JP4464321B2 - 石英ガラス棒の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、石英ガラス棒を高寸法精度で、かつ歩留まり良く製造するための製造方法及び製造装置に関する。
近年、光通信技術の進展に伴い、光ファイバの利用が高まってきている。その光ファイバは、通常、光ファイバプリフォームと呼ばれる光ファイバ母材を線引きすることによって製造される。
一般的な光ファイバプリフォーム(線引きする前の母材)は、主として、VAD法(Vapor phase Axial Deposition Method;気相軸付け法)、OVD法(Outside Vapor Phase Deposition Method;外付け法)、MCVD法(Modified Chemical Vapor Deposition Method;内付け法)等により製造される。そして、この光ファイバプリフォームを高速で線引きすることによって、目的の外径を有する光ファイバが得られるのである。
例えば、VAD法の場合、実際に光が通るコアガラスロッドを出発ガラスロッドとし、出発ガラスロッドの外周に、ガラス微粒子を堆積させてコアロッド/ガラス微粒子堆積体の複合体を合成し、この複合体を加熱炉にて焼結してガラス体とし、ガラス体を延伸工程に付して、ファイバプリフォームを形成した後、プリフォームを線引き炉で線引きすることによって、光ファイバを製造する。この方法においては、出発ガラスロッドの両端に円柱状のダミー棒と呼ばれる石英ガラス棒が溶着接続され使用されている。また、この石英ガラス棒は、コアロッド/ガラス微粒子堆積体の複合体合成時にその複合体を吊り下げるシャフトとしても使用される。そして、このようにして使用される石英ガラス棒は、出発ガラスロッドと外径差がないこと、回転させた状態で使用されるため曲がりが少ないことなど、非常に厳しい寸法精度が要求されている。また、一方では、光通信コスト削減の観点から、特に消耗品であるダミー棒については安価であることが要求されている。
特許文献1には、石英ガラス棒を製造する方法が開示されている。この方法は、母材となる石英ガラスインゴットを加熱炉にて軟化させ、加熱炉下部に設置された延伸駆動ローラーによって鉛直方向に延伸する方法である。そして、延伸駆動部のトルクを一定範囲に制御することによって、外径精度を高めた石英ガラス棒を製造しようとするものである。
特許文献2には、他の石英ガラス棒の製造方法が開示されている。この方法は、石英ガラスインゴットの両端をそれぞれ固定側チャック、移動側チャックに把持し、加熱炉で局所的に軟化させた後、移動側チャックの位置を移動することにより延伸する方法である。ここでは、実際に延伸されている石英ガラス棒の外径をモニターし、移動側チャックの移動速度を調整することにより外径が制御される。
さらに、特許文献3には、加熱した石英ガラス素材を回転させつつ成形ダイスに圧入することによって、石英ガラスインゴットを成形する方法が開示されている。石英ガラス素材を回転させながら加熱装置を通過させるので、石英ガラス素材を径方向で均一に加熱することができ、また加熱された石英ガラス素材の変形を防止することができる。
特開平3−115131号公報 特開平2−275723号公報 特開2000−67411号公報
上記特許文献1に記載された垂直方向延伸法の場合、実際延伸されている石英ガラス棒の外径をモニターし、延伸駆動ローラーの回転数を調整するため、外径はある一定の範囲内には収まるものの、その範囲内において外径変動が発生する。また、母材となる石英ガラスインゴットは鉛直方向にのみ移動するため、石英ガラスインゴットと延伸駆動ローラーの中心軸はより高精度に一致させておく必要がある。さもないと、加熱炉の断面内での温度分布の影響を受けるので、石英ガラスインゴットの断面内で粘性差が生じ、延伸中の石英ガラス棒に曲がりや非円形部分が発生する。
そして、上記特許文献2に記載された方法の場合、実際に延伸されている石英ガラス棒の外径をモニターし、移動側チャックの移動速度を調整するため、外径はある一定の範囲内には収まるものの、その範囲内において外径変動が発生する。また、曲がり部分や非円形部分については、石英ガラスインゴットを回転させているため、石英ガラスインゴットの断面内で粘性差を抑制することが可能であり、延伸中の石英ガラス棒の非円形部分の発生は抑制できるものの、延性に対する移動側チャックの移動速度の調整が非常に困難であるため、延伸中に垂れが生じ、結果として曲がりが発生してしまうことがある。
したがって、いずれの製造方法も、外径変動が少なく、かつ曲がりの少ない寸法精度の優れた石英ガラス棒を得ることは困難である。また、延伸開始時の外径をモニターして外径を制御するため、延伸開始時から目的とする外径に到達するまでの間に延伸されてしまった部分については、目的とする外径の石英ガラス棒とはならないため、この分だけ歩留まりが悪くなる。
さらに、上記特許文献3に記載された方法は、石英ガラス素材を径方向で均一に加熱するので、石英ガラス素材の変形を防止することができるが、成形後の石英ガラス棒の外径の寸法精度や歩留まりについては、言及されていない。
本発明の目的は、このような問題点を解決して、石英ガラス棒を寸法精度良くかつ歩留まり良く製造するための方法及び製造装置を提供することにある。
本発明にかかる石英ガラス棒の製造方法は、次の(1)から(4)までのいずれかであり、そして、本発明にかかる石英ガラス棒の製造装置は次の(5)である。以下、これらを総称して本発明ということがある。
(1) 棒状の石英ガラス素材を回転させつつ片端から順次加熱軟化させて軸方向に移動させ、その加熱軟化部分を成形延伸ダイスに送り込むとともに、成形延伸された石英ガラス棒を引き抜くことにより石英ガラス棒を製造する方法であって、石英ガラス棒の引き抜き速度は一定の速度とした状態で、石英ガラス素材の送り込み速度を調整することにより石英ガラス棒の外径を制御することを特徴とする石英ガラス棒の製造方法。
(2)棒状の石英ガラス素材の成形状態の観察結果を用いて石英ガラス素材の送り込み速度を調整することを特徴とする、上記(1)の石英ガラス棒の製造方法。
(3)入口側開口部、延伸部および部を備える成形延伸ダイスを用い、棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分を、その外径を一旦大きくした後、入口側開口部に接触させ、延伸部で延伸させ、孔部で冷却させることを特徴とする、上記(1)又は(2)の石英ガラス棒の製造方法。
(4)成形延伸ダイスの内壁の軸方向の断面形状が、成形延伸ダイスの延伸部において曲線である成形延伸ダイスを用いることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの石英ガラス棒の製造方法。
(5)棒状の石英ガラス素材を回転可能な状態で把持するとともに軸方向に移動させるチャックと、棒状の石英ガラス素材を加熱するための加熱手段と、棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分を圧入させ所定の形状に成形するための、入口側開口部、延伸部および孔部を備える成形延伸ダイスと、成形後の石英ガラス棒を回転可能な状態で把持するとともに軸方向に移動させるチャックを有する石英ガラス棒の製造装置であって、成形延伸ダイスの内壁の軸方向の断面形状が延伸部において曲線であり、棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分を、その外径を一旦大きくした後、入口側開口部に接触させ、延伸部で延伸させ、孔部で冷却させることを特徴とする石英ガラス棒の製造装置。
本発明によれば、外径寸法精度の極めて良好な石英ガラス棒を、歩留まり良く製造することができる。
本発明に係る石英ガラス棒の製造方法は、棒状の石英ガラス素材を回転させつつ片端から順次加熱軟化させて軸方向に沿って移動させ、その加熱軟化部分を成形延伸ダイスに圧入する際に、石英ガラス素材の送り込み速度を調整するものである。
以下に、図面を用いて、本発明を説明する。
図1は、本発明に用いる石英ガラス棒の製造装置の縦断面図である。
この装置において、まず、棒状の石英ガラス素材11が、入側ダミー材13及び出側ダミー材14を介して、それぞれ入側チャック15及び出側チャック16に把持される。ダミー材としては、例えば石英ガラスロッドやパイプなどを用いることができ、これを棒状の石英ガラス素材の両端に溶着等により取り付ける。入側チャック15及び出側チャック16に把持された棒状の石英ガラス素材11は、回転しながら成形延伸ダイス20の方向へ(図1では左から右へ)送り出される。
入側チャック15の走行速度と出側チャック16の走行速度の比は、棒状の石英ガラス素材11の横断面積と、所定の外径寸法を有する成形後の石英ガラス棒12の横断面積の比の逆数に設定される。ここで、入側チャック15の回転速度と出側チャック16の回転速度は、同じであることが好ましい。なぜならば、回転速度差を持たせると成形後の石英ガラス棒12の外表面に捻れ模様が発生しやすいためである。
入側チャック15と出側チャック16の間にはヒーター17が設置されており、棒状の石英ガラス素材11の一部は順次ヒーター17によって軟化点以上に加熱されて加熱軟化部分となり、成形延伸ダイス20に送り込まれる。成形延伸ダイス20の入口側開口部21と孔部23の内径は、使用する棒状の石英ガラス素材11の外径と、目的とする石英ガラス棒12の外径に対応して設定される。
棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分は、成形延伸ダイス20を通すことによって成形延伸され、目的とする外径を有する石英ガラス棒12が得られる。
図2は、本発明において棒状の石英ガラス素材11の加熱軟化部分が成形延伸されて、石英ガラス棒12が製造される工程を示す縦断面図である。
加熱軟化した石英ガラス素材11は回転しながら成形延伸ダイス20に送り込まれる。成形延伸ダイス20の内壁は、入口開口部21と延伸部22と孔部23からなっている。送り込まれた加熱軟化した石英ガラス素材11は、成形延伸ダイス20の入口側開口部21に当たり、ここで一旦成形されてから、延伸部22において延伸され、その後、孔部23の出口から引き抜かれて、目的とする外径を有する石英ガラス棒12が形成される。
このとき、引抜速度は一旦所定の値に設定すれば、その後は調整の必要がない。すなわち、引き抜かれて形成される石英ガラス棒12の、引抜速度は、成形延伸ダイスに送り込まれる加熱軟化した石英ガラス素材11が成形延伸ダイス20の入口側開口部21に当たって成形されるときの外径を調整することによって決定される。そして、加熱軟化した石英ガラス素材11が成形延伸ダイス20の入口側開口部21に当たって成形されるときの外径の調整は、石英ガラス素材11の送り込み速度を調整することによって可能である。
なお、棒状の石英ガラス素材11の送り込み速度の調整方法は特に限定されるものではないが、棒状の石英ガラス素材11の外径等の成形状態の観察結果を用いるのが好ましい。この石英ガラス素材11の外径等の成形状態は例えばCCDカメラなどを用いて観察すればよい。
このように、引抜速度を調整することなく送り込み速度を調整すること、すなわち成形延伸ダイスにおいて石英ガラス素材の供給側の制御により、目的とする外径を有する石英ガラス棒12を均一にかつ連続的に形成することができ、外径精度の優れた石英ガラス棒12を製造することができる。また、本発明の場合、成形延伸ダイス20を介して目的とする外径の石英ガラス棒12に成形延伸されるため、石英ガラス素材11の先端から後端までの全域を、無駄なく、目的とする外径の石英ガラス棒12に加工することができるので、従来の方法と比較すると大幅に歩留まりが向上する。
なお、送り込まれた加熱軟化した石英ガラス素材11が成形延伸ダイス20の入口側開口部21に当たって成形されるときの外径を、図2に示すように、棒状の石英ガラス素材11の外径よりも少し大きくすると、加熱軟化した石英ガラス素材11が成形延伸ダイス20の内壁に沿って十分に供給されていることが確認できるため、間接的に延伸部22での延伸が十分になされているか否かを確認することができる。
したがって、成形延伸ダイス20の入口側開口部21においてその加熱軟化部分の外径を一旦大きくした後延伸部22を介して孔部23に送り込むことが好ましい。棒状の石英ガラス素材の外径よりも、直径で10〜20mm程度大きくすることが好ましい。
棒状の石英ガラス素材を構成する石英ガラス材としては、VAD法などで製造される合成石英ガラスに限定されることなく、水晶粉などを原料にした天然石英ガラスなど他の石英ガラスも用いることができる。
棒状の石英ガラス素材の加熱軟化温度は、石英ガラス素材のOH基濃度やCl濃度などによって、軟化点が大きく変化するので、それに合わせて、ヒーターを適正な温度条件に設定すればよい。成形延伸中の石英ガラス素材の温度は測定が困難であるが、ヒーターの設定温度としては、2000〜2500℃程度である。
また、成形延伸ダイスに送り込まれる加熱軟化した石英ガラス素材の温度は、ヒーターによって加熱された石英ガラス素材の最高温度よりも少し低いことが好ましい。すなわち、ヒーターによって、石英ガラス素材はチャック側から徐々に温度が高くなり、成形延伸ダイスに送り込まれる直前で最も高い温度となり、それよりもやや温度が下がった時点で成形延伸ダイスに接して成形延伸されることが好ましい。このように、石英ガラス素材の温度を一旦高くしておいて、その後でそれよりもやや低い温度で成形延伸すると、石英ガラス棒のさらなる変形を防止することができる。このときは、寸法精度の面で特に優れた石英ガラス棒を製造することが可能となる。
ヒーターの設定温度が上述のように2000〜2500℃程度になると、成形延伸ダイスなどの治工具に適用できる材料は限定される。具体的には、Al23、MgO、ZrO2系の酸化物や、黒鉛、W、Moなどを用いることができるが、その中では高温域での強度並びに純度の面から、黒鉛が最も好ましい。なお、成形延伸ダイスは直接石英ガラス素材と接触するため、製造された石英ガラス棒の不純物汚染が懸念されるときは、不純物の少ない純化処理された黒鉛の材料を用いるのが好ましい。また、延伸は酸化防止のため不活性雰囲気中で実施するのが好ましい。
次に、本発明に用いる成形延伸ダイスの好ましい形状を、図3の実施例に基づいて説明する。
図3は、成形延伸ダイスの内壁の軸方向断面図を示す。
成形延伸ダイス20は、入口開口21と延伸部22と孔部23からなっている。図3に示したように、送り込まれた加熱軟化した石英ガラス素材11は、上述のとおり、成形延伸ダイス20の入口側開口部21に当たり、ここで一旦成形されてから、延伸部22において延伸され、その後、孔部23の出口から引き抜かれて、目的とする外径を有する石英ガラス棒12が形成される。このように、延伸部22において、加熱軟化した石英ガラス素材11は変形加工を受ける。
したがって、この際に内壁面に沿って加熱軟化した石英ガラス素材11が破断することなく移動することが好ましく、そのためには、成形延伸ダイス20の内壁の軸方向の断面形状は、延伸部22において、曲線であることが好ましい。
成形延伸ダイス20の入口開口部21の内径Aは、棒状の石英ガラス素材11の外径よりも大きくしておく必要があり、孔部の内径Bは、目的とする石英ガラス棒12の外径の寸法に合わせておく必要がある。
上述のとおり、加熱軟化した石英ガラス素材11が成形延伸ダイス20の入口側開口部21に当たって成形されるときの外径の調整は、石英ガラス素材11の送り込み速度を調整することによって可能であるが、適正な調整域を確保するために、入口開口部21の内径Aは棒状の石英ガラス素材11の外径よりも、30〜50mm程度大きいことが望ましい。
また、成形延伸ダイス20の孔部23の長さCは、加熱軟化した石英ガラス素材11が成形延伸ダイス20に接する温度や目的とする石英ガラス棒の引抜速度等に応じて適正な長さにすればよい。ただし、孔部23の長さCが短すぎて、延伸部22がヒーター17出口に極端に近づく構成となると、加熱軟化した石英ガラス素材11の温度が軟化点以下に低下してしまう可能性があり、その場合、成形延伸ダイス内20で石英ガラス棒12が破断してしまうおそれがある。逆に、孔部の長さCが長すぎると、延伸部22及び孔部23の前半部がヒーター17中央部に近づき、石英ガラス素材の粘性が低下するため、成形延伸後にさらに変形が進んでしまい、目的とする外径を確保できない可能性がある。
さらに、図3に示すように、成形延伸ダイス20の内面に、例えば、窒素ガスのような不活性ガスの導入孔30を設けることが好ましく、不活性ガスを導入することによって、石英ガラス棒12が成形延伸される直前及び/又は直後の冷却効果を高めることが可能となる。これにより、成形延伸後のさらなる変形を防止することができる。冷却用の不活性ガス導入孔については、孔径、個数、位置等は特に限定されることはなく、処理される温度、引抜速度等によって適正な条件とすればよい。なお、冷却用の不活性ガス導入孔を設置する場合は、各面が均等に冷却されるように設置することが好ましい。
次に、本発明に用いる成形延伸ダイスの内壁の曲線の例について説明する。
図4は、本発明に用いる成形延伸ダイスの内壁の例を示す軸方向断面図である。(a)の成形延伸ダイス内壁の曲線は、入口開口部を形成する直線と孔部を形成する直線にて形成されるコーナー部を角丸めしたものである。(b)の成形延伸ダイス内壁の曲線は、入口開口部と孔部の間を3本の直線で形成し、各々のコーナー部を角丸めしたものである。入口開口部と孔部の間を形成する直線の数は3本に限らず4本以上としてもよいが、少なくとも延伸部を形成するコーナー部は角丸めされる。(c)の成形延伸ダイス内壁の曲線は、楕円弧を組み合わせることにより形成したものである。(d)の成形延伸ダイスの内壁の曲線は円弧と楕円弧の組み合わせにより形成したものである。なお、(a)〜(d)のいずれの場合も、各曲線を構成する直線の長さや円弧及び楕円弧の長さは、石英ガラス素材の外径及び製造される石英ガラス棒の外径などにより設計すればよい。また、角丸めの大きさは、製造される石英ガラス棒の外径にもよるが、製造される石英ガラス棒の半径の2〜20倍程度であり、8〜12倍程度が好ましい。
成形延伸ダイス内壁の曲線形状は、図4にも示した通り、種々様々な形状とすることができるが、あまり複雑な曲線とすると製造コストが高くなる。そこで、図4(a)に示した入口開口部を形成する直線と孔部を形成する直線にて形成されるコーナー部を角丸めしたものが、好ましい。
(本発明例)
高純度の水晶粉(シリカ粉)を酸水素火炎にて溶融しながら垂直方向に堆積させて、天然石英ガラスインゴットを作製した。そして、外周を研削して、棒状の石英ガラス素材を得た。
この石英ガラス素材(外径140mm、長さ750mm)から、図1の製造装置を用いて、本発明の方法に従って、外径50.15mmを目標にして、石英ガラス棒を製造した。ヒーターの設定温度は2300℃、回転速度は10rpmとし、棒状の石英ガラス素材の送り込み速度を14.76mm/min、生成した石英ガラス棒の引抜速度を115.06mm/minに設定し、成形延伸を行った。なお、成形延伸ダイスは、図3のものを用いた。成形延伸ダイスの入口開口部の内径Aは170mm、孔部の内径Bは50.15mm、そして、孔部23の長さCは120mmであった。また、延伸部の曲線は、図4(a)に示した入口開口部を形成する直線と孔部を形成する直線にて形成されるコーナー部をR200に角丸めしたものとした。
成形延伸開始から終了までの間、生成中の石英ガラス棒の外径はモニターしたが、引抜速度は一切調整せず、棒状の石英ガラス素材の送り込み側から、石英ガラス素材の加熱軟化部分の成形状態を観察しながら、棒状の石英ガラス素材の送り込み速度を14.30〜15.00mm/minの間で微調整した。
図5に、本発明例において製造した石英ガラス棒の外径の変動状況を示す。この結果は、平均外径50.15mm、最大外径50.21mm、最小外径50.06mm、標準偏差0.02mmであった。このように、棒状の石英ガラス素材の送り込み速度を微調整するだけで、延伸開始時から終了までの間、安定して目標通りの外径の石英ガラス棒が得られた。
次に、製造した石英ガラス棒の曲がりを測定するため、製造した石英ガラス棒を1000mmに切断し、両端をVブロックで固定し、その石英ガラス棒の中央部の変位量をダイヤルゲージで測定し、下式(1)により算出したところ、曲がりは0.04mmであった。
曲がり(mm)=(石英ガラス棒中央部の変位量)/2
また、上記において、通常の外径公差を±0.5mmとした場合、全延伸長に対する良品部分の歩留まりは、100%であった。
(比較例)
この本発明例に係る石英ガラス棒の製造方法に対して、特許文献1に記載された鉛直遠心法に従って、外径50.15mmを目標にして、石英ガラス棒に加工した。
石英ガラス素材は、本発明例と同じく、高純度の水晶粉(シリカ粉)を酸水素火炎にて溶融しながら垂直方向に堆積させて、天然石英ガラスインゴットを作成した。そして、外周を研削することによって得られた、棒状の石英ガラス素材(外径140mm、長さ750mm)を用いた。
加熱温度は2300℃、棒状の石英ガラス素材の送り込み速度を14.76mm/min、生成した石英ガラス棒の引抜速度を115.06mm/min(延伸駆動ローラー回転数で0.30rpm)に設定し、延伸を行った。延伸開始から終了までの間、生成した石英ガラス棒の外径をモニターしながら、目的とする外径に近づけるため、石英ガラス棒の引抜速度を95〜140mm/min(延伸駆動ローラー回転数で0.25〜0.37rpm)の間で調整した。
図6に、比較例において製造された石英ガラス棒の外径の変動状況を示す。この結果は、平均外径50.71mm、最大外径58.19mm、最小外径49/53mm、標準偏差1.08mmであった。このように、石英ガラスの外径をモニターしながら引抜速度を調整したが、目標の外径に達するまでにかなりの時間を要するだけでなく、目標外径に近づいた後も、絶えず外径が変動した。
次に、延伸された石英ガラス棒の曲がりを測定するため、延伸された石英ガラス棒を1000mmに切断し、両端をVブロックで固定し、石英ガラス棒の中央部の変位量をダイヤルゲージで測定し、下式(1)により算出したところ、曲がりは0.38mmであった。
曲がり(mm)=(石英ガラス棒中央部の変位量)/2
また、上記において、通常の外径公差を±0.5mmとした場合、全延伸長に対する良品部分の歩留まりは、68%であった。
図6は、本発明例及び比較例において製造された石英ガラス棒の外径の変動状況の両方を、同スケールにて、示すものである。本発明例によれば、外径寸法精度の極めて良好な石英ガラス棒を、歩留まり良く製造することができることが確認できた。
本発明によれば、外径寸法精度の極めて良好な石英ガラス棒を、歩留まり良く製造することができる。
本発明に係る石英ガラス棒の製造装置の縦断面図である。 本発明において石英ガラス素材が成形かつ延伸されて石英ガラス棒が製造される工程を示す縦断面図である。 本発明に用いる成形延伸ダイスの内壁を示す軸方向断面図である。 本発明に用いる成形延伸ダイスの内壁の例を示す軸方向断面図である。 本発明例において製造された石英ガラス棒の外径の変動状況を示す。 比較例において製造された石英ガラス棒の外径の変動状況を示す。 本発明例及び比較例において製造された石英ガラス棒の外径の変動状況の両方を、同スケールにて、示すものである。
符号の説明
11 石英ガラス素材
12 石英ガラス棒
13 入側ダミー材
14 出側ダミー材
15 入側チャック
16 出側チャック
17 ヒーター
20 成形延伸ダイス
21 入口開口部
22 延伸部
23 孔部
30 不活性ガスの導入孔
A 入口開口部の内径
B 孔部の内径
C 孔部の長さ

Claims (5)

  1. 棒状の石英ガラス素材を回転させつつ片端から順次加熱軟化させて軸方向に移動させ、その加熱軟化部分を成形延伸ダイスに送り込むとともに、成形延伸された石英ガラス棒を引き抜くことにより石英ガラス棒を製造する方法であって、石英ガラス棒の引き抜き速度は一定の速度とした状態で、石英ガラス素材の送り込み速度を調整することにより石英ガラス棒の外径を制御することを特徴とする石英ガラス棒の製造方法。
  2. 棒状の石英ガラス素材の成形状態の観察結果を用いて石英ガラス素材の送り込み速度を調整することを特徴とする、請求項1に記載の石英ガラス棒の製造方法。
  3. 入口側開口部、延伸部および部を備える成形延伸ダイスを用い、棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分を、その外径を一旦大きくした後、入口側開口部に接触させ、延伸部で延伸させ、孔部で冷却させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の石英ガラス棒の製造方法。
  4. 成形延伸ダイスの内壁の軸方向の断面形状が、成形延伸ダイスの延伸部において曲線である成形延伸ダイスを用いることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の石英ガラス棒の製造方法。
  5. 棒状の石英ガラス素材を回転可能な状態で把持するとともに軸方向に移動させるチャックと、棒状の石英ガラス素材を加熱するための加熱手段と、棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分を圧入させ所定の形状に成形するための、入口側開口部、延伸部および孔部を備える成形延伸ダイスと、成形後の石英ガラス棒を回転可能な状態で把持するとともに軸方向に移動させるチャックを有する石英ガラス棒の製造装置であって、成形延伸ダイスの内壁の軸方向の断面形状が延伸部において曲線であり、棒状の石英ガラス素材の加熱軟化部分を、その外径を一旦大きくした後、入口側開口部に接触させ、延伸部で延伸させ、孔部で冷却させることを特徴とする石英ガラス棒の製造装置。
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