以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る遊技台の一具体例であるスロットマシン100A、100Bと、その外部に設ける外部演出装置200とを併せて遊技島10に設けた概略構成を示すもので、スロットマシン100A,100Bが列設された上部に配置されている上部装飾板11には、各スロットマシン100A,100Bの直上方となる位置に、各々外部演出装置200を設けてある。これらの外部演出装置200は、例えば、演出媒体としてLCD(液晶表示器)200aとスピーカ200bを備えるものとした。
なお、遊技島10に設けられるスロットマシン100Aとスロットマシン100Bは同じ遊技内容の同一機種であるが、上部適所に設けた演出ユニット装着ベイの開口前面を上部装飾パネル170で覆ったものが遊技台100Aであり、演出ユニット装着ベイに演出ユニット180を装備したものがスロットマシン100Bである。ここで、スロットマシン100Aの具体的構造について説明しておく。
〈全体の構成〉
図2は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100Aの外観を示す斜視図である。図2に示すように、スロットマシン100Aの中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体102の内部で回転できるように構成されている。本体102の両サイドには、取手部102aが設けられ、スロットマシン100Aの運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100Aに投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131,132は、貯留されたメダルをスロットマシン100Aへ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100Aへ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン136a,中停止ボタン136b,右停止ボタン136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン136aを操作することによって左リール110が、中停止ボタン136bを操作することによって中リール111が、右停止ボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各停止ボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100Aの前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ150、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット161が設けられている。
また、スロットマシン100Aの上部(リール表示窓113の上方)には、演出ユニット装着ベイの開口前面を隠す上部装飾パネル170を設けてあり、この上部装飾パネル170には、上記タイトルパネル140と同様に、当該機種に応じた装飾が施されている。
上述した構成のスロットマシン100Aから上部装飾パネル170を取り外し、開放された演出ユニット装着ベイに演出ユニット180を装着し、内部に予め装備している演出ユニットベイとの接続用配線により接続することで、演出ユニット180が有するLCD(液晶表示器)181やスピーカ182を用いた演出が行えるスロットマシン100Bとなる(図3参照)。
〈制御ブロック〉
次に、図4を参照して、スロットマシン100(演出ユニット180の装備・非装備を区別しない場合の総称として、こう呼ぶ)が有する制御部の構成について詳述する。本実施形態における制御部は、全体を制御する主制御装置300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御装置400と、LCD181の表示制御を行うLCD表示制御部500とで構成されている。
〈主制御装置300〉
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
乱数発生器311は、乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。乱数値は、複数種類存在し、それぞれ処理内容に応じて使用される。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入ブロック134の投入口より投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、停止ボタン136a〜136cのいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、メダル投入ボタン131,132のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323等が接続されている。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、後述する各種テーブルデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
また、リール110乃至112の回転と停止を行うモーターを制御するモーター制御部331、及び、メダルホッパーを制御するホッパー制御部332が、入出力インターフェース330及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
演出用ランプ・表示器類341とは、図2で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器126、遊技回数表示器127等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース340およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。この出力インターフェース340を介して、当該スロットマシン100での遊技実績等に関するデータが外部集中端子板342へ出力され、この外部集中端子板342を経てホールコンピュータに収集される。
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御装置400の入力インターフェース430へ送信する。
〈副制御装置400〉
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御装置300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御装置400全体を制御する。
ROM411は、副制御装置400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
上記バス470および出力インターフェース420を介して接続されるバックライト421は、リールの絵柄を照らすライトで、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用発光表示部422は、上部ランプ150、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158等をまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。制御コマンド送信部423は、SubCPU410の指示に従って上記主制御部300から受けた制御コマンドを外部へ出力するもので、例えば、IrDAなどの無線通信用モジュールで構成する。データ送信部192は、SubCPU410の指示に従って外部(例えば、外部演出装置200)へデータ送信を行うものである。
音源信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて、音源信号を形成して出力する。この音源信号は、アンプ183で増幅された後、スピーカ182から音として出力される。なお、これらスピーカ182およびアンプ183は演出媒体として上記演出ユニット180に装備され、スロットマシン100に対して着脱が自在である。また、上記楽音信号形成部460から出力される音源信号は、データ変換部191へも供給され、このデータ変換部191で外部出力可能な形式に変換され、上記データ送信部192によって外部に出力される。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データをLCD表示制御部500へ送信する。この制御データに基づいて、LCD表示制御部500は、LCD181を表示制御する。なお、LCD表示制御部500は、副制御部400とは別の装置として構成することもできるが、本構成例においては、副制御部400の内部に含ませ、LCD181への表示データは、副制御部400から出力されるものとした。
〈LCD表示制御部500〉
SubCPU510は、副制御部400から送信された各種コマンドを入出力インターフェース530およびバス570を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて画像データを特定し、LCD181に表示させるべき画像データをビデオ・ディスプレイ・プロセッサー(以降VDP)550へ指示する。
ROM511は、LCD用SubCPU510の制御プログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。
VDP550は、指定された画像データを外部接続されたROM552から読み込んで描画処理を行うと共にRGB信号に変換して、出力インターフェース553を介して出力し、LCD181に表示を行わせる。この出力インターフェース553から出力される表示データ信号(RGB信号)は、上記データ変換部191へも供給されるものとし、このデータ変換部191で外部出力可能な形式に変換され、上記データ送信部192によって外部に出力される。
なお、スロットマシン100から演出媒体制御用の信号として外部に出力するのは、スピーカ182を制御するための音源信号とLCD181を制御するための表示データ信号だけに限定されない。例えば、演出用発光表示部422等の発光源を演出媒体と設定した場合には、その発光源制御用の信号を、データ変換部191で外部出力可能な形式に変換してデータ送信部192によって外部へ出力するようにしても良い。
ここで、データ信号送信部192から出力する演出媒体制御用の制御信号の出力先を、各スロットマシン100に対応させて設けた外部演出装置200とした場合の概略構成について、図5に基づき説明する。
遊技島10内には、ホールコンピュータと接続された島制御部12を設けてあり、この島制御部12と各外部演出装置200は島内接続ライン13により接続され、島制御部12からの宣伝広告(当該遊技店での営業上の告知情報など)を行うための制御信号が全ての外部演出装置200に供給される。なお、本構成例では、島制御部12から外部演出装置200への単方向通信としたが、外部演出装置200から島制御部12へも信号出力できるように双方向通信としても良い。
上記のように島制御部12と接続されている外部演出装置200は、各々1台のスロットマシン100Aもしくはスロットマシン100Bに対応するように設けてあり、この対応するスロットマシン100A,100Bからのみ制御信号を受けられるものとした。
上記のように各外部演出装置200と対応するように設置されたスロットマシン100A,100Bは、基本的に同一の構造で、主制御部300からのコマンドを受けて動作する副制御部400より出力される演出媒体制御用の制御信号を演出ユニット装着用ベイと外部出力部へ出力する。演出ユニット装着用ベイに演出ユニット180が装着されているスロットマシン100Bにおいては、副制御部400から出力された制御信号に応じてLCD181やスピーカ182による演出動作が実行される。一方、演出ユニット装着用ベイが空きになっているスロットマシン100Aにおいては、副制御部400から出力された制御信号による演出動作は行われないが、これら制御信号供給用の配線やコネクタは予め装備されているので、遊技台メーカーから遊技店に搬入された後であっても、簡単に演出ユニット180を用いた演出動作を行えるようにできる。
上記外部出力部は、副制御部400から演出媒体を制御する制御信号を受けて、これを外部に出力するもので、本構成例においては、制御信号を外部出力可能な出力形式に変換するデータ変換部191と、このデータ変換部191で変換されたデータを外部へ出力可能なデータ送信部192とで構成した。なお、上記データ送信部192は、近距離無線通信で単方向のデータ送信を行うするものとしたが、これに限らず、有線で通信を行っても良い。
ここで、上記副制御部400は、主制御部300からの演出コマンドに基づいて演出ユニット180やデータ変換部191へ出力する演出媒体制御用の制御信号を生成する際に、上記ROM411等に記憶されている演出データに予め設定されている外部送信可否情報を参照し、外部送信可能となっている演出データから演出媒体制御用の制御信号を生成して出力する場合には、上記データ送信部192へ変換データの外部送信許可信号を出力することで、データ送信部192によってデータ変換部191からの変換信号が外部へ出力されるのである。一方、演出データに設定されている外部送信可否情報が外部送信不要であった場合には、上記送信部192へ外部送信許可信号を出力しないことで、データ送信部192によるデータ送信は行われない。
すなわち、副制御部400は、「予め定めた外部出力判定基準に基づいて外部出力する制御信号と外部出力させない制御信号を選別し、外部出力する制御信号のみをデータ送信部によって外部へ出力させる外部出力選別部」としての機能を備え、外部演出装置200へ出力する制御信号(音源信号やRGB信号など)を選別することで、リーチ演出のような遊技上重要な演出についての制御信号のみを外部演出装置200へ送信し、外部出力不要な演出動作は演出ユニット180のみで行わせるような使い方ができる。なお、外部出力判定基準としては、上述した演出データの外部送信可否情報を参照するものに限らず、如何様に設定しても構わない。例えば、重要度に応じて演出動作に予めランク付けしておき、重要度の高いものは必ず外部出力し、重要度の低いものについては抽選により外部出力させたり外部出力させなかったりするものでも良い。
一方、上記スロットマシン100A,Bのデータ送信部192から演出媒体制御用の制御信号が送信される外部演出装置200は、データを受信するデータ受信部201と、該データ受信部201で受信したデータを制御情報に変換するデータ変換部202と、該データ変換部からのデータと、前記データ変換部202とは異なるデータ送出部である島制御部12からの入力データ(例えば、店内広告用の制御信号)の何れかを選択する選択部203と、該選択部203から選択的に供給される制御信号に基づいて演出媒体を駆動制御する演出媒体制御部204と、を備え、上記スロットマシン100より出力された演出媒体制御用の制御信号を用いて、演出媒体制御部204によって演出媒体であるLCD200aやスピーカ200bの駆動制御が行われる。
すなわち、演出ユニット180が装着されていないスロットマシン100Aにおいては、副制御部400から出力される演出媒体制御用の制御信号に基づいて、外部演出装置200のLCD200aに演出用の表示が行われ、また、スピーカ200bより演出用の効果音が出力されることとなり、演出ユニット180を備えていないスロットマシン100Aにおいては、外部演出装置200のみを用いて種々の演出を行うことができるのである。
しかも、遊技島10の上部装飾板11に設ける外部演出装置200は、比較的大型に構成することができるので、演出ユニット180に設けるLCD181より大画面の表示器をLCD200aとして用いることができ、迫力ある演出を行うことができる。加えて、スロットマシン100A,100Bが機種入れ替えで遊技店から撤去される場合でも、外部演出装置200は廃棄することなく、遊技島10に設置したままにしておくことができ、入れ替え後の機種も演出媒体制御用の制御信号を外部出力できる同一規格のものであれば、そのまま外部演出装置200を継続使用でき、経済効率も高いものとなる。
また、演出ユニット180と、これを装着する演出ユニット装着ベイを予め規格化しておき、演出ユニット180自体が他の機種と互換性を持つように遊技台を開発しておけば、機種入れ替えに際して演出ユニットを取り外して、入れ替え後の機種に装着するような運用が可能となり、遊技店におけるコスト削減になる。
なお、外部演出装置200は、対応するスロットマシン200からの制御信号やホールコンピュータからの制御信号に基づく演出媒体の動作制御を行うだけでなく、他の機能を設けるようにしても良い。例えば、遊技者が操作できるように設けた操作スイッチによって、対応するスロットマシン100における遊技履歴を表示させるような機能を付加しても良い。また、外部演出装置200に対する演出動作用の制御信号を供給するデータ送出部は、島制御部12からの一系統に限定されるものではなく、より多くのデータ送出部から制御信号が外部演出装置200へ入力されるものとし、上記選択部203が所定の基準に従って演出媒体制御部204へ送る制御信号を選択するようにしても良い。但し、スロットマシン100A,100Bからの制御信号による演出動作を最も優先して選択するように構成しておくことが望ましい。
次に、一対のスロットマシン100と外部演出装置200に着目し、スロットマシン100内で生成された演出制御用の制御信号が、外部演出装置200の演出媒体を動作させるまでの詳細を、図6に基づいて説明する。
主制御部300からのコマンドを受けて動作する副制御部400より出力される演出媒体制御用の制御信号として、たとえは、音源信号(アナログ,シリアル)はスピーカユニット184へ、発光信号(アナログ,シリアル)は発光部ユニット185へ、演出表示コマンド(アナログ,パラレル)はLCDユニット186へ各々出力されると共に、データ変換部191にも供給される。なお、上述した構成例では、LCD181とスピーカ182を一体に備えた演出ユニット180を着脱可能なものとしたが、本構成例のように、演出媒体毎に個別のユニット構成とし、演出媒体毎に着脱が可能な構成とすれば、故障した演出媒体のみを交換することも可能となり、一層利便性が良くなる。
上記データ変換部191は、A/D変換部とP/S変換部を備え、各制御信号を外部出力可能な形式(ディジタル,シリアル)に変換して、データ送信部192へ送る。これを受けたデータ送信部192は、副制御部400から外部送信許可信号を受けている時に限って、外部演出装置200のデータ受信部201へデータ送信を行うのである。
なお、データ送信部192とデータ受信部201の構成例としては、図7に示すように、高速シリアルインターフェースとして規格化されたIEEE1394(100Mbps)を用い、超高速近距離赤外線通信方式として提唱されているIrBurst(100Mbps)で送信する。このように、極く近距離での無線通信を採用することで、隣接するスロットマシン100に対応する外部演出装置200が誤動作する危険性を無くし、100Mbps程度の伝送容量を確保することで、伝送量の大きなRGB信号や音源信号を十分送信することが可能となる。無論、他の伝送方式を採用しても良いし、演出制御用の制御データ送信に適した独自の通信プロトコルを採用しても良い。
上記のようにして外部演出装置200へ送信されたデータは、データ変換部202に送られ、D/A変換部およびS/P変換部を備えるデータ変換部202によって制御信号が復元される。なお、上記スロットマシン100の副制御部400から演出媒体制御用に出力される制御信号が既に外部出力可能な形式(ディジタル,シリアル)で、演出媒体が一種類の場合には、送信前のデータ変換機能や送信後のデータ変換機能は不要となる。
上記データ変換部202がデータ受信部201から信号を受信して、データ変換を行う事に基づいて、選択部203へ選択先切り替え信号が出力される。すなわち、選択部203aは、島制御部12より入力された表示制御信号からデータ変換部202により変換された表示制御信号(スロットマシン100により生成された信号)に選択先を変え、選択部203bは、島制御部12より入力された発光制御信号からデータ変換部202により変換された発光制御信号(スロットマシン100により生成された信号)に選択先を変え、選択部203cは、島制御部12より入力された音源信号からデータ変換部202により変換された音源信号(スロットマシン100により生成された信号)に選択先を変える。
これら選択部203a〜203cの選択先の変更によって、スロットマシン100の副制御部400より出力された表示制御信号に基づく表示制御部204の制御によってLCD200aが表示制御されるようになり、スロットマシン100の副制御部400より出力された発光制御信号に基づく発光制御部205の制御によって発光部206が発光制御されるようになり、スロットマシン100の副制御部400より出力された音源信号がアンプ207により増幅されてスピーカ200bを作動させるようになる。
本実施形態に係る外部演出装置200においては、単にスロットマシン100に設けたスピーカユニット184,発光部ユニット185,LCDユニット186の動作そのままを再現するのではなく、副制御部400から演出媒体を制御するための制御信号が出力されていない間は、ホールコンピュータ20から島制御部12を介して外部演出装置200へ供給される制御信号による演出動作(店内広告の表示など)を行わせることができ、その一方、入賞役の発生など遊技進行上の重要な演出時には、各スロットマシン100から演出媒体制御用の制御信号が外部演出装置200へ送信されることで、外部演出装置200内の選択部203a〜203cにより速やかに演出動作用の制御信号入力先が切り替えられ、外部演出装置200の演出媒体がスロットマシン100からの制御信号により動作するようになり、効果的な演出を実現できる。
なお、スピーカユニット184、発光部ユニット185,LCDユニット186といった演出媒体を設けなかったスロットマシン100Aにおいては、外部演出装置200を当該スロットマシン100A専用の演出ユニットの如く利用できるように、筐体の適所に設定スイッチを設けておき、この設定スイッチによって外部演出装置200を当該スロットマシン100A専用の演出ユニットとして利用するモードに設定すると、副制御部400が全ての演出コマンド(もしくは重要度の低いデモモードのような一部の演出を除外した演出コマンド)に基づいて生成した制御信号を外部出力するような外部出力判定基準に変更されるような構成を付加しても良い。斯くする場合、スロットマシン100Aからは継続的に制御信号が外部演出装置200へ送信されることとなり、ホールコンピュータ20から島制御部12を介して送信される演出信号に基づく外部演出装置200の演出動作は行われないので、例えば、遊技者の意思で一時的に制御信号の外部出力を停止させるような機能を設けて、店内広告などの演出動作を外部演出装置200で遊技者が確認できるようにしても良い。
上述した実施形態に係るスロットマシン100においては、演出ユニット180(もしくは演出ユニット装着ベイ)へ出力する制御信号をそのままデータ変換部191へ送出し、該データ変換部191外部出力可能な形式に変換された変換データを送信するか否かの制御は、副制御部400がデータ送信部192の動作を制御することにより実現する構成としたが、これに限らず、副制御部400に、演出ユニット180(もしくは演出ユニット装着ベイ)への制御信号出力ポートとは別に外部出力用の制御信号出力ポートを設けておき、副制御部400内で選別した外部出力用の制御信号のみを外部出力用の制御信号出力ポートへ送出する構成とし、データ送信部192はデータ変換部191から受けた変換データを無条件で外部出力するようにしても良い。
また、本実施形態に係るスロットマシン100には、主制御部300から受けた制御コマンドを外部へ出力する制御コマンド送信部423を備えるものとしたので、外部演出装置200は制御コマンド受信部208を備えるものとし、制御コマンド送信部423からの制御コマンドを受信した制御コマンド受信部208から、島制御部12(あるいはホールコンピュータ20)へ送信するようにしても良い。斯く構成すれば、スロットマシン100からの制御コマンドに応じて島制御部12やホールコンピュータ20から外部演出装置200を制御させることができ、演出の幅が一層広がる。
なお、遊技島10の上部装飾板11の板面上に外部演出装置200のLCD200aがあると、遊技中の遊技者からは若干視認し難いという問題もある。そこで、例えば、図8に示すように、LCD200aを可動アーム機構209により支持する構造とすれば、遊技者が見易いようにLCD200aの画面位置を簡易に調整でき、遊技者の便に供することができる。
上述した実施形態においては、遊技島10に設けた全てのスロットマシン100に対して、夫々に外部演出装置200を設けるものとしたが、外部演出装置とスロットマシンとの対応はこれに限らず、2台〜3台のスロットマシンで一つの外部演出装置をシェアするようにしても良い。図9および図10に示すのは、遊技島10′の片面(複数のスロットマシン100が同じ向きに列設されている面)側を1台の移動式外部演出装置210を往復移動させることで、この移動式外部演出装置210を複数のスロットマシン100で共有できるようにした第2実施形態である。
遊技島10′の上部には、横長の移動レール14を架設してあり、移動式外部演出装置210は、このレール14に沿って遊技島10′の一端から他端へ往復移動する。なお、本実施形態に係る移動式外部演出装置210は、LCD210aをスロットマシン100の適宜上方位置に支持する装飾移動体として飛行船を模したバルーン210bを備えるものとし、移動式外部演出装置210の位置が、遊技島10′の端からでも良く見えるようにしてある。そして、バルーン210bがスロットマシン100に近づくと、LCD210aも近づくこととなり、そのスロットマシン100で遊技している遊技者に画面表示がよく見える状態となる。
なお、本実施形態の移動式外部演出装置210では、説明を簡単にするために、演出媒体としてLCD210aのみを備える構成としたが、これに限らず、上述した外部演出装置200と同様に、スピーカや発光部を演出媒体として備えるようにしても構わないし、或いは、バルーン210bが上昇・下降するような駆動機構を演出媒体の一種として組み込んで、移動方向への移動とは異なる態様で装飾移動体を動作させれは、視覚的にインパクトの大きな演出効果を期せる。
次に、移動式外部演出装置210と、その制御を行う周辺機構の概略構成について、図10に基づき説明する。
ホールコンピュータと接続された島制御部12は、島内接続ライン13により各スロットマシン100に対応させて設けた制御コマンド受信部15と接続され、各スロットマシン100の制御コマンド送信部423から送信された制御コマンド(例えば、当該スロットマシン100固有のID番号と演出コマンド)を受信し、これをホールコンピュータ20へ送信できるようにしてある。なお、本構成例では、各スロットマシン100から島制御部12およびホールコンピュータ200への単方向通信しか行えないが、これを双方向通信可能な構成として、ホールコンピュータ20や島制御部12からの制御信号や諸情報を各スロットマシン100へ送信するようにしても良い。
また、上記島制御部12と移動式外部演出装置210は双方向通信に対応した可動接続線16によって接続してあり、移動式外部演出装置210の移動に追随できるようになっている。なお、島制御部12と移動式外部演出装置210との間は、可動接続線16を用いた有線接続とせずに、遊技島10′内における移動式外部演出装置210の移動範囲をカバーできる中短距離無線通信を用いるようにしても良い。
上記のように島制御部12と双方向通信可能な構成とした移動式外部演出装置210は、各スロットマシン100のデータ送信部192から送出されるデータを受信するデータ受信部211と、該データ受信部211で受信したデータを制御情報に変換するデータ変換部212と、該データ変換部からの画像表示データと、前記データ変換部202とは異なるデータ送出部である島制御部12からの入力データ(例えば、店内広告用の画像表示データ)の何れか一方を用いてLCD210aの表示制御を行う画像表示制御部213と、島制御部12からの移動命令を受けるバルーン移動制御部214と、該バルーン移動制御部214からの制御信号に基づきバルーン210bを含む移動式外部演出装置210自身を所定方向へ移動させるバルーン駆動部215を備える。
なお、スロットマシン100としては、前述したスロットマシン100A或いは100Bのように、演出ユニットを着脱可能に装備させるための演出ユニット装着ベイを予め設けた構成でも良いし、これを省略して、副制御部400より出力される演出媒体制御用の制御信号は、データ変換部191およびデータ送信部192よりなる外部出力部によって外部へ出力するだけの構成とし、各スロットマシン100の外部にある外部演出装置で演出動作を行わせる方式に特化した構成でも良い。
ここで、上記のように構成した移動式外部演出装置210と、これを運用するための諸機能を備える遊技島10′およびホールコンピュータ20により、遊技島100′内のスロットマシン100に対する外部演出の具体的制御例を説明する。
例えば、各スロットマシン100から演出データが送信されていない通常時、バルーン210bは、遊技島10′の一端から他端へ比較的ゆっくりとした移動速度で往復動作を繰り返すものとし、ホールコンピュータ20から島制御部12を介して入力される広告画像などがLCD210aに表示されている。
あるスロットマシン100(図10においては、右から2番目のスロットマシン)において演出媒体の制御を行う状態が生じると、当該スロットマシン100のデータ送信部192より演出データが送信されると共に、制御コマンド送信部423より制御コマンド(ID+演出コマンド)も併せて送信される。
この時、データ送信部192より演出データが送信された時に、移動式外部演出装置210のデータ受信部211が受信できる位置にいなかった場合には、移動式外部演出装置210での外部演出動作は行われず、移動式外部演出装置210が移動して来るまで、そのスロットマシン100に対する外部演出を待たなければならない。
そこで、スロットマシン100の制御コマンド送信部423より送信された制御コマンドは、遊技島10′内の制御コマンド受信部15により受信されて、島制御部12を介してホールコンピュータ20へ送信されるものとし、これを受けたホールコンピュータ20より島制御部12を介して移動式外部演出装置210のバルーン移動制御部214へ移動命令(IDにより特定されるスロットマシン100への移動)が送信され、これに基づいてバルーン移動制御部214がバルーン駆動部215を制御して、速やかに演出データ送信中のスロットマシン100へ移動させるものとした。なお、ホールコンピュータ20が各遊技島10′における移動式外部演出装置210の移動制御を統括管理するものとしないで、遊技島10′内における島制御部12が移動式外部演出装置210の移動命令を行うようにしても良い。
上記バルーン移動制御部214は、バルーン210bが移動命令に基づくスロットマシン100の直上方へ移動すると、移動が完了した旨の信号を出力する。なお、各スロットマシン100に対して適正な位置にLCD210aが止まるようにバルーン駆動部215を制御する手法は特に限定されるものではなく、バルーン駆動部215の駆動量に基づいてバルーン210bの移動量を推定して停止位置を決めるようにしても良いし、各スロットマシン100毎に停止位置を検出するための指標部を設け、これを検出する機能を移動式外部演出装置210に設けて、停止位置が検出されるタイミングでバルーン210bを停止させる制御を行うようにしても良い。
上記のようにしてバルーン210bが制御信号出力中のスロットマシン100への移動を完了することで出力した移動完了信号は、島制御部12を介してホールコンピュータ20へ送信され、これを受けたホールコンピュータ20より島制御部12を介して移動式外部演出装置210の画像表示制御部213へ画像切換命令を送信する。この画像切換命令を受けることで、移動式外部演出装置210の画像表示制御部は、データ変換部212で変換された表示制御信号(スロットマシン100からの制御信号)に基づくLCD210aの画像表示制御を行うようになる。
すなわち、スロットマシン100から出力される制御コマンドに基づいて移動式外部演出装置210を呼び寄せ、移動式外部演出装置210のLCD210aに演出用の表示が行われるので、遊技島10′の片側に一つだけ設けた移動式外部演出装置210によって、各スロットマシン100の演出動作を外部の演出媒体で行うことが可能となる。しかも、移動式外部演出装置210においては、画像表示部たるLCD210aと装飾移動体たるバルーン210bを比較的大型に構成することができるので、移動式外部演出装置210を用いて演出動作を行っているスロットマシン100の存在を遠くからでも識別でき、他のスロットマシン100で遊技を行っている遊技者にも演出動作をアピールして、興趣を高められるという利点もある。
また、上述した実施形態の外部演出装置200と同様に、スロットマシン100が機種入れ替えで遊技店から撤去される場合でも、移動式外部演出装置210は廃棄することなく、遊技島10′に設置したままで継続使用することができ、入れ替え後の機種も演出媒体制御用の制御信号を外部出力できる同一規格のものであれば、そのまま移動式外部演出装置210を用いた演出動作が行えるので、経済効率も高いものとなる。
なお、複数台のスロットマシン100が列設された遊技島10′で一台の移動式外部演出装置210を共有する場合、外部演出のための制御信号を出力するスロットマシン100が2台以上になってしまう可能性もあり、それら外部演出動作を要求する複数台のスロットマシン100に対して、何れか1台のスロットマシン100を選んで移動式外部演出装置210は演出動作を行うこととなる。そのための選定基準は設計事項の範囲であり、特に限定されるものではないが、例えば、最初に外部演出要求のあったスロットマシン100の演出動作を優先させ、ある一定時間範囲(ほとんど同時と看做せる程度の短時間)内に複数のスロットマシンから外部演出要求のあった場合は、それらの中から外部演出を行う一台を抽選により決定し、当たった一台のスロットマシン100へバルーン210bを移動させて外部演出動作を行うようにしても良い。また、遊技島に複数の移動式外部演出装置を設けて、複数台のスロットマシンで同時に外部演出動作を行えるように構成しても良い。