JP2005289267A - 安全タイヤ用空気のう - Google Patents

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Abstract

【課題】 空気のうの剛性分布の適正化を図ることにより、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性の双方を高いレベルで両立させた空気のうを提供する。
【解決手段】 中空円管状の空気のう1は、タイヤ2に収納され、空気充填状態ではタイヤ2の内面との間に空間Sを形成し、ランフラット状態では拡径変形して、荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。空気のう1は、空気不透過層6と、この空気不透過層6の外面全体を密着包囲する支持層7とを具える。支持層7は、下部域10及び下側側部域13を高剛性部分で構成し、上側側部域12を低剛性部分で構成する。支持層7の、少なくともリム3と接触する外面部分4から、タイヤ2と接触する外面部分5にわたる特定外面領域Aに、リム3と空気のう1との間の空気の流動を可能にする流通路14を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用空気のうに関し、特にかかる空気のうの、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性の双方を高いレベルで両立させる。
パンク等によってタイヤ内圧が急激に低下したランフラット状態においてもある程度の距離の走行が可能である安全タイヤとしては、補強チューブ、補強ゴム、補強ベルト等の補強部材、又は発泡体、弾性体、中子等にタイヤ負荷を肩代わり支持させるタイヤや、シーラント剤を塗布又は充填してタイヤに生じた孔等の損傷部を塞いで内圧低下を防止したタイヤ等が知られている。しかし、これら従来の安全タイヤは、製造方法が複雑になる上、装着時の取扱いに難点がある場合が多かった。
かかる問題を解消するため、例えば特許文献1及び2には、安全タイヤの内部に収容されて、タイヤの内圧が低下するランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の空気のう及びこれを用いた安全タイヤが記載されている。
これらのタイヤでは、空気のうによりタイヤ内部の空気流動が阻害されるため、空気がタイヤと空気のうの間の空間部内で流動するにとどまり、特に冷却効果の高いリム外面まで流動することはできない。この結果、発熱したトレッド部の温度を充分に低下させることができず、充分なタイヤ耐久性が得られない上、タイヤ内部の空気の温度がトレッド側とリム側とで大きく異なるという温度分布の不均一化も生じ、これはタイヤ故障を事前に検知する等の目的でタイヤ内部の温度を測定するためにタイヤ内部に装着する温度センサーに大きな誤差を生じさせることになるため好ましくない。
こうした問題を解決するため、本出願人は特願2003−154134号明細書及び図面において、タイヤと、その内部に配設された中空円管状をなす空気のうとを具え、これらをリムに装着し、所定の空気圧を適用した空気充填状態では、空気のうの外面とタイヤの内面との間に空間部が形成され、一方、タイヤの内圧が低下するランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って空気のうが拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりする構造を有する安全タイヤにおいて、空気のうは、前記空気充填状態にて、少なくともリムと接触する外面部分からタイヤと接触する外面部分にわたる特定外面領域に、空気のうの周方向と交差する方向に延びる隆起部を設けて、空気がリムと空気のうとの間を流動できる流通路を形成し、この流通路の最適化を図った安全タイヤを提案した。かかるタイヤでは、タイヤの内部に空気のうを収容した際にも、空気充填状態にてタイヤ内部に充填された空気をタイヤ内部全体にわたって円滑に流動させることにより、タイヤ内の温度分布を比較的均一に保つことができる。
かかる空気のうにおいては、隆起部の形状を保持して空気充填状態でのタイヤ内部の空気の流動を確保する観点からは、空気のうを硬質のゴムで構成することが好ましいが、この場合には、ランフラット状態での空気のうとタイヤ内面全体との均等な密着を実現することが困難となり、空気のうの荷重支持能力、耐久性等が低下するおそれがある。反対に、空気のうを軟質のゴムで構成すると、ランフラット状態で空気のうとタイヤ内面全体が均等に密着するので、ランフラット耐久性は向上するものの、空気充填状態において、空気のうの内圧により隆起部が変形し、流通路の断面積が減少して、充分な空気の流動を得ることができなくなる状況が生じるおそれがある。
特開2001−10314号公報 特開2003−136923号公報
したがって、この発明の目的は、空気のうの剛性分布の適正化を図ることにより、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性の双方を高いレベルで両立させた空気のうを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用空気のうにおいて、該空気のうは、その内圧を保持するための空気不透過層と、該空気不透過層の外面全体を密着包囲する支持層とを具え、該支持層を、タイヤ収納状態にて、タイヤのトレッド部内面と対向する上部域、リムと対向する下部域、及びこれら上部域と下部域の間にわたって延びる側部域に区分し、該側部域を、上部域に隣接する上側側部域と下部域に隣接する下側側部域とにさらに区分したときの下部域及び下側側部域を、硬質ゴムからなる単一材料及び/又は硬質ゴムと繊維からなる複合材料の高剛性部分で構成し、上側側部域を、軟質ゴムからなる単一材料及び/又は軟質ゴムと繊維からなる複合材料の低剛性部分で構成し、かつ支持層の、少なくともリムと接触する外面部分から、タイヤと接触する外面部分にわたる特定外面領域に、リムと空気のうとの間の空気の流動を可能にする流通路を有することを特徴とする安全タイヤ用空気のうである。
本明細書において「所定の空気圧」とは、空気のうを収容する安全タイヤに対して、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定され、負荷能力に応じて特定される空気圧をいうものとする。また、「所定の空気圧との関係で設定された内圧」とは、タイヤに所定の空気圧を適用した空気充填状態では、空気のうの外面とタイヤの内面との間に空間部を形成することができ、一方、タイヤの内圧が低下したランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って空気のうが拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりすることができる内圧をいい、好ましくは所定の空気圧±20%の範囲をいうものとする。さらに、「硬質ゴム」とは、空気充填状態にて流通路の形状を保持できる程度の弾性を有するゴムのことをいい、「軟質ゴム」とは、ランフラット状態にて空気のうの拡径変形を妨げない程度の弾性を有するゴムのことをいうものとする。
タイヤの種類は特に限定されず、ラジアルタイヤであってもバイアスタイヤであってもよい。また、空気不透過層の材質は特に限定されず、例えばブチルゴムからなるチューブやポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムを用いることができる。さらに、ゴムと繊維の複合材料としては、空気のうの周方向に沿って直線状又は波状に延在する複数本の繊維コードをゴム被覆したもの、又はキャンバス若しくは不織布とゴムシートを組み合わせたものとすることができる。不織布としては、繊維が配向性を有しないものが好ましい。
また、高剛性部分を構成する硬質ゴムの弾性率は8.0MPa以上であることが好ましい。なお、ここで「弾性率」とはJIS K 6251−1993に従って測定された値をいうものとする。
さらに、低剛性部分を構成する軟質ゴムの弾性率は、3.5MPaより大きく8.0MPaより小さいことが好ましい。
さらにまた、軟質ゴムの破断伸度は300%以上であることが好ましい。なお、ここで「破断伸度」とはJIS K 6251−1993に従って測定された値をいうものとする。
加えて、軟質ゴムの破断伸度は、硬質ゴムの破断伸度よりも大きいことが好ましい。
加えてまた、上側側部域と下側側部域の境界位置は、タイヤに接触する空気のうの外面のタイヤ径方向最外位置である最外接触位置から空気のうの外面に沿って測定して、±20mmの範囲内にあることが好ましい。なお、この測定値は、タイヤに所定の空気圧を適用し、空気のうに前記所定の空気圧との関係で設定された内圧を適用した状態で測定するものとし、境界位置が最外接触位置のタイヤ径方向外側にある場合を正の値とし、タイヤ径方向内側にある場合を負の値とするものとする。
この発明によれば、空気のうの剛性分布の適正化を図ることにより、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性の双方を高いレベルで両立させた空気のうを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な空気のうを収容した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図であり、図2(a)及び(b)は図1に示す空気のうの特定外面領域の一部の断面斜視図である。
空気のう1は中空円管状をなしており、タイヤ2に収納されて安全タイヤを形成している。この安全タイヤをリム3に装着してタイヤ組立体を形成する。そして、タイヤ2には所定の空気圧を充填し、空気のう1にタイヤ2の所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気を充填すると、図1に示すように、タイヤ2内には空間Sが、空気のう1内には空間Sがそれぞれ形成される。この空気充填状態では、空気のう1は、リム3と接触する外面部分4、及びタイヤ2と接触する外面部分5を有する。一方、パンク等によりタイヤ2の空間Sの内圧が急激に低下すると、空間Sと空間Sとの内圧差が生じる結果、空気のう1が拡径変形して最終的にはタイヤ2の内面に達し、荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、空気のう1が、その内圧を保持するための空気不透過層6と、この空気不透過層6の外面全体を密着包囲する支持層7とを具え、この支持層7を、タイヤ2のトレッド部8内面と対向する上部域9、リム3と対向する下部域10、及びこれら上部域9と下部域10との間にわたって延びる側部域11に区分し、側部域11を、上部域9に隣接する上側側部域12と下部域10に隣接する下側側部域13とにさらに区分したときの下部域10及び下側側部域13を、硬質ゴムからなる単一材料及び/又は硬質ゴムと繊維からなる複合材料の高剛性部分で構成し、上側側部域12を、軟質ゴムからなる単一材料及び/又は軟質ゴムと繊維からなる複合材料の低剛性部分で構成し、かつ支持層7の、少なくともリム3と接触する外面部分4から、タイヤ2と接触する外面部分5にわたる特定外面領域A(図1では太線部で示す。)に、図2(a)に示すような、リム3と空気のう1との間の空気の流動を可能にする流通路14を有することにある。
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
タイヤが負荷転動する際には、路面との摩擦、負荷による繰り返し弾性変形、タイヤの転がり抵抗及びゴム物性等に起因してタイヤ、特にトレッド部8に多くの熱が発生するが、通常、発生した熱はタイヤ2内の空気の流動によりリム3に伝達され、ここから放熱されることによってタイヤ2内の空気の温度分布が比較的均一になる。しかし、従来の空気のう収容型安全タイヤにおいては、タイヤ2内の空間部S1及び空気のう1内の空間部S2の双方に所定の空気圧バランスで空気が充填され、通常走行時には、図1に示すように空気のう1がある程度膨らみ、リム3と接触する外面部分4及びタイヤ2と接触する外面部分5を形成するため、トレッド部8により加熱された空気は空間S1内だけで流動することになり、放熱効果の高いリム3に向かう空気の流動は妨げられる。この結果、トレッド部8の温度は上昇を続け、ついには熱によってトレッド部8が劣化して、タイヤ故障が早期に発生する場合がある。
発明者は、支持層7の、少なくともリムと接触する外面部分4から、タイヤと接触する外面部分5にわたる特定外面領域Aに、空気がリム3と空気のう1との間を流動できる流通路14を形成すれば、トレッド部8で発生した熱は、空気によりリム3に運ばれここからも放熱されるので、タイヤ2内の空気の温度をタイヤ2内部全体にわたって比較的均一にすることができ、空間部S1の空気の温度を低下させ、ひいてはトレッド部8の温度上昇を抑制することができるとの着想を得た。
この際、支持層7全体を硬質ゴムからなる単一材料及び/又は硬質ゴムと繊維からなる複合材料で構成して剛性を高めれば、空間S1内の圧力と空間S2内の圧力との差が大きい等の場合にも流通路14の形状を保持することができるので、タイヤ2内部の空気の流動を確保し、トレッド部8の温度上昇を有効に抑制できることから好ましい。しかし、このように剛性の高い空気のうでは、空間S1内の圧力が低下した場合にも、空気のう1の側部域11が充分に拡径変形できず、空気のう1とタイヤ2の内面全体との均等な密着を実現することができないことから、ランフラット走行時の空気のうの荷重支持能力、耐久性等が低下するおそれがある。反対に、支持層7全体を軟質ゴムからなる単一材料及び/又は軟質ゴムと繊維からなる複合材料で構成して剛性を低下させれば、空間S1内の圧力が低下した場合に、空気のう1の側部11が円滑に拡径変形することが可能となり、空気のう1とタイヤ2の内面全体との均等な密着を実現することができるので、ランフラット走行時の空気のうの荷重支持能力、耐久性等が向上するものの、特定外面領域Aの剛性も低下することから、図2(b)に示すように、空気充填状態において、空気のう1の内圧により支持層7が変形し、流通路14の断面積が減少して、充分な空気の流動を得ることができなくなる状況が生じるおそれがある。このように、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性とは二律背反の関係にあった。
そこで発明者は、下部域10及び下側側部域13を、硬質ゴムからなる単一材料及び/又は硬質ゴムと繊維からなる複合材料の高剛性部分で構成すれば、流通路14の断面積の減少を抑制することができ、一方、上側側部域12を、軟質ゴムからなる単一材料及び/又は軟質ゴムと繊維からなる複合材料の低剛性部分で構成すれば、空間S1内の圧力が低下した際に空気のう1が円滑に拡径変形でき、この結果、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性の双方を高いレベルで両立できることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
また、高剛性部分を構成する硬質ゴムの弾性率は8.0MPa以上であることが好ましい。硬質ゴムの弾性率が8.0MPa未満の場合には、支持層7の剛性が不足し、空気のう1内の圧力に伴う押圧力により流通路14の断面積が減少するのを有効に抑制することができなくなるおそれがあるからである。
さらに、低剛性部分を構成する軟質ゴムの弾性率は、3.5MPaより大きく8.0MPaより小さいことが好ましい。軟質ゴムの弾性率が3.5MPa以下の場合には、支持層7の剛性が不足し、空気充填状態で空気のう1を適正な形状に保つことが困難となるからであり、8.0MPa以上の場合には、ランフラット状態にて、空気のう1が拡径変形した際に、空気のう1とタイヤ2の内面全体との良好で均等な密着を実現することが困難となり、ランフラット耐久性の向上が見込めないからである。
さらにまた、軟質ゴムの破断伸度は300%以上であることが好ましい。軟質ゴムの破断伸度が300%未満の場合には、ランフラット状態にて、空気のう1が充分に拡径変形できず、空気のう1とタイヤ2の内面全体との均等な密着を実現することが困難となり、ランフラット耐久性を維持できないおそれがあるからである。
加えて、軟質ゴムの破断伸度は、硬質ゴムの破断伸度よりも大きいことが好ましい。これによれば、空間S1内の圧力が低下した場合の空気のう1の拡径変形は、常に低剛性部分から開始され、次いで高剛性部分へと伝播されるので、空気のう1が所期した形状に適正に拡径変形することができるからである。
図3は、図1に示す安全タイヤの要部の幅方向断面拡大図で示す。図3に示すように、上側側部域12と下側側部域13の境界位置15は、タイヤ2に接触する空気のう1の外面のタイヤ径方向最外位置である最外接触位置16から空気のう1の外面に沿って測定して、±20mmの範囲内にあることが好ましい。境界位置15と最外接触位置16との距離が+20mmより大きい場合には、側部域11に占める低剛性部分の割合が小さくなりすぎ、ランフラット状態にて、空気のう1が拡径変形した際に、空気のう1とタイヤ2の内面全体との均等な密着性の向上を実現することが困難となり、ランフラット耐久性の向上は見込めないからであり、境界位置15と最外接触位置16との距離が−20mmより小さい場合には、特定外面領域Aに占める低剛性部分の割合が大きくなりすぎ、空気のう1内の圧力により流通路14の断面積が減少するのを有効に抑制することができなくなるおそれがあるからである。ここで、図3のように、上側側部域12と下側側部域13の境界が傾斜しており、空気のう1の外面に垂直でない場合には、この境界の中心点をもって境界位置15とする。
なお、上部域9については、空間S2内の圧力が充分に高い場合には、軟質ゴムからなる単一材料及び/又は軟質ゴムと繊維からなる複合材料で構成し、空気のう1を従来のチューブ入りタイヤのチューブのように機能させることもできるが、空気充填状態での遠心力の作用等による不測の拡径変形を防止するとともに、ランフラット状態でタイヤ2を充分に補強する観点からは、硬質ゴムからなる単一材料及び/又は硬質ゴムと繊維からなる複合材料で構成することが好ましい。
なお、上述したところは、この発明の実施態様の一部を示したにすぎず、請求の範囲に
おいて種々の変更を加えることができる。例えば、流通路14の断面形状は、空気充填状態で流通路14の断面積を確保できる形状であればよく、例えば図2(a)に示すような矩形状としてもよく、また図4(a)に示すような台形状としてもよい。また、図4(b)に示すように、隣接する流通路14を連通する複数本の補助路17を設けてもよい。さらに、下部域と下側側部域を一体に成形してもよく、上部域と上側側部域を一体に成形してもよいが、これらの領域を別体に成形してもよい。
次に、この発明に従う安全タイヤ用空気のうを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1〜8の空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用空気のうであり、厚さ5.0mmのブチルゴムからなる空気不透過層の外面全体を支持層で密着包囲し、側部域を硬質ゴムと繊維からなる複合材料の高剛性部分及び軟質ゴムと繊維からなる複合材料の低剛性部分で構成し、特定外面領域に図2(a)に示す断面形状を有する流通路を設けてなり、表1に示す諸元を有する。
比較のため、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用空気のうであり、実施例1〜7と同じ空気不透過層の外面全体を、硬質ゴムと繊維からなる複合材料のみからなる支持層で密着包囲し、上部域及び下部域を実施例1〜8と同じ硬質ゴムと繊維からなる複合材料で構成し、特定外面領域に実施例1〜8と同じ流通路を設けてなるものの、表1に示す諸元を有し、側部域が高剛性部分のみで構成された空気のう(比較例1及び2)、及び側部域が低剛性部分のみで構成された空気のう(比較例3)についても併せて試作した。
前記各供試空気のうに対し、次の各項目の評価を行った。
1.ランフラット状態での耐久性
前記各供試空気のうをタイヤに収容し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とした。このタイヤ車輪をテスト車両に装着して、空気のうを含むタイヤの内圧を900kPa(相対圧)とし、空気のうの内圧を970kPa(相対圧)とし、タイヤ負荷荷重:56.88kNを適用し、タイヤのバットレス部を爆破してランフラット状態にした後、走行速度60km/hの条件下で舗装路面のテストコースを走行させ、タイヤが故障するまでの走行距離を測定し、この測定値によって耐久性を評価した。この評価結果を表1に示す。
2.空気充填状態での放熱性
前記と同じタイヤ車輪を用い、前記と同じ内圧及びタイヤ負荷荷重を適用し、走行速度:60km/hの条件下でドラム試験機上を4時間走行させた後、タイヤ内の空間部とリムとの温度差を図1に示す点a及びbの2箇所の位置で測定し、この測定値によって放熱性を評価した。この測定結果を表1に示す。
なお、表1の評価結果の数値は、比較例を100としたときの指数比で示してあり、数値の大きいほど耐久性及び放熱性が優れている。
Figure 2005289267
表1に示す評価結果から、実施例1〜8の空気のうは、側部域が高剛性部のみで構成された比較例1及び2の空気のうと比較して、空気充填状態での放熱性は同等に維持しながらランフラット状態での耐久性が大幅に向上していることが分かる。また、側部域が低剛性部のみで構成された比較例3の空気のうと比較して、ランフラット状態での耐久性は同等以上としながら、空気充填状態での放熱性が大幅に向上していることが分かる。したがって、実施例1〜8の空気のうは、比較例1〜3の空気のうと比較して総合的な性能に優れていることが分かる。
この発明により、空気のうの剛性分布の適正化を図って、ランフラット状態での耐久性と空気充填状態での放熱性の双方を高いレベルで両立させた空気のうを提供が可能となった。
この発明に従う代表的な空気のうを収容した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 (a)及び(b)は図1に示す空気のうの特定外面領域の一部の断面斜視図である。 図1に示す安全タイヤの要部の幅方向断面図である。 (a)及び(b)は特定外面領域に設けた流通路の他の実施態様を示す図である。
符号の説明
1 空気のう
2 タイヤ
3 リム
4 リムと接触する外面部分
5 タイヤと接触する外面部分
6 空気不透過層
7 支持層
8 トレッド部
9 上部域
10 下部域
11 側部域
12 上側側部域
13 下側側部域
14 流通路
15 境界位置
16 最外接触位置
17 補助路

Claims (6)

  1. タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用空気のうにおいて、
    該空気のうは、その内圧を保持するための空気不透過層と、該空気不透過層の外面全体を密着包囲する支持層とを具え、
    該支持層を、タイヤ収納状態にて、タイヤのトレッド部内面と対向する上部域、リムと対向する下部域、及びこれら上部域と下部域の間にわたって延びる側部域に区分し、該側部域を、上部域に隣接する上側側部域と下部域に隣接する下側側部域とにさらに区分したときの下部域及び下側側部域を、硬質ゴムからなる単一材料及び/又は硬質ゴムと繊維からなる複合材料の高剛性部分で構成し、上側側部域を、軟質ゴムからなる単一材料及び/又は軟質ゴムと繊維からなる複合材料の低剛性部分で構成し、かつ支持層の、少なくともリムと接触する外面部分から、タイヤと接触する外面部分にわたる特定外面領域に、リムと空気のうとの間の空気の流動を可能にする流通路を有することを特徴とする安全タイヤ用空気のう。
  2. 前記高剛性部分を構成する硬質ゴムの弾性率は8.0MPa以上である、請求項1に記載の安全タイヤ用空気のう。
  3. 前記低剛性部分を構成する軟質ゴムの弾性率は、3.5MPaより大きく8.0MPaより小さい、請求項1又は2に記載の安全タイヤ用空気のう。
  4. 前記軟質ゴムの破断伸度は300%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の安全タイヤ用空気のう。
  5. 前記軟質ゴムの破断伸度は、前記硬質ゴムの破断伸度よりも大きい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の安全タイヤ用空気のう。
  6. 上側側部域と下側側部域の境界位置は、タイヤに接触する空気のうの外面のタイヤ径方向最外位置である最外接触位置から空気のうの外面に沿って測定して、±20mmの範囲内にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の安全タイヤ用空気のう。
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