JP7410398B2 - リベット接合継手構造の製造方法、リベット接合継手構造及び自動車部品 - Google Patents

リベット接合継手構造の製造方法、リベット接合継手構造及び自動車部品 Download PDF

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Description

本発明は、リベット接合継手構造の製造方法、リベット接合継手構造及び自動車部品に関する。
自動車の軽量化及び衝突安全性の向上を目的として、構造部材としての高強度鋼板の適用が進められている。一方、高強度鋼板から構成されるスポット溶接継手には、母材鋼板の引張強さが780MPaを超えると十字引張強さ(Cross Tension Strength、CTS)が低下するという課題がある。また、鋼板の引張強さが1500MPaを超えると、十字引張強さのみならず引張せん断強さ(Tensile Shear Strength、TSS)も低下する傾向にある。
スポット溶接継手の強度が低下すると、非常に厳しい条件における衝突などにより部材が変形した時に溶接部の破断が生じる虞がある。従って、たとえ鋼板の強度を向上させたとしても、部材全体としての耐荷重が不足する虞がある。そこで、高強度鋼板から構成される継手の強度を向上させる接合方法が求められている。
継手の十字引張強さを向上させる手段の一つとして、リベット接合がある。リベット接合とは、鋼板に通し穴を形成し、この通し穴に頭部と軸部とを有するリベットを挿通させ、リベットの軸部の先端を室温で塑性変形させ、そしてリベットの頭部及び塑性変形部によって鋼板をかしめる接合法である。高強度鋼板に限らないが、リベット接合継手構造の製造方法に関し、例えば以下のような技術が検討されている。
特許文献1には、締結具によって2個以上の構成部材を互いに結合させる方法が開示されている。この方法では、各構成部材は、穴を備えるとともに、穴が互いに重なり合って締結具を穴内において受けるように配置され、穴内に配置される締結具は、機械的に加圧及び加熱されることで、締結具が変形させられる。これにより、構成部材が互いに結合させられる。
特許文献2には、1対の電極の間にリベットの頭部と先端部分とをはさんで通電加熱すると共に押圧してリベッティングする方法が開示されている。この方法では、リベットの頭部裏面と被リベット材との間に、断面積が小さく、且つ、リベット穴にリベットの軸部が十分密着充填すると共に、又は、それ以後に、頭部裏面と被リベット材とが接触するような高さを有する間座部を設けて、リベッティングする。
特許文献3には、リベットを電極ではさみ、電気を通して抵抗熱により加熱し、加圧成形を行うリベットの締結方法において、通電加熱後一旦成形側頭部電極をリベットから離して、リベットの先端部まで加熱をゆきわたらせるリベットの締結方法が開示されている。
特許文献4には、結合されるべき少なくとも2部材に貫通して形成されるリベット穴を少なくとも一部テーパ状穴に形成し、このリベット穴にリベットを嵌合させ、通電かしめによりリベットの軸部をテーパ状穴に沿った形状に膨出変形させ、通電かしめ後のリベットの熱収縮によりリベットの軸部とテーパ状穴とを密着させ隙間なく結合させるリベットの通電かしめによる部材結合方法が開示されている。ここで、通電かしめ時のリベット温度は700~900℃であるとされている。
特許文献5には、複数のワークをリベットを用いて結合するリベット締め方法であって、複数のワークに挿通したリベットを1対の電極間に挟んで加圧した状態で通電し、通電によるリベット自体の抵抗発熱でリベットを軟化させて、リベットの端部をかしめるリベット締め方法が開示されている。
特許文献1~5では、種々の形態のリベット接合が検討されている。しかし特許文献1~5のいずれにおいても、リベット接合継手構造の十字引張強さ及び引張せん断強さについて何ら検討されておらず、また、これらを向上させるための構成についても検討されていない。
特表2006-507128号公報 特開昭55-27456号公報 特開昭53-78486号公報 特開昭61-165247号公報 特開平10-205510号公報
本発明は、十字引張強さ及び引張せん断強さが高い構造を提供可能なリベット接合継手構造の製造方法、並びに、十字引張強さ及び引張せん断強さが高いリベット接合継手構造及び自動車部品を提供することを課題とする。
(1)本発明の一態様に係るリベット接合継手構造の製造方法は、
通し穴が形成された複数の部材を、通し穴の深さ方向に沿って見た場合に通し穴の少なくとも一部が重なり、かつ通し穴近傍において少なくとも2つの部材間に空間が生じるように重ね合わせる工程と、
通し穴に、軸部を有する金属製のリベットを挿通する工程と、
リベットを一対の電極間に挟み、リベットを加圧し、かつ一対の電極に通電してリベットに抵抗発熱を生じさることで、
リベットの少なくとも一方の端部を変形させ、かつ
リベットの軸部の一部を空間へ拡張させる工程と、
を備える
ことを特徴とする。
(2)上記(1)に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
通し穴の内面と重ね合わせ面との縁から対向する部材の重ね合わせ面までの、通し穴の深さ方向における距離が、0.1mm以上1.2mm以下であってもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
部材のうち1つ以上が鋼板であり、リベットが鋼材であってもよい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
少なくとも1つの部材の重ね合わせ面に突起部が設けられ、突起部を他の部材の重ね合わせ面に当接させることで空間を生じさせてもよい。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
複数の部材を重ね合わせる工程の前に、少なくとも一つの前記部材をプレス成形する成形工程をさらに備えることで空間を生じさせてもよい。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
少なくとも1つの部材の部材の引張強さが980MPa以上であってもよい。
(7)上記(1)~(6)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
複数の部材を重ね合わせる工程の前に、部材の、少なくとも通し穴の周辺に接着層又はシール層を設ける工程を、さらに有してもよい。
(8)上記(1)~(7)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法では、
スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって、部材同士を接合する工程を、さらに有してもよい。
(9)本発明の一態様に係るリベット接合継手構造は、
通し穴が形成された複数の部材を重ね合わせ、軸部及び締結部を有するリベットを用いて接合したリベット接合継手構造であって、
通し穴にリベットの軸部が挿通され、
軸部の両端に設けられた締結部によって複数の部材がかしめられ、
リベットの軸部に拡張部が設けられ、
通し穴近傍において、少なくとも2つの部材の間に空間が設けられ、
空間に拡張部が存在する
ことを特徴とする。
(10)上記(9)に記載のリベット接合継手構造では、
部材間の空間における部材間の距離が、0.1mm以上1.2mm以下であってもよい。
(11)上記(9)又は(10)に記載のリベット接合継手構造では、
前記軸部の直径を100%とした場合、前記拡張部の円相当径としての直径が、105%以上130%以下であってもよい。
(12)上記(9)~(11)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
拡張部の厚みが0.1mm以上1.2mm以下であってもよい。
(13)上記(9)~(12)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
部材のうち1つ以上が鋼板であり、リベットが鋼材であってもよい。
(14)上記(9)~(13)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
空間において、少なくとも1つの部材の重ね合わせ面に突起部が設けられ、突起部が他の部材に当接していてもよい。
(15)上記(9)~(14)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
部材の引張強さが980MPa以上であってもよい。
(16)上記(9)~(15)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
部材の、少なくとも通し穴の周辺に接着層又はシール層が設けられてもよい。
(17)上記(9)~(16)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
部材間に溶接部が設けられてもよい。
(18)上記(9)~(17)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造では、
リベットの軸部の軸線に平行な断面視で、締結部の少なくとも一方の頂面が、軸部の軸線に沿った方向において、リベット近傍の部材の面から、前記軸部から離れる側へ向けて0.6mm離れた位置よりも軸部側にあってもよい。
(19)本発明の一態様に係る自動車部品は、上記(9)~(18)のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造を備える。
(20)上記(19)に記載の自動車部品は、バンパー、又はBピラーであってもよい。
本発明は、十字引張強さ及び引張せん断強さが高い構造を提供可能なリベット接合継手構造の製造方法、並びに、十字引張強さ及び引張せん断強さが高いリベット接合継手構造及び自動車部品を提供できる。
第1実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法を説明するための概略的な断面図であり、部材を示す図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法を説明するための概略的な断面図であり、部材とリベットを示す図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法を説明するための概略的な断面図であり、図2のリベットを電極によって変形した図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法を説明するための概略的な断面図であり、図3の状態を経て、リベット接合が完了した状態を示す図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法によって得られたリベット接合継手構造の一例を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造における通し穴の形状を説明するための概略的な平面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造における通し穴の他の形状を説明するための概略的な平面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造における通し穴の他の形状を説明するための概略的な平面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造における通し穴の他の形状を説明するための概略的な平面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造における通し穴の他の形状を説明するための概略的な平面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造における通し穴の他の形状を説明するための概略的な平面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法によって得られたリベット接合継手構造の他の例を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の変形例を説明するための概略的な断面図である。 図14の(A)及び(B)は、それぞれ第1実施形態に係るリベット接合継手構造の他の例を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態に係る部材を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態に係る部材の他の例を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態に係るリベット接合継手構造の他の例を説明するための概略的な断面図である。 第1実施形態に係る部材に設けられた接着層又はシール層を説明するための概略的な平面図である。 第2実施形態に係るリベット接合継手構造の一例を説明するための概略的な断面図である。 第2実施形態に係るリベット接合継手構造の一例を説明するための概略的な断面図である。 第2実施形態に係るリベット接合継手構造の一例を説明するための概略的な断面図である。 第2実施形態に係るリベット接合継手構造の一例を説明するための概略的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動車部品の一例であるBピラーの断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動車部品の一例であるバンパーの断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動車部品の一例であるバンパーの斜視図である。 比較例1のリベット接合継手構造の断面写真である。 実施例1のリベット接合継手構造の断面写真である。 実施例1のリベット接合継手構造の他の態様の断面写真である。
上述のような従来の技術に鑑み、本発明者らはリベット接合継手における十字引張強さ及び引張せん断強さの向上に着目した。本発明者らは、高強度鋼板をリベット接合することにより得られる継手(リベット接合継手)の十字引張強さが、スポット溶接継手のそれよりも、著しく高いことを見出した。鋼板を機械的に接合するリベット接合によれば、接合部の脆化が生じないので、高強度鋼板から構成される接合継手の十字引張強さを高く保持可能であると考えられる。
また、本発明者らは、リベット接合継手の引張せん断強さはスポット溶接継手のそれよりも劣ることを合わせて知見した。リベットの軸部の引張せん断強さが低い理由はリベットの硬さがスポット溶接部より低いからであると考えられた。また、リベットと接合される部材との間に隙間があるので、リベット接合継手におけるせん断応力がかかる領域の断面積が、スポット溶接継手のそれより小さいことも、引張せん断強さを低下させる一因であると考えられた。
本発明者らが、リベット接合部の引張せん断強さを高める方法について、さらなる検討を重ねた結果、リベットの軸部に拡張部が設けられることで、引張せん断強さが飛躍的に高められることが見いだされた。
以下、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されないことは自明である。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。また、以下の実施形態の各構成要素は、互いに組み合わせることができる。
[第1実施形態]
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法は、
通し穴が形成された複数の部材を、通し穴の深さ方向に沿って見た場合に通し穴の少なくとも一部が重なり、かつ通し穴近傍において少なくとも2つの部材間に空間が生じるように重ね合わせる工程と、
通し穴に、金属製の軸部を有するリベットを挿通する工程と、
リベットを一対の電極間に挟み、リベットを加圧し、かつ一対の電極に通電してリベットに抵抗発熱を生じさることで、
リベットの少なくとも一方の端部を変形させ、かつ
リベットの軸部の一部を空間へ拡張させる工程と、
を備えることを特徴とする。
上記の構成からなるリベット接合継手構造の製造方法では、部材にリベットを通してリベットに通電加熱して変形させる際に、部材間に隙間を空けて変形させることで部材の重ね面にリベットの一部が拡張された領域が形成される。この領域が設けられることで、継手の引張せん断評価における応力集中部であるリベットの通し穴近傍への応力集中が軽減するため、継手構造の高い十字引張強さを確保しつつ引張せん断強さが上昇する。
まず、通し穴が形成された複数の部材と軸部を有するリベットを準備する。本実施形態の例では、2つの部材を接合する場合を例に説明するが、接合される部材の数が3つ以上であっても、本発明の要件を満たす限り、本発明に特有の効果が得られる。
次の工程では、図1に示すように、通し穴101及び101’が形成された複数の部材100及び100’を、通し穴101及び101’の深さ方向に沿って見た場合に通し穴101及び101’の少なくとも一部が重なり、かつ通し穴101及び101’近傍において少なくとも2つの部材100及び100’間に空間Sが生じるように重ね合わせる。
部材100及び100’は、リベット接合継手構造1の母材となる。通し穴101及び101’の深さ方向に沿って見た場合に、リベット110が挿通可能な程度に、通し穴101及び101’の少なくとも一部が重なっていることが好ましい。
また、通し穴101及び101’近傍において少なくとも2つの部材100及び100’間に空間Sが生じるようにする。通し穴近傍とは、通し穴の深さ方向に垂直な平面において、通し穴101又は101’の内面102又は102’から通し穴101又は101’の外側へ向けて2mmまでの範囲を意味する。空間Sは、隣り合う部材(本実施形態の例では、部材100及び100’)の対向する板面間に形成される。
なお、通し穴近傍以外の箇所で、部材同士が接していても、あるいは部材同士が離間していてもよい。
次の工程では、図2に示すように、通し穴101及び101’に、軸部111を有するリベット110を挿通する。
リベット110は、図2の例のように、軸部111と軸部111の一端に設けられた頭部112を有してもよい。軸部111の他端には、端面113を有する端部114がある。なお、頭部112を有さないリベットを用いてもよい。この場合、軸部111の双方の端部に端面が設けられる。
次の工程では、図3および図4に示すように、リベット110を一対の電極(150及び150’)間に挟み、リベット110を加圧し、かつ一対の電極(150及び150’)に通電してリベット110に抵抗発熱を生じさる。これにより、リベット110の少なくとも一方の端部114を変形させ、かつリベット110の軸部111の一部を空間Sへ拡張させる。
この工程では、一対の電極(150及び150’)がリベット110の頭部112および端面113に接触し、これらを介して、リベット110の軸部111の軸線に平行な方向へ加圧する。
さらにこの工程では、一対の電極(150及び150’)に通電してリベット110に抵抗発熱を生じさることでリベット110が軟化する。この状態で、一対の電極(150及び150’)によってリベット110を加圧することで、リベット110の一方の端部が変形する。本実施形態の例では、図4に示すように、頭部112と反対側の端部114が変形して、塑性変形部116を構成する。この変形では、軸部111が軸部111の軸線方向へ縮小されるとともに、端部114が軸部111の径外方向へ拡張することで、塑性変形部116が形成される。
また、本実施形態では、端部114が変形するとともに、リベット110の軸部111の一部が空間Sへ拡張する。空間Sへ拡張した部分を拡張部115と称する。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、隣り合う部材(本実施形態の例では、部材100及び100’)の対向する板面間に空間Sが形成されていることで、加圧及び通電されて軟化したリベット110の軸部111の一部が、この空間Sへ拡張する。
リベット110の軸部111の軸線方向における平面視では、軸部111が軸部111の径外方向へ拡張することで、空間Sの内部に拡張部115が形成される。以上の工程を経て、図5に示すようなリベット接合継手構造1が得られる。
図5のリベット接合継手構造1は、通し穴101及び101’が形成された複数の部材100及び100’を重ね合わせ、軸部111及び締結部(頭部112及び塑性変形部116)を有するリベット110を用いて接合したリベット接合継手構造1であって、通し穴101及び101’にリベットの軸部111が挿通され、リベット110の締結部(頭部112及び塑性変形部116)によって複数の部材100及び100’がかしめられ、リベット110の軸部111に拡張部115が設けられ、通し穴101及び101’近傍において、少なくとも2つの部材100及び100’の間に空間Sが設けられ、空間Sに拡張部115が存在する。
上記の構成からなるリベット接合継手構造では、継手構造の高い十字引張強さを確保しつつ引張せん断強さが上昇する。
(部材)
部材100又は100’の構成は特に限定されない。例えば、部材100又は100’を鋼板などの金属材料からなる板材、特に高強度鋼板(例えば引張強さTSが約590MPa以上の鋼板)とした場合、リベット接合継手構造1の強度を向上させることができて好ましい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、部材の引張強さが980MPa以上であることがより好ましい。本実施形態に係るリベット接合方法は、十字引張強さの低下を招く脆化を高強度鋼板に生じさせないので、高強度鋼板の接合に適用された場合に、高い十字引張強さを有するリベット接合継手構造を提供することができる。
より好適には、引張強さが1180MPa以上、さらに最適には1500MPa以上である。引張強さの上限は特に限定されないが、2700MPa以下の鋼板が挙げられる。
また、スポット溶接によって高強度鋼板に溶接部を形成した場合、溶接部やその近傍が脆化しやすくなり、十字引張強さの低下を招くことがある。しかし、本実施形態に係るリベット接合では、このような脆化の要因が無いため、高強度鋼板の接合に適用された場合に、高い十字引張強さと引張せん断強さを両立するリベット接合継手構造を提供することができる。
部材100又は100’は、板材であってもよい。また、部材100又は100’は、鋼板、アルミ板やチタン板、これらの合金板、又はCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)などであってもよい。また、複数の部材がそれぞれ異なる材料から構成されてもよい。例えば、鋼板とアルミ板との組み合わせ、又は鋼板とCFRP板との組み合わせでもよい。
また、部材100又は100’に種々の表面処理がなされていてもよい。例えば、部材100又は100’がGAめっき、GIめっき、EGめっき、Zn-Mgめっき、Zn-Alめっき、Zn-Al-Mgめっき、Alめっき、塗装、並びにホットスタンプによって母材金属と合金化されたZn系めっき(Zn-Fe、Zn-Ni-Fe)及びAl系めっき(Al-Fe-Si)などからなるめっき層を有してもよい。
部材の厚さにも特に限定はなく、例えば、通し穴の深さ方向に0.5mm~3.6mmの厚さを有してもよい。また、複数の部材の厚さが異なってもよい。
部材100又は100’としては、限定されないが、例えば、板厚が1.6mmと2.3mmの板材の2枚重ね、板厚が0.75mmと1.8mmと1.2mmの板材の3枚重ねでもよい。部材100又は100’の好適な組み合わせの範囲として例えば、板厚が約0.7mm~2.9mmの板材と0.7mm~2.9mmの板材との2枚重ね、又は板厚が0.7mm~1.6mmの板材、と0.7mm~2.9mmの板材と、0.7mm~2.9mmの板材との3枚重ねが挙げられる。
部材は、冷間もしくは熱間でのプレス成形、冷間でのロール成形、ハイドロフォーム成形された成形品であっても良い。また、部材はパイプ状に成形されていても良い。
(通し穴)
通し穴101又は101’の構成は特に限定されない。通し穴101又は101’の形状は、通し穴101又は101’の深さ方向における平面視において、例えば、図6に示すような円状とすることができる。
通し穴の形状は、通し穴の深さ方向における平面視において、図7に示すような楕円状、図8に示すような多角形、図9に示すような扇状、図10に示すような一部に凸部のある円状、図11に示すような十字状であってもよい。また通し穴の形状は、一部に凹部のある形状であってもよい。通し穴の形状をこれらの形状とすることで、部材同士が強固に固定されていなくとも、リベットを中心として部材が相対的に回転することやガタついたりすることを抑制できる。
通し穴の形状が4角形、5角形、6角形、8角形など多角形であってもよい。これらの多角形の角部に曲率を持たせても良い。また、通し穴の形状が部材毎に異なっていてもよい。
通し穴101又は101’の大きさは、リベット110の軸部111の径より大きく‘する必要がある。
また、通し穴101又は101’の大きさはその深さ方向に一定であってもよい。一方、深さ方向に沿って通し穴101又は101’の大きさが段階的に変化する段形状、または漸次的に変化するテーパ形状としてもよい。
通し穴101又は101’は、レーザ切断、金型を用いた打ち抜き、ドリルを用いた穿孔などの任意の手段で形成することができる。例えば、部材100又は100’がホットスタンプ鋼板である場合は、熱間での金型打ち抜き、あるいはレーザ切断が望ましい。
通し穴の直径(通し穴が円形でない場合は、円相当径に換算する)は、全ての部材で同一であってもよいし、部材毎に異なっていてもよい。通常のリベット接合においては、接合部の隙間を減少させる観点から、通し穴の直径を一定化することが好ましいと考えられる。通し穴の直径の相違の程度は特に限定されないが、例えば、隣接する部材における通し通し穴の直径の差が0.3mm~3.0mmの範囲内であることが好ましい。
リベットを挿通させる作業の容易化の観点からは、リベットを挿通させる側(リベットの頭部がある側)とは逆側の部材の通し穴の直径を大きくする方がより好ましい。また、通し穴の直径の最小値は、挿通するリベットの軸部の直径の最大値よりも0.1mm~5mm大きいことが望ましい。この差が、0.1mmより小さいと挿通性が悪化し、5mmより大きいと通し穴の隙間を変形したリベットで十分に充填させることが難しくなるためである。より望ましくは、0.3mm~3.0mmの範囲であり、最適には0.3mm~1.5mmの範囲である。また、複数の被接合材間の通し穴101と101’の中心軸のずれは1.5mm以内が望ましく、0.75mm以下がさらに望ましい。
通し穴101又は101’の大きさは部材100又は100’の深さ方向に一定であってもよい。一方、深さ方向に通し穴101又は101’の大きさが相違する段形状、またはテーパ形状を、通し穴101又は101’に適用してもよい。また、複数の被接合材間の通し穴の中心軸は一致していなくてもよい。図12に、通し穴201の直径と201’の直径が異なるリベット接合継手構造2を例示する。
なお、通し穴の深さ方向は、リベット110の軸部111の軸線方向と一致してもよい。
(リベット)
リベット110の構成も特に限定されず、被接合材である部材100及び100’の厚さ及び機械特性、並びに通し穴101及び101’の大きさなどに応じて適宜選択することができる。例えば、リベット110の軸部111の径(軸部111の断面が円形ではない場合は、軸部111の円相当径に換算する)は、継手強度を確保する観点から3.0mm以上としてもよい。また、リベット110の軸径が大きすぎると、電流密度が低下しリベットが軟化しにくくなる虞があるため、軸径の上限は16.0mm以下あるいは12mm以下としてもよい。
軸部111の長さ(リベット110の長さから、頭部112の厚さを除いた値)は、部材100及び100’の合計厚さより大きくする必要があり、頭部を有するリベットの場合、より好ましくは、以下の範囲内とする。
(部材の合計厚さ+軸部の径×0.3)≦軸部の長さ≦(部材の合計厚さ+軸部の径×2.0)
リベット110の軸部111の長さを、「部材100及び100’の合計厚さ+軸部111の径×0.3」以上とすることにより、軸部111の端部114を変形させた後の塑性変形部116の大きさを確保し、継手強度を一層高めることができる。軸部111の長さを「部材100及び100’の合計厚さ+軸部111の径×2.0」以下とすることにより、製造効率を高めることができる。部材の合計厚さとは、通し穴の深さ方向における、重ね合わせられる部材の厚さの合計値である。
また、頭部がないリベットの場合は、以下の範囲内とすることがより好ましい。
(部材の合計厚さ+軸部の径×0.6)≦軸部の長さ≦(部材の合計厚さ+軸部の径×4.0)
頭部がないリベットを用いて接合する場合、リベットの両端を変形させる必要がある。そのため、頭部が無いリベットの軸部の長さは、頭部があるリベットのそれより大きくすることが好ましい。
軸部111の径は一定であってもよい。あるいは、軸部111の形状は、リベット110の一端に向かって、軸部111の径が減少する形状(いわゆるテーパ形状)であってもよい。軸部111の全体にわたってテーパ部が形成されていてもよく、軸部111の一部にのみテーパ部が形成されていてもよい。テーパ形状を有するリベット110は、通し穴101又は101’に挿通させやすいのでより好ましい。
リベット110が、図2などに示すような頭部112を有する場合の頭部112の形状は、一般的なフランジ形状とすればよい。例えば頭部112の形状を、半球形(いわゆる丸頭)、円盤形(いわゆる平頭)、又は表面側が平らで根本が円錐形となる形状(いわゆる皿頭)とすることができる。頭部112の、リベット110の軸部111の軸線方向における平面視での形状は、例えば円形、四角形、又は六角形などの多角形とすることができる。頭部112の電極側の中心部に、位置決め用の凹部が設けられていてもよい。
また、頭部112の座部(被接合材と接触する面)に、軸部111を取り囲むような凹部(いわゆる座部アンダーカット)が設けられていてもよい。このような凹部は、頭部112に弾性を付与し、これによりリベット110のかしめ力を一層増大させることができる。
また、頭部112の座部(被接合材と接触する面)に、1つ以上の突起部が設けられていても良い。このような突起部は、リベッティング時に被接合材にめり込むこと、又は被接合材と接合部とを形成することにより、リベット110のかしめ力を一層増大させる。突起部の形状は、半径0.5mm~1.0mm程度の半球状の突起を3~4個、等間隔に設けることが例示される。頭部に垂直な方向から見ると、半球状は、円状であるが、四角形などの多角形状であってもよい。軸部を囲むリング状の突起でもよい。リベット110は、その頭部112を用いて部材100及び100’をかしめる。そのため、頭部112の直径は、通し穴101及び101’の直径より1.5mm以上大きくすることが好ましい。
また、頭部112の厚みは0.8mm~5.0mmとすることがより好ましい。頭部112の厚みが0.8mm未満だと、継手強度が十分に得られない。一方、頭部112の厚みが5mm超であると頭部が大きすぎ、他部品との干渉がおきやすくなる。頭部のないリベットの場合、リベット接合後の変形されたリベット端(即ち、変形部123)の直径は、通し穴の直径より1.5mm以上大きいことが好ましい。また、変形されたリベット端の厚みは、0.8mm~5.0mmとすることが好ましい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、頭部を有さないリベットが用いられてもよい。この場合、軸部111の双方の端部に端面が設けられる。これらの端面が、一対の電極にそれぞれ接触して変形し、2つの塑性変形部となる。頭部を有さないリベットは、その形状が単純であるため、安価であるという利点がある。
リベット110は鋼材、ステンレス、チタン、アルミニウムなど金属製であることが必要である。例えば、部材が鋼板である場合、リベットは低炭素鋼などの鋼材であることが好ましい。ただし、耐食性が特に必要な場合や、部品の後塗装レスでの耐食性確保が必要な場合、ステンレスを用いることが望ましい。
リベットは例えば、コイル線材を切断し、切削加工、もしくは冷間鍛造加工によって製造されれば良い。生産性の観点では、冷間鍛造加工が望ましい。リベットは加工ままでもよいが、特に継手強度が必要な場合は、冷間鍛造後に焼き入れ、焼き戻しの熱処処理をしても良い。熱処理よりリベット頭部も含めたリベット全体の硬さを上げることで、継手強度がさらに向上する。リベットは表面処理がされていないものでよいが、耐食性が必要な場合は表面処理がなされていてもよい。例えば、リベットの表面に、亜鉛系めっき、アルミ系めっき、クロム系めっき、ニッケル系めっき、クロメート処理などが施されてもよい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、部材のうち1つ以上が鋼板であり、リベットが鋼材であることがより好ましい。これにより異種金属同士の接触による腐食を抑制できる効果が得られる。特に、部材100及び100’が高強度鋼材である場合、リベット110も相応の強度を持つ高強度鋼材とすることがより好ましい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、少なくとも1つの部材の重ね合わせ面に突起部が設けられ、突起部を他の部材の重ね合わせ面に当接させることで空間を生じさせることがより好ましい。このとき、冶具で重ね合せ面をおさえてリベッティングを行うことが好ましい。これにより安定した隙間を形成できるという効果が得られる。
図13に、部材200に突起部230を設けたリベット接合継手構造2を例示する。
突起部は、エンボス加工、エンボスリストライク加工、コインニング加工、などで形成されてもよい。
本実施形態に係る、他のリベット接合継手構造の製造方法では、少なくとも1つの部材の重ね合わせ面のリベット接合位置に隙間が生じるように、部材形状を調整する成形工程をさらに備えることがより好ましい。
さらに、リベット接合位置の隙間を所定の範囲に確保するため、隙間を設けるリベット接合部とは異なる位置で、予めスポット溶接などの接合を行なうことで、リベット接合位置に所定の隙間がある部材を準備してリベット接合を行ってもよい。これにより、狙いの位置に安定した隙間を成形できる。
本実施形態に係るリベット接合継手構造が複数設けられる場合、全てのリベット接合継手構造に、隙間を形成することで拡張部115を形成してもよい。一方、一部のリベット接合継手構造に隙間を形成することで拡張部115を形成する方がより望ましい。例えば、部材の形状が変化した部分など、応力が集中する部位に限定して拡張部115を有するリベット接合継手構造を形成することは製造時のコストと部材性能のバランスの観点から望ましい。
また、図14の(A)に示すように、3つの部材が接合される場合、全ての部材間に隙間を生じさせて、リベットの軸部の軸線に沿った方向から見た場合に重なるような、2つの拡張部を設けてもよいし、図14の(B)に示すように、2つの部材間にのみ隙間を生じさせて1つの拡張部を設けてもよい。3枚の部材を接合する場合、部材の「引張強度×部材板厚」で計算される値が最も大きい部材と次に大きい部材の間にのみ拡張部を形成させることが、継手構造の強度向上効果と製造の容易さの観点からはより望ましい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、図15に示すように、通し穴101又は101’の内面102又は102’と重ね合わせ面103又は103’との縁c又はc’から対向する部材の重ね合わせ面103’又は103、あるいは重ね合わせ面103’又は103までの、通し穴101又は101’の深さ方向における距離Dが、0.1mm以上1.2mm以下であることがより好ましい。
図16のように、通し穴101と通し穴101’の内面がずれている場合には、重ね合わせ面103又は103’の面内方向に拡張した仮想面P(図16の例の場合、仮想面Pは重ね合わせ面103’の面内方向において通し穴101’の位置まで拡張される)までの距離をDとする。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、図17に例示するように、任意の断面で見た場合に、リベット210の左右の通し穴201および201’の深さ方向における距離Dと距離D’に差があっても良い。すなわち、通し穴の近傍で隙間が一定でなくともよい。一方、このような隙間の差が大きすぎると、接合強度が低下する傾向を示すので、左右の隙間の差(図17の例では距離Dと距離D’との差)は0.4mm以下が望ましく、より好ましくは0.2mm以下である。なお、上述した距離Dは、接合部を切断し、断面マクロ調査で求める。
(加圧・通電)
電極150及び150’による加圧及び通電は、リベット110が所望の形状に変形される条件を備えていれば、特に限定されるものではない。
加圧は通電より前に開始されても後に開始されてもよい。例えば、リベット110を1対の電極150及び150’間に挟んで加圧した状態で通電し、通電によるリベット110自体の抵抗発熱でリベット110を軟化させてかしめてもよい。通電前に加圧を開始することにより、通電を安定化させることができる。
リベット110への加圧条件及び通電条件(電流値、電圧値、及び通電時間など)は特に限定されず、リベット110の形状及び材質に応じて適宜選択することができる。
リベット110のより好ましい条件として、例えば以下を採用できる。電圧値の記載は省略するが、電圧値はリベット110及び電流値に応じて決まる。リベット110の軸部111の径を増大させた場合、電流値及び通電時間の一方又は両方を増大させて、入熱量を増大させればよい。
電極による加圧力は、150kgf~1000kgfが、一般的なスポット溶接機で施工できるという理由で好ましい。より好ましくは、加圧力は、250kgf~600kgfである。加圧力の設定値は一定値で良いが、必要に応じて、通電中に加圧を変更しても良い。
通電時間は、0.15秒~2.00秒が、十分に軟化できる時間でかつ短時間で生産性に優れているという理由で好ましい。より好ましくは、通電時間は、0.20秒から1.00秒である。
電流値は、4kA~16kAが、上記の通電時間内で安定して軟化できるという理由で好ましい。通電終了から加圧終了までの保持時間は、0.01~1.00秒が、短時間で生産性が高いという理由で好ましい。
リベット110は、部材100と100’とが重ね合わされ、例えば、リベット供給装置により通し穴101及び101’に挿入される。そして、例えば、スポット溶接機を用いて、加圧をかけながら通電加熱される。
なお、リベット110を部材100及び100’に挿通する前に高周波加熱でリベット110を予め加熱及び軟化させてもよい。溶接時の電流を下げられるという効果がある。
電極の構造は特に限定されない。例えば、スポット溶接用の電極は加圧及び通電を実施することが可能であるので、これを用いて本実施形態に係るリベット接合を行ってもよい。電極の形状は、リベットの形状に合わせて適宜選択することができる。例えば、フラット型電極、シングルR型、CF型、DR型であっても良い。電極の材質は導電性に優れた、クロム銅、アルミナ分散銅、クロムジルコニウム銅が挙げられる。一対の電極のそれぞれの電極形状が異なっていても良い。
溶接機の電源は単相交流、直流インバータ、交流インバータが挙げられる。ガンの形式は定置式もしくはC型、X型が挙げられる。軟化したリベットにブローホールが発生する場合は、ブローホールを潰すために通電後半もしくは通電終了後に加圧力を上げてもよい。また、通電終了後の保持時間の間に加圧力を変化させてもよい。電極によるリベットの加圧方向はリベットの軸が伸びる方向に対して、10°以下の角度とすることが、良好な接合部を得る観点から望ましい。より望ましくは4°以下である。通電回数は1回でも良い(いわゆる単通電)が、必要に応じて2段通電、3段以上の多段通電や電流を調整して焼き戻しのテンパー通電を行っても良い。また、パルス通電や、電流を徐々に上げるアップスロープ、電流を徐々に下げるダウンスロープの通電でも良い。また、通電の前半に高い電流を流して軟化部を形成させ、後半に電流を下げても良い。
電流は1回だけ通電する単通電でも良いが、必要に応じて2段通電、3段の多段通電でも良く、パルス通電や、電流を徐々に上げるアップスロープ、電流を徐々に下げるダウンスロープの通電でも良い。また、通電の前半に高い電流を流してリベットを軟化させ、後半に電流を下げても良い。
また、加圧及び通電後に、リベットを冷却してもよい。リベットの冷却条件は特に限定されない。通電終了後に、リベットを大気中に放置して自然冷却させてもよい。また、内部に冷媒を流通させた電極をリベットに接触させることなどにより、リベットを加速冷却してもよい。リベットを加速冷却することにより、リベットを焼き入れし、継手の接合強度を一層高めることができる。加速冷却は、通電が終了して電極を解放するまでの時間である保持時間を用いて実施すればよく、生産性向上の観点から加速冷却の時間は3秒以下が望ましい。保持時間は、より望ましくは0.01秒以上1.00秒以下である。保持時間は、最適には0.10秒以上0.80秒以下である。
この軸部111の先端は、加圧及び通電によって塑性変形されて塑性変形部116を構成する。頭部112は、塑性変形部116とともに複数の部材100及び100’を挟持する(かしめる)働きを有する。
なお、頭部を有しないリベットを通し穴に挿通させ、リベットの両端部を塑性変形させたとしても、複数の部材をかしめることが可能である。
本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、他の接合手段を併用することも妨げられない。異なる2種以上の接合手段を組み合わせることにより、リベット接合継手構造の接合強度を一層高めることができる。
例えば、本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接(MAG溶接、MIG溶接、CO2溶接、プラズマ溶接)からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって、部材100及び100’同士を接合する工程を、さらに有してもよい。溶接は、リベット接合の前に行われても後に行われてもよい。部品の組立て精度確保の観点からは、溶接後にリベット接合をすると、溶接時に固定されるため、接合する部品の組み付け精度ばらつきが小さくなり望ましい。スポット溶接の場合、スポット溶接後にリベット接合を行うか、あるいは、スポット溶接で仮止めをしてリベット接合を行い、その後にスポット溶接で増し打ちを実施することがより望ましい。
また本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、複数の部材100及び100’を重ね合わせる工程の前に、部材100又は100’の、少なくとも通し穴101及び101’の周辺に接着層又はシール層を設ける工程を、さらに有してもよい。
接着層により剛性、耐振性が向上し継手強度も向上する。また、シール層により耐水性及び耐食性が向上する。なお、部材のスポット溶接においては、爆飛を防止するために、例えば接着剤の塗布箇所とスポット溶接箇所とを離隔させる必要が生じることがある。しかし本実施形態に係るリベット接合継手構造の製造方法では、爆飛が生じないので、接着層又はシール層を設ける箇所が限定されないという利点がある。また、異種金属や金属とCFRPの接合において、重ね面の接触腐食を防止することもできる。また、リベット頭部を覆うようにシーラーを塗布しても良い。これによりリベット頭部と鋼板の隙間から水の侵入を防ぐことができるさらに、異種金属の接合の場合や、金属とCFRPとの接合の場合は、少なくとも片側の金属板に、リベット接合前に化成処理と塗装を施してもよい。これにより、異種材料間の接触腐食についてもさらに強く抑制し、耐食性を高めることができる。
接着剤としては、エポキシ系あるはゴム系が好ましく用いられる。熱硬化型接着剤の場合、リベット接合後、電着塗装ラインでの焼き付け工程の加熱で接着剤が硬化してもよい。反応硬化型の接着剤の場合は、リベット接合後、時間が経過することにより接着剤が硬化してもよい。また、シーラーとしては、スポットシーラーが好ましく用いられる。通し穴の周辺とは、通し穴周辺の部材同士の重ね合わせ面と定義される。また、接着層として、アイオノマーなどの樹脂接着テープを用いても良い。
図18に、部材300及び300’上の通し穴301及び通し穴301’(図示せず)の周辺に、接着層又はシール層が設けられる箇所350を例示する。
[第2実施形態]
次に、本発明に係るリベット接合継手構造について説明する。
本実施形態に係るリベット接合継手構造2は、図19に示されるように、
通し穴201及び201’が形成された複数の部材200及び200’を重ね合わせ、軸部211及び締結部212を有するリベット210を用いて接合したリベット接合継手構造2であって、
通し穴201及び201’にリベット210の軸部211が挿通され、
軸部211の両端に設けられた締結部212によって複数の部材200及び200’がかしめられ、
リベット210の軸部に拡張部215が設けられ、
通し穴201及び201’近傍において、少なくとも2つの部材200及び200’の間に空間Sが設けられ、
空間Sに拡張部215が存在する
ことを特徴とする。
上記の構成からなるリベット接合継手構造では、部材の重ね面にリベットの一部が拡張された領域が形成される。この領域が設けられることで、リベットへの応力集中が軽減するため、継手構造の高い十字引張強さを確保しつつ引張せん断強さが上昇する。
第2実施形態に係るリベット接合継手構造の各構成要件は、上述した第1実施形態と同様である。以下に、拡張部215について詳述する。
拡張部215の形状は、リベットの軸線方向に垂直な断面形状に準じた形状となる場合もあるが、電極による加圧・通電の条件や通し穴201の形状、リベットの特性、空間Sにおける部材間の距離のばらつきによって、変化する。例えば、リベットの軸線方向における平面視で、円状や楕円状となる場合もあるが、その他の形状となる場合もある。
また拡張部215は、以下のように定義できる。リベット210の軸部211の軸線方向において、拡張部215が設けられている平面(軸部211の軸線に垂直な平面)の、拡張部215の面積と軸部211の面積との合計面積は、拡張部215が設けられていない平面(軸部211の軸線に垂直な平面)の軸部211の面積よりも大きくなる。リベット210の軸部211の軸線方向において拡張部215が設けられている平面における拡張部215の面積と軸部211の面積との合計面積Sは、リベット210の軸部211の軸線方向において拡張部215が設けられていない平面における軸部211の面積Sに対して、110~170%であることが好ましい。なお、図12に示すように、拡張部215の上下で軸部211の面積が異なる場合は、大きい側の軸部の面積をSとする。
なお、拡張部215が設けられていない軸部211の直径(リベット210の軸線方向に垂直な断面における直径)を100%とした場合、拡張部215の円相当径としての直径が、105%以上130%以下であることが高いTSSの確保という理由から、より好ましい。ここで、円相当径は、拡張部215の中央で軸線方向に垂直に測定した値と定義できる。
リベット210の軸線方向に平行な断面における、リベット210の軸線方向に平行な断面における拡張部215の厚みが0.1mm以上1.2mmであることが高いTSSの確保という理由から、より好ましい。
なお、軸部211の軸線方向において軸部211の面積が一定でなければ、拡張部215が設けられていない平面(軸部211の軸線に垂直な平面)の軸部211の面積の平均値を面積Sとしてもよい。
これらの面積は、リベット接合継手構造2の、軸部211の軸線に垂直な断面を観察することで確認できる。
拡張部215は、例えば、リベット210の軸部211の軸線を含むリベット接合継手構造2の断面を観察することで確認できる。しかし、諸条件によって、このような断面で拡張部215を特定できない場合もある。この場合には、軸部211の軸線に平行かつ軸部211の軸線を含まない断面を観察することで拡張部215を確認できる。
締結部212又は締結部216は、第1実施形態で説明した、頭部112又は塑性変形部116に相当する構成要素である。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、部材間の空間における部材間の距離が、0.1mm以上1.2mm以下であってもよい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、部材のうち1つ以上が鋼板であり、リベットが鋼材であってもよい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、空間において、少なくとも1つの部材の重ね合わせ面に突起部が設けられ、突起部が他の部材に当接していてもよい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、部材の引張強さが980MPa以上であってもよい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、部材の、少なくとも通し穴の周辺に接着層又はシール層が設けられてもよい。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、部材間に溶接部が設けられてもよい。
本発明に係る自動車部品は、上述した第2実施形態に係るリベット接合継手構造を備える。これにより、高い接合強度を有する。自動車部品とは、例えば、衝突安全性を確保するために重要な部材であるバンパーやBピラーである。
本実施形態に係るリベット接合継手構造では、リベットの軸部の軸線に平行な断面視で、リベットの少なくとも一方の頂面が、軸部の軸線に沿った方向において、リベット近傍の部材の面から、軸部から離れる側に向けて0.6mm離れた位置よりも軸部側にあってもよい。好ましくは、締結部の頂面が、リベットの近傍の板材の面(外面)よりも軸部側にある。これにより、他の部品との干渉を抑制することができる。図20および図22の例では、リベット210の締結部212の頂面218が、リベット210近傍の部材200の面よりも軸部211側(点線Hよりも軸部211側)にある。図21の例では、リベット210の締結部212および締結部216の双方の頂面218および頂面220が、リベット210近傍の部材200および200’のそれぞれに対してこれらの面よりも軸部211側(点線Hよりも軸部211側)にある。ここで、部材の面(外面)とは、それぞれの部材において、上述した重ね合わせ面ではない、他の部材と接していない方の面を意味する。図20~図22の点線Hは部材200又は部材200’の面を延長した線である。なお、図20~図22では締結部212の頂面218および/又は締結部216の頂面220が、リベット210の近傍の板材の面(外面)よりも軸部211側にあるが、締結部212の頂面218および/又は締結部216の頂面220が最大で0.6mmだけ外面からはみ出していてもよい。即ち、図20~図22の例において、締結部212の頂面218および/又は締結部216の頂面220が、点線Hから0.6mm突出したとしても、他の部品との干渉を抑制する効果が得られる。
実施形態1で説明した手法によりリベット接合する前、あるいは、リベット接合してから、部材200および/又は200’をプレス成形することで、リベット210近傍の部材200および/又は200’を変形させ、締結部の頂面が、リベット近傍の部材の面から、軸部211から離れる側に向けて0.6mm離れた位置よりも軸部211側となるようにしてもよい。図20の例では、部材200のリベット210近傍の箇所が部材200’側へ変形されている。図21の例では、部材200のリベット210近傍の箇所が部材200’側へ変形されかつ、部材200’のリベット210近傍の箇所が部材200側へ変形されている。図22の例では、部材200のリベット210近傍の箇所が部材200’側へ変形されかつ、部材200’のリベット210近傍の箇所が部材200に対応して変形されている。
図23に、リベット410及び420で部材11が接合された、本発明の一実施形態に係る自動車部品の一例であるBピラーの断面図を示す。図23の例では、リベット410は、3つの部材を接合し、リベット420は2つの部材を接合している。
また図24に、リベット510で部材11が接合された、本発明の一実施形態に係る自動車部品の一例であるバンパーの断面図を示す。これらの自動車部品は、本発明に係るリベット接合継手構造により結合されている。上述した、図20~図24の例では、いずれも部材間にリベットの拡張部が設けられている。
図25に、上述した実施形態に係る接合継手構造と溶接部(スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって形成された溶接部)とを併用した例を示す。図25は、部材11を接合した構造を含むバンパー構造である。図25に示すように、例えば、衝突時に、負荷される応力が高くなると予想される部位に、本発明のリベット接合継手構造3(図25の黒丸で示されるリベット610)を用い、その他の接合箇所では、安価なスポット溶接(図25の白丸で示されるスポット溶接部800)を採用してもよい。
また、Aピラー、サイドシル、ルーフレール、フロアメンバー、フロントサイドメンバー、リアサイドメンバー、フロアパン、フロントサスタワ―、トンネルリンフォース、ダッシュパネル、トルクボックス、シート骨格、シートレール、バッテリーケースのフレーム及びそれらのピラー同士の結合部(Bピラーとサイドシルの結合部、Bピラーとルーフレールの結合部、ルーフクロスメンバーとルーフレールの結合部)を、本発明の一実施形態に係る自動車部品としてもよい。
以下に、本発明の実施例を説明する。
2つの部材をリベット接合し、リベット接合継手構造を作製した。
部材として、引張強さ1800MPa級の高強度鋼板(板厚1.6mm)を用いた。鋼板には、レーザピアスによって通し穴を設けた。通し穴の直径、上板と下板の穴の直径は表1に記載の通りである。リベットとして、表1に示す、軸径、軸長の円柱状の軸部を有する、低炭素鋼製のリベットを用いた。リベットの頭部の大きさは、軸の直径が6.0mmのもので直径12.0mm及び厚み2.0mm、軸の直径が5.0mmのもので直径10.0mm及び厚み1.6mmとした。
実施例1では、薄いシム板を鋼板間に挟んで接合することで、2つの鋼板間に隙間(空間)を生じさせた。一方の鋼板の通し穴の内面と重ね合わせ面との縁から、他方の鋼板の重ね合わせ面までの距離を表1に示す値となるようにした。また、通し穴の深さ方向(鋼板の板面に略垂直な方向)から見たとき、2つの通し穴が一致するようにした。
比較例1では、2つの鋼板を密着させて隙間をなくした。また、通し穴の深さ方向(鋼板の板面に略垂直な方向)から見たとき、2つの通し穴が一致するようにした。
表1に示す条件で、2つの鋼板をリベット接合し、リベット接合継手構造を作製した。保持時間とは、リベットへの通電の終了から、リベットへの加圧の解放までに経過した時間のことである。電極の面形状は全て上下電極共にフラット形状である。
Figure 0007410398000001
図26に比較例1のリベット接合継手構造の断面写真を示す。比較例1のリベット接合継手構造では、鋼板間に隙間が無いため、拡張部は存在していない。
図27および図28に発明例1のリベット接合継手構造の断面写真の例を示す。図28は図27より、隙間を大きくするとともに、入熱を上げることで、大きな拡張部を形成した例である。発明例1のリベット接合継手構造では、鋼板間の隙間に拡張部が形成されている。
このようにして得られた各リベット接合継手構造の引張せん断強さTSS(JIS Z 3136)、及び十字引張強さCTS(JIS Z 3137)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0007410398000002
表2に示されるように、鋼部材の間に隙間(空間)が設けられて隙間にリベットの拡張部が存在するためリベット接合継手構造のTSSは、拡張部を有さないリベット接合継手のTSSと比べて飛躍的に高められた。また、この結果より、本発明のリベット接合継手構造では、CTSも確保できることが理解される。
本発明では、十字引張強さ及び引張せん断強さが高い構造を提供可能なリベット接合継手構造の製造方法、並びに、十字引張強さ及び引張せん断強さが高いリベット接合継手構造及び自動車部品を提供することができるので、高い産業上の利用可能性を有する。
100、100’、200、200’、200’’ 部材
101、101’、201、201’、201’’ 通し穴
110、210、410、510、610 リベット
111,211 軸部
112 頭部
115、215 拡張部
116 塑性変形部
212、216 締結部

Claims (18)

  1. 通し穴が形成された複数の部材を、前記通し穴の深さ方向に沿って見た場合に前記通し穴の少なくとも一部が重なり、かつ前記通し穴近傍において少なくとも2つの前記部材間に空間が生じるように重ね合わせる工程と、
    前記通し穴に軸部を有する金属製のリベットを挿通する工程と、
    前記リベットを一対の電極間に挟み、前記リベットを加圧し、かつ前記一対の電極に通電して前記リベットに抵抗発熱を生じさることで、
    前記リベットの少なくとも一方の端部を変形させ、かつ
    前記リベットの前記軸部の一部を前記空間へ拡張させる工程と、
    を備える
    ことを特徴とするリベット接合継手構造の製造方法。
  2. 通し穴が形成された複数の部材を、前記通し穴の深さ方向に沿って見た場合に前記通し穴の少なくとも一部が重なり、かつ前記通し穴近傍において少なくとも2つの前記部材間に空間が生じるように重ね合わせる工程と、
    前記通し穴に軸部を有する金属製のリベットを挿通する工程と、
    前記リベットを一対の電極間に挟み、前記リベットを加圧し、かつ前記一対の電極に通電して前記リベットに抵抗発熱を生じさることで、
    前記リベットの少なくとも一方の端部を変形させ、かつ
    前記リベットの前記軸部の一部を前記空間へ拡張させる工程と、
    を備え、
    前記リベットは中実である、
    ことを特徴とするリベット接合継手構造の製造方法。
  3. 前記通し穴の内面と重ね合わせ面との縁から対向する部材の重ね合わせ面までの、前記通し穴の深さ方向における距離が、0.1mm以上1.2mm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  4. 前記部材のうち1つ以上が鋼板であり、前記リベットが鋼材である
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  5. 少なくとも1つの前記部材の重ね合わせ面に突起部が設けられ、前記突起部を他の部材の重ね合わせ面に当接させることで前記空間を生じさせる
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  6. 前記複数の部材を重ね合わせる工程の前に、少なくとも一つの前記部材をプレス成形することで前記空間を生じさせる成形工程をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  7. 前記部材の少なくとも1つの部材の引張強さが980MPa以上である
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  8. 前記複数の部材を重ね合わせる工程の前に、前記部材の、少なくとも前記通し穴の周辺に接着層又はシール層を設ける工程を、さらに有する
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  9. スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって、前記部材同士を接合する工程を、さらに有する
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造の製造方法。
  10. 通し穴が形成された複数の部材を重ね合わせ、軸部及び締結部を有するリベットを用いて接合したリベット接合継手構造であって、
    前記通し穴に前記リベットの前記軸部が挿通され、
    前記軸部の両端に設けられた前記締結部によって前記複数の部材がかしめられ、
    前記リベットの前記軸部に拡張部が設けられ、
    前記通し穴近傍において、少なくとも2つの前記部材の間に空間が設けられ、
    前記空間に前記拡張部が存在し、
    前記部材間の空間における部材間の距離が、0.1mm以上1.2mm以下であり、
    前記軸部の直径を100%とした場合、前記拡張部の円相当径としての直径が、105%以上130%以下であり、
    前記拡張部の厚みが0.1mm以上1.2mm以下である
    ことを特徴とするリベット接合継手構造。
  11. 前記部材のうち1つ以上が鋼板であり、前記リベットが鋼材である
    ことを特徴とする請求項10に記載のリベット接合継手構造。
  12. 前記空間において、少なくとも1つの前記部材の重ね合わせ面に突起部が設けられ、前記突起部が他の部材に当接している
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載のリベット接合継手構造。
  13. 前記部材の引張強さが980MPa以上である
    ことを特徴とする請求項1012のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造。
  14. 前記部材の、少なくとも前記通し穴の周辺に接着層又はシール層が設けられている
    ことを特徴とする請求項1013のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造。
  15. 前記部材間に溶接部が設けられた
    ことを特徴とする請求項1014のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造。
  16. 前記リベットの前記軸部の軸線に平行な断面視で、前記締結部の少なくとも一方の頂面が、前記軸部の軸線に沿った方向において、前記リベット近傍の前記部材の面から、前記軸部から離れる側に向けて0.6mm離れた位置よりも前記軸部側にある
    ことを特徴とする請求項1015のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造。
  17. 請求項1016のいずれか一項に記載のリベット接合継手構造を備える自動車部品。
  18. バンパー、又はBピラーである
    ことを特徴とする請求項17に記載の自動車部品。
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