JP2016068117A - 異材接合用ピアスメタル及び異材接合方法 - Google Patents

異材接合用ピアスメタル及び異材接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板とアルミニウム合金板30との接合界面の密着が得られ、かつ良好なスポット溶接が得られる異材接合用ピアスメタル及び異材接合方法を提供する。
【解決手段】ピアスメタル1における軸部20の先端面24に突出高さの異なる溶接用突起25と加熱用突起26とを有する。ピアスメタル1と鋼板40間を挟持加圧するとともに通電する接合初期段階において当接する加熱用突起26と該部における鋼板40が軟化し、少ない加圧力で鉄系材料40と溶接用突起25とを当接させることで、アルミニウム合金板30と鋼板40の界面を密着させることで剛性低下を防止しつつ、続く溶接後期段階において容易にピアメタル1の軸部先端面24と鋼板40を容易に良好な溶接がなされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを使用する異材接合方法に関する。
近年、自動車等の車体には軽量化や、衝突時の衝撃吸収等の安全性向上が要求され、車体構造においても従来から使用される鉄系材料に代わって、より軽量で衝撃吸収性に優れたアルミニウム合金材やマグネシウム材等の軽合金材料、すなわち非鉄系材料の使用が増加しつつある。
例えば、自動車のルーフ、フード、フェンダ、ドア等の各パネルや、衝突時の安全性を確保するためのバンパ補強材及びドア補強材、さらに、サスペンションアーム等の懸架部品等にアルミニウム合金材等の軽合金材が使用される。
これら軽合金材、例えばアルミニウム合金材は、一般に従来から使用されている鋼板や型鋼等の鋼材と組み合わせて使用され、必然的に、鋼材とアルミニウム合金材との異材接合が必要になる。
しかし、この鋼材とアルミニウム合金材との異材接合を、生産性に優れたスポット溶接により行おうとすると、互いの接合界面において、これらの鋼材やアルミニウム合金材とは性質が全く異なる高硬度で極めて脆いFeとAlとの金属間化合物層が生成される。この金属間化合物層の生成が要因となって十分な接合強度が得られないおそれがある。
このため、例えば特許文献1に開示されるように、スポット溶接の前工程にて、予めアルミニウム合金材に鉄系材料製のピアスメタルを装着しておき、ピアスメタルと鉄系材料との間をスポット溶接する異材接合方法が知られている。
特開2009−285678号公報
上記特許文献1によると、アルミニウム合金材等の非鉄系材料と鉄系材料とをスポット溶接する際に、予め非鉄系材料に鉄系材料製のピアスメタルを装着しておき、このピアスメタルと鉄系材料とをスポット溶接することで、非鉄系材料と鉄系材料の接合が得られる。
しかし、図12(a)に示すように、スポット溶接にあたり、予めアルミニウム合金板101の貫通孔101aに鉄系材料製のピアスメタル102の軸部102aを挿入して装着し、このアルミニウム合金板101と鉄系材料の鋼板103を重ねた際、ピアスメタル102の軸部102aの先端102bと鋼板103との間に隙間aがあると、ピアスメタル102の軸部102aと鋼板103との接触が不十分で溶接不良を招く要因となる。また、ピアスメタル102の軸部102aの先端102bに鋼板103を当接するには大きな加圧力が要求される。特に鋼板103が高剛性の高張力鋼板等の場合には特に大きな加圧力が要求される。
また、同図(b)に示すように、ピアスメタル102の軸部102aの先端102bがアルミニウム合金板101の表面から突出した際には、アルミニウム合金板101と鋼板103との間に隙間bが発生して、ピアスメタル102の軸部102の先端102bの端部102cに接触する鋼板103の触端部103bに応力が集中して作用して、鋼板103の剛性低下や強度低下を招く要因となる。
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、鉄系材料と非鉄系材料との接合界面の密着が得られ、かつ良好なスポット溶接が得られる異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを使用する異材接合方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の異材接合用ピアスメタルは、鉄系材料製で頭部及び該頭部の下面から突出形成された軸部を備え、該軸部が非鉄系材料に形成された貫通孔に嵌挿されて前記非鉄系材料に装着され、該軸部先端面が鉄系材料に溶接接合される異材接合用ピアスメタルにおいて、前記軸部先端面に該軸部先端面から突出する第1突起及び第2突起を有し、該第2突起は前記第1突起に対して突出高さが大であることを特徴とする。
これによると、ピアスメタルの軸部先端面に突出高さが異なる第1突起と第2突起とを有することで、ピアスメタルと鉄系材料間を挟持加圧するとともに通電する接合初期段階において互いに当接する第2突起と該部における鉄系材料が軟化され、少ない加圧力で鉄系材料が変形して鉄系材料と第1突起とが当接することで、非鉄系材料と鉄系材料の界面が密着すると共に剛性低下防止しつつ、続く溶接後期段階において容易にピアメタルの軸部先端とを容易に良好な溶接がなされる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の異材接合用ピアスメタルにおいて、軸部先端面の中央側に前記第1突起が突設され外周側に前記第2突起が突設されたことを特徴とする。
これによると、鉄系材料の軸部外周側が軟化する一方、中央側の第1突起側の温度上昇が抑制され、すなわち中央側の温度上昇が抑制されて電気抵抗が小さくなり、溶接時に温度が高い周囲に対して溶接部位に溶接電流が集中して良好な溶接がなされる。
請求項3に記載に発明は、請求項1または2に記載の異材接合用ピアスメタルにおいて、前記非鉄系材料に装着した状態において前記先端面及び第1突起の先端が前記貫通孔内に位置し、かつ第2突起の先端が貫通孔から突出することを特徴とする。
これによると、貫通孔から突出する第2突起と鉄系材料の接触が確実になり、鉄系材料の軟化が容易でかつ鉄系材料と第1突起との接触が容易になる。
請求項4に記載の異材接合方法は、前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の異材接合用ピアスメタルを使用して前記非鉄材料と鉄系材料とを接合する異材接合方法において、前記ピアスメタルをその軸部の先端側から前記非鉄系材料の貫通孔に嵌挿して装着するピアスメタル装着工程と、前記非鉄系材料に装着されたピアスメタルの頭部と前記鉄系材料とを一対の電極で挟持加圧すると共に予備電流を流す軟化工程と、前記ピアスメタルの頭部と前記鉄系材料とを一対の電極で挟持加圧すると共に溶接電流を流す溶接工程と、を有することを特徴とする。
これによると、ピアスメタル装着工程で非鉄系材料にピアスメタルを接合し、軟化工程でピアスメタルと鉄系材料間を挟持加圧するとともに予備電流を流すことで当接する第2突起と該部における鉄系材料が軟化し、少ない加圧力で鉄系材料と第1突起とが当接し、更に溶接工程でピアスメタルの頭部と前記鉄系材料とを一対の電極で挟持加圧すると共に溶接電流を流すことで容易にピアメタルの軸部先端と良好な溶接が可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項4の異材接合方法において、前記予備電流は、互いに当接する前記鉄系材料及び第2突起の温度を高めて鉄系材料及び第2突起を軟化し、かつ鉄系材料と第2突起との溶接を開始しない電流値に設定され、前記溶接電流は、互いに当接する前記鉄系材料と第1突起を溶接する電流値に設定されることを特徴とする。
これによると、軟化工程において鉄系材料が第2突起と溶接接合されることなく軟化され、鉄系材料が第1突起に円滑に当接し、かつ溶接工程において良好に溶接される。
本発明によると、ピアスメタルと鉄系材料間を挟持加圧するとともに通電する接合初期段階において当接する第2突起と該部における鉄系材料が軟化する。従って少ない加圧力で鉄系材料と第1突起とを当接させることが可能になり、非鉄系材料と鉄系材料の界面を密着させることで剛性低下を防止しつつ、続く溶接後期において容易にピアメタルの軸部先端との容易に良好な溶接がなされる。
一実施の形態におけるピアスメタルの概要を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 ピアスメタルをアルミニウム合金板に装着した状態における断面図である。 溶接装置の要部を示す構成図である。 予備電流及び溶接電流の電流値と通電時間の相関図である。 接合過程を模式的に示す図である。 接合過程を模式的に示す図である。 接合過程を模式的に示す図である。 接合過程を模式的に示す図である。 接合過程を模式的に示す図である。 ピアスメタルの他の例を示す斜視図断である。 従来のピアスメタルによる異材接合方法の説明図である。
以下、本発明にかかる異材接合用ピアスメタル及び該異材接合用ピアスメタルを使用した異材接合方法の一実施の形態を、被溶接部材である非鉄系材料がアルミニウム合金板であり、鉄系材料が鋼板である場合を例に図を参照して説明する。
図1は異材接合用ピアスメタル1の概要を示す斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3は異材接合用ピアスメタル1をアルミニウム合金板30に装着した状態を示す断面図である。
ピアスメタル1は、鉄系材料製であって、円柱状の頭部10と、この頭部10と同軸芯上で頭部10の下面13に連続して軸方向に突出する軸部20とを有する。
頭部10は、平坦な頂面11及び外周面12を有する円柱状であって、下面13に軸部20の外周に沿って環状に連続する凹溝14が形成される。
軸部20は、頭部10の下面13に連続する基端21から先端22に移行するに従って次第に縮径される裁頭円錐状で、円錐面状の外周面23及び円形平面状の先端面24を有する。
先端面24の中央側に第1突起となる比較的大径で緩やかに傾斜する円錐状の溶接用突起25が突設し、この溶接突起25と離反して溶接突起25を囲むように外周側に複数、本実施の形態では一対の比較的小径で溶接用突起25より突出高さが大きい円錐状で比較的低剛性の第2突起となる加熱用突起26が突設される。
これら軸部20、溶接用突起25及び加熱用突起26とアルミニウム合金板30との相関関係について図3を参照して説明する。
図3に示すように、アルミニウム合金板30は、鋼板40との接触界面となる接合面31及び外表面32を有する板状であって、予め設定された接合部には、外表面32側から接合面31側に移行するに従って次第に縮径される円錐状で貫通する貫通孔であるピアスメタル装着孔33が形成される。鋼板40はアルミニウム合金板30に接合面31との接触界面となる接合面41及び外表面42を有する板状に形成される。
このアルミニウム合金板30のピアスメタル装着孔33に、外表面32側からピアスメタル1の軸部20を圧入して、頭部10の下面13が外表面32に圧着した装着状態において、軸部20の外周面23がピアスメタル装着孔33の内周面34に圧接して密着すると共に、先端面24から突出する溶接用突起25の先端25aがピアスメタル装着孔33内に維持される一方、加熱用突起26の先端26aが接合面31と面一或いは若干突出する突出高さ、本実施の形態では若干突出する高さに設定される。
すなわち、アルミニウム合金板30のピアスメタル装着孔33にピアスメタル1の軸部20を圧入して取り付けた状態において、軸部先端面24とアルミニウム合金板30の接合面31との間隙寸法をL、溶接用突起25の突出高さをH、加熱用突起26の突出高さをhとすると、
H<L≦h
に設定される。
このように構成されたピアスメタル1は、アルミニウム合金板30の予め設定された溶接位置に接合された状態で、溶接用突起25と鋼板40とがスポット溶接される。
次に、溶接装置及び接合過程の概要を溶接装置を模式的に示す図4乃至図10の工程を参照して説明する。
図4は溶接装置50の要部構成図であり、ピアスメタル1及び被接合部材であるアルミニウム合金板30、鋼板40を仮想線で示す。
図4に示すように、溶接装置50は、第1溶電極となる固定電極51と、ステッピングモータ等の加圧アクチュエータ52によって昇降するアーム53の先端に装着されて固定電極51と同軸上で対向する第2溶接電極となる可動電極54とを備える。可動電極54は加圧アクチュエータ52によって固定電極51と協働して被溶接部材を挟持加圧する加圧位置と、加圧位置から上昇して固定電極51から離反する退避位置との間で往復動する。
さらに、アーム53にピアスメタル1を固定保持するピアスメタル固定用治具55が配設される。ピアスメタル固定用治具55は、可動電極54及びアーム53を相対移動可能に囲む円筒状の治具本体56を有し、治具本体56の上端がクッションゴム等の圧縮変形可能な弾性部材59を介在してアーム53に結合された取付ブラケット60の下面に取り付けられる。
治具本体56の先端に環状の当接部57及び当接部57の内周に沿って連続する周面58a及び底面58bからなる断面L字状に切欠き形成されてピアスメタル1の頭部10を収容保持するピアスメタル保持部58が形成される。このピアスメタル保持部58の底面58bには、ピアスメタル1の頭部10を吸着して保持する永久磁石58cが埋設される。なお、永久磁石58cに代えて底面58bを磁化することもできる。
さらに、溶接装置50は、溶接初期段階のピアスメタル1の加熱用突起26を鋼板40に通電可能に圧接した状態で固定電極51と可動電極54に予備電流を所定時間流して鋼板40及び加熱用突起26を軟化して鋼板40を溶接用突起25に当接させる軟化工程Aと、溶接後期段階のピアスメタル1の溶接用突起25が鋼板40に圧接した状態で固定電極41と可動電極54との間に溶接電流を所定時間供給してピアスメタル1の溶接用突起25と鋼板40を溶接する溶接工程Bを有する。
軟化工程Aにおける予備電流は鋼板40及び加熱用突起26の温度を高めて鋼板40及び加熱用突起26を軟化し、かつ加熱用突起26と鋼板40が溶接開始しない温度となる比較的低電流値に設定される。一方、溶接工程Bにおける溶接電流はピアスメタル10の溶接突起25と鋼板40とを溶接接合する比較的大電流値に設定される。図5は接合過程における溶接時の溶接条件となる通電時間と電流値の相関図であり、縦軸は予備電流及び溶接電流の電流値を表し、横軸は時間を表す。
次に、溶接装置50による接合過程を図5乃至図10を参照しつつ説明する。
アルミニウム板材30と鋼板40の接合にあたり、図6に示すように、可動電極54が固定電極52から上方に離れた退避状態において、予め固定電極51と可動電極54との間に、鋼板40の外表面42側を固定電極51側として鋼板40及び接合部にピアスメタル装着孔33が貫通形成されたアルミニウム合金板30を重ねてセットする一方、治具本体56のピアスメタル保持部58にピアスメタル1の頭部10を挿入してピアスメタル1を吸着保持する。
このピアスメタル1が軸保本体56のピアスメタル保持部58に挿入保持されるピアスメタル1は、頭部10を永久磁石58cに吸着された安定した状態で保持される。また、ピアスメタル1の頭部10と可動電極54は互い離反し、かつ当接部57はピアスメタル1の頭部10より先端方向に突出している。
次のピアスメタル装着工程において、加圧アクチュエータ52を作動して可動電極54を下降する。可動電極54の下降に伴ってピアスメタル固定用治具55が下降し、図7に示すように治具本体56の当接部57がアルミニウム合金板30の外表面32に当接する。
この当接部57がアルミニウム合金板20の外表面32に当接した状態で、さらに弾性部材59の付勢力に抗して可動電極54を下降すると、可動電極54がピアスメタル1の頭部10に当接してピアスメタル1をピアスメタル保持部58から押し出す。
さらに可動電極54に下降してピアスメタル1の頭部10を押圧する。これにより、図8に示しように、ピアスメタル1の円錐面状に形成された軸部20の外周面23がアルミニウム合金板30の円錐周面状に形成されたピアスメタル装着孔33の内周面34に沿って誘導されてピアスメタル1の位置が規制されつつピアスメタル装着孔32に圧入される。この圧入に伴って、凹溝14内にアルミニウム合金板30が塑性流入しかつ頭部10の下面13が外表面32に圧接してピアスメタル10がアルミニウム合金板30に強固に装着される。
このピアスメタル1がピアスメタル装着孔33に圧入されてアルミニウム合金板30に接合された状態では、ピアスメタル装着孔43から突出する各加熱用突起26の先端26が鋼板40の接合面42に通電可能に圧接する一方、軸部先端面24と鋼板40との間に空間Cが形成され、かつ溶接用突起25の先端25aは鋼板40に接触することなくこれらの間に隙間が形成される。
この固定電極51と可動電極54によって鋼板40の外表面42及びピアスメタル1の頭部10とを挟持加圧付与した状態で、次の軟化工程Aにおいて、図5に示すよう予備電流を可動電極54と固定電極51との間に所定時間供給する。この可動電極54と固定電極51との間の通電によって、鋼板40と加熱用突起26との間に抵抗発熱(ジュール熱)が生じて鋼板40の該部及び加熱用突起26の温度が高くなり、鋼板40及び加熱用突起28が軟化する。
これにより、図9に示すように、固定電極51が当接する鋼板40の部位が固定電極51の加圧によってピアス装着孔33内に侵入する球面状乃至湾曲面状に変形するとともに、加熱用突起26が押潰されて鋼板40の接合面41が溶接用突起25の先端25aに圧接する。更にアルミニウム合金板30に形成されピアスメタル装着孔33の端縁33aに鋼板40の接合面41が圧接してアルミ合金板30の接合面31と鋼板40の接合面41が密接する。このときの鋼板40及び加熱用突起26は軟化状態であり、固定電極51と可動電極54による極めて小さな挟持加圧力で鋼板40及び加熱用突起26が変形して鋼板40が溶接用突起25の先端25aに通電可能に接触或いは圧接する。
この状態では、上記のように予備電流は比較的低電流値に設定されることで抵抗発熱が抑制、この鋼板40及び加熱用突起26は軟化するものの、鋼板40及び加熱用突起26は溶融することがなく、円滑に鋼板40と加熱用突起26が変形して溶接用突起25に当接する。
次の溶接工程Bにおいて、溶接条件に従って加圧アクチュエータ53に作動により固定電極51と可動電極54による鋼板40とピアスメタル1への挟持加圧力を制御し、かつ溶接電流を可動電極54と固定電極51との間に所定時間供給する。
この可動電極54と固定電極51との間の通電によって、通電可能に圧接するピアスメタル1における溶接用突起25の先端25aと鋼板40の接合面41と間が集中した抵抗発熱となり、溶接用突起25及び鋼板40が効率的に加熱され溶接用突起25と鋼板40の接触面が相互に溶融し始める。加熱の進展に伴って溶接用突起25が圧潰して軸部先端面24と鋼板40の間隔が次第に消滅して所定の通電及び加圧によって溶接用突起25を中心として溶融層が形成されて軸部先端面24と鋼板40に亘りナゲット37が形成される。
ここで、鋼板40の加熱用突起26側の軸部外周側が軟化する一方中央側の溶接用突起25側の温度上昇が抑制、即ち中央側の温度上昇が抑制されて電気抵抗が小さくなり、溶接時に温度が高い周囲に対して溶接部位に溶接電流が集中する。
このとき、更に溶接用突起25の圧潰及び溶融に伴ってアルミニウム合金板30の接合面31と鋼板40の接合面41、すなわち接触界面が確実に接触する。
このように接合されたアルミニウム合金板30及び鋼板40は、図10に示すようにアルミニウム合金板30に形成されたピアスメタル装着孔33においてピアスメタル1の軸部先端面24と鋼板40とを接合するナゲット37が生成されて鋼板40の接合面41とアルミニウム合金板30の接合面31と接合する接触界面が確保できる。
従って、本実施の形態によると、アルミニウム合金板30と鋼板40を接合するにあたり、軸部先端面24に突出高さが異なる溶接用突起25及び加熱用突起26を備えたピアスメタル1をピアスメタル装着孔33に装着したアルミニウム合金板30と鋼板40を重ねた状態で、予備電流を流して鋼板40と加熱用突起26を軟化するとともに固定電極51と可動電極54による挟持加圧により鋼板40を加圧変形させて鋼板40が溶接用突起25に接触させることで、容易かつ確実に鋼板40と溶接用突起25が通電可能に接触する。この溶接用突起25と鋼板40を接触した状態で固定電極51と可動電極間に溶接電流を流して溶接することで、アルミニウム合金板30と鋼板40との間に隙間がない接触界面が確保できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨と逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態ではピアスメタル1の軸部先端面24の中央に溶接用突起25を形成し、溶接突起25を囲むように一対の加熱用突起26を形成したが、図11(a)にピアスメタル1の斜視図を示すように、軸部先端面24の中央に溶接用突起25を形成し、溶接用突起25を囲むように環状に突出する加熱用突起26を形成することもできる。また、図11(b)及び(c)に示すように軸部先端面24の中央に溶接用突起25を形成し、溶接用突起25を囲むように3個の加熱用突起26、或いは4個の加熱用突起26を形成することや、適宜他の複数個の加熱用突起26を形成することができる。また、溶接用突起25を複数形成することもできる。
また、上記実施の形態では軽合金材としてアルミニウム合金板30の場合を例に説明したが、マグネシウム材等他の適宜非鉄系材料の場合にも同様に適用できる。
1 ピアスメタル
10 頭部
13 下面
20 軸部
24 先端面
25 溶接用突起(第1突起)
25a 先端
26 加熱用突起(第2突起)
26a 先端
30 アルミニウム合金板(非鉄系材料)
33 ピアスメタル装着孔(貫通孔)
40 鋼板(鉄系材料)
50 溶接装置
51 固定電極(第1溶接電極)
52 加圧アクチュエータ
54 可動電極(第2溶接電極)
55 ピアスメタル固定用治具

Claims (5)

  1. 鉄系材料製で頭部及び該頭部の下面から突出形成された軸部を備え、該軸部が非鉄系材料に形成された貫通孔に嵌挿されて前記非鉄系材料に装着され、該軸部先端面が鉄系材料に溶接接合される異材接合用ピアスメタルにおいて、
    前記軸部先端面に該軸部先端面から突出する第1突起及び第2突起を有し、該第2突起は前記第1突起に対して突出高さが大であることを特徴とする異材接合用ピアスメタル。
  2. 前記軸部先端面の中央側に前記第1突起が突設され外周側に前記第2突起が突設されたことを特徴とする請求項1に記載の異材接合用ピアスメタル。
  3. 前記非鉄系材料に装着した状態において前記先端面及び第1突起の先端が前記貫通孔内に位置し、かつ第2突起の先端が前期貫通孔から突出することを特徴とする請求項1または2に記載の異材接合用ピアスメタル。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の異材接合用ピアスメタルを使用して前記非鉄材料と鉄系材料とを接合する異材接合方法において、
    前記ピアスメタルをその軸部の先端側から前記非鉄系材料の貫通孔に嵌挿して装着するピアスメタル装着工程と、
    前記非鉄系材料に装着されたピアスメタルの頭部と前記鉄系材料とを一対の電極で挟持加圧すると共に予備電流を流す軟化工程と、
    前記ピアスメタルの頭部と前記鉄系材料とを一対の電極で挟持加圧すると共に溶接電流を流す溶接工程と、を有することを特徴とする異材接合方法。
  5. 前記予備電流は、互いに当接する前記鉄系材料及び第2突起の温度を高めて鉄系材料及び第2突起を軟化し、かつ鉄系材料と第2突起との溶接を開始しない電流値に設定され、
    前記溶接電流は、互いに当接する前記鉄系材料と第1突起を溶接する電流値に設定されることを特徴とする請求項4に記載の異材接合方法。
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