JP2005289165A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポンプボディを小型化することができ、ブレーキ液圧制御装置用部品をポンプボディに簡単かつ確実に取付・固定することができ、シール性を確保できる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供する。
【解決手段】 入口弁1Aおよびポンプボディ100Aは、レーザ溶接または電子ビーム溶接によって接合されている。さらに詳しくは、フランジ部1dの外周部と受け部111aとの境界部分にレーザLまたは電子ビームを照射し、かかる境界部分に金属溶融部Wを形成することによって接合されている。
【選択図】 図6
【解決手段】 入口弁1Aおよびポンプボディ100Aは、レーザ溶接または電子ビーム溶接によって接合されている。さらに詳しくは、フランジ部1dの外周部と受け部111aとの境界部分にレーザLまたは電子ビームを照射し、かかる境界部分に金属溶融部Wを形成することによって接合されている。
【選択図】 図6
Description
本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関し、詳しくは車両用ブレーキ液圧装置におけるポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造に関する。
一般に、車輪ブレーキに加わるブレーキ液圧を制御するための車両用ブレーキ液圧制御装置(車両用ABS)は、ブレーキペダルの踏み込みによるブレーキ液圧の車輪ブレーキへの伝達を許容する常開型の入口弁(電磁弁)や、車輪がロックしそうになったときなどに開放されることで車輪ブレーキに加わるブレーキ液圧を逃がす常閉型の出口弁(電磁弁)や、出口弁の開放により逃がされたブレーキ液圧を吸収するためのリザーバなどを備えている。
入口弁および出口弁は、ポンプボディ(車両用液圧ユニット)に形成された装着孔(取付孔)に圧入され、カシメによって取付・固定(メタルシール)され、その隙間はコーキングによって充填または被覆(タイトコーキング)されている。通常、入口弁および出口弁は複数の組をなし、これらの弁は、ポンプボディに対し、規則的に配列されている(特許文献1参照)。
特開2002−347597号公報(段落0038、図3)
しかしながら、特許文献1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置は、以下に示す問題を有している。
(1) 入口弁および出口弁は、ポンプボディに対してカシメによって取付・固定されている。そのため、これら入口弁および出口弁の間には、カシメ用治具を通して作業するためのスペースが必要である。そのため、これらの弁の間隔を詰めることができず、このことがポンプボディの小型化を阻害している。
(2) 特に車両用ブレーキ液圧制御装置の場合、一つの装着面に複数の弁が密集して設けられているが、隣接する弁間の距離が短いと、カシメ時にカシメ部分に加えられる力によってポンプボディの装着部位(装着穴)が変形し、シール性(気密性)を損ねるおそれがある。
(1) 入口弁および出口弁は、ポンプボディに対してカシメによって取付・固定されている。そのため、これら入口弁および出口弁の間には、カシメ用治具を通して作業するためのスペースが必要である。そのため、これらの弁の間隔を詰めることができず、このことがポンプボディの小型化を阻害している。
(2) 特に車両用ブレーキ液圧制御装置の場合、一つの装着面に複数の弁が密集して設けられているが、隣接する弁間の距離が短いと、カシメ時にカシメ部分に加えられる力によってポンプボディの装着部位(装着穴)が変形し、シール性(気密性)を損ねるおそれがある。
かかる問題は、入口弁および出口弁だけではなく、ポンプボディに取り付けられるリザーバなど、他の部品(これらをまとめてブレーキ液圧制御装置用部品という)についても同様に生じている。
本発明は、前記した問題を解決すべく創案されたものであり、ポンプボディを小型化することができ、ブレーキ液圧制御装置用部品をポンプボディに簡単かつ確実に取付・固定することができ、シール性を確保できる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置は、ポンプボディの装着面にブレーキ液圧を制御するためのブレーキ液圧制御装置用部品を装着してなる車両用ブレーキ液圧制御装置であって、ブレーキ液圧制御装置用部品とポンプボディとを、溶接によって接合してなることを特徴とする。
溶接によって接合するので、カシメ用治具を使わずに取付・固定することができ、ポンプボディを小型化することができる。また、ブレーキ液圧制御装置用部品をポンプボディに簡単かつ確実に取付・固定することができる。また、カシメ固定をしないで取付・固定するので、ポンプボディ側の装着部位の変形を抑えることができ、ブレーキ液圧制御装置用部品とポンプボディの装着部位とのシール性を確保することができる。
また、前記溶接は、レーザ溶接または電子ビーム溶接であることが望ましい。
さらに、前記ブレーキ液圧制御装置用部品は、フランジ部を有しており、当該フランジ部にレーザまたは電子ビームを照射することによって前記レーザ溶接または前記電子ビーム溶接を施してなることが望ましい。
さらに、前記ブレーキ液圧制御装置用部品は、フランジ部を有しており、当該フランジ部にレーザまたは電子ビームを照射することによって前記レーザ溶接または前記電子ビーム溶接を施してなることが望ましい。
また、前記車両用ブレーキ液圧装置において、前記溶接は、抵抗溶接であってもよい。
さらに、前記ポンプボディの表面には絶縁膜が形成されており、前記ブレーキ液圧制御装置用部品の、前記絶縁膜から露出した当接部を介して通電することによって前記抵抗溶接を施してなるものであってもよい。
さらに、前記ポンプボディの表面には絶縁膜が形成されており、前記ブレーキ液圧制御装置用部品の、前記絶縁膜から露出した当接部を介して通電することによって前記抵抗溶接を施してなるものであってもよい。
このように、抵抗溶接によって溶接する場合には、電流、電圧、接触抵抗などの溶接条件を測定することによって溶接異常を検知することができ、生産性が向上する。
また、前記車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記溶接は、ろう付けであってもよい。
さらに、前記ブレーキ液圧制御装置用部品と前記ポンプボディとの間には凹部が形成されており、前記凹部にろうを設けた状態で前記ろう付けを施してなるものであってもよい。
また、前記ポンプボディの装着穴の内周面、および前記ポンプボディの前記装着穴に挿入された部分の外周面の少なくとも一方には、溝部が形成されており、ろうが、前記装着穴と前記ブレーキ液圧制御装置用部品との間の隙間を介して前記溝部に流れ込むことにより、当該溝部において前記ろう付けを施してなることが望ましい。
さらに、前記ブレーキ液圧制御装置用部品と前記ポンプボディとの間には凹部が形成されており、前記凹部にろうを設けた状態で前記ろう付けを施してなるものであってもよい。
また、前記ポンプボディの装着穴の内周面、および前記ポンプボディの前記装着穴に挿入された部分の外周面の少なくとも一方には、溝部が形成されており、ろうが、前記装着穴と前記ブレーキ液圧制御装置用部品との間の隙間を介して前記溝部に流れ込むことにより、当該溝部において前記ろう付けを施してなることが望ましい。
このように、ろう付けによって溶接する場合には、ろうの外観を監視することによって溶接の管理を行うことができ、生産性が向上する。
さらに、凹部が形成されている構成であれば、所望の部位を確実に溶接することができる。
また、溝部が形成されている構成であれば、ろう付け時にろうが溶融して溝部に流れ込むので、かかる外観の変化を監視することによってろう付けができているか否かを判断することができ、溶接の品質管理がより容易となる。
さらに、凹部が形成されている構成であれば、所望の部位を確実に溶接することができる。
また、溝部が形成されている構成であれば、ろう付け時にろうが溶融して溝部に流れ込むので、かかる外観の変化を監視することによってろう付けができているか否かを判断することができ、溶接の品質管理がより容易となる。
また、前記ブレーキ液圧制御装置用部品は複数あり、これら複数のブレーキ液圧制御装置用部品は、一つの装着面に隣接して設けられていることが望ましい。
かかる構成によると、複数のブレーキ液圧制御装置がより密集して設けられているため、溶接にともなう効果がより好適に発揮される。また、複数のブレーキ液圧制御装置用部品が一つの装着面に設けられているため、溶接作業を連続して行うことができ、生産性が向上する。
本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、ポンプボディを小型化することができる。また、ブレーキ液圧制御装置用部品をポンプボディに簡単かつ確実に取付・固定することができる。また、カシメ固定をしないで取付・固定するので、ボディポンプ側の装着部位の変形を抑えることができ、ブレーキ液圧制御装置用部品とボディポンプの装着部位とのシール性を確保することができる。
また、抵抗溶接の場合には、電流、電圧、接触抵抗などの溶接条件を測定することによって溶接の管理を行うことができ、生産性が向上する。
また、ろう付けの場合には、ろうの外観を監視することによって溶接の管理を行うことができ、生産性が向上する。
さらに、凹部が形成されている構成であれば、所望の部位を確実に溶接することができる。
また、溝部が形成されている構成であれば、ろう付け時にろうが溶融して溝部に流れ込むので、かかる外観の変化を監視することによってろう付けができているか否かを判断することができ、溶接の品質管理がより容易となる。
また、抵抗溶接の場合には、電流、電圧、接触抵抗などの溶接条件を測定することによって溶接の管理を行うことができ、生産性が向上する。
また、ろう付けの場合には、ろうの外観を監視することによって溶接の管理を行うことができ、生産性が向上する。
さらに、凹部が形成されている構成であれば、所望の部位を確実に溶接することができる。
また、溝部が形成されている構成であれば、ろう付け時にろうが溶融して溝部に流れ込むので、かかる外観の変化を監視することによってろう付けができているか否かを判断することができ、溶接の品質管理がより容易となる。
[第1実施形態]
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置のブレーキ液圧回路図であり、図2は、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の分解斜視図であり、図3(a)は、ポンプボディの第一取付面側の斜視図であり、(b)は、ポンプボディの第二取付面側の斜視図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置のブレーキ液圧回路図であり、図2は、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の分解斜視図であり、図3(a)は、ポンプボディの第一取付面側の斜視図であり、(b)は、ポンプボディの第二取付面側の斜視図である。
まず、図1のブレーキ液圧回路図を参照して、車両用ブレーキ液圧制御装置Aにおける各構成部品の機能について簡単に説明する。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、運転者がブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダMと、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダMの二つの出力ポートM1,M2は、後記するポンプボディ100(図2参照)の入口ポート121に接続され、ポンプボディ100の出口ポート122が、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は車両用ブレーキ液圧制御装置A内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、運転者がブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダMと、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダMの二つの出力ポートM1,M2は、後記するポンプボディ100(図2参照)の入口ポート121に接続され、ポンプボディ100の出口ポート122が、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は車両用ブレーキ液圧制御装置A内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aには、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに対応して四つの入口弁1、四つの出口弁2、および四つのチェック弁1aが設けられる。また、出力ポートM1,M2に対応した各出力液圧路91,92に対応して二つのリザーバ3、二つのポンプ4、二つのダンパ5、および二つのオリフィス5aが設けられ、二つのポンプ4を駆動するための電動モータ20を備えている。かかる四つの入口弁1、四つの出口弁2および二つのリザーバ3を構成する部品が、それぞれ特許請求の範囲における「ブレーキ液圧制御装置用部品」の一例である。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMとの間に配置された常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪がロックしそうになったときに図示せぬ制御装置により閉塞されることで、ブレーキペダルPから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達する液圧を遮断する。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRと各リザーバ3との間に配置された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪がロックしそうになったときに図示せぬ制御装置により開放されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに加わるブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を吸収する機能を有している。
ポンプ4は、リザーバ3で吸収されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をダンパ5やオリフィス5aを介してマスタシリンダMへ戻す機能を有している。これにより、リザーバ3によるブレーキ液圧の吸収によって減圧された各出力液圧路91,92の圧力状態が回復される。
ポンプ4は、リザーバ3で吸収されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をダンパ5やオリフィス5aを介してマスタシリンダMへ戻す機能を有している。これにより、リザーバ3によるブレーキ液圧の吸収によって減圧された各出力液圧路91,92の圧力状態が回復される。
次に、車両用ブレーキ液圧制御装置Aの具体的な構造について詳細に説明する。
図2に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、ブレーキ液の通り道となる油路が形成されるポンプボディ100と、ポンプボディ100の第一取付面101に一体に固着され、電子制御ユニット12などが収容されるコントロールハウジング10と、ポンプボディ100の第二取付面102に一体に固着され、ブレーキ液を送るポンプ4の動力となる電動モータ20とを主に備えている。
図2に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、ブレーキ液の通り道となる油路が形成されるポンプボディ100と、ポンプボディ100の第一取付面101に一体に固着され、電子制御ユニット12などが収容されるコントロールハウジング10と、ポンプボディ100の第二取付面102に一体に固着され、ブレーキ液を送るポンプ4の動力となる電動モータ20とを主に備えている。
コントロールハウジング10は、ポンプボディ100側に開口を有する箱状に形成された部材であり、その開口部がポンプボディ100の第一取付面101にシール部材11を介してボルト43(1つのみ図示)により取り付けられることによって、図4に示すように、その内部に電子制御ユニット12などを収容するための密閉された部屋(容積の大きな部屋)R1が形成される。
電動モータ20は、モータケース21、モータカバー22およびロータ23を主に備えている。モータケース21は、略有底円筒状に形成された部材であり、その開口部にモータカバー22が圧入されることによって、その内部にロータ23を収容するための部屋(容積の大きな部屋)R2が形成される。また、ロータ23の出力軸23aは、モータケース21の底部に固定されるボールベアリング24と、モータカバー22に固定されるボールベアリング25と、ポンプボディ100に固定されるボールベアリング26とにより回転自在に支持されている。そして、この出力軸23aの適所(ボールベアリング25,26の間に位置する部分)には、偏心軸部27が設けられ、偏心軸部27には、ポンプ4のプランジャ41を往復動させるために、その外周面でプランジャ41を適宜押圧するボールベアリング28が設けられている。
なお、前記したモータケース21とモータカバー22とで形成される部屋R2は、モータケース21およびモータカバー22の圧入部分の微細な隙間や出力軸23aを支持するボールベアリング25の隙間を介して外部と連通しているが、モータケース21がシール部材30(図4参照)を介してポンプボディ100の第二取付面102に取り付けられることによって、外部とは遮断された(密閉された)状態となっている。
図3(a)に示すように、ポンプボディ100は、略矩形に形成される金属部品であり、その各面に形成した穴に取り付ける各種機器や、その内部に適宜形成される油路などによって前記したブレーキ液圧回路(図1参照)を構築するものである。以下に、このポンプボディ100の各面に形成する穴などについて詳細に説明する。
第一取付面101には、前記した四つの入口弁1および四つの出口弁2(図1参照)を装着するための四つの入口弁装着穴111および四つの出口弁装着穴112が形成されるとともに、その下部の中央に第二取付面102側へと貫通する貫通孔131が形成されている。そして、第一取付面101における貫通孔131の両脇には、前記した二つのリザーバ3(図1参照)を構成するための二つのリザーバ穴113が形成されている。図3(b)に示すように、第二取付面102には、前記した二つの入口ポート121や、電動モータ20の出力軸23aが取り付けられるモータ装着穴132が形成されている。かかる第一取付面101が、特許請求の範囲における「装着面」の一例である。また、かかる入口弁装着穴111、出口弁装着穴112およびリザーバ穴113が、特許請求の範囲における「装着穴」の一例である。すなわち、本実施形態において、ブレーキ液圧制御装置用部品(入口弁1、出口弁2、リザーバ3のばね受け部材3b(図7参照))は複数あり、これら複数のブレーキ液圧制御装置は、一つの装着面(第一取付面101)に隣接して設けられている。
図3(a)に示すように、上面103には、前記した四つの出口ポート122が形成され、側面105,106には、ポンプ4を取り付けるためのポンプ孔114(手前の一つのみ図示)とその開口部に蓋を取り付けることにより前記ダンパ5として機能するダンパ穴115(手前の一つのみ図示)とがそれぞれ一つずつ形成されている。なお、このポンプ孔114は、図4に示すように、前記したモータ装着穴132に連通している。
なお、前記した貫通孔131は、図4に示すように、ロータ23に電力を供給するためのモータ接続端子23bが挿通される孔であり、このモータ接続端子23bは、コントロールハウジング10内へ突出して図示せぬバスバーを介して電子制御ユニット12に接続されている。すなわち、この貫通孔131によって、コントロールハウジング10内の部屋R1と、モータケース21内の部屋R2とが連通している。また、この貫通孔131の適所には、貫通孔131と下面104側とを連通して外部へ通じる通気孔133が形成され、この通気孔133には、通気防水部材Gが設けられている。ここで、通気防水部材Gは、外部からの水の浸入を阻止し、かつ空気の出入りのみを許容する部材であり、例えば周知であるゴアテックス(登録商標)などを通気防水部材Gとして採用することができる。
続いて、前記した各穴と油路との関係について以下に説明する。
図5に示すように、入口ポート121は、第一油路141を介して入口弁装着穴111に連通し、この入口弁装着穴111は、第二油路142を介して出口ポート122に連通するとともに、第三油路143を介して出口弁装着穴112に連通している。また、出口弁装着穴112は、第四油路144を介してポンプ孔114に連通し、このポンプ孔114は、第五油路145を介してリザーバ穴113に連通している。さらに、ポンプ孔114は、図4に示すように、第六油路146を介してダンパ穴115に連通するとともに、図1に示すオリフィス5aや図示せぬ油路を介して入口ポート121(図5参照)に連通している。
図5に示すように、入口ポート121は、第一油路141を介して入口弁装着穴111に連通し、この入口弁装着穴111は、第二油路142を介して出口ポート122に連通するとともに、第三油路143を介して出口弁装着穴112に連通している。また、出口弁装着穴112は、第四油路144を介してポンプ孔114に連通し、このポンプ孔114は、第五油路145を介してリザーバ穴113に連通している。さらに、ポンプ孔114は、図4に示すように、第六油路146を介してダンパ穴115に連通するとともに、図1に示すオリフィス5aや図示せぬ油路を介して入口ポート121(図5参照)に連通している。
これにより、図5に示すように、通常時においては、入口ポート121から流入するブレーキ液が、常開型の入口弁1を通って出口ポート122から出て行く。また、車輪がロックしそうになったときにおいては、入口弁1が閉じられ、出口弁2が開放されることで、出口ポート122から戻ってくるブレーキ液が、入口弁1の周囲、出口弁2およびポンプ4の周囲を通ってリザーバ穴113へ入っていく。そして、リザーバ穴113内のブレーキ液を入口ポート121へ戻す場合は、ポンプ4の駆動によってリザーバ穴113内からポンプ4内にブレーキ液が吸引され、この吸引されたブレーキ液が図4に示すダンパ穴115や図示せぬオリフィス5a(図1参照)で圧力変動が減衰された後、図示せぬ油路を通って入口ポート121に戻される。
前記した電動モータ20は、図3(b)に示すポンプボディ100の第二取付面102に、シール部材30を介して取り付けられる。
シール部材30は、図2に示すように、環状のゴムシールであり、外周シール31と、内周シール32と、外周シール31と内周シール32とをつなぐ連結部33とから構成されている。
外周シール31は、モータケース21の開口部21aの縁の外側に沿う、言い換えれば、モータカバー22の外周の外側に沿う円形状をしている。
内周シール32は、モータケース21の開口部21aの縁の内側に沿う、言い換えれば、モータカバー22の外周の内側に沿う円形状をしている。
外周シール31と内周シール32の各断面は、円形状をしている。そして、連結部33は、外周シール31と内周シール32とを連続して全周にわたって連結している。
連結部33には、周方向に所定間隔、例えば中心からの角度が45度ごとに孔34が形成されている。
シール部材30は、図2に示すように、環状のゴムシールであり、外周シール31と、内周シール32と、外周シール31と内周シール32とをつなぐ連結部33とから構成されている。
外周シール31は、モータケース21の開口部21aの縁の外側に沿う、言い換えれば、モータカバー22の外周の外側に沿う円形状をしている。
内周シール32は、モータケース21の開口部21aの縁の内側に沿う、言い換えれば、モータカバー22の外周の内側に沿う円形状をしている。
外周シール31と内周シール32の各断面は、円形状をしている。そして、連結部33は、外周シール31と内周シール32とを連続して全周にわたって連結している。
連結部33には、周方向に所定間隔、例えば中心からの角度が45度ごとに孔34が形成されている。
図6は、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、(a)は、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図、(b)は、(a)のx1部分における溶接前後の状態を示す図、(c)は、(a)のx2部分における溶接前後の状態を示す図である。
まず、入口弁1Aおよび出口弁2Aについて、図6(a)を参照しながら説明する。
入口弁1A(1)は、ポンプボディ100A(100)の入口弁装着穴111に装着された常開型の電磁弁であり、入口弁装着穴111に挿入される弁部1bと、入口弁装着穴111から露出する電磁駆動部1cと、を備えている。通常時には、弁は開状態となっている。必要時(車輪がロックしそうになったとき)には、電磁駆動部1cの外周を囲むように設けられた電磁コイル(図示せず)に電流を流すことによって、電磁駆動部1cに設けられた電磁石が移動し、弁は閉状態となる。また、入口弁1Aを入口弁装着穴111に装着した状態で、入口弁1Aの外周に形成されたフランジ部1dが、入口弁装着穴111の開口部分に形成された大径の受け部111aに当接している。本実施形態におけるフランジ部1dは、入口弁1Aの本体部分の周まわりに設けられた金属部材である。すなわち、フランジ部1dの外径と受け部111aの内径とは略同じ大きさであり、フランジ部1dの下面と受け部111aの底面とが当接し、フランジ部1dの外周面と受け部111aの内周面とが当接している。
入口弁1A(1)は、ポンプボディ100A(100)の入口弁装着穴111に装着された常開型の電磁弁であり、入口弁装着穴111に挿入される弁部1bと、入口弁装着穴111から露出する電磁駆動部1cと、を備えている。通常時には、弁は開状態となっている。必要時(車輪がロックしそうになったとき)には、電磁駆動部1cの外周を囲むように設けられた電磁コイル(図示せず)に電流を流すことによって、電磁駆動部1cに設けられた電磁石が移動し、弁は閉状態となる。また、入口弁1Aを入口弁装着穴111に装着した状態で、入口弁1Aの外周に形成されたフランジ部1dが、入口弁装着穴111の開口部分に形成された大径の受け部111aに当接している。本実施形態におけるフランジ部1dは、入口弁1Aの本体部分の周まわりに設けられた金属部材である。すなわち、フランジ部1dの外径と受け部111aの内径とは略同じ大きさであり、フランジ部1dの下面と受け部111aの底面とが当接し、フランジ部1dの外周面と受け部111aの内周面とが当接している。
また、弁部1bの中間部と、入口弁装着穴111の内面との間には環状室が形成されており、かかる環状室から第一油路141(図5参照)へのブレーキ液の流通を許容するチェック弁1aの機能を果たすカップシールが入口弁装着穴111の内面に弾発的に接触するように、弁部1bの中間部に装着されている。
かかる入口弁1Aおよびポンプボディ100Aは、レーザ溶接または電子ビーム溶接によって接合されている。さらに詳しくは、図6(b)に示すように、フランジ部1dの外周部と受け部111aとの境界部分にレーザまたは電子ビームを照射し、かかる境界部分に金属溶融部(溶込み)Wを形成することによって接合されている。かかる接合は、図示しないレーザ照射源または電子ビーム照射源を、金属溶融部Wの予定位置の上方に位置させ、照射を行いつつ、かかる照射源を入口弁1Aまわりに移動させることによって行われる。かかる金属溶融部Wは、所定の強度で入口弁1をポンプボディ100Aに取付・固定している。また金属溶融部Wは円環状に形成されており、シール性を有している。そのため、入口弁1Aと入口弁装着穴111との間に入り込んだブレーキ液が、第一取付面101側に漏出することを防いでいる。
なお、図示した金属溶融部Wの形状は模式的なものであり、金属溶融部Wの形状を限定するものではない(以下同様)。
なお、図示した金属溶融部Wの形状は模式的なものであり、金属溶融部Wの形状を限定するものではない(以下同様)。
図6(a)に示すように、出口弁2A(2)は、ポンプボディ100Aの出口弁装着穴112に装着された常閉型の電磁弁であり、出口弁装着穴112に挿入される弁部2bと、出口弁装着穴112から露出する電磁駆動部2cと、を備えている。通常時には、弁は閉状態となっている。必要時には、電磁駆動部1cの外周に設けられた電磁コイルD(図5参照)に電流を流すことによって、電磁駆動部1cに設けられた電磁石が移動し、弁は開状態となる。また、出口弁2Aを出口弁装着穴112に装着した状態で、出口弁2Aの外周に形成されたフランジ部2dが、出口弁装着穴112の開口部分に形成された大径の受け部112aに当接している。すなわち、フランジ部2dの外径と受け部112aの内径とは略同じ大きさであり、フランジ部2dの下面と受け部112aの底面とが当接し、フランジ部2dの外周面と受け部112aの内周面とが当接している。かかるフランジ部2dは、電磁駆動部2cの外筒部を折り曲げることによって形成されている。
かかる出口弁2Aおよびポンプボディ100Aも、レーザ溶接または電子ビーム溶接によって接合されている。さらに詳しくは、図6(c)に示すように、フランジ部2dにレーザまたは電子ビーム(図にはレーザLを示す)を照射し、その下方の受け部112aまで達するように金属溶融部Wを形成することによって接合されている。かかる金属溶融部Wは、所定の強度で出口弁2Aをポンプボディ100Aに取付・固定している。また金属溶融部Wは円環状に形成されており、シール性を有している。そのため、出口弁2Aと出口弁装着穴112との間に入り込んだブレーキ液が、第一取付面101側に漏出することを防いでいる。
前記したように、レーザ溶接または電子ビーム溶接を用い、金属溶融部Wを形成して溶接することによって、カシメが不要となり、カシメ用治具を使用しないため入口弁1Aおよび出口弁2A(ブレーキ液圧制御装置用部品)の配置間隔を狭くすることができ、すなわち、入口弁装着穴111、出口弁装着穴112など、ブレーキ液圧制御装置用部品が取り付けられる装着穴同士の間隔を狭くすることができるため、ポンプボディ100Aを小型化することができる。また、柱状のブレーキ液圧制御装置用部品の軸まわりにフランジ部1d,2dを設け、かかるフランジ部1d,2dにレーザLまたは電子ビームを照射するので、複数のブレーキ液圧制御装置用部品が狭いピッチで取り付けられているにも関わらず、ブレーキ液圧制御装置用部品の長手方向に略沿う方向から容易にレーザLまたは電子ビームを照射することができ、照射時に周囲のブレーキ液圧制御装置用部品が邪魔になることがない。また、フランジ部1d,2dに金属溶融部Wを形成するため、金属溶融部Wの大きさを十分に確保でき、ブレーキ液圧制御装置用部品の抜け止め性が高まる。
また、カシメ固定をしないで取付・固定するので、装着穴の変形を抑えることができ、ブレーキ液圧制御装置用部品と装着穴とのシール性を確保することができる。また、金属溶融部Wは、ブレーキ液圧制御装置用部品と装着穴との間の隙間を、シール性を持たせて塞いでいるため、かかる部分にシール性を持たせ、ブレーキ液が第一取付面101側に漏出するのを防ぐために、別途コーキングによって隙間を充填したり、ブレーキ液圧制御装置用部品と装着穴との間であって、第一取付面101近傍にOリングを設けたりする必要がない。
また、複数のブレーキ液圧制御装置用部品が一つの装着面(第一取付面101)に設けられているため、溶接作業を連続して行うことができ、生産性が向上する。
また、ポンプボディ100Aがアルミニウム(またはアルミニウム合金、以下単にアルミニウムと記載する)からなり、ブレーキ液圧制御装置用部品(入口弁1A、出口弁2A)が鉄鋼材料(低炭素鋼、ステンレス鋼など)からなる場合、すなわち異材接合となる場合が考えられる。かかる場合には、レーザを鉄鋼材料およびアルミニウムに同時に照射し、高融点材料である鉄鋼材料を溶融させず、アルミニウムのみを溶融させる方法をとることによって、金属溶融部Wに形成される金属間化合物層を極めて薄くすることができる。Fe−Al系金属間化合物の物性の検討結果によると、Fe−AlおよびFe3−Al相は比較的高い延性・靭性を有するが、Fe−Al3およびFe2−Al5相は高硬度で脆弱的な相であることが明らかにされているので、Al成分が多い側の金属間化合物(後者)の生成量を少なくするとよいことになる。
一方、上側の鉄鋼材料をレーザで溶融させ、下側のアルミニウムの溶融を適当(約0.1〜0.2mm程度の深さ)に制御する重ね溶接法でも、高いせん断強度が得られる。かかる溶接は、フランジ部1d,2dを鉄鋼材料部品、ポンプボディ100Aをアルミニウム部品とすることで実現できる。
また、重ね溶接法と同様に鉄鋼材料をレーザで溶融させ、その熱でアルミニウムを溶融させて重ね溶接と突合せ溶接を同時に1パスでレーザ接合する方法もある。かかる接合法では、重ね溶接部と突合せ溶接部の欠点が補完され、十分な機械的特性が得られる。
これらのことは、電子ビーム溶接においても同様である。
一方、上側の鉄鋼材料をレーザで溶融させ、下側のアルミニウムの溶融を適当(約0.1〜0.2mm程度の深さ)に制御する重ね溶接法でも、高いせん断強度が得られる。かかる溶接は、フランジ部1d,2dを鉄鋼材料部品、ポンプボディ100Aをアルミニウム部品とすることで実現できる。
また、重ね溶接法と同様に鉄鋼材料をレーザで溶融させ、その熱でアルミニウムを溶融させて重ね溶接と突合せ溶接を同時に1パスでレーザ接合する方法もある。かかる接合法では、重ね溶接部と突合せ溶接部の欠点が補完され、十分な機械的特性が得られる。
これらのことは、電子ビーム溶接においても同様である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置について、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置との相違点を中心に説明する。図7は、第2実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図である。図8(a)は、図7の部分拡大図、(b)は、(a)のx3部分における溶接前後の状態を示す図である。
次に、第2実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置について、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置との相違点を中心に説明する。図7は、第2実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図である。図8(a)は、図7の部分拡大図、(b)は、(a)のx3部分における溶接前後の状態を示す図である。
まず、リザーバ3、ポンプボディ100B(100)および固定台Tについて、図7を参照しながら説明する。
リザーバ3は、第一取付面101から隆起した筒状部に形成されたリザーバ穴113と、このリザーバ穴113に取り付けられたリザーバピストン3aと、筒状部の先端に設けられたばね受け部材3bと、かかるリザーバピストン3aおよびばね受け部材3b間に設けられ、リザーバピストン3aをリザーバ穴113の底方向に付勢するリザーバばね3cとから構成されている。かかる構成のリザーバ3においては、特にばね受け部材3bが、特許請求の範囲における「ブレーキ液圧制御装置用部品」に相当する。また、リザーバ穴113の開口部分には、大径の受け部113aが形成されている。
リザーバ3は、第一取付面101から隆起した筒状部に形成されたリザーバ穴113と、このリザーバ穴113に取り付けられたリザーバピストン3aと、筒状部の先端に設けられたばね受け部材3bと、かかるリザーバピストン3aおよびばね受け部材3b間に設けられ、リザーバピストン3aをリザーバ穴113の底方向に付勢するリザーバばね3cとから構成されている。かかる構成のリザーバ3においては、特にばね受け部材3bが、特許請求の範囲における「ブレーキ液圧制御装置用部品」に相当する。また、リザーバ穴113の開口部分には、大径の受け部113aが形成されている。
ポンプボディ100Bは、その表面に絶縁処理(アルマイト処理)が施されている。そして、絶縁処理から露出した当接部D1,D2,D3,D4を有している。
当接部D1は、電極E1と当接する部分である。かかる当接部D1は、予めマスキングした状態で絶縁処理を施し、処理後にマスキングを取り除くことによって形成される。
当接部D2,D3,D4は、それぞれ入口弁1Aのフランジ部1dの下面、出口弁2Bのフランジ部2eの下面およびばね受け部材3bの下面と当接して溶接される部分であり、各穴111,112,113の受け部111a,112a,113aに設けられた環状の突起である。絶縁処理によって当接部D2,D3,D4の表面に形成された絶縁膜は、抵抗溶接を施す際の電極E2による押圧力によって破壊され、絶縁膜が取り除かれる。かかる絶縁膜の除去が効率的に行われるよう、当接部D2,D3,D4の頂部を尖った形状、さらに好ましくは鋭角突起とすることが望ましい。
本実施形態において、電極E2は、筒状であり、その筒内に入口弁1Aや出口弁2Bを挿入した状態で、フランジ部1d,2eを直接押圧・通電可能な形状を有している。また、リザーバ受け部3bの溶接用として、電極E2とは別形状の電極を使用することもできる。
当接部D1は、電極E1と当接する部分である。かかる当接部D1は、予めマスキングした状態で絶縁処理を施し、処理後にマスキングを取り除くことによって形成される。
当接部D2,D3,D4は、それぞれ入口弁1Aのフランジ部1dの下面、出口弁2Bのフランジ部2eの下面およびばね受け部材3bの下面と当接して溶接される部分であり、各穴111,112,113の受け部111a,112a,113aに設けられた環状の突起である。絶縁処理によって当接部D2,D3,D4の表面に形成された絶縁膜は、抵抗溶接を施す際の電極E2による押圧力によって破壊され、絶縁膜が取り除かれる。かかる絶縁膜の除去が効率的に行われるよう、当接部D2,D3,D4の頂部を尖った形状、さらに好ましくは鋭角突起とすることが望ましい。
本実施形態において、電極E2は、筒状であり、その筒内に入口弁1Aや出口弁2Bを挿入した状態で、フランジ部1d,2eを直接押圧・通電可能な形状を有している。また、リザーバ受け部3bの溶接用として、電極E2とは別形状の電極を使用することもできる。
固定台Tは、抵抗溶接時にポンプボディ100Bを固定・支持するための台である。かかる固定台Tは、第二取付面102を載置するための台部Taと、上面103に当接する立設部Tbと、を備えている。
台部Taは、第二取付面102に沿う形状を有しており、抵抗溶接時に電極E2からの荷重を受ける部分である。
立設部Tbは、上面103に当接する形状を有しており、抵抗溶接時に電極E1からの荷重を受ける部分である。
台部Taは、第二取付面102に沿う形状を有しており、抵抗溶接時に電極E2からの荷重を受ける部分である。
立設部Tbは、上面103に当接する形状を有しており、抵抗溶接時に電極E1からの荷重を受ける部分である。
また、第2実施形態に係る出口弁2B(2)のフランジ部2eは、出口弁2Bの本体部の周まわりに設けられた金属部材である。以下、出口弁2Bの溶接について説明する。
かかる出口弁2Bおよびポンプボディ100Bは、抵抗溶接によって接合されている。さらに詳しくは、図7に示すように、電極E1を当接部D1に押し当て、電極E2を出口弁2Bに押し当てた状態で抵抗溶接(本実施形態ではプロジェクション溶接)を行うことにより、フランジ部2eと当接部D3との境界部分に金属溶融部(溶込み)Wを形成することによって接合されている。
なお、入口弁1Aやリザーバ受け部3bの溶接も、出口弁2Bの溶接と同様に行われる。
なお、入口弁1Aやリザーバ受け部3bの溶接も、出口弁2Bの溶接と同様に行われる。
かかる抵抗溶接によると、第1実施形態の効果に加え、溶接時における電流、電圧、接触抵抗などの溶接条件を測定することによって、溶接の異常を検知するなど、溶接の管理を行うことができ、生産性が高まる。
また、ポンプボディ100B側に設けられた突起状の当接部D2,D3,D4に、ブレーキ液圧制御装置用部品を介して電極E2を押し当てることによって当接部D2,D3,D4の絶縁処理を破壊・除去するので、絶縁処理の除去が容易であり、当接部D2,D3,D4に選択的に電流を流すことができ、所望の場所のみを接合することができる。すなわち、絶縁処理が施されている部分には電流が流れないため、かかる部分が溶接されるおそれがない。
また、ポンプボディ100B側に設けられた突起状の当接部D2,D3,D4に、ブレーキ液圧制御装置用部品を介して電極E2を押し当てることによって当接部D2,D3,D4の絶縁処理を破壊・除去するので、絶縁処理の除去が容易であり、当接部D2,D3,D4に選択的に電流を流すことができ、所望の場所のみを接合することができる。すなわち、絶縁処理が施されている部分には電流が流れないため、かかる部分が溶接されるおそれがない。
なお、抵抗溶接においても、溶接部位の温度条件を調節することによって、前記したレーザ溶接と同様に、異材接合を好適に行うことができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置について、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置との相違点を中心に説明する。図9は、第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、(a)は、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図、(b)は、(a)のx4部分における溶接前後の状態を示す図である。なお、第3の実施形態に係る出口弁2Cは、フランジ部を有していない。また、出口弁2Cを出口弁装着穴112に装着した状態で、環状部材2fの外周面、受け部112aの底面および側面によって環状の凹部g2が形成されている。なお、環状部材2fは、出口弁2Dの外筒部2gの周まわりに設けられた部材であり、フィルタの抜け止めとして機能する部材である。以下、出口弁2Cの溶接について説明する。
次に、第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置について、第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置との相違点を中心に説明する。図9は、第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、(a)は、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図、(b)は、(a)のx4部分における溶接前後の状態を示す図である。なお、第3の実施形態に係る出口弁2Cは、フランジ部を有していない。また、出口弁2Cを出口弁装着穴112に装着した状態で、環状部材2fの外周面、受け部112aの底面および側面によって環状の凹部g2が形成されている。なお、環状部材2fは、出口弁2Dの外筒部2gの周まわりに設けられた部材であり、フィルタの抜け止めとして機能する部材である。以下、出口弁2Cの溶接について説明する。
出口弁2Cおよびポンプボディ100Aは、ろう付けによって接合されている。さらに詳しくは、図9(b)に示すように、ろう(ろう材、溶加材ともいう)W´を凹部g2に全体的に設け、かかるろうW´にレーザLまたは電子ビームを照射し、ろうW´を溶融させて金属溶融部Wを形成することによって接合されている。
入口弁1Aおよびポンプボディ100Aは、フランジ部1d、受け部111aの底面および側面によって環状の凹部g1が形成されており、かかる凹部g1に金属溶融部(ろう)Wを形成することによって接合されている。
かかるろう付けによると、第1実施形態の効果に加え、ろうの外観を監視することによって、溶接の管理を行うことができ、生産性が高まる。また、所望の位置(接合部位または接合部位と連通した部位)に凹部を形成し、かかる凹部にろうを設けた状態でろう付けを施すため、所望の部位を確実に溶接することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置について、第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置との相違点を中心に説明する。図10は、第4実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、(a)は、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図、(b)は、(a)のx5部分における溶接前後の状態を示す図である。
次に、第4実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置について、第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置との相違点を中心に説明する。図10は、第4実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の特徴部分を示す図であり、(a)は、ポンプボディおよびブレーキ液圧制御装置用部品の取付構造を示す部分断面図、(b)は、(a)のx5部分における溶接前後の状態を示す図である。
入口弁1Dは、フランジ部1dを有していない。また、入口弁1Dを入口弁装着穴111に装着した状態で、環状部材1fの外周面、受け部111aの底面および側面によって環状の凹部g3が形成されている。入口弁1Dの環状部材1fの外周面の所定位置には、周まわりの溝部1hが形成されている。また、入口弁装着穴111の内周面の所定位置には、周まわりの溝部111bが形成されている。これら溝1h,111bは、入口弁1Dを装着した状態で向かい合っており、凹部g3と連通した環状の空間を形成している。すなわち、接合前の状態において、溝部1h,111bは、入口弁装着穴111と入口弁1Dとの間の隙間を介して外部と連通している。特に本実施形態では、凹部g3と溝部1h,111bとが連通している。
同様に、出口弁2Dの環状部材2fの外周面の所定位置には、周まわりの溝部2hが形成されている。また、出口弁装着穴112の内周面の所定位置には、周まわりの溝部112bが形成されている。これら溝部2h,112bは、出口弁2Dを装着した状態で向かい合っており、凹部g2と連通した環状の空間を形成している。すなわち、接合前の状態において、溝部2h,112bは、出口弁装着穴112と出口弁2Dとの間の隙間を介して外部と連通している。特に本実施形態では、凹部g2と溝部2h,112bとが連通している。以下、出口弁2Dの溶接について説明する。
同様に、出口弁2Dの環状部材2fの外周面の所定位置には、周まわりの溝部2hが形成されている。また、出口弁装着穴112の内周面の所定位置には、周まわりの溝部112bが形成されている。これら溝部2h,112bは、出口弁2Dを装着した状態で向かい合っており、凹部g2と連通した環状の空間を形成している。すなわち、接合前の状態において、溝部2h,112bは、出口弁装着穴112と出口弁2Dとの間の隙間を介して外部と連通している。特に本実施形態では、凹部g2と溝部2h,112bとが連通している。以下、出口弁2Dの溶接について説明する。
出口弁2Dおよびポンプボディ100Dは、ろう付けによって接合されている。さらに詳しくは、図10(b)に示すように、ろうW´を凹部g2に全体的に設け、かかるろうW´にレーザLまたは電子ビームを照射し、ろうW´を溶融させて金属溶融部Wを形成することによって接合されている。この際、溶融したろうW´は、溝部2h,112b間に形成された空間まで流れ込むので、金属溶融部Wは、かかる空間に形成される。このように、凹部g2と溝部2h,112b間に形成された空間が連通していることにより、ろう付け時にろうW´が溶融して出口弁装着穴112と出口弁2Dとの間の隙間を介して溝部2h,112b間に流れ込み、溝部2h,112bにおいてろう付けが施されるので、かかる外観の変化、すなわち、凹部g2におけるろうW´の減少具合を監視することによってろう付けができているか否かを判断することができ、溶接の品質管理がより容易となる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、リザーバ3のばね受け部材3bの溶接は、第2実施形態の抵抗溶接に限定されず、レーザ溶接、電子ビーム溶接およびろう付けのいずれかによって接合することもできる。また、第1、第3および第4実施形態におけるレーザLとしては、YAGレーザ、半導体レーザ、CO2レーザなどが好適に使用可能である。なお、本発明における「ろう付け」は、硬ろう付けおよび軟ろう付けのいずれであってもよく、また、共晶溶接(ブレーズ溶接、低温溶接ともいう)であってもよい。また、ろうの濡れを促進するためにフラックス(溶剤)などが適宜用いられる。
また、入口弁の外筒部および環状部材、あるいは出口弁の外筒部および環状部材をレーザ溶接、電子ビーム溶接またはろう付けによって取付・固定することも可能である。例えば、図9(b)において、環状部材2fと外筒部2gとをレーザ溶接、電子ビーム溶接またはろう付けによって固定することができる。かかる構成により、車両用ブレーキ液圧制御装置において、本体の外周部分を形成する外筒部と、この外筒部の周まわりに設けられる環状部材を、シール性を持たせて取付・固定することができ、別途Oリングなどを設けなくても外筒部と環状部材との隙間からブレーキ液が漏出することを防ぐことができる。かかる部位の溶接方法として、ブレーキ液圧制御装置用部品の溶接方法と同一の方法を選択することが、溶接作業の効率化・生産性の観点からみて望ましい。
また、第2実施形態において、当接部D2,D3,D4は平面状であり、入口弁1Aのフランジ部1dの下面、出口弁2Bのフランジ部2eの下面およびばね受け部材3bの下面に、それぞれ環状の突起を設け、かかる突起によって当接部D2,D3,D4の絶縁処理を破壊・除去する構成であってもよい。また、突起の形状は図示したものに限定されない。また、当接部D2,D3,D4において、当接部D1と同様に、円環状にマスキングした状態で絶縁処理を施すことによって、当接部D2,D3,D4に絶縁膜が形成されないようにする構成であってもよい。
また、第4実施形態において、溝部は、ポンプボディ100の装着穴の内周面、およびブレーキ液圧制御装置用部品の装着穴に挿入された部分の外周面のいずれか一方に形成されていればよい。そして、第4実施形態においては、凹部が形成されておらず、ポンプボディの装着面側に設けられたろうが、装着穴とブレーキ液圧制御装置用部品との間の隙間を介して溝部に流れ込み、当該溝部においてろう付けを施してなる構成であってもよい。
また、第3および第4実施形態における凹部の形状は、図示したものに限定されない。
また、入口弁1、出口弁2およびリザーバ3の個数も、実施形態の個数に限定されない。
また、第4実施形態において、溝部は、ポンプボディ100の装着穴の内周面、およびブレーキ液圧制御装置用部品の装着穴に挿入された部分の外周面のいずれか一方に形成されていればよい。そして、第4実施形態においては、凹部が形成されておらず、ポンプボディの装着面側に設けられたろうが、装着穴とブレーキ液圧制御装置用部品との間の隙間を介して溝部に流れ込み、当該溝部においてろう付けを施してなる構成であってもよい。
また、第3および第4実施形態における凹部の形状は、図示したものに限定されない。
また、入口弁1、出口弁2およびリザーバ3の個数も、実施形態の個数に限定されない。
1,1A,1D 入口弁(ブレーキ液圧制御装置用部品)
1d フランジ部
1h 溝部
2,2A,2B,2C,2D 出口弁(ブレーキ液圧制御装置用部品)
2d,2e フランジ部
2h 溝部
3 リザーバ
3b ばね受け部材(ブレーキ液圧制御装置用部品)
100,100A,100B,100D ポンプボディ
111 入口弁装着穴(装着穴)
111b 溝部
112 出口弁装着穴(装着穴)
112b 溝部
A 車両用ブレーキ液圧制御装置
D1,D2,D3,D4 当接部
g1,g2,g3 凹部
L レーザ
W´ ろう
1d フランジ部
1h 溝部
2,2A,2B,2C,2D 出口弁(ブレーキ液圧制御装置用部品)
2d,2e フランジ部
2h 溝部
3 リザーバ
3b ばね受け部材(ブレーキ液圧制御装置用部品)
100,100A,100B,100D ポンプボディ
111 入口弁装着穴(装着穴)
111b 溝部
112 出口弁装着穴(装着穴)
112b 溝部
A 車両用ブレーキ液圧制御装置
D1,D2,D3,D4 当接部
g1,g2,g3 凹部
L レーザ
W´ ろう
Claims (9)
- ポンプボディの装着面にブレーキ液圧を制御するためのブレーキ液圧制御装置用部品を装着してなる車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
ブレーキ液圧制御装置用部品とポンプボディとを、溶接によって接合してなることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記溶接は、レーザ溶接または電子ビーム溶接であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- 前記ブレーキ液圧制御装置用部品は、フランジ部を有しており、
当該フランジ部にレーザまたは電子ビームを照射することによって前記レーザ溶接または前記電子ビーム溶接を施してなることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記溶接は、抵抗溶接であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- 前記ポンプボディの表面には絶縁膜が形成されており、
前記ブレーキ液圧制御装置用部品の、前記絶縁膜から露出した当接部を介して通電することによって前記抵抗溶接を施してなることを特徴とする請求項4に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記溶接は、ろう付けであることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
- 前記ブレーキ液圧制御装置用部品と前記ポンプボディとの間には凹部が形成されており、
前記凹部にろうを設けた状態で前記ろう付けを施してなることを特徴とする請求項6に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記ポンプボディの装着穴の内周面、および前記ブレーキ液圧制御装置用部品の前記装着穴に挿入された部分の外周面の少なくとも一方には、溝部が形成されており、
ろうが、前記装着穴と前記ブレーキ液圧制御装置用部品との間の隙間を介して前記溝部に流れ込むことにより、当該溝部において前記ろう付けを施してなることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記ブレーキ液圧制御装置用部品は複数あり、
これら複数のブレーキ液圧制御装置用部品は、一つの装着面に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009047096A1 (de) * | 2009-11-25 | 2011-05-26 | Robert Bosch Gmbh | Laserstrahlschweißvorrichtung und Laserstrahlschweißverfahren |
WO2023100832A1 (ja) * | 2021-11-30 | 2023-06-08 | 株式会社アドヴィックス | 液圧制御装置 |
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004105211A patent/JP2005289165A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009047096A1 (de) * | 2009-11-25 | 2011-05-26 | Robert Bosch Gmbh | Laserstrahlschweißvorrichtung und Laserstrahlschweißverfahren |
WO2023100832A1 (ja) * | 2021-11-30 | 2023-06-08 | 株式会社アドヴィックス | 液圧制御装置 |
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