JP2000302469A - ガラス母材の延伸方法及び延伸装置 - Google Patents
ガラス母材の延伸方法及び延伸装置Info
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- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
- Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
Abstract
初期のガラス母材の径変動を防止することができるガラ
ス母材の延伸方法及び延伸装置を提供する。 【解決手段】 ガラス母材を延伸する方法において、延
伸初期はガラス母材の引張り張力を定常時の引張り張力
の110%以下になるようにチャックの間隔を拡げる速
度を制御しつつ延伸し、加熱源が所定距離を移動した後
にチャックの間隔を拡げる速度を定常時の速度に切換え
るガラス母材の延伸方法。およびガラス母材の延伸装置
であって、ガラス母材の引張り張力を測定する測定手
段、及び該測定手段からの測定結果と加熱源の位置に基
いてチャックの間隔を拡げる速度を制御する制御手段を
具備するガラス母材の延伸装置。
Description
の外径修正等を行うための加工技術に関する。
いきなり極細のファイバを作ると屈折率分布を最適に制
御するのが困難である等の理由から、まず第1段階とし
て、同じ屈折率分布を有する棒状の光ファイバ母材(プ
リフォーム)といわれるガラス母材が製造される。
えばいわゆる外付けCVD法(OVD法)があり、これ
はコア母材の表面に光ファイバ原料の四塩化ケイ素等を
酸素、水素ガスとともに吹付け、酸水素バーナにより火
炎加水分解反応を起こさせてスートを堆積して多孔質母
材を形成し、これを脱水、焼結ガラス化を行ってガラス
母材を製造する。その他の製造方法にはVAD法あるい
はMCVD法等の製造方法がある。そして、得られたガ
ラス母材を次工程の線引機の設備に対応した外径、長さ
に修正するため、例えばガラス旋盤等で延伸する加工を
行っている。
すようなガラス旋盤といわれる延伸装置11を用い、ガ
ラス母材Wの長手方向両端部にガラス母材の保護等のた
めのダミーWdを溶着し、このダミーを一対のチャック
5、5で保持して回転させつつ、加熱源7をガラス母材
Wの長手方向に移動させながら加熱し、所望の径になる
ように左右のチャック5、5の間隔を開くように移動制
御して延伸加工をしている。ガラス母材外径制御の方法
としては、予め外径測定器8にてガラス母材Wの外径を
測定しておき、その外径測定結果により加熱源7の移動
速度、チャック5、5の間隔を拡げる速度、あるいは加
熱源の熱量等の加熱条件を設定する方法が一般的であ
る。
ス母材の延伸を行うにあたっては、まず加熱源とチャッ
クを停止させたまま、チャックに保持されたガラス母材
の端部を溶融軟化する温度になるまで加熱源により予備
加熱を行い、次に加熱源とチャックを、延伸初期から延
伸終了まで一定移動速度で移動させることでガラス母材
の延伸を行っていた。
伸を行うと、予備加熱から延伸を開始する延伸初期にお
いて、ガラス母材の予備加熱を行った部分が所望した外
径よりも大きくくびれて縮径してしまい、またこの細く
なった部分の隣の部分は逆に延伸縮径することができず
所望径より大きくふくらんでしまう。さらに、この状態
は交互に繰り返されるので、延伸初期においては径変動
が起こりやすいという問題があった。
の間隔を拡げる速度、あるいは加熱源の熱量、移動速度
を制御することにより、ガラス母材の引張り張力を一定
に保ち、延伸されるガラス母材の外径を一定に保つとい
う技術が提案されている(特開平4−325428号、
特開平5−193970号、特開平6−72732号公
報参照)。ところが、これらの方法のように延伸工程の
全過程にわたって引張り張力からチャックの移動速度を
制御すると、チャックの間隔を拡げる速度を所定の一定
速度にした場合に比べて、延伸される母材の径制御が悪
くなってしまい、所望の径精度が保てなくなる欠点があ
る。
部分は、製品として使用することが難しく、光ファイバ
等を製造する場合の品質や歩留りを大幅に悪化させる原
因となり、有効な解決手段が望まれていた。
装置を用いてガラス母材の延伸を行う場合において、延
伸初期のガラス母材の径変動を防止することができるガ
ラス母材の延伸方法及び延伸装置を提供することを目的
とする。
本発明の請求項1に記載した発明は、ガラス母材の長手
方向両端部をそれぞれチャックで直接または間接的に保
持して、加熱源をガラス母材の長手方向に相対的に移動
させながら加熱し、チャックの間隔を拡げることにより
ガラス母材を延伸する方法において、延伸初期はガラス
母材の引張り張力を定常時の引張り張力の110%以下
になるようにチャックの間隔を拡げる速度を制御しつつ
延伸し、加熱源が所定距離を移動した後にチャックの間
隔を拡げる速度を定常時の速度に切換えることを特徴と
するガラス母材の延伸方法である。
おいて、延伸初期はガラス母材の引張り張力を定常時の
引張り張力の110%以下になるようにチャックの間隔
を広げる速度を制御しつつ延伸し、加熱源が所定距離を
移動した後にチャックの間隔を広げる速度を定常時の速
度に切換えるようにすれば、延伸初期においてガラス母
材に無理な力をかけずに延伸できるので径のくびれ等に
よる変動を防止できる。また、加熱源が所定距離を移動
した後の定常状態にあっては、径制御が正確に行なえて
十分な径精度を維持することができる。
記チャックの間隔を拡げる速度を切換える所定距離を5
0〜150mmとすることが好ましい。これは、50mm未
満では、径変動を収束させるには不十分となる場合があ
り、150mmを超えて引張り張力によりチャックの間隔
を拡げる速度を制御しようとすると定常部の径制御が悪
くなることがあるからである。
に、延伸初期はガラス母材の引張り張力を定常時の引張
り張力の80〜110%になるようにチャックの間隔を
拡げる速度を制御しつつ延伸することが好ましい。これ
は、ガラス母材の引張り張力を定常時の引張り張力の8
0%以上とすれば、ガラス母材を充分に延伸することが
でき、ガラス母材が目標径まで細くなるまでの距離を短
縮することができる。また、110%以下とすれば、く
びれが発生することもなく、延伸初期における母材の径
変動を確実に抑えることができるからである。
は、ガラス母材の長手方向両端部を直接または間接的に
保持し且つ対向方向に相対移動可能な一対のチャック
と、保持されたガラス母材の長手方向に沿って相対的に
移動可能となり且つガラス母材を加熱することが出来る
加熱源とを備えたガラス母材の延伸装置であって、ガラ
ス母材の引張り張力を測定する測定手段、及び該測定手
段からの測定結果と加熱源の位置に基いてチャックの間
隔を拡げる速度を制御する制御手段を具備することを特
徴とするガラス母材の延伸装置である。
て、ガラス母材の引張り張力を測定する測定手段、及び
該測定手段からの測定結果と加熱源の位置に基いてチャ
ックの間隔を拡げる速度を制御する制御手段を具備して
いる装置は、例えば、延伸初期にあっては、ガラス母材
の引張り張力に基いてチャックの間隔を拡げる速度を制
御することができ、加熱源の位置に基いて延伸がある程
度進行したことを検知したら、チャックの間隔を拡げる
速度を定常時の速度に切換えるといったことも容易に行
なえるため、初期のガラス母材の径変動を最小限に抑え
て延伸を行うことができ、光ファイバ製造の歩留りを向
上させることができる。
記制御手段は、延伸初期はガラス母材の引張り張力を定
常時の引張り張力の110%以下になるようにチャック
の間隔を拡げる速度を制御し、加熱源が所定距離を移動
した後にはチャックの間隔を拡げる速度を定常時の速度
に切換えるように制御するものとすることができる。
ス母材に過剰な力をかけずに延伸できるので、径のくび
れが防止でき、加熱源が所定距離を移動した後の定常状
態にあっては径制御が充分にでき、十分な径精度を維持
することができる。そのため、延伸後にガラス母材全長
にわたって径変動を最小限に抑えたガラス母材を得るこ
とができる。
発明は、ガラス母材を延伸する方法において、延伸初期
はガラス母材の引張り張力を定常時の引張り張力の11
0%以下になるようにチャックの間隔を拡げる速度を制
御しつつ延伸し、加熱源が所定距離を移動した後にチャ
ックの間隔を拡げる速度を定常時の速度に切換えること
により、従来の方法では問題であったガラス母材の径変
動を防ぐことが可能であるとの知見に基づき、諸条件を
精査して完成に至ったものである。
母材の延伸を行った場合に、どのようにしてガラス母材
の径変動が起こるかについて調査を行い、径変動が起こ
る過程及び原因について詳細に知ることができた。以
下、図4にガラス母材を延伸する際に径変動が生じる過
程を示した。
質があるが、予備加熱だけでは延伸が可能になるまで十
分に軟化させることができない場合がある(図4
(1))。その状態で加熱源を定常時の速度で移動開始
させつつ、同時に定常時の所定の速度でチャック間隔を
拡げ延伸を開始すると、引張り張力は通常時の2倍から
3倍となり、理由は定かではないが予備加熱部分は逆に
急速に伸長し細径化する(図4(2))。このとき伸び
は概ね予備加熱部分に吸収されてしまい、加熱源が新た
に移動した部分はあまり延伸されない、このためガラス
母材に径のくびれを生じることとなる(図4(3))。
近までで発生しやすく、この場所より延伸が進むとガラ
ス母材への熱供給・軟化の速さと延伸の速度とのバラン
スがとれて定常状態となるので、径変動は起こらなくな
る(図4(4))。また、この径変動は延伸する割合が
大きいほど径変動も大きいことが判った。
材の引張り張力を定常時の引張り張力からそれほど大き
くない110%以下になるようにチャックの間隔を拡げ
る速度を制御しつつ延伸することにより、延伸初期にお
けるガラス母材への熱供給・軟化の速さと延伸の速度と
のバランスをとり、ガラス母材延伸初期の径変動を防止
することを発想した。図2は本発明の方法によりガラス
母材が延伸される様子を示したものである。
加熱後に加熱源を移動させ、両チャックの間隔を拡げて
延伸を開始するが(図2(1))、本発明の方法では、
延伸初期はガラス母材の引張り張力を定常時の引張り張
力の110%以下になるようにして、定常時の引張り張
力を大きく超えないようにするので、延伸初期のガラス
母材への熱供給・軟化の速さと延伸の速度とのバランス
がとれていない状態であっても、ガラス母材に過大な引
張り張力がかからず、ガラス母材が急激に延伸されてく
びれを生じるようなことはない(図2(2))。そし
て、このバランスがとれた状態が保たれたまま、加熱源
が所定距離を移動すれば、延伸初期から定常時までガラ
ス母材への熱供給・軟化の速さと延伸の速度のバランス
が保たれ、径変動を防止することができる(図2
(3))。
チャックの間隔を拡げる速度を制御しようとすると、ガ
ラス母材の引張り張力は加熱源から受ける微妙な熱量の
変化等によって変化するため、ガラス母材の引張り張力
を一定に制御するためにチャックの間隔を拡げる速度を
変動させることになり、かえってガラス母材の径制御に
悪影響がでて、延伸された母材の径精度が悪化してしま
うことがある。
所定距離を移動した後に、チャックの間隔を拡げる速度
を定常時の速度に切換えることにした。こうすれば引張
り張力の微細な変動による径変動を防止することができ
る。
は、延伸前と延伸後のガラス母材の物質収支が合うよう
になる速度を言う。例えば、ここでガラス母材の延伸す
る前の元径をD1、縮径する目標径をD2、加熱源の移動
速度をv1、延伸の速度をv2として、その時加熱された
部分以外では延伸は起こらず、加熱延伸される部分は極
めて小さいと仮定すると、D1 2v1=D2 2(v1+v2)
が成り立つので、これに従って延伸するガラス母材の元
径及び目標径から、加熱源の移動速度、チャックの間隔
を拡げる速度を調整することにより延伸の速度を設定す
るようにすれば良い。
引張り張力とは、上記定常時のチャックの間隔を拡げる
速度により、定常時にガラス母材を延伸した場合におけ
る引張り張力であり、この引っ張り張力を基準として延
伸初期のチャックの間隔を拡げる速度を制御すれば良
い。
常時の速度に切換える時期は、加熱源が50〜150mm
移動した時とすることが好ましい。これは延伸開始から
加熱源が50mm移動しない内は、ガラス母材への熱供給
・軟化の速さと延伸の速度とのバランスがとれていない
状態であり、定常時の速度に切換えても径変動によるく
びれが生じるおそれがあるため、加熱源が50mm移動す
るまではガラス母材への引張り張力を定常時の110%
以下に制御することが好ましいからである。一方、加熱
源が150mm移動した後においても、引張り張力からチ
ャックの間隔を拡げる速度を制御しようとすると、前述
のように径精度が悪くなるおそれがあるため、加熱源が
150mm移動するまでには、チャックの間隔を拡げる速
度を定常時の速度に切換えることが好ましい。
を定常時の引張り張力の110%以下とすることとした
のは、ガラス母材の引張り張力が定常時の引張り張力の
110%を超えると、ガラス母材のくびれによる径変動
が生じやすくなるからである。また、延伸初期のガラス
母材の引張り張力が定常時の80%未満であると、ガラ
ス母材を十分に延伸することができず、ガラス母材が目
標径まで細くなるまでの距離が長く、また時間がかかっ
てしまい、製品として使用できる部分が少なくなり歩留
りが悪化することもある。そのため、延伸初期のガラス
母材の引張り張力は定常時の引張り張力の80〜110
%とすることが好ましい。
て添付した図面に基づき説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。ここで図1は本発明の加工装
置の一例を正面から見た概略構成図である。本発明に係
るガラス母材の延伸装置は、例えば外付けCVD法(O
VD法)や、VAD法あるいはMCVD法等で作製され
たガラス母材を、所定の長さ、所定の外径に延伸するよ
うな加工工程に適用され、従来の装置で発生していた延
伸初期の径変動の発生を防止し得るように構成されてい
る。
を基本とした構成にしており、図1に示すように、機台
2上の長手方向に沿って対向配置され且つ不図示の相対
移動機構によって相互間隔が調整自在な左右一対のコラ
ム3、4と、各コラム3、4の前面側に取付けられる各
チャック5、5と、機台2の長手方向に沿って移動自在
な移動台6と、装置1の作動を制御する制御手段9を備
えており、前記移動台6には、両チャック5、5で保持
されるガラス母材Wの表面に向けて火炎を吹き付けるこ
とにより加熱することができる加熱源7と、ガラス母材
Wの外径を測定する外径測定器8が取付けられている。
領で溶着されるダミーWdが一体化されており、前記チ
ャック5、5で保持する際、ダミーWdを掴むことで間
接的に保持されるようにしている。そしてこのダミーW
dを掴むことによって、直接ガラス母材Wの両端部を掴
んで傷を発生させるような不具合を防止するようにして
いる。また、チャック5、5で保持されたガラス母材W
は、駆動モータによって軸周りに回転自在にされてい
る。
せてガラス母材Wの表面に酸水素火炎を吹き付けること
が出来るようにされ、ガラス母材Wを加熱して軟化さ
せ、延伸による外径修正が行えるようになっている。
に加わる引張り張力を測定する引張り張力測定手段10
が備えられているのが、本発明に係るガラス母材の延伸
装置1の特徴である。さらに、この延伸装置1は、移動
台6の駆動用モータからの情報により、移動台6上の加
熱源7の位置を検知することができるようにされてい
る。
3、4の相対移動機構駆動用モータ、チャック5、5の
回転駆動用モータ、外径測定器8、および引張り張力測
定手段10は、それぞれ制御手段9に接続され、引張り
張力測定手段10および移動台6の駆動用モータからの
情報により、チャック5、5の間隔を拡げる速度を制御
することにより、本発明の延伸方法を実施し得るように
なっている。
延伸方法について説明する。まず、ガラス母材Wの両端
にダミーWdを溶着する。このダミーWdの溶着は、例
えば右側チャック5でダミーWdを掴むと同時に、左側
チャック5でガラス母材Wを掴み、両者を駆動モータで
回転させながら加熱源7によりダミーWdとガラス母材
Wの接合部を同時に加熱して軟化させ溶着接合した後、
一体化された接合物を右側チャック5で保持し、左側チ
ャック5で新たなダミーWdを掴み、同様な手順でガラ
ス母材Wの他端側にダミーWdを溶着する。因みに、以
上の操作は殆ど手動で行われる。
ダミーWdを掴んだ状態で、ガラス母材Wの延伸加工が
行われる。この延伸加工は自動制御され、まずチャック
5、5を回転することによってガラス母材Wを所定の速
度で回転させ、移動台6及びコラム3、4は停止したま
まとされる。この状態で加熱源7によりガラス母材Wの
予備加熱が所定時間行われて、ガラス母材Wの所定部位
が溶融軟化され、延伸可能な状態とされる。
する。この加熱源7の移動速度は、延伸初期において
は、なるべく遅くした方がガラス母材の径変動をより抑
制することができるが、一定の速度で移動するようにし
てもかまわない。また、加熱源のガス条件も一定でもか
まわない。そして、チャック5、5の間隔を拡げる速度
は、引張り張力測定手段10からの測定結果に基き、ガ
ラス母材Wの引張り張力が定常時における引張り張力の
80〜110%になるように移動速度を制御されて初期
の延伸が行われる。本延伸装置1では、このようにガラ
ス母材の延伸を行うため、延伸初期でのガラス母材の径
変動を防ぐことができる。
たことを、移動台6の駆動用モータからの情報により制
御手段9が検知すると、チャック5、5の間隔を拡げる
速度は、コラム3、4の相対移動機構駆動用モータを制
御することにより、定常時の速度に切換えられる。こう
して本延伸装置1では、ガラス母材の延伸にあたり、延
伸工程全体としてガラス母材の径制御の精度を維持し
て、径精度の高い延伸を行うことができる。外径測定器
8により、ガラス母材の外径を測定しつつ延伸を行い、
所望の外径および長さに延伸された時点で延伸を終了す
る。
ダミーWdを取り除く準備として、ガラス母材Wの両端
部を絞り加工して径を細くし、最終的に装置から取外し
て溶断(別のガスバーナで加熱して切り離す)する時の
作業の容易化を図るようにしている。そして、その後の
火炎研磨加工等の一連の加工工程が終了すると、ガラス
母材Wが冷却するのを待って装置から取外し、両端の絞
り加工した部分を別のガスバ−ナで加熱溶融させて切り
離し、両端のダミーWdを取り除く。
る。 (実施例)図1に示す延伸装置を用いて石英ガラス母材
の延伸を行った。外径が65mmφ、長さ980mmのガラ
ス母材Wの両端に、外径が60mmφ、長さ250mmのダ
ミーWdを前記要領で溶着した。この溶着時のガラス母
材WとダミーWdの軸周りの回転数は30rpmであり、
加熱源7としては、酸水素バーナを用いた。加熱源7か
ら供給される酸素ガスは96L/min、水素ガスは240L
/minであった。
加熱源7を移動速度12.4mm/minで移動させて延伸を
開始した。この条件で直径65mmφのガラス母材を50
mmφまで延伸する場合における定常時の引張り張力は約
100kgf/cm2であり、チャックの間隔を拡げる速度は
8.6mm/minとなる。そのため、本実施例では延伸開始
から加熱源7が100mm移動するまでは、引張り張力が
110kgf/cm2を超えないようにチャック5、5の間隔
を拡げる速度を制御した。そして加熱源7が100mm移
動した後は、チャック5、5の間隔を拡げる速度を定常
時の速度である8.6mm/minに制御して延伸を行なっ
た。
の引張り張力が変動する様子を図5に示す。図5から判
るように、母材Wの引張り張力は、加熱源7が100mm
移動するまでの延伸初期において、確実に110kgf/cm
2以下になっていることが判る。また、本実施例におけ
る延伸後のガラス母材Wの径変動の様子を図7に示す。
図7から判るように、延伸後のガラス母材Wにはくびれ
等の径変動がなく、延伸開始から100mm程度で目標径
とすることができ、歩留りの高いものとなっている。さ
らに、延伸後のガラス母材Wの定常部の外径を測定して
みると、従来の延伸方法で延伸した場合と同程度の径精
度を維持していることが判った。
速度と加熱源のガス量は同条件で、直径65mmφの石英
ガラス母材を直径50mmφまで延伸した。本比較例で
は、延伸開始時から、チャック5、5の間隔を拡げる速
度を定常時の速度である8.6mm/minに制御して延伸を
行なった。
の引張り張力が変動する様子を図6に示す。図6から判
るように、母材Wの引張り張力は、加熱源7が100mm
移動するまでの延伸初期において、定常時の引張り張力
の3倍の300kgf/cm2となっており、ガラス母材Wに
加わる引張り張力は、かなり大きいものとなることが判
る。また、本比較例における延伸後のガラス母材Wの径
変動の様子を図7に実施例と共に示した。図7から判る
ように、延伸後のガラス母材Wには延伸開始から100
mm程度の箇所に大きなくびれが残り、その後も延伸開始
から300mm程度の箇所までうねりが続くため、この部
分は製品として使えず歩留りは低いものとなっている。
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
示したようなガラス母材の両端をチャックで保持する形
式のみならず、ローラ等で母材を引き取ることにより延
伸する形式の装置もあるが、このような延伸装置であっ
ても実質的に本発明の技術思想を適用することができ、
本発明の範囲に含まれる。また、ガラス母材を水平にし
て保持する場合だけではなく、垂直にして保持する場合
も本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
母材を延伸するにあたって、延伸初期はガラス母材の引
張り張力を定常時の引張り張力の110%以下になるよ
うにチャックの間隔を拡げる速度を制御しつつ延伸し、
加熱源が所定距離を移動した後にチャックの間隔を拡げ
る速度を定常時の速度に切換えることにより、延伸初期
の径変動を防止することができ、光ファイバ等を製造す
る際の歩留りを向上させることができる。
ある。
ラス母材が延伸される様子を示した図である。
る。
ス母材が延伸される様子を示した図である。
り張力が変動する様子を示した図である。
り張力が変動する様子を示した図である。
材Wの延伸後の径変動を示した図である。
…コラム、5…チャック、 6…移動台、 7…加熱
源、 8…外径測定器、9…制御手段、 10…引張り
張力測定手段、W…ガラス母材、 Wd…ダミー。
Claims (5)
- 【請求項1】 ガラス母材の長手方向両端部をそれぞれ
チャックで直接または間接的に保持して、加熱源をガラ
ス母材の長手方向に相対的に移動させながら加熱し、チ
ャックの間隔を拡げることによりガラス母材を延伸する
方法において、 延伸初期はガラス母材の引張り張力を定常時の引張り張
力の110%以下になるようにチャックの間隔を拡げる
速度を制御しつつ延伸し、加熱源が所定距離を移動した
後にチャックの間隔を拡げる速度を定常時の速度に切換
えることを特徴とするガラス母材の延伸方法。 - 【請求項2】 前記チャックの間隔を拡げる速度を切換
える所定距離を50〜150mmとすることを特徴とする
請求項1に記載のガラス母材の延伸方法。 - 【請求項3】 延伸初期はガラス母材の引張り張力を定
常時の引張り張力の80〜110%になるようにチャッ
クの間隔を拡げる速度を制御しつつ延伸することを特徴
とする請求項1または請求項2に記載のガラス母材の延
伸方法。 - 【請求項4】 ガラス母材の長手方向両端部を直接また
は間接的に保持し且つ対向方向に相対移動可能な一対の
チャックと、保持されたガラス母材の長手方向に沿って
相対的に移動可能となり且つガラス母材を加熱すること
が出来る加熱源とを備えたガラス母材の延伸装置であっ
て、 ガラス母材の引張り張力を測定する測定手段、及び該測
定手段からの測定結果と加熱源の位置に基いてチャック
の間隔を拡げる速度を制御する制御手段を具備すること
を特徴とするガラス母材の延伸装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、延伸初期はガラス母材
の引張り張力を定常時の引張り張力の110%以下にな
るようにチャックの間隔を拡げる速度を制御し、加熱源
が所定距離を移動した後にはチャックの間隔を拡げる速
度を定常時の速度に切換えるように制御するものである
ことを特徴とする請求項4に記載のガラス母材の延伸装
置。
Priority Applications (14)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11235499A JP3909977B2 (ja) | 1999-04-20 | 1999-04-20 | ガラス母材の延伸方法及び延伸装置 |
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DE1999638158 DE69938158T8 (de) | 1998-11-05 | 1999-11-03 | Verfahren zum Herstellen einer Vorform und einer optischen Faser aus der Vorform |
DE69931825T DE69931825T8 (de) | 1998-11-05 | 1999-11-03 | Verfahren und Vorrichtung zum Herstellen einer Vorform und einer optischen Faser aus der Vorform |
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