JPH08132914A - 手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置の焼損防止装置 - Google Patents
手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置の焼損防止装置Info
- Publication number
- JPH08132914A JPH08132914A JP27765094A JP27765094A JPH08132914A JP H08132914 A JPH08132914 A JP H08132914A JP 27765094 A JP27765094 A JP 27765094A JP 27765094 A JP27765094 A JP 27765094A JP H08132914 A JPH08132914 A JP H08132914A
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- electromagnetic
- temperature
- differential limiting
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- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電磁式差動制限装置の電磁コイルの焼損を確
実に防止し、且つ実際のトルク配分等の状態をドライバ
に適切に知らせる。 【構成】 センターデフ装置40に電磁コイル82の電
磁力により差動制限トルクを変化して前後トルク配分制
御する電磁式差動制限装置60を設け、ドライバの操作
により上記電磁コイル82のコイル電流を設定するマニ
ュアルスイッチ95と、このマニュアルスイッチ95で
設定されたコイル電流に基づき上記電磁式差動制限装置
60の差動制限トルクを変化させる差動制限トルク設定
手段101とを備えたものにおいて、マニュアルスイッ
チ95で設定されたコイル電流に応じた表示を行なう表
示部99と、電磁コイル82のコイル温度の上昇の状態
を検出する温度上昇検出手段107と、電磁コイル82
のコイル温度が制限温度に達した場合に上記電磁式差動
制限装置のコイル電流を減少補正すると共に、減少補正
の分だけ上記表示部99を点滅表示する電流制限手段1
09とを備える。
実に防止し、且つ実際のトルク配分等の状態をドライバ
に適切に知らせる。 【構成】 センターデフ装置40に電磁コイル82の電
磁力により差動制限トルクを変化して前後トルク配分制
御する電磁式差動制限装置60を設け、ドライバの操作
により上記電磁コイル82のコイル電流を設定するマニ
ュアルスイッチ95と、このマニュアルスイッチ95で
設定されたコイル電流に基づき上記電磁式差動制限装置
60の差動制限トルクを変化させる差動制限トルク設定
手段101とを備えたものにおいて、マニュアルスイッ
チ95で設定されたコイル電流に応じた表示を行なう表
示部99と、電磁コイル82のコイル温度の上昇の状態
を検出する温度上昇検出手段107と、電磁コイル82
のコイル温度が制限温度に達した場合に上記電磁式差動
制限装置のコイル電流を減少補正すると共に、減少補正
の分だけ上記表示部99を点滅表示する電流制限手段1
09とを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手動変速機を備えたセ
ンターデフ付4輪駆動車(MT4WD車)に電磁式差動
制限装置を付設した車両用前後トルク配分制御装置にお
いて、差動制限装置の電磁コイルの焼損防止装置に関す
る。
ンターデフ付4輪駆動車(MT4WD車)に電磁式差動
制限装置を付設した車両用前後トルク配分制御装置にお
いて、差動制限装置の電磁コイルの焼損防止装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】手動変速機を備えた4輪駆動車(MT4
WD車)は自動変速機を備えたAT車のような油圧源や
油圧制御装置が無いため、ベベルギヤやプラネタリギヤ
による機械式のセンターデフ装置が設けられている。こ
のMT4WD車で更に前後トルク配分制御を実現すれ
ば、高μ路での操縦性と低μ路での安定性を確保し、更
に必要に応じて最大の駆動力を発揮させることができ
る。そこで不等トルク配分センターデフ装置に電磁式差
動制限装置を装着した手動変速機を備えた車両用(MT
車用)前後トルク配分制御装置が、本件出願人による例
えば特願平5−110382号の出願により既に提案さ
れている。
WD車)は自動変速機を備えたAT車のような油圧源や
油圧制御装置が無いため、ベベルギヤやプラネタリギヤ
による機械式のセンターデフ装置が設けられている。こ
のMT4WD車で更に前後トルク配分制御を実現すれ
ば、高μ路での操縦性と低μ路での安定性を確保し、更
に必要に応じて最大の駆動力を発揮させることができ
る。そこで不等トルク配分センターデフ装置に電磁式差
動制限装置を装着した手動変速機を備えた車両用(MT
車用)前後トルク配分制御装置が、本件出願人による例
えば特願平5−110382号の出願により既に提案さ
れている。
【0003】このMT車用前後トルク配分制御装置は、
プラネタリギヤによる後輪偏重の不等トルク配分のセン
ターデフ装置を有し、このセンターデフ装置に差動制限
装置として、電磁コイルを備えたパイロットクラッチ、
プラネタリギヤのキャリアとサンギヤの間にメインクラ
ッチを設ける。そして制御ユニットにより電磁コイルに
コイル電流を供給して、電磁力によりプラネタリギヤの
キャリア側にスラスト力を発生する。このスラスト力に
よりメインクラッチに差動制限トルクを強固に生じ、こ
の差動制限トルクに応じて前後駆動トルクを、後輪偏重
の不等トルク配分から直結4輪駆動の状態に可変制御す
るものである。
プラネタリギヤによる後輪偏重の不等トルク配分のセン
ターデフ装置を有し、このセンターデフ装置に差動制限
装置として、電磁コイルを備えたパイロットクラッチ、
プラネタリギヤのキャリアとサンギヤの間にメインクラ
ッチを設ける。そして制御ユニットにより電磁コイルに
コイル電流を供給して、電磁力によりプラネタリギヤの
キャリア側にスラスト力を発生する。このスラスト力に
よりメインクラッチに差動制限トルクを強固に生じ、こ
の差動制限トルクに応じて前後駆動トルクを、後輪偏重
の不等トルク配分から直結4輪駆動の状態に可変制御す
るものである。
【0004】従ってこの装置によると、差動制限装置の
電磁コイルのコイル電流を電気的に制御するだけで、ト
ルク配分制御することが可能となる。この場合に、車両
走行時のスリップ状態等によりコイル電流を自動的に制
御することが考えられる。またドライバが路面状態、走
行条件等を判断してマニュアル操作でコイル電流を定め
て任意のトルク配分状態にセットし、このトルク配分を
表示装置で表示しても良い。
電磁コイルのコイル電流を電気的に制御するだけで、ト
ルク配分制御することが可能となる。この場合に、車両
走行時のスリップ状態等によりコイル電流を自動的に制
御することが考えられる。またドライバが路面状態、走
行条件等を判断してマニュアル操作でコイル電流を定め
て任意のトルク配分状態にセットし、このトルク配分を
表示装置で表示しても良い。
【0005】ところで電磁式差動制限装置は、コイル電
流により直接的に差動制限トルクを制御する方式である
から、電磁コイルに大きいコイル電流を流して差動制限
トルクを高めた直結4輪駆動の状態で長時間走行する
と、ケース内部のオイルの温度が上昇すると共に、電磁
コイルも発熱により温度上昇する。そして最悪の場合
は、コイルの被覆材が溶けてショートする等の焼損を招
くおそれがある。従って、電磁コイルの温度上昇を正確
に監視して、適確に焼損を防止する。またコイル温度状
態や実際のトルク配分状態をドライバに適切に知らせる
等の対策を施すことが望まれる。
流により直接的に差動制限トルクを制御する方式である
から、電磁コイルに大きいコイル電流を流して差動制限
トルクを高めた直結4輪駆動の状態で長時間走行する
と、ケース内部のオイルの温度が上昇すると共に、電磁
コイルも発熱により温度上昇する。そして最悪の場合
は、コイルの被覆材が溶けてショートする等の焼損を招
くおそれがある。従って、電磁コイルの温度上昇を正確
に監視して、適確に焼損を防止する。またコイル温度状
態や実際のトルク配分状態をドライバに適切に知らせる
等の対策を施すことが望まれる。
【0006】従来、上記電磁コイルの焼損防止に関して
は、例えば特公昭62−57535号公報の先行技術が
ある。この先行技術において、エンジン動力を接断する
電磁粉式クラッチの場合に、クラッチケースにクラッチ
の滑りに伴う発熱を検出する温度センサを設ける。そし
てセカンド発進時に温度センサのクラッチ温度が設定温
度に達すると、クラッチ電流の特性を変更してセカンド
での発進を不能にすることで、電磁粉式クラッチの焼損
防止し、且つ警報ブザーを鳴らしてそのことをドライバ
に知らせることが示されている。
は、例えば特公昭62−57535号公報の先行技術が
ある。この先行技術において、エンジン動力を接断する
電磁粉式クラッチの場合に、クラッチケースにクラッチ
の滑りに伴う発熱を検出する温度センサを設ける。そし
てセカンド発進時に温度センサのクラッチ温度が設定温
度に達すると、クラッチ電流の特性を変更してセカンド
での発進を不能にすることで、電磁粉式クラッチの焼損
防止し、且つ警報ブザーを鳴らしてそのことをドライバ
に知らせることが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、温度センサを使用する方式である
から、コイル温度の微妙な変化を正確に検出してきめ細
かく制御することが難しい。発進時の制御であるから、
本発明の走行中の場合とは制御の方法が必然的に異な
り、特に警報ブザーを鳴らすことは好ましく無い。
術のものにあっては、温度センサを使用する方式である
から、コイル温度の微妙な変化を正確に検出してきめ細
かく制御することが難しい。発進時の制御であるから、
本発明の走行中の場合とは制御の方法が必然的に異な
り、特に警報ブザーを鳴らすことは好ましく無い。
【0008】本発明は、このような点に鑑み、電磁式差
動制限装置の電磁コイルの焼損を確実に防止し、且つ実
際のトルク配分等の状態をドライバに適切に知らせるこ
とを目的とする。
動制限装置の電磁コイルの焼損を確実に防止し、且つ実
際のトルク配分等の状態をドライバに適切に知らせるこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置は、図1に示すように、手動変
速機20の出力側に差動制限しない場合に前後不等トル
ク配分するセンターデフ装置40を連結し、このセンタ
ーデフ装置40に電磁コイル82の電磁力により差動制
限トルクを変化して前後トルク配分制御する電磁式差動
制限装置60を設け、ドライバの操作により上記電磁コ
イル82のコイル電流を設定するマニュアルスイッチ9
5と、このマニュアルスイッチ95で設定されたコイル
電流に基づき上記電磁式差動制限装置60の差動制限ト
ルクを変化させる差動制限トルク設定手段101とを備
えたものにおいて、マニュァルスイッチ95で設定され
たコイル電流に応じた表示を行なう表示部99と、電磁
コイル82のコイル温度の上昇の状態を検出する温度上
昇検出手段107と、電磁コイル82のコイル温度が制
限温度に達した場合に上記電磁式差動制限装置のコイル
電流を減少補正すると共に、減少補正の分だけ上記表示
部99を点滅表示する電流制限手段109とを備えるこ
とを特徴とする。
め、本発明の請求項1に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置は、図1に示すように、手動変
速機20の出力側に差動制限しない場合に前後不等トル
ク配分するセンターデフ装置40を連結し、このセンタ
ーデフ装置40に電磁コイル82の電磁力により差動制
限トルクを変化して前後トルク配分制御する電磁式差動
制限装置60を設け、ドライバの操作により上記電磁コ
イル82のコイル電流を設定するマニュアルスイッチ9
5と、このマニュアルスイッチ95で設定されたコイル
電流に基づき上記電磁式差動制限装置60の差動制限ト
ルクを変化させる差動制限トルク設定手段101とを備
えたものにおいて、マニュァルスイッチ95で設定され
たコイル電流に応じた表示を行なう表示部99と、電磁
コイル82のコイル温度の上昇の状態を検出する温度上
昇検出手段107と、電磁コイル82のコイル温度が制
限温度に達した場合に上記電磁式差動制限装置のコイル
電流を減少補正すると共に、減少補正の分だけ上記表示
部99を点滅表示する電流制限手段109とを備えるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項2に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、制限温度を
電磁コイルの被覆材耐熱温度より若干低く設定したこと
を特徴とする。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、制限温度を
電磁コイルの被覆材耐熱温度より若干低く設定したこと
を特徴とする。
【0011】請求項3に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、温度上昇検
出手段107が、電磁コイルの印加電圧とコイル電流に
よりコイル抵抗を演算し、このコイル抵抗と予め記憶さ
れた抵抗と温度の関係によりコイル温度を算出すること
を特徴とする。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、温度上昇検
出手段107が、電磁コイルの印加電圧とコイル電流に
よりコイル抵抗を演算し、このコイル抵抗と予め記憶さ
れた抵抗と温度の関係によりコイル温度を算出すること
を特徴とする。
【0012】請求項4に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、上記電流制
限手段109が、コイル電流の減少補正中にマニュアル
スイッチ95により設定されるコイル電流が減少補正さ
れたコイル電流以下になった場合に、表示部99の点滅
表示を解除することを特徴とする。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、上記電流制
限手段109が、コイル電流の減少補正中にマニュアル
スイッチ95により設定されるコイル電流が減少補正さ
れたコイル電流以下になった場合に、表示部99の点滅
表示を解除することを特徴とする。
【0013】請求項5に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、上記電流制
限手段109が、コイル電流の減少補正中にコイル温度
が制限温度よりも低く設定した復帰温度以下になった場
台に、表示部99の点滅表示を解除すると共に、コイル
電流を所定量づつ増大し、マニュアルスイッチ95によ
り設定されたコイル電流に復帰制御することを特徴とす
る。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置は、上記電流制
限手段109が、コイル電流の減少補正中にコイル温度
が制限温度よりも低く設定した復帰温度以下になった場
台に、表示部99の点滅表示を解除すると共に、コイル
電流を所定量づつ増大し、マニュアルスイッチ95によ
り設定されたコイル電流に復帰制御することを特徴とす
る。
【0014】
【作用】従って、本発明の請求項1にあっては、手動変
速機20の変速動力がセンターデフ装置40に入力し、
差動制限しない場合はセンターデフ装置40の歯車諸元
により例えば後輪偏重の不等トルク配分で4輪駆動走行
する。このときドライバがマニュアルスイッチ95を操
作すると、差動制限トルク設定手段101により電磁式
差動制限装置60の電磁コイル82にコイル電流が流れ
て、その電磁力により差動制限トルクを生じる。そして
差動制限トルクにより前後輪にトルク移動してトルク配
分が、後輪偏重から前輪寄り及び直結4輪駆動の状態に
任意に可変制御される。こうしてMT車においてドライ
バのスイッチ操作によるコイル電流で前後トルク配分が
制御され、このトルク配分状態が差動制限トルク設定手
段101によりバーグラフ型ディスプレイ等の表示部9
9で点灯して表示される。
速機20の変速動力がセンターデフ装置40に入力し、
差動制限しない場合はセンターデフ装置40の歯車諸元
により例えば後輪偏重の不等トルク配分で4輪駆動走行
する。このときドライバがマニュアルスイッチ95を操
作すると、差動制限トルク設定手段101により電磁式
差動制限装置60の電磁コイル82にコイル電流が流れ
て、その電磁力により差動制限トルクを生じる。そして
差動制限トルクにより前後輪にトルク移動してトルク配
分が、後輪偏重から前輪寄り及び直結4輪駆動の状態に
任意に可変制御される。こうしてMT車においてドライ
バのスイッチ操作によるコイル電流で前後トルク配分が
制御され、このトルク配分状態が差動制限トルク設定手
段101によりバーグラフ型ディスプレイ等の表示部9
9で点灯して表示される。
【0015】また本発明の請求項2にあっては、上記電
磁式差動制限装置60のコイル電流によるトルク配分制
御において、例えばコイル電流、差動制限トルクが最大
の直結4輪駆動では、オイルの油温と共に電磁コイルの
温度が発熱等により上昇するようになるが、この場合に
温度上昇検出手段107でコイル温度上昇の状態が常に
検出される。そして直結4輪駆動のままで長時間走行し
てコイル温度が、コイル被覆材耐熱温度直前等の制限温
度に達すると、電流制限手段109によりコイル電流を
減少補正する。このため直結4輪駆動を自動的に解除し
てコイル温度の上昇が抑制され、これによりコイル焼損
等が確実に防止される。このとき表示部99で減少補正
の分だけ点滅表示することで、ドライバに実際のトルク
配分状態が適切に知らされる。
磁式差動制限装置60のコイル電流によるトルク配分制
御において、例えばコイル電流、差動制限トルクが最大
の直結4輪駆動では、オイルの油温と共に電磁コイルの
温度が発熱等により上昇するようになるが、この場合に
温度上昇検出手段107でコイル温度上昇の状態が常に
検出される。そして直結4輪駆動のままで長時間走行し
てコイル温度が、コイル被覆材耐熱温度直前等の制限温
度に達すると、電流制限手段109によりコイル電流を
減少補正する。このため直結4輪駆動を自動的に解除し
てコイル温度の上昇が抑制され、これによりコイル焼損
等が確実に防止される。このとき表示部99で減少補正
の分だけ点滅表示することで、ドライバに実際のトルク
配分状態が適切に知らされる。
【0016】請求項3にあっては、温度上昇検出手段1
07にコイルの温度が上昇する際のその抵抗の増大の実
験データ等が予め記憶されている。そして電磁コイル8
2の実際の印加電圧とコイル電流によりコイル抵抗を演
算し、このコイル抵抗と予め記憶された抵抗と温度の関
係によりコイル温度を算出することで、コイル温度が高
い精度で推定される。
07にコイルの温度が上昇する際のその抵抗の増大の実
験データ等が予め記憶されている。そして電磁コイル8
2の実際の印加電圧とコイル電流によりコイル抵抗を演
算し、このコイル抵抗と予め記憶された抵抗と温度の関
係によりコイル温度を算出することで、コイル温度が高
い精度で推定される。
【0017】請求項4にあっては、ドライバの意志に反
してコイル電流を減少補正してコイル焼損防止され、こ
のことが表示部の点滅でドライバに知らされる場合に、
ドライバが気付いてスイッチ操作を修正すると、電流制
限手段109で点滅しなくなる。
してコイル電流を減少補正してコイル焼損防止され、こ
のことが表示部の点滅でドライバに知らされる場合に、
ドライバが気付いてスイッチ操作を修正すると、電流制
限手段109で点滅しなくなる。
【0018】また請求項5にあつては、コイル電流を減
少補正していることにドライバが気付かない場合は、電
流制限手段109によりコイル温度が充分に下がってコ
イル焼損のおそれが無くなった以降、コイル電流を徐々
にスイッチ操作の状態に上げて適切に直結4輪駆動に復
帰するように制御される。
少補正していることにドライバが気付かない場合は、電
流制限手段109によりコイル温度が充分に下がってコ
イル焼損のおそれが無くなった以降、コイル電流を徐々
にスイッチ操作の状態に上げて適切に直結4輪駆動に復
帰するように制御される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、手動変速機を備えたセンターデフ
付4輪駆動車の駆動系の概略について説明する。先ず、
クラッチハウジング1と変速機ケース2が一体化して半
割したモナカ状に形成され、変速機ケース2の後部に筒
状のトランスファケース3及びエクステンションケース
4が順次接合される。そしてエンジン10のクランク軸
11はクラッチハウジング1の内部のクラッチ12に連
結され、クラッチ12が手動変速機20の入力軸21に
連結される。
する。図2において、手動変速機を備えたセンターデフ
付4輪駆動車の駆動系の概略について説明する。先ず、
クラッチハウジング1と変速機ケース2が一体化して半
割したモナカ状に形成され、変速機ケース2の後部に筒
状のトランスファケース3及びエクステンションケース
4が順次接合される。そしてエンジン10のクランク軸
11はクラッチハウジング1の内部のクラッチ12に連
結され、クラッチ12が手動変速機20の入力軸21に
連結される。
【0020】手動変速機20は、変速機ケース2とトラ
ンスファケース3の内部に入力軸21と中空の出力軸2
2が平行に配置され、変速機ケース2の内部において入
力軸21と出力軸22の間に前方から第1速ギヤ23、
第2速ギヤ24、第3速ギヤ25、第4速ギヤ26が順
次配置され、2つのギヤ相互の間にシンクロ機構30,
31がそれぞれ設けられる。また第1速ギヤ23と第2
速ギヤ24の間には、ドライブギヤ28a、ドリブンギ
ヤ28b及びアイドラギヤ28cを有するリバースギヤ
28が配置される。更にトランスファケース3の内部に
おいて入力軸21と出力軸22の間に第5速ギヤ27と
シンクロ機構32が配置され、3組のシンクロ機構3
0,31,32を選択的に作動して前進5段のいずれか
1つにシフトし、アイドラギヤ28cを2つのギヤ28
a,28bに噛合わせてリバースにシフトするように構
成される。
ンスファケース3の内部に入力軸21と中空の出力軸2
2が平行に配置され、変速機ケース2の内部において入
力軸21と出力軸22の間に前方から第1速ギヤ23、
第2速ギヤ24、第3速ギヤ25、第4速ギヤ26が順
次配置され、2つのギヤ相互の間にシンクロ機構30,
31がそれぞれ設けられる。また第1速ギヤ23と第2
速ギヤ24の間には、ドライブギヤ28a、ドリブンギ
ヤ28b及びアイドラギヤ28cを有するリバースギヤ
28が配置される。更にトランスファケース3の内部に
おいて入力軸21と出力軸22の間に第5速ギヤ27と
シンクロ機構32が配置され、3組のシンクロ機構3
0,31,32を選択的に作動して前進5段のいずれか
1つにシフトし、アイドラギヤ28cを2つのギヤ28
a,28bに噛合わせてリバースにシフトするように構
成される。
【0021】また出力軸22の内部にはフロントドライ
ブ軸34が挿通され、入力軸21の後方にトランスファ
軸15が同軸上に配置される。そして出力軸22の後部
に差動制限しない場合に前後不等トルク配分するセンタ
ーデフ装置40が連結され、このセンターデフ装置40
からフロントドライブ軸34とリヤドライブ軸35に連
結される。またフロントドライブ軸34とリヤドライブ
軸35の間にトルク配分制御可能な電磁式差動制限装置
60が設けられ、これらセンターデフ装置40と電磁式
差動制限装置60により前後トルク配分制御装置Aが構
成される。
ブ軸34が挿通され、入力軸21の後方にトランスファ
軸15が同軸上に配置される。そして出力軸22の後部
に差動制限しない場合に前後不等トルク配分するセンタ
ーデフ装置40が連結され、このセンターデフ装置40
からフロントドライブ軸34とリヤドライブ軸35に連
結される。またフロントドライブ軸34とリヤドライブ
軸35の間にトルク配分制御可能な電磁式差動制限装置
60が設けられ、これらセンターデフ装置40と電磁式
差動制限装置60により前後トルク配分制御装置Aが構
成される。
【0022】更に、フロントドライブ軸34は変速機ケ
ース2の内部に配置されるフロントデフ装置13等を介
して前輪18に動力伝達するように連結される。またリ
ヤドライブ軸35はリダクションギヤ14、トランスフ
ァ軸15、プロペラ軸16及びリヤデフ装置17等を介
して後輪19に動力伝達するように連結され、フルタイ
ムの4輪駆動車に構成される。
ース2の内部に配置されるフロントデフ装置13等を介
して前輪18に動力伝達するように連結される。またリ
ヤドライブ軸35はリダクションギヤ14、トランスフ
ァ軸15、プロペラ軸16及びリヤデフ装置17等を介
して後輪19に動力伝達するように連結され、フルタイ
ムの4輪駆動車に構成される。
【0023】図3において、センターデフ装置40と電
磁式差動制限装置60について詳細に説明する。センタ
ーデフ装置40はプラネタリギヤ式であり、円筒状のデ
フケース41が前端を出力軸22に一体結合して、軸3
4,35の周囲に配置される。デフケース41の内部に
は筒状のサンギヤ軸42が前端をフロントドライブ軸3
4に一体結合し途中をベアリング44で支持して挿入さ
れ、更にキャリア43が後端をリヤドライブ軸35に一
体結合して挿入される。デフケース41の内周にはプラ
ネタリギヤ50のリングギヤ51が形成され、このリン
グギヤ51がキャリア43と一体的なピン52のニード
ル53で回転自在に支持される2組のピニオン54,5
5を介してサンギヤ軸42のサンギヤ56に噛合い、リ
ングギヤ51、キャリア43及びサンギヤ56の回転方
向を常に同一にし、リングギヤ51に入力する変速動力
をキャリア43とサンギヤ56とに2分割して伝達する
ように構成される。この場合に、サンギヤ56に対して
キャリア43の方が径が大きいことで、差動制限しない
場合の基準トルク配分が後輪偏重の不等トルク配分にな
る。
磁式差動制限装置60について詳細に説明する。センタ
ーデフ装置40はプラネタリギヤ式であり、円筒状のデ
フケース41が前端を出力軸22に一体結合して、軸3
4,35の周囲に配置される。デフケース41の内部に
は筒状のサンギヤ軸42が前端をフロントドライブ軸3
4に一体結合し途中をベアリング44で支持して挿入さ
れ、更にキャリア43が後端をリヤドライブ軸35に一
体結合して挿入される。デフケース41の内周にはプラ
ネタリギヤ50のリングギヤ51が形成され、このリン
グギヤ51がキャリア43と一体的なピン52のニード
ル53で回転自在に支持される2組のピニオン54,5
5を介してサンギヤ軸42のサンギヤ56に噛合い、リ
ングギヤ51、キャリア43及びサンギヤ56の回転方
向を常に同一にし、リングギヤ51に入力する変速動力
をキャリア43とサンギヤ56とに2分割して伝達する
ように構成される。この場合に、サンギヤ56に対して
キャリア43の方が径が大きいことで、差動制限しない
場合の基準トルク配分が後輪偏重の不等トルク配分にな
る。
【0024】またピニオン54,55の遊星回転によ
り、旋回時の前後輪18,19の回転差を吸収して差動
作用するように構成される。
り、旋回時の前後輪18,19の回転差を吸収して差動
作用するように構成される。
【0025】電磁式差動制限装置60は、プラネタリギ
ヤ50の前方に差動制御用のメインクラッチ61が、プ
ラネタリギヤ50の後方に制御用のパイロットクラッチ
70が配置される。パイロットクラッチ70は、デフケ
ース41の後部に一体結合してベアリング76で支持さ
れるドラム71、キャリア43のボス部43aに回転可
能に遊嵌されるハブ72、ドラム71とハブ72の間で
両者の一方にスプライン嵌合して交互に配置される複数
枚のクラッチプレート73,74と押圧プレート75を
有する。またドラム71の直後には電磁石80が装着さ
れ、ハブ72とキャリアボス部43aの間にカム90が
設けられる。
ヤ50の前方に差動制御用のメインクラッチ61が、プ
ラネタリギヤ50の後方に制御用のパイロットクラッチ
70が配置される。パイロットクラッチ70は、デフケ
ース41の後部に一体結合してベアリング76で支持さ
れるドラム71、キャリア43のボス部43aに回転可
能に遊嵌されるハブ72、ドラム71とハブ72の間で
両者の一方にスプライン嵌合して交互に配置される複数
枚のクラッチプレート73,74と押圧プレート75を
有する。またドラム71の直後には電磁石80が装着さ
れ、ハブ72とキャリアボス部43aの間にカム90が
設けられる。
【0026】電磁石80は、コ字形断面のケース81の
内部に電磁コイル82を収容して構成され、ケース81
をドラム71にベアリング83を介して取付け、且つエ
クステンションケース4のステー84にボルト85で結
合して、容易に給電することが可能に固定設置される。
またケース81の開口側の両端部81aはドラム71の
縁等に摺接して磁路が形成される。ここでドラム71は
非磁性体の筒部71aと磁性体のボス部71bに分割し
て構成され、ボス部71bの内部にも非磁性体の仕切り
部材86が挿入され、クラッチプレート73,74や押
圧プレート75が磁性体で成形される。これにより制御
ユニット100により電磁コイル82に通電して磁界を
発生すると、ケース81とプレート73〜75との間に
磁路Sを形成する。そして電磁力によりプレート73〜
75を吸引して押圧接触することで結合トルクを生じ、
ハブ72をドラム71と同期回転する。
内部に電磁コイル82を収容して構成され、ケース81
をドラム71にベアリング83を介して取付け、且つエ
クステンションケース4のステー84にボルト85で結
合して、容易に給電することが可能に固定設置される。
またケース81の開口側の両端部81aはドラム71の
縁等に摺接して磁路が形成される。ここでドラム71は
非磁性体の筒部71aと磁性体のボス部71bに分割し
て構成され、ボス部71bの内部にも非磁性体の仕切り
部材86が挿入され、クラッチプレート73,74や押
圧プレート75が磁性体で成形される。これにより制御
ユニット100により電磁コイル82に通電して磁界を
発生すると、ケース81とプレート73〜75との間に
磁路Sを形成する。そして電磁力によりプレート73〜
75を吸引して押圧接触することで結合トルクを生じ、
ハブ72をドラム71と同期回転する。
【0027】カム90は、図4のようにハブ72に溝9
1を形成し、キャリア43のボス部43aの溝91と対
向する箇所にテーパ92を形成し、これら溝91とテー
パ92の間にボール93を挿入して構成され、ハブ72
とキャリア43の回転差とボール93によりキャリア4
3を前方へ押圧するようなスラスト力Fsを発生する。
またハブ72の後部はスラストベアリング94によりド
ラム71側で支持され、スラスト力Fsの反力を逃がし
てクラッチプレート73,74の結合トルクがスラスト
力Fsに加算されることが防止される。こうして電磁コ
イル82に通電すると、そのコイル電流Iに応じた結合
トルクを介してスラスト力Fsを発生する構成になって
いる。
1を形成し、キャリア43のボス部43aの溝91と対
向する箇所にテーパ92を形成し、これら溝91とテー
パ92の間にボール93を挿入して構成され、ハブ72
とキャリア43の回転差とボール93によりキャリア4
3を前方へ押圧するようなスラスト力Fsを発生する。
またハブ72の後部はスラストベアリング94によりド
ラム71側で支持され、スラスト力Fsの反力を逃がし
てクラッチプレート73,74の結合トルクがスラスト
力Fsに加算されることが防止される。こうして電磁コ
イル82に通電すると、そのコイル電流Iに応じた結合
トルクを介してスラスト力Fsを発生する構成になって
いる。
【0028】メインクラッチ61は、キャリア43のピ
ン52に移動可能に遊嵌されるドラム62、このドラム
62とサンギヤ軸42の間で両者の一方にスプライン嵌
合して交互に配置される複数枚のクラッチプレート6
3,64を有する。そしてカム90のスラスト力Fsに
よりピン52がクラッチプレート63,64を押圧接触
し、数倍に増幅して差動制限トルクTdを発生するよう
に構成される。これにより差動制限トルクTdはコイル
電流Iに対して、図5のように増大関数的に制御され
る。このためセンターデフ装置40のプラネタリギヤ5
0で後輪偏重に不等トルク配分されている状態におい
て、コイル電流Iにより差動制限トルクTdを変化する
ことで、前輪寄りのトルク配分に可変制御し、またはデ
フロックして直結4輪駆動にすることが可能となる。
ン52に移動可能に遊嵌されるドラム62、このドラム
62とサンギヤ軸42の間で両者の一方にスプライン嵌
合して交互に配置される複数枚のクラッチプレート6
3,64を有する。そしてカム90のスラスト力Fsに
よりピン52がクラッチプレート63,64を押圧接触
し、数倍に増幅して差動制限トルクTdを発生するよう
に構成される。これにより差動制限トルクTdはコイル
電流Iに対して、図5のように増大関数的に制御され
る。このためセンターデフ装置40のプラネタリギヤ5
0で後輪偏重に不等トルク配分されている状態におい
て、コイル電流Iにより差動制限トルクTdを変化する
ことで、前輪寄りのトルク配分に可変制御し、またはデ
フロックして直結4輪駆動にすることが可能となる。
【0029】図6において、トルク配分制御系の機能ブ
ロックについて説明する。先ず、センターコンソールに
配設されてドライバにより操作されるダイヤル型のマニ
ュアルスイッチ95を有し、このマニュアルスイッチ9
5の可変抵抗値等の設定値aが制御ユニット100の差
動制限トルク設定手段101に入力し、スイッチ操作の
設定値aに応じたデューティ比Dに変換する。即ち、設
定値aが零の差動制限しないフリーの場合にデューティ
比0%に定め、設定値aの増大に応じてデューティ比D
を大きく定め、更に設定値aが最大のデフロックの場合
にデューティ比100%に定め、このデューティ比Dを
駆動回路102,103に出力する。駆動回路102
は、イグニッションスイッチ96によりバッテリ97の
一定電圧が印加する状態においてデューティ比Dに応じ
たコイル電流Iを生じてこのコイル電流Iを電磁式差動
制限装置60の電磁コイル82に供給する。他の駆動回
路103は、同様に電圧印加した状態でデューティ比D
に応じた信号を複数のセグメントを有するバーグラフ型
ディスプレイ99に出力して点灯する。
ロックについて説明する。先ず、センターコンソールに
配設されてドライバにより操作されるダイヤル型のマニ
ュアルスイッチ95を有し、このマニュアルスイッチ9
5の可変抵抗値等の設定値aが制御ユニット100の差
動制限トルク設定手段101に入力し、スイッチ操作の
設定値aに応じたデューティ比Dに変換する。即ち、設
定値aが零の差動制限しないフリーの場合にデューティ
比0%に定め、設定値aの増大に応じてデューティ比D
を大きく定め、更に設定値aが最大のデフロックの場合
にデューティ比100%に定め、このデューティ比Dを
駆動回路102,103に出力する。駆動回路102
は、イグニッションスイッチ96によりバッテリ97の
一定電圧が印加する状態においてデューティ比Dに応じ
たコイル電流Iを生じてこのコイル電流Iを電磁式差動
制限装置60の電磁コイル82に供給する。他の駆動回
路103は、同様に電圧印加した状態でデューティ比D
に応じた信号を複数のセグメントを有するバーグラフ型
ディスプレイ99に出力して点灯する。
【0030】続いて、電磁コイル焼損防止制御系につい
て説明する。制御原理について説明すると、一般的にコ
イルの抵抗Rはその温度Tにより変化するため、逆にコ
イル抵抗Rからコイル温度Tを高い精度で推定できる。
そしてコイル焼損防止するには、コイル温度Tが常にコ
イル被覆材耐熱温度以下になるようにコイル電流Iを制
限すれば良い。
て説明する。制御原理について説明すると、一般的にコ
イルの抵抗Rはその温度Tにより変化するため、逆にコ
イル抵抗Rからコイル温度Tを高い精度で推定できる。
そしてコイル焼損防止するには、コイル温度Tが常にコ
イル被覆材耐熱温度以下になるようにコイル電流Iを制
限すれば良い。
【0031】そこで制御ユニット100は、駆動回路1
02の印加電圧VをA/D変換した電圧検出手段104
を有する。また電磁コイル82の回路中に接続したシャ
ント抵抗98の電圧をA/D変換して入力し、その電圧
とシャント抵抗により実際のコイル電流Iを求める電流
検出手段105を有する。これら印加電圧Vとコイル電
流Iはコイル抵抗演算手段106に入力して、定期的に
コイル抵抗Rを、R=V/Iにより算出する。このコイ
ル抵抗Rはコイル温度上昇検出手段107に入力して、
コイル温度上昇の状態を判断する。
02の印加電圧VをA/D変換した電圧検出手段104
を有する。また電磁コイル82の回路中に接続したシャ
ント抵抗98の電圧をA/D変換して入力し、その電圧
とシャント抵抗により実際のコイル電流Iを求める電流
検出手段105を有する。これら印加電圧Vとコイル電
流Iはコイル抵抗演算手段106に入力して、定期的に
コイル抵抗Rを、R=V/Iにより算出する。このコイ
ル抵抗Rはコイル温度上昇検出手段107に入力して、
コイル温度上昇の状態を判断する。
【0032】ここでコイルの温度Tに対する抵抗Rは、
0℃の抵抗値Ro、コイルの材質、形状等による温度係
数αにより、R=Ro(1+αT)で算出される。また
基準とする温度Tsのときの抵抗Rsとすると、 R=Ro(1+αT) Rs=Ro(1+αTs) Rs/R=(1+αTs)/(1+αT) が成立する。従って、基準とする温度Tsのときの抵抗
をRsを実験的に定めておけば、上式から抵抗Rのとき
の温度Tを求めることができる。
0℃の抵抗値Ro、コイルの材質、形状等による温度係
数αにより、R=Ro(1+αT)で算出される。また
基準とする温度Tsのときの抵抗Rsとすると、 R=Ro(1+αT) Rs=Ro(1+αTs) Rs/R=(1+αTs)/(1+αT) が成立する。従って、基準とする温度Tsのときの抵抗
をRsを実験的に定めておけば、上式から抵抗Rのとき
の温度Tを求めることができる。
【0033】手動変速機20の評価基準ではケース内の
オイルの最高温度は、例えば約130℃となる。この状
態でデューティ比100%を維持した際の抵抗と温度の
実験結果は、図7のようになる。そこでメモリ108に
この実験結果の基準となる温度Tsと抵抗Rsの関係を
記憶し、これら実験データと上述の電圧Vと電流Iによ
る抵抗Rによりコイル温度Tを推定する。またコイルの
被覆材耐熱温度より若干低く制限温度Tmaxを定め、
コイル温度Tを制限温度Tmaxと比較してコイル温度
上昇を検出する。
オイルの最高温度は、例えば約130℃となる。この状
態でデューティ比100%を維持した際の抵抗と温度の
実験結果は、図7のようになる。そこでメモリ108に
この実験結果の基準となる温度Tsと抵抗Rsの関係を
記憶し、これら実験データと上述の電圧Vと電流Iによ
る抵抗Rによりコイル温度Tを推定する。またコイルの
被覆材耐熱温度より若干低く制限温度Tmaxを定め、
コイル温度Tを制限温度Tmaxと比較してコイル温度
上昇を検出する。
【0034】コイル温度上昇の結果は電流制限手段10
9に入力して、コイル温度Tが制限温度Tmax以上の
場合に所定の減少補正量bを定め、この補正量bを差動
制限トルク設定手段101に出力して、デューティ比D
を補正量bの分だけ減少補正する。また補正量bは駆動
回路103にも出力して、補正量bの分だけディスプレ
イ99のセグメントを点滅するように構成される。
9に入力して、コイル温度Tが制限温度Tmax以上の
場合に所定の減少補正量bを定め、この補正量bを差動
制限トルク設定手段101に出力して、デューティ比D
を補正量bの分だけ減少補正する。また補正量bは駆動
回路103にも出力して、補正量bの分だけディスプレ
イ99のセグメントを点滅するように構成される。
【0035】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、停車または走行中にクラッチ12を切断して
前進段にシフトすると、手動変速機20においてシンク
ロ機構30,31または32により第1速ないし第5速
のギヤ23〜27のいずれか1つが入力軸21と同期し
ながら一体化して選択される。そこでクラッチ12を接
続すると、エンジン10の動力が手動変速機20の入力
軸21に入力し、選択された変速ギヤによる変速動力が
出力軸22に出力する。また停車時にクラッチ切断した
状態でリバースシフトすると、リバースギヤ28のアイ
ドラギヤ28cがドライブ及びドリブンギヤ28a,2
8bに噛合って、逆転した変速動力が出力軸22に出力
し、こうして前進5段後進1段に変速される。
る。先ず、停車または走行中にクラッチ12を切断して
前進段にシフトすると、手動変速機20においてシンク
ロ機構30,31または32により第1速ないし第5速
のギヤ23〜27のいずれか1つが入力軸21と同期し
ながら一体化して選択される。そこでクラッチ12を接
続すると、エンジン10の動力が手動変速機20の入力
軸21に入力し、選択された変速ギヤによる変速動力が
出力軸22に出力する。また停車時にクラッチ切断した
状態でリバースシフトすると、リバースギヤ28のアイ
ドラギヤ28cがドライブ及びドリブンギヤ28a,2
8bに噛合って、逆転した変速動力が出力軸22に出力
し、こうして前進5段後進1段に変速される。
【0036】出力軸22の変速動力はセンターデフ装置
40のデフケース41に入力し、プラネタリギヤ50に
よりサンギヤ軸42とキャリア43に2分割される。そ
してサンギヤ軸42の動力はフロントドライブ軸34、
フロントデフ装置13を介して前輪18に伝達し、キャ
リア43の動力はリヤドライブ軸35、リダクションギ
ヤ14、トランスファ軸15等を介して後輪19に伝達
して4輪駆動走行する。
40のデフケース41に入力し、プラネタリギヤ50に
よりサンギヤ軸42とキャリア43に2分割される。そ
してサンギヤ軸42の動力はフロントドライブ軸34、
フロントデフ装置13を介して前輪18に伝達し、キャ
リア43の動力はリヤドライブ軸35、リダクションギ
ヤ14、トランスファ軸15等を介して後輪19に伝達
して4輪駆動走行する。
【0037】上述の4輪駆動走行において、ドライバが
マニュアルスイッチ95を操作すると、制御ユニット1
00によるコイル電流Iで差動制限装置60が作動して
前後トルク配分制御され、且つディスプレイ99で表示
される。そこで前後トルク配分制御を、図8のフローチ
ャートと図9のタイムチャートにより説明する。
マニュアルスイッチ95を操作すると、制御ユニット1
00によるコイル電流Iで差動制限装置60が作動して
前後トルク配分制御され、且つディスプレイ99で表示
される。そこで前後トルク配分制御を、図8のフローチ
ャートと図9のタイムチャートにより説明する。
【0038】先ず、ステップS1でドライバによるマニ
ュアルスイッチ95の操作の設定値a、電磁コイル82
の印加電圧V、コイル電流Iを読込み、ステップS2で
スイッチ操作の設定値aをデューティ比Dに変換し、ス
テップS3でデューティ比Dに応じたコイル電流Iを生
じて出力し、ステップS4でデューティ比Dに応じたデ
ィスプレイ表示量Hを生じて出力する。その後ステップ
S5で印加電圧Vとコイル電流Iによりコイル抵抗Rを
算出し、ステップS6でこのコイル抵抗R、実験データ
による抵抗Rsと温度Tsの関係により電磁コイル82
のコイル温度Tを演算し、ステップS7に進んでコイル
温度Tを制限温度Tmaxと比較する。そして通常の差
動制限の少ない場合は、T<Tmaxのためそのまま抜
け、以上の作用を繰返す。
ュアルスイッチ95の操作の設定値a、電磁コイル82
の印加電圧V、コイル電流Iを読込み、ステップS2で
スイッチ操作の設定値aをデューティ比Dに変換し、ス
テップS3でデューティ比Dに応じたコイル電流Iを生
じて出力し、ステップS4でデューティ比Dに応じたデ
ィスプレイ表示量Hを生じて出力する。その後ステップ
S5で印加電圧Vとコイル電流Iによりコイル抵抗Rを
算出し、ステップS6でこのコイル抵抗R、実験データ
による抵抗Rsと温度Tsの関係により電磁コイル82
のコイル温度Tを演算し、ステップS7に進んでコイル
温度Tを制限温度Tmaxと比較する。そして通常の差
動制限の少ない場合は、T<Tmaxのためそのまま抜
け、以上の作用を繰返す。
【0039】そこで乾燥路の場合に、スイッチ操作の設
定値aを零にすると、コイル電流Iが流れなくなる。こ
のため電磁式差動制限装置60は、両クラッチ61,7
0がフリーになって差動制限トルクTdが零のフリー状
態になる。このためセンターデフ装置40のプラネタリ
ギヤ50の歯車諸元により前後輪の基準トルク配分が決
まり、大径のキャリア43と小径のサンギヤ軸42によ
り、後輪トルクTrと前輪トルクTfが、例えばTr:
Tf=66:34になって後輪偏重の不等トルク配分と
なる。また旋回時にはプラネタリギヤ50のピニオン5
4,55の遊星回転により、4輪駆動状態で前後輪1
8,19の回転差が吸収され、これにより加速性や操縦
性が良くなる。
定値aを零にすると、コイル電流Iが流れなくなる。こ
のため電磁式差動制限装置60は、両クラッチ61,7
0がフリーになって差動制限トルクTdが零のフリー状
態になる。このためセンターデフ装置40のプラネタリ
ギヤ50の歯車諸元により前後輪の基準トルク配分が決
まり、大径のキャリア43と小径のサンギヤ軸42によ
り、後輪トルクTrと前輪トルクTfが、例えばTr:
Tf=66:34になって後輪偏重の不等トルク配分と
なる。また旋回時にはプラネタリギヤ50のピニオン5
4,55の遊星回転により、4輪駆動状態で前後輪1
8,19の回転差が吸収され、これにより加速性や操縦
性が良くなる。
【0040】低μ路の場合に、ドライバがその路面状態
を判断してスイッチ95の設定値aを大きく操作する
と、デューティ信号により設定値aに応じたコイル電流
Iがパイロットクラッチ70の電磁コイル82に流れ
る。そこで電磁石80の電磁吸引力でクラッチプレート
73,74が押圧接触してハブ72がドラム71と同期
回転し、カム90が作動してキャリア43にスラスト力
Fsを生じる。このためメインクラッチ61ではキャリ
ア43のピン52でクラッチプレート63,64が押圧
されて所定の差動制限トルクTdを発生し、キャリア4
3とサンギヤ軸42の間にメインクラッチ61を介して
トルク経路がバイパスして形成される。このためトルク
配分の大きい後輪側から差動制限トルクTdに応じて前
輪側にトルク移動し、前輪トルクTfが増大して前輪寄
りにトルク配分制御され、こうして後輪19のスリップ
を適切に防止して安定性等が確保される。またディスプ
レイ99はデューティ信号に応じバーグラフが点灯し
て、このスイッチ操作とトルク配分の状態が表示され
る。
を判断してスイッチ95の設定値aを大きく操作する
と、デューティ信号により設定値aに応じたコイル電流
Iがパイロットクラッチ70の電磁コイル82に流れ
る。そこで電磁石80の電磁吸引力でクラッチプレート
73,74が押圧接触してハブ72がドラム71と同期
回転し、カム90が作動してキャリア43にスラスト力
Fsを生じる。このためメインクラッチ61ではキャリ
ア43のピン52でクラッチプレート63,64が押圧
されて所定の差動制限トルクTdを発生し、キャリア4
3とサンギヤ軸42の間にメインクラッチ61を介して
トルク経路がバイパスして形成される。このためトルク
配分の大きい後輪側から差動制限トルクTdに応じて前
輪側にトルク移動し、前輪トルクTfが増大して前輪寄
りにトルク配分制御され、こうして後輪19のスリップ
を適切に防止して安定性等が確保される。またディスプ
レイ99はデューティ信号に応じバーグラフが点灯し
て、このスイッチ操作とトルク配分の状態が表示され
る。
【0041】また雪道等の悪路、風の強い高速道路の場
合に、スイッチ95の設定値aを最大に操作すると、コ
イル電流Iが最大になる。そこで電磁式差動制限装置6
0は、電磁力によるカム90のスラスト力Fsと共にメ
インクラッチ61の差動制限トルクTdが最大になっ
て、キャリア43とサンギヤ軸42のクラッチプレート
63,64が押圧結合し、プラネタリギヤ50を一体化
するようにデフロックする。そこで前後輪18,19が
直結した4輪駆動走行になり、この場合は前後の重量配
分に応じてトルク配分制御され、走破性が最大に発揮さ
れる。またディスプレイ99は全域が点灯して、直結4
輪駆動が表示される。
合に、スイッチ95の設定値aを最大に操作すると、コ
イル電流Iが最大になる。そこで電磁式差動制限装置6
0は、電磁力によるカム90のスラスト力Fsと共にメ
インクラッチ61の差動制限トルクTdが最大になっ
て、キャリア43とサンギヤ軸42のクラッチプレート
63,64が押圧結合し、プラネタリギヤ50を一体化
するようにデフロックする。そこで前後輪18,19が
直結した4輪駆動走行になり、この場合は前後の重量配
分に応じてトルク配分制御され、走破性が最大に発揮さ
れる。またディスプレイ99は全域が点灯して、直結4
輪駆動が表示される。
【0042】この直結4輪駆動の走行では、電磁式差動
制限装置60の電磁コイル82が高いコイル電流Iによ
る発熱で徐々に温度上昇するが、このとき両クラッチ6
1,70で強く押圧接触するプレートのスリップに伴う
発熱等によりケース内のオイルの温度も上昇するため、
コイル温度Tの上昇が促進される。そして長時間この過
酷な走行状態が継続すると、電磁コイル82の抵抗Rが
温度Tにより増大し始める。この場合に上述のステップ
S5,6でコイル抵抗Rと実験データによりコイル温度
Tを演算して適切に推定される。そこで上昇したコイル
温度Tが、図9の時点t1で制限温度Tmaxに達する
と、図8のフローチャートのステップS7からステップ
S8に進んで減少補正量bを定め、ステップS9でデュ
ーティ比Dを補正量bにより減少補正し、その補正デュ
ーティ比Dnによりコイル電流Iを制限する。このため
電磁コイル82の発熱、温度上昇が抑えられ、差動制限
トルクTdも小さくなることでオイルの温度上昇も抑え
られて、コイル温度Tがコイル被覆材耐熱温度以下に保
たれ、これにより被覆材が溶けてショートすることが未
然に防止される。
制限装置60の電磁コイル82が高いコイル電流Iによ
る発熱で徐々に温度上昇するが、このとき両クラッチ6
1,70で強く押圧接触するプレートのスリップに伴う
発熱等によりケース内のオイルの温度も上昇するため、
コイル温度Tの上昇が促進される。そして長時間この過
酷な走行状態が継続すると、電磁コイル82の抵抗Rが
温度Tにより増大し始める。この場合に上述のステップ
S5,6でコイル抵抗Rと実験データによりコイル温度
Tを演算して適切に推定される。そこで上昇したコイル
温度Tが、図9の時点t1で制限温度Tmaxに達する
と、図8のフローチャートのステップS7からステップ
S8に進んで減少補正量bを定め、ステップS9でデュ
ーティ比Dを補正量bにより減少補正し、その補正デュ
ーティ比Dnによりコイル電流Iを制限する。このため
電磁コイル82の発熱、温度上昇が抑えられ、差動制限
トルクTdも小さくなることでオイルの温度上昇も抑え
られて、コイル温度Tがコイル被覆材耐熱温度以下に保
たれ、これにより被覆材が溶けてショートすることが未
然に防止される。
【0043】一方、上記コイル焼損防止装置ではコイル
電流Iを強制的に減少補正するため、ドライバの意志に
反して直結4輪駆動が自動的に解除される。この場合
は、ステップS9からステップS10に進みディスプレ
イ99を減少補正量bの分だけ点滅して、コイル温度T
が上昇したことと実際のトルク配分状態がドライバに適
切に知らされる。その後ステップS11に進んでドライ
バのスイッチ操作状態をチェックし、ドライバがディス
プレイ99の点滅に気付いてデューティ比Dを補正デュ
ーティ比Dn以下に修正すると、ステップS12に進ん
でディスプレイ99の点滅を解除し、ステップS13で
自動復帰用フラグFをチェックする。ここでF=0なら
そのまま抜ける。そこでドライバのスイッチ操作の修正
により、コイル焼損防止した状態に保持される。
電流Iを強制的に減少補正するため、ドライバの意志に
反して直結4輪駆動が自動的に解除される。この場合
は、ステップS9からステップS10に進みディスプレ
イ99を減少補正量bの分だけ点滅して、コイル温度T
が上昇したことと実際のトルク配分状態がドライバに適
切に知らされる。その後ステップS11に進んでドライ
バのスイッチ操作状態をチェックし、ドライバがディス
プレイ99の点滅に気付いてデューティ比Dを補正デュ
ーティ比Dn以下に修正すると、ステップS12に進ん
でディスプレイ99の点滅を解除し、ステップS13で
自動復帰用フラグFをチェックする。ここでF=0なら
そのまま抜ける。そこでドライバのスイッチ操作の修正
により、コイル焼損防止した状態に保持される。
【0044】一方、ドライバが気付かない場合は、ステ
ップS11からステップS14へ進んでコイル温度Tを
上記制限温度Tmaxより低い復帰温度Tminと比較
し、T>Tminの場合はそのまま抜ける。そしてコイ
ル電流Iの制限によりコイルの抵抗Rと温度Tが徐々に
低下して、図9の時点t2で復帰温度Tmin以下にな
ってコイル焼損のおそれが無くなると、ステップS14
からステップS15に進んでフラグFをセットし、ステ
ップS12で点滅を解除する。その後ステップS13の
フラグFによりステップS16に進み、補正デューティ
比Dnを所定量cづつ増大してコイル電流Iを再び徐々
に上げ、ドライバが設定したデューティ比Dになるまで
繰返す。そして補正デューティ比Dnが設定デューティ
比Dと等しくなると、ステップS17からステップS1
8に進みフラグFをクリアして抜ける。こうして直結4
輪駆動を一時的に解除してコイル焼損防止した後に、再
び徐々に直結4輪駆動に復帰するように制御される。
ップS11からステップS14へ進んでコイル温度Tを
上記制限温度Tmaxより低い復帰温度Tminと比較
し、T>Tminの場合はそのまま抜ける。そしてコイ
ル電流Iの制限によりコイルの抵抗Rと温度Tが徐々に
低下して、図9の時点t2で復帰温度Tmin以下にな
ってコイル焼損のおそれが無くなると、ステップS14
からステップS15に進んでフラグFをセットし、ステ
ップS12で点滅を解除する。その後ステップS13の
フラグFによりステップS16に進み、補正デューティ
比Dnを所定量cづつ増大してコイル電流Iを再び徐々
に上げ、ドライバが設定したデューティ比Dになるまで
繰返す。そして補正デューティ比Dnが設定デューティ
比Dと等しくなると、ステップS17からステップS1
8に進みフラグFをクリアして抜ける。こうして直結4
輪駆動を一時的に解除してコイル焼損防止した後に、再
び徐々に直結4輪駆動に復帰するように制御される。
【0045】以上、本発明の実施例について説明した
が、MT車の前後トルク配分制御するため電磁式差動制
限装置を備えたものであれば、その全てに適応できる。
ドライバのマニュアルスイッチの操作によりトルク配分
制御する実施例について説明したが、路面状態等に応じ
て自動的にトルク配分制御する場合にも同様に適応でき
る。コイル温度上昇検出は実施例に限定されるものでは
無く、表示の代りにブザーを鳴らしても良い。
が、MT車の前後トルク配分制御するため電磁式差動制
限装置を備えたものであれば、その全てに適応できる。
ドライバのマニュアルスイッチの操作によりトルク配分
制御する実施例について説明したが、路面状態等に応じ
て自動的にトルク配分制御する場合にも同様に適応でき
る。コイル温度上昇検出は実施例に限定されるものでは
無く、表示の代りにブザーを鳴らしても良い。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の請求項
1に係る手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御
装置では、手動変速機の出力側に差動制限しない場合に
前後不等トルク配分するセンターデフ装置を連結し、こ
のセンターデフ装置に電磁コイルの電磁力により差動制
限トルクを変化して前後トルク配分制御する電磁式差動
制限装置を設け、ドライバの操作により上記電磁コイル
のコイル電流を設定するマニュアルスイッチと、このマ
ニュアルスイッチで設定されたコイル電流に基づき上記
電磁式差動制限装置の差動制限トルクを変化させる差動
制限トルク設定手段とを備えたものにおいて、マニュア
ルスイッチで設定されたコイル電流に応じた表示を行な
う表示部と、電磁コイルのコイル温度の上昇の状態を検
出する温度上昇検出手段と、電磁コイルのコイル温度が
制限温度に達した場合に上記電磁式差動制限装置のコイ
ル電流を減少補正すると共に、減少補正の分だけ上記表
示部を点滅表示する電流制限手段とを備える構成である
から、電磁コイルの発熱、温度上昇によるショート等の
焼損を確実に防止できる。またコイル温度が上昇したこ
とを実際のトルク配分状態をドライバに適切に知らせる
ことができる。
1に係る手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御
装置では、手動変速機の出力側に差動制限しない場合に
前後不等トルク配分するセンターデフ装置を連結し、こ
のセンターデフ装置に電磁コイルの電磁力により差動制
限トルクを変化して前後トルク配分制御する電磁式差動
制限装置を設け、ドライバの操作により上記電磁コイル
のコイル電流を設定するマニュアルスイッチと、このマ
ニュアルスイッチで設定されたコイル電流に基づき上記
電磁式差動制限装置の差動制限トルクを変化させる差動
制限トルク設定手段とを備えたものにおいて、マニュア
ルスイッチで設定されたコイル電流に応じた表示を行な
う表示部と、電磁コイルのコイル温度の上昇の状態を検
出する温度上昇検出手段と、電磁コイルのコイル温度が
制限温度に達した場合に上記電磁式差動制限装置のコイ
ル電流を減少補正すると共に、減少補正の分だけ上記表
示部を点滅表示する電流制限手段とを備える構成である
から、電磁コイルの発熱、温度上昇によるショート等の
焼損を確実に防止できる。またコイル温度が上昇したこ
とを実際のトルク配分状態をドライバに適切に知らせる
ことができる。
【0047】請求項2に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、制限温度
を電磁コイルの被覆材耐熱温度より若干低く設定したこ
とで電磁コイルの被覆材の溶解・剥離が防止できる。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、制限温度
を電磁コイルの被覆材耐熱温度より若干低く設定したこ
とで電磁コイルの被覆材の溶解・剥離が防止できる。
【0048】請求項3に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、温度上昇
検出手段が、電磁コイルの印加電圧とコイル電流により
コイル抵抗を演算し、このコイル抵抗と予め記憶された
抵抗と温度の関係によりコイル温度を算出するので、実
際のコイル温度を高い精度で推定できる。このため上記
コイル焼損防止の制御性も向上する。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、温度上昇
検出手段が、電磁コイルの印加電圧とコイル電流により
コイル抵抗を演算し、このコイル抵抗と予め記憶された
抵抗と温度の関係によりコイル温度を算出するので、実
際のコイル温度を高い精度で推定できる。このため上記
コイル焼損防止の制御性も向上する。
【0049】請求項4に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、電流制限
手段がコイル電流の減少補正中にマニュアルスイッチに
より設定されるコイル電流が減少補正されたコイル電流
以下になった場合に、表示部の点滅表示を解除するの
で、ドライバの誤った認識を防ぐことができる。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、電流制限
手段がコイル電流の減少補正中にマニュアルスイッチに
より設定されるコイル電流が減少補正されたコイル電流
以下になった場合に、表示部の点滅表示を解除するの
で、ドライバの誤った認識を防ぐことができる。
【0050】請求項5に係る手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、電流制限
手段がコイル電流の減少補正中にコイル温度が制限温度
よりも低く設定した復帰温度以下になった場合に、表示
部の点滅表示を解除すると共に、コイル電流を所定量づ
つ増大し、マニュアルスイッチにより設定されたコイル
電流に復帰制御するので、コイル焼損防止とドライバに
よるトルク配分を両立することができる。
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置では、電流制限
手段がコイル電流の減少補正中にコイル温度が制限温度
よりも低く設定した復帰温度以下になった場合に、表示
部の点滅表示を解除すると共に、コイル電流を所定量づ
つ増大し、マニュアルスイッチにより設定されたコイル
電流に復帰制御するので、コイル焼損防止とドライバに
よるトルク配分を両立することができる。
【図1】本発明に係るMT車用前後トルク配分制御装置
の焼損防止装置の構成を示すクレーム対応図である。
の焼損防止装置の構成を示すクレーム対応図である。
【図2】本発明が適応されるMT4輪駆動車の一例の駆
動系を示すスケルトン図である。
動系を示すスケルトン図である。
【図3】前後トルク配分制御装置の実施例を示す断面図
である。
である。
【図4】カムの構造を示す平面図である。
【図5】コイル電流と差動制限トルクの関係を示す特性
図である。
図である。
【図6】トルク配分制御系とコイル焼損防止制御系の機
能ブロック図である。
能ブロック図である。
【図7】コイルの抵抗と温度の関係の実験データを示す
線図である。
線図である。
【図8】トルク配分制御とコイル焼損防止制御のフロー
チャートである。
チャートである。
【図9】コイル電流の制限、復帰の状態を示すタイムチ
ャートである。
ャートである。
A 前後トルク配分制御装置 20 手動変速機 40 センターデフ装置 60 電磁式差動制限装置 82 電磁コイル 95 マニュアルスイッチ 99 ディスプレイ(表示部) 101 差動制限トルク設定手段 107 温度上昇検出手段 109 電流制限手段
Claims (5)
- 【請求項1】 手動変速機の出力側に差動制限しない場
合に前後不等トルク配分するセンターデフ装置を連結
し、該センターデフ装置に電磁コイルの電磁力により差
動制限トルクを変化して前後トルク配分制御する電磁式
差動制限装置を設け、ドライバの操作により上記電磁コ
イルのコイル電流を設定するマニュアルスイッチと、該
マニュアルスイッチで設定されたコイル電流に基づき上
記電磁式差動制限装置の差動制限トルクを変化させる差
動制限トルク設定手段とを備えた手動変速機を備えた車
両用前後トルク配分制御装置において、 上記マニュアルスイッチで設定されたコイル電流に応じ
た表示を行なう表示部と、 上記電磁コイルのコイル温度の上昇の状態を検出する温
度上昇検出手段と、 上記電磁コイルのコイル温度が制限温度に達した場合に
上記電磁式差動制限装置のコイル電流を減少補正すると
共に、減少補正の分だけ上記表示部を点滅表示する電流
制限手段とを備えることを特徴とする手動変速機を備え
た車両用前後トルク配分制御装置の焼損防止装置。 - 【請求項2】 上記制限温度は、上記電磁コイルの被覆
材耐熱温度より若干低く設定されていることを特徴とす
る請求項1記載の手動変速機を備えた車両用前後トルク
配分制御装置の焼損防止装置。 - 【請求項3】 上記温度上昇検出手段は、電磁コイルの
印加電圧とコイル電流によりコイル抵抗を演算し、この
コイル抵抗と予め記憶された抵抗と温度の関係によりコ
イル温度を算出することを特徴とする請求項1記載の手
動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置の焼損
防止装置。 - 【請求項4】 上記電流制限手段は、コイル電流の減少
補正中にマニュアルスイッチにより設定されるコイル電
流が減少補正されたコイル電流以下になった場合に、表
示部の点滅表示を解除することを特徴とする請求項1記
載の手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置
の焼損防止装置。 - 【請求項5】 上記電流制限手段は、コイル電流の減少
補正中にコイル温度が制限温度よりも低く設定した復帰
温度以下になった場合に、表示部の点滅表示を解除する
と共に、コイル電流を所定量づつ増大し、マニュアルス
イッチにより設定されたコイル電流に復帰制御すること
を特徴とする請求項1記載の手動変速機を備えた車両用
前後トルク配分制御装置の焼損防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27765094A JPH08132914A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置の焼損防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27765094A JPH08132914A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置の焼損防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132914A true JPH08132914A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17586386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27765094A Pending JPH08132914A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 手動変速機を備えた車両用前後トルク配分制御装置の焼損防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08132914A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1413468A2 (en) | 2002-10-25 | 2004-04-28 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Differential limiting control apparatus for vehicle |
US6810983B2 (en) | 2002-08-07 | 2004-11-02 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Control apparatus and method for four wheel drive vehicle |
US6878085B2 (en) | 2002-08-06 | 2005-04-12 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Power distribution control apparatus and control method |
JP2005289195A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Fuji Heavy Ind Ltd | トルク配分制御装置 |
JP2006313823A (ja) * | 2005-05-09 | 2006-11-16 | Honda Motor Co Ltd | ソレノイド駆動装置 |
JP2006528570A (ja) * | 2003-07-24 | 2006-12-21 | バイエリッシェ モートーレン ウエルケ アクチエンゲゼルシャフト | 少なくとも一時的に四輪稼動される自動車用の制御装置 |
JP2010064603A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Fuji Heavy Ind Ltd | 駆動力制御装置 |
JP2010513795A (ja) * | 2006-12-14 | 2010-04-30 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 電磁バルブの制御方法及び装置 |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP27765094A patent/JPH08132914A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1388454A3 (en) * | 2002-08-06 | 2006-06-07 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Power distribution control apparatus and control method |
US6810983B2 (en) | 2002-08-07 | 2004-11-02 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Control apparatus and method for four wheel drive vehicle |
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EP1413468A2 (en) | 2002-10-25 | 2004-04-28 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Differential limiting control apparatus for vehicle |
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JP4717503B2 (ja) * | 2005-05-09 | 2011-07-06 | 本田技研工業株式会社 | 車両用ブレーキ装置 |
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US8964347B2 (en) | 2006-12-14 | 2015-02-24 | Robert Bosch Gmbh | Device and method for controlling an electromagnetic valve |
EP2102465B1 (de) * | 2006-12-14 | 2016-08-10 | Robert Bosch GmbH | Vorrichtung und verfahren zur steuerung eines elektromagnetischen ventils |
JP2010064603A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Fuji Heavy Ind Ltd | 駆動力制御装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050225 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050325 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20051122 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |