャック14が動き出した時刻のいずれか早い方の時刻、
t=TはVfがVfとなる時刻またはVsがVsとなる時刻のいずれか早い方の時刻、
を満たすように上側チャック13の移動速度および下側チャック14の移動速度が調整される。これにより、加熱炉9の加熱領域に送り込まれるガラス体10の体積(ガラスの量)が加熱領域から引き取られるガラス体10の体積より多くなる。
延伸開始期間に常に(Vf/Vf)=(Vs/Vs)である場合には、延伸の定常状態へ移行する際に加熱領域に送り込まれるガラスの量と加熱領域から引き取られるガラスの量が等しくなるが、そのとき軟化した部分の形状変化が大きい場合には、設定基準速度となった直後に一時的に外径が設定目標値より小さくなりやすい。そのため、本実施形態のように、延伸開始期間に加熱領域に送り込むガラスの量を引き取るガラスの量より多くすることで、確実に外径のアンダーシュートを防ぐことができる。
延伸開始期間に∫ (Vf(t)/Vf)dt>∫ (Vs(t)/Vs)dtが満たされれば、アンダーシュートを防ぐことができるが、∫ (Vs(t)/Vs)に対して∫ (Vf(t)/Vf)dtがあまり大きすぎると、延伸体の外径が太くなる(オーバーシュートが起こる)という問題が生じる。そこで、3∫ (Vs(t)/Vs)≧∫ (Vf(t)/Vf)dtとすれば、アンダーシュートを防ぐと同時に、オーバーシュートの問題も防ぐことができる。したがって、3∫ (Vs(t)/Vs)≧∫ (Vf(t)/Vf)dt>∫ (Vs(t)/Vs)dtを満たすように上側チャック(送り側把持治具)の移動速度および下側チャック(引き取り側把持治具)の移動速度を調整することが好ましい。
このような制御を行うためには、延伸開始期間中に、単位時間当たりに加熱領域に送り込むガラスの量が引き取るガラスの量より多い(Vf/Vf)>(Vs/Vs)である時間帯を設け、なおかつその時間帯には、オーバーシュート等を防いで安定した延伸状態を維持するために、Vf≦Vf、Vs≦Vs、Vf≦Vsであるように、上側チャック13の移動速度Vfを制御する。
例えば、図2のグラフに示すように、延伸開始時(グラフ左端)から一時的には(Vf/Vf)=(Vs/Vs)である期間を設け、その後、設定基準速度Vf,Vsとなる(すなわちVf/Vf=1、Vs/Vs=1)までの延伸開始期間中は、送り過剰となる(Vf/Vf)>(Vs/Vs)の関係を維持することで、延伸開始期間において加熱領域に送り込むガラスの量が引き取るガラスの量より多くなる。そして、延伸を開始してから上側チャック13の移動速度Vfが設定基準速度Vfに達するまでの時間を、延伸を開始してから下側チャック14の移動速度Vsが設定基準速度Vsに達するまでの時間より短くしている。この場合には、延伸開始期間から定常状態に移行するときに、上側チャック13及び下側チャック14の移動速度がそれぞれ定常状態の設定基準速度に滑らかに収束し、下側チャック14の移動速度と上側チャック13の移動速度の差(延伸速度)も速やかに所定の値に安定する。また、Vf≦Vf、Vs≦Vs、Vf≦Vsであれば、オーバーシュートの発生も防ぐことができる。なお、(Vf/Vf)=(Vs/Vs)である期間を設けずに、延伸開始時から(Vf/Vf)>(Vs/Vs)の関係となるように上側チャック13の移動速度Vfを調整しても良い。
また、図2に示した例の他に、図3のグラフに示すように上側チャック13の移動速度Vfを制御しても良い。この図3の例では、延伸開始期間中に、送り過剰となる(Vf/Vf)>(Vs/Vs)となっている時間帯と引き取り過剰となる(Vf/Vf)<(Vs/Vs)となっている時間帯とが設けられている。但し、定常状態となったときにアンダーシュートが発生しないように、延伸開始期間において加熱領域に送り込むガラスの量が引き取るガラスの量より多くなるよう、(Vf/Vf)>(Vs/Vs)となる時間帯の上側チャック13の移動速度Vf、下側チャック14の移動速度Vs、及び時間帯の長さを決める。この図3の例では、延伸開始直後には引き取り過剰となる(Vf/Vf)<(Vs/Vs)の時間帯を設けているが、その後、これより比較的長い時間帯で送り過剰となる(Vf/Vf)>(Vs/Vs)の関係となるように上側チャック13の移動速度Vfを制御している。そして、延伸を開始してから上側チャック13の移動速度Vfが設定基準速度Vfに達するまでの時間を、延伸を開始してから下側チャック14の移動速度Vsが設定基準速度Vsに達するまでの時間より短くしている。このような制御により、延伸開始期間から定常状態へ移行する際には、それまでに加熱領域に送り込まれるガラスの量が引き取られるガラスの量より多くなるため、延伸外径のアンダーシュートの発生を防止できる。但し、延伸開始直後の(Vf/Vf)<(Vs/Vs)の時間帯では、延伸速度が大きくなりすぎてガラス体10の割れを生じさせないように注意する。
また、図3のパターンとは逆に、図4のグラフに示すように上側チャック13の移動速度Vfを制御しても良い。この図4の例では、延伸開始時から延伸開始期間の終了間際まで送り過剰となる(Vf/Vf)>(Vs/Vs)の時間帯を設け、その後、僅かな時間の間だけ、引き取り過剰となる(Vf/Vf)<(Vs/Vs)の時間帯を設けている。このような場合には、引き取り過剰となる(Vf/Vf)<(Vs/Vs)の時間帯で引き取り量が多くなり過ぎないようにして、アンダーシュートの発生を防止すれば良い。
上記の図1〜図3に示した何れの例においても、上側チャック13及び下側チャック14の移動速度Vf,Vsがそれぞれ設定基準速度Vf,Vsとなった(定常状態)後には、外径測定器6の測定値と設定基準速度を基準にして、PID(比例・積分・微分)制御により上側チャック13及び下側チャック14の移動速度Vf,Vsを制御すると良い。また、P(比例)制御、PI(比例・積分)制御を用いても良い。
以上説明したように、本発明のガラス体の延伸方法では、延伸開始時から定常状態となるまでの延伸開始期間に、加熱炉の加熱領域に送り込まれるガラスの量が加熱領域から引き取られるガラスの量より多くなるように、上側チャックの移動速度を制御すれば良い。これにより、延伸体の外径が目標設定値通りになるまでの外径変動部分が極めて少なくなるため、後に不良部分として除去されるガラスの量を減らすことができるため、ガラスの歩留まりを上げて、製造コストを下げることができる。
なお、上記の実施形態では、図1に示した延伸装置のように縦方向(垂直方向)に延伸する形態を例に挙げて説明したが、本発明においては、横方向(水平方向)に延伸する形態についても同様に適用することができる。横方向に延伸する際には、軟化したガラスが重力により下方に垂れないように、ガラス体をその軸回りに回転させながら延伸すると良い。
(実施例)
図1に示した延伸装置により、ガラス体を延伸した。延伸するガラス体10は、定常部分の外径(直径)が100mm、長さが800mmの円柱形状のガラスロッドであり、これを定常部分の外径が40mmとなるように延伸した。その際、延伸開始期間における上側チャック及び下側チャックの移動速度は下記の表1に示したような経過で連続的に変化させた。
Figure 0004692049
表1に示すように、送り側の上側チャックが先に定常状態の設定基準速度に達するように、(Vf/Vf)>(Vs/Vs)の関係で上側チャック及び下側チャックの移動速度を増加させた。延伸開始から6分後に上側チャックが設定基準速度に達し、13分後に下側チャックが設定基準速度に達し、そのとき延伸体の外径が目標設定値(40mm)にほぼ安定し、定常状態へと移行した。また、延伸開始期間から定常状態へ移行する際の外径のアンダーシュートは0.4mm程度であった。
(比較例)
上記の実施例に対する比較例として、同様のガラス体を異なる延伸速度で延伸した。延伸開始期間における上側チャック及び下側チャックの移動速度は、下記の表2に示したような経過で連続的に変化させた。
Figure 0004692049
表2に示すように、延伸開始から上側チャック及び下側チャックの移動速度をそれぞれ(Vf/Vf)=(Vs/Vs)の関係で増加させた。延伸開始から12分後に上側チャックと下側チャックの両方が同時に設定基準速度に達した(定常状態へと移行した)が、そのときの延伸体の外径は一旦目標設定値(40mm)より3.4mm程度下回った。その後、延伸体の外径が目標設定値に達するまでに6分間を要した。
上記の実施例と比較例から解るように、従来方法と同様の比較例では、上側チャックと下側チャックの両方が設定基準速度となっても延伸外径が目標設定値より大きく下回ったが、(Vf/Vf)>(Vs/Vs)の時間帯を設けてガラスの送り量を引き取り量より多くした実施例では、アンダーシュートの発生を抑制して定常状態への移行とともに延伸外径を所定の目標設定値に収束することができた。
本発明に係るガラス体の延伸方法を実施できる延伸装置の一実施形態を示す概略構成図である。 延伸開始時期におけるチャックの移動速度変化の一例を示すグラフである。 延伸開始時期におけるチャックの移動速度変化の他の例を示すグラフである。 延伸開始時期におけるチャックの移動速度変化の他の例を示すグラフである。
符号の説明
1 ガラス体の延伸装置
3 被加熱部分
5,8 駆動モータ
6 外径測定器
7 制御部
9 加熱炉(加熱源)
10 ガラス体
11 定常部
13 上側チャック
14 下側チャック

Claims (2)

  1. ガラス体の一端を送り側把持治具で把持し、前記ガラス体の他端を引き取り側把持治具で把持して、加熱源により前記ガラス体を加熱しながら、前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具を前記ガラス体の長手方向に沿って前記加熱源に対して相対的に移動させて前記ガラス体を前記加熱源に送りつつ、前記送り側把持治具と前記引き取り側把持治具の間隔を広げて、前記ガラス体を延伸する方法であって、
    前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具の移動を開始してから前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具の移動速度の両方が設定基準速度に達するまでの延伸開始期間に、下記式(1)
    (Vf(t)/Vf)dt>∫ (Vs(t)/Vs)dt・・・(式1)
    Vfは前記送り側把持治具の移動速度、
    Vfは前記送り側把持治具の設定基準速度、
    Vsは前記引き取り側把持治具の移動速度、
    Vsは前記引き取り側把持治具の設定基準速度、
    t=0は前記送り側把持治具が動き出した時刻または前記引き取り側把持治具が動き出した時刻のいずれか早い方の時刻、
    t=TはVfがVfとなる時刻またはVsがVsとなる時刻のいずれか早い方の時刻、
    を満たすように、前記送り側把持治具および前記引き取り側把持治具の移動速度を調整することを特徴とするガラス体の延伸方法。
  2. 請求項1に記載のガラス体の延伸方法であって、
    延伸を開始してから前記送り側把持治具の移動速度Vfが設定基準速度Vfに達するまでの時間を、延伸を開始してから前記引き取り側把持治具の移動速度Vsが設定基準速度Vsに達するまでの時間より短くすることを特徴とするガラス体の延伸方法。
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