JP2005288120A - 光感知による立ち上がり報知器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ふらつき転倒する可能性がある高齢者などの介護をする際に使用し、座っているものから立ち上がったことを知るものを提供する。立ち上がったことを感知するもので、座っている方に害が少ないものを提供する。
【解決手段】 光感知センサー(1)を座面(2)や背もたれ(3)にとりつけ、座ったり立ったりする時に、光感知センサー(1)が明るさの変化を感知することで、立ち上がったことなどを感知し、周りに報知する。
【選択図】図1

Description

この発明は、座ることが出来るものの座面(2)や背もたれ(3)などに光を感知するセンサー(1)を取り付けることで、座る行為、座っている状態から立ち上がろうとする行為、及び立ち上がった行為を検知し、周りに知らせる報知器とその活用方法である。
技術背景
介護の現場などで、立つとふらつき、転倒する恐れのある方が座っている状態から立ち上がったことを知ることは、その方の安全を守るために大変重要である。なぜなら、高齢者などは特に転倒により骨折をしやすく、万が一骨折した場合、それが原因で寝たきりになるなど二次的な弊害が出てくる可能性があるためである。
そのような中で安全を確保するためには、その方がいつ立ち上がるかわからないので24時間そばにいて対応するか、必ず眼が行き届くところに座ってもらうしか方法がないが、介護する側にとっても介護される側にとっても精神的負担になる。これは、介護施設や一般家庭などにおいても同じである。
精神的、身体的介護負担を軽減するためには、立ち上がったことを知るセンサーを活用することが必要となった。
発明が解決しようとしている課題
そこで、立ち上がった事を知ることが重要になり、圧力によるセンサー(特開2002−126007参照)などが考案されたり、もともと立ち上がらないように、紐などで縛り付けて拘束するという手段がとられたりした。
現在、自由を抑制する拘束は人権侵害にあたると考えられているため、その行為自体を問題とし、あえてここで問題提起しない。
圧力を使ったセンサーは以下のような欠点があった。
(イ)センサーが感知するのは圧力であり、介護の現場では、座面の圧力をいかに緩和するかが課題となっているため、その点で圧力を感知するものでは介護の現場での立ち上がりを知るセンサーとしては不都合が生じる。たとえば、長い時間ある一定の場所に圧力が加わると褥瘡(一般的には床ずれと呼ばれる)が生じる。その褥瘡が発生しやすい所は、主に仙骨部とよばれる尾▲てい▼骨周囲である。そこは骨が突出している為、圧力が集中してかかりやすい。その場所(座面では、ほぼ中央に位置する)に圧力を感知する硬いセンサーを取り付けるのは、好ましくない。かといって、センサー部位をやわらかくすればするほど、圧力によるセンサーの感知能力が低下する。介護の現場では仙骨部の圧力をなくすため、真ん中に穴の開いた円座と呼ばれるドーナッツ状のクッションをよく使用するが、それでは中央の圧力を感知することは困難である。座面全体に圧力センサーを取り付ければ、その分製品が高価になる。
(ロ)座面の圧力がかかる場所を定期的に変更するクッションがあるとし、そのクッションを使い圧力センサーで感知すると、座っている人が立ち上がっても無いのに圧力がかからなくなった場所の圧力センサーが作動するなどの誤作動が発生する可能性がある。もし、それでも使用するなら、車椅子自体に圧力センサーを取り付けるか、硬い板状のものを圧力センサーの上におき、その上にそのようなクッションをおくなど手間がかかり、製品自体も高価になる。
(ハ)なによりも座っている間は、常に体重が直接圧力センサーに圧し掛かってくるため、圧力センサーの耐久性能が問題になってくることである。精密な圧力センサーになればなおさらである。
また、介護の現場では、センサー自体が失禁などにより汚れることが予想されるため、センサーを防水にし洗えるものにすることも大事である。
本発明者はそのような欠点を克服するため研究を重ね、圧力によらずに立ち上がったことを知るセンサーの発明を課題とした。また、座る人自身に何か物をつける(例えば紐など)ことが無いようにも配慮した。紐を引っ張ればブザーが鳴るものでは、その人自身に紐を括り付けなければならず、それでは立ち上がったあとに紐がぶら下がり見た目によくないためである。
センサー部はコンパクトで、なおかつ洗うことが出来るもので、安価なものを開発することも課題とした。
センサー部が人体に害を及ぼす可能性が少ないもの(褥瘡を形成しにくいものなど)を開発することも課題とした。
課題を解決する為の手段
そのような課題を解決するために、以下のようなことを発明した。
(イ)座ったり立ち上がったりする行為において、座面(2)は座れば暗く、立ち上がれば明るくなる部分があるというところに着目し、光を感知するセンサー(1)を座面(2)に設置することで立ち上がりを知るものを発明した。
(ロ)人は立ち上がる際、必ず前かがみになる(背もたれにもたれかかったまま起き上がることは出来ない)というところに着目し、背もたれ(3)にも同様に光感知センサー(1)を取り付け、それにより、背もたれから背中が離れたことを感知し、立ち上がろうとする行為の第一段階を知ることが出来るものを発明した。
(ハ)光感知センサー(1)を、光を通す透明のもので、なおかつ防水性のあるもので包むことにより、センサー部は汚れたとしても洗えるものとした。
(ニ)上記(ハ)のセンサー部をやわらかい素材やクッションなどと併用することで、座ったときの異物感を感じることも無く、褥瘡形成の防止も出来、座り心地のよいものが出来る。これは、どのような機能のクッションにしたとしても、座れば暗く、立てば明るくなるように座面(2)に光感知センサー(1)を設置すれば可能である。例えば、クッションの一部分(中央など)を、光を通すもの(透明のビニールクッションなど)にするなどの工夫を行えば、クッションの下にセンサー部を設置して、異物感をなくすことも可能である。
(ホ)クッションを円座のような中央にくぼみがあるものや、中央の部分が無いものなどを使用し中央の圧力をゼロにして、その中央部分に光感知センサー(1)を設置しても立ち上がりを感知でき、なおかつ光感知センサー(1)へ余計な力が加わらないことが可能になった。
発明の効果
この発明によって以下のような効果が出た。
(イ)円座(2)の中央のような圧力の無いところであったとしても、座ることで光感知センサー(1)は光を遮断され、立ち上がればどこからとも無く光感知センサー(1)に光が差し込み、立ち上がったことを明るさにより確実に知る事が出来るようになった。
(ロ)低反発性クッションなどに代表されるような、やわらかい素材で出来たクッションを座面に使用しながら光感知センサー(1)をそのクッションに設置しても、同じように圧力に関係なく光が遮断されているかどうかによって立ち上がりを感知出来るようになった。
(ハ)つまり、光感知センサーを使用すれば、座面上の圧力をどのように分散したとしても、また、定期的に圧力のかかる場所を変更したとしても、座っている面の明るさによって反応する為、安定した反応を示すことを可能にした。
(ニ)人が活動するところのほとんどは明るいため、ある程度明るいところならどこでも活用できる。
(ホ)何よりもセンサー自体に圧力のような力を加えなくてもよいものなので、センサーをいためる危険が減るという効果がある。
(ヘ)光を感知するセンサー(1)として、Cds(硫化カドミウム)という半導体素子などがあるがとても小さい部品であり、コンパクトである。それを電流が通る為の2本の束ねられた細いコードと共に透明のもので包み、防水加工することで、汚れてもセンサー部分は洗うことが出来るようになった。同じように、そのセンサーの周りを透明のやわらかいもの(ゴムなど)で覆ったとしても使用でき、その製品自体による人体への影響(褥瘡など)を減らすことが出来る。光を感知するセンサーとして、光を感知するものであれば利用可能である。
(ト)人は立ち上がる際に、まず、最初の動作として上半身を前かがみにする。それをふまえれば、背もたれ(3)から背中が離れたときに背もたれ(3)に設置した光感知センサー(1)で感知し、その後座面(2)で立ち上がったことを感知すれば、二段階の立ち上がり報知器となり、より効果的に立ち上がることを知るものにすることも出来る。
(チ)座ることが出来て、ある程度の明るさがある場所であれば、ほとんど活用できる。例えば、車椅子、椅子、クッション、座布団、ふとん、ベッド、畳、床、カーペットなどにも設置可能である。
以上のことは、圧力によらず、明るさを識別して反応する光感知センサーだからこそ可能になったのである。
実際行った使用例を含め、実施例を以下に説明する。
(イ)円座(2)などクッションの中央に防水加工を施した光感知センサー(1)を座れば光が遮断されるように置く。
(ロ)その上に座ると光感知センサー(1)周辺が暗くなり、それを感知した立ち上がり感知器(4)が待機状態になるよう回路を設計しておく。
(ハ)立ち上がると光感知センサー(1)に光が差し込み、それを立ち上がりセンサー(4)が感知し、報知器(5,6)がなるように回路を設計しておく。報知器としては、ランプ(5)などの明かりによるものと、スピーカー(6)など音によるもの(音声やメロディー、動物の鳴き声など耳障りでなく、なおかつ的確に聞き取れる音が好ましい)を共に作動させる必要がある。そうすることで、音により見えない場所でも立ったことを知ることが出来、ランプなどによりどの立ち上がり感知器(4)がなったかを知ることが出来る。
(ニ)このシステムを使い、痴呆があり、なおかつふらつきがあるお年寄りなどに本発明の立ち上がり報知器を用いて、その方が、椅子や車椅子などに座ったときに立ち上がり感知器(4)を待機させるようにする。立ち上がった際、立ち上がり感知器(4)が、座面にとりつけた光感知センサー(1)で感知するため、報知器(5,6)がなる。それを聞いた周りにいる介護者が転倒を防ぐために速やかに付き添う。その際、報知器(5,6)がなりっぱなしになることを防ぐため、報知器(5,6)を止めるボタンスイッチ(7)を取り付けておき、それを一回おせば報知器(5,6)がとまるように回路を設計しておく。また、座れば立ち上がり感知器(4)は待機状態となり、それを繰り返して使用する。
(ホ)背もたれ(3)にも光感知センサー(1)を背もたれ大の薄いクッション素材に埋め込むなどして設置する。その背もたれ部のセンサーを立ち上がりセンサー(4)と連動させ、座面(2)が暗い(立ち上がり感知器待機)状態で、背もたれ(3)に設置した光感知センサー(1)周辺が明るくなったときは、軽い警報としての報知器(5,6)を作動させるよう回路を設計する。そうすることにより、座って上半身を前かがみにしている状態を感知することが出来、立ち上がろうとする前の段階を周りに知らせることが出来る。この場合、背もたれ部のセンサーの感知する明るさの度合いによって、音による報知器(6)の強弱を変えることも可能であり、いかに前かがみになっているかという状態を知る参考として使用することも出来る。また、背もたれ部は、光を感知するセンサーでなくとも、距離を感知するセンサーを併用しても同じような効果が期待できる。座面が明るくなったときは、本格的に立ち上がったとみなし、転倒の危険を知らせる警報として報知器を作動させる。
(ヘ)以上のものは椅子だけに限らず、座るものへ取り付けることが可能な為、車椅子に設置することも出来る。車椅子の場合、フットレスト(足をおくもの)があるが、そこに光感知センサーを取り付ければ、足をフットレストから離したことを知ることも出来る。また、立ち上がりセンサーを車椅子や座るもの(椅子など)自体に組み込み使用することも可能である。
(ト)本発明の立ち上がり報知器をインターフォンや、ナースコールなど広範囲に知らせるものと連動したり、無線でとばしたりして活用することもできる。
(チ)光感知センサー(1)はとてもコンパクトなため、座りたい場所にどこでも置くことが出来る。そのため、例えば一般家庭で、ふらつきのある高齢者を見ている場合、その方がよく座っている場所に設置し使用することも可能である。よく座る座布団に、光感知センサーを設置し、立ち上がり感知器を活用することで、その方が座っている間安心して家事をしたりすることが出来る。報知器(5,6)がなった時点で対応するようにすれば、一般家庭でお年寄りを見ている方々などに役立てることが出来る。
本発明の実施例の斜面図である。 本発明の正面図である。
符号の説明
1 光感知センサー(Cds半導体素子) 2 座面(クッション)
3 背もたれ 4 立ち上がり感知器
5 ランプ(光による報知器) 6 スピーカー(音による報知器)
7 ボタンスイッチ

Claims (1)

  1. ・光を感知するセンサー(1)を座ることが出来る所の座面(2)に取り付けた、立ち上がり報知器。
    ・光を感知するセンサー(1)を座ることが出来る所の背もたれ(3)に取り付けた、立ち上がり報知器。
    ・光を感知するセンサー(1)をクッション素材で保護した、立ち上がり報知器。
    ・光を感知するセンサー(1)の部分を透明のもので防水加工した、立ち上がり報知器。
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