JP2017070995A - 異種金属板の接合方法及び異種金属板接合用部材 - Google Patents

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貴志 池田
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Abstract

【課題】 互いに材料の種類が異なる2つの金属板を適正に接合するのに有効な技術を提供する。【解決手段】 鉄系材料からなる第1金属板101とアルミニウム系材料からなる第2金属板102との接合において、第1金属板101と下穴103が貫通形成された第2金属板102とを重ね合わせ、アルミニウム系材料からなる介在部材30をリベット部材20の頭部22と第2金属板102との間に挟んだ状態とするように鉄系材料からなるリベット部材20の軸部21を第2金属板102の下穴103に挿入し、軸部21の軸先端21aを第1金属板101に接触させ、一対の溶接電極T1,T2によってリベット部材20の頭部22と第1金属板101とを挟んで加圧しながら一対の溶接電極T1,T2の間にスポット溶接のための電流を通電する。【選択図】図8

Description

本発明は、互いに材料の種類が異なる2つの金属板を接合する技術に関する。
従来、自動車のフレームは、高張力鋼板などの鉄系材料によって形成されるのが主流である。また、自動車の軽量化の目的で、車体の一部、例えば、ルーフパネルやフードパネルのようなパネル部材を、アルミニウム合金などの軽合金材料によって形成する場合がある。この場合、互いに異種金属板の関係にある、フレームとパネル部材とを接合する必要がある。
2つの異種金属板を接合するこの種の技術が、例えば下記特許文献1に開示されている。この技術の一態様によれば、鉄系材料からなる第1金属板と、アルミニウム系材料からなる第2金属板とが、第1金属板と同じ鉄系材料からなるピンを用いてスポット溶接によって接合される。この接合方法では、第1金属板と第2金属板とを重ね合わせると共に、ピンの軸部を第2金属板に予め貫通形成された下穴に挿入して第1金属板に接触させる。その後、ピンの頭部と第1金属板とを一対の溶接電極で挟んで加圧した状態で一対の溶接電極の間にスポット溶接のための電流を通電する。その結果、ピンの軸部の軸先端が第1金属板にスポット溶接され、第1金属板と第2金属板とが接合された接合体が形成される。
特開平7−214338号公報
ところで、上記特許文献1に開示の技術を用いる場合、ピンの軸部が第2金属板の下穴に挿入された状態でこの軸部の軸周りに隙間が形成される。ピンの軸部を下穴に挿入する構成においては、下穴の穴径が軸部の軸径よりも僅かに大きくなるように設定されるため、この隙間が形成される。一方で、この隙間が接合後においても残留すると、第1金属板と第2金属板とのガタつきの要因に成り得るため、第1金属板と第2金属板を所望の接合強度で接合するのが難しい。特に、スポット溶接時の通電量が過剰になった場合には、第1金属板よりも融点が低い第2金属板の一部が溶融して下穴が広がり上記の隙間が更に大きくなる。この場合、第1金属板と第2金属板を挟む締結力が低下するため接合強度の更なる低下が懸念される。このように、上記の隙間は、第1金属板と第2金属板とを適正に接合する妨げに成り得る。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、互いに材料の種類が異なる2つの金属板を適正に接合するのに有効な技術を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、第1金属板と、該第1金属板とは材料の種類が異なり且つ上記第1金属板よりも融点が低い第2金属板とを重ね合わせて接合する、異種金属板の接合方法であって、上記第1金属板と同種の材料からなり、軸部と該軸部の一端に設けられた該軸部の径方向の大きさを上回る頭部とを有するリベット部材を準備し、上記第2金属板と同種の材料からなる介在部材を準備し、上記第1金属板と下穴が貫通形成された上記第2金属板とを重ね合わせ、上記介在部材を上記リベット部材の上記頭部と上記第2金属板との間に挟んだ状態とするように上記リベット部材の上記軸部を上記第2金属板の上記下穴に挿入し、上記軸部の軸先端を上記第1金属板に接触させ、一対の溶接電極によって上記リベット部材の上記頭部と上記第1金属板とを挟んで加圧しながら上記一対の溶接電極の間にスポット溶接のための電流を通電する、異種金属板の接合方法にある。
ここでいう「同種の材料」とは、一方の材料の主成分と他方の材料の主成分が同じ場合をいう。従って、一方の材料と他方の材料が同一である場合のみならず、いずれの材料も主成分が同じであり且つ一方の材料と他方の材料とで含有微量成分が相違する場合も、この「同種の材料」の範疇に含まれる。
本発明の他の態様は、第1金属板と、該第1金属板とは材料の種類が異なり且つ上記第1金属板よりも融点が低い第2金属板とを重ね合わせて接合するのに用いられる、異種金属板接合用部材であって、上記第1金属板と同種の材料からなり、軸部と該軸部の一端に設けられた該軸部の径方向の大きさを上回る頭部とを有し、上記軸部の軸先端が上記第2金属板に貫通形成された下穴を通じて上記第1金属板に接触するように構成されたリベット部材と、上記第2金属板と同種の材料からなり上記リベット部材の上記軸部の軸長さを下回る板厚を有する平板状であり且つ板厚方向に貫通形成された貫通穴を有する介在部材と、を備え、上記貫通穴への上記軸部の圧入によって上記リベット部材及び上記介在部材が一体化されている、異種金属板接合用部材にある。
上記の、異種金属板の接合方法によれば、リベット部材は、その軸部が第2金属板の下穴に挿入された状態で第1金属板にスポット溶接される。このスポット溶接の間に、リベット部材及び第1金属板に比べて融点の低い介在部材及び第2金属板は、介在部材と第2金属板とが接触する接触部の周辺で局所的に溶融する。そして、スポット溶接時に付与される加圧力を利用してこの溶融物をリベット部材の軸部の軸周りの隙間に押し込むことによって、この隙間を埋めることができる。これにより、第1金属板と第2金属板とのガタつきが発生しにくくなる。また、スポット溶接時の通電量が過剰になった場合でも、溶融物が隙間に連続的に押し込まれるためこの隙間が広がるのを抑えることができる。その結果、第1金属板と第2金属板を所望の接合強度で接合することが可能になる。
また、上記の隙間を埋めることによって、この隙間への水等の侵入経路をシールする必要がない。そのため、リベット部材の頭部付近にシール材を塗布するための専用の設備が不要になり、第1金属板と第2金属板との接合に要する設備コストを低く抑えることができる。
また、第1金属板と第2金属板を所望の接合強度で接合するのに有効な異種金属板接合用部材を実現できる。特に、この異種金属板接合用部材によれば、リベット部材と介在部材とが一体化されているため、リベット部材の頭部と第2金属板との間に介在部材を挟む手間を省略することができる。
以上のごとく、上記の異種金属板の接合方法、及び上記の異種金属板接合用部材によれば、互いに材料の種類が異なる第1金属板及び第2金属板を適正に接合することが可能になる。
本実施形態の接合用部材の斜視図。 図1のII−II線矢視断面図。 接合用部材の作製の過程を示す図。 第1金属板と第2金属板とを接合する手順を示す図。 図4中の第1ステップの様子を模式的に示す図。 図4中の第2ステップの様子を模式的に示す図。 図4中の第3ステップの様子を模式的に示す図。 図4中の第4ステップの様子を模式的に示す図。 図8中のA領域の部分拡大図。 図9においてリベット部材の軸部の軸周りに形成された充填部を模式的に示す図。
上記の異種金属板の接合方法において、介在部材は、リベット部材の軸部の軸長さを下回る板厚を有する平板状であり且つ板厚方向に貫通形成された貫通穴を有し、該貫通穴への軸部の圧入によってリベット部材と介在部材とが一体化された接合用部材を準備するのが好ましい。そして、接合用部材のリベット部材の軸部のうち介在部材の貫通穴から突出した部位を第2金属板の下穴に挿入することによって、リベット部材の頭部と第2金属板との間に介在部材を挟む。スポット溶接において、リベット部材と介在部材とが一体化された接合用部材を予め作製して使用することによって、リベット部材の頭部と第2金属板との間に介在部材を挟む手間を省略することができる。
また、上記の異種金属板接合用部材において、介在部材は、貫通穴を有する円環状の部材であるのが好ましい。この場合、リベット部材の軸部が第2金属板の下穴に挿入された状態で、介在部材の外周円が第2金属板の下穴と概ね同心円をなす。これにより、介在部材と第2金属板とが接触する接触部の周辺で溶融した溶融物を、リベット部材の軸部の軸周りに円環状に形成された隙間にバランス良く押し込むことができる。
また、上記の異種金属板接合用部材において、介在部材は、その外径がリベット部材の頭部の径を上回るのが好ましい。この場合、介在部材はリベット部材の頭部よりも径方向外方へ張り出している。これにより、スポット溶接時にリベット部材の頭部に付与した加圧力を介在部材に安定的に作用させることができる。
また、上記の異種金属板の接合方法、又は上記の異種金属板接合用部材において、第1金属板及びリベット部材はいずれも鉄系材料からなり、第2金属板及び介在部材はいずれも鉄系材料よりも融点が低いアルミニウム系材料からなるのが好ましい。これにより、鉄系材料からなる第1金属板とアルミニウム系材料からなる第2金属板とを所望の接合強度で接合することが可能になる。
以下、互いに種類が異なる材料からなる第1金属板及び第2金属板を接合する技術の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、当該図面では、接合用部材を構成するリベット部材の軸部が延びる軸方向(以下、「第1方向」ともいう。)を矢印Xで示し、該軸部の径方向(以下、「第2方向」ともいう。)を矢印Yで示している。
図1に示されるように、異種金属板接合用部材としての接合用部材10は、リベット部材20及び介在部材30を備え、これら両部材が一体化された構成になっている。尚、図1では、接合用部材10の構造を明確にするためにリベット部材20の一部を切り欠いた状態で示している。この接合用部材10は、第1金属板と第2金属板とを重ね合わせて接合するのに用いられる。
リベット部材20は、円柱状の軸部21と、軸部21の一端に設けられた該軸部21の第2方向Y(径方向)の大きさを上回る円形状の頭部22と、を備えている。このリベット部材20は、鉄を主成分とした鉄系材料からなる。このリベット部材20を「ピン」、「鋲」、「留め具」ということもできる。軸部21は、第1方向Xに延び且つねじ部を有していない。リベット部材20は、第1方向Xについての縦断面形状が略T字である。尚、頭部22は、円形状であれば、図1に示されるように円盤状の平頭であってもよいし、或いは半球状の丸頭であってもよい。
介在部材30は、円環状の部材である。図2に示されるように、この介在部材30は、リベット部材20の軸部21の軸長さL1を下回る板厚t1を有する平板状であり且つ板厚方向である第1方向Xに貫通形成された円形状の貫通穴(「軸穴」ともいう。)31を有する。第2方向Yについて、介在部材30の外径d3は、リベット部材20の頭部22の径d1を上回る。従って、介在部材30は、リベット部材20の頭部22よりも径方向外方へ張り出している。介在部材30は、アルミニウムを主成分としたアルミニウム系材料からなる。このアルミニウム系材料の融点は、リベット部材20を構成する鉄系材料の融点を下回る。アルミニウム系材料として、例えばアルミニウムに、銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどが加えられたアルミニウム合金を用いることができる。
接合用部材10において、リベット部材20の頭部22の下面22aが介在部材30の上面30aに当接している。また、リベット部材20は、軸部21のうち先端側の突出部23が介在部材30の下面30bから突出長さL2で突出するように構成されている。この突出長さL2は、軸部21の軸長さL1から介在部材30の板厚t1を差し引いた長さに相当する。
図3に示されるように、リベット部材20及び介在部材30は、貫通穴31への軸部21の圧入によって一体化されて接合用部材10を形成する。この圧入のために、リベット部材20の軸部21の軸径d2が介在部材30の貫通穴31の穴径d4を僅かに上回るように構成されている。本構成により、リベット部材20の軸部21を介在部材30の貫通穴31に圧入する際、軸部21は縮径方向に押し縮められつつ貫通穴31に嵌め込まれる。リベット部材20と介在部材30は、軸部21と貫通穴31の間に隙間が形成されることなく一体状に接合される。その結果、図1及び図2に示されるような、リベット部材20及び介在部材30を含む接合用部材10が作製され準備される。
次に、上記のように準備された接合用部材10を用いて第1金属板及び第2金属板を接合する接合方法について、図4〜図8を参照しつつ説明する。図4に示されるように、この接合方法には第1ステップS1から第4ステップS4までのステップが含まれる。必要に応じて、これらのステップとは別のステップを付加してもよい。
図4中の第1ステップS1は、第1金属板及び第2金属板をスポット溶接装置(図示省略)にセットする工程である。この第1ステップS1において、図5に示されるように、第1金属板101と予め下穴103が貫通形成された第2金属板102とを重ね合わせる。これにより、第1金属板101の上面101aに第2金属板102の下面102bが被着される。第1金属板101に第2金属板102が重ね合わされた状態では、下穴103の下側開口が第1金属板101の上面101aによって塞がれる一方で、下穴103の上側開口は塞がれない。
第1金属板101は、リベット部材20と同種の鉄系材料からなり、所定の板厚を有する板状部材である。この第1金属板101として、例えば冷間圧延鋼板や、溶融亜鉛めっき鋼板を用いることができる。ここで、第1金属板101及びリベット部材20の材料は、いずれも鉄を主成分とした同種の鉄系材料であればよい(少なくとも主成分が鉄であればよい)。従って、第1金属板101の鉄系材料は、リベット部材20の鉄系材料と同一であってもよいし、或いはリベット部材20の鉄系材料とは含有微量成分が異なるものであってもよい。
第2金属板102は、介在部材30のアルミニウム系材料と同種のアルミニウム系材料からなり、所定の板厚を有する板状部材である。この場合、第2金属板102は、鉄系材料からなる第1金属板101とは材料の種類が異なり且つ第1金属板101よりも融点が低いアルミニウム系材料からなる。ここで、第2金属板102及び介在部材30は、いずれもアルミニウムを主成分とした同種のアルミニウム系材料であればよい(少なくとも主成分がアルミニウムであればよい)。従って、第2金属板102のアルミニウム系材料は、介在部材30のアルミニウム系材料と同一であってもよいし、或いは介在部材30のアルミニウム材料とは含有微量成分が異なるものであってもよい。
第2金属板102は、その板厚t2が接合用部材10の突出部23の突出長さL2(図2参照)に概ね一致するように構成されている。下穴103は、第2金属板102の板厚方向に貫通形成された円形状の穴である。この下穴103の穴径は、接合用部材10の突出部23の軸径を僅かに上回るように構成されている。
図4中の第2ステップS2は、第1ステップS1でセットした第1金属板101及び第2金属板102に対して予め準備された接合用部材10をセットする工程である。この第2ステップS2において、図6に示されるように、接合用部材10のリベット部材20の軸部21のうち介在部材30から下方へ突出した部位である突出部23を第2金属板102の下穴103に挿入する。これにより、リベット部材20の頭部22と第2金属板102との間に介在部材30を挟んだ状態が形成される。即ち、介在部材30をリベット部材20の頭部22と第2金属板102との間に挟んだ状態とするようにリベット部材20の軸部21を第2金属板102の下穴103に挿入する。ここで、第2金属板102の板厚t2は、前述のように突出部23の突出長さL2に概ね一致している。従って、接合用部材10の突出部23を第2金属板102の下穴103に挿入した状態では、リベット部材20は、軸部21の軸先端21aが第2金属板102の下穴103を通じて第1金属板101の上面101aに接触し、且つ介在部材30が第2金属板102に被着される。また、この挿入状態で、介在部材30の外周円が第2金属板102の下穴103と概ね同心円をなす。更に、下穴103の穴径が軸部21の軸径d2よりも僅かに大きくなるように設定されているため、軸部21の一部である突出部23の周り、即ち突出部23と下穴103の間に隙間104が形成される。この隙間104は、軸部21の径方向についてその軸周りに形成される円環状の径方向隙間である。
図4中の第3ステップS3は、第1金属板101及び第2金属板102を接合用部材10とともに溶接電極によってクランプする工程である。この第3ステップS3によれば、図7に示されるように、先ず、リベット部材20の頭部22側に溶接電極T1が配置され、且つ第1金属板101の下面101b側に溶接電極T2が配置される。溶接電極T1は極性について溶接電極T2と対を成す。即ち、溶接電極T1が陽極になり且つ溶接電極T2が陰極になってもよいし、溶接電極T1が陰極になり且つ溶接電極T2が陽極になってもよい。或いは、これら溶接電極T1の極性と溶接電極T2の極性とが交互に切り替わってもよい。その後、駆動機構(図示省略)を制御することによって、これら一対の溶接電極T1,T2を第1方向Xについて互いに近接するように相対移動させる。これにより、接合用部材10のリベット部材20と第1金属板101とが一対の溶接電極T1,T2によってクランプされる。
図4中の第4ステップS4は、第3ステップS3に引き続いて、一対の溶接電極T1,T2による所定の溶接条件下でスポット溶接を行う工程である。この第4ステップS4において、一対の溶接電極T1,T2によってリベット部材20の頭部22と第1金属板101とを挟んで加圧しながら一対の溶接電極T1,T2の間にスポット溶接のための電流を通電する。具体的に説明すると、図8に示されるように、先ず、一対の溶接電極T1,T2を第3ステップS3のときよりも更に近接するように相対移動させる。これにより、接合用部材10のリベット部材20と第1金属板101が第1方向Xについて互いに近接するように加圧されて圧着される。
更に、一対の溶接電極T1,T2のための溶接電源装置を制御することによって、一対の溶接電極T1,T2の間に通電する電流とその通電時間が制御される。これにより、リベット部材20と第1金属板101との間において、溶接電極T1の先端と溶接電極T2の先端を直線的に結ぶ通電経路C(図中の矢印付き実線)に電流を所定時間流す処理が実行される。
従って、接合用部材10の介在部材30をリベット部材20の頭部22と第2金属板102との間に挟んだ状態で、軸部21の軸先端21aが第1金属板101にスポット溶接される。このスポット溶接によれば、互いに重なり合う第1金属板101及び第2金属板102は、リベット部材20の頭部22の下面22aと第1金属板101の上面101aとの間に挟まれて、第1方向Xについて物理的な締結力を受ける。その結果、第1金属板101及び第2金属板102の接合が完了する。
ここで、上記のスポット溶接時の図8中のA領域の様子について具体的に説明する。図9に示されるように、通電経路Cを電流が流れる際に、リベット部材20の軸先端21aと第1金属板101の上面101aとが接触する接触部40にジュール熱が生じる。このとき、リベット部材20及び第1金属板101の双方の鉄系材料は、接触部40の周辺においてジュール熱によって加熱されて溶融した後、溶接合金層(ナゲット)41を形成する。
更に、一対の溶接電極T1,T2によって供給された電流の一部は、通電経路Cとは別経路でリベット部材20から介在部材30側にも流れる。具体的に説明すると、リベット部材20の頭部22から介在部材30及び第2金属板102を順次通り第1金属板101に至る通電経路に電流が流れる。この通電経路を電流が流れる際、介在部材30の下面30bと第2金属板102の上面102aとが接触する接触部50にジュール熱が生じる。また、接触部40で生じたジュール熱の余熱が接触部50側へ伝わる。これは、接触部40で生じるジュール熱の大きさが接触部50で生じるジュール熱の大きさを上回り、接触部40の周辺温度が接触部50の周辺温度に比べて高いからである。これにより、接触部50の周辺部位が加熱され、溶融部51において介在部材30及び第2金属板102の双方のアルミニウム系材料が溶融する。
溶融部51のアルミニウム系材料の融点は、リベット部材20及び第1金属板101を構成する鉄系材料の融点よりも低い。従って、接触部40の周辺の鉄系材料が溶融状態にある間(接触部40に溶接合金層41が形成されるまでの間)は、溶融部51のアルミニウム系材料は溶融した状態を維持する。一方で、介在部材30の上面30aは、リベット部材20の頭部22が溶接電極T1から受ける加圧力によって第2金属板102側に押圧される。これにより、溶融部51におけるアルミニウム系材料の溶融物を、この加圧力を利用して溶融部51から隙間104へと押し込むことができる。また、隙間104に残留していた空気は、溶融物が隙間104に押し込まれることによって外部空間へと押し出される。そして、接触部40の鉄系材料が溶接合金層41を形成した後に、隙間104に流れ込んだアルミニウム系材料の溶融物が硬化する。その結果、図10に示されるように、リベット部材20の軸部21の軸周りには、隙間104がアルミニウム系材料で埋められた充填部60が形成される。
上記の実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
リベット部材20は、その軸部21が第2金属板102の下穴103に挿入された状態で第1金属板101にスポット溶接される。このスポット溶接の間に、リベット部材20及び第1金属板101に比べて融点の低い介在部材30及び第2金属板102は、介在部材30と第2金属板102とが接触する接触部50の周辺で局所的に溶融する。そして、スポット溶接時に付与される加圧力を利用してこの溶融物をリベット部材20の軸部21の軸周りの隙間104に押し込むことによって、この隙間104を埋めることができる。これにより、第1金属板101と第2金属板102とのガタつきが発生しにくくなる。また、スポット溶接時の通電量が過剰になった場合でも、溶融物が隙間104に連続的に押し込まれるためこの隙間104が広がるのを抑えることができる。その結果、鉄系材料からなる第1金属板101とアルミニウム系材料からなる第2金属板102とを所望の接合強度で接合することができる。
上記の隙間104を埋めることによって、この隙間104への水等の侵入経路をシールする必要がない。そのため、リベット部材20の頭部22付近にシール材を塗布するための専用の設備が不要になり、第1金属板101と第2金属板102との接合に要する設備コストを低く抑えることができる。
スポット溶接において、リベット部材20と介在部材30とが一体化された接合用部材10を予め作製して使用することによって、リベット部材20の頭部22と第2金属板102との間に介在部材30を挟む手間を省略することができる。
リベット部材20の軸部21が第2金属板102の下穴103に挿入された状態で、介在部材30の外周円が第2金属板102の下穴103と概ね同心円をなすように構成することで、接触部50の周辺で溶融した溶融物を隙間104にバランス良く押し込むことができる。
介在部材30がリベット部材20の頭部22よりも径方向外方へ張り出すように構成することで、スポット溶接時にリベット部材20の頭部22に付与した加圧力を介在部材30に安定的に作用させることができる。
(実施例)
上記の実施形態による作用効果は、以下の実施例を参照することによって更に明確になる。この実施例は、自動車のフレームを第1金属板101とし、フレームに接合されるパネル部材を第2金属板102とし、これら第1金属板101及び第2金属板102を、接合用部材10を用いてスポット溶接した場合の例である。
(金属板)
第1金属板101として、板厚が0.75mmの鋼板(SCGA270、新日鐵住金株式会社製)を使用した。第2金属板102として、板厚が1.2mmのアルミニウム合金板(6K21、神戸製鋼株式会社製)を使用した。
(接合用部材)
リベット部材20として、一般構造用圧延鋼材(SS41)からなるリベット部材(軸部21の軸長さ:2.5mm、頭部22の径:φ10mm)を使用した。介在部材30として、板厚が1.2mmのアルミニウム合金板(6K21、神戸製鋼株式会社製)を円環状に加工した部材(貫通穴31の穴径:φ8mm)を使用した。リベット部材20の軸部21を介在部材30の貫通穴31に圧入することによって接合用部材10を作製した。
(溶接条件)
スポット溶接のための一対の溶接電極T1,T2として、(ドーム型チップ、TC−16)を使用した。スポット溶接時の溶接条件として、通電時の電流値を8.8kA、通電時間を10サイクル(周波数60Hz)、加圧力を270kgfとした。
(評価方法)
まず、上記の第1金属板101及び第2金属板102を板厚方向について重ね合わせ、更に接合用部材10の突出部23を第2金属板102の下穴103に挿入した状態で、上記の溶接条件(電流値、通電時間、加圧力)下でスポット溶接を実施した。このスポット溶接によって、第1金属板101及び第2金属板102の接合体である試験片を作製した。作製したこの試験片の断面観察によって上記の隙間104の周辺の状態を評価した。
(評価結果)
上記の試験片の評価結果によれば、図10を用いて前述したように、スポット溶接前に形成されていた隙間104がアルミニウム系材料で埋められた充填部60が形成されたことが確認された。従って、第1金属板101と第2金属板102が所望の接合強度で接合されているという評価結果を得た。更に、この試験片とは別に、スポット溶接時の溶接条件として、電流値を8.8〜9.3kAの範囲で変化させ、通電時間を8〜10サイクル(周波数60Hz)の範囲で変化させ、加圧力を256〜270kgfの範囲で変化させて、複数パターンの試験片を作製してその断面観察を実施した。その結果、これら複数パターンの試験片のそれぞれについても、上記の試験片の場合と同様の評価結果が得られた。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、第1金属板101及びリベット部材20が鉄系材料(以下、「材料A」という。)からなり、且つ第2金属板102及び介在部材30がアルミニウム系材料(以下、「材料B」という。)からな場合について記載したが、材料Bの融点が材料Aの融点が下回ることを条件に、材料Aと材料Bとの組み合わせは必要に応じて変更可能である。例えば、材料Aを銅系材料とし、且つ材料Bをこの銅系材料よりも融点が低いアルミニウム系材料とすることができる。
上記の実施形態では、リベット部材20が、円柱状(断面形状が円形)の軸部21と、円形状の頭部22とを備える場合について記載したが、必要に応じて軸部21及び頭部22のそれぞれの形状を変更可能である。軸部21の断面形状を、例えば楕円形、多角形等に変更することもできる。この場合、軸部21の断面形状の変更に伴って、介在部材30の貫通穴31の形状も変更される。頭部22の外形を、例えば楕円形、多角形等に変更することもできる。
上記の実施形態では、介在部材30が円環状の部材、即ち外形が円形である場合について記載したが、この介在部材30は、リベット部材20の軸部21の挿入が可能な貫通穴31を少なくとも有する部材であれば、その外形が例えば楕円形、多角形等であってもよい。
上記の実施形態では、介在部材30は、その外径がリベット部材20の頭部22の径を上回る場合について記載したが、介在部材30の外径とリベット部材20の頭部22の径との相対的な寸法の関係は必要に応じて種々変更が可能である。例えば、介在部材30を、その外径が頭部22の径と同一、或いは頭部22の径を下回るように構成することもできる。
上記の実施形態では、接合用部材10のリベット部材20及び介在部材30を圧入によって一体化する場合について記載したが、この一体化を圧入以外の方法によって実現することもできる。例えば、リベット部材20の軸部21の外周に雄ねじを設け、介在部材30の貫通穴31の内周に雌ねじを設け、これら雄ねじ及び雌ねじの螺合によってリベット部材20及び介在部材30を一体化することもできる。また、介在部材30に類似の板状部材を用い、この板状部材をスポット溶接時にリベット部材20の頭部22と第2金属板102との間に挟んでスポット溶接することもできる。
上記の実施形態における接合技術を、自動車のフレームである第1金属板101と、フレームに接合されるパネル部材である第2金属板102とは別の異種金属板の接合に適用することもできる。
10 接合用部材
20 リベット部材
21 軸部
21a 軸先端
22 頭部
30 介在部材
31 貫通穴
101 第1金属板
102 第2金属板
103 下穴
104 隙間

Claims (7)

  1. 第1金属板と、該第1金属板とは材料の種類が異なり且つ上記第1金属板よりも融点が低い第2金属板とを重ね合わせて接合する、異種金属板の接合方法であって、
    上記第1金属板と同種の材料からなり、軸部と該軸部の一端に設けられた該軸部の径方向の大きさを上回る頭部とを有するリベット部材を準備し、
    上記第2金属板と同種の材料からなる介在部材を準備し、
    上記第1金属板と下穴が貫通形成された上記第2金属板とを重ね合わせ、
    上記介在部材を上記リベット部材の上記頭部と上記第2金属板との間に挟んだ状態とするように上記リベット部材の上記軸部を上記第2金属板の上記下穴に挿入し、上記軸部の軸先端を上記第1金属板に接触させ、
    一対の溶接電極によって上記リベット部材の上記頭部と上記第1金属板とを挟んで加圧しながら上記一対の溶接電極の間にスポット溶接のための電流を通電する、異種金属板の接合方法。
  2. 上記介在部材は、上記リベット部材の上記軸部の軸長さを下回る板厚を有する平板状であり且つ板厚方向に貫通形成された貫通穴を有し、該貫通穴への上記軸部の圧入によって上記リベット部材と上記介在部材とが一体化された接合用部材を準備し、
    上記接合用部材の上記リベット部材の上記軸部のうち上記介在部材の上記貫通穴から突出した部位を上記第2金属板の上記下穴に挿入することによって、上記リベット部材の上記頭部と上記第2金属板との間に上記介在部材を挟む、請求項1に記載の、異種金属板の接合方法。
  3. 上記第1金属板及び上記リベット部材はいずれも鉄系材料からなり、上記第2金属板及び上記介在部材はいずれも上記鉄系材料よりも融点が低いアルミニウム系材料からなる、請求項1または2に記載の、異種金属板の接合方法。
  4. 第1金属板と、該第1金属板とは材料の種類が異なり且つ上記第1金属板よりも融点が低い第2金属板とを重ね合わせて接合するのに用いられる、異種金属板接合用部材であって、
    上記第1金属板と同種の材料からなり、軸部と該軸部の一端に設けられた該軸部の径方向の大きさを上回る頭部とを有し、上記軸部の軸先端が上記第2金属板に貫通形成された下穴を通じて上記第1金属板に接触するように構成されたリベット部材と、
    上記第2金属板と同種の材料からなり上記リベット部材の上記軸部の軸長さを下回る板厚を有する平板状であり且つ板厚方向に貫通形成された貫通穴を有する介在部材と、を備え、上記貫通穴への上記軸部の圧入によって上記リベット部材及び上記介在部材が一体化されている、異種金属板接合用部材。
  5. 上記介在部材は、上記貫通穴を有する円環状の部材である、請求項4に記載の異種金属板接合用部材。
  6. 上記介在部材は、その外径が上記リベット部材の上記頭部の径を上回る、請求項5に記載の異種金属板接合用部材。
  7. 上記第1金属板及び上記リベット部材はいずれも鉄系材料からなり、上記第2金属板及び上記介在部材はいずれも上記鉄系材料よりも融点が低いアルミニウム系材料からなる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の異種金属板接合用部材。
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