JP2018126752A - リベットを用いた接合方法とその実施に使用する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を用いて剥離強度が十分に高い継手を形成することできる接合方法及びその装置を提供すること。【解決手段】引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を少なくとも1枚は含む重ね合わせた複数枚の鋼板をセルフピアシングリベットを用いて接合する方法であって、リベットとして鋼よりなり、先端部が尖った中実のリベットを用い、ポンチでリベットを加圧しながらリベットとダイ間に通電して、接合しようとする鋼板を加熱しながら鋼板の厚み方向の所定の位置までリベットを押し込み、さらにポンチでリベットを加圧しながら通電を継続して、少なくとも鋼板間を固相接合あるいは溶融接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、リベットを用いた接合方法と装置に関し、特に、引張強度が780MPa以上の高強度鋼板を1枚以上含む複数枚の鋼板を接合する方法と装置に関するものである。
従来、自動車分野では、車体の組立や部品の取付けなどにスポット溶接が多用されており、高強度鋼板を含む複数枚の鋼板の接合などもスポット溶接で行われる。
しかし、引張強度が780MPa以上の鋼板を含むようなスポット溶接継手では、ナゲットの靭性が低下し、剥離方向の応力ではナゲット端部に応力が集中するため、鋼板の引張強さが増加しても、十字引張強さ(CTS)が、増加しないか、又は、減少するという問題がある。
この問題を解決する技術の一つとして、母材を溶融させることなく機械的に接合する技術、すなわち、被接合材である複数枚の金属板を重ね合わせ、金属板を板押えで押さえながら、パンチでリベットを打ち込み、複数枚の金属板をリベットで接合する技術がある。
しかし、この技術では、リベットを打ち込むため、パンチと接触する金属板と反対側(ダイ側)の金属板の変形が非常に大きくなり、ダイ側の金属板で割れが発生するという問題、せん断方向及び剥離方向に引張応力がかかった場合、リベットが抜けて破壊が生じ、せん断方向及び剥離方向の引張強度で十分な値が得られないという問題などがあった。
このような問題を解決する技術として、特許文献1には、最初に、リベット打ち機を通して、高強度鋼板を含む鋼板2、3をセルフピアシング型のリベット7によって機械的に接合し(図7a参照)、次に、スポット溶接機を通して、リベットを含む接合個所を加熱・加圧して、該個所に冶金的に接合された溶接スポット微細構造を形成する(図7b参照)技術が開示されている。
また、特許文献2には、鉄系金属板3とアルミ系金属板2との異種金属接合方法において、アルミ系金属板側から、鉄系金属製のリベット7を電極で加圧しながら押し込み、リベット7でアルミ系金属板2を貫いて、リベットの先端部7cを鉄系金属板3に接触させ(図8a参照)、電極でリベット7と鉄系金属板3を加圧しながらリベット7と鉄系金属板3との間で通電することにより、リベットの先端部7cと鉄系金属板3を抵抗溶接し(図8b参照)、リベットを介して鉄系金属板とアルミ系金属板を接合する技術が開示されている。
特表2007−521964号公報 特許第2954476号公報
特許文献1、2の技術は、スポット溶接及びリベット接合の有する問題点を解決しようとするものであるが、特許文献1の技術では、リベットの打ち込みと抵抗溶接の工程が2工程になるという問題がある。また、特許文献2では、ピンの打ち込みと抵抗溶接を1つの工程で連続的に行っているが、アルミ系金属板を含む継手の溶接に有効な技術であり、少なくとも、鋼板のみを用いた場合の溶接については考慮されていない。
そこで、本発明は、引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を用いて剥離強度が十分に高い継手を形成することできる接合方法及びその装置を提供することを課題とする。
本発明では、そのような課題に対して、通電加熱を利用したセルフピアシング型の先端部が尖った中実のリベットによる接合と通電加熱による溶融接合(あるいは固相接合)を組み合わせて連続的に一つの工程で行うことによって上記課題を解決した。
そのような本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を少なくとも1枚は含む重ね合わせた複数枚の鋼板をセルフピアシングリベットを用いて接合する方法であって、
前記リベットとして、鋼よりなり先端部が尖った中実のリベットを用い、ポンチで前記リベットを加圧しながらリベットとダイ間に通電して、前記接合しようとする鋼板を加熱しながら前記鋼板の厚み方向の所定の位置までリベットを押し込み、さらにポンチでリベットを加圧しながら通電を継続して、少なくとも鋼板間を固相接合あるいは溶融接合することを特徴とする接合方法。
(2) 前記ポンチで前記リベットを加圧する前に、前記ポンチの外側にポンチと同軸に配置された板押えで鋼板を加圧しながら前記板押えと前記ダイ間に通電して、鋼板を予備的に加熱した後、前記ポンチで前記リベットを加圧することを特徴とする上記(1)に記載の接合方法。
(3) 前記リベットとして、C:0.15質量%以下の鋼を用いることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の接合方法。
(4) 上記(1)に記載の接合方法の実施に使用する接合装置であって、
一方の側に、ポンチと、該ポンチの外側にポンチと同軸に設けられた筒状の板押えを有し、他方の側に、接合しようとする鋼板をポンチに対向して支持するダイを有し、
前記ポンチとダイがそれぞれ電源装置に接続され、前記リベットが鋼板と接触した時に前記ポンチとダイ間が通電して鋼板を加熱するように構成されていることを特徴とする接合装置。
(5) 上記(2)に記載の接合方法の実施に使用する接合装置であって、互いに対向する一方の側に、ポンチと該ポンチの外側にポンチと同軸に設けられた筒状の板押えを有し、他方の側に、接合しようとする鋼板をポンチに対向して支持するダイを有し、
前記板押えとダイ、前記ポンチとダイがそれぞれ電源装置に接続され、
前記板押えが鋼板と接触した時に板押えとダイ間が通電して鋼板を予備的に加熱した後、
前記リベットが鋼板と接触した時に前記ポンチとダイ間が通電して鋼板をさらに加熱するように構成されていることを特徴とする接合装置。
本発明によれば、リベットによる機械的接合と熱を利用した冶金的接合の両方を利用して鋼板を接合するので、高強度鋼板を用いて剥離強度が十分に高い継手を形成することができる。
また、通電加熱を利用するので、高強度鋼板を用いていてもリベットの打ち込みが容易となり、先の尖ったリベットを利用するので加熱に高い電流を必要とせず、接合に要する時間も十分に短くできる。
さらに、リベットに炭素量の低い鋼を用いることにより、接合部のじん性を向上させ、遅れ破壊を抑制することもできる。
本発明の接合方法で用いる装置の概略図である。 本発明の接合方法の手順の一例を示す概略図である。 リベットの形状の一例を示す図である。 ダイセットの別の態様を示す図である。 本発明の方法の実施に使用する装置の概略図である。 本発明の接合方法で用いる加圧力と電流のパターンの一例を示す図である。 従来技術を説明するための図である。 他の従来技術を説明するための図である。
本発明は、セルフピアシング型のリベットの通電加熱を利用した打ち込みによる接合と通電加熱による溶融接合(あるいは固相接合)を組み合わせて連続的に一つの工程で行うことにより、高強度鋼板を用いて継手強度の高い接合製品を製造することができる。
最初に、本発明の基本的な実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施には、図1に概略を示す、互いに対向する一方の側に、ポンチ4と該ポンチの外側にポンチと同軸に設けられた円筒状の板押え5を配置し、他方の側に、接合しようとする鋼板2、3(以下単に鋼板と記載する場合がある)をポンチに対向して支持するダイセット6を有する接合装置1を用いる。なお、ダイセット6は、リベット7に対向するダイ6aと板押え5に対向する押え部6bよりなる。
また、鋼板に打ち込むリベット7は、図3に示すように、一般的なリベットと同様に軸部7aとつば部を有する頭部7bよりなるもので、鋼製で、中実であり、リベットの先端部、すなわち軸部7aの先端7cは釘状に尖っている。
ポンチ4とダイ6aは、通電可能な材料で形成され、ともに電源装置8に接続されており、ポンチとダイが鋼板に接触することにより、電気回路が形成されるようになっている。板押え5は、鋼板と接触しても電流が流れないように他の部材と電気的に絶縁されている。
図1では、ダイ側が上方で、ポンチ側が下方に配置される例を示すが、ダイ側が下方で、ポンチ側が上方に配置されるものでもよい。
以上のような装置を用いて次の手順で接合を行う。
接合しようとする鋼板2、3を重ね合わせて、接合装置1のダイセット6と板押え5間に搬入し、板押え5上に載置する(図1参照)。リベット7は、予めポンチ4上にセットされている。
鋼板2、3としては引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を1枚以上含むものとする。重ね合わせる鋼板の枚数は、図1では2枚としているが、3〜5枚程度とすることができる。
次に、ダイセット6を鋼板側に移動させて、鋼板をダイセット6と板押え5で挟んで、鋼板を保持した後(図2a参照)、ポンチ4を板押え5を通して鋼板側に移動させ、ポンチ先端に位置するリベット7を鋼板側に押出し、リベット先端7cを鋼板2に接触させ(図2b参照)、さらにポンチ4でリベット7を加圧して、その先端部を鋼板2に食い込ませる(図2c参照)。
その際、リベットの先端7cが鋼板2に接触した後、ポンチ4とダイ6a間に通電することにより、リベット先端と鋼板に電流が流れ、リベットと鋼板が通電加熱される。
リベット先端7cは尖っているため、通電中にリベットの先端とそれに接触する鋼板に電流と応力が集中し、鋼板の温度が急激に上昇する。このため、鋼板の材料は容易に塑性流動し、接合しようとする材料に高強度鋼板を用いても、容易にリベットを打ち込むことができる。
さらにポンチ4でリベット7を加圧してリベット先端部を鋼板内に侵入させる。リベット7の頭部7aのつば部が鋼板表面に到達した状態で、リベットの穿孔は停止し、加熱した状態でリベット7とダイ6a間の鋼板が加圧される。また、つば部を介してダイ6aとの間の鋼板も加圧される(図2d参照)。
リベットとダイの間で通電しながら、リベットを打ち込む際に、ポンチを冷却してもよく、その場合は、リベットの軟化を抑制して、より安定してリベットの打ち込みを行うことができる。
リベット7の頭部7bのつば部が鋼板2の内表面に到達した以降は、リベット7に付加する加圧力、印加する電流量、通電時間などを調整することにより、ダイ側の鋼板とリベット間が固相接合される場合(図2e参照)とダイ側の鋼板とリベット間が溶融接合される場合(図2f参照)に分かれる。
(i)ダイ側の鋼板とリベットの間が固相接合される場合
通電加熱した状態で、鋼板とリベット間が加圧され、また、つば部を通して鋼板間も加圧される。この際に、リベットと鋼板の境界部や鋼板間の合わせ面が溶融しないように、加圧力や電流値を調整しながら通電加熱を継続することにより、リベットと鋼板の間および鋼板どうしの間で金属元素の相互拡散が進行し、両者が固相接合される(図2e参照)。
(ii)ダイ側の鋼板とリベットの間が溶融接合される場合
リベットと鋼板間の通電電流を高める、加圧力を高めるなどにより、リベットの先端部と、該先端部に接している鋼板部分がともに溶融して、ナゲットが形成される。これにより、リベット鋼板間および鋼板間が、ナゲット9により溶融接合される(図2f参照)。
この場合は、図4に示すようにダイ6aのリベット7に対向する部分の面積を小さくして、鋼板の狭い領域に電流が集中して流れるようにすることが好ましい。
なお、鋼板が3枚以上の場合は、リベットの先端が最もダイ側の鋼板の内表面まで達するまでリベットを打ち込むのが好ましい。また、ダイ鋼板間の接合がより確実に行われる溶融接合の方が好ましい。
以上の結果、重ね合わされた鋼板は、リベットによる機械的接合と熱を利用した固相接合あるいは溶融接合の両方によって接合され、高強度鋼板を用いて剥離強度が十分に高い継手を形成することができる。
以上の実施形態では、ポンチ4とダイ6a間に通電する場合について説明したが、さらに、板押え5も電源装置に接続し、板押え5とダイ6a間に通電して、鋼板2、3を予備的に加熱することができる。
この場合、図2aのように鋼板をダイセット6と板押え5で挟んだ状態で、板押え5とダイ6a間に通電して、リベット先端7cが鋼板2に接触する前から鋼板を予備的に通電加熱する。次いで、ポンチ4を板押え5を通して鋼板側に移動させ、リベットの先端7cが鋼板2に接触した後、ポンチ4とダイ6a間に通電することにより、リベット先端と鋼板に電流が流れ、リベットと鋼板が通電加熱され、以降は、前記と同様にして、鋼板を接合する。
このような本発明は、図5に概略を示すような、2段押付けを行うことができる接合装置11によって実施することが効果的である。
図において、接合しようとする鋼板2、3を間にして上方には、駆動装置(図示せず)により上下動するシャンク12の下端に、ダイセット6に組み付けられたダイ6aが配置される。また、下方には、同様に駆動装置(図示せず)により上下動するストレートホルダ13に、ダイ6aに対向してポンチ4が固定され、ポンチ4の外側には板押え5が配置され、ストレートホルダ13に固定されたアダプタ14にガススプリング15を介して板押え5を支持させている。
接合動作中、ポンチ4をダイ6aに向けて駆動すると、板押え5もアダプタ14を介してダイ6aに向けて移動し、先に鋼板に当接して、鋼板をダイセット6とともに加圧保持する。ポンチ4がさらに上方に移動してリベット7を打ち込むようになると、ガススプリング15が圧縮して板押え5の加圧力がさらに増大して、鋼板2、3の合わせ面を密着させるようになっている。このため、合わせ面により電流が集中するようになる。
鋼板への通電は、リベット7が鋼板3と接触した時にポンチ4とダイ6a間が導通することによって行われる。そのため、ポンチ4とダイ6aはそれぞれ電源装置8(図1参照)に接続される。さらに、リベット7が鋼板3と接触する前の板押え5が鋼板3と接触した時に、鋼板を通して板押え5とダイ6aを通電させ、鋼板を予備的に加熱するために、板押え5も電源装置8に接続することもできる。この場合には、より早く鋼板温度を上げることができる。
ポンチ4がリベット7を打ち込む際、リベット7に後述するような所定のパターンの加圧力が負荷されるようにポンチ4の移動を制御する駆動制御手段が駆動装置に設けられている。また、電源装置8には、リベット7が鋼板と接触した時にポンチ4とダイ6a間が通電され、ポンチ4がリベット7を打ち込んでいる間、ポンチ4とダイ6a間に後述するような所定のパターンの電流が流れるように制御する通電制御手段が設けられている。さらに、板押え5とダイ6aが電源装置に接続されている場合は、通電制御手段は、板押え5が鋼板と接触した時に、鋼板を通して板押え5とダイ6aを通電させ、鋼板を予備的に加熱するように電流を制御する。
以上、本発明の基本的な態様について説明したが、さらに本発明の個々の要件や好ましい要件についてさらに説明する。
(接合対象とする鋼板)
鋼板は、上記例では2枚の鋼板で形成しているが、接合する構造部品の形態に応じて、3枚以上の複数の鋼板とすることができる。このような鋼板は、少なくとも一部に板状部を有し、当該板状部が互いに積み重ねられる部分を有するものであればよく、全体が板でなくともよい。また、別々の鋼板から構成されるものに限定されず、1枚の鋼板を管状に曲げ成形したものの端部を重ね合わせたものでよい。
複数の鋼板には、780MPa級以上の鋼板を少なくとも1枚以上含むものとする。特に、全ての鋼板に780MPa級以上の鋼板を用いることにより、継手強度の高い部材を製造できることから、薄い鋼板の使用ができるようになり、部品の軽量化を達成できる。
(リベット)
リベットは、一般的なリベットと同様に軸部とつば部を有する頭部よりなるもので、中実であり、軸部の先端部は釘状に尖っている。先端は、鋼板と接触して通電した時にすぐ加熱されて軟化するので、予め丸みを帯びていてもよい。
リベットの材質は、鋼であれば特に限定されるものではないが、炭素量の低い鋼を用いることが好ましい。炭素量の低い鋼からなるリベットを用いることにより、接合部の硬さを抑制できるため、接合部のじん性が優れ、引張せん断強さや十字引張強さなどの継手強度を向上できる。また、ナゲットを形成する場合には、炭素量の低いナゲット部分を形成することができる。また接合部の硬さが低くなるため、高強度鋼板のスポット溶接部では発生が懸念される遅れ破壊(水素脆化)を抑制することも可能となる。この目的からは、特にC:0.15%以下の鋼が好ましい。
(ダイセット)
ダイセットは、ポンチや板押えと対向して配置され、板押えとの間でリベットの打ち込み中に鋼板を保持する押え部と、リベットの打ち込みに対し、鋼板の打ち込み面とは反対側の面が変形しないように鋼板を支えるダイよりなる。また、ダイは、リベットを通して鋼板を通電加熱する際の電極の作用もする。
押え部の材質は工具鋼とすればよいが、ダイは銅又は銅合金とすることが望ましい。
(ポンチ)
このポンチ4は、全体を通常の工具鋼で構成することもできるが、リベットに通電するための電極の作用もするため、リベットと接触する端部は電気伝導率が高い銅又は銅合金とすることが好ましい。
また、リベットを打ち込むとき、通電によりリベットの温度が上がりすぎる場合には、ポンチを冷却できるように、内部に冷却管を通して冷却するか、外から冷却する。
(板押え)
図5の例では、ガススプリングによって板押えを支持する例を示したが、ガススプリングに替えて、エアシリンダー、圧縮コイルバネ、適度な弾性を有するウレタン樹脂からなる樹脂成形体とすることもできる。
(加圧力と通電の条件)
リベットを鋼板に打ち込む際のポンチによる加圧力と鋼板を通電加熱するための電流のパターンとしては、(a)通常のスポット溶接のように、加圧力一定、電流(その実効値)一定とするパターン(図6a参照)や、(b)リベット先端と鋼板の温度が上昇したら、より高い加圧力と電流に増加させる2段階に変化させるパターンが例示できる。
(b)の場合は、ダイ側の鋼板とリベット間を溶融接合する場合に適しており、接合時間を短縮することができる。
電流と加圧力を2段階で変化させる場合は、電流を変化(増加)させるタイミングは加圧力を上昇させるタイミングとおよそ同時とするのがよい。1段目の第一電流で一定とする時間を第一通電時間とし、2段目の第二電流で一定とする時間を第二通電時間とすると、1段目の加圧力(第一加圧力)を保持する時間は、スポット溶接と同様に加圧力の安定を考慮して、第一通電時間より若干長めとする。具体的には、[第一加圧力の保持時間=スクイーズ時間+第一通電時間]とすればよい。ここでスクイーズ時間とは、加圧力の上昇時点から通電開始までの時間のことである。
また、2段目の第二加圧力を保持する時間は、接合を確実とするために、第二通電時間より若干長めとする。具体的には、[第二加圧力の保持時間=第二通電時間+保持時間]とすればよい。ここで保持時間とは、通電終了時点から加圧力保持を停止するまでの時間のことである。
以下実施例により本発明の実施可能性及び作用効果について説明する。
供試鋼として、板厚1.6mm、鋼板強度が1.8GPa級のS45C鋼からなる鋼板を2枚用い、この鋼板を重ねてスポット溶接または本発明のリベット接合を実施した。
スポット溶接においては、加圧力、電流、通電時間を調整し、ナゲット径が約6mmとなるようにした。
一方、リベット接合においては、C量が0.12質量%の鋼製で、直径が6mm、首下(軸部)の長さが2.5mm、先端の開き角度が120°でつばの付いたリベットを用い、加圧力および電流を一定にする条件(図6a参照)か、または加圧力と電流値を2段階に変化させる条件(図6b参照)で接合を行った。
電流と加圧力を2段階で変化させる場合は、電流を変化(増加)させるタイミングを加圧力を上昇させるタイミングとおよそ同時とした。
全ての条件において、スクイーズ時間は0.5secとし、保持時間は0.2secとした。
それぞれの条件を表1に示す。
得られた接合部の良否は継手強度(十字引張強さ=CTS)で判断した。
結果を表1に示すが、リベット接合のいずれの条件においても、そのCTSはスポット溶接継手のそれを上回った。リベット接合で2段通電を採用すると、1段通電の場合よりもCTSが向上しており、また接合に掛かる時間も短縮できていることが判る。
Figure 2018126752
1 接合装置
2、3 接合しようとする重ね合わされた鋼板
4 ポンチ
5 板押え
6 ダイセット
6a ダイ
6b 押え部
7 リベット
7a リベットの軸部
7b リベットの頭部
7c 軸部の先端
8 電源装置
9 ナゲット
11 接合装置
12 シャンク
13 ストレートホルダ
14 アダプタ
15 ガススプリング

Claims (5)

  1. 引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を少なくとも1枚は含む重ね合わせた複数枚の鋼板をセルフピアシングリベットを用いて接合する方法であって、
    前記リベットとして、鋼よりなり先端部が尖った中実のリベットを用い、ポンチで前記リベットを加圧しながらリベットとダイ間に通電して、前記接合しようとする鋼板を加熱しながら前記鋼板の厚み方向の所定の位置までリベットを押し込み、さらにポンチでリベットを加圧しながら通電を継続して、少なくとも鋼板間を固相接合あるいは溶融接合することを特徴とする接合方法。
  2. 前記ポンチで前記リベットを加圧する前に、前記ポンチの外側にポンチと同軸に配置された板押えで鋼板を加圧しながら前記板押えと前記ダイ間に通電して、鋼板を予備的に加熱した後、前記ポンチで前記リベットを加圧することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記リベットとして、C:0.15質量%以下の鋼を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の接合方法。
  4. 請求項1に記載の接合方法の実施に使用する接合装置であって、
    一方の側に、ポンチと、該ポンチの外側にポンチと同軸に設けられた筒状の板押えを有し、他方の側に、接合しようとする鋼板をポンチに対向して支持するダイを有し、
    前記ポンチとダイがそれぞれ電源装置に接続され、前記リベットが鋼板と接触した時に前記ポンチとダイ間が通電して鋼板を加熱するように構成されていることを特徴とする接合装置。
  5. 請求項2に記載の接合方法の実施に使用する接合装置であって、互いに対向する一方の側に、ポンチと該ポンチの外側にポンチと同軸に設けられた筒状の板押えを有し、他方の側に、接合しようとする鋼板をポンチに対向して支持するダイを有し、
    前記板押えとダイ、前記ポンチとダイがそれぞれ電源装置に接続され、
    前記板押えが鋼板と接触した時に板押えとダイ間が通電して鋼板を予備的に加熱した後、
    前記リベットが鋼板と接触した時に前記ポンチとダイ間が通電して鋼板をさらに加熱するように構成されていることを特徴とする接合装置。
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