JP2010266226A - 燃費走行制御時の補助制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】惰行制御中にドライバーの加速/減速の意志に応じてエコメータの表示を変動させ、惰行制御時にドライバーが感じる違和感の低減を図ると共に、惰行制御を維持するようにドライバーに喚起する燃費走行制御時の補助制御装置を提供する。
【解決手段】惰行制御中に、エコメータ13に表示される車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させるエコメータ表示制御手段15を備え、エコメータ表示制御手段15は、惰行制御が終了しそうになったとき、エコメータ13に表示される燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させた方向と反対の方向に反転させて変動させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃費走行制御時におけるドライバーの違和感を低減すると共に、燃費走行制御を維持するようにドライバーに喚起する燃費走行制御時の補助制御装置に関するものである。
車両において、クラッチが断のとき、アクセルペダルが踏み込まれると、アクセルが開かれてエンジンがいわゆる空ぶかしとなり、エンジン回転数は、アクセル開度に対応したエンジン回転数に落ち着く。このとき、エンジンが発生させた駆動力とエンジン内部抵抗(フリクション)とが均衡し、エンジン出力トルクは0である。すなわち、エンジンは、外部に対して全く仕事をせず、燃料が無駄に消費される。
エンジンが外部に対して仕事をしない状態は、前述したクラッチ断のときの空ぶかしに限らず、車両の走行中にも発生している。このとき、エンジンは、空ぶかしのときと同じようにアクセル開度に対応したエンジン回転数で回転するだけで、車両の加速・減速に寄与しない。したがって、エンジンを回転させるためだけに燃料が消費されており、非常に無駄である。
本出願人は、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にし、エンジンをアイドル状態に戻して燃料消費を抑える惰行制御を行う惰行制御装置を提案した(特許文献2)。
惰行制御は、クラッチを自動で断接できる機構を搭載した車両において、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに自動でクラッチを切り、エンジン回転数をアイドリング回転数又は相当する回転数とする事で、燃費を向上させる手法である。
また、本出願人は、加速時にクラッチが断にされてドライバーがトルク抜けなどの違和感を感じてしまうことを抑制すべく、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とする惰行制御判定マップを作成し、この惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が予め設定された惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始する惰行制御装置を提案中である。
惰行制御は、上述のように自動でエンジン出力を切る(自動でクラッチを断接する)ことができる車両であれば適用できるので、マニュアル式のクラッチシステム(マニュアルT/M)に限らず、自動式のクラッチシステム(通常のトルコンATやAMT)においても同様の効果を得ることが可能である。
また、近年、燃費運転のために平均燃費計や瞬間燃費計などの燃費計、あるいはエコメータ等が搭載されてきている。これら燃費計やエコメータでは、車両に搭載されたECM(エンジン・コントロール・モジュール)やBCM(ボディ・コントロール・モジュール)にて、ECMで得た燃料噴射量と車速(又は距離)から平均燃費や瞬間燃費を計算し、得られた平均燃費や瞬間燃費を基に燃費や燃費に対する評価値を表示するよう制御されている。
瞬間燃費(km/L)は、単位時間(例えば1秒)ごとに、車速(km/h)を燃料噴射量(L/h)で除することで求められる。瞬間燃費の値が大きいと、その瞬間での燃費が良いことを表し、瞬間燃費の値が小さいと、その瞬間での燃費が悪いことを表す。また、平均燃費は、トリップメータをリセットするなどして平均燃費をリセットした時点から、瞬間燃費を積算平均することで求められる。
エコメータは、平均燃費に対する瞬間燃費の評価値を燃費評価値として表示するものであり、アナログ表示やデジタル表示など様々なものがある。このエコメータの一例を図16に示す。
図16のエコメータでは、平均燃費=瞬間燃費であるときに、メータが中央のニュートラル位置となるようにし、平均燃費<瞬間燃費であるときにプラス側(燃費が良い)、平均燃費>瞬間燃費であるときにマイナス側(燃費が悪い)に振れるように構成され、ドライバーに燃費運転を励行できるようにしている。
より具体的には、図17(a)に示すように、アクセル全開時には、瞬間燃費が平均燃費よりも非常に小さくなる(燃費が悪くなる)ため、エコメータが表示する燃費評価値がマイナス側に大きく振れる。同様に、図17(b)に示すように、加速時には、瞬間燃費が平均燃費よりも小さくなるため、エコメータが表示する燃費評価値がマイナス側に振れることになる。
また、図17(c)に示すように、燃料カット時には、瞬間燃費が平均燃費よりも非常に大きくなる(燃費が良くなる)ため、エコメータが表示する燃費評価値がプラス側に大きく振れる。同様に、図17(d)に示すように、アクセル緩め時には、瞬間燃費が平均燃費よりも大きくなるため、エコメータが表示する燃費評価値がプラス側に振れることになる。
惰行制御作動時には、図18に示すように、S−ECOランプなどの作動ランプを点灯させ、惰行制御中であることをドライバーに伝達する。上述のように、惰行制御では、惰行制御開始時の車両条件を維持できる状態で制御するので、例えば、車速が低い状態で惰行制御に入った場合には、瞬間燃費が比較的小さくなるため図19(a)に示すような表示となり、車速が高い状態で惰行制御に入った場合には、瞬間燃費が比較的大きくなるため図19(b)に示すような表示となる。
特開平8−67175号公報 特開2006−342832号公報
ところで、惰行制御中のエンジン回転数は、ドライバーがアクセルペダルを操作したとしても、惰行制御が終了しない限り、常にアイドル回転数に固定される。
そのため、惰行制御時の燃料噴射量は、エンジン回転数と同様に一定(固定)となる。また、惰行制御中の車速は、走行状態(路面状態や風等)の変化がない限りほぼ一定となる。したがって、燃料噴射量と車速から瞬間燃費を計算して表示しているエコメータは、惰行制御中には、ほぼ一定の燃費評価値を表示したまま停止した状態となってしまう。
通常の運転時には、停止時以外にエコメータが停止することは殆どないため、惰行制御に移行してエコメータの表示が停止すると、運転状況によってはドライバーが勘違いし、アクセルを緩めたり、故障かと感じて不要なアクセル操作をしてしまい、惰行制御が終了してしまうおそれがある。その結果、惰行制御維持時間が短くなり、燃費向上効果を得難くなってしまうという問題がある。
上述のように、惰行制御中には、S−ECOランプなどの作動ランプを点灯させているが、これは単にドライバーに惰行制御中であることを伝達しているだけであり、ドライバーが惰行制御中に感じる違和感を低減しているとはいえない。したがって、ドライバーが惰行制御中に感じる違和感自体を低減し、不要なアクセル操作をより抑制することにより、さらなる燃費向上効果を得ることが望まれる。
また、比較的アクセル操作をON/OFF的に操作するドライバーでは、惰行制御に入り難く、また入ったとしてもすぐに外れてしまうケースが多い。この場合、車両にエコメータを搭載すればかなり改善されるが、上述の問題があるため、一定以上の改善は望めない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、惰行制御中にドライバーの加速/減速の意志に応じてエコメータの表示を変動させ、惰行制御時にドライバーが感じる違和感の低減を図ると共に、惰行制御を維持するようにドライバーに喚起することが可能な燃費走行制御時の補助制御装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、走行中にエンジンが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にすると共に、エンジン回転数をアイドル回転数に落として惰行制御する燃費走行制御装置と、燃料噴射量と車速から瞬間燃費を演算すると共に、その瞬間燃費の積算平均値である平均燃費を演算する燃費演算部と、平均燃費に対する瞬間燃費の評価値を燃費評価値として表示するエコメータとを備えた走行体に搭載される燃費走行制御時の補助制御装置であって、前記惰行制御中に、前記エコメータに表示される車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させるエコメータ表示制御手段を備え、前記エコメータ表示制御手段は、前記惰行制御が終了しそうになったとき、前記エコメータに表示される燃費評価値を、前記アクセル開度に応じて変動させた方向と反対の方向に反転させて変動させる燃費走行制御時の補助制御装置である。
前記燃費走行制御装置は、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域とエンジン出力トルクが正となるプラス領域との境界となるエンジン出力トルクゼロ線に沿わせて惰行制御しきい線が設定された惰行制御判定マップを備え、該惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が前記惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始するようにされ、前記エコメータ表示制御手段は、前記惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記マイナス領域側であるか、あるいは前記プラス領域側であるかを判定する判定部と、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記マイナス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値を、車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値からプラス側に変動させ、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記プラス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値を、車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値からマイナス側に変動させる表示制御部とを備えてもよい。
前記表示制御部は、現在のクラッチ回転数における前記惰行制御しきい線上のアクセル開度を求め、求めたアクセル開度と現在のアクセル開度の差に応じて、前記エコメータに表示される燃費評価値を変動させてもよい。
前記惰行制御判定マップは、前記マイナス領域と前記プラス領域との間に前記エンジン出力トルクゼロ線を含む有限幅の惰行制御可能領域が設定され、前記燃費走行制御装置は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が前記惰行制御可能領域から外に出たとき、惰行制御を終了するようにされ、前記惰行制御判定マップに、その惰行制御可能領域の前記マイナス領域との境界付近にマイナス側反転制御しきい線を設定すると共に、前記惰行制御可能領域の前記プラス領域との境界付近にプラス側反転制御しきい線を設定し、前記表示制御部は、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記マイナス領域側であり、かつ、前記マイナス側反転制御しきい線よりも前記マイナス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値をマイナス側に反転させて変動させ、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記プラス領域側であり、かつ、前記プラス側反転制御しきい線よりも前記プラス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値をプラス側に反転させて変動させてもよい。
本発明によれば、惰行制御中にドライバーの加速/減速の意志に応じてエコメータの表示を変動させ、惰行制御時にドライバーが感じる違和感を低減でき、惰行制御を維持するようにドライバーに喚起することができる。
本発明の燃費走行制御時の補助制御装置が適用される車両の入出力構成の一例を示す図である。 本発明の燃費走行制御時の補助制御装置が適用される車両の入出力構成の一例を示す図である。 本発明の燃費走行制御時の補助制御装置が適用される車両のクラッチシステムのブロック構成図である。 図3のクラッチシステムを実現するアクチュエータの構成図である。 燃費走行制御の概要を説明するための作動概念図である。 惰行制御判定マップのグラフイメージ図である。 燃費走行制御による燃費削減効果を説明するためのグラフである。 実際に燃費走行制御が行われた惰行制御判定マップの図である。 本発明において、α制御を行う領域とβ制御を行う領域を説明する図である。 本発明において、α制御の動作を説明する図であり、(a)は惰行制御開始時のエコメータの燃費評価値、(b)はα制御時のエコメータの燃費評価値を示す図である。 本発明において、β制御の動作を説明する図であり、(a)は惰行制御開始時のエコメータの燃費評価値、(b)はβ制御時のエコメータの燃費評価値を示す図である。 本発明において、γ制御を行う領域とδ制御を行う領域を説明する図である。 本発明において、γ制御の動作を説明する図であり、(a)はα制御時のエコメータの燃費評価値、(b)はγ制御時のエコメータの燃費評価値を示す図である。 本発明において、δ制御の動作を説明する図であり、(a)はβ制御時のエコメータの燃費評価値、(b)はδ制御時のエコメータの燃費評価値を示す図である。 本発明の燃費走行制御時の補助制御装置の制御フローを説明するフローチャートである。 エコメータの一例を説明する図である。 図16のエコメータの動作を説明する図であり、(a)はアクセル全開時、(b)は加速時、(c)は燃料カット時、(d)はアクセル緩め時の表示を示す図である。 図16のエコメータの動作を説明する図であり、惰行制御作動時の表示を示す図である。 図16のエコメータの動作を説明する図であり、(a)は車速が低い状態で惰行制御に入った場合、(b)は車速が高い状態で惰行制御に入った場合の表示を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施形態に係る燃費走行制御時の補助制御装置が適用される車両の入出力構成図である。
図1に示すように、車両には、主として変速機・クラッチを制御する電子制御ユニット11と、主としてエンジンを制御するECM(エンジン・コントロール・モジュール)12が設けられている。
電子制御ユニット11には、シフトノブスイッチ、変速機のシフトセンサ、セレクトセンサ、ニュートラルスイッチ、T/M回転センサ、車速センサ、アイドルスイッチ、マニュアル切替スイッチ、パーキングブレーキスイッチ、ドアスイッチ、ブレーキスイッチ、半クラッチ調整スイッチ、クラッチセンサ、油圧スイッチの各入力信号線が接続されている。また、電子制御ユニット11には、クラッチシステム51の油圧ポンプ64のモータおよびソレノイドバルブ62、坂道発進補助用バルブ、ウォーニング&メータの各出力信号線が接続されている。
ECM12には、図示しないがエンジン制御に利用される各種の入力信号線と出力信号線が接続されている。ECM12は、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン回転変更要求の各信号をCAN(Controller Area Network;車載ネットワーク)の伝送路を介して電子制御ユニット11に送信することができる。
また、車両は、燃料噴射量と車速から瞬間燃費を演算すると共に、その瞬間燃費の積算平均値である平均燃費を演算する燃費演算部(図示せず)と、平均燃費に対する瞬間燃費の評価値を燃費評価値として表示するエコメータ13とを備えている。
燃費演算部は、ECM12に搭載される。エコメータ13は、平均燃費=瞬間燃費であるときに中央のニュートラル位置となるようにし、平均燃費<瞬間燃費であるときにプラス側(燃費が良い)、平均燃費>瞬間燃費であるときにマイナス側(燃費が悪い)に振れるように構成されている。また、エコメータ13には、惰行制御中に点灯し、惰行制御中であることをドライバーに伝達する作動ランプとしてのS−ECOランプ14が設けられている。
車両では、一般的に、ECM12(あるいはBCM(ボディ・コントロール・モジュール))よりエコメータ13に燃費評価値が出力されているが、本実施形態では、電子制御ユニット11とECM12の両方からエコメータ13に燃費評価値を出力できるようにしている。
具体的には、電子制御ユニット11とECM12のエコメータ13への出力を、シリアル通信または電線(信号線)によりまとめてエコメータ13に接続しておき、電子制御ユニット11とECM12のどちらからでもエコメータ13に燃費評価値を出力できるようにしている。
電子制御ユニット11およびECM12とエコメータ13との接続方式は、これに限らず、例えば、図2に示すように、CAN等のビークルネットワーク上に電子制御ユニット11、ECM12、エコメータ13を配置し、各々が交信しあうことで、電子制御ユニット11とECM12の両方からエコメータ13に燃費評価値を出力できるようにしてもよい。
車両には、走行中にエンジンが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にすると共に、エンジン回転数をアイドル回転数(又は相当する回転数)に落として惰行制御する燃費走行制御を行う燃費走行制御装置が搭載されている。
また、車両には、本発明の燃費走行制御時の補助制御装置が搭載されている。
ここで、本発明の燃費走行制御時の補助制御装置を説明するに先立ち、燃費走行制御装置について説明しておく。
まず、車両のクラッチシステムについて説明する。
図3に示すように、車両のクラッチシステム51は、マニュアル式と電子制御ユニット11の制御による自動式との両立方式である。クラッチペダル52に機械的に連結されたクラッチマスターシリンダ53は、クラッチフリーオペレーティングシリンダ54に動作油を供給するようになっている。一方、電子制御ユニット11で制御されるクラッチフリーアクチュエータユニット55もまた、クラッチフリーオペレーティングシリンダ54に動作油を供給するようになっている。クラッチフリーオペレーティングシリンダ54は、クラッチスレーブシリンダ56に動作油を供給するようになっている。クラッチスレーブシリンダ56のピストン57がクラッチ58の可動部に機械的に連結されている。
図4に示すように、図3のクラッチフリーオペレーティングシリンダ54である中間シリンダ61、クラッチフリーアクチュエータユニット55を構成するソレノイドバルブ62、リリーフバルブ63、油圧ポンプ64がクラッチフリーアクチュエータ65に設けられる。中間シリンダ61は、プライマリピストン66とセカンダリピストン67とが直列配置されており、クラッチマスターシリンダ53からの動作油によりプライマリピストン66がストロークすると、セカンダリピストン67が随伴してストロークするようになっている。また、クラッチフリーアクチュエータユニット55からの動作油によりセカンダリピストン67がストロークするようになっている。セカンダリピストン67のストロークに応じてクラッチスレーブシリンダ56に動作油が供給されるようになっている。この構成により、マニュアル操作が行われたときには、優先的にマニュアル操作どおりのクラッチ断・接が実行され、マニュアル操作が行われていないときには電子制御ユニット11の制御どおりのクラッチ断・接が実行される。
ここでは、マニュアル式と自動式の両立方式のクラッチシステムについて説明したが、自動式のクラッチシステム(ATやATM)であってもよい。
次に、燃費走行制御装置について説明する。
まず、図5により、燃費走行制御の作動概念を説明する。横軸は時間と制御の流れを示し、縦軸はエンジン回転数を示す。アクセルペダル71が大きく踏み込まれてアクセル開度70%の状態が継続する間、エンジン回転数72が上昇し、車両が加速される。エンジン回転数72が安定し、アクセルペダル71の踏み込みが小さくなりアクセル開度が35%になったとき後述する惰行制御開始条件が成立したとする。惰行制御開始により、クラッチが断に制御され、エンジン回転数72がアイドル回転数に制御される。その後、アクセルペダル71の踏み込みがなくなってアクセル開度が0%になるか又はその他の惰行制御終了条件が成立したとする。惰行制御終了により、エンジンが回転合わせ制御され、クラッチが接に制御される。この例では、アクセル開度が0%であるので、エンジンブレーキの状態となり、車両は減速される。
燃費走行制御が行われなかったとすると、惰行制御の実行期間の間、破線のようにエンジン回転数が高いまま維持されることになるので、燃料が無駄に消費されるが、燃費走行制御が行われることで、エンジン回転数72がアイドル回転数となり燃料が節約される。
燃費走行制御装置は、具体的には、所定時間ごとにアクセル開度センサの出力信号をデジタルサンプリングし、その移動平均値を所定時間ごとのアクセル開度とするアクセル開度検出部と、アクセル開度の所定時間分を微分してアクセル開度速度を演算し、そのアクセル開度が負であって、かつ、その絶対値があらかじめ設定された開始基準値より小さいとき、惰行制御開始の判定を許可する判定条件検出部と、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域とエンジン出力トルクが正となるプラス領域との境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)に沿わせて惰行制御しきい線が設定された惰行制御判定マップと、惰行制御開始の判定が許可されており、惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始する惰行制御実行判定部とを備えている。
ここで、クラッチ回転数とは、クラッチのドリブン側の回転数であり、トランスミッションのインプットシャフトの回転数と同一である。本実施形態では、インプットシャフトにクラッチ回転数センサを設け、インプットシャフトの回転数からクラッチ回転数を検出するようにした。
アクセル開度検出部、判定条件検出部、惰行制御判定マップ、惰行制御実行判定部は、電子制御ユニット11に搭載されるのが好ましい。
図6に、惰行制御判定マップをグラフイメージで示す。
惰行制御判定マップ81は、あらかじめエンジンについてアクセル開度とクラッチ回転数の相関をクラッチ断の状態にて計測して作成される。
図6に示すように、惰行制御判定マップ81は、横軸をアクセル開度とし、縦軸をクラッチ回転数とするマップである。惰行制御判定マップ81は、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域Mと、エンジン出力トルクが正となるプラス領域Pとに分けることができる。すなわち、マイナス領域Mは、エンジン要求トルクよりもエンジンのフリクションが大きく、エンジン出力トルクが負となる領域である。プラス領域Pは、エンジン要求トルクがエンジンのフリクションより大きいため、エンジン出力トルクが正となる領域である。マイナス領域Mとプラス領域Pの境界となるエンジン出力トルクゼロ線(ノーロード線)Zは、エンジンが外部に対して仕事をせず、燃料が無駄に消費されている状態を示している。
本実施形態では、惰行制御判定マップ81のエンジン出力トルクゼロ線Zよりやや左(アクセル開度が小さい側)に惰行制御しきい線Tが設定される。
惰行制御判定マップ81には、マイナス領域Mとプラス領域Pとの間に惰行制御しきい線Tを含む有限幅の惰行制御可能領域CAが設定される。
惰行制御判定マップ81には、クラッチ回転数の下限しきい線Uが設定されている。下限しきい線Uは、アクセル開度とは無関係にクラッチ回転数の下限しきい値を規定したものである。下限しきい線Uは、アイドル状態におけるクラッチ回転数よりも図示のようにやや上に設定される。
燃費走行制御装置では、次の4つの惰行開始条件が全て成立したとき、惰行制御を開始するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲内
(2)惰行制御判定マップ81において惰行制御しきい線Tをアクセル戻し方向で通過
(3)惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA内
(4)惰行制御判定マップ81においてエンジン回転数が下限しきい線U以上
また、燃費走行制御装置では、次の2つの惰行終了条件がひとつでも成立したとき、惰行制御を終了するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲外
(2)惰行制御判定マップ81へのプロット点が惰行制御可能領域CA外
図7により、燃費走行制御による燃費削減効果を説明する。
まず、燃費走行制御を行わないものとする。エンジン回転数は、約30sから約200sまでの間、1600〜1700rpmの範囲で遷移しており、約200sから約260sまでの間に、約1700rpmから約700rpm(アイドル回転数)へ低下している。
エンジントルクは、約30sから約100sまでの間に増加しているが、その後、減少に転じ、約150sまで減少を続けている。エンジントルクは、約150sから約160sまで(楕円B1)、約200sから約210sまで(楕円B2)、約220sから約260sまで(楕円B3)の3箇所で、ほぼ0Nmとなっている。
燃料消費量(縦軸目盛りなし;便宜上、エンジントルクと重なるように配置してある)は、約50sから約200sまではエンジントルクの遷移にほぼ随伴して変化している。エンジントルクがほぼ0Nmであっても、燃料消費量は0ではない。
ここで燃費走行制御を行うものとすると、エンジントルクがほぼ0Nmとなる期間において、エンジン回転数がアイドル回転数に制御されることになる。グラフには、惰行制御を行わないクラッチ回転数の線(実線)から分かれるように惰行制御時のエンジン回転数の線(太い実線)が示される。惰行制御は、楕円B1,B2,B3の3回にわたり実行された。この惰行制御が行われた期間における燃料消費量は、惰行制御を行わない場合の燃料消費量を下回っており、燃料消費が節約されたことが分かる。
図8に、実際に燃費走行制御が行われた惰行制御判定マップ100を示す。各点は、実際に検出されたアクセル開度とクラッチ回転数のプロット点を示す。惰行制御判定マップ100には、マイナス領域、プラス領域、惰行制御しきい線(加速0しきい点、減速0しきい点)、惰行制御可能領域がそれぞれ設定されている。
次に、図1に戻り、本発明の燃費走行制御時の補助制御装置を説明する。
本発明の燃費走行制御時の補助制御装置は、惰行制御中に、エコメータ13に表示される車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させるエコメータ表示制御手段15を備える。
上述のように、惰行制御中には、エンジン回転数がアイドル回転数で一定となるため、燃料噴射量が一定となり、また車速もほぼ一定であるため、エコメータはほぼ一定の燃費評価値を示した状態となる。以下、惰行制御中にエコメータが表示するほぼ一定の燃費評価値(車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算される燃費評価値)を、惰行制御時の燃費評価値という。
エコメータ表示制御手段15は、惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線Tよりもマイナス領域M側であるか、あるいはプラス領域P側であるかを判定する判定部16と、座標点が惰行制御しきい線Tよりもマイナス領域M側であるとき、エコメータ13に表示される燃費評価値を、惰行制御時の燃費評価値からプラス側に変動させる制御(以下、α制御という)を行い、座標点が惰行制御しきい線Tよりもプラス領域側であるとき、エコメータ13に表示される燃費評価値を、惰行制御時の燃費評価値からマイナス側に変動させる制御(以下、β制御という)を行う表示制御部17とを備える。これら判定部16、表示制御部17は、電子制御ユニット11に搭載される。
図9に示すように、表示制御部17は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が、惰行制御しきい線Tよりも左側(マイナス領域M側)であり、かつ、惰行制御可能領域CA内であるα領域RAにあるときに、エコメータ13に表示される燃費評価値をプラス側に変動させるα制御を行う。また、表示制御部17は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線Tよりも右側(プラス領域P側)であり、かつ、惰行制御可能領域CA内であるβ領域RBにあるときに、エコメータ13に表示される燃費評価値をマイナス側に変動させるβ制御を行う。
図10(a),(b)に示すように、α制御では、惰行制御開始時の燃費評価値から、プラス側に燃費評価値を変動させる。また、図11(a),(b)に示すように、β制御では、惰行制御開始時の燃費評価値から、マイナス側に燃費評価値を変動させる。
また、表示制御部17は、現在のクラッチ回転数における惰行制御しきい線T上のアクセル開度を求め、求めたアクセル開度と現在のアクセル開度の差に応じて、エコメータ13に表示される燃費評価値を変動させる。例えば、車速が一定(クラッチ回転数が一定)である場合は、表示制御部17は、惰行制御開始時のアクセル開度に対する現在のアクセル開度の変化量(惰行制御開始時のアクセル開度と現在のアクセル開度との差)に応じた変動量で、エコメータ13に表示される燃費評価値を変動させる。
本実施形態では、α制御における燃費評価値を、
惰行制御時の燃費評価値+1目盛×(アクセル開度の変化量)×A
とし、β制御における燃費評価値を、
惰行制御時の燃費評価値−1目盛×(アクセル開度の変化量)×B
としてエコメータ13に出力するようにした。A,Bは、感応チューニングのための係数である。
α,β制御における変動量は、ドライバーが認識できる最小量程度でよいので、ドライバーが認識できる程度の変動量となるように、感応チューニングのための係数A,Bを設定するとよい。
このようなα,β制御を行うことにより、惰行制御中であっても、アクセル開度が増減すると、これに応じてエコメータ13の燃費評価値が増減するようになる。
さらに、本実施形態では、エコメータ表示制御手段15は、惰行制御が終了しそうになったとき、エコメータ13に表示される燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させた方向と反対の方向に反転させて変動させる。
具体的には、図12に示すように、惰行制御判定マップに、その惰行制御可能領域CAのマイナス領域Mとの境界付近にマイナス側反転制御しきい線としてのγ制御しきい線Cを設定すると共に、惰行制御可能領域CAのプラス領域Mとの境界付近にプラス側反転制御しきい線としてのδ制御しきい線Dを設定している。
表示制御部17は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線Tよりもマイナス領域M側であり、かつ、γ制御しきい線Cよりもマイナス領域M側であるγ領域RCにあるとき、エコメータ13に表示される燃費評価値をマイナス側に反転させて変動させる制御(以下、γ制御という)を行う。また、表示制御部17は、座標点が惰行制御しきい線Tよりもプラス領域P側であり、かつ、δ制御しきい線Dよりもプラス領域P側であるδ領域RDにあるとき、エコメータ13に表示される燃費評価値をプラス側に反転させて変動させる制御(以下、δ制御という)を行う。
つまり、本実施形態では、α制御中にアクセル開度とクラッチ回転数の座標点がγ制御しきい線Cを越え、惰行制御可能領域CAから外に出そうになる(惰行制御が終了しそうになる)と、α制御からγ制御に切り替えて、エコメータ13に表示される燃費評価値をマイナス側に反転させて変動させる。同様に、β制御中にアクセル開度とクラッチ回転数の座標点がδ制御しきい線Dを越え、惰行制御可能領域CAから外に出そうになると、β制御からδ制御に切り替えて、エコメータ13に表示される燃費評価値をプラス側に反転させて変動させる。
図13(a),(b)に示すように、γ制御では、α制御時の燃費評価値(α制御からγ制御に切り替わったときの燃費評価値)から、マイナス側に反転させて燃費評価値を変動させる。また、図14(a),(b)に示すように、δ制御では、β制御時の燃費評価値(β制御からδ制御に切り替わったときの燃費評価値)から、プラス側に反転させて燃費評価値を変動させる。
本実施形態では、上述のα,β制御と同様に、γ制御における燃費評価値を、
α制御時の燃費評価値−1目盛×(アクセル開度の変化量)×C
とし、δ制御における燃費評価値を、
β制御時の燃費評価値+1目盛×(アクセル開度の変化量)×D
としてエコメータ13に出力するようにした。ただし、ここでいうアクセル開度の変化量とは、上述した惰行制御しきい線Tに対するアクセル開度の変化量ではなく、γ制御しきい線Cあるいはδ制御しきい線Dに対するアクセル開度の変化量のことである。C,Dは、感応チューニングのための係数である。
また、エコメータ表示制御手段15は、惰行制御開始時に、エコメータ13への出力をECM12から表示制御部17に切り替え、惰行制御終了時に、エコメータ13への出力を表示制御部17からECM12に切り替える出力制御部を備える。本実施形態では、燃費走行制御装置の惰行制御実行判定部が出力制御部を兼ねることとした。
次に、本実施形態に係る燃費走行制御時の補助制御装置における制御フローを説明する。
図15に示すように、まず、出力制御部としての惰行制御実行判定部が、惰行制御開始条件と一致するか否かを判断する(ステップS1)。惰行制御中でない場合、制御を終了する。
惰行制御開始条件と一致する場合、惰行制御実行判定部は、エコメータ13への出力をECM12から表示制御部17に切り替え、これと同時に、判定部16は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線Tよりプラス領域P側(α領域RA内)にあるか、マイナス領域M側(β領域RB内)にあるかを判定する(ステップS2)。このとき、惰行制御中であることを知らせるS−ECOランプ14が点灯する。
アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がα領域RA内にある場合、表示制御部17はα制御を開始し、エコメータ13に表示される燃費評価値を、アクセル開度に応じてプラス側に変動させる(ステップS3)。
その後、判定部16は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がγ制御しきい線Cを越えたか否か、すなわち座標点がγ領域RC内にあるか否かを判定する(ステップS4)。γ制御しきい線Cを越えていない場合、ステップS2に戻り、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がα領域RA内にあれば、表示制御部17は引き続きα制御を行う。
γ制御しきい線Cを越えた場合、表示制御部17は、α制御からγ制御に切り替え、γ制御を開始する(ステップS5)。すなわち、表示制御部17は、α制御時の燃費評価値(α制御からγ制御に切り替わったときの燃費評価値)から、マイナス側に反転させて燃費評価値を変動させる。
その後、判定部16は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が、惰行制御可能領域CAから外に出たか否かを判定する(ステップS6)。惰行制御可能領域CAから外に出ていない場合、ステップS4に戻り、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がγ領域RC内にあれば、表示制御部17は引き続きγ制御を行う。惰行制御可能領域CAから外に出た場合、惰行制御実行判定部は、惰行制御を終了すると共に、エコメータ13への出力を表示制御部17からECM12に切り替えて、制御を終了する。
また、ステップS2において、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線Tよりプラス領域P側(β領域RB内)にある場合、表示制御部17はβ制御を開始し、エコメータ13に表示される燃費評価値を、アクセル開度に応じてマイナス側に変動させる(ステップS7)。
その後、判定部16は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がδ制御しきい線Dを越えたか否か、すなわち座標点がδ領域RD内にあるか否かを判定する(ステップS8)。δ制御しきい線Dを越えていない場合、ステップS2に戻る。
δ制御しきい線Dを越えた場合、表示制御部17は、β制御からδ制御に切り替え、δ制御を開始する(ステップS9)。すなわち、表示制御部17は、β制御時の燃費評価値(β制御からδ制御に切り替わったときの燃費評価値)から、プラス側に反転させて燃費評価値を変動させる。
その後、判定部16は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が、惰行制御可能領域CAから外に出たか否かを判定する(ステップS10)。惰行制御可能領域CAから外に出ていない場合、ステップS8に戻る。惰行制御可能領域CAから外に出た場合、惰行制御実行判定部は、惰行制御を終了すると共に、エコメータ13への出力を表示制御部17からECM12に切り替えて、制御を終了する。
ここで、一例として、車速が一定(クラッチ回転数が一定)であり、アクセル開度が一方向に増減する場合の各制御への移行を説明する。
惰行制御開始時のアクセル開度からアクセル開度が減少すると、α制御が開始され、エコメータ13の燃費評価値をプラス側に変動させる。そのままアクセル開度が減少し、γ制御しきい線Cを通過すると同時にγ制御に移行し、エコメータ13の燃費評価値をマイナス側に変動させる。さらにアクセル開度が減少し、惰行制御可能領域CAから外に出ると、制御が終了する。
γ制御時にアクセル開度が増加してγ制御しきい線Cを通過すると、γ制御からα制御に戻り、さらにアクセル開度が増加して惰行制御しきい線Tを通過すると、β制御に移行して、エコメータ13の燃費評価値をプラス側に変動させる。
さらにアクセル開度が増加し、δ制御しきい線Dを通過すると同時にδ制御に移行し、エコメータ13の燃費評価値をプラス側に変動させる。さらにアクセル開度が増加し、惰行制御可能領域CAから外に出ると、制御が終了する。
δ制御時にアクセル開度が減少してδ制御しきい線Dを通過すると、δ制御からβ制御に戻り、さらにアクセル開度が減少して惰行制御しきい線Tを通過すると、α制御に移行する。
このように、本実施形態では、惰行制御中に常にエコメータ13が表示する燃費評価値を変動させ、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がα領域RA、β領域RB、γ領域RC、δ領域RDのどの領域に存在するかによって、表示制御部17がα制御、β制御、γ制御、δ制御のどの制御を行うかを決定する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係る燃費走行制御時の補助制御装置は、惰行制御中に、エコメータ13に表示される惰行制御時の燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させるエコメータ表示制御手段15を備えている。
これにより、本来、惰行制御中にはほとんど動かなくなってしまうエコメータ13の燃費評価値を、惰行制御中にも常に変動させることが可能となる。また、アクセル開度に応じてエコメータ13の燃費評価値を変動させることで、ドライバーの加速/減速の意志に応じてエコメータ13の燃費評価値を変動させることが可能となり、ドライバーが違和感を感じることがなくなる。よって、ドライバーの不要なアクセル操作を抑制して、惰行制御から外れ難いようにすることが可能となり、その結果、惰行制御維持時間を長くすることができ、燃費を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、表示制御部17が、現在のクラッチ回転数における惰行制御しきい線T上のアクセル開度を求め、求めたアクセル開度と現在のアクセル開度の差に応じて、エコメータ13に表示される燃費評価値を変動させている。
これにより、アクセル開度とクラッチ回転数に応じて、すなわち、車両の走行状態やアクセルの微妙な動きに応じて、エコメータ13に表示する燃費評価値を変動させることが可能となり、ドライバーが感じる違和感をより低減することが可能となる。
さらに、本実施形態では、エコメータ表示制御手段15は、惰行制御が終了しそうになったとき、エコメータ13に表示される燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させた方向と反対の方向に反転させて変動させるようにしている。すなわち、惰行制御判定マップに、惰行制御可能領域CAの境界付近にγ制御しきい線Cとδ制御しきい線Dを設定し、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が、γ制御しきい線Cやδ制御しきい線Dを越えて、惰行制御可能領域CAから外に出そうになると、エコメータ13に表示する燃費評価値を反転させて変動させるようにしている。
これにより、エコメータ13に表示する燃費評価値を、惰行制御から外れ難い方に動かし、燃費走行制御を維持するようにドライバーに喚起することが可能となる。よって、惰行制御維持時間を長くし、燃費を向上させることが可能になる。
また、このようなエコメータ13の動きをドライバーが学習することで、ドライバーがアクセル操作を微妙に調整できる効果も得られるため、惰行制御維持時間を長くすることが可能となり、燃費向上運転に役立つ。さらには、アクセル操作のラフなドライバーであっても、微妙なアクセル操作を習熟する効果も有する。
上記実施形態では、アナログ表示式のエコメータ13を用いる場合を説明したが、デジタル表示式など他の形式のエコメータにも適用可能である。
また、上記実施形態では、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点がどの領域に存在するかによって、実施する制御を決定するようにしたが、惰行制御中は、走行状態(路面状態や風等)の変化がない限り車速がほぼ一定となるため、クラッチ回転数を一定と仮定し、惰行制御開始時のアクセル開度と現在のアクセル開度との差に応じて、エコメータ13に表示される燃費評価値を変動させるようにしてもよい。
上記実施形態では、ECM12がエコメータ13に燃費評価値を出力する場合を説明したが、BCM(ボディ・コントロール・モジュール)など他のユニットやモジュールがエコメータ13に燃費評価値を出力するように構成されている場合、出力制御部である惰行制御実行判定部が、エコメータ13に燃費評価値を出力しているユニットやモジュール(例えば、BCM)に、燃費評価値の出力を停止・再開する命令を出力して、エコメータ13への出力を切り替えるようにすればよい。
上記実施形態では、電子制御ユニット11に搭載された表示制御部17から、直接エコメータ13に燃費評価値を出力するようにしたが、ECM12を介してエコメータ13に燃費評価値を出力するようにしてもよい。
上記実施形態では、電子制御ユニット11に判定部16、表示制御部17を搭載する場合を説明したが、ECM12に搭載するようにしてもよいし、BCMなど他のユニットやモジュールに搭載するようにしてもよい。
11 電子制御ユニット
12 ECM
13 エコメータ
14 S−ECOランプ
15 エコメータ表示制御手段
16 判定部
17 表示制御部

Claims (4)

  1. 走行中にエンジンが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にすると共に、エンジン回転数をアイドル回転数に落として惰行制御する燃費走行制御装置と、燃料噴射量と車速から瞬間燃費を演算すると共に、その瞬間燃費の積算平均値である平均燃費を演算する燃費演算部と、平均燃費に対する瞬間燃費の評価値を燃費評価値として表示するエコメータとを備えた走行体に搭載される燃費走行制御時の補助制御装置であって、
    前記惰行制御中に、前記エコメータに表示される車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値を、アクセル開度に応じて変動させるエコメータ表示制御手段を備え、
    前記エコメータ表示制御手段は、前記惰行制御が終了しそうになったとき、前記エコメータに表示される燃費評価値を、前記アクセル開度に応じて変動させた方向と反対の方向に反転させて変動させることを特徴とする燃費走行制御時の補助制御装置。
  2. 前記燃費走行制御装置は、アクセル開度とクラッチ回転数を指標とし、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域とエンジン出力トルクが正となるプラス領域との境界となるエンジン出力トルクゼロ線に沿わせて惰行制御しきい線が設定された惰行制御判定マップを備え、該惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が前記惰行制御しきい線をアクセル開度が減少する方向に通過したとき、惰行制御を開始するようにされ、
    前記エコメータ表示制御手段は、
    前記惰行制御判定マップ上で、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記マイナス領域側であるか、あるいは前記プラス領域側であるかを判定する判定部と、
    前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記マイナス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値を、車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値からプラス側に変動させ、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記プラス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値を、車速とアイドル回転数での燃料噴射量から演算された燃費評価値からマイナス側に変動させる表示制御部とを備える請求項1記載の燃費走行制御時の補助制御装置。
  3. 前記表示制御部は、現在のクラッチ回転数における前記惰行制御しきい線上のアクセル開度を求め、求めたアクセル開度と現在のアクセル開度の差に応じて、前記エコメータに表示される燃費評価値を変動させる請求項2記載の燃費走行制御時の補助制御装置。
  4. 前記惰行制御判定マップは、前記マイナス領域と前記プラス領域との間に前記エンジン出力トルクゼロ線を含む有限幅の惰行制御可能領域が設定され、前記燃費走行制御装置は、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が前記惰行制御可能領域から外に出たとき、惰行制御を終了するようにされ、
    前記惰行制御判定マップに、その惰行制御可能領域の前記マイナス領域との境界付近にマイナス側反転制御しきい線を設定すると共に、前記惰行制御可能領域の前記プラス領域との境界付近にプラス側反転制御しきい線を設定し、
    前記表示制御部は、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記マイナス領域側であり、かつ、前記マイナス側反転制御しきい線よりも前記マイナス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値をマイナス側に反転させて変動させ、前記座標点が前記惰行制御しきい線よりも前記プラス領域側であり、かつ、前記プラス側反転制御しきい線よりも前記プラス領域側であるとき、前記エコメータに表示される燃費評価値をプラス側に反転させて変動させる請求項2または3記載の燃費走行制御時の補助制御装置。
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