JP2007113408A - 車両のエンジン出力制御装置 - Google Patents

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哲弘 山下
Shigeyuki Uehara
茂幸 上原
Yoshinobu Hanamoto
芳宜 花本
Yuji Kashiwamura
祐二 柏村
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Abstract

【課題】トルクステアの発生を確実に防止しつつ加速性を大きく損なわないようなエンジンの出力制御を実現できるエンジン出力制御装置を提供する。
【解決手段】操舵可能な駆動輪3,3の舵角を舵角センサ6によって検出し、検出された舵角に応じて、DSC14のトルクステア制御部14bに予め記憶されているマップから出力トルクのトルク制限値を求める。このトルク制限値と、車輪のスリップ防止のためにエンジン出力制御を行うDSCトルク制御部14aで求められるトルク要求値とのうち、小さい方の値がPCM11に出力される。PCM11では、この値に基づいてエンジン1の出力制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの出力を制御するためのエンジン出力制御装置に関する。
従来より、前輪である操舵輪が駆動されるように構成された車両では、急加速を行ったりすると、ステアリングが左または右方向に取られ、走行安定性が害される現象、いわゆるトルクステアが生じることが知られている。このようなトルクステアの発生を防止するために、例えば特許文献1に開示されるように、エンジントルクを検出して、そのエンジントルクの変化量が所定値以上の場合にエンジンの出力を低下させるようにしたものが知られている。
特開平2−119658号公報
ところで、上述のようなトルクステアは、以下のようなメカニズムで発生するものと考えられる。すなわち、例えばFFのエンジン横置きの車両では多くの場合、デフは車両左側にあり、左側操舵輪は左側のドライブシャフトだけでデフに連結される一方、右側操舵輪は右側のドライブシャフト以外にリンクシャフト(デフとドライブシャフトとを接続するための中間シャフト)を介してデフに連結されている。このように、車両右側にはデフとドライブシャフトとの間にリンクシャフトが介設されていることから車両左側に比べて剛性が低くなる。そのため、大きな駆動トルクで急加速を行うと、右側の剛性が低いことからデフの出力側で見ると駆動トルクが左側により多く伝達されることとなり、左側操舵輪の駆動トルクが右側操舵輪の駆動トルクよりも大きくなって、該左側操舵輪のキングピン回りの右向きのモーメントが右側操舵輪のキングピン回りの左向きのモーメントよりも大きくなり、ステアリングが右方向へとられるというものである。
なお、直進状態で急加速した場合には、比較的大きな駆動トルクが発生した際にトルクステアの影響が出ることになるが、操舵輪に舵角を与えた状態で急加速した場合には、直進状態で急加速した場合に比べて小さな駆動トルクでトルクステアの影響が生じて、走行安定性が著しく害されることになる。すなわち、トルクステアは、エンジントルクだけでなく、そのときの操舵輪の舵角によっても大きな影響を受ける。
一方、加速性の観点からは、加速時の駆動トルクをできるだけ大きくするのが好ましいため、上述のようなトルクステアの発生しない範囲で、駆動トルクをできるだけ大きくしたいという要求がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トルクステアの発生を確実に防止しつつ加速性を大きく損なわないようなエンジンの出力制御を実現できるエンジン出力制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明のエンジン出力制御装置では、エンジントルク最大値制限手段によって、操舵輪の舵角に応じてエンジントルクの最大値を制限する。
すなわち、請求項1の発明では、車両の駆動輪でもある操舵輪の舵角を検出する舵角検出手段と、エンジントルクを制御するエンジントルク制御手段と、前記舵角検出手段によって検出された操舵輪の舵角に応じて、前記エンジントルク制御手段によって制御されるエンジントルクの最大値を制限するエンジントルク最大値制限手段と、を備えているものとする。
以上の構成より、エンジントルク最大値制限手段によって操舵輪の舵角に応じてエンジントルクの最大値が制限されるため、操舵輪が操舵された状態でのトルクステアの発生を確実に抑えることができる。しかも、前記操舵輪の舵角によってトルクステアの発生するエンジントルクが異なることから、該舵角に応じてエンジントルクの最大値を制限できるようにすることで、トルクステアの発生しない範囲で最大のエンジントルクを得ることができ、トルクステアの発生を確実に防止しつつ加速性が大きく損なわれるのを防止することができる。
上述の構成において、車両の駆動輪がスリップしたときにエンジントルクを制限するスリップ制御手段を備え、エンジントルク制御手段は、エンジントルク最大値制限手段により制限されるエンジントルクの最大値及び前記スリップ制御手段により制限されるエンジントルク値のうち小さい方のトルクとなるようにエンジントルクを制御するものであるのが好ましい(請求項2の発明)。
こうすることで、トルクステアの発生及び駆動輪のスリップ発生のうち、より小さいエンジントルクで発生する現象に対応してエンジントルクを制限することが可能になる。例えば、トルクステアの発生を防止するために操舵輪の舵角に応じてエンジントルクを制限する前に、該操舵輪でスリップが生じた場合でも、スリップ制御手段によってスリップを抑制するための制御を行うことができる。すなわち、スリップ制御手段を備えているものにおいて、該スリップ制御手段の機能を損なうことなく、トルクステアの発生も確実に防止することができる。ここで、駆動輪のスリップとは、スリップ率が所定値以上になって、駆動輪の回転速度が急激に大きくなる場合をいう。
また、車両には多段変速機が搭載されており、前記変速機の変速段を検出する変速段検出手段を備え、エンジントルク最大値制限手段は、前記変速段検出手段によって所定の低速段であることが検出された場合に、操舵輪の舵角に応じてエンジントルクの最大値を制限するように構成されていてもよい(請求項3の発明)。
これにより、駆動輪に伝達される駆動トルクが大きく、トルクステアの発生しやすい低速段に限定してエンジントルクの最大値が制限されるため、トルクステアの発生を防止しつつ、中速段や高速段ではより大きな駆動トルクを確保することができる。ここで、所定の低速段とは、1速、若しくは1速及び2速のことを意味する。
また、車両には多段変速機が搭載されており、前記変速機の変速段を検出する変速段検出手段を備え、エンジントルク最大値制限手段は、前記変速段検出手段によって検出される変速段も加味してエンジントルクの最大値を制限するように構成されていてもよい(請求項4の発明)。
こうすることで、駆動輪の駆動トルクや車速等に起因して変速段によりトルクステアの発生するエンジントルクが異なる場合でも、変速段に応じてエンジントルクの最大値を制限することができるため、トルクステアを確実に防止しつつ各変速段でより大きな駆動トルクを確保することができる。
さらに、以上の構成において、前記車両は、4輪すべてに駆動力を伝達し、且つ前後輪の駆動力配分を変更可能な4輪駆動車であって、操舵輪への伝達トルクが所定値以上であるかどうかを判定する伝達トルク判定手段を備え、エンジントルク最大値制限手段は、前記伝達トルク判定手段によって操舵輪への伝達トルクが所定値以上であると判定された場合に、エンジントルクの最大値を制限するように構成されていてもよい(請求項5の発明)。ここで、前記所定値とは、トルクステアが発生するような伝達トルクのことを意味する。
このように、4輪すべてに対して駆動力が伝達される4輪駆動車においても操舵輪への伝達トルクが所定値以上のときに、エンジントルクの最大値を制限するようにすれば、トルクステアの発生を確実に防止することができる一方、トルクステアの発生しないような伝達トルクでエンジントルクの最大値が制限されるのを防止することができる。
本発明に係る車両のエンジン出力制御装置によれば、操舵輪の舵角に応じてエンジントルクの最大値を制限するようにしたため、トルクステアの発生を確実に防止しつつトルクステアの発生しない範囲においてより大きな駆動トルクを得ることができる。
また、駆動輪がスリップした場合にエンジントルクを制御するスリップ制御手段を備えたものにおいては、該スリップ制御手段またはエンジントルク最大値制限手段により制限されるトルク値のうち、小さいほうのトルクになるようにエンジントルクを制御することで、前記操舵輪がトルクステアの発生よりも低いエンジントルクでスリップを生じた場合でも確実にスリップを抑制することができる。
さらに、上述のような制御をトルクステアの発生しやすい低速段の場合にのみ行ったり、変速段に応じてエンジントルクの制限値を変化させたりすることで、無駄なエンジントルクの抑制を防止することができ、加速性が大きく損なわれるのを防止することができる。
さらにまた、4輪駆動車においても、操舵輪への伝達トルクが所定値以上になった場合にエンジントルクの最大値を制限することで、トルクステアの発生を確実に防止しつつトルクステアの発生しない範囲においてより大きな駆動トルクを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に本発明の実施形態に係るエンジン制御装置10を備えた車両Vの概略構成を示す。この車両Vは、操舵輪である前輪3,3(以下、駆動輪ともいう)を駆動させるように構成された2輪駆動車(以下、2WD車ともいう)であり、動力源としての横置きのエンジン1と、該エンジン1の出力を変速段に応じて所定のトルクに変換する変速機2と、該変速機2の出力トルクを駆動輪3,3の車軸に伝達する終減速装置4と、車両Vの前後進に伴い従動する従動輪5,5と、を備えている。なお、駆動輪3,3の車軸は左右のドライブシャフト7,7と、右側のドライブシャフト7と終減速装置4とを接続するリンクシャフト8とを備えている。
前記エンジン制御装置10は、エンジン1を含むパワートレインの動作を制御するパワートレイン・コントロール・モジュール(以下、PCMという。エンジントルク制御手段)11と、変速機2の制御を行うトランスミッション・コントロール・モジュール(以下、TCMという)12と、駆動輪3,3の舵角を舵角センサ6からの出力信号に基づいて舵角信号として出力するボディ・コントロール・モジュール(以下、BCMという。舵角検出手段)13と、車輪のスリップ等を防止して車両Vの走行安定性を保つようにエンジントルクの制御を行う安定性制御システム(以下、DSC:Dynamic Stability Controlという。エンジントルク最大値制限手段)14と、を備えており、これらは車両V内に構築されたコントローラ・エリア・ネットワーク(以下、CANという)15を介して通信可能に接続されている。
前記PCM11は、所定時間間隔で検出したパワートレインの出力トルク(変速機2からの出力トルク)をCAN15上に出力トルク信号として出力するように構成されている。このように、変速機2の出力トルクをPCM11で検出するようにすれば、後述するように該出力トルクに基づいてエンジン1の出力制御を行う場合、実際に駆動輪3,3に伝達されるトルクに近いトルクを基準にして制御を行うことが可能になるため、無駄にエンジン1の出力を制限することがない。すなわち、エンジントルクを基準にエンジンの出力制御を行うと、変速機2の変速段によっては駆動輪3,3に伝達されるトルクがトルクステアの発生しないようなトルクに変換されているにも拘わらず、エンジントルクが抑えられることになって、駆動トルクを必要以上に低下させる可能性があるが、上述のように、変速機2の出力トルクに基づいてエンジン1の出力制御を行うようにすれば、駆動輪3,3に伝達されるトルクに近いトルクによって制御されるため、トルクステアの発生しないようなトルクでエンジン出力を制限することがない。
また、前記PCM11は、要求されるトルクに応じて前記エンジン11の出力制御を行うように構成されている。具体的には、前記PCM11では、運転者のアクセル操作に応じてエンジン11の出力トルクが所定のトルクになるようにスロットル開度を制御したり、燃料供給量を制御したりするように構成されていて、後述するようにDSC14から出力トルクの制限要求がある場合にはその要求も考慮してスロットル開度等の制御を行うようになっている。
前記TCM12は、運転者の変速操作によって、現在、どの変速段の状態であるかを検出できるように構成されていて、その検出信号はCAN15上に変速段信号として出力されるようになっている。
前記BCM13は、駆動輪3,3の舵角を検出する舵角センサ6からの出力信号に基づいて該舵角を舵角信号として前記CAN15上に出力するように構成されている。また、前記BCM13は、舵角センサ6からの出力信号(例えば出力レベル等)に基づいて該舵角センサ6の異常を検出できるように構成されていて、該舵角センサ6の異常を検出した場合には前記舵角信号とともにCAN15上に信号を出力するようになっている。
前記DSC14は、車輪のスリップを抑制するようにエンジン1の出力を抑えるDSCトルク制御部14a(スリップ制御部)と、トルクステアが発生しないようにエンジン1の出力を抑えるトルクステア制御部14bと、を備えている。すなわち、このDSC14では、車両Vの状態に応じてエンジン1の出力を制限するように、トルク制限値(第1トルク制限値)若しくはトルク要求値(第2トルク制限値)をCAN15上に出力し、その値に基づいて前記PCM11でエンジン1の出力制御が行われるようになっている。
前記DSCトルク制御部14aは、従来から一般的に行われてきたいわゆるスリップ防止制御を行うように構成されている。すなわち、車輪に伝達される駆動力が接地荷重よりも大きいとスリップ(ホイールスピン)を生じるため、エンジン1の出力を所定の値まで低下させるようにトルク要求値(第2トルク制限値)を出力する。このトルク要求値は、予め実験等によって求められたもので、変速段やアクセルペダルの操作量等によって変化する値として例えばマップ状に記憶されている。
前記トルクステア制御部14bは、駆動輪3,3でトルクステアが発生しそうな場合に、エンジン1の出力を制限してトルクステアの発生を未然に防止するトルクステア制御を行うように構成されている。すなわち、前記トルクステア制御部14bには、駆動輪3,3の舵角に対応したトルク制限値が図3に示すようなマップ状に記憶されていて(図3の例では駆動力と舵角との関係を示しているが、トルク制限値はこの駆動力に対応して決められる)、BCM13から出力される舵角信号に応じてトルク制限値(第1のトルク制限値)を決定するようになっている。この際、エンジン1の出力トルクや変速機2の変速段によって目標とするトルク制限値が異なるため、前記PCM11から出力される出力トルク信号や前記TCM12から出力される変速段信号も考慮して、前記トルク制限値を決定するようになっている。
すなわち、直進状態で急加速する場合、比較的大きな駆動トルクが発生した際にトルクステアの影響が出ることになるが、操舵輪に舵角を与えた状態で急加速した場合には、直進状態で急加速した場合に比べて小さな駆動トルクでもトルクステアが生じ、舵角が大きくなるほどトルクステアの生じる駆動トルクが小さくなってトルクステアが発生しやすくなるため、前記図3に示すように舵角に応じてパワープラントの出力トルクを制限すれば、トルクステアの発生を防止しつつ最も大きな出力トルクを得ることができる。
なお、本実施形態では、前記図3に示すように、前記駆動輪3,3を左右に操舵した場合でも、その操舵方向には関係なく舵角に対応してトルク制限値を規定するようにしているが、実際には、前述の課題で記載されたトルクステアのメカニズムを考慮すると、右旋回中はステアリングが右へとられるトルクステアが加算されてより切れ込むことになるが、左旋回中はステアリングが右へとられるトルクステアにより切れ込みが抑制されるものとなる。そのため、トルクステアの影響を踏まえて同じ舵角でも操舵方向によってトルク制限値を変えるのが好ましい。例えば、より大きな切り込みの生じる右旋回の場合には、切り込みの抑制される左旋回の場合よりもエンジントルクの最大値が小さくなるように設定するのが好ましい。
また、前記DSC14は、DSCトルク制御部14aから出力されるトルク要求値及びトルクステア制御部14bから出力されるトルク制限値のうち、小さい方の値を選択してCAN15上に出力するように構成されている。このように出力された値は、前記CAN15を介してPCM11に読み込まれるとともに、該PCM11でエンジントルクの目標値の算出に用いられる。これにより、車両Vで発生する車輪のスリップ及びトルクステアのうち、より低いエンジントルクで発生する現象に対応して、エンジン1の出力を制限することができるため、スリップの抑制というDSC本来の働きに加えて、トルクステアの発生を確実に防止することができるようになる。
次に、上述のような構成において、主に前記DSC14によって行われるエンジン出力制御の様子を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図2に示すエンジン出力制御のフローがスタートすると(スタート)、ステップS1では、前記BCM13から出力される舵角信号に、舵角センサ6の異常を知らせる異常信号が付加されていないかどうかを確認する。前記舵角センサ6の異常信号が検出された場合(NOの場合)には、そのままこのフローを終了する(エンド)一方、該舵角センサ6の異常信号が検出されなかった場合(YESの場合)には、続くステップS2へ進んで、前記TCM12から出力される変速段信号に基づいて変速機2が1速の状態かどうかを検出する。
前記ステップS2で、変速機2が1速の状態であると判定された場合(YESの場合)には、続くステップS3で図3に示す1速用のマップに基づいて舵角に応じたトルク制限値を決定する。このときに用いられる舵角は、前記ステップS1で舵角センサ6の異常を検出する際に舵角信号を読み込んでおいて求めてもよいし、このステップS3で改めて舵角信号を読み込んで求めるようにしても良い。
一方、前記ステップS2で、変速機2が1速の状態でないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS4に進んで、1速以外の変速段に応じたマップに基づいて舵角に対応するトルク制限値を決定する。なお、この実施形態では、1速と1速以外とで異なるマップを使うようにしているが、この限りではなく、例えば、変速機2の変速段に応じて各変速段用のマップを用いるようにしてもよいし、変速段の区別なく1つのマップから読み取るようにしてもよい。
ここで、トルクステアが発生しやすいのは、駆動輪3,3に与えられる駆動トルクが比較的大きい1速、2速の場合であるため、3速以上についてはトルクステア対策としてのエンジン出力制御を行わないようにすれば、無駄にエンジン出力が制限されるのを防止することができ、より大きな駆動力を確保することができる。
なお、1速と2速の場合では、図3に示すように、2速の場合の方が1速の場合よりもトルク制限値が大きくなるように設定されるのが好ましい。これは、2速の場合の方がギヤ比の分、駆動輪3,3に作用するトルクが小さくなること、加速時の車両前後姿勢により2速の場合のほうが1速の場合よりもフロント側に荷重がかかっていること、2速の場合の方が車速が大きい分、直進しようとするトルク(セルフ・アライニング・トルク)が増えること、などの理由により、駆動輪3,3の舵角が同じでも2速の場合の方が1速の場合よりもトルクステアの発生する出力トルクが大きくなることに起因している。
前記ステップS3及びS4で、駆動輪3,3の舵角に応じてエンジン1のトルク制限値を決定した後は、ステップS5に進んで、該トルク制限値のフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理は、パワープラントの出力トルクのトルク制限値を設定する場合に、該出力トルクが低下するのであればすばやく移行するように、反対に出力トルクが増大するのであれば吹き上げによって運転者に違和感を与えないように、前記トルク制限値への変化量を調整するためのものである。
具体的には、前記フィルタリング処理は、出力トルクを低下させる場合及び増大させる場合で、それぞれ、異なる係数の入力されたフィルタ式を用いて行われ、特に、出力トルクを増大させる場合には、その変化量の調整が容易になるように、予め変化の傾きが設定された変化量の式と前記フィルタ式とが用いられるようになっている。そして、前記フィルタ式の係数を変更することで、加速性を優先したり、吹き上げを低く抑えたりすることができるようになっている。
前記ステップS5でトルク制限値のフィルタリング処理を行った後、続くステップS6で、トルクステアを防止するためのトルク制限値が、DSCトルク制御部14aから出力されるスリップ抑制のためのトルク要求値よりも小さいかどうかの判定を行う。このステップS6で、トルク制限値がトルク要求値よりも小さいと判定された場合(YESの場合)には、ステップS7以降に進んで、出力トルクがトルク制限値に近づいたかどうかを判定する一方、前記トルク制限値がトルク要求値以上であると判定された場合(NOの場合)には、ステップS9に進んで、前記トルク要求値をCAN15を介してPCM11に出力する。
すなわち、トルクステア防止のためのトルク制限値よりもスリップ抑制のために要求されるトルク要求値のほうが小さい場合には、図5に示すように、トルクステアよりも先にスリップが生じることになるため、このスリップの抑制を優先して行うようにして、DSC14本来の機能を損なわないようにすることができる。
前記ステップS6において、トルク制限値がトルク要求値よりも小さいと判定された場合(YESの場合)に進むステップS7では、出力トルク(変速機2からの出力トルク)が、前記トルク制限値に近づいているかどうかを判定する。すなわち、前記PCM11から出力される出力トルク信号に基づいて、現在の出力トルクがトルク制限値よりも所定量だけ小さいトルク規定値αに達したかどうかを判定するようになっている。このようなトルク規定値に出力トルクが達したと判定された場合(YESの場合)には、続くステップS8でトルク制限値を前記CAN15を介してPCM11に出力する一方、出力トルクがトルク規定値αにまだ達していないと判定された場合(NOの場合)には、特に、エンジン出力制御を行う必要がないので、このフローを終了する(エンド)。
前記ステップS8でトルク制限値をPCM11に出力した後、若しくは前記ステップS9でトルク要求値をPCM11に出力した後に進むステップS10では、該トルク制限値若しくはトルク要求値に応じて前記PCM11でエンジントルクの目標値を求めて、エンジン1の出力を制限するようにした後、このフローを終了する(エンド)。
以下で、上述のような制御によってパワープラントの出力トルクが制御される様子を図4、5に基づいて説明する。
まず、車輪のスリップが生じていない場合には、図4に示すように、トルクステア防止のための制御のみが行われる。すなわち、運転者がアクセルペダルを100%踏み込むと、太い実線で示すように変速機2の出力トルクは増大し、トルク規定値αを超えた時点で、DSC14のトルクステア制御部14bから出力トルクを制限するためのトルク制限値t1をPCM11に対して出力する。これにより、出力トルクが該トルク制限値t1以下になるようにエンジン1の出力が制御される。この場合、前記トルク制限値は、図3上で舵角0度、変速段は1速に対応する数値が読み取られるとともに、トルクステアの発生を確実に防止するために、トルク制限値t1に迅速に設定されるようにトルク制限値のフィルタリング処理が行われる。
なお、本実施形態では、前記トルクステア制御部14bはDSC14内に設けられているため、前記PCM11に対して出力トルクを制限する場合には、TCS信号(トラクション制御信号)も合わせて出力されるようになっている。
そして、駆動輪3,3が45度の舵角になるように操舵されると、前記図3のマップから分かるように、トルクステアを防止するために出力トルクをさらに制限する必要があることから、新たなトルク制限値t2(<t1)が前記PCM11に対して出力される。このときも、迅速に出力トルクを抑えてトルクステアの発生を確実に防止する必要があるため、トルク制限値t1からt2への変化がすばやく行われるようにトルク制限値のフィルタリング処理が行われる。
次に、前記駆動輪3,3の舵角が0度に戻されると、対応するトルク制限値はt1になるが、急激に出力トルクを増大させると、エンジン1の吹き上げ等によって運転者に違和感を与えることになるので、徐々にトルク制限値がt2からt1になるようにフィルタリング処理される。
その後、変速段が1速から2速に変更されると、出力トルクは1速の場合よりも小さくなって、前記トルク規定値α以下になるため、トルクステア防止のためのエンジン出力制御を行う必要がなくなり、トルクステア制御が終了する。この場合にも、エンジン1の急激な吹き上げ等を防止するために、トルク制限値が徐々に大きくなって初期値に戻るようにトルク制限値がフィルタリング処理される。
図5は、トルクステアが発生する前に、車輪のスリップが生じている場合のトルク制御を示す。すなわち、運転者がアクセルペダルを100%踏み込んだ後、車輪が空転してスリップを生じると、DSCトルク制御部14aでスリップ状態を検出して、TCS信号及び車輪がスリップしないようなトルク要求値をPCM11に対して出力する。このように車輪がスリップしている状態では、車輪の接地荷重に対して過大な駆動力が作用しているため、エンジン1の出力を抑えるようにトルク制御を行う。
このようなトルク制御によって、スリップ状態を脱した後、前記DSCトルク制御部14aからはTSC信号が送信されなくなる(図5において信号0の状態)ため、トルク制御は一旦終了する。そして、その状態で駆動輪3,3の舵角を45度にした後、出力トルクが舵角45度に対応するトルク規定値βを超えた時点でトルクステア制御部14bはトルク制限値t3をTCS信号とともにPCM11に対して出力する。これにより、出力トルクはトルク制限値t3で抑えられることになる。このとき、トルクステアの発生を確実に防止する必要があるため、トルク制限値はt3に迅速に設定されるようにフィルタリング処理されている。
その後、駆動輪3,3の舵角が0度に戻されると、図3に示すマップのように出力トルクを大きくしてもトルクステアは発生しにくくなるので、トルク制限値をt3からt4に変更する。この際には、エンジン1の吹き上がりを防止するために、徐々にトルク制限値を変化させるようにする。
そして、変速段を1速から2速にした場合には、出力トルクが前記トルク規定値βよりも小さくなるため、トルク制御を行う必要がなくなり、トルクステア制御を終了する。この場合も、エンジン1の急激な吹き上がりを防止するために、トルク制限値が初期値に徐々に近づくように制御される。
以上より、本実施形態に係るエンジン制御装置10では、エンジン1の出力が伝達されて駆動するように構成された操舵輪としての駆動輪3,3の舵角に応じてエンジン1の出力制御を行うようにしたため、該駆動輪3,3の操舵によって生じやすくなるトルクステアを確実に防止することができる。しかも、前記エンジン1の出力を制限するトルク制限値は、舵角に応じて変化するように設定されるため、トルクステア防止のために該エンジン1の出力を無駄に制限することはなく、より大きな出力トルクを得ることができる。
また、トルクステアを防止するためにトルクステア制御部14bから出力されるトルク制限値、及びスリップ抑制のためにDSCトルク制御部14aから出力されるトルク要求値のうち、小さい方の値をPCM11に対して出力するように構成されているため、先に車輪のスリップが発生した場合でも、確実にスリップ抑制のためのエンジン出力制御を行うことができ、DSC14の本来の機能を損なうことがない。
さらに、トルクステアの生じやすい低速段(本実施形態では1速及び2速)でのみエンジン出力制御を行うとともに、前記駆動輪3,3が同じ舵角でも1速及び2速でそれぞれトルク制限値を変えることにより、トルクステアの発生を確実に防止しつつ余分なエンジン出力制御を行うことなく、より大きな出力トルクを得ることができる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、舵角センサ6からの出力信号に基づいてBCM13で舵角信号を生成するようにしているが、この限りではなく、舵角信号を直接、CAN15に出力できるような舵角センサを用いるようにしてもよいし、BCM13の機能がDSC14に含まれていてもよい。
また、前記実施形態では、2WDの車両について説明したが、4輪駆動(4WD)の車両において、上述のようなエンジン出力制御を行うようにしてもよい。すなわち、4輪駆動車の場合、4輪それぞれに駆動力が伝達されるため、2輪駆動車に比べて操舵輪に作用する駆動力が小さく、トルクステアが発生しにくいが、4輪駆動車でも操舵輪に比較的大きな駆動力が作用している場合(例えば2輪駆動のモードを選択した場合など)には、トルクステアの発生が考えられるため、トルクステア制御を行うのが好ましい。
この場合、図6にフローで示すように、まず、操舵輪に所定以上のトルクが作用しているかどうかを判定して(ステップS1’)、該操舵輪に所定以上のトルクが作用している場合(YESの場合)にのみ、図2と同様のトルクステア制御を行うようにすればよい。ここで、前記図6のフローにおいて、操舵輪に所定値以上のトルクが作用しているか否かを判定するステップS1’を行うトルクステア制御部が伝達トルク判定手段に対応する。
また、前記実施形態では、変速機2の出力トルクに基づいてエンジン1の出力制御を行うようにしているが、この限りではなく、例えば、エンジン1の出力トルクや、駆動輪3,3の駆動軸に伝達されるトルクなど、エンジン1から駆動輪3,3までの間であれば、どこのトルクを検出してエンジン出力制御に用いるようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、DSCトルク制御部14aによるスリップ制御も行うようにしているが、この限りではなく、スリップ制御は行わずに、トルクステア制御のみを行うようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、駆動される操舵輪の舵角に応じてエンジン出力制御を行うようにしたため、トルクステア防止のためにエンジン出力の制御を行うエンジン出力制御装置に特に有用である。
本発明の実施形態に係るエンジン出力制御装置を備えた車両の概略構成図である。 エンジン出力制御のフローを示すフローチャートである。 舵角とトルク制限値との関係を示す図である。 舵角を変化させた場合のトルクステア制御の様子を示す図である。 スリップ抑制のためのトルク制御及びトルクステア防止のためのトルクステア制御の様子を示す図である。 4輪駆動車の場合の図2相当図である。
符号の説明
V 車両
α、β トルク規定値
1 エンジン
2 変速機(多段変速機)
3 駆動輪(操舵輪)
4 終減速装置
5 従動輪
6 舵角センサ
10 エンジン制御装置(エンジン出力制御装置)
11 パワートレイン・コントロール・モジュール(PCM、エンジントルク制御手段)
12 トランスミッション・コントロール・モジュール(TCM、変速段検出手段)
13 ボディ・コントロール・モジュール(BCM、舵角検出手段)
14 安定性制御システム(DSC)
14a DSCトルク制御部(スリップ制御手段)
14b トルクステア制御部(エンジントルク最大値制限手段)
15 コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)

Claims (5)

  1. 車両の駆動輪でもある操舵輪の舵角を検出する舵角検出手段と、
    エンジントルクを制御するエンジントルク制御手段と、
    前記舵角検出手段によって検出された操舵輪の舵角に応じて、前記エンジントルク制御手段によって制御されるエンジントルクの最大値を制限するエンジントルク最大値制限手段と、を備えていることを特徴とする車両のエンジン出力制御装置。
  2. 請求項1において、
    車両の駆動輪がスリップしたときにエンジントルクを制限するスリップ制御手段を備え、
    エンジントルク制御手段は、エンジントルク最大値制限手段により制限されるエンジントルクの最大値及び前記スリップ制御手段により制限されるエンジントルク値のうち小さい方のトルクとなるようにエンジントルクを制御するものであることを特徴とする車両のエンジン出力制御装置。
  3. 請求項1または2のいずれか一つにおいて、
    車両には多段変速機が搭載されており、
    前記変速機の変速段を検出する変速段検出手段を備え、
    エンジントルク最大値制限手段は、前記変速段検出手段によって所定の低速段であることが検出された場合に、操舵輪の舵角に応じてエンジントルクの最大値を制限するように構成されていることを特徴とする車両のエンジン出力制御装置。
  4. 請求項1または2のいずれか一つにおいて、
    車両には多段変速機が搭載されており、
    前記変速機の変速段を検出する変速段検出手段を備え、
    エンジントルク最大値制限手段は、前記変速段検出手段によって検出される変速段も加味してエンジントルクの最大値を制限するように構成されていることを特徴とする車両のエンジン出力制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
    車両は、4輪すべてに駆動力を伝達し、且つ前後輪の駆動力配分を変更可能な4輪駆動車であって、
    操舵輪への伝達トルクが所定値以上であるかどうかを判定する伝達トルク判定手段を備え、
    エンジントルク最大値制限手段は、前記伝達トルク判定手段によって操舵輪への伝達トルクが所定値以上であると判定された場合に、エンジントルクの最大値を制限するように構成されていることを特徴とする車両のエンジン出力制御装置。
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CN104228938A (zh) * 2014-08-26 2014-12-24 苏州市职业大学 一种工业车辆用电动转向控制系统的通用电子控制单元
DE102016011077A1 (de) 2015-09-30 2017-03-30 Mazda Motor Corporation Steuerungsvorrichtung für einen Motor, Verfahren zum Steuern eines Motors und Computerprogrammprodukt

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