JP2005287202A - 電動モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電動モータに発生する電流値を抑制するとともに、それによる性能低下を最低限に抑えた電動モータの制御装置を提供する。
【解決手段】 クラッチ機構3のアクチュエータであるクラッチ用電動モータ21と、機械式自動変速機構5のアクチュエータであるギヤシフト用電動モータ31への印加電圧を抑制する印加電圧制限手段65を変速機ECU内に備え、電動モータ21および31の回転速度と印加電圧制限比率の関係を示す印加電圧制限マップ66を前もって作成して変速機ECU内に持たせることにより、クラッチ操作、およびギヤシフト操作の際の電動モータ21および31の印加電圧を回転速度に応じて抑制する。回転速度が小さい範囲と、目標とする回転と逆転している場合に、抑制率を大きくする。
【選択図】 図2


Description

本発明は、車両に搭載された機械式自動変速機を駆動する電動モータの制御装置に関する。
近年、自動車の変速機として、マニュアル車と同様の変速ギヤ機構およびクラッチ機構にそれぞれアクチュエータを付設して自動変速を行えるようにした機械式自動変速機が開発、実用化され、主に、トラックやバス等の大型車を中心に適用されている。これらのアクチュエータとして、従来はエアシリンダを用いるのが一般的であったが、電動モータによるアクチュエータも提案されている。
電動モータをアクチュエータとして用いる場合、円滑なシフト操作を行うために電動モータの駆動力を制御することが望ましく、運転者による変速レバー操作の初期時点でシフト方向を検出して目標変速段を判定し、オーバーラン等の発生を防止する装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−330148号公報
特許文献1に開示された装置においては、目標変速段を変速レバー操作の初期時点で判断し、目標変速段にギヤインした場合のエンジンの回転速度を求め、その回転速度が許容範囲内にない場合には、電動モータを変速レバーのシフト動作方向とは逆方向に駆動することにより、オーバーランまたはアンダーランのない円滑なギヤチェンジを実現しようとするものである。
しかしながら、この装置においては、電動モータを駆動するために印加する電圧によって生じる過大な電流が装置に悪影響を及ぼすことについて考慮していない。すなわち、電動モータは、モータが低速回転、もしくは逆回転している状態で高い電圧を印加すると、高い電流値を発生し、これにより、電力源に負担がかかり電源電圧が降下したり、他の機器に悪影響を及したり、パワー回路や電動モータの負荷が過大になり、装置の故障につながるといった問題がある。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的は、電動モータアクチュエータに発生する電流値を抑制するとともに、それによる性能低下を最低限に抑えた電動モータの制御装置を提供することである。
前述する課題を解決するための本発明は、電力源と、電力源からの印加電圧を制御する制御手段と、制御手段により制御された印加電圧により駆動される電動モータと、電動モータにより駆動されるアクチュエータと、電動モータの回転速度を取得する回転速度取得手段と、回転速度取得手段により求めた回転速度に基づいて、制御手段が、電動モータに印加する印加電圧に制限を加える制限手段と、を備えることを特徴とする電動モータの制御装置である。アクチュエータは、自動変速機のギヤシフトユニット、あるいは、自動クラッチのクラッチアクチュエータであることが望ましい。
制限手段は、電動モータの回転速度と許容印加電圧との関係について前もって定めた所定の印加電圧制限マップに基づき、印加電圧を制限する。この印加電圧制限マップは、電動モータを正転させる場合、回転速度が0以下では印加電圧に所定の大きな制限を加え、回転速度0から所定の回転速度の範囲では、所定の、回転速度に反比例して減少する制限を加え、前記所定の回転速度以上の回転速度では、印加電圧に制限を加えないように設定することが望ましい。
また、電動モータを逆転させる場合、回転速度が0以上では印加電圧に所定の大きな制限を加え、回転速度0から所定の負の回転速度の範囲では、所定の、回転速度に反比例して減少する制限を加え、前記所定の負の回転速度以下の回転速度では、印加電圧に制限を加えないように設定することが望ましい。
印加電圧制限マップにおける所定の大きな制限、および、所定の回転速度、所定の負の回転速度は、予め実験により求める。すなわち、回転速度0において、電動モータに発生する電流値を最大許容電流値以下に制限するために必要な印加電圧の抑制率を所定の大きな制限とするとよい。また、正および負の最大印加電圧を印加し、最大許容電流が発生する電動モータの回転速度を、それぞれ、所定の回転速度、および、所定の負の回転速度とする。
さらに、回転速度0から所定の回転速度、および、回転速度0から所定の負の回転速度の範囲内の印加電圧抑制率を、所定の大きな制限の抑制率と抑制率0%の間で、回転速度の絶対値に反比例するように設定し、これを所定の回転速度に反比例して減少する制限とする。
このような印加電圧制限マップに基づいて電動モータに駆動電圧を印加することにより、モータの回転速度が低い範囲にある場合には、回転速度に反比例する抑制率で抑制された電圧が印加され、発生する電流値が過大になることを防ぐことができる。また、モータの回転速度が低い範囲にない場合には、印加電圧に抑制がかけられず、アクチュエータの性能低下をまねくことがない。逆転しているモータを正転に転じる場合には、大きな抑制を印加電圧にかけ、過大な電流値の発生を防ぐとともに、正転に転じるよう駆動することが可能である。
また、印加電圧制限マップを、逆転する電動モータの印加電圧制限に用いることにより、モータの回転速度が負の小さな範囲にある場合には、回転速度の絶対値に反比例した抑制率で抑制された電圧が印加され、発生する電流値が過大になることを防ぐことができる。また、モータの負の回転速度がある程度以上に大きい場合は、印加電圧に抑制がかけられず、アクチュエータの性能低下をまねくことがない。正転しているモータを逆転に転じる場合には、大きな抑制を印加電圧にかけ、過大な電流値の発生を防ぐとともに、逆転に転じるよう駆動することが可能である。
回転速度取得手段は、電動モータの回転速度を、電動モータに設置したセンサにより検出してもよいし、または、印加電圧から推定して求めてもよい。電動モータに設置したセンサで計測した回転速度、あるいは印加電圧から推定した回転速度を基に、電動モータに印加する電圧の抑制率を印加電圧制限マップから求め、電動モータに印加して駆動する。
本発明の電動モータアクチュエータ装置により、電動モータに過大な高電流を発生させず、電力源への負担が軽減され、電源電圧の降下の問題が解消される。また、パワー回路の負荷が低減されるため、電気的負荷容量の小さな機器を使用できるようになり、コストを抑えることが可能になる。さらに、電動モータの電気的負荷が軽減されることで、モータ寿命の延長も可能になる。
また、本発明の電動モータアクチュエータにより、電動モータへの過大な高電流の抑制を、前もって定めたマップに基づいて行えるので、複雑な演算を必要とせず、レスポンスの低下を招くことがない。
また、本発明の電動モータアクチュエータにより、回転速度が0以下では印加電圧に大きな制限を加え、回転速度0から所定の回転速度までは回転速度が小さくなるほど印加電圧に加える制限を大きくし、回転速度が所定回転速度以上の場合には、印加電圧に制限を加えないことで、高電圧値の印加時に高電流値が流れる恐れがある低回転時には印加電圧の抑制ができると共に、印加電圧を抑制する回転速度域から印加電圧の抑制を行わない回転速度域への切り換え時に滑らかに印加電圧が変化するため、切り換えショックが発生することもなく、ドライバビリティの低下を招くことがない。
以下、図面に基づいて本発明の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる機械式自動変速機の構成を示す構成図、図2は、電動モータへの印加電圧制御の概念を示す図、図3は、印加電圧制限マップの生成処理の流れを示すフローチャート、図4は、印加電圧制限マップを示す図である。
まず、本発明の形態に係る電動モータが適用されるクラッチ機構および機械式自動変速機について、図1に沿って説明する。エンジン1は、摩擦クラッチを有するクラッチ機構3と、そのクラッチ機構3を介してエンジン1の出力部に接続された機械式自動変速機構5を備える。クラッチ機構3には、クラッチ用アクチュエータとしてクラッチ用電動モータ(CCU)21が接続され、このクラッチ用電動モータ21が作動することによりクラッチ3が断接される。
また、機械式自動変速機構3は、ギヤシフト用電動モータ(GSU)31によって駆動され、変速操作が行われる。このギヤシフト用電動モータ31は、機械式自動変速機構3内にあるセレクト方向およびシフト方向の各ギヤシフト部材を駆動するための2組の電動モータからなる。変速時には、ギヤシフト用電動モータ31によってギヤシフト部材を駆動して、機械式自動変速機構3の噛合状態を切り替えることにより、変速段を所望の状態にシフトする。
エンジン1は、エンジン電子コントロールユニット(エンジンECU)43が出力するエンジン制御信号141により制御される。エンジンECU43は、制御プログラムに従って演算処理を実行する中央処理装置(CPU)431、制御プログラム等を格納するリードオンリーメモリ(ROM)435、演算結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)433、入出力インタフェース437、タイマ439等を有し、エンジン制御信号141や、エキゾーストブレーキ(エキブレ系)53を駆動するためのエキブレ駆動信号143を生成する。
エンジンECU43に入力される信号は、機械式自動変速機構5の出力側に備えられた車速センサ信号をパルスデバイダ49によりカウントして得られる車速信号135、エンジン1の回転数信号137、アクセルペダル9に取り付けられたアクセル踏込み量センサによるアクセル開度信号117、ニュートラル状態にあることを示す信号N位置信号139等であり、入出力インタフェース437を介して入力される。
また、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31は、変速機電子コントロールユニット(変速機ECU)41の制御信号を介して駆動される。変速機ECU41も、エンジンECU43と同様に、制御プログラムに従って演算処理を実行する中央処理装置(CPU)411、制御プログラムや、後述する印加電圧制限マップ等を格納するリードオンリーメモリ(ROM)415、演算結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)413、入出力インタフェース417、タイマ419等を有する。
入出力インタフェース417を介して、チェンジレバーユニット13の操作信号であるチェンジレバーユニット信号113、パーキングブレーキ11が引かれるとONとなりパーキングブレーキの作動を伝えるパーキングブレーキ操作信号115、アクセルペダル9に取り付けられたアクセル踏込み量センサによるアクセル開度信号117、ブレーキペダル7が踏込まれるとONになりブレーキの作動を伝えるブレーキペダル操作信号119、クラッチ用電動モータ21が出力するクラッチストローク信号121、ギヤシフト用電動モータ31が出力するシフト・セレクトストローク信号123、クラッチ機構3の出力側回転数であるクラッチ回転数信号125、クラッチ機構3で検出されるクラッチ磨耗・ストローク信号127、機械式自動変速機構5の出力側に備えられた車速センサ信号をパルスデバイダ49によりカウントして得られる車速信号129、エンジン1の回転数信号131等が変速機ECU41に入力される。
そして、変速機ECU41が、これらの入力信号や、後述する印加電圧制限マップを基に処理することにより、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31を駆動するための駆動信号(それぞれ、CCUモータ駆動信号103およびGSUモータ駆動信号105)、電源信号101を入出力インタフェース417を介して出力する。また、変速機ECU41は、機械式自動変速機構5のギヤ位置を示すギヤ位置信号111をインジケータ15に出力する。
変速機ECU41が出力したCCUモータ駆動信号103およびGSUモータ駆動信号105、電源信号101は、パワー回路であるドライブユニット45に入力される。ドライブユニット45はバッテリ47に接続されており、前述のCCUモータ駆動信号103に従ってクラッチ用電動モータ21に電圧を印加し、GSUモータ駆動信号105に従ってギヤシフト用電動モータ31に電圧を印加する。
変速機ECU41は、運転者がチェンジレバーユニット13のレバーをドライブ“D”に入れている状態では、入力される車両の種々の走行状態(例えば、車速やエンジン負荷)を示す信号を基に、最適変速段へ変速段切り替えを行うよう、クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31を制御する(自動シフトモード)。一方、運転者が手動操作で変速段のシフト指令を行うことも可能で、運転者がチェンジレバーユニット13のレバーを“+”あるいは“−”に入れると、現在の変速段を1段上げる、あるいは1段下げるためのチェンジレバー操作信号113が変速機ECU41に入力され、この信号に基づいてクラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31を制御する(手動シフトモード)。
すなわち、変速機ECU41は、自動シフトモードの場合、車速やエンジン負荷などの走行状態の情報を基に、変速段の切り替えの必要性を判断し、これに伴い、クラッチ切断−ギヤシフト−クラッチ接合の制御を行い、手動シフトモードが選択された場合には、運転者のシフト指令に基づき、クラッチ切断−ギヤシフト−クラッチ接合の制御を行う。
次に、変速機ECU41によるクラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31の制御装置および制御方法について説明する。クラッチ用電動モータ21およびギヤシフト用電動モータ31の制御は、変速ECU41において、各々別に行われるが、両制御方法は同様であり、説明においては、クラッチ用電動モータ21とギヤシフト用電動モータ31の制御方法を区別せずに説明する。
図2に示すように、変速機ECU41の出力(印加電圧指示75)はパワー回路(ドライブユニット)45に入力され、パワー回路45に接続されている電力源(バッテリ47)により、クラッチ用電動モータ21あるいはギヤシフト用電動モータ31を駆動する電圧を印加する。クラッチ用電動モータ21の場合は、図1のCCUモータ駆動信号103が、ギヤシフト用電動モータ31の場合は、図1のGSUモータ駆動信号105が、印加電圧指示75としてパワー回路45に入力される。
変速機ECU41のCPU411は、入出力インタフェース417を介して入力される種々の信号を基に、ROM415に格納されている制御プログラムに従って、各電動モータ(21、31)を駆動するための印加電圧指示75を算出する。この制御プログラムでは、まず、制御目標設定手段61において、入力される各種信号を判断、処理し、制御目標69を生成する。そして、次に、電動モータ(21、31)の現在の状態を示す情報であるアクチュエータ位置情報71と制御目標69の差分を入力として公知のPID制御則63によるPID制御を行う。そして、その出力に対して、印加電圧制限手段65により、回転速度取得手段67により得た電動モータ(21、31)の回転速度73に基づいて印加電圧の制限処理を行う。このとき、電動モータ(21、31)の回転速度73が0に近い場合、および制御目標の回転とは逆回転をしている場合には、後述する印加電圧制限マップ66に基づき、印加電圧に制限を加える。
クラッチ用電動モータ21の印加電圧制御の場合、制御目標設定手段61は、クラッチストロークの目標値を制御目標69として設定し、出力する。一方、クラッチ用電動モータ21からは、アクチュエータ位置情報71として入出力インタフェース417を介してクラッチストローク信号121が入力される。この実クラッチストローク値が制御目標値69に近づくように、PID制御則63によるPID制御をまず行う。PID制御では、制御目標値に収斂していく初期段階で制御目標値を上回る大きな電圧が印加される。これを抑えるために、次に、印加電圧制限手段65を実行する。すなわち、大きな印加電圧が高電流等の悪影響を及ぼすクラッチ用電動モータ21の回転速度が小さい領域、および、目標値とは逆の回転をしている領域において、後述の印加電圧制限マップ66に基づいた印加電圧の制限を行う。
一方、ギヤシフト用電動モータ31の印加電圧制御の場合、制御目標設定手段61は、シフト方向およびセレクト方向のストローク値を制御目標値69として設定し出力する。一方、ギヤシフト用電動モータ31からは、アクチュエータ位置情報71として、実際のシフト方向およびセレクト方向のストローク信号123が入出力インタフェース417を介して入力される。この実ストローク値が制御目標値69に近づくように、まず、PID制御則63によるPID制御を行い、それに基づく印加電圧値を求めPID制御値64として出力する。そして、この出力に対して印加電圧制限手段65を実行する。すなわち、大きな印加電圧が高電流等の悪影響を及ぼすギヤシフト用電動モータ31の回転速度が小さい領域、および、目標値とは逆の回転をしている領域において、後述の印加電圧制限マップ66に基づいた印加電圧の制限を行う。実際には、ギヤシフト用電動モータ31は、シフト方向用とセレクト方向用の2つの電動モータを備えており、それぞれの電動モータの印加電圧制御が変速機ECU41により行われることになる。
印加電圧制限手段65は、回転速度取得手段67により得られるクラッチ用電動モータ21あるいはギヤシフト用電動モータ31の回転速度に基づいて印加電圧の制限処理を行う。回転速度取得手段67は、例えば、クラッチ用電動モータ21やギヤシフト用電動モータ31に取り付けた回転速度センサにより、各電動モータの回転速度を検出したり、演算により各電動モータの回転速度を推定して求める。
次に、印加電圧制限手段65で用いる印加電圧制限マップ66について説明する。前述したように、印加電圧制限手段65では、電動モータ(21、31)の回転速度が小さい領域、および、目標値とは逆回転をしている領域において印加電圧を制限するために、前もって実験により定めた印加電圧制限マップ66を用いる。印加電圧制限マップ66は、電動モータの回転速度と、PID制御則63により求めた印加電圧(PID制御値64)にかける制限比率の関係を示すものである。印加電圧制限マップ66は、電動モータの種類により異なる。
印加電圧制限マップ66は、図3に示すような処理の流れに従い決定される。すなわち、まず、電動モータ(21、31)に印加する最大電圧Vmaxと、許容最大電流Imaxを決定する(ステップ601)。最大電圧Vmaxおよび許容最大電流Imaxは、電動モータ(21、31)の定格等により定める値であり、例えば、最大電圧Vmax=24V、許容最大電流Imax=40A等に定める。
次に、電動モータ(21、31)の回転速度を0にした状態で、電流値が許容最大電流Imaxに抑まる印加電圧Vを測定し、最大電圧Vmaxとの比V/Vmaxを求め、印加電圧比a(%)=V/Vmax×100とする(ステップ602)。また、次に、最大電圧Vmaxを印加し、正転を与えた場合に、許容最大電流Imaxが発生する回転速度bを測定し(ステップ603)、最大電圧Vmaxを印加し、逆転を与えた場合に、許容最大電流Imaxが発生する回転速度bを測定する(ステップ604)。
以上の測定結果から、電流モータ(21、31)の回転速度Bと印加電圧比Aの関係を示す印加電圧制限マップ66を作成する(ステップ605)。すなわち、正転を与える場合は、回転速度B≦0の範囲では、印加電圧比A=aとし、電動モータ(21、31)にかける印加電圧をPID制御値64のa(%)とし、回転速度B≧bの範囲では、印加電圧比A=100(%)とし、PID制御値64の電圧をそのまま印加する。そして、回転速度Bが0<B<bの範囲では、印加電圧比AをA=a(%)(回転速度B=0のとき)、A=100(%)(回転速度B=bのとき)の間で回転速度Bに比例するように設定する。一方、逆転を与える場合は、回転速度B≧0において、印加電圧比A=a(%)とし、回転速度B≦bのとき印加電圧比A=100(%)とし、回転速度Bがb<B<0の範囲では、印加電圧比AをA=100(%)(回転速度B=bのとき)とA=a(%)(回転速度B=0のとき)の間で回転速度Bに比例するように設定する。以上のように、各電動モータ(21、31)についてa、b、bを測定することにより、印加電圧比Aを求め、これを印加電圧制限マップ66とする。
各電動モータ(21、31)について作成された印加電圧制限マップ66は、変速機ECU41のROM415に格納され、印加電圧制限手段65がこれを参照して、各電動モータ(21、31)に印加する電圧が決定される。図4に示した印加電圧制限マップ66では、例として、印加電圧比a=50%としている。上側のマップが電動モータ(21、31)を正転させる場合の印加電圧制限マップ81、下側のマップが逆転させる場合の印加電圧制限マップ83である。
次に、クラッチ用電動モータ21の場合を例として、印加電圧制限マップ66を使用した印加電圧制限の作用を説明する。クラッチ機構3のクラッチが既に長く接続されている状態から切断状態に移行させる場合、クラッチ用電動モータ21の回転速度は0か0に近い状態にあると考えられる。このとき、クラッチを切断するためには、クラッチストロークを正の方向に増加させる必要があり、電動モータ21を正転させる正転の印加電圧制限マップ81を使用して印加電圧を制限する。印加電圧制限手段65は、このときのクラッチ用電動モータ21の回転速度Bを回転速度取得手段67により求め、印加電圧制限マップ81の回転速度Bの値を参照する。回転速度Bの値によりマップの印加電圧比Aを参照し、PID制御値64の電圧値Vが、例えば最大電圧24Vに印加電圧比Aを乗じた電圧値が上限となるように電動モータ21に印加するよう印加電圧指示75を出力する。これにより、印加電圧が制限されるので、過大な電流が生じることはない。
さらに、このような印加電圧制限によりクラッチ用電動モータ21に電圧を印加し続けると、回転速度Bが徐々に上昇し、印加電圧も徐々に増加する(矢印I)。そして、回転速度B≧bになると、印加電圧が100(%)となり、PID制御値64の電圧値Vをそのままクラッチ用電動モータ21にかけることが可能になる。
また、クラッチが接続されようとしている時点に、再びクラッチを切断するような場合には、逆転している電動モータ21を正転に転じてクラッチストロークを増加させる必要があり、正転の印加電圧制限マップ81を使用して印加電圧を制御する。このとき、回転速度取得手段67により求められる回転速度BはB<0と考えられ、印加電圧制限マップ81を参照し、印加電圧比Aをa(=50%)とする。本実施の形態による印加電圧制限マップ81においては、B<0ではA=a(50%)で一定に設定されている。電動モータの逆転により高い電流が発生することが考えられるが、電動モータ21を逆転から正転に転じるよう駆動するためにある程度の駆動力が必要である。そのために、B<0では大きな印加電圧制限値であるA=a(50%)に設定し、発生する電流値を許容の範囲に小さく押さえることを可能にしている。印加電圧制限マップ81を参照して印加電圧比Aを求め、PID制御値64の電圧値Vが、例えば、最大電圧24Vに印加電圧比Aを乗じた電圧値が上限となるように電動モータ21に印加する。またこのような制限した印加電圧を加え続けることにより、電動モータ21の回転速度は矢印I方向に徐々に移動し、正転に転じ、印加電圧率Aを徐々に増大させ、B≧bになれば印加電圧を100%として、制限を解除する。
次に、切断しているクラッチを接続する場合について説明する。クラッチを接続する場合はクラッチストロークを減少させることになり、電動モータ21には負の電圧を印加する。よって、印加電圧制限手段65は逆転の印加電圧制限マップ83を参照して、電動モータ21の印加電圧を制限する。通常、クラッチは、ギヤのシフト前に切られ、ギヤシフトの完了とともに接続されるので、クラッチが接続される時点では、クラッチ用電動モータ21の回転速度は0か0に近い正転と考えられる。またクラッチを切り始めたところで再び接続する場合、その時点では、クラッチ用電動モータ21は正転している。印加電圧制限手段65は逆転の印加電圧制限マップ83を参照し、その時点の回転速度Bにおける印加電圧比Aによって印電動モータ21の印加電圧を制限する。すなわち、正転している場合には、A=a(=50%)の印加電圧比をPID制御値64の電圧値Vに乗じた電圧を電動モータ21に印加する。これにより、印加電圧が制限されるので、過大な電流が生じることはない
さらに、このような印加電圧制限によりクラッチ用電動モータ21に電圧を印加し続けると、回転速度Bは矢印Jの方向に移動する。そして、回転速度が逆転に転じ、回転速度B<0になると、印加電圧比Aを徐々に増加させ、B≦bでは印加電圧比A=100(%)となり、PID制御値64の電圧値Vをそのままクラッチ用電動モータ21にかけることが可能になる。
以上の説明ではクラッチ用電動モータ21について一般的な場合を例に説明したが、クラッチ操作のその他の場合においても、同様に、正転の印加電圧制限マップ81または逆転の印加電圧制限マップ83を参照して、その時点ごとの電動モータ21の回転速度に即した印加電圧制限を行うことが可能である。また、ギヤシフト用電動モータ31の場合もクラッチ用電動モータ21の場合と同様に、印加電圧制限マップ66を使用して電動モータ31の印加電圧を制限することが可能である。
以上に説明したように、前もって作成し変速機ECU41のROM415に格納された印加電圧制限マップ66を印加電圧制限手段65が参照し、その時点ごとに回転速度取得手段67により得られる電動モータ(21、31)の回転速度に基づいた印加電圧制限を行うことにより、電動モータ(21、31)における過大な電流の発生を抑制することが可能になる。また、電動モータ(21、31)に印加する電圧を制限することで、クラッチ機構3および機械式自動変速機構5の追従性等の性能低下も考えうるが、印加電圧に制限を与える範囲を目標値とは逆の回転をしている場合と、回転速度が0に近い範囲に限っているので、性能低下は最小限に抑えられ、車両性能に及ぼす影響は無視可能な範囲である。
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。例えば、本実施の形態では、印加電圧制限マップ66における許容最大電流量Imaxの値を例として40Aとしたが、この値は、電動モータの定格や目標性能等に応じて変えることが可能である。また、図4においては、回転速度0において許容最大電流量Imaxに抑えるための印加電圧比aの例が50%であったが、この値aも種々に変えることが可能である。
本発明の電動モータの制御装置により、電動モータに発生する電流が抑制され、それにより、電動モータ、電力源、その他の機器に過剰な負荷をかけることがなくなり、電動モータの寿命が延びるとともに、性能の良い車両を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかる機械式自動変速機の構成を示す構成図 電動モータへの印加電圧制御の概念を示す図 印加電圧制限マップ66の生成処理の流れを示すフローチャート 印加電圧制限マップ66を示す図
符号の説明
1………エンジン
3………クラッチ機構
5………機械式自動変速機構
21………クラッチ用電動モータ
31………ギヤシフト用電動モータ
41………変速機ECU
43………エンジンECU
45………ドライブユニット(パワー回路)
47………バッテリ(電力源)
65………印加電圧制限手段
66………印加電圧制限マップ

Claims (7)

  1. 電力源と、
    前記電力源からの印加電圧を制御する制御手段と、
    前記制御手段により制御された印加電圧により駆動される電動モータと、
    前記電動モータにより駆動されるアクチュエータと、
    前記電動モータの回転速度を取得する回転速度取得手段と、
    前記回転速度取得手段により求めた前記回転速度に基づいて、前記制御手段が、前記電動モータに印加する印加電圧に制限を加える制限手段と、
    を備えることを特徴とする電動モータの制御装置。
  2. 前記制限手段は、前記電動モータの回転速度と許容印加電圧との関係について前もって定めた所定の印加電圧制限マップに基づき、印加電圧を制限することを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
  3. 前記印加電圧制限マップは、前記電動モータを正転させる場合、回転速度が0以下では印加電圧に所定の大きな制限を加え、回転速度0から所定の回転速度の範囲では、所定の、回転速度に反比例して減少する制限を加え、前記所定の回転速度以上の回転速度では、印加電圧に制限を加えないことを特徴とし、
    前記電動モータを逆転させる場合、回転速度が0以上では印加電圧に所定の大きな制限を加え、回転速度0から所定の負の回転速度の範囲では、所定の、回転速度に反比例して減少する制限を加え、前記所定の負の回転速度以下の回転速度では、印加電圧に制限を加えないことを特徴とする請求項2記載の電動モータの制御装置。
  4. 前記印加電圧制限マップは、回転速度0において、電動モータに発生する電流値を最大許容電流値以下に制限するために必要な印加電圧の抑制率を前記所定の大きな制限とし、また、正および負の最大印加電圧を印加し、最大許容電流が発生する電動モータの回転速度を、それぞれ、前記所定の回転速度、および、前記所定の負の回転速度とし、これら前記所定の大きな制限の抑制率、および、前記所定の回転速度、前記所定の負の回転速度を予め実験により求め、
    さらに、回転速度0から前記所定の回転速度、および、回転速度0から前記所定の負の回転速度の範囲内の印加電圧抑制率を、前記所定の大きな制限の抑制率と抑制率0%の間で、回転速度の絶対値に反比例するように設定し、これを前記所定の回転速度に反比例して減少する制限とすることを特徴とする請求項3記載の電動モータの制御装置。
  5. 前記アクチュエータは、自動変速機のギヤシフトユニットであることを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
  6. 前記アクチュエータは、自動クラッチのクラッチアクチュエータであることを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
  7. 前記回転速度取得手段は、電動モータの回転速度を、前記電動モータに設置したセンサにより検出、または、印加電圧から推定して求めることを特徴とする請求項1記載の電動モータの制御装置。
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