JP2005287346A - 農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持剤及び冷蔵用鮮度保持方法 - Google Patents
農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持剤及び冷蔵用鮮度保持方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 炭酸塩と芳香族有機酸とからなり、炭酸ガスを発生することを特徴とする農園芸産物の鮮度保持剤。
【選択図】 なし
Description
即ち、本発明は、炭酸塩と芳香族有機酸とからなり、炭酸ガスを発生することを特徴とする農園芸産物の鮮度保持剤を提供する。
農園芸産物の鮮度保持のための有効手段として、農園芸産物の周辺における高炭酸ガス濃度の維持が挙げられる。農園芸産物の鮮度劣化は、酸素や農園芸産物自身の呼吸、農園芸産物自身が発生するエチレン等に起因すると考えられる。従って、農園芸産物の鮮度劣化を遅延させるためには、何らかの方法により農園芸産物の周辺の酸素ガスやエチレンガス濃度を低く抑え、呼吸を沈静化させることが必要である。又、農園芸産物の鮮度劣化に付随して起こる汚染菌の発生やクロロフィル劣化を原因とする緑色度の低下は、農園芸産物の商品価値を著しく下落させる。
タブレット化された鮮度保持剤は粉末状態の鮮度保持剤に比べて、取扱が容易であり、輸送しやすい。又、よりコンパクトであるので、スペース効率が高く、冷蔵庫等に置いても場所をとらない。これらの利点から、鮮度保持剤タブレットは実用性の高い形状として冷蔵庫用、容器用、鮮度保持袋用等、広範囲の用途に用いられる。
実施例1:5℃での鮮度保持剤(粉末)のブロッコリーに対するクロロフィル保持効果
ブロッコリー1株(約60g)を2分割又は3分割し、その各々を別々に表1に示す市販の鮮度保持袋(M又はG)に入れた。このうち、1つの鮮度保持袋は対照とし、残りの鮮度保持袋には鮮度保持剤を入れ、ブロッコリーの雰囲気に共存させた。鮮度保持剤は次のようにして鮮度保持袋に入れた。鮮度保持剤の粉末20g又は30gを麦茶パック(トキワ製:ポリエステル製、110×105mm)に入れ、更にこの麦茶パックをブロッコリーが入っている鮮度保持袋に入れた。対照の袋には、麦茶パックのみを入れた。このようにして、調整したブロッコリー入り鮮度保持袋を5℃で69日間保存し、各ブロッコリーのクロロフィル含量を測定した。これらの結果を表1に示した。表1の結果より、供試した鮮度保持剤は対照と比較すると、冷蔵条件下において、明らかにブロッコリーのクロロフィル劣化を防止し、鮮度保持効果を有することが分かった。
小型プレス機(蛍光X線測定用タブレット作成用)のシリンダー部に、桂皮酸と重曹を2:1(質量比)に混合した鮮度保持剤(K21)2.5gを入れ、215kgf/cm2の圧力で圧縮成型し、直径32mm、厚さ2mmのタブレットを作成した。このタブレット1個をティーパック((株)西友製「お茶パック」、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリエステル複合繊維、95×70mm)に入れ、ポリエチレン製のカップ(上径7.0cm、下径5.0cm、高さ8.5cm)の底に置き、その上に10gのブロッコリーを置いてカップの蓋をして密閉した。このカップを10℃で11日間放置し、カップの中のブロッコリーのクロロフィル含量を測定した。比較のため、タブレットを入れず、上記ティーパックのみを入れたカップを用意し、この中に入れたブロッコリーのクロロフィル含量も対照として同様に測定した。これらの結果を表2に示す。表2の結果より、供試した鮮度保持剤タブレットは対照と比較すると、10℃保存下において、明らかにブロッコリーのクロロフィル劣化を防止し、鮮度保持効果を有することが分かった。
小型プレス機(蛍光X線測定用タブレット作成用)のシリンダー部に、桂皮酸と重曹を2:1(質量比)に混合した鮮度保持剤(K21)2.5gを入れ、215kgf/cm2の圧力で圧縮成型し、直径32mm、厚さ2mmのタブレットを作成した。このタブレット1個をティーパック((株)西友製「お茶パック」、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリエステル複合繊維、95×70mm)に入れ、ポリエチレン製のカップ(上径7.0cm、下径5.0cm、高さ8.5cm)の底に置き、その上に15gのブロッコリーを置いてカップの蓋をして密閉した。このカップを10℃で14日間放置し、カップの中の炭酸ガス濃度をガス検知管を用いて測定した。比較のため、タブレットを入れず上記ティーパックのみを入れたカップを用意し、この中の炭酸ガス濃度も対照として同様に測定した。これらの結果を表3に示す。表3の結果より、供試した鮮度保持剤タブレットは対照と比較すると、10℃保存下において、明らかにブロッコリー共存雰囲気の炭酸ガス濃度を上昇させ、鮮度保持に有効であることが分かった。
小型プレス機(蛍光X線測定用タブレット作成用)のシリンダー部に、桂皮酸と重曹を2:1(質量比)に混合した鮮度保持剤(K21)2.5gを入れ、215kgf/cm2の圧力で圧縮成型し、直径32mm、厚さ2mmのタブレットを作成した。このタブレット1個をキムワイプ(十條キンバリー社製実験用ペーパー)に包み、150ml容ねじ口瓶の底に置き、その上に表4に示す野菜を置いて瓶の口をパラフィルムで密閉した。これらの瓶を11℃で8日間放置し、瓶の中の炭酸ガス濃度をガス検知管を用いて測定した。比較のため、タブレットを入れず上記キムワイプのみを入れた瓶を用意し、この中の炭酸ガス濃度も対照として同様に測定した。これらの結果を表4に示す。表4の結果より、供試した鮮度保持剤タブレットは対照と比較すると、11℃保存下において、明らかに野菜共存雰囲気の炭酸ガス濃度を上昇させ、鮮度保持に有効であることが分かった。
Claims (5)
- 炭酸塩と芳香族有機酸とからなり、炭酸ガスを発生することを特徴とする農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持剤。
- 炭酸塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持剤。
- 芳香族有機酸が、桂皮酸、コーヒー酸、p−クマル酸、安息香酸、バニリン酸およびシリンガ酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持剤。
- タブレット形状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵用鮮度保持剤を、冷蔵下、農産物・園芸産物と同一雰囲気中に共存させることを特徴とする農産物・園芸産物の冷蔵用鮮度保持方法。
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