JP2005289195A - トルク配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マニュアルトランスミッションの車両において、選択されているギヤ段によらず、どのギヤ段であっても旋回時の車両の挙動を安定させる。
【解決手段】 原動機の回転数及び車両の速度に基づいてマニュアルトランスミッションの推定ギヤ比111を算出し、この推定ギヤ比111に基づいて基本配分比率110のギヤ比補正値112を算出し、センタデファレンシャル10における前輪側と後輪側のトルク配分比率が、基本配分比率110にギヤ比補正値112を乗じた補正配分比率113となるよう連続的に更新されるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、センタデファレンシャルのクラッチ係合力を変化させ、原動機の出力トルクの前輪側及び後輪側の配分状態を制御するトルク配分制御装置に関する。
四輪駆動車では、原動機の出力トルクをセンタデファレンシャルにより、前輪側と後輪側とに配分している。トルク配分比率は、センタデファレンシャルのクラッチの係合力を制御することにより変化させることができる。このため、従来から、車両の走行状態に応じてセンタデファレンシャルのクラッチ係合力を制御するトルク配分制御装置が用いられている。このトルク配分制御装置を用いることにより、摩擦係数が比較的低い路面、曲率半径が比較的小さいカーブ等の走行時に、車両の挙動を安定させることができる(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、変速機がオートマチックトランスミッションの場合は、インヒビタスイッチにより変速機のギヤ段を識別することができるので、ギヤ段に応じてセンタデファレンシャルのクラッチ係合力を制御することができる。ところが、変速機がマニュアルトランスミッションの場合は、変速機のギヤ段を識別することができない。従って、比較的使用頻度の高いギヤ段のギヤ比を基準として出力トルクの前輪側と後輪側への基本配分比率を設定し、この基本配分比率に従ってクラッチ係合力を制御している。そして、スロットル開度、左右方向の加速度等に応じて、トルクの配分比率を適宜補正するようになっている。
特開平5−338458号公報
しかしながら、前記トルク配分制御装置では、車両旋回時にスロットル開度が一定であっても、車両の左右方向の加速度が変化すると、前輪側と後輪側のトルク配分が変化する。すなわち、後輪側への伝達トルクが左右方向の加速度と反比例するように設定されている場合は、設定ギヤ比に相当するギヤ段よりも低いギヤ段で旋回する場合は車両がオーバーステア傾向となり、設定ギヤ比に相当するギヤ段よりも高いギヤ段で旋回する場合は車両がアンダーステア傾向となる。従って、設定ギヤ比に相当するギヤ段以外で車両旋回時にアクセルペダルを踏動すると車両の挙動が不自然となって、乗員の乗り心地の観点からは好ましくないし、サーキットにおける全開走行ではラップタイムが低下するという問題点がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マニュアルトランスミッションの車両において、選択されているギヤ段によらず、どのギヤ段であっても旋回時の車両の挙動を安定させることのできるトルク配分制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、マニュアルトランスミッションを介して伝達される原動機の出力トルクが、所定の設定ギヤ比を基準として設定された基本配分比率で前輪側と後輪側に伝達されるように、センタデファレンシャルを制御するトルク配分制御装置において、前記原動機の回転数及び車両の速度に基づいて、前記マニュアルトランスミッションの推定ギヤ比を算出する推定ギヤ比算出手段と、前記推定ギヤ比算出手段により算出された前記推定ギヤ比に基づいて、前記基本配分比率のギヤ比補正値を算出するギヤ比補正値算出手段と、を備え、前記センタデファレンシャルにおける前記出力トルクの配分比率が、前記基本配分比率に前記ギヤ比補正値を乗じた補正配分比率となるよう連続的に更新されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、推定ギヤ比算出手段により原動機の回転数と車両の速度の関係から推定ギヤ比が算出される。これにより、制御系でギヤ段を認識することのできないマニュアルトランスミッションであっても、ギヤ比の情報を取得することができる。
次いで、ギヤ比補正値算出手段により、この推定ギヤ比に基づいて、トルクの基本配分比率のギヤ比補正値が算出される。そして、センタデファレンシャルにおける出力トルクの配分比率は、基本配分比率にギヤ比補正値を乗じた補正配分比率となるよう更新されることとなる。ここで、この補正配分比率は、推定されたギヤ比に適した比率となる。
従って、所定の設定ギヤ比を基準としてセンタデファレンシャルの基本配分比率が設定されていても、配分比率は推定ギヤ比に基づいて算出される補正配分比率に更新され、設定ギヤ比に対応するギヤ段以外のギヤ段が選択された場合にも、的確な配分比率で原動機の出力トルクを前輪側と後輪側へ伝達することができる。これにより、マニュアルトランスミッションの車両において、設定ギヤ比に対応するギヤ段以外のギヤ段で車両旋回時に加減速等をしても、車両の挙動がオーバーステア傾向やアンダーステア傾向となることはなく、どのギヤ段であっても旋回時の車両の挙動を安定させることができる。
また、原動機の回転数及び車両の速度により算出される推定ギヤ比を用いるので、原動機、トランスミッションの形式等によらずセンタデファレンシャルを制御することができ、原動機の形式、トランスミッション形式が異なる車種に搭載しても、何らの支障を生ずることはない。これにより、異なる車種間で装置の共用化を図ることができ、車両の製造コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のトルク配分制御装置において、前記補正値算出手段は、前記推定ギヤ比を前記設定ギヤ比で除した値をギヤ比補正値とすることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、ギヤ比補正値を、推定ギヤ比を設定ギヤ比で除した値としたので、推定ギヤ比の設定ギヤ比に対する割合に応じて、補正配分比率が更新されることとなる。これにより、きめ細やかに出力トルクの配分比率を補正することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のトルク配分制御装置において、前記ギヤ比補正値算出手段は、前記推定ギヤ比に基づいて前記マニュアルトランスミッションのギヤ段を判別し、当該ギヤ段のギヤ比に基づいてギヤ比補正値を算出することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、推定ギヤ比に基づいて現実のギヤ段を判別して、そのギヤ比に基づいてギヤ比補正値を算出するようにしたので、設定ギヤ比に対応するギヤ段と、現実のギヤ段とのギャップに応じて基本配分比率が補正されることとなる。これにより、現実のギヤ段に対応して、センタデファレンシャルのクラッチ係合力を補正することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1から3のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置において、車両の旋回状態に基づいて前記基本配分比率を補正する旋回補正手段を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項の作用に加え、ギヤ比に加えて、車両の旋回状態に基づいても出力トルクの基本配分比率が補正される。これにより、旋回半径が小さかったり、旋回速度が高かったり、旋回中に加速するなどして、オーバーステア傾向又はアンダーステア傾向が顕著に車両の挙動として現れる場合には、これらの傾向を打ち消すようにセンタデファレンシャルのクラッチ係合力を補正することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置において、前記ギヤ比補正値算出手段は、前記マニュアルトランスミッションが変速動作中である場合には、変速動作直前の推定ギヤに基づいて、前記基本配分比率のギヤ比補正値を算出することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、マニュアルトランスミッションが変速動作中のときはニュートラル状態であり、原動機から各車輪への動力伝達が切断され、原動機の回転数と車両の速度とが互いに無関係に変化する状態となる。この場合には、変速動作直前の推定ギヤに基づいてギヤ比補正値が算出され、このギヤ比補正値による補正配分比率となるようセンタデファレンシャルのクラッチ係合力が補正される。
請求項6に記載の発明では、請求項1から5のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置において、前記推定ギヤ比算出手段は、所定時間あたりの前記推定ギヤ比の変化量が予め定められた制限変化量より大きい場合に、所定時間前の前記推定ギヤ比に前記制限変化量を加えて推定ギヤ比とすることを特徴とする
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項の作用に加え、推定ギヤ比が急激に変化して、所定時間あたりの変化量が制限変化量より大きくなった場合に、推定ギヤ比の変化量は制限変化量と擬制される。これにより、原動機の回転数、車両の速度の少なくとも一方が急激に変化した場合であっても、推定ギヤ比の変化量を抑制してクラッチ係合力の変化量を制限し、センタデファレンシャルの配分比率の変化に起因する車両挙動の乱れを防止しつつ、推定ギヤ比を適切な値まで変化させることができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1から6のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置において、前記ギヤ比補正値を、車両室内に設けられた調整操作部の操作状態に基づいて調整する補正値手動調整手段を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項の作用に加え、車両乗員は、調整操作部を操作することによりギヤ比補正値を調整して、ドライビングスタイルや車両走行状態に応じて、補正配分比率を変更することができ、実用に際して極めて便利である。
このように、本発明によれば、マニュアルトランスミッションの車両において、選択されているギヤ段によらず、どのギヤ段であっても旋回時の車両の挙動を安定させることができる。
図1から図6は本発明の一実施形態を示すもので、図1は自動車車両の動力伝達に関する模式説明図、図2はトルク配分制御装置の概略構成ブロック図、図3はスロットル開度と、基本係合トルク及び最小係合トルクとの関係を示したグラフ、図4は車両の左右方向の加速度と加速度補正値との関係を示したグラフ、図5は推定ギヤ比とギヤ比補正値との関係を示したグラフ、図6はトルク配分制御装置の動作を示すフローチャートである。
図1に示すように、このトルク配分制御装置100は、四輪駆動車に備えられ、動力伝達クラッチ2及びマニュアルトランスミッション3を介して伝達されるエンジン1の出力トルクが伝達され、この出力トルクを前輪4側と後輪5側とに配分するセンタデファレンシャル10を制御するものである。本実施形態においては、センタデファレンシャル10には前輪4側へのトルク伝達を調整するトランスファクラッチ11が備えられ、トルク配分制御装置100はトランスファクラッチ11の係合力を調整することにより前輪4側と後輪5側へのトルク配分を制御する。尚、センタデファレンシャル10の構造は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。そして、前輪4側と後輪5側へ伝達されるトルクは、フロントデファレンシャル12及びリヤデファレンシャル13により、右前輪4aと左前輪4b、右後輪5aと左後輪5bにそれぞれ配分される。
図2に示すように、トルク配分制御装置100は、CPU101、ROM102、RAM103及びI/Oインターフェース104が、バスライン105を介して互いに接続されたマイクロコンピュータを有する。また、トルク配分制御装置100は、アクチュエータ類を駆動する駆動回路106を有する。
I/Oインターフェース104の入力ポートには、エンジン1に取り付けられるクランク角センサ20、右前輪4aの車輪速センサ21、左前輪4bの車輪速センサ22、右後輪5aの車輪速センサ23、左後輪5bの車輪速センサ24、アクセルペダルの踏動量を検出するスロットル開度センサ25、車両の左右方向の加速度を計測する横方向加速度センサ26、車両のヨーレートを計測するヨーレートセンサ27、車両の操舵角を検出する舵角センサ28、マニュアルトランスミッション3のシフト部材がニュートラル位置の時にON状態となるニュートラルスイッチ29、動力伝達クラッチ2が非動力伝達状態の時にOFF状態となるクラッチスイッチ30、車両室内に設置される調整操作部31等が接続される。
また、I/Oインターフェース104の出力ポートには、駆動回路106を介してセンタデファレンシャル10のトランスファクラッチ11が接続されている。
ROM102には、各種の制御プログラム、制御用固定データ等が記憶されている。RAM103には、各センサ類、スイッチ類等からの信号を処理したデータや、CPU101で演算処理したデータなどが格納されている。また、ROM102には、所定の設定ギヤ比を基準として設定された前輪4側と後輪5側の基本配分比率110と、この基本配分比率110に基づいてトランスファクラッチ11を制御するクラッチ制御プログラム120とが記憶されている。本実施形態においては、マニュアルトランスミッション3は6つのギヤ段を有する6速ミッションであり、基本配分比率110は3速におけるギヤ比である約1.76を設定ギヤ比として設定されている。また、この基本配分比率110は、スロットル開度が大きくなるにつれて後輪5のトルクに対する前輪4のトルクが増大するように設定されている。これは、図3に示すように、スロットル開度が大きくなるとトランスファクラッチ11の基本係合トルクT1が増大するよう制御することで実現される。
また、ROM102には、基本配分比率110を車両の旋回状態に応じて補正する旋回補正プログラム121が記憶されている。すなわち、CPU101、ROM102、RAM103等は旋回補正手段をなす。本実施形態においては、スロットル開度により決定される基本係合トルクT1を、車両の左右方向の加速度に応じて補正して、補正係合トルクT3を算出する。図3に示すように、基本係合トルクT1より小さな値の最小係合トルクT2が予め設定されており、補正係合トルクT3は、
T3=(T1−T2)×GR+T2
の式により算出される。ここで、GRは加速度補正値である。
加速度補正値GRは、図4に示すように、車両の左右方向の加速度が所定の閾値a1を超えるまでは基本係合トルクT1は補正されず、閾値a1を超えると補正係合トルクT3は基本係合トルクT1を減じた値となるように設定されている。すなわち、左右方向の加速度が閾値a1を超えると基本係合トルクT1を補正して基本配分比率110の補正を行い、加速度が大きくなるほど補正係合トルクT3が小さくなるように設定されている。
また、ROM102には、エンジン1の回転数及び車両の速度に基づいて、マニュアルトランスミッション3の推定ギヤ比111を算出する推定ギヤ比算出プログラム122が記憶されている。すなわち、CPU101、ROM102、RAM103等は推定ギヤ比算出手段をなす。これにより、制御系でギヤ段を認識することのできないマニュアルトランスミッション3であっても、ギヤ比の情報を取得することができる。本実施形態においては、
推定ギヤ比=Ne×TR×π/Fr/V
の式により推定ギヤ比111を算出する。ここで、Neはエンジン回転数であり、TRはタイヤ径であり、πは円周率であり、Frはファイナルギヤ比であり、Vは車速である。尚、エンジン回転数はクランク角センサ20から取得すればよいし、車速は各車輪速センサ21〜24から取得すればよい。また、タイヤ径及びファイナルギヤ比は自動車車両の固有の値であるからセンサ類により情報を取得する必要はなく、ROM102に予め記憶されている。
また、ROM102には、推定ギヤ比算出プログラム122により算出された推定ギヤ比111に基づいて、基本配分比率110のギヤ比補正値112を算出するギヤ比補正値算出プログラム123が記憶される。すなわち、CPU101、ROM102、RAM103等はギヤ比補正値算出手段をなす。本実施形態においては、
(ギヤ比補正値)=(推定ギヤ比)/(設定ギヤ比)
の式によりギヤ比補正値112を算出する。このように、ギヤ比補正値112が推定ギヤ比111を設定ギヤ比で除した値である場合の、推定ギヤ比111とギヤ比補正値112との関係を図5に示す。ここで、設定ギヤ比は約1.76であり、前述のようにマニュアルトランスミッションの3速に相当する。
また、ROM102には、ギヤ比補正値算出プログラム123により算出されたギヤ比補正値112を、調整操作部31の操作状態に基づいて調整する補正値手動調整プログラム124が記憶される。すなわち、CPU101、ROM102、RAM103等は補正値手動調整手段をなす。本実施形態においては、調整操作部31はダイヤル式であり、算出されたギヤ比補正値112が調整操作部31のボリュームに応じて変化するようになっている。
そして、クラッチ制御プログラム120により、センタデファレンシャル10における出力トルクの配分比率が基本配分比率110にギヤ比補正値112を乗じた補正配分比率113となるように、トランスファクラッチ11が制御される。本実施形態においては、補正係合トルクT3にギヤ比補正値112を乗じて制御係合トルクT4を算出して、トランスファクラッチ11の係合トルクが制御係合トルクT4となるよう連続的に制御することにより、出力トルクの配分比率が補正配分比率113となるよう連続的に更新されることとなる。ここで、この補正配分比率113は、推定されたギヤ比に適した比率となる。
本実施形態においては、クラッチ制御プログラム120により、エンジン1の回転数等の各パラメータを連続的に監視して、所定時間おきに出力トルクの補正配分比率113を更新していく。また、ギヤ比補正値算出プログラム123は、この補正配分比率113の更新時に、マニュアルトランスミッション3が変速動作中であることを検出すると、直前の補正配分比率113の更新時に用いた推定ギヤ比111に基づいてギヤ比補正値112を算出するよう設定されている。
また、推定ギヤ比算出プログラム122は、所定時間あたりの推定ギヤ比111の変化量が予め定められた制限変化量114より大きい場合に、所定時間前の推定ギヤ比111に制限変化量114を加えて推定ギヤ比111とするよう設定される。本実施形態においては、補正配分比率113の更新時に、前回の更新時における推定ギヤ比111の変化量が制限変化量114より大きいか否かを判別する。尚、本実施形態においては、推定ギヤ比111の変化量を正負の区別なく監視し、推定ギヤ比111が増減した変化量の絶対値が制限変化量114より大きいか否かについて判別する。
以上のように構成されたトルク配分制御装置100の動作を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、スロットル開度から、基本配分比率110に基づいた基本係合トルクT1を求める(ステップS1)。次いで、スロットル開度から、最小係合トルクT2を求める(ステップS2)。そして、左右方向の加速度から、加速度補正値GRを求める(ステップS3)。
この後、ニュートラルスイッチ29から送信される信号により、マニュアルトランスミッション3が変速中であるか否かを判別する(ステップS4)。マニュアルトランスミッション3が変速中でないと判別された場合は、推定ギヤ比111をエンジン1の回転数及び車両の速度を用いて前述の式により算出する(ステップS5)。このとき、推定ギヤ比111の変化量の絶対値が制限変化量114を超えている場合は、前述のように直前の推定ギヤ比111に制限変化量114を増減することにより推定ギヤ比111を算出する。ステップS4にて変速中であると判別された場合は、直前の推定ギヤ比111と同じ値とする(ステップS6)。
ステップS5及びステップS6の後、推定ギヤ比111からギヤ比補正値112を算出する(ステップS7)。このように算出されたギヤ比補正値112を用いて、前述の式からセンタデファレンシャル10の補正後の制御係合トルクT4を算出する(ステップS8)。この結果、センタデファレンシャル10における出力トルクの配分比率は、補正配分比率113に更新されることとなる。
このように制御係合トルクT4を算出した後、推定ギヤ比111をRAM103に保持した状態で、所定時間後に再びステップ1からの動作を行い、連続的に補正配分比率113を更新していく。
このように、本発明のトルク配分制御装置100によれば、所定の設定ギヤ比を基準としてセンタデファレンシャル10の基本配分比率110が設定されていても、配分比率は推定ギヤ比111に基づいて算出される補正配分比率113に連続的に更新され、設定ギヤ比に対応するギヤ段以外のギヤ段が選択された場合にも、的確な配分比率でエンジン1の出力トルクを前輪4側と後輪5側へ伝達することができる。これにより、マニュアルトランスミッション3の車両において、設定ギヤ比に対応するギヤ段以外のギヤ段で車両旋回時に加減速等をしても、車両の挙動がオーバーステア傾向やアンダーステア傾向となることはなく、どのギヤ段であっても旋回時の車両の挙動を安定させることができる。
また、エンジン1の回転数及び車両の速度により算出される推定ギヤ比111を用いるので、エンジン1、トランスミッション3の形式等によらずセンタデファレンシャル10を制御することができ、エンジン形式、トランスミッション形式が異なる車種に搭載しても、何らの支障を生ずることはない。これにより、異なる車種間で装置の共用化を図ることができ、車両の製造コストを低減することができる。
また、本実施形態のトルク配分制御装置100によれば、ギヤ比補正値112を、推定ギヤ比111を設定ギヤ比で除した値としたので、推定ギヤ比111の設定ギヤ比に対する割合に応じて、補正配分比率113が更新されることとなる。これにより、きめ細やかに出力トルクの配分比率を補正することができる。
また、本実施形態のトルク配分制御装置100によれば、ギヤ比に加えて、車両の旋回状態に基づいても出力トルクの基本配分比率110が補正される。これにより、旋回半径が小さかったり、旋回速度が高かったり、旋回中に加速するなどして、オーバーステア傾向又はアンダーステア傾向が顕著に車両の挙動として現れる場合には、これらの傾向を打ち消すようにセンタデファレンシャル10のクラッチ係合力を補正することができる。
また、本実施形態のトルク配分制御装置100によれば、マニュアルトランスミッション3が変速動作中の場合には、変速動作直前の推定ギヤ111に基づいてギヤ比補正値112が算出され、このギヤ比補正値112による補正配分比率113となるようセンタデファレンシャル10のクラッチ係合力が補正される。ここで、マニュアルトランスミッション3が変速動作中のときはニュートラル状態であり、エンジン1から各車輪4,5への動力伝達が切断されてエンジン1の回転数と車両の速度とが互いに無関係に変化する状態であるので、エンジン1の回転数と車両の速度が関連していた直前の推定ギヤ111を用いてセンタデファレンシャル10を的確に制御することができる。
また、本実施形態のトルク配分制御装置100によれば、推定ギヤ比111が急激に変化して、所定時間あたりの変化量が制限変化量114より大きくなった場合に、推定ギヤ比111の変化量は制限変化量114と擬制される。これにより、エンジン1の回転数、車両の速度の少なくとも一方が急激に変化した場合であっても、推定ギヤ比111の変化量を抑制してクラッチ係合力の変化量を制限し、センタデファレンシャル10の配分比率の変化に起因する車両挙動の乱れを防止しつつ、推定ギヤ比111を適切な値まで変化させることができる。
また、本実施形態のトルク配分制御装置100によれば、車両乗員は、調整操作部31を操作することによりギヤ比補正値112を調整して、ドライビングスタイルや車両走行状態に応じて、補正配分比率113を変更することができ、実用に際して極めて便利である。
尚、前記実施形態においては、原動機としてエンジン1を搭載したものを示したが、原動機は電気モータ等であってもよい。また、トランスファクラッチ11の係合力が増大すると前輪4側のトルクが増大するものを示したが、後輪5側のトルクが増大するものであってもよい。
また、前記実施形態においては、推定ギヤ比111からギヤ比補正値112を算出するものを示したが、推定ギヤ比111に基づいてマニュアルトランスミッション3のギヤ段を判別して、このギヤ段のギヤ比に基づいてギヤ比補正値112を算出するようにしてもよい。この場合、推定ギヤ比111に基づいて現実のギヤ段を判別して、そのギヤ比に基づいてギヤ比補正値112を算出するので、設定ギヤ比に対応するギヤ段と、現実のギヤ段とのギャップに応じて基本配分比率110が補正されることとなる。これにより、現実のギヤ段に対応して、センタデファレンシャル10のクラッチ係合力を補正することができる。
また、前記実施形態においては、推定ギヤ比111とギヤ比補正値112との関係が比例関係にある例を示したが、走行条件に応じて、所定の推定ギヤ比111又はギヤ段に対するギヤ比補正値112をスッテップ状または階段状に変化させるような関係に設定してもよい。これにより、特殊な走行条件に応じて前輪側と後輪側へのトルク配分を適切に行うことができる。
また、前記実施形態においては、基本配分比率110を車両の旋回状態に応じて補正するものを示したが、車両の旋回状態に応じて補正するか否かは任意である。また、車両の旋回に関する情報を取得するために、横方向加速度センサ26を利用したものを示したが、各車輪速センサ21〜24に基づいて旋回情報を取得するようにしてもよいし、ヨーレートセンサ27、舵角センサ28等により旋回情報を取得するようにしてもよい。
また、基本設定比率110をスロットル開度に基づいて設定したものを示したが、エンジン回転数等に基づいて設定したものであってもよいことは勿論である。さらには、マニュアルトランスミッション3の変速動作情報をニュートラルスイッチ29により取得するものを示したが、クラッチスイッチ31により取得するようにしてもよい。また、車両室内に調整操作部31を設置しなくともよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明の一実施形態を示す自動車車両の動力伝達に関する模式説明図である。 トルク配分制御装置の概略構成ブロック図である。 スロットル開度と、基本係合トルク及び最小係合トルクとの関係を示したグラフである。 車両の左右方向の加速度と加速度補正値との関係を示したグラフである。 推定ギヤ比とギヤ比補正値との関係を示したグラフである。 トルク配分制御装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
3 マニュアルトランスミッション
4 前輪
5 後輪
10 センタデファレンシャル
11 トランスファクラッチ
100 トルク配分制御装置
110 設定配分比率
111 推定ギヤ比
112 ギヤ比補正値
113 補正配分比率
114 制限変化量
120 クラッチ制御プログラム
121 旋回補正プログラム
122 推定ギヤ比算出プログラム
123 ギヤ比補正値算出プログラム
124 補正値手動調整プログラム

Claims (7)

  1. マニュアルトランスミッションを介して伝達される原動機の出力トルクが、所定の設定ギヤ比を基準として設定された基本配分比率で前輪側と後輪側に伝達されるように、センタデファレンシャルを制御するトルク配分制御装置において、
    前記原動機の回転数及び車両の速度に基づいて、前記マニュアルトランスミッションの推定ギヤ比を算出する推定ギヤ比算出手段と、
    前記推定ギヤ比算出手段により算出された前記推定ギヤ比に基づいて、前記基本配分比率のギヤ比補正値を算出するギヤ比補正値算出手段と、を備え、
    前記センタデファレンシャルにおける前記出力トルクの配分比率が、前記基本配分比率に前記ギヤ比補正値を乗じた補正配分比率となるよう更新されることを特徴とするトルク配分制御装置。
  2. 前記ギヤ比補正値算出手段は、前記推定ギヤ比を前記設定ギヤ比で除した値をギヤ比補正値とすることを特徴とする請求項1に記載のトルク配分制御装置。
  3. 前記ギヤ比補正値算出手段は、前記推定ギヤ比に基づいて前記マニュアルトランスミッションのギヤ段を判別し、当該ギヤ段のギヤ比に基づいてギヤ比補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載のトルク配分制御装置。
  4. 車両の旋回状態に基づいて前記基本配分比率を補正する旋回補正手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置。
  5. 前記ギヤ比補正値算出手段は、前記マニュアルトランスミッションが変速動作中である場合には、変速動作直前の推定ギヤに基づいて、前記基本配分比率のギヤ比補正値を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置。
  6. 前記推定ギヤ比算出手段は、所定時間あたりの前記推定ギヤ比の変化量が予め定められた制限変化量より大きい場合に、所定時間前の前記推定ギヤ比に前記制限変化量を加えて推定ギヤ比とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置。
  7. 前記ギヤ比補正値を、車両室内に設けられた調整操作部の操作状態に基づいて調整する補正値手動調整手段を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のトルク配分制御装置。
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