JP2016161078A - 異材接合用リベット及び異材接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スポット溶接用電極の芯ずれ(電極の軸とリベットの軸のずれ)が生じた場合でも、電流密度の低下を抑制し、必要な大きさのナゲットを安定して形成し、必要な接合強度が確保できるようにする。【解決手段】頭部12と軸部13からなり、軽合金材に打ち込まれて軸部13で軽合金材を打抜くと同時に軽合金材にかしめ接合され、次いで鋼材とスポット溶接される鋼製の異材接合用リベットにおいて、リベットの軸部13の先端に、中央突起14と、中央突起14を円形状に取り囲む環状突起15が形成されている。又は、軸部13の先端に、同心円状に配置された複数の環状突起が形成されている【選択図】図2

Description

本発明は、異材(鋼材と軽合金材)を接合するために使用される鋼製のリベット、及び前記リベットを使用した異材接合方法に関する。
近年、排気ガス等による地球環境問題に対して、自動車等の輸送機の車体の軽量化による燃費の向上が図られている。また、この軽量化をできるだけ阻害せず、自動車の車体衝突時の安全性を高めるため、自動車の車体構造に対し、従来から使用されている鋼材の一部を、より軽量でエネルギー吸収性にも優れたアルミニウム合金材及びマグネシウム材等の軽合金材の適用が増加しつつある。
自動車の車体等に使用されるアルミニウム合金材は、圧延板材、押出材、又は鍛造材等の形態がある。自動車のルーフ、フード、フェンダー、ドア、トランクリッド等の大型のパネル構造体のアウタパネル及びインナパネル等として、AA又はJIS規格の6000系(Al−Mg−Si系)、及び5000系(Al−Mg系)等のアルミニウム合金板の使用が検討されている。
これらのアルミニウム合金材は、車体の全ての部分をアルミニウム合金材で構成しない限り、元々汎用されている鋼板又は型鋼等の鋼材(鋼部材)と組み合わせて使用する必要があり、必然的に、アルミニウム合金材と鋼材とを接合する必要がある。
特許文献1〜5には、アルミニウム合金材等の軽合金材に鋼製のリベットを予め接合した後、前記リベットの頭部と鋼材とを一対の電極で挟み、通電して、前記リベットの軸部と鋼材をスポット溶接し、軽合金材と鋼材を接合する技術が開示されている。
特許文献1では、鋼製リベットを軽合金材に打ち込み、軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記リベットを前記軽合金材にかしめ接合し、次いで前記リベットの軸部と前記鋼材とをスポット溶接している。前記リベットの頭部に軸部を取り囲む凹部(環状溝)が形成されている。
特許文献2でも同様に、鋼製リベットを軽合金材に打ち込み、軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記リベットを前記軽合金材にかしめ接合し、次いで前記リベットの軸部と前記鋼材とをスポット溶接している。前記リベットは、頭部に軸部を取り囲む凹部(環状溝)が形成され、軸部は先端側に向けて横断面積が大きく形成され、さらに、前記リベットの軸部の先端面に突起(盛り上がり部)が形成されている。
特許文献3には、鋼製リベットの軸部の先端の周面に凹部を形成するとともに、このリベットを軽合金材に打ち込んだとき、前記軽合金材に前記凹部に連なる凹部を形成することが記載されている。また、特許文献3には、前記リベットの頭部及び軸部の表面のうち、前記軽合金材に打ち込み後に前記軽合金材と接触する部分に、前記鋼材より高い抵抗を有する皮膜(絶縁層)を形成することが記載されている。
特許文献4では、鋼製リベットを軽合金材に形成した下穴に押し込んで、前記リベットを前記軽合金材にかしめ接合し、次いで前記リベットの軸部と前記鋼材とをスポット溶接している。前記リベットの軸部は、前記下穴の径より小径の先端部と、下穴の径より大きい基端部と、前記先端部と基端部の間の曲面状の縮径部(前記先端部より小径)からなる。
特許文献5では、鋼製リベットを軽合金材に打ち込み、軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記リベットを前記軽合金材にかしめ接合し、次いで前記リベットの軸部と前記鋼材とをスポット溶接している。前記リベットは、頭部と軸部先端に隆起部を備える。また、特許文献5には、頭部に軸部を取り囲む凹部(環状溝)を形成すること、前記軽合金材に打ち込み後に前記軽合金材と接触する部分に、前記鋼材より高い抵抗を有する皮膜(絶縁層)を形成することが記載されている。
特開2009−285678号公報 特開2010−207898号公報 特開2014−580号公報 特開2014−121710号公報 特開2014−173683号公報
特許文献2の図2には、軸部の先端中央に突起を形成した鋼製の異材接合用リベットが記載されている。特許文献2によれば、このリベットを用いることで、スポット溶接電流がリベットの中心部に集中し、高い電流密度を得て、ナゲットを十分に成長させることができる。また、特許文献2によれば、このリベットを用いることで、スポット溶接用電極の軸がリベットの軸からずれた場合(いわゆる芯ずれが生じた場合)でも、溶接電流がリベットの中心部に集中し、同中心部においてナゲットを成長させることができる。
一方、このリベットを用いた場合、スポット溶接用電極の芯ずれが生じると、図8に示すように、両電極に挟まれたリベットが傾くことがある。図8において、1はリベット、2は軽合金材、3は鋼材、4,5は一対のスポット溶接用電極である。リベット1は頭部6と軸部7からなり、軸部7の先端面中央に突起8が形成され、軸部7が軽合金材2に打ち込まれ、かしめ接合されている。電極4,5がリベット1の頭部6と鋼材3を挟んでいるが、電極4,5の芯ずれ(電極4,5の軸とリベット1の軸のずれ)が生じており、そのためリベット1が傾き、リベット1の軸部6は、突起8と軸部6の先端周縁9の2点で鋼材3に接触している。
リベット1が傾くと、リベット1と軽合金材2のかしめ接合の強度が低下するおそれがある。
また、この状態で電極4,5に通電が行われた場合、溶接ナゲットが良好に成長せず、電極4,5の芯ずれが生じなかった場合に比べてナゲット径が小さく、大きい接合強度が得られない。電極4,5の加圧力により軸部6の先端周縁(角部)9が鋼材3に押し付けられ、鋼材3が塑性変形して前記先端周縁9と鋼材3とが面接触する。このときの軸部7の先端周縁9と鋼材3の接触面積は、電極4,5の芯ずれが生じなかった場合の突起8と鋼材3の接触面積より広い。この状態で電極4,5に通電が行われると、溶接電流は前記先端周縁9と鋼材3の比較的広い接触面を通して流れ、突起8を通してはほとんど流れず、スポット溶接の電流密度が、電極4,5の芯ずれが生じなかった場合に比べて低下する。これが、溶接ナゲットが良好に成長せず、ナゲット径が小さくなる理由と考えられる。
本発明は、スポット溶接用電極の芯ずれ(電極の軸とリベットの軸のずれ)が生じた場合でも、電流密度の低下を抑制し、必要な大きさのナゲットを安定して形成できる鋼製の異材接合用リベットを提供することを目的とする。
本発明に係る鋼製の異材接合用リベットは、頭部と前記頭部から延びる軸部からなり、軽合金材に打ち込まれて前記軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記軽合金材にかしめ接合され、次いで鋼材とスポット溶接されるリベットであり、前記軸部の先端に、中央突起と、前記中央突起を円形状に取り囲む環状突起が形成されている、又は、前記軸部の先端に、同心円状に配置された複数の環状突起が形成されている。このリベットは、好ましくは、前記頭部に前記第1軸部を取り囲む環状の溝が形成されている。
本発明に係る異材接合方法は、上記異材接合用リベットを使用して、鋼材と軽合金材とを接合する異材接合方法であり、前記リベットを前記軽合金材に打ち込み、前記軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記軽合金材にかしめ接合し、次いで前記軽合金材を鋼材と重ね、前記リベットの頭部と前記鋼材とを一対の電極で挟み、前記電極で前記リベット及び前記鋼材を加圧しつつ前記電極に通電し、前記リベットの軸部と前記鋼材とをスポット溶接することを特徴とする。
本発明に係るリベットは、軸部の先端に中央突起と、前記中央突起を円形状に取り囲む環状突起が形成され、又は軸部の先端に、同心円状に配置された複数の環状突起が形成されている。軸部の先端にこのような中央突起及び環状突起、又は同心円状の複数の環状突起が形成されていることにより、スポット溶接時に電極の芯ずれ(電極の軸とリベットの軸のずれ)が生じた場合でも、中央突起のみが形成されている場合に比べ、リベットが傾きにくい。
また、スポット溶接時に電極の芯ずれが生じて、仮にリベットが傾いた場合でも、環状突起があることで軸部の先端周縁が鋼材に面接触することが妨げられる。電極4,5に通電が行われると、電極4,5に近い複数の突起の先端領域に集中して溶接電流が流れ、電流密度の低下が抑えられる。これにより複数の突起の先端領域にナゲットが形成され、複数の突起が比較的接近して配置されているため、複数のナゲットが1つの大きいナゲットに成長する。このように、本発明によれば、必要な大きさのナゲットを安定して形成でき、必要な接合強度が確保できる。
本発明でいう軽合金材には、アルミニウム(金属及び合金を含む)のほか、マグネシウム及びチタン(いずれも金属及び合金を含む)が含まれる。
本発明に係るリベットの一例を示す斜視図である。 図1に示すリベットのA−A断面図(軸中心を通る断面)である。 本発明に係る他のリベットの断面図(軸中心を通る断面)である。 本発明に係るリベットの打ち込み工程を示す模式図である。 本発明に係るリベットを用いた抵抗スポット溶接工程を示す縦断面図である。 本発明に係るリベットを用いた抵抗スポット溶接工程において電極の芯ずれが生じた場合の通電後の状態を示す縦断面図である。 実施例に用いたリベットの縦断面図である。 従来のリベットを用いた抵抗スポット溶接工程において電極の芯ずれが生じた場合の通電後のリベット周辺の状態を示す縦断面図である。
以下、図1〜7を参照して、本発明に係る異材接合用リベット、前記リベットを使用した異材接合方法について、より具体的に説明する。
図1,2に示すリベット11は、板状の頭部12と、頭部12から延びる軸部13からなり、実質的に回転体(軸に対し垂直な断面が円形又はドーナツ型)の立体形状を有する。軸部13の先端面13aには、軸部13の軸(中心)に略円錐形の中央突起14が形成され、前記中央突起14を円形状に取り囲む環状突起15が同心に形成されている。この例では環状突起15は、軸部13の先端周縁16よりやや内側に配置され、その断面形状は略三角形をなしている。環状突起は同心円状に複数個形成されていてもよい。また、頭部12の軸部13側に、軸部13を取り囲む環状の溝17が形成されている。
(追加しました。)
図3に本発明に係る他のリベット21を示す。図3において、図1,2に示すリベット11と実質的に同じ部位には同じ番号を付与している。リベット21は、軸部13の先端面13aに中央突起がなく、軸部13の軸(中心)を中心とする内側の環状突起22と、該環状突起22を同心円状に取り囲む外側の環状突起23が形成されている点でのみ、図1,2に示すリベット12と異なる。この例では、外周側の環状突起23は、軸部13の先端周縁16よりやや内側に配置され、その断面形状は略三角形をなしている。環状突起は同心円状に3個以上形成されていてもよい。
リベット11,21は素材から鍛造加工により成形することができる。
リベット11,21は、特許文献5にも記載されているように、頭部12の端面12aと軸部13の先端面13aを除いた表面全体に、絶縁層(鋼材より高い抵抗の皮膜)を形成することが好ましい。前記絶縁層は、例えば、ディスゴ(登録商標)、ラフレ(登録商標)、ジオメット(登録商標)、ポリエステル系樹脂プレコート、シリコーンエラストマ等の絶縁性を有する塗料で形成される。なお、前記絶縁層は、リベット11,21を後述する軽合金材2に打ち込んだとき、リベット11,21と前記軽合金材2が接する箇所に形成すればよい。
次に図4,5を参照して、本発明に係る異材接合方法(リベット11を使用した例)について説明する。
まず、図4(a)に示すように、円筒状の下型25の上に軽合金材2を載置し、リベット11を下型25の上方に配置し、上型(ポンチ)26によりリベット11を軽合金材2に打ち込む。リベット11は適宜の支持装置により支持した状態で軽合金材2の上に配置することもできるが、ポンチ26を帯磁させ、ポンチ26にリベット1を磁気的に付着させて、軽合金材2の上に配置することもできる。
ポンチ26を軽合金材2に向けて下降させ、リベット11を軽合金材2に打ち込むと、図4(b)に示すように、軽合金材は軸部13により打ち抜かれ、抜きカス27が下型25内に落下し、軸部13の先端部が軽合金材2を貫通する。同時に、軽合金材2に形成された打抜き穴の周囲の材料が、リベット11の頭部12と下型25の間に挟まれて塑性流動し、頭部12に形成された溝17内に入り込み、さらに軸部13の周囲に密着する。この打ち込みにより、リベット1が軽合金材2にかしめ接合される。
リベット11がかしめ接合された軽合金材2は、抵抗スポット溶接装置に搬入され、鋼材3の上に重ねられる。このとき、図5に示すように、スポット溶接電極4,5の間にリベット11が位置するように、軽合金材2と鋼材3が配置される。リベット11の軸部13が軽合金材2を貫通しているので、軸部13の先端の中央突起14及び環状突起15と鋼材3とが接触する。
次いで、上下の電極4,5を相互に接近させ、リベット11の頭部12と鋼材3を挟んで加圧力を作用させ(図5(a))、電極4,5間にスポット溶接電流(パルス電流)を印加し、リベット11と鋼材3とを抵抗スポット溶接する(図5(b))。この例では、電極4,5の軸とリベット11の軸がほぼ一致していることから、電流はリベット11の軸部13の中心から中央突起14の先端領域に集中して高い電流密度で流れ、軸部13の中心にナゲット28が形成されやすい。
図5では、電極4,5の軸とリベット11の軸が一致していたが、図6では、電極4,5の軸がリベット11の軸からずれている(電極4,5の芯ずれが生じている)。
電極4,5の芯ずれが生じた場合、従来のリベット1では、図8に示すように、電極4,5に挟まれたリベット1が傾きやすい。しかし、リベット11は軸部13に中央突起14とそれを取り囲む環状突起15が形成されているため、電極4,5に挟まれたときこれらの中央突起14と環状突起15が鋼材3に接触し、傾きにくい。続いて電極4,5にスポット溶接電流を印可すると、溶接電流は中央突起14と環状突起15(電極4,5に近い箇所)の先端領域に集中して高い電流密度で流れる。これにより、図6(a)に示すように、軸部13と鋼材3が、中央突起14と鋼材3との接触部及び環状突起15と鋼材3との接触部を起点として溶融し、必要な大きさのナゲット29が形成される。
リベット21を用いた場合も同様に、溶接電流は鋼材3に接触している環状突起22,23(いずれも電極4,5に近い箇所)の先端領域に集中して高い電流密度で流れる。これにより、図6(b)に示すように、軸部13と鋼材3が、環状突起22と鋼材3との接触部及び環状突起23と鋼材3との接触部を起点として溶融し、必要な大きさのナゲット30が形成される。
電極4,5に挟まれたとき仮にリベット11,21が傾いたとしても、リベット11においては環状突起15により、リベット21においては外側の環状突起23により、それぞれ軸部13の先端周縁が鋼材3に面接触することが妨げられる。このため、電極4,5に通電が行われると、溶接電流は、リベット11においては中央突起14と環状突起15(電極4,5に近い箇所)の先端領域に集中し、リベット21においては環状突起22,23(電極4,5に近い箇所)の先端領域に集中し、高い電流密度で流れる。従って、リベット11,21が傾かなかった場合と同様に、軸部13と鋼材3が、環状突起22と鋼材3との接触部及び環状突起23と鋼材3との接触部を起点として溶融し、必要な大きさのナゲット30が形成される。
図2に示すリベット11において、中央突起14と環状突起15の間隔(先端同士の間隔)は、スポット溶接電極4,5の端面の平坦部の直径w(図5(a)参照)以下の大きさに設定(d≦w)されていることが好ましい。また、図3に示すリベット21において、環状突起22,23の間隔(先端同士の間隔)d、及び内側の環状突起22の直径Dは、スポット溶接電極4,5の前記直径w(図5(a)参照)以下の大きさ(d≦w,D≦w)に設定されていることが好ましい。
電極4,5の端面の平坦部の直径wが、リベット11の中央突起14と環状突起15の間隔dより小さい(d>w)場合、電極4,5でリベット11と鋼材3を挟んだとき、電極4,5の位置によっては、鋼材3が電極5により中央突起14と環状突起15の隙間に押し込まれる。このとき、塑性変形した鋼材3とリベット11の軸部13の先端面13aが前記隙間内で面接触し、両者の接触面積が大きくなる可能性がある。そうなった場合、スポット溶接の電流密度が低下して、溶接ナゲットが良好に成長せず、ナゲット径が小さくなる。
このような電極4,5でリベット21と鋼材3を挟んだときも、電極4,5の端面の平坦部の直径wが、リベット21の環状突起22,23の間隔d又は環状突起23の直径Dより小さい(d>w、D>w)場合、同様のことが生じる可能性がある。すなわち、電極4,5でリベット12と鋼材3を挟んだとき、電極4,5の位置によっては、鋼材3が電極5により環状突起22,23の隙間又は環状突起23の内側に押し込まれる。その結果、塑性変形した鋼材3とリベット21の軸部13の先端面13aが、環状突起22,23の間の前記隙間内又は環状突起22の内側で面接触し、両者の接触面積が大きくなる可能性がある。
なお、スポット溶接の条件は、通常の鋼材−鋼材の同種材同士の接合に汎用されている条件をそのまま適用できる。換言すると、本発明は、軽合金材−鋼材の異材接合であるにも拘わらず、通常の鋼材−鋼材の同種材同士のスポット接合に汎用されている条件が適用できる。スポット溶接の好ましい条件としては、一対の電極の間の加圧力を1.0〜5.0kNの範囲とすることが好ましい。また、電極間電流を5〜15kAの範囲、好ましくは7〜8kAの範囲とし、軽合金材の接合部の厚さt(mm)との関係で、200×t(msec)以下の時間、通電することが好ましい。この通電時間を軽合金材の厚さtに比例させるのは、リベットにかしめ接合された軽合金材(熱伝導率が高い)を通して逃げる熱を補償して、スポット溶接部に一定のサイズのナゲットを形成するためである。
次に、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して、その効果を説明する。
<リベットの形状>
軸中心を通る断面のプロファイルが、図7(a),(b),(c)に示す形状のリベット(何れも回転体)を、鍛造加工で成形した。図7(a)のリベット(リベットA)は、図1,2に示すタイプであり、頭部の直径が15mm、頭部の厚みが1.2mm、軸部の直径が9mm、軸部の長さが1.2mm、中央突起と環状突起の突出高さが0.3mm、環状突起の直径が5mmである。図7(b)のリベット(リベットB)は、図3に示すタイプであり、頭部の直径と厚み及び軸部の直径と長さはリベットAと同じ、内側環状突起の突出高さが0.3mmで直径が4mm、外側環状突起の高さが0.3mmで直径が7mmである。図7(c)のリベット(リベットC)は、図8に示す従来タイプであり、頭部の直径と厚み及び軸部の直径と長さはリベットAと同じ、中央突起の突出高さが0.3mmである。
<接合強度試験>
上記リベットA〜Cの表面(頭部の端面と軸部の先端面を除いた表面全体)に、ラフレ(登録商標)により絶縁層を形成した。
上記リベットA〜Cを、板厚1.2mmの6000系アルミニウム合金材に打ち込み、それぞれアルミニウム合金材にかしめ接合した。
続いて、アルミニウム合金材を板厚1.0mmの冷間圧延鋼板(SPCC)に重ね代30mmで重ねて、リベットと鋼板をスポット溶接し、アルミニウム合金材−鋼材の異材接合体を作成した。溶接条件としては、電極にはクロム銅合金(直径16mm、先端面の曲率半径80mm)のDR形電極を使用し、リベットと鋼板を一対の電極で挟持した後、加圧力4.5kN、溶接電流7000A、通電時間200msecの条件とした。なお、一対の電極でリベットと鋼板を挟持する際、電極の中心をリベットの中心から4mmずらした。
次にこのスポット溶接後の異材接合体から、スポット溶接部を中心として幅30mm×長さ200mmの継手試験片を切り出し、鋼板とアルミニウム合金板を把持して破断するまで引張り試験を行い、引張強度を測定した。全ての異材接合体において、破断はスポット溶接部で発生した。
各リベットA〜Cのスポット溶接後の溶融ナゲット径及び引張強度(接合強度)を表1に示す。
Figure 2016161078
表1に示すように、本発明の実施例であるリベットA,Bを使用したケースでは、ナゲットが大きく成長し、高い引張強度(接合強度)を示した。
一方、比較例(従来例)であるリベットCを使用したケースでは、スポット溶接時にナゲットが十分に成長せず、溶融ナゲット径の減少が見られ、引張強度(接合強度)が低かった。
1,11,21 リベット
2 軽合金材
3 鋼材
4,5 スポット溶接用電極
6,12 頭部
7,13 軸部
8,14 中央突起
15,22,23 環状突起
17 環状溝

Claims (4)

  1. 頭部と前記頭部から延びる軸部からなり、軽合金材に打ち込まれて前記軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記軽合金材にかしめ接合され、次いで鋼材とスポット溶接される鋼製の異材接合用リベットにおいて、前記軸部の先端に、中央突起と、前記中央突起を円形状に取り囲む環状突起が形成されていることを特徴とする異材接合用リベット。
  2. 頭部と前記頭部から延びる軸部からなり、軽合金材に打ち込まれて前記軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記軽合金材にかしめ接合され、次いで鋼材とスポット溶接される鋼製の異材接合用リベットにおいて、前記軸部の先端に、同心円状に配置された複数の環状突起が形成されていることを特徴とする異材接合用リベット。
  3. 前記頭部に前記軸部を取り囲む環状の溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載された異材接合用リベット。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載された異材接合用リベットを使用して、鋼材と軽合金材とを接合する異材接合方法であり、前記リベットを前記軽合金材に打ち込み、前記軸部で前記軽合金材を打抜くと同時に前記軽合金材にかしめ接合し、次いで前記軽合金材を鋼材と重ね、前記リベットの頭部と前記鋼材とを一対の電極で挟み、前記電極で前記リベット及び前記鋼材を加圧しつつ前記電極に通電し、前記リベットの軸部と前記鋼材とをスポット溶接することを特徴とする異材接合方法。
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