JP2007112236A - 安全タイヤ用空気のう及び安全タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】気体不透過層及びフープ補強層を適正に配置することによって、タイヤの内圧が低下した際の空気のうの迅速拡張性、均一性拡張性、及びランフラット走行中の振動レベル等のランフラット性能を向上する。
【解決手段】安全タイヤ用空気のう1は、中空円環状をなし、内部空間に気体を保持する気体不透過層2と、空気のうのクラウン部に配設され、タイヤ内圧正常状態では空気のうに加わる張力を負担して空気のうの径拡張を抑制し、タイヤ内圧低下状態ではタイヤ内面まで伸長し、又は破断するフープ補強層3とを具える。気体不透過層2及びフープ補強層3のうちの少なくとも2層が、シート状又はチューブ状の材料を周方向に1周以上巻回し、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部4、5を形成してなるオーバーラップ層である。これらオーバーラップ部4、5が周方向に分散して配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】安全タイヤ用空気のう1は、中空円環状をなし、内部空間に気体を保持する気体不透過層2と、空気のうのクラウン部に配設され、タイヤ内圧正常状態では空気のうに加わる張力を負担して空気のうの径拡張を抑制し、タイヤ内圧低下状態ではタイヤ内面まで伸長し、又は破断するフープ補強層3とを具える。気体不透過層2及びフープ補強層3のうちの少なくとも2層が、シート状又はチューブ状の材料を周方向に1周以上巻回し、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部4、5を形成してなるオーバーラップ層である。これらオーバーラップ部4、5が周方向に分散して配置されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の内圧との関係で設定された内圧で気体が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧が低下した状態では拡径変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうに関し、特にかかる空気のうのランフラット性能の向上を図る。
パンク等によってタイヤ内圧が急激に低下したランフラット状態においてもある程度の距離の走行が可能である安全タイヤとして、安全タイヤの内部に収納されて、タイヤの内圧が低下するランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりするチューブ状の空気のうが知られている(例えば特許文献1参照。)。しかし、かかる空気のうでは、タイヤの負荷転動に伴い発生する熱や遠心力の作用により、空気のうが周方向外方に径成長してその外面がトレッド部の内周面等に接触して擦れ、最終的には空気のうが破損するおそれがあった。
かかる空気のうの径成長を抑制するため、例えば特許文献2には、かかる空気のうの少なくともクラウン部に補強層を配設することで正常内圧状態での径成長を抑制するとともに、その補強層に、引張力が漸増するにつれて、その拡張変形による伸びが実質的に増加する伸長率−引張力特性を示す物性を付与することによって、内圧低下状態に空気のうを均一にタイヤと接触させることが記載されている。また、特許文献3には、空気のうを構成するチューブのクラウン部の外周上に、それとは別体に形成するか、または小さなはく離強さで接合してなる補強層をその全周にわたって装着することが記載されている。かかる補強層は、例えば特許文献4に記載されているように、シート状材料を成型ドラムに貼り付け、両端部をオーバーラップさせて接合することによってリング状部材を形成し、これを気体不透化性のチューブのクラウン部に配設して構成されるのが一般的である。
前記のようなオーバーラップ部を有する空気のうでは、オーバーラップ部の質量及び剛性が他の部分に比べて高いため、内圧低下時に空気のうが均一に拡径変形しなかったり、ランフラット走行中に振動が発生したりする場合があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、内圧低下時の迅速拡張性、均一性拡張性、及びランフラット走行中の振動レベル等のランフラット性能の向上を図った安全タイヤ用空気のう及びかかる空気のうを有する安全タイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明の安全タイヤ用空気のうは、タイヤに収納され、該タイヤの所定の内圧との関係で設定された内圧で気体が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧が低下した状態では拡径変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうにおいて、該空気のうは、中空円環状をなし、内部空間に気体を保持する少なくとも1層の気体不透過層と、空気のうのクラウン部に配設され、タイヤ内圧正常状態では空気のうに加わる張力を負担して空気のうの径拡張を抑制し、タイヤ内圧低下状態ではタイヤ内面まで伸長し、又は破断する少なくとも1層のフープ補強層とを具え、前記気体不透過層及びフープ補強層のうちの少なくとも2層が、シート状又はチューブ状の材料を周方向に1周以上巻回し、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部を形成してなるオーバーラップ層であり、これらオーバーラップ部を周方向に分散して配置することを特徴とする。
本明細書において「所定の内圧」とは、補強空気のうを収納する安全タイヤに対して、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定され、負荷能力に応じて特定される内圧をいうものとする。また、「所定の内圧との関係で設定された内圧」とは、タイヤに所定の内圧を適用した空気充填状態では、補強空気のうの外面とタイヤの内面との間に空間部を形成することができ、一方、タイヤの内圧が低下したランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って補強空気のうが拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりすることができる内圧をいい、より具体的には所定の内圧より大きい内圧を意味し、好適には所定の内圧+20%以下の範囲をいうものとする。
また、オーバーラップ部は、周方向に沿って計測した長さが10〜200mmの範囲内にあることが好ましい。
さらに、オーバーラップ層の端部は、周方向に対する傾斜角が20〜70°の範囲内にあることが好ましい。
さらにまた、オーバーラップ部は6個以下であり、隣接するオーバーラップ部間の中心角が60°以上であることが好ましい。ここで「隣接するオーバーラップ部間の中心角」とは、径方向断面で見た空気のうの外周面を円と仮定し、隣接するオーバーラップ部間にわたって延びる円弧に対応する中心角を意味するものとする。
さらにまた、オーバーラップ部は周方向に略等間隔に分散して配置されることが好ましい。ここで「略等間隔」とは、オーバーラップ部の個数をnとして、隣接するオーバーラップ部間の中心角が(360/n)±5°の範囲内にあることをいうものとする。
加えて、フープ補強層は、幅方向中央域と両幅方向側方域に区分したときの幅方向中央域の周方向強力が両幅方向側方域のそれよりも低いことが好ましく、この場合には、幅方向中央域での層数が両幅方向側方域での層数よりも少ないことがさらに好ましい。なお、ここでいう「幅方向中央域」とは、フープ補強層の幅中心を中心としてフープ補強層の幅の5〜40%の範囲内の幅を有する領域をいうものとし、「幅方向側方域」とは、この幅方向中央域の両側に位置する領域をいうものとする。
そして、この発明に従う安全タイヤは、前記のいずれかの空気のうを有するものである。
この発明によれば、気体不透過層及びフープ補強層を適正に配置することによって、タイヤの内圧が低下した際の空気のうの迅速拡張性、均一性拡張性、及びランフラット走行中の振動レベル等のランフラット性能を向上することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な安全タイヤ用空気のうの部分断面斜視図であり、図2は、図1に示す空気のうの径方向断面図である。
図1に示す空気のう1は、中空円環状に形成された気体不透過層2と、クラウン部に配設されたフープ補強層3とを具える。気体不透過層2は、例えば従来のチューブ入りタイヤに用いるチューブと同様にブチルゴムからなるチューブで構成することができ、このチューブだけではタイヤ内圧正常時にも拡張変形するおそれがある場合には、例えば不織布とゴムの複合体をさらに用いて、この複合体に張力を負担させることもできる。あるいは、不織布とゴムの複合体の内面又は外面に、気体透過率の低い樹脂フィルムを貼り付けて気体不透過層2を構成することもできる。図示の態様において、気体不透過層2は、チューブ状の部材を環状に曲げ、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部4とすることで形成されている。この気体不透過層2の内部にタイヤの所定の内圧との関係で設定された内圧で気体が充填されると、空気のう1のクラウン部が膨出しようとする。クラウン部が膨出した状態では、タイヤの転動に伴う遠心力の作用により、クラウン部がタイヤの内面にまで到達し、損傷するおそれがあるので、クラウン部にフープ補強層3を配設することで空気のうの周方向剛性を高め、内圧適用時にも空気のう1を偏平断面形状に維持している。このフープ補強層3は、例えば不織布とゴムの複合体をシート状に形成したもの、又は樹脂シートで構成することができ、これを気体不透過層2の外面に巻回して、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部5とすることで形成されている。
この空気のう1において、タイヤ内圧が低下した場合には、空気のうに加わる張力が増大するので、フープ補強層3が伸長し、又は破断し、これに伴って気体不透過層2が伸長して、空気のう1の全体がそれを収容したタイヤの内面に当接するまで拡径変形し、荷重の支持をタイヤから肩代わりする。この際、空気のうが均一に拡径変形しないと、安全タイヤ全体のユニフォミティが悪化し、ランフラット走行中に振動が発生し、操縦性及び乗心地性が低下するおそれがある。空気のうの均一拡張を妨げる一つの要因としては、気体不透過層2及び/又はフープ補強層3が、前述したようにシート状又はチューブ状の材料を周方向に1周以上巻回し、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部4、5を形成してなるオーバーラップ層である場合に、これらオーバーラップ部4、5の剛性が高くなることが挙げられる。特に、オーバーラップ部4及び5が周上で重なっていると、その部分の剛性が特に高くなり、タイヤ内圧低下時にもオーバーラップ部4、5での空気のう1の拡径速度が遅く、空気のうが偏って拡径変形し、ユニフォミティが悪化する。さらに、オーバーラップ部4及び5が重なって存在すると、その部分での空気のう1の厚さが他の部分より大きくなるため、空気のうの製造時のステッチングが困難となり、成型性が悪化するという問題もある。そこで、この発明の空気のうでは、オーバーラップ部4とオーバーラップ部5を周方向に分散して配置することにより、他の部分に比して極端に剛性が高い部分及び厚さが大きい部分が形成されることを防止し、ユニフォミティ及び成型性の悪化を最小限に抑制している。
オーバーラップ部4、5を周方向に沿って計測した長さL1、L2は、それぞれ10〜200mmの範囲内にあることが好ましい。これらの長さL1、L2が10mm未満の場合には、オーバーラップ部の接合強度が不足し、タイヤ内圧低下時にオーバーラップ部の接合が外れ、この部分が先行して拡張変形する結果、偏拡張を招き、ユニフォミティが悪化するおそれがある。また、これらの長さL1、L2が200mm超の場合には、剛性の高いオーバーラップ部に比して剛性の低いオーバーラップのない部分が少なくなりすぎ、やはり均一な拡張変形が妨げられるおそれがある。より好ましい範囲は20〜80mmである。
図3は、他の実施態様の空気のうのオーバーラップ層6のオーバーラップ部7近傍における展開図である。このように、オーバーラップ層6の端部は周方向に対して斜めに切断してあることが好ましく、その傾斜角αを20〜70°の範囲内とすることがさらに好ましい。傾斜角αが70°超と大きくなり、オーバーラップ層6の端部が周方向に対して直角に近くなるほど、オーバーラップ部7の剛性段差が大きくなり、この剛性段差に応力が集中し、オーバーラップ層6が破壊されるおそれがあるからであり、傾斜角αが20°未満と小さいと、裁断、貼り付け、ステッチング等の作業性が著しく低下するからである。特に傾斜角αを30〜60°の範囲内とすることが好ましく、最も好ましい傾斜角αは45°である。
タイヤ内圧低下時に空気のうを迅速に拡張変形させるためには、空気のうの内圧を高くすることが有効であるが、この場合には空気のうには大きな張力が加わり、クラウン部が膨出変形しようとする。そこで、図4に示すように、複数層のフープ補強層3a、3b、3c、3dを積層して用い、これらフープ補給層3a〜3dに分担して張力を負担させる。これにより、タイヤと空気のうの内圧差を大きくした場合であっても、空気のうを偏平な断面形状に保つことができる。また、このように多数個のオーバーラップ部が存在する場合には、隣接するオーバーラップ部4と5a、5aと5b、5bと5c、5cと5d、5dと4の間の中心角β1、β2、β3、β4、β5はそれぞれ60°以上であることが好ましい。これは、中心角が60°未満となると、隣接するオーバーラップ部同士が近くなりすぎて、これらオーバーラップ部の間の剛性が高くなり、偏拡張の原因となるおそれがあるからである。また、全ての中心角を60°以上とするために、オーバーラップ部の個数を6個以下とすることが好ましい。
隣接するオーバーラップ部の間隔は不均一であってもよいが、ユニフォミティを高める観点からは、周方向に略等間隔に分散して配置されることが好ましい。例えば、図4に示す態様では、オーバーラップ部は5個あるので、隣接するオーバーラップ部間の中心角β1〜β5がそれぞれ72°であることが好ましい。
また、空気のうは、周方向のみならず幅方向にも均一に拡径変形することが好ましく、このため、フープ補強層は、幅方向中央域と両幅方向側方域に区分したときの幅方向中央域の周方向強力が両幅方向側方域のそれよりも低くすることが好ましい。クラウン部の剛性が均一となるように構成された空気のうでは、直進走行中にパンクした場合には空気のうが均一に拡径変形することから問題は生じないが、強い横Gのかかるコーナリング中にパンクした場合には比較的大きな張力の加わっている側、すなわちコーナー外側から先に拡張変形するため、いわゆる片膨れをする。これに対して、フープ補強層の幅方向中央域の周方向強力を小さくしておけば、コーナリング中に内圧が低下した場合にも、クラウン部の幅方向中央域が最先に拡張変形してタイヤの内面と接触するため、空気のうとタイヤが略均一に接触する。この結果、タイヤのトレッド部の接地形状を通常走行時のそれと略同一に保つことができることから操縦安定性を維持できる上、タイヤと空気のうの偏った接触がないことから直進走行中にパンクした場合と同等のランフラット耐久性を維持できるため、パンク発生時の走行状態にかかわらず、安定したランフラット走行性能を得ることができるのである。
このようにフープ補強層の幅方向中央域の周方向強力を両幅方向側方域のそれよりも低くするには、例えば図5に示すように、幅方向中央域には3a、3b、3c、3dの4層のフープ補強層を配設し、幅方向側方域にはこれらのフープ補強層に加えてさらに3eを配設することができる。これによれば、フープ補強層全体の剛性を確保しつつ、容易に幅方向中央域の周方向強力を両幅方向側方域のそれよりも低くすることができる。
このようにして形成された空気のう1を、図5に示すようにタイヤ8に収納すると、この発明の安全タイヤが得られる。空気のうを収納するタイヤの種類は特に限定されず、ラジアルタイヤであってもバイアスタイヤであってもよい。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、フープ補強層は、図2及び4に示すように、気体不透過層の周囲を1周するだけでなく、図6に示すように、1枚のシート状部材を複数回巻回して構成することもできる。この場合には、外周側の端部9が、内周側の端部10から径方向外側に延ばした直線を越えて延びている部分をオーバーラップ部5というものとする。また、図5に示すように、パンク孔から進入した石等の異物からフープ補強層を保護するために、フープ補強層の外周側に保護層11を配設することもできる。
次に、この発明に従う安全タイヤ用空気のう及び安全タイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1及び2の空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤに収納して用いられるものであり、ブチルゴムチューブの外面をアラミド不織布とゴムの複合体で覆い、これを1周させて形成した気体不透過層のクラウン部に、PET不織布とゴムの複合体を1周させて形成したフープ補強層を、幅方向中央域には4層、両幅方向側方域には5層配設している。また、実施例1及び2の空気のうは、隣接するオーバーラップ部間の中心角がいずれも60°であり、表1に示す諸元を有する。
比較のため、実施例1及び2の空気のうと同様に、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤに収納して用いられるものであり、実施例1及び2の空気のうと同様の気体不透過層及びフープ補強層を具える従来例並びに比較例1及び2の空気のうについても併せて試作した。従来例の空気のうは、気体不透過層及びフープ補強層がオーバーラップ部を形成しているものの、オーバーラップ部を周上で同一位置に配設している。比較例1の空気のうは、気体不透過層及びフープ補強層の両端部を突き合せ接合(オーバーラップ部の長さが0mm)しており、隣接する接合部間の中心角がいずれも60°であり、気体不透過層及びフープ補強層の端部が周方向に対して0°(比較例1)又は45°(比較例2)傾斜している。
従来例、比較例1及び2、並びに実施例1及び2の空気のうを、タイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とし、これをテスト車両に取り付けた。次いで、空気のうを含むタイヤの内圧を900kPa(相対圧)とし、空気のうの内圧を970kPa(相対圧)とした後、タイヤ負荷荷重:56.88kNを適用した。次いで、75Rのカーブを60km/hの速度で旋回中にバットレス部を爆破してランフラット走行状態にし、この状態で舗装路面のテストコースを走行したときの振動レベルをプロのドライバーによるフィーリングによってランフラット性能を評価した。その評価結果を表1に示す。なお、表1の評価結果は、振動が発生しなかったものをA、振動が発生したが走行には支障なかったものをB、走行に支障を来すほどの深刻な振動が発生したものをCとして示している。
表1に示す結果から、従来例と実施例1を比較すると、オーバーラップ部を周方向に分散して配置することにより、ランフラット走行時の振動レベルが低くなり、ランフラット性能が向上することが分かる。また、比較例1と比較例2、実施例1と実施例2のそれぞれの比較から、オーバーラップ部の長さが同一であっても、層の端部を周方向に対して傾斜させたものはランフラット性能が向上することが分かる。さらに、比較例1と実施例2、比較例2と実施例2のそれぞれの比較から、オーバーラップ部を形成することによってもランフラット性能が向上することが分かる。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、ランフラット性能の向上を図った安全タイヤ用空気のう及びかかる空気のうを有する安全タイヤを提供することが可能となった。
1 空気のう
2 気体不透過層
3、3a、3b、3c、3d フープ補強層
4 気体不透過層のオーバーラップ部
5、5a、5b、5c、5d フープ補強層のオーバーラップ部
6 オーバーラップ層
7 オーバーラップ層のオーバーラップ部
8 タイヤ
9 フープ補強層の外周側端部
10 フープ補強層の内周側端部
11 保護層
2 気体不透過層
3、3a、3b、3c、3d フープ補強層
4 気体不透過層のオーバーラップ部
5、5a、5b、5c、5d フープ補強層のオーバーラップ部
6 オーバーラップ層
7 オーバーラップ層のオーバーラップ部
8 タイヤ
9 フープ補強層の外周側端部
10 フープ補強層の内周側端部
11 保護層
Claims (8)
- タイヤに収納され、該タイヤの所定の内圧との関係で設定された内圧で気体が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧が低下した状態では拡径変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうにおいて、
該空気のうは、中空円環状をなし、内部空間に気体を保持する少なくとも1層の気体不透過層と、空気のうのクラウン部に配設され、タイヤ内圧正常状態では空気のうに加わる張力を負担して空気のうの径拡張を抑制し、タイヤ内圧低下状態ではタイヤ内面まで伸長し、又は破断する少なくとも1層のフープ補強層とを具え、
前記気体不透過層及びフープ補強層のうちの少なくとも2層が、シート状又はチューブ状の材料を周方向に1周以上巻回し、その両端部を重ね合わせてオーバーラップ部を形成してなるオーバーラップ層であり、
これらオーバーラップ部を周方向に分散して配置することを特徴とする安全タイヤ用空気のう。 - 前記オーバーラップ部は、周方向に沿って計測した長さが10〜200mmの範囲内にある、請求項1に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 前記オーバーラップ層の端部は、周方向に対する傾斜角が20〜70°の範囲内にある、請求項1又は2に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 前記オーバーラップ部は6個以下であり、隣接するオーバーラップ部間の中心角が60°以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 前記オーバーラップ部は周方向に略等間隔に分散して配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 前記フープ補強層は、幅方向中央域と両幅方向側方域に区分したときの幅方向中央域の周方向強力が両幅方向側方域のそれよりも低い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 前記フープ補強層は、幅方向中央域での層数が両幅方向側方域での層数よりも少ない、請求項6に記載の安全タイヤ用空気のう。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気のうを有する安全タイヤ。
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Cited By (3)
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JP2009115105A (ja) * | 2007-11-01 | 2009-05-28 | Bridgestone Corp | 空気ばね用筒状可撓膜体。 |
JP2009127712A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Bridgestone Corp | 空気ばね用筒状可撓膜体 |
JP2009127714A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Bridgestone Corp | 空気ばね用筒状可撓膜体およびそれの製造方法 |
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2005
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